JPH06345639A - 混合系粘着剤を用いた硝酸イソソルビド含有貼付剤 - Google Patents

混合系粘着剤を用いた硝酸イソソルビド含有貼付剤

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JPH06345639A
JPH06345639A JP15632793A JP15632793A JPH06345639A JP H06345639 A JPH06345639 A JP H06345639A JP 15632793 A JP15632793 A JP 15632793A JP 15632793 A JP15632793 A JP 15632793A JP H06345639 A JPH06345639 A JP H06345639A
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adhesive
patch
isdn
acrylic
pressure
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JP15632793A
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Nagafumi Hidaka
修文 日高
Osamu Umagoe
治 馬越
Michisuke Oe
通介 大江
Toshiyuki Kato
俊幸 加藤
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Teysan Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Teysan Pharmaceuticals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 徐放性、経皮吸収性に優れた硝酸イソソルビ
ド貼付剤を提供すること 【構成】 シリコーン系粘着剤(A):(メタ)アクリ
ル酸の炭素数4〜14のアルキルエステルと(メタ)ア
クリル酸の共重合体からなるアクリル系粘着剤(B)の
重量比率が85:15〜15:85の混合系粘着剤と硝
酸イソソルビド(C)を含有する粘着性組成物からなる
粘着層が柔軟な支持体上に形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、徐放化された硝酸イソ
ソルビドの経皮投与用医薬貼付剤に関し、さらに詳しく
は、本発明は硝酸イソソルビドを含有する特定比率のシ
リコーン系粘着剤とアクリル系粘着剤の混合系粘着剤か
らなる粘着層が柔軟な担持体の上に形成された、徐放性
に優れ、かつ良好な経皮吸収性を有する貼付剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】硝酸イソソルビドが経皮吸収されること
は公知であり、経皮吸収用貼付剤として、既に多数の商
品が開発され販売されている。
【0003】貼付剤に用いられる粘着剤として、シリコ
ーン系、ゴム系、アクリル系等の粘着剤が好ましいこと
は、例えば特開昭57−116011号公報等に示され
ており、日本薬学会第5年会(平成元年9月26〜28
日)において、小国らは硝酸イソソルビドを用いた貼付
剤について、アクリル系、シリコーン系、ゴム系を比較
し、この3者は経皮吸収性がほぼ同じであったと報告し
ている。前記、特開昭57−11601号公報に係る出
願においては、その後、各種の粘着剤の中から特にアク
リル系粘着剤が好ましいとして、明細書の補正を行い、
出願公告されている(特公平4−74329号)。
【0004】貼付剤の問題点の1つとして皮膚カブレの
発生があり、これを少なくする方法として種々の提案が
なされている。その1つとして製剤サイズを小さくする
方法があり、そのためには、単位面積当たりの経皮吸収
性を高めることが必要である。経皮吸収性を高めるため
に、例えばミリスチン酸イソプロピル等、各種の吸収促
進剤の添加が提案されている。しかし、かかる吸収促進
剤は一般に低分子量であることも関係して、皮膚刺激性
が認められるものが多く、また、かかる吸収促進剤を多
量に添加すると得られる粘着剤組成物の粘着力が低下す
るなどの問題もあり、必ずしも成功していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚刺激が
少なく、経皮吸収性の良好な徐放性の硝酸イソソルビド
含有貼付剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、粘着剤と硝酸
イソソルビドを含有する粘着性組成物からなる粘着層が
柔軟な担持体の上に形成されてなる貼付剤であって、該
粘着剤がシリコーン系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤
(B)からなり、それらの重量比率が85:15〜1
5:85の混合系粘着剤であり、(A+B)に対する硝
酸イソソルビド(C)の重量比率が94:6〜70:3
0である硝酸イソソルビド含有貼付剤である。
【0007】本発明において、シリコーン系粘着剤
(A)としては、下記一般式
【化1】 で示される二次元構造をもった末端シラノール官能直鎖
状ジメチルポリシロキサンと三次元構造のシリケートレ
ジンの縮合反応生成物からなる粘着剤であって、ファー
ムテク ジャパン7(7),51〜55(1991)に
経皮吸収製剤用の粘着剤として優れた特性をもつことが
紹介されているものを挙げることができる。もちろん、
上記一般式において、Rおよび/またはR′の一部また
は全部を粘着剤特性にほとんど影響しない範囲で、その
他のアルキル基、ビニル基、アルコキシ基、アリール基
などで置換してもよい。
【0008】代表的シリコーン系粘着剤(A)として
は、ダウコーニング社のBio−PSA(登録商標)3
55、Bio−PSA(登録商標)Q7−2920があ
る。骨格や置換基の化学構造を一部変更しても、経皮吸
収性も粘着特性も実用上ほとんど影響を受けない。従っ
て、かかるシリコーン系粘着剤を用いることもできる。
また、シリコーン系粘着剤は単品でも、2種以上を混合
して用いてもよい。
【0009】また、アクリル系粘着剤(B)とは、アル
キル基の平均炭素数3〜14の(メタ)アクリル酸アル
キルエステルを少なくとも25重量%共重合させて得ら
れた粘着剤をいうが、なかでも、皮膚刺激性がより少な
く、適度の粘着性、接着性と高度の内部集力、かつ優れ
た耐溶剤性という観点から、炭素数4以上のアルキル
基の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも
50〜98モル%、アクリル酸および/またはメタク
リル酸2〜50モル%を共重合させたアクリル系樹脂が
特に好ましい。炭素数4以上のアルキル基の(メタ)ア
クリル酸エステルの例としては、例えばブチル(メタ)
アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)ア
クリレート、デシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができ
る。これらの粘着剤は1種あるいは2種以上を複合して
用いてもよい。また、公知の有機または無機の架橋剤が
0.01〜10重量%含有されていてもよい。
【0010】本発明においては、このようなシリコーン
系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)の混合系を用
いる。この組み合わせが優れている点は、両方の粘着剤
ともに、それぞれが硝酸イソソルビド(以下、本発明に
おいて硝酸イソソルビドとは、硝酸イソソルビドまたは
イソソルビドジナイトレートをいい、ISDNと略記す
る。)用粘着剤として好ましい性質を有しており、しか
も両者を混合してもその特性は失われず、経皮吸収性の
みが高まるという点である。
【0011】前記のように、ISDN貼付剤にシリコー
ン系粘着剤やアクリル系粘着剤を用いることは知られて
いる。しかし、異種の粘着剤を混合して用いることは、
もともと混合しないとその性質が出しにくいゴム系粘着
剤の場合は例外として、実際にはほとんど行われていな
い。特に、シリコーン系粘着剤とアクリル系粘着剤の混
合系を混合して得られた貼付剤は知られていない。これ
は、両者の粘着剤は互いに使用する溶媒が異なること、
化学構造的にも非常に異なることからこれらを混合する
必然性がみられないこと等によると考えられる。
【0012】シリコーン系粘着剤(A)とアクリル系粘
着剤(B)に、それぞれ単独にISDNを添加して得ら
れた貼付剤は、公知のとおり、同等の経皮吸収性を示
す。しかし、両者を混合したものにISDNを添加して
いくと、特異的に経皮吸収性が変化し、経皮吸収性の極
大値はAとBの混合比率が約50:50の近傍にあり、
しかもその経皮吸収性は単独系の経皮吸収性の2倍近く
まで上がる。もちろん、この極大値でなくとも、A:B
=85:15〜15:85(重量比)のときも十分に混
合のメリットを享受できる程度まで経皮吸収性は上昇す
る。
【0013】本発明の貼付剤用粘着性組成物において
は、前記混合系粘着剤に対するISDNの比率は、シリ
コーン系粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)の合計
重量に対し、ISDN(C)の重量が、(A+B):C
=94:6〜70:30の関係を満足するように配合ま
たは含有させる。ISDN(C)の比率が6未満では薬
剤としての効果が不十分であり、一方30を超えると粘
着剤中で結晶化しているISDNが多くなるが、これに
より得られる貼付剤の粘着力が低下し、貼付剤の柔軟性
が低下するようになる。さらに、30を超えてISDN
を多くしてもISDNの単位面積当たりの経皮吸収率は
上昇しないので、薬物利用率も低下する。
【0014】本発明においては、シリコーン系粘着剤
(A)およびアクリル系粘着剤(B)を、酢酸エチル、
ヘキサン、クロロホルム、キシレン、トルエン、ヘキサ
ン、アセトン、メタノール、フロロカーボン系溶媒等の
単独または混合溶媒に溶解または分散させたものにIS
DN(C)を混合するか、またはISDN(C)を混合
せずに離型紙または離型フィルムの上に乾燥後の厚みが
所定の厚み、すなわち5〜100μmとなるように塗工
し、乾燥させて蒸発により溶媒を十分に除く。
【0015】粘着剤溶液にISDN(C)を混合し塗工
し、乾燥してISDN(C)を含有する粘着層を得た場
合には、かかるISDN(C)を含有する粘着層を柔軟
な支持体に取付け、所望の大きさに裁断することにより
貼付剤を得ることができる。
【0016】一方、ISDNを混合せずに、または十分
な量は混合せずに塗工し、乾燥させた場合には、ISD
Nを含有しないか、十分には含有しない粘着層が得られ
る。
【0017】本発明の特に好ましい貼付剤は、粘着剤溶
液にISDNを混合せずに、または十分な量を混合せず
に塗工し乾燥させた場合に得られる。十分な量とは、実
質的に薬効を発揮しない量をいう。
【0018】すなわち、公知の如く、最終貼付剤中の残
留溶媒が少ないほど、具体的には、100ppm以下、
好ましくは50ppm以下の残留溶媒量となるほど、貼
付剤の皮膚刺激は少なくなる。従ってかかる残留溶媒の
少ない貼付剤を得るためには、粘着剤の溶液または分散
液を離型フィルムなどの上に塗工し、乾燥するときに、
十分な熱をかけ、または/および十分な乾燥時間をとる
か、もしくは得られた粘着層を加温したり、減圧下にお
くなどして、残留溶媒を減少させることが必要である。
ISDNは昇華性を有する薬物であるため、ISDNを
含有させた粘着層から残留溶媒を減少させるのは容易で
はない。しかし、ISDNを含有していない粘着層の場
合、ISDNが昇華することに全く配慮する必要がなく
なり、十分に残留溶媒の少ない粘着層を容易に作ること
ができるのである。
【0019】従って、本発明の好ましい貼付剤の製造法
においては、まずISDNを混合せずに、または十分な
量は混合せずに粘着剤混合物の溶液または分散液を塗工
してISDNを含有しないか、または十分には含有しな
い粘着層を得、次にこの粘着層にアセトン、メタノー
ル、エタノール、酢酸エチルなどの揮発性の高い溶媒に
高濃度に溶解したISDN溶液を滴下、スプレー、塗
布、または浸漬などすることにより、所望のISDNを
付着させる。次に、長時間放置、または加温などにより
ISDNを、かかる粘着層に拡散させて、貼付剤を得る
ことができる。
【0020】塗工・乾燥して粘着層を作る場合に用いる
溶媒とISDNを溶解するときに用いる溶媒が同じであ
っても、ISDNを溶解するのにこの溶媒を用いて前記
説明の方法で貼付剤を得る場合の方が、はるかに容易に
貼付剤の残留溶媒を少なくすることができる。
【0021】本発明において、粘着性組成物には、前記
A〜C成分のほか、これらの組成物の特性に実用上影響
しない範囲で、その他の粘着剤、例えばゴム系粘着剤、
ビニールエーテル系粘着剤の単独または混合物を併用し
てもよく、必要に応じて公知の吸収促進剤、溶解助剤、
拡散助剤、充填剤などを単独または混合にて含有させて
もよい。
【0022】吸収促進剤を用いるとき、吸収促進剤とし
ては、特にミリスチン酸イソプロピルが好ましく、ミリ
スチン酸イソプロピルを用いるときは、ISDN(C)
1重量部に対して0.1〜2重量部用いるのがよい。
【0023】また、他の吸収促進剤または拡散助剤とし
ては、例えば、ラウリン硫酸ナトリウム、ドデシルベン
ゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエー
テルジスルフォン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハ
ク酸塩、ポリオキシアルキルフェニルエーテルサルフェ
ートアンモニウム塩などの界面活性剤;グリセリン、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール、高級脂肪族アルコールなどのアルコー
ル類;ジメチルスルホキシドおよびアルキルメチル誘導
体;サリチル酸、尿素、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ラノリン、アラントイン、スクアレ
ン、カーボポール、ジイソプロピルアジペート、ピログ
ルタミン酸ラウリルエステル、エチルラウレート、ニコ
チン酸メチル、ソルビトールおよびドデシルピロリドン
のようなピロリドン誘導体、オリーブ油、ヒマシ油、流
動パラフィン、ワセリン、ゼラチン、アミノ酸、乳酸、
乳酸エチル、ニコチン酸ベンジル、L−メントール、カ
ンファー、ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンなど
を用いることができる。かかる添加剤は、ISDN1重
量部当たり、0.05〜2重量部用いるのがよい。
【0024】本発明の貼付剤においては、シリコーン系
粘着剤(A)とアクリル系粘着剤(B)とISDN
(C)を含有する粘着性組成物からなる粘着層は、柔軟
な担持体の上に形成されるが、かかる柔軟な担持体とし
てはフィルムや織物、編物、不織布などの布帛またはフ
ィルムと布帛の複合物などが用いられる。
【0025】かかるフィルムや布帛の材質としては、ポ
リエチレンテレフタレートのようなポリエステル;ポリ
エチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン;ナ
イロン6のようなポリアミド;エチレン−酢酸ビニール
共重合体などを用いることができる。かかる材質の中で
も、安定性、安全性の面からポリエステルが好ましい。
【0026】特に、貼付剤からISDNが逃散しにく
く、安定性が高くなる柔軟な担持体として貼付剤の外面
にフィルムを用いる場合には、貼付剤の取扱性を改善す
る目的で、該フィルムの内側または外側面に接着剤また
は接着剤を介して、例えば織物、編物、不織布などの布
帛を取付ける態様をとるとき、得られる貼付剤は安定性
が高く、取扱性が良好となる。説明の如く、安定性が高
く、取扱性を良好とするためには、フィルムの厚みは
0.5〜10μm、布帛は目付け8〜100g/m2
あるのが好ましく、特にフィルムが厚み0.5〜4.9
μmのポリエステルフィルムで、布帛が目付け8〜60
g/m2 のポリエステルであるときが好ましい。
【0027】特に好ましい貼付剤の態様を以下に示す。
すなわち、貼付剤が、 (a)フィルム層 (b)接着層 (c)布帛 (d)粘着層 (e)離型フィルム層 からなり、最外層が(a)であり、(a),(b),
(c),(d),(e)の順に積層してあり、使用時に
は(e)は捨てる。
【0028】(a)は厚みが0.5〜4.9μmのポリ
エステルフィルム層であり、フィルムとしては、例えば
帝人株式会社がコンデンサー用途に開発販売している極
薄ポリエステルフィルム(商品名、テイジン テトロン
フィルム Fタイプ)が特に好ましい。(b)は厚みが
5〜40μmの接着層であり、シリコーン系粘着剤、ア
クリル系粘着剤、ゴム系粘着剤またはエチレン−酢酸ビ
ニール共重合体系接着剤などの単独または混合系からな
り、(c)は目付けが8〜60g/m2 のポリエステル
布帛である。(d)はシリコーン系粘着剤(A)とアク
リル系粘着剤(B)の混合物からなる粘着層でAとBの
重量比率は85:15〜15:85であり、かつ厚みが
10〜60μmであり、(e)はフッ素樹脂をコーテイ
ングした厚み30〜100μmのポリエステルフィルム
系離型フィルム層である。ISDN(C)は主として
(d)粘着層に存在するが、(b)接着層、(c)布帛
中に存在してもよい。
【0029】かかる好ましい態様の貼付剤の製造におい
ては、ISDNを十分には含まない(b)接着層と
(d)粘着層を製造し、(a)フィルム層と(c)布帛
を(b)を介して接着して複合層を作り、該複合層の布
帛部分にアセトンなどの溶媒に溶解したISDNを滴
下、スプレー、浸漬などにより含有させ、しかるのち、
ISDNの溶媒を蒸発により除き、次に(d)粘着層を
圧着する。かくして得られる貼付剤には、(e)離型フ
ィルム層がついている。
【0030】かくして得られた貼付剤は、長時間放置す
るか、加熱することにより、ISDNを(d)粘着層に
十分に拡散させる。当然この過程において(b)接着層
中にもISDNが拡散する。ISDN含有貼付剤は、通
常、大きさ10〜100cm2 に裁断して用いられる
が、かかる裁断は加熱前にしてもよく、加熱後に行って
もよい。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。実施例中の部、%および比率はいずれも重量
基準である。また、血中のISDN濃度は以下の方法で
測定した。すなわち、1mlの採血血液より、血漿を分
離した後、4mlのn−ヘキサンを用いてISDNを抽
出し、濃縮して、この濃縮物に酢酸エチル100μlを
加えて試料を得、この試料中のISDNをGC−ECD
法により定量した。
【0032】また、実施例において使用したアクリル系
粘着剤の合成法を以下に示す。すなわち、2−エチルヘ
キシルアクリレート90部、メチルメタクリレート7
部、アクリル酸3部、過酸化ベンゾイル1.0部および
酢酸エチル100部を還流冷却器、かきまぜ機を有する
反応容器に仕込み、窒素雰囲気下60℃でゆっくり攪拌
しながら、9時間重合を続けた。重合転化率は99.9
%であった。得られた重合体溶液に酢酸エチル500部
を加えて固形分濃度を約20%に調節した。これをアク
リル系粘着剤試料という。
【0033】また、布帛試料は以下の方法で作成した。
テレフタル酸ジメチル297部、エチレングリコール2
65部、3,5−ジ(カルボメトキシ)ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム53部(テレフタル酸ジメチルに対して
11.7モル%)、酢酸マンガン4水塩0.084部お
よび酢酸ナトリウム3水塩1.22部を精留塔付ガラス
フラスコに入れ、常法に従ってエステル交換反応を行
い、理論量のメタノールが留出した後、反応生成物を精
留塔付重縮合用フラスコに入れ、安定剤として正リン酸
の56%水溶液0.090部および重縮合触媒として三
酸化アンチモン0.135部を加え、温度275℃で、
常圧下20分、30mmHgの減圧下15分間反応させ
た後、高真空下で100分間反応させた。最終内圧は
0.39mmHgであり、得られた共重合ポリマーの極
限粘度は0.402、軟化点は約200℃であった。反
応終了後、共重合ポリマーを常法に従いチップ化した。
【0034】この共重合ポリマーのチップ15部と極限
粘度0.640のポリエチレンテレフタレートのチップ
85部とをナウタ・ミキサー(細川鉄工所製)中で5分
間混合した後、窒素気流中にて110℃で2時間、さら
に150℃で7時間乾燥した後、二軸スクリュー式押出
機を用いて285℃で溶融混練してチップ化した。この
チップの極限粘度は0.535、軟化点は261℃であ
った。
【0035】このチップを常法により乾燥し、紡糸口金
に幅0.05mm、径0.6mmである円形スリットの
2箇所が閉じた円弧状の開口部をもつものを使用し、常
法に従って紡糸し、外径と内径の比が2:1の中空繊維
(中空率25%)を作った。得られた中空繊維は、該中
空繊維断面全体に散在し、繊維方向に配列する微細孔を
有し、該微細孔はその少なくとも1部が中空部まで連通
していた。この原糸は300デニール/24フィラメン
トであり、この原糸を用い、常法に従って延伸倍率4.
2倍で延伸し、71デニール/24フィラメントのマル
チフィラメントを得た。本マルチフィラメントの単糸の
太さは直径が11μmであった。
【0036】このマルチフィラメントをメリヤス編地に
なし、常法により精練、乾燥後、1%カセイソーダ水溶
液でかつ沸騰温度にて2時間処理してアルカリ減量率2
0%の編物を得た。得られた編物を縦方向に1.5倍引
き伸ばして、100℃で1分間熱をかけてヒートセット
して目付け17g/m2 の編物、すなわち布帛試料を得
た。
【0037】実施例1〜3および比較例1〜4 シリコーン系粘着剤(A)としてダウコーニング社のBi
o-PSA (登録商標)355 (固形分18.5%)を、アク
リル系粘着剤(B)としては固形分20%を含むアクリ
ル系試料を用いた。シリコーン系粘着剤(A)とアクリ
ル系粘着剤(B)の混合比率を変えて、両者を十分に攪
拌して混合ドープを得、フッ素離型フィルムの上に乾燥
後の厚みがそれぞれの水準について、15μm(接着層
b)および40μm(粘着層d)の2種類の粘着剤層を
得た。
【0038】フィルムaとして、厚み2.5μmのポリ
エチレンテレフタレート(テイジンテトロンフィルム
Fタイプ、帝人株式会社製、コンデンサー用フィルム)
を用い、まず、フィルムの上に接着bを圧着し、接着層
bの自由となっている面の上に布帛試料を圧着した。次
に、ISDN(C)のアセトン溶液をこの布帛試料の自
由となっている面に1m2 当たりISDN(C)が8g
となるように連続的に滴下した。アセトンを風乾により
蒸発させ、該布帛の自由となっている面に粘着層dを圧
着して積層物を得た。このとき、粘着層dの布帛と圧着
しない側の面には厚み50μmの乳白のフッ素系離型剤
をコートした離型フィルムがついていた。得られた積層
物を、大きさ7cm×7cmに裁断した後、1枚1枚を
アルミ包装した後、このものを65℃で24時間加熱し
た。
【0039】かくして得られた製剤から、大きさ10c
2 の動物試験用の試験製剤を作り、除毛した平均体重
200gのヘアレスラット(n=3)の背部に貼付し、
貼付前、貼付後2時間、貼付後5時間、貼付後24時間
に採血し、それぞれ血中のISDN濃度を測定し、貼付
状態を観察した。得られた血中濃度よりCmax およびA
UCを計算した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかな如く、シリコーン系粘着
剤とアクリル系粘着剤の混合系は、特に本発明の混合比
率の範囲において、特異的な経皮吸収性を示している。
なお、シリコーン系粘着剤には、柔軟剤としてシリコー
ンオイルを添加することがあるが、これらを添加した系
で試験してもアクリル系粘着剤添加の効果に変化はなか
った。
【0042】
【発明の効果】本発明のISDN含有貼付剤は、良好な
経皮吸収性および徐放性を有し、皮膚刺激がなく、主と
して狭心症の予防・治療薬として用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 俊幸 東京都羽村市緑ケ丘3丁目5番地の5 帝 三製薬株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着剤と硝酸イソソルビドを含有する粘
    着性組成物からなる粘着層が柔軟な担持体の上に形成さ
    れてなる貼付剤であって、該粘着剤がシリコーン系粘着
    剤(A)とアクリル系粘着剤(B)からなり、それらの
    重量比率(A:B)が85:15〜15:85の混合系
    粘着剤であり、(A+B)に対する硝酸イソソルビド
    (C)の重量比率が94:6〜70:30である硝酸イ
    ソソルビド含有貼付剤。
  2. 【請求項2】 シリコーン系粘着剤(A)とアクリル系
    粘着剤(B)からなる混合系粘着剤を含有し、硝酸イソ
    ソルビド(C)を全く含有しないか、または十分な量は
    含有しない粘着性組成物からなる粘着層を作り、しかる
    のちに硝酸イソソルビド(C)を該粘着層に拡散浸透せ
    しめる硝酸イソソルビド含有貼付剤の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006273871A (ja) * 2006-07-07 2006-10-12 Nitto Denko Corp 皮膚貼付材および粘着剤層、並びに救急絆創膏
JP4646865B2 (ja) * 2006-07-07 2011-03-09 日東電工株式会社 皮膚貼付材および粘着剤層、並びに救急絆創膏

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