JPH0791193B2 - エストラジオール含有貼付剤 - Google Patents

エストラジオール含有貼付剤

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JPH0791193B2
JPH0791193B2 JP1045178A JP4517889A JPH0791193B2 JP H0791193 B2 JPH0791193 B2 JP H0791193B2 JP 1045178 A JP1045178 A JP 1045178A JP 4517889 A JP4517889 A JP 4517889A JP H0791193 B2 JPH0791193 B2 JP H0791193B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は更年期障害,骨粗鬆症,アルツハイマー痴呆症
等の閉経後の女性に多く観察される障害の予防、及び改
善に有用なエストラジオール含有貼付剤に関する。
<従来の技術> 閉経後の女性に多く観察される更年期障害,骨粗鬆症,
アルツハイマー痴呆症等の原因として閉経に伴う卵胞ホ
ルモンの減少が重要視されており、エトトラジオール,
エストリオール及びそれらの誘導体が主として経口剤,
注射剤として臨床に応用されている。
しかしながら卵胞ホルモンは多用すると子宮体癌の増加
等の副作用があるために使用に際しては必要最少限の投
与量で可能な限り生物学的利用率(以下BAと略す)を高
め、しかも薬物血中濃度が安定的に維持されることが望
まれている。
臨床応用されている各種の卵胞ホルモン中、エストラジ
オールは本来生体内で合成され利用されている、いわゆ
る天然型卵胞ホルモンの1つであり、薬理的にも活性が
高く安全性の面からも医薬品として使用するのに最も適
した卵胞ホルモンと考えられているにもかかわらず、ほ
とんど使用されていない。その理由はエストラジオール
は経口投与したときには消化管及び肝臓ですみやかに代
謝されてしまうためBAが低くなることによる。必要な薬
物血中濃度を維持するためには多量のエストラジオール
の投与を必要とするが、その場合同時に多量の有害な代
謝物を血中に副生することを意味しており好ましくな
い。
エストラジオールは経皮投与することによりBAを著しく
改善でき、しかも安定した薬物血中濃度を維持できる。
エストラジオールは、そのエステル等の誘導体が経皮吸
収されることは公知であり、特公昭46−5427号公報,特
開昭57−154122号公報等に開示されている。特に、特開
昭57−154122号公報に示された貼付剤はBAの向上,薬物
血中濃度の安定化という点で秀れている。しかしながら
エストラジオール含有貼付剤は閉経に伴って起る卵胞ホ
ルモンの減少を補うものであり、治療期間は数ケ月乃至
数年に及ぶものであるから、患者のコンプライアンスが
高いこともまた必須の要件である。特に貼付剤の場合、
貼付時の違和感,皮膚カブレの発生が最も大きな問題点
であるにもかかわらず、従来の技術ではこの点に対する
配慮が不十分であった。
<発明が解決しようとする課題> 上述のように、従来技術においては、患者のコンプライ
アンスの比較的高い経口剤の場合にはBAが低く、副作用
発生が深刻であり、BAが高く、薬物血中濃度も安定して
いる経皮吸収型貼付剤においては違和感があり、皮膚カ
ブレが発生するという問題があった。
本発明の目的はBAが高く、薬物血中濃度も安定してお
り、かつ従来のエストラジオール経皮吸収型貼付剤の欠
点である違和感,皮膚カブレを顕著に改善して患者コン
プライアンスの高いエストラジオール含有貼付剤を提供
することにある。
従来技術の欠点のひとつである違和感を改善するために
は、貼付剤の柔軟性を出来るだけ高め、そのサイズを小
さくすることが望ましい。しかしながら、柔軟性をあま
りに大きくすると貼付剤の取扱いが著しく困難となり実
用性に欠けることとなる。また、貼付剤のサイズは薬物
の吸収量即ち、薬物血中濃度と比例関係にあるから、必
要な薬物血中濃度が決まっている場合、貼付剤のサイズ
を小さくするためには何らかの薬物の経皮吸収性を高め
る手段が必須となる。そして、そのために薬物の経皮吸
収性を高める目的で吸収促進剤を使用すると、かえって
皮膚カブレを助長することが多いという問題がある。一
方、皮膚カブレを改善するためには、従来から粘着剤の
種類を適宜選択し、粘着剤中の残留モノマーや残留溶媒
を少なくすることなどが検討されているが、根本的に
は、貼付剤の水分蒸散性や酸素,炭酸ガス等の通気性を
高めることが望ましい。しかしながら、単に水分蒸散性
や酸素等の気体透過性を高めることも貼付剤の密封性を
減少させ、結果として薬物の経皮吸収性を減少すること
がある。
本発明らは、かかる課題に対して様々な角度より鋭意検
討した結果本発明に到達した。
<課題を解決するための手段> 即ち、本発明は厚みが10乃至200μの粘着剤層であっ
て、該粘着剤層中に粘着剤に対して0.5乃至10重量%の
エストラジオールと0.5乃至15重量%の分子量約100,000
以上のポリビニルピロリドンを含有するアクリル系粘着
剤層からなり、該アクリル系粘着剤層の皮膚に接する面
と反対側の面に、目付が5乃至200g/m2の布帛を積層せ
しめてなるエストラジオールと含有貼付剤である。
本発明の粘着剤層の粘着剤としては、従来から貼付剤等
に用いられる公知のアクリル系粘着剤を用いることがで
きるが、なかでも生物学的安全性の高い(1)炭素数4
以上のアルキル基の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルを少くとも80〜98モル%,(2)アクリル酸及び/又
はメタアクリル酸2〜20モル%を主成分として共重合し
たアクリル系粘着剤が好ましい。
本発明においては、かかるアクリル系粘着剤層中に、特
定量のエストラジオールとポリビニルピロリドンを含有
せしめる。
かかるエストラジオールとは、天然型卵胞ホルモンと合
成卵胞ホルモンおよびそれらの誘導体をいい、例えばエ
ストラジオール,安息香酸エストラジオール,ジプロピ
オン酸エストラジオール,吉草酸エストラジオール,エ
チニルエストラジオール等があげられる(以下、本発明
においてはこれらエストラジオールをE2と略称する)。
本発明においては、かかるE2をアクリル系粘着剤層中
に、粘着剤に対して0.5乃至10重量%含有せしめる。こ
こで粘着剤とは、溶媒等を除外した粘着剤の固形分をい
う。
アクリル系粘着剤層中のE2の濃度は最後に得られるE2
有貼付剤の経皮吸収性に重要な要因であり、0.5重量%
未満では十分に高い経皮吸収性を得ることができず、0.
5重量%以上、濃度が高まるにつれてほとんど比例的に
経皮吸収性は高くなる。しかし、10重量%より大きい濃
度となると経皮吸収性はほとんど高まらず、むしろ粘着
剤層中でのE2の結晶化が顕著に起るようになり、その結
果経皮吸収性は小さくなる傾向があり、従って10重量%
より大では経皮吸収性も小さく、また得られた製剤の粘
着力も不十分となるため好ましくない。なかでも1乃至
5重量%の濃度が好ましい。
本発明のE2を含有するアクリル系粘着剤層には、ポリビ
ニルピロリドンを用いることが必須である。すなわち、
アクリル系粘着剤層にE2を含有させてE2濃度を経皮吸収
性がほぼ最適となる約3重量%としても、その経皮吸収
性は不十分であり、さらにより重要なことは経時するに
従って粘着剤層中でE2が結晶となって析出し、これに伴
って経皮吸収性が変化することである。本発明者らは、
E2の経皮吸収性を高め、かかる経時変化を防ぐ手段につ
いて鋭意検討した結果、ポリビニルピロリドンを所定量
含有せしめることが有効であることを見出した。
本発明のポリビニルピロリドンとは、分子量約100,000
以上のN−ビニル−2−ピロリドンの重合体をいう(以
下、本発明においてPVPと略称する)。
PVPの重合度がこれより小さくなると、アクリル系粘着
剤層をつくるためにいわゆるドープ(粘着剤を有機溶媒
に溶解したもの)にPVPを溶解したとき、ドープがゲル
化して均一な厚みの粘着剤層をつくるのが困難となり、
また得られるアクリル系粘着剤層中にゲル状となったPV
Pが斑らとなって多数存在するようになり、またE2の経
皮吸収促進効果も少くなる傾向がある。
本発明のPVPは、PVP以外に少量の他のモノマーやポリマ
ーが共重合されていても、本発明の効果を得られる限り
本発明の範囲内に含まれる。
かかるPVPはアクリル系粘着剤層中の粘着剤に対して0.5
乃至15重量%含有せしめる。15重量%より大となると得
られる粘着剤層の粘着力が不十分となる。0.5重量%未
満では、十分な経皮吸収促進効果およびE2の結晶化防止
効果が得られない。
経皮吸収促進効果、及びE2の結晶化防止効果、即ち経時
安定性の向上効果は、粘着剤層中のE2濃度と無関係では
ないが、PVPの濃度が高い程得られる効果は大きくなる
傾向にある。10重量%以上ではその増加傾向は少な目で
あり、好ましい範囲は1乃至5重量%である。
本発明においては、このように特定量のE2及びPVPとア
クリル系粘着剤を溶媒存在下に混合し、得られたアクリ
ル系粘着剤ドープを通常のコーティングマシーンで塗
布,乾燥し、溶媒を除いてその厚みが10乃至200μで特
定量のE2およびPVPを含有するアクリル系粘着剤層を得
る。
該粘着剤層の厚みは貼付剤の柔軟性、及び気体透過性と
関係する。また得られた粘着剤層の粘着力とも関係す
る。ヒトの皮膚に貼付する時、十分な粘着力を付与する
ためには該粘着剤層の厚みは最低10μは必要であり、好
ましくは20μ以上である。一方、この粘着剤層の厚みが
増加するとまず残留溶媒が増加して皮膚刺激性が悪化す
る。また気体や水分蒸発性が減少するので、この点でも
皮膚カブレの原因となりやすい。さらに貼付剤としてヒ
トの皮膚に貼付した時に、この粘着剤層の断面にゴミが
粘着し外見上好ましくない。かかる理由から粘着剤層の
厚みは200μ以下である。好ましくは100μ以下である。
かくして、本発明の特定の厚みで、かつ特定量のE2とPV
Pを含有するアクリル系粘着剤層からなるエストラジオ
ール貼付剤が提供される。
かかる貼付剤はその皮膚に接する面と反対側の面に裏打
ち部材を圧着し、適当な大きさ、例えば5cm2乃至100cm2
に裁断してE2含有貼付剤として使用することができる。
かかる裏打ち部材としては、例えば気体及び水分不透過
性又は半透過性の膜があげられる。そのような膜の材質
としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,塩化ビニ
ル,ナイロン,EVA等があげられるが、アクリル系粘着剤
に対する圧着性の点から、ポリエステル、なかでも主と
してポリエチレンテレフタレートからなるフイルム等が
好ましい。
また、かかる裏打ち部材の厚みは、0.5乃至6μが好ま
しく、なかでも厚みが1.5乃至4μのポリエチレンテレ
フタレートのフイルムを用いた場合には、適度な引張り
強さ,柔軟性と適度な気体及び水分透過性を持ち好まし
い。
しかしながら、かかる裏打ち部材とアクリル系粘着剤層
から成る貼付剤の場合、貼付剤を患者の皮膚に整然と貼
付するためには熟練を要することも多く、取扱い性の良
否が問題となる。特にエストラジオール貼付剤について
は患者が高齢者のケースが多いので、より取扱い性に優
れ、しかも皮膚カブレの改善された貼付剤が望まれる。
かかる目的から本発明においては、本発明のアクリル系
粘着剤層の皮膚に接する面と反対側の面に目付が5乃至
200g/m2の布帛を積層せしめるのが好ましい。
かかる布帛を積層せしめた本発明の貼付剤には、アクリ
ル系粘着剤層と接している面と反対側の布帛の面に、裏
打ち部材をとりつけて使用することができるが、布帛の
裏打ち部材のとりつけは、通常の粘着剤を含む粘着層を
介して圧着せしめる態様のものや、あるいはこの粘着層
として、本発明のE2やPVPを含有するアクリル系粘着剤
層を用いるのも好ましい態様である。
かかる積層された布帛の役割は貼付剤に適度の硬さを与
えることにより取扱い性を改善することである。しかも
布帛なフイルム等の膜と異なり適度の伸縮性も有するた
め、好ましい。布帛のもう1つの役割は布帛に使用され
た繊維の単糸間を通って気体が透過したり、水分が蒸散
するのを助けることにある。布帛の目付が200g/m2以上
となると貼付剤が硬くなりすぎるため、また通過する気
体や水分量が多くなり過ぎるため密封効果が減少し経皮
吸収性が減少する。また目付が5g/m2以下となると期待
したような硬さも、気体透過性等も十分でなくなる。
かかる布帛としては、外周方向に貫通した孔を有する中
空繊維の織編物を用いる場合に本発明の効果を最も大き
く発揮できる。
即ち、外周方向に貫通した孔を有する中空繊維は中空で
ない繊維に比較してより柔軟であり、しかも気体や、水
分の透過性,蒸散性において格段に秀れている。中空で
ない繊維からなる布帛を用いて適度の気体の透過性,水
分の蒸散性を維持したまま、しかも十分な経皮吸収性を
維持できる密封効果を保つためには、気体や水分が繊維
の単糸と単糸の間を通過する量をコントロールする必要
があるが、貼付剤の硬さを維持し取扱性を保つという制
約があるため容易ではない。ところが外周方向に貫通し
た孔を有する中空繊維の場合、水分や気体の多くは該中
空戦域の中空部を貫通するため、コントロールが極めて
容易であり、しかも繊維そのものも柔軟であるため優れ
た特性を有する貼付剤を得ることができる。
本発明で用いる外周方向に貫通した孔を有する中空繊維
としては、中空繊維表面全体に散在し、繊維軸方向に配
列し且つその少なくとも一部は中空部まで連通している
微細孔を有する中空繊維が好ましい。
本発明の中空繊維の横断面における外形及び中空部の形
状はいずれも任意でよい。例えば外形及び中空部がいず
れもほぼ円形の場合、外形及び中空部のいずれか一方が
ほぼ円形で他方が異形の場合、外形及び中空部共に類似
または非類似の異形の場合等であってもよい。また、外
形の大きさについては特に制限はないが繊維の柔軟性は
単糸の太さに影響を受けるので好ましくは単糸の太さは
0.2〜20デニールである。特に好ましくは1〜5デニー
ルである。
本発明の中空繊維の中空率は任意でよいが、特に5%以
上であることが好ましく、また外周方向に貫通した孔の
繊維横断面積に占める割合は、中空部分を除いた戦域横
断面積の0.001〜70%が好ましく、特に0.01〜50%、更
に1〜50%が好ましい。
本発明にあっては、かかる中空繊維は、特に繊維,編
物,不織布等の組織形態で用いる時、良好な取扱い性と
なり皮膚に対する良好な感触,薬物の優れた徐放化効果
が得られるようになるので好ましい。このうち編物が伸
縮性が大きく、貼付剤にしてヒトに適用した時の違和感
が少なく、特に好ましい。編物は目付けが5〜200g/
m2、特に10〜200g/m2のものが好ましい。
本発明に用いる中空繊維の材質としては、例えばポリエ
チレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリエチレ
ン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ナイロン6,
ナイロン66などのポリアミド;ポリウレタン,酢酸セル
ロース,ポリアクリロニトリル,ポリ塩化ビニル,ポリ
酢酸ビニル等、任意のものを選ぶことができる。これら
のなかでもポリエステルが好ましく、特にポリエチレン
テレフタレートが、熱安定性がよく、化学的にも安定
で、薬物との相互作用が少なく、また製剤としての安全
性の面からも好ましい。
本発明で用いる中空繊維は、例えば、特開昭56−20612
号公報,特開昭56−20613号公報,特開昭56−43420号公
報に記載された方法によって製造することができる。
本発明により得られたエストラジオール含有貼付剤は大
きさ5cm2乃至100cm2であり、正方形,長方形,円形,楕
円形状に裁断したのち医薬品として使用できる。
医薬品は通常調剤後3年間位は安定して使用できること
が望ましい。
本発明のエストラジオール含有貼付剤には、特定量のPV
Pを含有せしめることにより、E2の結晶化を防止し、優
れた経皮吸収性が得られているが、本発明者らはさら
に、この貼付剤中の水分含有率を一定以下に保つことに
よって、より長期安定な貼付剤が得られることを知見し
た。
従って、本発明の貼付剤においては、貼付剤中の水分含
有率が貼付剤に対して1重量%以下、好ましくは0.7重
量%以下であることが好ましい。かかる所定の量の水分
含有率は貼付剤製造の際の乾燥温度,時間等を制御する
ことによってなされるが、長期的に維持するためには、
更に貼付剤の水分含有率が0.2重量%以下となるように
製造し、例えば防湿性のある包装材料中に、乾燥状態と
なるように密封することによって、前記1重量%以下の
水分含有率となるようにすることができる。
かかる場合には、シリカゲル等の乾燥剤を介在させるこ
とも効果的である。
本発明のかかる製剤が十分に経皮吸収性を与えるために
は患者に製剤を貼付したときには製剤中の水分率が0.9
%以上、好ましく1.0%以上になるように密封性を保た
れることが望ましい。
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明す
る。実施例及び参考例中の部は重量部を示している。
参考例1 中空糸試料の作成 テレフタル酸ジメチル297部、エチレングリコール265
部、3,5−ジ(カルボメトキシ)ベンゼンスルホン酸ナ
トリウム53部(テレフタル酸ジメチルに対して11.7モル
%)、酢酸マンガン4水塩0.084部及び酢酸ナトリウム
3水塩1.22部を精留塔付ガラスフラスコに入れ、常法に
従ってエステル交換反応を行ない、理論量のメタノール
が留出した後反応生成物を精留塔付重縮合用フラスコに
入れ、安定剤として正リン酸の56%水溶液0.090部及び
重縮合触媒として三酸化アンチモン0.135部を加え、温
度275℃で、常圧下20分,30mmHgの減圧下15分間、次いで
高真空下で100分間、最終内圧0.38mmHgで反応させた。
得られた共重合ポリマーの極限粘度は0.405,軟化点は20
0℃であった。反応終了後共重合ポリマーを常法に従い
チップ化した。
この共重合ポリマーのチップ15部と極限粘度0.640のポ
リエチレンテレフタレートのチップ85部とをナウタ・ミ
キサー(細川鉄工所製)中で5分間混合した後、窒素気
流中にて110℃で2時間、更に150℃で7時間乾燥した
後、二輪のスクリウ式押出機を用いて290℃で溶融混練
してチップ化した。このチップの極限粘度は0.520,軟化
点は262℃であった。
このチップを常法により乾燥し、紡糸口金に巾0.05mm,
径0.6mmである円形スリットの2個所が閉じた円弧状開
口部をもつものを使用し、常法に従って紡糸し、外径と
内径の比が2:1の中空繊維(中空率25%)を作った。こ
の原糸は300デニール/24フィラメントであり、この原糸
を用い常法に従って延伸倍率4.2倍で延伸し、71デニー
ル/24フィラメントのマルチフィラメントを得た。この
マルチフィラメントをメリヤス編地になし(生布と略
す)、常法により精練,乾燥後、1%のカセイソーダ水
溶液で沸騰温度にて2時間処理してアルカリ減量率15
%,吸水速度3秒,吸水率82%,目付135g/m2の布帛を
得た。
尚、吸水速度及び吸水率は次の方法によって測定した。
(a) 吸水速度試験法(JIS−L1018に準ず) 前述の布帛をアニオン性洗剤ザブ(花王石鹸社製)の0.
3%水溶液で家庭用電気洗濯機により40℃で30分の洗濯
を10回くり返し、次いで乾燥して得られる試料を水平に
張り、試料の上1cmの高さから水滴を1滴(0.04cc)滴
下し、水が完全に試料に吸収され反射光が観測されなく
なるまでの時間を測定する。
(b) 吸水率測定法 布帛を乾燥して得られる試料を水中に30分以上浸漬した
後家庭用電気洗濯機の脱水機で5分間脱水する。乾燥試
料の重量と脱水後の試料の重量から下記式により求め
た。
吸水率=(脱水後の試料重量 −乾燥試料重量)/乾燥試料重量 (%) 前記した式で得られた中空繊維は、該中空繊維表面全体
に散在し繊維方向に配列し、且つその少なくとも1部は
中空部まで連通している微細孔を有する中空繊維であっ
た。
参考例2 アクリル系粘着剤溶液 2−エチルヘキシルアクリレート97.4部,メタアクリル
酸2.5部,ポリエチレグリコール(重合度14)ジメタク
リレート0.1部,過酸化ベンゾイル1.0部および酢酸エチ
ル100部を還流冷却機,かきまぜ機を有する反応容器に
仕込み窒素雰囲気下60℃でゆっくり攪拌しながら9時間
重合を続けた。重合転化率は99.9%であった。
得られた重合体溶液に酢酸エチル500部を加えて固形分
濃度を約20%に調節して粘着剤溶液を得た。
実施例1 エストラジオール(E2)0.5部をメタノール15部に溶解
した液(A液)と、分子量1,200,000のPVP(G.A.F.社
K−90)0.2部をクロロホルム30部に溶解した液(B
液)、及び参考例2で得たアクリル系粘着剤溶液100部
に酢酸エチル55部を加えて強く攪拌して均一なドープと
した後、シリコンコートした離型紙の上に乾燥後の厚み
が40μとなるように塗工し、90℃で20分間乾燥してE
2(2.5重量%)及びPVP(1重量%)を含有したアクリ
ル系粘着剤層を得た。
得られたアクリル系粘着剤層の片面全面に厚さ3.5μの
ポリエチレンテレフタレートフイルムを圧着したのち大
きさ5cm2に裁断して得た貼付剤を電気バリカンで除毛し
た7週令、雄のヘアレスラットの背部に貼付し(n=
5)、貼付後2時間,4時間,8時間に採血して血清を分離
し血清中のE2をラジアイムノアッセイ法で測定した。結
果をベークライト板に対する粘着力(180゜剥離力)と
共に表−1に示した。
表−1に示す通り良好なE2血中濃度を達成し、また持続
性も良好であった。
実施例2〜4 実施例1においてPVPの量をそれぞれ0.4部,1.0部,2部と
変更した以外は総て実施例1と同じ要領で貼付剤(実施
例2 E2(2.5重量%),PVP(2重量%),実施例3 E
2(2.5重量%),PVP(5重量%),実施例4 E2(2.5
重量%),PVP(10重量%))を得、ヘアレスラットでの
経皮吸収試験を行った結果を表−1に示した。
比較例1〜3 実施例1においてPVPの量を0部,0.05部,4.0部とした以
外は総て実施例1と同じ要領で貼付剤(比較例1 E
2(2.5重量%),PVP(0重量%),比較例2 E2(2.5
重量%),PVP(0.25重量%),比較例3 E2(2.5重量
%),PVP(17重量%))を得、試験した結果を表−1に
示した。
比較例4 実施例1において分子量1,200,000ポリビニルピロリド
ン(G.A.F.社 K−90)の代りに分子量40,000のポリビ
ニルピロリドン(G.A.F.社 K−30)を用いて均一なド
ープを得ようとしたが、混合物はゼリー状でありシリコ
ンコートした離型紙に塗工することすら出来なかった。
比較例5 実施例1においてE23部を用いた以外は、総て実施例1
と同じ要領で貼付剤(E2(13重量%),PVP(1重量
%))を得、試験した結果を表−1に示した。
実施例5 実施例1で得た厚みが40μであり、E2及びPVPを含有す
る粘着剤層を2層用意し、2層の粘着剤層の層間に参考
例1で示した中空糸試料を挾み加圧して積層した後、フ
リーとなっている粘着層剤面の片面側全面に厚みが3.5
μのポリエチレンテレフタレートフイルムを圧着したの
ち大きさ5cm2に裁断して得た貼付剤(E2(2.5重量%),
PVP(1重量%))を実施例1と同じ要領で評価した結
果も表−1に示した。本製剤は、柔軟性は十分に維持さ
れており、しかも取扱性において格段に秀れたものであ
った。
実施例6 実施例5において中空糸試料の代りに参考例1に示した
アルカリ減量前のメリヤス編地、即ち生布を用いた以外
は、総て実施例5と同じ要領で試験評価た結果を表−1
に示した。
本試験の貼付剤は実施例5の貼付剤に比較してやや柔軟
性が少なかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の貼付剤であって、実施例5で得られた
貼付剤の断面図である。第1図において 1……裏打ち部材(ポリエチレンテレフタレートフイル
ム) 2……粘着剤層 3……外周方向に貫通した多数の孔を有する中空繊維 4……離型紙(貼付剤使用時は剥して捨てる) を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚みが10〜200μの粘着剤層であって、該
    粘着剤層中に粘着剤の対して0.5乃至10重量%のエスト
    ラジオールと0.5乃至15重量%の分子量約100,000以上の
    ポリビニルピロリドンを含有するアクリル系粘着剤層か
    らなり、該アクリル系粘着剤層の皮膚に接する面と反対
    側の面に、目付が5乃至200g/m2の布帛を積層せしめて
    なるエストラジオール含有貼付剤。
  2. 【請求項2】布帛が外周方向に貫通した孔を有する中空
    繊維で、かつ織編物であることを特徴とする請求項1記
    載のエストラジオール含有貼付剤。
  3. 【請求項3】貼付剤中の水分含有率が1.0重量%以下で
    あることを特徴とする請求項1記載のエストラジオール
    含有貼付剤。
  4. 【請求項4】該アクリル系粘着剤層の皮膚に接する面と
    反対側の面に裏打ち部材として厚みが0.5乃至6μのポ
    リエステルフイルムを取りつけることを特徴とする請求
    項1記載のエストラジオール含有貼付剤。
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