JP4646865B2 - 皮膚貼付材および粘着剤層、並びに救急絆創膏 - Google Patents

皮膚貼付材および粘着剤層、並びに救急絆創膏 Download PDF

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本発明は皮膚貼付材および救急絆創膏に関するものである。
皮膚面に貼付して使用する皮膚貼付材は、通常、プラスチックフィルムや布帛などの支持体の片面に皮膚貼着用の粘着剤層が設けられており、救急絆創膏やドレッシング、皮膚面固定シート、経皮吸収薬を含有する貼付剤などの種々の用途に利用されている。これらはいずれも粘着剤層を皮膚面に直接貼付して使用するので、皮膚面に対する優れた接着性と共に皮膚面に対する非刺激性なども要求される。これらの要求特性は長時間にわたって貼付する場合に極めて重要である。特に、救急絆創膏のような皮膚貼付材では指関節や膝関節のような屈曲部に貼着した場合でも、皮膚接着性の維持や、水仕事したり入浴した場合などでも脱落しないような耐水性の付与、剥離時の無痛性、剥離後に粘着剤が皮膚面に残存しないことなどの特性が必要となる。
このような要求特性を満たすものとして、救急絆創膏などでは従来から汎用されているポリ塩化ビニルなどの支持体の代替材料として、メルトブロー不織布やポリオレフィンを用いたものが提案されている。これらは使用する支持体基材の面から上記問題点の解決にアプローチしたものであって、柔軟性やしなやかさを皮膚貼付材に付与して、皮膚接着性や皮膚追従性、皮膚非刺激性などを良好にしようと試みたものである。
しかしながら、皮膚貼付材が皮膚面に接触するのは粘着剤であるので、支持体の選定だけでは充分な解決までには至ることができず、直接的な解決は粘着剤の選定によることは明らかである。
特開平7−52326号公報 特開昭62−176839号公報
そこで、本発明は従来の皮膚貼付材が有する上記問題点を解決するために、使用する粘着剤の面からアプローチを重ねた結果、粘着剤の構成材料として特定のシリコーン系ポリマーとアクリル系ポリマーとを特定の比率で混合したものを用い、さらにミクロ層分離構造(ミクロドメイン構造)とすることによって、耐水接着性や屈曲部接着性、糊残り防止性、皮膚非刺激性などに優れた特性を有する皮膚貼付材が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は支持体の片面に皮膚貼着用の粘着剤層を積層してなる皮膚貼付材(但し、粘着剤と硝酸イソソルビドを含有する粘着性組成物からなる粘着層が柔軟な担持体の上に形成されてなる貼付剤であって、該粘着剤がシリコーン系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)からなり、それらの重量比率(A:B)が85:15〜15:85の混合系粘着剤であり、(A+B)に対する硝酸イソソルビド(C)の重量比率が94:6〜70:30である硝酸イソソルビド含有貼付剤を除く)であって、粘着剤層がオルガノシロキサン系ポリマーおよび(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系ポリマーを20:80〜89:11重量%の比率で含有し、ミクロ層分離構造を有していることを特徴とする皮膚貼付材、およびこれを用いてなる救急絆創膏を提供するものである。
ここで、前記オルガノシロキサン系ポリマーは、アルキルアリールポリシロキサン生ゴムとオルガノポリシロキサン樹脂との混合物の相互縮合物である。
また、本発明は、オルガノシロキサン系ポリマーおよび(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系ポリマーを20:80〜89:11重量%の比率で含有し、ミクロ層分離構造を有している粘着剤層(但し、粘着剤と硝酸イソソルビドを含有する粘着性組成物からなる粘着剤層であって、該粘着剤がシリコーン系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)からなり、それらの重量比率(A:B)が85:15〜15:85の混合系粘着剤であり、(A+B)に対する硝酸イソソルビド(C)の重量比率が94:6〜70:30である粘着剤層を除く)を提供するものである。
ここで、前記オルガノシロキサン系ポリマーは、アルキルアリールポリシロキサン生ゴムとオルガノポリシロキサン樹脂との混合物の相互縮合物である。
以上のように、本発明の皮膚貼付材および救急絆創膏は、オルガノシロキサン系ポリマーとアクリル系ポリマーとを特定の比率にて混合した粘着剤層を用い、その混合状態がミクロ層分離構造となるようにしているので、皮膚面に対する初期接着性や長期間接着性(密着性)に優れると共に、耐水性や屈曲部への接着性、糊残りの防止性、皮膚非刺激性などに優れるものである。特に、救急絆創膏に用いることによって本発明の上記効果を最大限に発揮できるものである。
発明を実施するための形態
本発明の皮膚貼付材や救急絆創膏に用いる支持体は、後述する粘着剤層を投錨性よく片面に積層保持するものである。具体的な材質としてはポリスチレン系の熱可塑性エラストマーフィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチルなどのポリオレフィン系フィルム、エーテル系やエステル系などのポリウレタン系フィルム、ポリエステル系フィルム、各種プラスチック材料からなる織布や不織布、編布、紙、その他これらのフィルム同士の積層体、布帛や紙同士の積層体、フィルムと布帛との積層体などを用いることができる。
使用する支持体の厚みは材質によって任意であるが、通常、フィルムを支持体とする場合には15〜250μm、好ましくは30〜100μm程度とし、織布や不織布などの布帛や紙などを支持体とする場合には50〜500μm、好ましくは100〜300μm程度とする。なお、後者のように布帛や紙などを支持体材料に用いると、絶対厚みを測定しにくいので、坪量が8〜200g/m程度のものを用いることが好適である。
これらの支持体のうち、感温性(温度変化に対して特性変化が少ない)や柔軟性(皮膚追従性)、適度な透湿性、引張強度などの点からポリウレタン系フィルムが好ましく、特にポリエステル系ポリウレタンフィルムやポリエーテル系ポリウレタンフィルムを用いることが好ましい。
本発明において上記支持体の片面に積層され、皮膚面に粘着して接する粘着剤層は、オルガノシロキサン系ポリマーおよび(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系ポリマーの混合物から形成される。これらの比率は20:80〜89:11重量%、好ましくは30:70〜75:25重量%とする。オルガノシロキサン系ポリマーが少なすぎる(アクリル系ポリマーが多すぎる)と、被着体である皮膚面に対する初期接着性は向上する傾向を示すが、長時間の貼着における接着性に欠けるようになる。例えば、救急絆創膏などに加工した場合に、端部の剥がれ現象を生じることがある。また、耐水性にも劣るようになる。
一方、オルガノシロキサン系ポリマーが多すぎる(アクリル系ポリマーが少なすぎる)と、皮膚面への長時間にわたる接着性の維持や耐水性には優れるが、初期接着性に欠けるので貼着初期に皮膚貼付材の脱落現象を生じるおそれがある。また、剥離時に皮膚面に粘着剤の一部が残存する、所謂糊残り現象が起こるおそれがある。このようなオルガノシロキサン系ポリマーが粘着剤層中に多く配合されているか、もしくはオルガノシロキサン系ポリマーのみで粘着剤層を形成する技術は、特開平7−52326号公報や特開昭62−176839号公報に開示されているが、何れも上記問題点を有しており、充分に満足できる特性を有するものではなく、改良の余地があった。
従って、本発明では上記各成分の含有比率を特定範囲に調整し、ミクロドメイン構造の粘着剤層を形成させることによって、従来の皮膚貼付材にない微妙な特性バランスをとることを特徴としているのである。
上記粘着剤に用いるオルガノシロキサン系ポリマーは、その表面張力が他のポリマーに比べて特異的に低く、接着する皮膚の表面との密着性を良好にするものである。本発明におけるオルガノシロキサン系ポリマーとは、粘着剤としても用いることができるものであって、具体的にはオルガノシロキサン系のゴム成分とシリコーン系樹脂を縮合触媒の存在下でシラノール基を脱水縮合させたポリマーが用いられる。
オルガノシロキサン系のゴム成分としては、重量平均分子量が15〜150万程度、好ましくは20〜100万程度のジメチルポリシロキサンを用いることができ、分子内のメチル基の一部をフェニル基やビニル基で置換したものを好適に用いることができる。代表的にはゼネラルエレクトリック社製のPSA6574などに代表されるアルキルアリールポリシロキサン生ゴムとオルガノポリシロキサン樹脂との混合物の相互縮合物を用いることができる。
シリコーン系樹脂としては、一官能性シロキサン単位と四官能性シロキサン単位からなる三次元構造体ものを用いることができ、粘着感を付与する機能を有する。通常、重量平均分子量1000〜30000、好ましくは3000〜10000程度のものを用いることができる。
本発明の粘着剤層を構成する成分として、上記オルガノシロキサン系ポリマーと共に含有させるアクリル系ポリマーは、粘着剤層に対する充分な初期粘着性(タック)の付与や、剥離時の糊残りの防止、架橋したアクリル系ポリマーを含有させることによって充填剤的な機能を発揮させるものであって、粘着物性の調整が比較的容易な(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするものを用いる。好ましくは、特にアクリル酸アルキルエステルもしくはメタクリル酸アルキルエステル(以下、(メタ)アクリル酸アルキルエステルという)を主成分モノマーとし、他の共重合性モノマーと共重合して得られる粘着剤を用いることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的にはアルキル基がブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシルなどの炭素数4〜13の直鎖アルキル基や分岐アルキル基などを有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることができ、これらは一種もしくは二種以上用いることができる。
なお、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは上記例示のものに限定されるものではなく、粘着特性を著しく低下させない範囲であれば、炭素数1〜3の低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルや炭素数14以上の高級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを併用してもよい。
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合することができる共重合性モノマーとしては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有すると共に、カルボキシル基(例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)やヒドロキシル基(例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなど)、スルホキシル基(例えばスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸など)、アミノ基(例えば(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステルなど)、アミド基(例えば(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなど)、アルコキシル基(例えば(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなど)などの官能基を側鎖に有するモノマーを用いることができる。これら以外に共重合できるモノマーとしては、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンなどを用いることができる。
これらの共重合性モノマー(官能性モノマー)は一種もしくは二種以上共重合することができるが、粘着特性としての接着性や凝集性、また、必要に応じて行う粘着剤層の架橋処理する際の反応性などの点から、カルボキシル基含有モノマーやヒドロキシル基含有モノマーの少なくとも一種を必須成分とし、必要に応じて上記に例示の他のモノマーを共重合することが特に好ましいものである。上記共重合性モノマーの共重合量は上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む全モノマー中、50重量%以下、好ましくは2〜40重量%の範囲となるように任意に設定することができる。
本発明に用いる粘着剤層は上記2種類の粘着性ポリマーを混合したものであるが、混合比率によっては粘着剤層の凝集性に劣り、皮膚面からの剥離時に凝集破壊する恐れがある。従って、粘着剤層の機械的強度を向上させるために、必要に応じて粘着剤層に架橋処理を施すことが好ましい。
架橋方法としては紫外線照射や電子線照射などの放射線照射による物理的架橋や、イソシアネート系化合物や有機過酸化物、有機金属塩、金属アルコラート、金属キレート化合物、多官能性化合物(多官能性外部架橋剤やジアクリレートやジメタクリレートなどの多官能性内部架橋用モノマー)などの架橋剤を用いた化学的架橋処理などが挙げられる。これらの架橋処理のうち、架橋反応性や架橋度合の調整のしやすさ、取り扱い性の点から、三官能性イソシアネートなどのイソシアネート系化合物を用いた外部架橋処理を行なうことが好ましい。これらの架橋剤の配合量は粘着剤層の固形分100重量部に対して0.01〜1.0重量部程度である。
本発明の皮膚貼付剤における粘着剤層は上記構成からなるものであり、極めて疎水性が高く表面張力が小さいオルガノシロキサン系ポリマーと、適度な疎水性と親水性を兼備したアクリル系ポリマーが混合されている。従って、完全にこれらのポリマー同士は相溶しておらず、粘着剤層はミクロ層分離構造を有するようになる。
このミクロ層分離構造の状態は用いるオルガノシロキサン系ポリマーやアクリル系ポリマーの種類によって異なるが、オルガノシロキサン系ポリマー/アクリル系ポリマーの比率が1/1未満、好ましくは1/2未満となると明確な層分離構造が得られる。この場合には、アクリル系ポリマーが連続相のマトリックス(海)となり、オルガノシロキサン系ポリマーがマトリックス中に分散しているドメイン(島)となるミクロドメイン構造(海島構造)を有するようになる。この場合、アクリル系ポリマーの特性が強く発揮され、オルガノシロキサン系ポリマーの特性が補助的に付加されるようになり、初期粘着性や剥離時の糊残りの防止性に優れたものとなる。
一方、オルガノシロキサン系ポリマー/アクリル系ポリマーの比率が1/1以上、好ましくは3/1以上となると明確な層分離構造が得られる。この場合には上記の分離構造とは逆に、オルガノシロキサン系ポリマーが連続相のマトリックス(海)となり、アクリル系ポリマーがマトリックス中に分散しているドメイン(島)となるミクロドメイン構造を有するようになる。この場合、オルガノシロキサン系ポリマーの特性が強く発揮され、アクリル系ポリマーの特性が補助的に付加されるようになり、耐水性および皮膚に対する長期貼着性に優れたものとなる。
本発明の皮膚貼付材および救急絆創膏は、上記のように支持体の片面に特定の組成およびミクロ構造を有する粘着剤層を積層してなるものであるが、支持体の露出表面の全部もしくは一部に印刷処理を施すことができる。印刷処理によって形成される印刷層は支持体表面の耐摩耗性を向上させると共に、滑り性を向上させることができる。つまり、滑り性が悪いと皮膚面への貼付使用中に衣服などとの擦れによってシート端部の捲れ(剥がれ)現象が生じやすい。従って、印刷層を熱融着や塗工処理によって支持体の露出表面に形成することによってこれらの欠点が解消されるのである。
印刷層はアクリル系樹脂やブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、エチルセルロース、ポリウレタンなどを主成分とするものを用いることができるが、防水性などを向上させるためには印刷層を形成したのち、その上にシリコーン系やフッ素系の撥水処理剤などを塗布することが好ましい。
また、本発明における支持体として、透湿性がない材質のフィルムを用いた場合には、皮膚面に長時間貼付すると貼付部位にムレを生じて、その結果、皮膚カブレなどを起こすことがある。従って、このような支持体を用いる場合や透湿性を有する支持体を用いる場合であっても、さらに透湿性を付与したい場合には、支持体および粘着剤層に穿孔処理を施すことが好ましい。穿孔処理を施すには穿孔ロールによる方法や、パンチング、レーザー照射などの方法を用いることができ、孔径は0.2〜2mm程度とする。
さらに、本発明は上記のようにして得られる皮膚貼付材の粘着剤層表面の中央域に吸液性パッドを設けて救急絆創膏とすることもできる。吸液性パッドとしては、例えばガーゼや綿布、不織布、脱脂綿と不織布との複合品、脱脂綿と編ネットとの複合品などを用いることができ、創傷部からの滲出液を吸収し、しかも創傷部の保護を行うことができて好ましい。
上記本発明の皮膚貼付材および救急絆創膏は、粘着剤層の表面の汚染を防ぐために、使用するまで粘着剤層表面をセパレータにて被覆しておくことが好ましい。この場合、使用するセパレータはオルガノシロキサン系ポリマーを含有する粘着剤層との離型性を良好とするためにシリコーン系の離型剤を用いたものを用いることが好適である。
以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明する。以下、文中における部とは重量部を意味し、%とは重量%を意味する。
実施例1
アクリル酸イソノニルエステル95部とアクリル酸5部を、重合溶媒としての酢酸エチルと共に反応容器内に仕込み、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.2部の存在下、常法によって重合反応を行い、アクリル系ポリマーを得た。得られるアクリル系ポリマーの固形分濃度は80重量%であった。
一方、オルガノシロキサン系ポリマーとしては、ゼネラルエレクトリック社製の商品名、PSA6574を用いた。
次に、上記オルガノシロキサン系ポリマーとアクリル系ポリマーを、固形分比率で35:65の比率で混合し、トルエンにて固形分濃度が30%の粘着剤溶液に調整した。
このようにして得た粘着剤溶液を、片面をシリコーン系離型剤にて処理したセパレータの離型処理面に、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布、乾燥して粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層の断面を透過型電子顕微鏡にて5000倍の倍率で観察し、その顕微鏡写真を図1に示した。
次いで、上記にて得た粘着剤層を、50μm厚のポリエステル系ポリウレタンフィルムの片面に転着して本発明の皮膚貼付材を得た。
実施例2
実施例1にて配合したオルガノシロキサン系ポリマーとアクリル系ポリマーの比率を、固形分比率で70:30とした以外は、実施例1と同様にして本発明の皮膚貼付材を得た。粘着剤層の断面を透過型電子顕微鏡にて5000倍の倍率にて観察し、その顕微鏡写真を図2に示した。
比較例1
実施例1において、粘着剤層をアクリル系ポリマーのみで形成した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付材を得た。
比較例2
実施例1において、粘着剤層をオルガノシロキサン系ポリマーのみで形成した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付材を得た。
実施例3
アクリル酸2−エチルヘキシルエステル65部と、アクリル酸2−メトキシエチルエステル30部、アクリル酸5部を、重合溶媒としての酢酸エチルと共に反応容器内に仕込み、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.2部の存在下、常法によって重合反応を行い、アクリル系ポリマーを得た。得られるアクリル系ポリマーの固形分濃度は75重量%であった。
一方、オルガノシロキサン系ポリマーとしては、ゼネラルエレクトリック社製の商品名、PSA6574を用いた。
次に、上記オルガノシロキサン系ポリマーとアクリル系ポリマーを、固形分比率で40:60の比率で混合し、さらに、架橋剤としてポリイソシアネートを粘着剤固形分100部に対して0.3部配合して、トルエンにて固形分濃度が30%の粘着剤溶液に調整した。
このようにして得た粘着剤溶液を、片面をシリコーン系離型剤にて処理したセパレータの離型処理面に、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布、乾燥して架橋処理を施した粘着剤層を形成した。
次いで、上記にて得た粘着剤層を60μm厚のポリエチレンフィルムの片面に転着して本発明の皮膚貼付材を得た。
比較例3
実施例1にて配合したオルガノシロキサン系ポリマーとアクリル系ポリマーの比率を、固形分比率で92:8とした以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付材を得た。
比較例4
実施例1にて配合したオルガノシロキサン系ポリマーとアクリル系ポリマーの比率を、固形分比率で15:85とした以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付材を得た。
比較例5
天然ゴム40部、テルペン樹脂100部、ポリブテン40部を主成分とするゴム系の粘着剤を作製し、トルエンを希釈溶剤として固形分濃度を30%に調整した。
このようにして得られた粘着剤溶液を、80μm厚の軟質塩化ビニルフィルムの片面に、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布、乾燥し、次いで、粘着剤層表面をセパレータにて被覆、積層して皮膚貼付材を得た。
試験例1
上記各実施例および比較例にて得た皮膚貼付材を5cm×5cm(25cm)の大きさに裁断し、これを皮膚貼付用のサンプルとした。
作製した皮膚貼付用のサンプルを、健常人12名の下腕内側A(カブレやすい部位)および肘B(屈曲部)に24時間貼付して、皮膚接着性、糊残り、ムレ、カブレについて評価し、その結果を表1に示した。なお、ムレおよびカブレについては、下腕内側のみで評価した。

Figure 0004646865
試験例2
上記各実施例および比較例にて得た皮膚貼付材を19mm×72mmの大きさに裁断し、粘着剤層の中央域に16mm×20mmの大きさのガーゼパッドを設けて救急絆創膏を作製した。
作製した絆創膏サンプルを、健常人12名の第2指の第2関節にラップ巻きして、皮膚接着性、耐水性、糊残り、ムレについて評価し、その結果を表2に示した。なお、貼付時間は8時間とし、日常の水仕事を行って評価した。

Figure 0004646865
は、実施例1にて得られた皮膚貼付材の粘着剤層断面の透過型電子顕微鏡写真(倍率5000倍)である。 は、実施例2にて得られた皮膚貼付材の粘着剤層断面の透過型電子顕微鏡写真(倍率5000倍)である。

Claims (8)

  1. 支持体の片面に皮膚貼着用の粘着剤層を積層してなる皮膚貼付材(但し、粘着剤と硝酸イソソルビドを含有する粘着性組成物からなる粘着層が柔軟な担持体の上に形成されてなる貼付剤であって、該粘着剤がシリコーン系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)からなり、それらの重量比率(A:B)が85:15〜15:85の混合系粘着剤であり、(A+B)に対する硝酸イソソルビド(C)の重量比率が94:6〜70:30である硝酸イソソルビド含有貼付剤を除く)であって、粘着剤層がオルガノシロキサン系ポリマーおよび(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系ポリマーを20:80〜89:11重量%の比率で含有し、前記オルガノシロキサン系ポリマーがアルキルアリールポリシロキサン生ゴムとオルガノポリシロキサン樹脂との混合物の相互縮合物であり、ミクロ層分離構造を有していることを特徴とする皮膚貼付材。
  2. 支持体がポリエステル系ポリウレタンフィルムまたはポリエーテル系ポリウレタンフィルムである請求項1に記載の皮膚貼付材。
  3. 支持体が露出表面に印刷処理されている請求項1から2のいずれか1項に記載の皮膚貼付材。
  4. 支持体及び粘着剤層に穿孔処理が施されている請求項1から2のいずれか1項に記載の皮膚貼付材。
  5. 粘着剤層がイソシアネート系化合物で架橋処理されている請求項1に記載の皮膚貼付材。
  6. アクリル系ポリマーが(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび官能性モノマーとの共重合体から形成され、該官能性モノマーが、不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有する共重合性モノマーであり、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホキシル基、アミノ基、アミド基およびアルコキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を側鎖に有する官能性モノマーである請求項1に記載の皮膚貼付材。
  7. 請求項1に記載の皮膚貼付材における粘着剤層表面の中央域に吸液性パッドを設けてなる救急絆創膏。
  8. オルガノシロキサン系ポリマーおよび(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系ポリマーを20:80〜89:11重量%の比率で含有し、前記オルガノシロキサン系ポリマーがアルキルアリールポリシロキサン生ゴムとオルガノポリシロキサン樹脂との混合物の相互縮合物であり、ミクロ層分離構造を有していることを特徴とする皮膚貼付材用粘着剤層(但し、粘着剤と硝酸イソソルビドを含有する粘着性組成物からなる粘着剤層であって、該粘着剤がシリコーン系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)からなり、それらの重量比率(A:B)が85:15〜15:85の混合系粘着剤であり、(A+B)に対する硝酸イソソルビド(C)の重量比率が94:6〜70:30である粘着剤層を除く)。
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