JPH07138153A - 有効薬剤の経皮供給 - Google Patents

有効薬剤の経皮供給

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JPH07138153A
JPH07138153A JP6090141A JP9014194A JPH07138153A JP H07138153 A JPH07138153 A JP H07138153A JP 6090141 A JP6090141 A JP 6090141A JP 9014194 A JP9014194 A JP 9014194A JP H07138153 A JPH07138153 A JP H07138153A
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nitroglycerin
weight
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transdermal delivery
adhesive
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JP6090141A
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Scott D Barnhart
スコット・ディ・バーンハート
Elio P Mariani
エリオ・ピー・マリアニ
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Hercon Laboratories Corp
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HERCON LAB CORP
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a) 約20〜65℃の温度で自己架橋性のアクリ
ル系粘着剤、および(b)有効薬剤、からなる有効薬剤含
有粘着剤層を基材に被覆した経皮供給系。(A) 有効薬剤
と約20〜約65℃の温度で自己架橋性のアクリル系粘着剤
溶液とを混合し、有効薬剤−粘着剤混合物を生成させる
工程、(B) 基材層上に有効薬剤−粘着剤混合物の被覆を
形成する工程、および(C) 被覆を乾燥して有効薬剤−含
有粘着剤層を形成する工程からなる経皮供給系の製造方
法。有効薬剤の例には、ニトログリセリンおよびエスト
ラジオールがある。 【効果】 粘着剤層中に薬剤を多量に含有させることが
できるため、経皮吸収用として有用である。また、この
製造方法は簡単で安全である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有効薬剤を経皮供給す
るための製品およびその製造方法に関する。詳細には本
発明は、ニトログリセリンまたはエストラジオールのよ
うな有効薬剤を効果的に経皮供給するのに有用な系、お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】狭心症の治療および/または鬱血性心不
全の治療において、皮膚へニトログリセリンを供給する
といった、有効薬剤の供給に関する多くの特許がある。
【0003】ザッファローニ(Zaffaroni)のカナダ特許
第930668号に記載されているように、内部薬剤含有部を
有するカプセル化されたあるいは壁を有する容器(例え
ば、マイクロカプセル)および/または多層などの複雑
な貯留部を必要とする製剤がある。
【0004】他の経皮系では、従来のヘルコンの方法を
記載しているザッファローニの米国特許第3,921,636 号
およびキドニーウス (Kydonieus)らの米国特許第4,758,
434号によって開示されているように、薬剤を混入した
基剤(マトリックス)を必要とする。従来のヘルコンの
方法は、PVCプラスティゾルに関するものであり、ザ
ッファローニおよびキドニーウスの両特許では、薬剤を
混入したポリマー基剤を利用し、これが貯留部として機
能する。このように、いずれの経皮系もそれ自身では付
着せず、患者に貼付するには、貯留部の外周囲の、もし
くは貯留部の表面を被覆する別の層としての感圧性粘着
剤の助けが必要である。
【0005】伊藤らの米国特許第4,421,737 号、伊藤の
米国特許第4,505,891 号、ウィック(Wick) の米国特許
第4,751,087 号、ストライカー (Striker)らの米国特許
第4,409,206 号およびサブロッツキー (Sablotsky)のP
CT出願WO 86/00814 には、ニトログリセリンを粘着
性ポリマーもしくはコポリマー中に均一に分散もしくは
溶解した経皮用製品が記載されている。ニトログリセリ
ンを含む粘着剤は次いで不透過性基材シート上に被覆さ
れる。
【0006】伊藤ら(米国特許第4,421,737 号)の特許
には、粘着性付与ゴム系粘着剤を基材上に被覆した、ニ
トログリセリン含有の医薬用感圧粘着テープまたはシー
トが記載されている。ゴム系粘着剤用の軟化剤 (例え
ば、鉱油、長鎖脂肪酸エステル、ラノリン誘導体、およ
び水添油脂類) およびニトログリセリンは、別の被覆工
程で添加する必要がある。この別の工程では、温度を上
げて材料を熟成しながら両被覆を密着させることが必要
であり、これはニトログリセリンおよび軟化剤を拡散に
より共にゴム系粘着剤へ移行させるためである。このよ
うな製品の製造は、大きな労力を要し、かつロット間の
変動を生じる傾向がある。さらに、伊藤らはゴム系粘着
剤において酸化防止剤を使用することを開示している。
ゴム系粘着剤および、特にこの種の粘着剤の配合に通常
使用される添加剤 (即ち、酸化防止剤、および粘着付与
剤)に対するヒトのアレルギー反応が生じやすことにつ
いては、文献に詳しく記載されている。また、伊藤らの
開示によれば、粘着剤乾燥重量の合計量に対して1〜10
重量%のニトログリセリンしか混合されない。
【0007】伊藤 (米国特許第4,505,891 号) は、ニト
ログリセリンを含有する医薬用感圧性粘着テープまたは
シートについて、ニトログリセリンを100cm2あたり1〜
20mg、好ましくは5〜15mgの含有量となるような量で、
ドデシルメタクリレートと官能性モノマーとの共重合体
に混合することを記載している。このようなコポリマー
はアクリル系感圧性粘着剤の技術に基づくものである。
しかしながら、伊藤の開示したニトログリセリンの最大
混入量、20mg/100cm2 を用いても、治療上有効な投与量
を得るために必要なニトログリセリン系(貼付剤製品)
は、面積が非常に大きくなるであろう。この大きさの経
皮系では、皮膚に貼付するのにも不快であろう。
【0008】他のニトログリセリン経皮用製剤では、皮
膚浸透促進剤が使用されており、例えばウィックの米国
特許第4,751,087 号に記載されているような、長鎖脂肪
酸エステル (例えば、ミリスチン酸イソプロピルおよび
オレイン酸エチル) および脂肪酸モノグリセリド (例え
ば、モノステアリン酸グリセロール) のようなものであ
る。浸透促進剤は、供給系からのニトログリセリンの移
行率(flux)が単独では十分に高くなく、ニトログリセ
リンの皮膚への拡散速度が満足しうる程度に高くない場
合に必要とされる。しかし、ある化学薬品に対して接触
皮膚炎の徴候を示す人々は一定割合いるので、もし何ら
かの成分を製剤から除去することができれば、アレルギ
ー反応の発生は減少するであろう。
【0009】ウィックの特許は、可撓性基材と、アクリ
ル系ポリマーおよびニトログリセリン (粘着剤被覆の合
計量に対して約25〜45重量%) からなる均一混合物を含
有する感圧粘着剤被覆とからなる、粘着剤被覆シート材
料を開示している。ウィックは、ニトログリセリンの供
給の補助のために、粘着剤被覆シート材料が、アクリル
系ポリマーとエチルオレエートおよびグリセロールモノ
ラウレートからなる混合皮膚浸透促進剤との均一混合物
を含んでいてもよいことを開示している。
【0010】ストライカーらの米国特許第4,409,206 号
では、アクリル系ポリマーのような粘着性材料に、ニト
ログリセリンを含む種々の薬剤として有効な化合物を配
合することを記載している。しかし、ポリマーの粘着性
を損なうことなく、どのようにしてニトログリセリンの
ようなポリマー可溶化剤を多量に混合するかについては
開示していない。
【0011】サブロッツキーのPCT出願WO 86/0081
4 では、粘着剤を架橋するために熱活性化触媒を使用す
ることにより、粘着剤ポリマーに多量のニトログリセリ
ンを混合する問題を解決しようとしている。しかしなが
ら、温度上昇に伴う蒸気圧の上昇でわかるように、高温
ではニトログリセリンが揮発することが明らかであり、
また熱活性化触媒には架橋反応を触媒するエネルギー障
壁を超えるのに十分な熱が必要である。高温の形態の、
この熱は、揮発による加工中のニトログリセリンの損失
という結果を招く。このため、ニトログリセリンの蒸発
を制御できず、最終製品中のニトログリセリン含有量が
変動してしまう。また、サブロッツキーの系を製造する
方法は非常な危険をも伴う。サブロッツキーの方法で
は、その実施において、アクリレート系ポリマー粘着剤
および薬剤として有効な物質とを完全に混合した後に架
橋剤を添加することが必要であり、従って、温度を上げ
る際にニトログリセリンが存在することに留意すべきで
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】当分野の上記問題点を
鑑みて、本発明の1つの目的は、ニトログリセリンもし
くはエストラジオールのような有効薬剤が、系における
粘着剤に直接含有されている経皮供給系を提供すること
である。
【0013】本発明の第2の目的は、接触皮膚炎のよう
なヒトのアレルギー反応の発生が少ない経皮供給系を提
供することである。
【0014】本発明の第3の目的は、粘着剤に十分多量
の有効薬剤を含有させ、治療上の有効量を与えるのに要
する系の大きさを、貼り心地良いよう十分小さなものと
することができる経皮供給系を提供することである。
【0015】本発明の第4の目的は、ポリマーの粘着性
を損うことなく、有効薬剤もしくは非有効成分が多量に
粘着剤ポリマーに混合されている、経皮供給系を提供す
ることである。
【0016】本発明の第5の目的は、多量の有効薬剤も
しくは非有効成分を含む系の製造を可能とする、経皮供
給系の製造方法を提供することである。
【0017】本発明の第6の目的は、大きい労力を要し
ない経皮供給系の製造方法を提供することである。
【0018】本発明の第7の目的は、最終製品における
有効薬剤含有量の変動のない、経皮供給系の製造方法を
提供することである。
【0019】本発明の第8の目的は、比較的安全に実施
できる、経皮供給系の製造方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の上記および他の
目的は、(a) 約20℃〜約65℃の温度において自己架橋性
のアクリル系粘着剤および(b) 有効薬剤、からなる有効
薬剤含有粘着剤層で基材を被覆した、経皮供給系、およ
び(A) 有効薬剤を、約20℃〜約65℃の温度において自己
架橋性のアクリル系粘着剤溶液と混合して有効薬剤−粘
着剤混合物を得ること;(B) 有効薬剤−粘着剤混合物の
被覆を基材層上に形成すること;および、(C) 被覆を乾
燥して有効薬剤含有粘着剤層を形成することからなる、
有効薬剤経皮供給系の製造方法によって達成される。
【0021】本発明は、有効薬剤を効果的に経皮供給す
るのに有用な製品およびその製造方法に関する。
【0022】経皮供給系の成分を以下に詳細に説明す
る。
【0023】経皮供給系の基本成分は、室温 (約20℃〜
約30℃) もしくは若干室温よりも高い温度 (約30℃〜約
65℃) で自己架橋性のアクリル系粘着剤である。本発明
者らは、約20℃〜約65℃の温度で自己架橋性のアクリル
系粘着剤 (以後、自己架橋性粘着剤という) を使用する
ことによって、熱活性化触媒を架橋に用いるアクリル系
粘着剤に関連した問題 (例えば、揮発による加工中のニ
トログリセリンの損失、これは最終製品のニトログリセ
リン含有量が変動する原因となり、また非常に危険な状
況に至る) が解消され、しかも多量の有効薬剤を粘着剤
に混合することが可能になることを見出した。
【0024】本発明において使用される自己架橋性粘着
剤は、医薬用に適した感圧性粘着剤である。粘着剤は、
有効薬剤が経皮供給系から皮膚へ拡散するように、皮膚
と経皮供給系を接触させる役割を果たす。また、粘着剤
は有効薬剤の貯留部としても機能する。
【0025】自己架橋性粘着剤 (即ち、室温もしくは若
干高い温度で硬化しうる粘着剤) および感圧粘着剤製品
への使用は、米国特許第3,886,126 号および第3,900,61
0 号に詳細に記載されている。自己架橋性粘着剤の説明
として、米国特許第3,532,708 号、英国特許第1,448,93
7 号およびカナダ特許第1,126,893 号も参照できる。
【0026】アクリル酸エステルのような高分子量の合
成ポリマーは、アミド、アミノ、カルボキシル、ヒドロ
キシルおよびチオ基のような活性水素を提供し得る基で
あればいずれの基によっても架橋される。ヒドロキシ架
橋は、官能性ポリマー間において、各々のポリマー官能
基の活性水素のどの組み合わせによっても生じる。これ
らの反応により、改善された硬度および耐溶剤性を有す
る樹脂および被覆が生じ、かつポリマー自身の溶解もし
くは分解を伴わずに、可塑剤のような高沸騰溶媒、浸透
促進剤もしくは薬物の混入が可能となるだろう。架橋の
程度は、ポリマー鎖上の活性官能基の利用に関する立体
的理由、および架橋反応の開始に要するエネルギー障壁
に幾分左右される。耐加水分解性の金属触媒は、生じる
平衡反応の間、触媒の化学構造を維持するためにイソプ
ロパノールのような材料が過剰に存在しているならば、
早期架橋を伴わずに室温で架橋性材料と混合することが
できる。反応は、低沸点副生物を除去して完了させるこ
とができる。もし、金属触媒が十分にその飽和点以下と
なるようなモル量で存在していれば、架橋の結果、乾燥
ポリマー中に触媒は全て含まれ、乾燥ポリマー外へ過剰
触媒が移行することはないであろう。剥離接着性および
可塑性などの物理的試験によって、架橋度の変化に応じ
て性質が異なることが示される。
【0027】本発明において好適な粘着剤は、その主成
分としてC4〜C10 アルキルアルコールのエステルを有し
ていてもよい。しかし、これらのエステルの量は、実質
的に80重量%未満である。例えば、粘着剤はC4〜C10
ルキルアルコールのエステルを70重量%以下含有してい
てもよい。
【0028】市販されている自己架橋性アクリル系粘着
剤の好適例として、モンサント社 (セントルイス、ミズ
ーリ州) 製の登録商標ゲルバ (Gelva)というマルチポリ
マー樹脂溶液 (GMS)1753、2257、2465、およびアシ
ュランドケミカル社(コロンブス、オハイオ州)製のア
ロセット (Aroset)1910 −TH−52、アロセット1930−TH
−48、アロセット1880−Z−46、があげられる。例えば
GMS2465は、溶媒相の蒸発により完全な性能を発現
し、ポリ塩化ビニルやポリエステルのようなプラスチッ
ク基材を含む種々の基材に対して良好な粘着性を示す自
己硬化性粘着剤である。詳細には、この高性能自己架橋
性アクリル系ポリマーは、酢酸エチルおよびイソプロパ
ノールの混合物中44%の固形分で供給され、ナイフもし
くはロール塗装に適した、25℃で3000〜6000cps のブル
ックフィールドLVF 粘度を有する。
【0029】自己架橋性アクリル系粘着剤を使用するこ
とによる重要な利点は、多量の有効薬剤でも多量の非有
効の可溶化剤でも、粘着剤に混合できることである。例
えば、多量のニトログリセリンを粘着剤に混合できる。
実際に、本発明のニトログリセリン経皮供給系に存在す
るニトログリセリンの量は、従来公知のニトログリセリ
ン経皮供給系で現に混合されているニトログリセリンの
最大量よりもかなり高い。例えば、本発明のニトログリ
セリン経皮供給系において、粘着剤層の乾燥重量の合計
量に基づいて少なくとも50重量%の量でニトログリセリ
ンを含有させることができる。実に、本発明のニトログ
リセリン経皮供給系においては、粘着剤層の乾燥重量の
合計量に基づいて55重量%以上、60重量%以上、もしく
は65重量%以上ものニトログリセリンを含有させてもよ
い。使用される上限は、衝撃の危険に関するニトログリ
セリンの特質により、安全性および取扱上の配慮に基づ
いている。
【0030】好適なニトログリセリン含有量は、粘着剤
層の乾燥重量の合計量に基づいて50〜65重量%、より好
ましくは55〜65重量%の範囲である。もちろん、20重量
%以上というような、より少ない量のニトログリセリン
も本発明において使用できる。ニトログリセリンの最小
濃度は、20重量%未満という量まで下げてもよいが、治
療上の有効性の問題が生じる。ニトログリセリンの含有
量は単位表面積あたりの濃度と関連するので、もし経皮
供給系が低ニトログリセリン含有量であると、この系の
最終的大きさは使用する消費者にとって非実用的なもの
となるかもしれない。本発明は、エストラジオールの経
皮供給にとっても非常に有用である。本発明の自己架橋
性粘着剤の使用による利点は、エストラジオールでの系
で使用する皮膚浸透促進剤を多量に存在させることがで
きる、ということである。実際に、本発明のエストラジ
オールの経皮供給系で含有させうる浸透促進剤の量は、
従来知られている一体型経皮供給系において現に混合さ
れている浸透促進剤の最大量よりもかなり多い。例え
ば、本発明のエストラジオール経皮供給系において、粘
着剤層の乾燥重量の合計量に基づいて60重量%にも達す
る量で浸透促進剤を含有させることができる。実に、本
発明のエストラジオール経皮供給系において、2〜60%
という広い範囲で浸透促進剤を含有させうる。好ましい
範囲は、粘着剤層の乾燥重量の合計量に基づいて5〜50
%であり、より好ましい範囲は25〜45%である。使用さ
れる上限は、自己架橋性粘着剤ポリマーにおける各浸透
促進剤の飽和溶解度に依存し、超えると層分離が生じ
る。
【0031】本発明の経皮供給系においてエストラジオ
ールは、粘着剤層の乾燥重量の合計量に基づいて0.1 重
量%以上、好ましくは1.0 重量%以上、より好ましくは
2.5重量%以上存在させることができる。好適なエスト
ラジオール含有量は、粘着剤層の乾燥重量の合計量に基
づいて0.1 〜4.5 重量%、より好ましくは1.0 〜4.0重
量%の範囲である。
【0032】他の経皮供給系において使用できる他の有
効薬剤も本発明において使用することができる。例え
ば、ニコチンは本発明での使用に適した有効薬剤であ
る。さらに、好適な有効薬剤としては、フェンタニン、
クロニジン、二硝酸イソソルバイド、インドメタシン、
グアンファシン、およびプロスタグランディンが挙げら
れる。他の好適な有効薬剤としては、プロゲスティンの
ような生殖関連ステロイドが挙げられる。さらに他の好
適な有効薬剤としては、アルプラゾランのようなベンゾ
ジアゼピンが挙げられる。有効薬剤は、粘着剤層の乾燥
重量の合計量に基づいて、0.01重量%以上、好ましくは
0.5 重量%以上、より好ましくは1.0 重量%以上の量で
含有させられる。有効薬剤の好適な含有量は、粘着剤層
の乾燥重量の合計量に基づいて0.01〜65重量%、より好
ましくは0.5 〜50重量%の範囲である。
【0033】有効薬剤−粘着剤混合物は、基材層上に被
覆される。本発明では当業者に周知の基材層を使用でき
る。基材層は、有効薬剤が目的としない方向へ移行する
のを防ぐ作用をする可撓性基板であればよく、この目的
に合った周知の基材層を本発明で使用できる。例えば、
ポリエステルフィルムが基材層として使用できる。
【0034】本経皮供給系は、不透過性の剥離ライナー
(セパレーター) を有していてもよく、これは、適用前
の薬剤含有粘着剤層の保護に役立つ。この目的に合った
周知の剥離ライナーであればいずれも本発明で使用でき
る。例えば、片面もしくは両面をシリコーンで被覆した
ポリエステルフィルムが剥離ライナーとして使用でき
る。剥離ライーは、望ましくは有効薬剤をあまり吸収し
ないものする。
【0035】本発明において含有させる他の成分には、
アルキルメチルスルホキシド、飽和脂肪酸アルキルエス
テル、不飽和脂肪酸アルキルエステル、環状飽和ケト
ン、およびC1〜C14 の直鎖および分枝の脂肪族アルコー
ルのような皮膚浸透促進剤が挙げられる。これらの促進
剤には、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリ
ステート、プロピルオレエート、デシルメチルスルホキ
シド、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、
オレイン酸、およびミリスチルアルコールがある。
【0036】他の経皮供給系で必要とされることが多い
種々の成分 (例えば、浸透促進剤)は、本発明の優れた
性質のため (例えば、本供給系からの高いニトログリセ
リン浸透) 、本発明の具体例では必要とされない。この
ように、当分野の問題点 (例えば、浸透促進剤によって
起こるアレルギー反応および/または皮膚の炎症) は、
本発明によって避けることができる。
【0037】本発明の具体例の1つとして、有効薬剤を
自己架橋性アクリル系マルチポリマー粘着剤中に混合
し、これを可撓性遮断フィルム上に被覆し、さらに不透
過性の剥離ライナーによって保護されたものが挙げられ
る。本発明の好適な具体例は、目的としない方向へニト
ログリセリンが移行するのを防止する可撓性基材、室温
で粘着剤を架橋させる触媒を含有する、基材上のアクリ
ル系マルチポリマー粘着剤、粘着剤固形分中に50〜65 w
/w%混合したニトログリセリン、およびニトログリセリ
ンをあまり吸収せず経皮薬剤供給系から糊残りなしに完
全に剥離できる保護不透過性剥離ライナーを有する物品
に関する。
【0038】本発明品は、有効薬剤を患者に投与するの
に使用される。有効薬剤は、本発明の経皮供給系を患者
の皮膚に適用 (貼付) し、系の粘着剤層により皮膚へ付
着することによって、投与される。有効薬剤は、粘着剤
層から皮膚へ拡散していく。本発明の経皮供給系によ
り、高い生体外経皮浸透量 (吸収量) を得ることができ
る。例えば、ニトログリセリンの投与に関して、皮膚浸
透促進剤の使用なしで、例えば30μg/cm2/時間〜70μg/
cm2/時間の範囲の生体外経皮浸透量 (吸収量) を得るこ
とができる。さらに、エストラジオールの供給に関して
は、本発明の粘着剤の性質を損なうことなく浸透促進剤
の助けにより、例えば、0.02μg/cm2/時間〜0.90μg/cm
2/時間の範囲の生体外経皮浸透量を得ることができる。
【0039】本発明の経皮供給系の製造方法は、有効薬
剤を自己架橋性アクリル系粘着剤溶液と混合して有効薬
剤−粘着剤混合物を得る工程、基材層上に有効薬剤−粘
着剤混合物の被覆を形成する工程、および被覆を乾燥し
て有効薬剤含有粘着剤層を形成する工程を含んでいる。
【0040】特にニトログリセリンの具体例に関して、
自己架橋性アクリル系粘着剤溶液を用い、被覆前にニト
ログリセリンを粘着剤溶液と混合することによって、上
述した伊藤ら (米国特許第4,421,737 号) の問題点が解
消しうることを本発明者らは見出した。即ち、伊藤らに
おいては、最初に、粘着性付与ゴム系粘着剤を基材上に
被覆し、ついで別の工程でニトログリセリンを添加しな
ければならないため、高温で材料を熟成しながら両被覆
を密着させることが必要である。伊藤らの製造方法では
大きい労力を要し、ロット間の変動があるが、これらの
問題点は、本発明の製造方法によって解消できる。
【0041】さらに、本発明の製造方法は上述したサブ
ロッツキー (PCT出願WO 86/00814)の問題も解消で
きる。具体的には、サブロッツキーはアクリル系粘着剤
を架橋するために熱活性化触媒を使用しており、触媒の
活性化に要する熱のため、揮発により加工中のニトログ
リセリンの損失を招く結果となり、最終製品におけるニ
トログリセリン含有量の変動を引起し、また非常に危険
な状況となる。本発明者らは、自己架橋性アクリル系粘
着剤溶液の使用によって、ニトログリセリンの沸点より
十分低い温度で硬化ができるため、アクリル系粘着剤を
架橋するのに熱活性化触媒の使用による問題点が解消で
きることを見出した。
【0042】本発明の製造方法では、粘着剤溶液を所望
の最終有効薬剤含有量とするのに十分な量の有効薬剤と
混合する。例えば、本発明の好適な具体例では、粘着剤
溶液と混合するニトログリセリンの量は、最終ニトログ
リセリン含有量が乾燥後で50〜65w/w %となるのに十分
な量とするべきである。粘着剤溶液と混合するニトログ
リセリンの量は、例えば粘着剤溶液の固形分含有量によ
って変動しうる。ニトログリセリンは、例えば、10〜90
分の時間をかけて粘着剤溶液と混合する。
【0043】本発明の製造方法における被覆および乾燥
の工程に関しては、有効薬剤−粘着剤混合物は、例えば
乾燥後1ミル厚の被覆を生ずるのに十分な量で被覆す
る。乾燥工程では、被覆層からの溶媒除去と同時に粘着
剤の硬化が行われる。乾燥工程は、好ましくは有効薬剤
もしくは非有効成分 (例えば、浸透促進剤) の沸点以下
の温度で行うべきで、それにより有効薬剤もしくは非有
効成分があまり蒸発せず、最終製品における有効薬剤の
含有量もしくは非有効成分の含有量をより簡単に制御し
得る。また、粘着剤は室温で硬化性であってもよいが、
この温度では、所要時間または得られた最終製品からみ
て十分でないかもしれない。従って、乾燥工程は、例え
ば50℃〜87℃、好ましくは70℃〜80℃の範囲の温度で、
例えば3分〜7分、好ましくは4分〜5分行ってもよ
い。被覆および乾燥工程は、個々の有効薬剤含有粘着剤
層の厚さを最終製品として所望の厚さにするのに必要で
あれば、繰り返すことができる。
【0044】本発明の製造方法においては、自己架橋性
アクリル系粘着剤溶液を化学的に相溶性の溶剤と混合
し、得られた溶液を有効薬剤と混合してもよい。溶剤の
使用は、特にニトログリセリンの具体例では有利であ
る。溶剤の添加によって、ニトログリセリン−粘着剤混
合物中にニトログリセリンを低濃度 (例えば、湿量基準
で20重量%以下) で含有させることができ、それにより
取扱いおよび加工操作をより安全にでき、しかも乾燥工
程で溶媒除去した後の最終製品において、ニトログリセ
リンを高濃度 (例えば、乾量基準で50重量%) で存在さ
せることができる。自己架橋性アクリル系粘着剤溶液に
添加される好適な溶媒としては、酢酸アルキルエステル
(例えば、酢酸エチル) 、アセトン、エタノール、イソ
プロパノール、ヘキサンおよびトルエンのような有機溶
媒が挙げられる。例えば、グリコールモノメチルエーテ
ル、C1〜C6酢酸エステル、フラン (例えば、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン) 、およびC1〜C5脂肪族直鎖お
よび分枝アルコールが、使用可能な溶媒である。
【0045】本発明は、ここで以下の実施例によってさ
らに詳細に説明される。しかし、これらの実施例は本発
明を決して制限するものではない。特に表示のない限
り、全ての部、パーセント、割合等は、重量によるもの
である。
【0046】
【実施例】
【0047】
【実施例1】酢酸エチル43wt%と、モンサント社からG
MS2465の商品名で販売されているアクリル酸エステル
マルチポリマー溶液57wt%を混合し、次いでこの混合物
にニトログリセリンを全組成物重量の20重量%の割合で
添加して、ニトログリセリン−粘着剤混合物を調製した
(酢酸エチルを取扱いおよび加工をより安全にするため
に添加した) 。得られた混合物を、1ミル厚のポリエス
テルフィルム上に被覆し、55℃で15分間乾燥して1ミル
厚の被覆を形成した。1ミル厚の被覆を3回行い、ポリ
エステルフィルムを除いて3ミル厚の製品を製造した。
この試料および他の試料の詳細は後出の表に示す。
【0048】本発明例のフラックス値(flux value)
(移行量または浸透した量)を、31.1μg/cm2/時間のフ
ラックス値を有する、キイファーマシューティカルズ
(Key Pharmaceuticlas)ニトロ−デュア (Nitro-Dur 、
登録商標) のニトログリセリン経皮系 (0.2mg/時間、4.
0mg/10cm2 ) と比較した。。ニトロ−デュア系は一体構
造(本発明の系と同様に) であり、かつ本発明例のフラ
ックス値測定で使用するものと同じ薬剤含有量 (40mgの
ニトログリセリン含有量) を有するので、比較系に適し
ている。
【0049】移行(浸透)は、試験管内実験でヒト遺体
の皮膚を用いた浸透試験によって測定し、この実験では
有効物質量を、経皮系からヒト遺体の皮膚を通過して拡
散した量として測定する。経皮系 (全パッチまたは一定
の大きさに切断したもの)を、フランツセル上に載せた
ヒト遺体の皮膚の上に置いた。薬剤受容溶液の試料を定
期的に取り、薬剤含有量を分析した。フランツセルは試
験の間中、温度を一定にした。フラックス値を、濃度/
時間曲線の定常状態部分から計算した。
【0050】この実施例で行った2例のフラックス値
は、他の試料のフラックス値と同様、後出の表に示す
(個々の製剤についてのデータの再現性を示すため1つ
の実施例において複数の試験を行った) 。この結果から
明らかなように本発明は優れた経皮供給性能を示す。
【0051】
【実施例2】以下の成分および量とした以外は、実施例
1の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、37.5重量% モンサント社のGMS1753、62.5重量% ニトログリセリン、20重量%(組成物の合計量に基づい
て) この実施例を、1ミル厚の被覆を2回行い、ポリエステ
ルを除いた厚みが2ミルの製品を得るように、また1ミ
ル厚の被覆1回で、ポリエステルを除いた厚みが1ミル
厚の製品を得るように変更することも可能である。
【0052】
【実施例3】以下の成分および量とした以外は、実施例
1の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、39.0重量% モンサント社のGMS2257、61.0重量% ニトログリセリン、20重量%(組成物の合計量に基づい
て)。
【0053】
【実施例4】実施例1、2、および3で得た混合物を以
下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル厚のポ
リエステルフィルム上に被覆し、70℃、5分間乾燥し
て、1ミル厚の被覆を形成した。1ミル厚の被覆を3回
行い、ポリエステルの厚みを引いて3ミル厚の製品を得
た。
【0054】
【実施例5】実施例1、2、および3で得た混合物を以
下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル厚のポ
リエステルフィルム上に被覆し、80℃、5分間乾燥し
て、1ミル厚の被覆を形成した。1ミル厚の被覆を3回
行い、ポリエステルの厚みを引いて3ミル厚の製品を得
た。
【0055】
【実施例6】実施例1、2、および3で得た混合物を以
下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル厚のポ
リエステルフィルム上に被覆し、87℃、5分間乾燥し
て、1ミル厚の被覆を形成した。1ミル厚の被覆を3回
行い、ポリエステルの厚みを引いて3ミル厚の製品を得
た。
【0056】
【実施例7】以下の成分および量とした以外は、実施例
1の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、42重量% モンサント株式会社のGMS1753、58重量% ニトログリセリン、19重量% (全組成物重量に対して)
【0057】
【実施例8】以下の成分および量とした以外は、実施例
1の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、45重量% モンサント株式会社のGMS1753、55重量% ニトログリセリン、18重量% (全組成物重量に対して)
【0058】
【実施例9】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、80℃、5分間乾
燥して、0.8 ミル厚の被覆を形成した。0.8 ミル厚の被
覆を2回行い、ポリエステルの厚みを引いて1.6 ミル厚
の製品を得た。
【0059】
【実施例10】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、80℃、5分間乾
燥して、1ミル厚の被覆を形成した。1ミル厚の被覆を
2回行い、ポリエステルの厚みを引いて2ミル厚の製品
を得た。
【0060】あるいは、被覆を80℃、1.5 分間、または
80℃、3分間乾燥して1ミルの被覆とし、これを繰り返
し、ポリエステルの厚みを引いて2ミル厚の製品とする
こともできた。
【0061】
【実施例11】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、80℃、1.5 分間
乾燥して、1.2 ミル厚の被覆を形成した。1.2 ミル厚の
被覆を2回行い、ポリエステルの厚みを引いて2.4 ミル
厚の製品を得た。
【0062】
【実施例12】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、80℃、1.5 分間
乾燥して、ポリエステルの厚みを引いて2ミル厚の単一
層の製品を得た。
【0063】あるいは、80℃、5分間、または80℃、3
分間乾燥して、ポリエステルの厚みを引いて2ミル厚の
単一層の製品とすることもできた。
【0064】
【実施例13】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、82〜83℃、3分
間乾燥して、最終製品として2ミル厚の単一被覆を形成
した。
【0065】さらに、混合物を、83℃、1.5 分間または
83℃、5分間乾燥して、最終製品として2ミル厚の単一
被覆を形成することもできた。または、被覆を82〜83
℃、1.5 分間、または82〜83℃、5分間乾燥して1ミル
厚の被覆とし、これを繰り返し、ポリエステルの厚みを
引いて2ミル厚の製品とすることもできた。
【0066】
【実施例14】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、86℃、3分間乾
燥して、最終製品として2ミル厚の単一被覆を形成し
た。さらに、混合物を、86℃、1.5 分間または86℃、5
分間乾燥して、最終製品として2ミル厚の単一被覆を形
成することもできた。
【0067】あるいは、被覆を86℃、1.5 分間、または
86℃、5分間乾燥して1ミル厚の被覆とし、これを繰り
返し、ポリエステルの厚みを引いて2ミル厚の製品とす
ることもできた。
【0068】
【実施例15】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、54℃、3分間、
次いで80℃、3分間乾燥して、最終製品として2ミル厚
の単一被覆を形成した。
【0069】
【実施例16】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、54℃、1.7 分間
乾燥し、次いで68℃、1.7 分間乾燥し、最後に81℃、1.
7 分間乾燥した。製品における最終乾燥被覆厚は、ポリ
エステルの厚みを引いて2ミル厚であった。
【0070】
【実施例17】実施例16と同様の製造方法を使用して、ポ
リエステルの厚みを引いて2.5 ミル厚の、製品における
最終乾燥被覆厚を得た。
【0071】
【実施例18】実施例16と同様の製造方法を使用して、ポ
リエステルの厚みを引いて3ミル厚の、製品における最
終乾燥被覆厚を得た。
【0072】
【実施例19】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、80℃、5分間乾
燥して、ポリエステルの厚みを引いて3ミル厚の単一被
覆を形成した。
【0073】
【実施例20】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、80℃、5分間乾
燥して、ポリエステルの厚みを引いて2.8 ミル厚の単一
被覆を形成した。
【0074】
【実施例21】実施例1、2、3、7および8で得た混合
物を以下の方法で被覆した。それぞれの混合物を1ミル
厚のポリエステルフィルム上に被覆し、80℃、5分間乾
燥して、ポリエステルの厚みを引いて3.2 ミル厚の単一
被覆を形成した。
【0075】
【実施例22】以下の成分を以下の量で使用した以外は、
実施例18および20の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、49.7重量% モンサント社のGMS1753、11.8重量% モンサント社のGMS1430、38.5重量% ニトログリセリン、20重量% (全組成物重量に対して)
【0076】
【実施例23】以下の成分を以下の量で使用した以外は、
実施例18および20の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、47.4重量% モンサント社のGMS1753、23.7重量% モンサント社のGMS1430、28.9重量% ニトログリセリン、20重量% (全組成物重量に対して)
【0077】
【実施例24】以下の成分を以下の量で使用した以外は、
実施例18および20の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、45.2重量% モンサント社のGMS1753、35.5重量% モンサント社のGMS1430、19.3重量% ニトログリセリン、20重量% (全組成物重量に対して)
【0078】
【実施例25】以下の成分を以下の量で使用した以外は、
実施例20の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、43.0重量% モンサント社のGMS1753、47.4重量% モンサント社のGMS1430、 9.6重量% ニトログリセリン、20重量% (全組成物重量に対して)
【0079】
【実施例26】以下の成分を以下の量で使用した以外は、
実施例18の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、46.3重量% モンサント社のGMS1753、29.6重量% モンサント社のGMS1430、24.1重量% ニトログリセリン、20重量% (全組成物重量に対して)
【0080】
【実施例27】以下の成分を以下の量で使用した以外は、
実施例18の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、48.5重量% モンサント社のGMS1753、17.8重量% モンサント社のGMS1430、33.7重量% ニトログリセリン、20重量% (全組成物重量に対して)
【0081】
【実施例28】以下の成分を以下の量で使用した以外は、
実施例18の製造方法を繰り返した。 酢酸エチル、46.9重量% モンサント社のGMS1753、26.6重量% モンサント社のGMS1430、26.5重量% ニトログリセリン、20重量% (全組成物重量に対して)
【0082】
【実施例29】エストラジオール0.2 重量%をプロピレン
グリコール0.7 重量%、ヘキシレングリコール2.0 重量
%およびイソプロピルパルミテート1.8 重量%と混合
し、次いでモンサント社からGMS1753の商品名で市販
されている、アクリル酸エステルマルチポリマー溶液9
5.3重量%を上記混合物に混合することにより、エスト
ラジオール−粘着剤溶液混合物を調製した。得られた混
合物を1ミル厚のポリウレタンフィルム上に被覆し、60
℃、5分間乾燥されて1.5 ミル厚の被覆を形成した。1.
5 ミル厚の被覆を3回行い、ポリウレタンフィルムの厚
さを引いて4.5 ミル厚の製品を得た。
【0083】
【実施例30】以下の成分および量とした以外は、実施例
29の製造方法を繰り返した。 エストラジオール、0.35重量% プロピレングリコール、1.4 重量% ヘキシレングリコール、3.85重量% イソプロピルパルミテート、3.5 重量% GMS1753、90.9重量%(全組成物重量に対して)。
【0084】
【実施例31】以下の成分および量とした以外は、実施例
29の製造方法を繰り返した。 エストラジオール、0.5 重量% プロピレングリコール、2.0 重量% ヘキシレングリコール、5.5 重量% イソプロピルパルミテート、5.0 重量% GMS1753、87.0重量%(全組成物重量に対して)。
【0085】
【実施例32】以下の成分および量を用いて混合物を調製
した。 エストラジオール、0.8 重量% プロピレングリコール、4.9 重量% ヘキシレングリコール、7.3 重量% GMS1753、87.0重量%(全組成物重量に対して) この混合物を、3ミルのポリエステルフィルム上に被覆
し、60℃、5分間乾燥して1.5 ミル厚の被覆を形成し
た。1.5 ミル厚の被覆を3回行い、ポリエステルフィル
ムの厚さを引いて4.5 ミル厚の製品を得た。
【0086】
【実施例33】以下の成分および量とした以外は、実施例
32の製造方法を繰り返した。 エストラジオール、1.0 重量% プロピレングリコール、5.8 重量% ヘキシレングリコール、8.7 重量% GMS1753、84.5重量%(全組成物重量に対して)。
【0087】
【実施例34】以下の成分および量とした以外は、実施例
32の製造方法を繰り返した。 エストラジオール、0.9 重量% プロピレングリコール、5.4 重量% ヘキシレングリコール、8.0 重量% GMS1753、85.7重量%(全組成物重量に対して)。
【0088】
【実施例35】以下の成分および量を用いて、混合物を調
製した。 エストラジオール、0.7 重量% プロピレングリコール、4.1 重量% ヘキシレングリコール、6.1 重量% GMS1753、59.1重量% 酢酸エチル、30.0重量%(全組成物重量に対して)。
【0089】この混合物を、0.7 ミルのポリプロピレン
フィルム上に被覆し、54℃で1.7 分間乾燥し、次いで66
℃で1.7 分間乾燥し、さらに107 ℃で1.7 分間乾燥し
て、2.5 ミル厚の被覆を形成した。2.5 ミル厚の被覆を
2回行い、ポリプロピレンフィルムの厚さを引いて5.0
ミル厚の製品を得た。
【0090】
【実施例36】実施例35の混合物を、54℃で1.7 分間乾燥
し、続いて68℃で1.7 分間乾燥し、その後81℃で1.7 分
間乾燥して、2.5 ミル厚の被覆を形成した。2.5 ミル厚
の被覆を2回行い、ポリプロピレンフィルムの厚さを引
いて5.0 ミル厚の製品を得た。
【0091】
【実施例37】以下の成分および量を用いて、混合物を調
製した。 エストラジオール、1.0 重量% プロピレングリコール、5.8 重量% ヘキシレングリコール、8.7 重量% GMS1753、84.5重量%(全組成物重量に対して)。
【0092】この混合物を、0.7 ミルのポリプロピレン
フィルム上に被覆し、60℃で5分間乾燥して2.5 ミル厚
の被覆を形成した。2.5 ミル厚の被覆を2回行い、ポリ
プロピレンフィルムの厚さを引いて5.0 ミル厚の製品を
得た。別に、モンサント社からGMS1753という商品名
で市販されているアクリル酸エステルマルチポリマー溶
液100 重量%を、1.5 ミルのシリコン処理ポリエステル
剥離ライナー上に被覆、乾燥して、ポリエステル剥離ラ
イナーの厚みを引いて2.0 ミル厚の被覆を形成した。1.
25ミルの18%エチレンメチルアクリレート (EMA)フ
ィルムをこの粘着剤被覆にコールドニップ (cold-nip)
した。このラミネート (EMAフィルム側)を上記製品
にコールドニップした。
【0093】
【実施例38】実施例37の混合物を以下のように被覆し
た:混合物を、ポリプロピレンフィルム上に被覆し、60
℃で5分間乾燥して、2.0 ミル厚の被覆を形成した。2.
0 ミル厚の被覆を2回行い、ポリプロピレンフィルムの
厚さを引いて4.0 ミル厚の製品を得た、別に、モンサン
ト社からGMS1753という商品名で市販されているアク
リル酸エステルマルチポリマー溶液100 重量%を、1.5
ミルのシリコン処理ポリエステル剥離ライナー上に被
覆、乾燥して、ポリエステル剥離ライナーの厚みを引い
て2.0 ミル厚の被覆を形成した。1.25ミルの18%エチレ
ンメチルアクリレート (EMA)フィルムをこの粘着剤
被覆にコールドニップ (cold-nip) した。このラミネー
ト (EMAフィルム側)を上記製品にコールドニップし
た。
【0094】
【実施例39】以下の成分および量を用いて、混合物を調
製した。 エストラジオール、0.3 重量% ネオデカン酸、5.9 重量% プロピレングリコール、23.8重量% GMS1753、70.0重量%(全組成物重量に対して) この混合物を、0.7 ミルのポリプロピレンフィルム上に
被覆し、60℃で5分間乾燥して2.5 ミル厚の被覆を形成
した。2.5 ミル厚の被覆を2回行い、ポリプロピレンフ
ィルムの厚さを引いて5.0 ミル厚の製品を得た。
【0095】
【実施例40】以下の成分および量を用いた以外は、実施
例39の製造方法を繰り返した。 エストラジオール、0.15重量% ネオデカン酸、3.0 重量% プロピレングリコール、11.85 重量% GMS1753、85.0重量%(全組成物重量に対して)。
【0096】
【実施例41】以下の成分および量を用いた以外は、実施
例39の方法を繰り返した。 エストラジオール、0.8 重量% プロピレングリコール、6.0 重量% ヘキシレングリコール、8.7 重量% GMS1753、84.5重量%(全組成物重量に対して)。
【0097】
【実施例42】以下の成分および量を用いた以外は、実施
例39の方法を繰り返した。 エストラジオール、0.85重量% プロピレングリコール、6.0 重量% ヘキシレングリコール、8.65重量% GMS1753、84.5重量%(全組成物重量に対して)。
【0098】
【実施例43】以下の成分および量を用いた以外は、実施
例39の方法を繰り返した。 エストラジオール、0.9 重量% プロピレングリコール、5.9 重量% ヘキシレングリコール、8.7 重量% GMS1753、84.5重量%(全組成物重量に対して)。
【0099】
【実施例44】エストラジオール1.0 重量%を、ガッテフ
ォッセ (Gattefosse) からラブラゾル (Labrasol) の商
品名で市販されている飽和ポリグリコール化グリセリド
溶液15重量%と混合し、次いでGMS1753の84重量%を
上記混合物に混合して、エストラジオール−粘着剤溶液
混合物を得た。この混合物の製造方法は、実施例39と同
様であった。
【0100】
【実施例45】エストラジオール2.0 重量%を、ガッテフ
ォッセ (Gattefosse) からトランスキュートル (Transc
utol) の商品名で市販されているジエチレングリコール
モノエチルエーテル15重量%と混合し、次いでGMS17
53の83.0重量%を上記混合物に混合して、エストラジオ
ール−粘着剤溶液混合物を得た。この混合物の製造方法
は、実施例39と同様であった。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】このように、本発明は、ポリマーの熱活
性化によらず所望の架橋ポリマーを生成し、有効薬剤
(例えば、ニトログリセリンの場合) を分解する過剰な
熱への暴露、系の成分の不均衡、および有効薬剤 (例え
ば、ニトログリセリンの場合) もしくは非有効液体成分
(例えば、浸透促進剤) の揮発の増加を防止することが
できる。そして本発明は、有効薬剤 (例えば、ニトログ
リセリンもしくはエストラジオール) を良好に制御して
供給することにより、改善された治療効果を生ずるため
に使用される。
【0104】本発明は、詳細にかつその具体例に関して
記載されているが、本発明の範囲内で各種の変更ができ
ることは当業者に明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/415 9454−4C 31/445 9454−4C 31/55 9454−4C 31/557 9454−4C 31/565 9454−4C (72)発明者 エリオ・ピー・マリアニ アメリカ合衆国、ペンシルバニア17601、 ランカスター、オークモント・ドライブ 1102

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 約20℃〜約65℃の温度において自己
    架橋性のアクリル系粘着剤、および(b) 有効薬剤、から
    なる有効薬剤含有粘着剤層を基材層に被覆した、経皮供
    給系。
  2. 【請求項2】 前記有効薬剤がニトログリセリンであ
    る、請求項1記載の経皮供給系。
  3. 【請求項3】 前記ニトログリセリンが、粘着剤層の乾
    燥重量の合計量に基づいて少なくとも50重量%存在す
    る、請求項2記載の経皮供給系。
  4. 【請求項4】 前記ニトログリセリンが、粘着剤層の乾
    燥重量の合計量に基づいて少なくとも60重量%存在す
    る、請求項2記載の経皮供給系。
  5. 【請求項5】 前記ニトログリセリンが、粘着剤層の乾
    燥重量の合計量に基づいて50〜65重量%存在する、請求
    項2記載の経皮供給系。
  6. 【請求項6】 前記粘着剤が、アクリル系マルチポリマ
    ー粘着剤である、請求項1記載の経皮供給系。
  7. 【請求項7】 前記粘着剤が、C4−C10 アルキルアルコ
    ールのエステルを70重量%未満の量で含有する、請求項
    1記載の経皮供給系。
  8. 【請求項8】 前記有効薬剤がエストラジオールであ
    り、かつ有効薬剤含有粘着剤層が粘着剤層の乾燥重量の
    合計量に基づいて2〜60重量%の量の浸透促進剤をさら
    に含有する、請求項1記載の経皮供給系。
  9. 【請求項9】 前記浸透促進剤が、アルキルメチルスル
    ホキシド、飽和脂肪酸アルキルエステル、不飽和脂肪酸
    アルキルエステル、環状飽和ケトン、およびC1〜 C14
    肪族直鎖および分枝アルコールからなる群より選ばれた
    ものである、請求項8記載の経皮供給系。
  10. 【請求項10】 前記浸透促進剤が、粘着剤層の乾燥重
    量の合計量に基づいて5〜50重量%の範囲内で存在す
    る、請求項8記載の経皮供給系。
  11. 【請求項11】 前記浸透促進剤が、粘着剤層の乾燥重
    量の合計量に基づいて25〜45重量%の範囲内で存在す
    る、請求項8記載の経皮供給系。
  12. 【請求項12】 前記有効薬剤がニコチンである、請求
    項1記載の経皮供給系。
  13. 【請求項13】 前記有効薬剤が、フェンタニル、クロ
    ニジン、二硝酸イソソルバイド、インドメタシン、グア
    ンファシン、プロスタグランジン、プロゲスティン、お
    よびベンゾジアゼピンからなる群より選ばれたものであ
    る、請求項1記載の経皮供給系。
  14. 【請求項14】 前記粘着剤が、約20℃〜約30℃の温度
    において自己架橋性である、請求項1記載の経皮供給
    系。
  15. 【請求項15】 (A) 有効薬剤と、約20〜約65℃の温度
    において自己架橋性のアクリル系粘着剤溶液とを混合し
    て有効薬剤−粘着剤混合物を得る工程、(B) 基材層上に
    上記有効薬剤−粘着剤混合物の被覆を形成する工程、お
    よび(C) 被覆を乾燥して有効薬剤含有粘着剤層を形成す
    る工程、からなる経皮供給系の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記粘着剤溶液がアクリル系マルチポ
    リマー溶液である、請求項15記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 約20℃〜約65℃の温度において自己架
    橋性のアクリル系粘着剤溶液を化学的に相溶性の溶媒と
    混合して、自己架橋性アクリル系粘着剤溶液を形成し、
    これを有効薬剤と混合する工程をさらに含む、請求項15
    記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記溶媒が酢酸エチルである、請求項
    17記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記工程(B) および(C) を少なくとも
    1回繰り返す、請求項15記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記有効薬剤がニトログリセリンであ
    る、請求項15記載の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記ニトログリセリンを、粘着剤層に
    おいて粘着剤層の乾燥重量の合計量に対してニトログリ
    セリンが少なくとも50重量%存在するような量で混合す
    る、請求項20記載の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記ニトログリセリンを、粘着剤層に
    おいて粘着剤層の乾燥重量の合計量に対してニトログリ
    セリンが少なくとも60重量%存在するような量で混合す
    る、請求項20記載の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記ニトログリセリンを、粘着剤層に
    おいて粘着剤層の乾燥重量の合計量に対してニトログリ
    セリンが50〜65重量%存在するような量で混合する、請
    求項20記載の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記有効薬剤がエストラジオールであ
    り、かつ浸透促進剤を混合工程(A) においてエストラジ
    オールおよびアクリル系粘着剤溶液とさらに混合する、
    請求項15記載の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記乾燥を、50〜87℃の範囲内の温度
    で3〜7分の範囲の時間行う、請求項15記載の製造方
    法。
  26. 【請求項26】 前記乾燥を、70〜80℃の範囲内の温度
    で4〜5分の範囲の時間行う、請求項15記載の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 前記混合を、10分〜90分の範囲の時間
    行う、請求項15記載の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記粘着剤が、20〜30℃の温度におい
    て自己架橋性である、請求項15記載の製造方法。
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