JP6478334B2 - 貼付材 - Google Patents

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Description

本発明は、医療分野、特に切り傷、すり傷、さし傷、かき傷、靴ずれ等の創傷及び軽度の熱傷の治癒の促進、痛みの軽減、湿潤環境の維持、または保護の目的で用いられる貼付材に関し、特に救急絆創膏に適する貼付材に関する。また、医療用粘着テープあるいは薬物を経皮投与可能な経皮吸収製剤としても有用な貼付材に関する。
貼付材は、一般に、プラスチックフィルム、織布、不織布、編布、紙などからなる支持体層と、支持体層の少なくとも片面に設けられた粘着剤層を備える層構造を有している。さらに、粘着剤層の表面を保護するためにセパレーター層が配置されたり、また、例えば、支持体層が極めて薄い場合等には、支持体層にキャリア層を備えたりする層構造を有する。
貼付材の支持体として、織布、不織布、編布、紙などを用いた場合には、透湿性に優れるものの、防水性が低いため、水仕事の場などで用いる場合には、粘着力が低下し、剥がれてしまうなどの問題があった。
それに対し、防水性を保つために、支持体にフィルムを使用すると、フィルムにより透湿度が低くなることから、皮膚がふやける、かぶれやすくなるなどの問題があった。そのため、防水性とともに、透湿性及び粘着性に優れる粘着剤が求められている。
一般に、貼付材における、粘着剤層を構成する粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系及びウレタン系の粘着剤が知られ、中でも、耐熱、耐候性に優れるとともに、粘着力にも優れ、しかも変性させやすい点でアクリル系粘着剤がよく使用されている。
アクリル系粘着剤の場合、親水性モノマーの比率が多い共重合体からなる粘着剤は、透湿性が高いが粘着力が弱く、一方、アクリル酸アルキルエステル(疎水性モノマー)の比率が高いと、粘着力は高いが透湿性が低いとされてきた。アクリル系粘着剤の粘着力と透湿性を高めるため、アクリル系粘着剤におけるその主要成分である(メタ)アクリル酸エステルモノマーの種類を変えたり、透湿性を高めるための親水性モノマーや共重合性モノマーなどを種々変えた共重合体が製造され、多くの特性のあるアクリル系粘着剤が製造されている。しかしながら、粘着力と透湿性の両方ともに高い共重合体を予測した場合であっても、粘着力と透湿性のどちらもが中途半端なものとなったりして、粘着力と透湿性を兼ね備えた十分に満足する粘着剤がなかなか得られないことが多かった。そこで、特性の違うアクリル系粘着剤を混合して使用することが考えられてきた。
特許文献1には、粘着剤層として、(A)カルボキシ基もしくはヒドロキシ基を含有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として共重合してなる共重合体と、(B)側鎖に塩構造を有さない窒素原子を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとを必須成分として共重合してなる共重合体、及び(C)上記(A)成分および(B)成分と相溶する有機液状成分を含有し、架橋した粘着剤が開示されている。また、特許文献2には、カルボキシ基含有モノマー及び(メタ)アクリル酸エステルをモノマー単位として有する共重合体からなる(A)成分と、ピロリドン基含有モノマー及び(メタ)アクリル酸エステルをモノマー単位として有する共重合体からなる(B)成分とを含有し、 前記(A)成分である共重合体が、金属キレート化合物、金属酸化物及び金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤との反応により架橋された粘着剤が開示されている。しかし、両文献とも、粘着性とともに薬物の溶解性を効果とするものであり、防水性のフィルムを支持体として使用した場合の透湿性について考慮するものではない。
特許文献3には、(A)メタクリル酸2−アセトアセトキシエチルエステル及びその他のビニルモノマーを構成成分とする共重合体を含む粘着性ポリマーAと、(B)アルキル基の炭素原子数が4個〜10個の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他のビニルモノマーを構成成分とし、前記粘着性ポリマーAとは異なる共重合体を含む粘着性ポリマーBの2種類の粘着剤の混合物を使用することが開示されている。また、特許文献4には、重量平均分子量が50万〜100万の粘着ポリマーA、重量平均分子量が100万〜150万の粘着ポリマーB、ならびに液状可塑剤を含有してなる医療用非架橋粘着剤であり、粘着ポリマーAが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルにN−ビニル−2−ピロリドンを共重合して得られる重合体であり、粘着ポリマーBが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単独重合して得られる重合体、もしくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルにN−ビニル−2−ピロリドン以外のコモノマーを共重合して得られる重合体である医療用非架橋粘着剤とすることが開示されている。しかし、両文献とも、粘着性や皮膚刺激性に考慮されているが、粘着剤同士の混合における相溶性をよくするために、液状可塑剤が使用されており、さらに防水性、透湿性及び粘着性について考慮するものではない。
上記のように、組成の異なる2種類のアクリル系粘着剤を混合すると、相溶性が悪くなり、可塑剤を添加する必要がある場合が多い。また、防水性が高められたフィルムを支持体として使用した場合において、透湿性とともに粘着性を高め、2種類のアクリル系粘着剤の相溶性に優れる貼付材が求められている。
特開2000−44904号公報 特開2006−241179号公報 国際公開第2006/64747号公報 特開2005−314251号公報
本発明の課題は、2種類のアクリル系粘着剤を混合する混合粘着剤とすることによって、防水性付与のため、支持体としてフィルム素材を使用した場合においても、皮膚がふやけたり、かぶれたりすることがなく、防水性、透湿性とともに粘着性も兼ね備えた貼付材を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決することについて鋭意研究した結果、粘着剤層として、相溶性のよい、特定の2種類のアクリル系粘着剤を特定の比率で配合し、さらに架橋することで、支持体としてフィルム素材を使用した場合においても、防水性、柔軟性、粘着性の全てを兼ね備えた貼付材が可能となるのではないかと想到した。
アクリル系粘着剤は、一般に、単量体単位としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分としている。本発明者らは、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が一定以上ある場合は、皮膚から分泌された皮脂成分を粘着剤が吸収しやすく、貼付材が剥がれにくいという知見のもとに、主成分として炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを想到した。
すなわち、主成分が炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである2種類のアクリル系粘着剤を、混合粘着剤とし、さらに架橋することで、求められる防水性、透湿性とともに粘着性も兼ね備えた粘着剤が可能となるのではないかと着想した。
本発明者らは、通常、主成分が炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであるアクリル系粘着剤は、疎水性の特性を有すると言えるから、これに親水性の特性のアクリル系粘着剤を混合し、さらに架橋することによって、防水性、透湿性と共に粘着性も兼ね備えた粘着剤になるのではないかと想到した。
そのため、本発明者らは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに、架橋のための(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な、官能基を有するビニル単量体を、架橋に必要な程度の少量配合した粘着剤を基にして、親水性の特性を生じさせる第3成分を探求した。この場合、混合において、2種のアクリル系粘着剤の相溶性が適切となることも考慮しなければならない。しかし、可塑剤を用いることは、粘着剤の特性を低下させるために好ましくない。
本発明者らは、鋭意探求する中で、相溶性を勘案して、親水性の特性のアクリル系粘着剤を得るためには、親水性を有するビニル単量体を第3成分とすることが適切であることを見出した。すなわち、本発明者らは、第3成分の有無により、粘着剤A(第3成分なし)と粘着剤B(第3成分あり)という特性の相違するアクリル系粘着剤の混合粘着剤を見出し、この混合粘着剤を架橋することにより、防水性、透湿性とともに粘着性も兼ね備えた粘着剤を得ることを見出した。
すなわち、本発明によれば、(1)支持体層及び粘着剤層を備える貼付材であって、該粘着剤層が、
(a)粘着剤A:必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有するビニル単量体を0.5〜8質量%、残りの成分として、さらに単量体合計100質量%となる範囲で、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有しないビニル単量体0〜34.5質量%とからなる共重合体を含有するアクリル系粘着剤、及び
(b)粘着剤B:単量体合計100質量%となる範囲で、必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜90質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有するビニル単量体を0.5〜8質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有するビニル単量体を9.5〜49.5質量%とからなる共重合体を含有するアクリル系粘着剤とを混合してなる混合粘着剤であり、かつ、(i)該粘着剤Aと該粘着剤Bとの混合比(粘着剤A/粘着剤B)が、粘着剤Aと粘着剤Bとの合計質量を100質量部としたとき、15/85〜85/15(質量比)であり、かつ、(ii)該混合粘着剤が架橋されていることを特徴とする貼付材が提供される。
また、本発明によれば、(2)前記粘着剤層の架橋が、架橋剤によるものである前記(1)の貼付材が提供される。
また、本発明によれば、(3)前記官能基が、カルボキシ基あるいはヒドロキシ基である前記(1)の貼付材が提供される。
また、本発明によれば、(4)前記粘着剤層が、室温で液体状である可塑剤を含まない前記(1)〜(3)のいずれかの貼付材が提供される。
また、本発明によれば、(5)前記支持体が、フィルムを含む前記(1)〜(4)のいずれかの貼付材が提供される。
また、本発明よれば、(6)前記支持体が、フィルムと布帛の積層である前記(1)〜(4)のいずれかの貼付材の貼付材が提供される。
また、本発明によれば、(7)透湿度が300g/m・24h以上である前記(1)〜(6)のいずれかの貼付材が提供される。
また、本発明によれば、(8)該粘着剤Aと該粘着剤Bの混合比(粘着剤A/粘着剤B)が、粘着剤Aと粘着剤Bとの合計質量を100質量部としたとき、35/65〜65/35(質量比)である前記(1)〜(7)のいずれかの貼付材が提供される。
また、本発明によれば、(9)粘着剤Aと粘着剤Bの主要構成成分である炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの溶解度パラメータのSP値の差が、0.50以内である前記(1)〜(8)のいずれかの貼付材が提供される。
また、本発明によれば、(10)救急絆創膏である前記(1)〜(9)のいずれかの貼付材が提供される。
本発明によれば、貼付材の粘着剤を、可塑剤の必要性がなく、相溶性のある疎水性のアクリル系粘着剤と親水性のアクリル系粘着剤とからなる混合粘着剤とし、さらに該混合粘着剤を架橋することによって、支持体が防水性を有するフィルムであっても、皮膚がふやけたり、かぶれたりすることがなく、防水性、透湿性とともに粘着性も兼ね備えた貼付材を提供することができるという効果を奏する。
これらの貼付材は、救急絆創膏として、医療用粘着テープとしてあるいは経皮吸収製剤として有用である。
本発明の貼付材は、基本的に、支持体層と粘着剤層を備える貼付材である。
1.支持体層
本発明の貼付材の支持体層は、フィルムや、織物、編物、不織布などの布帛等が挙げられるが、とりわけ、防水性を有するとともに、皮膚に密着することができ、かつ、皮膚の動きに追随することができる程度の柔軟な材質であって、そして長時間貼付後において皮膚のかぶれ等の発生を抑制できるフィルムを含むことが好ましい。
本発明の支持体層として用いられるフィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ナイロン、綿、アセテートレーヨン、レーヨン、レーヨン/ポリエチレンテレフタレート複合体、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、アクリル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セロハン等を成分とするフィルムの単層または積層体が挙げられる。また、皮膚かぶれの発生等を抑制するために、支持体層としては、支持体層の透湿度〔JIS Z0208に規定されるB条件(温度40℃、相対湿度90%)で測定〕が1,000g/m・24時間以上、特に2,000g/m・24時間以上のものが好ましく使用される。
また、本発明では、防水性があり、さらに柔軟性や透湿性を有する支持体層として、エラストマーフィルムも好ましく使用される。エラストマーフィルムを形成するエラストマーとしては、例えば、ポリウレタンエラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、及び、これらの2種以上の混合物などを挙げることができる。これらのエラストマーの中でも、ポリウレタンエラストマーフィルムが好ましい。
本発明の支持体層として、防水性のある上記のフィルムに、さらに柔軟性や吸湿性を持たせるために、布帛を積層させたものが好ましく使用される。布帛は、天然繊維の他、ポリエステル繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維からなる不織布、織布及び編布であり、中でも弾性を有する点でポリウレタン繊維からなる不織布が好ましい。フィルムと布帛の積層は、粘着剤を塗付する側が、フィルムであっても、布帛であってもどちらでも良い。
(支持体層の厚み)
本発明の貼付材が備える支持体層は、厚みは、フィルムのみの場合は10〜50μmの範囲であるが、フィルムと布帛からなる積層体の場合は20〜250μmであってよく、好ましくは70〜200μmである。フィルムと布帛からなる積層体の場合は、フィルムの厚さは、2〜20μm、好ましくは3〜10μmである。支持体層の厚みは、支持体層の厚みが薄すぎる場合には、支持体層の強度が不充分となり、貼付材を皮膚に貼り付けたり、貼付材を皮膚から剥がしたりする際に、支持体層が切れてしまうことがある。また、支持体層の厚みが大きすぎると、貼付材の厚みが大きくなる結果、貼付材が皮溝などの微細な凹凸のある皮膚表面に沿って密着しにくく、貼付状態が目立ちやすくなり、違和感も大きくなりやすい。
(添加剤)
支持体層を形成するフィルムは、貼付中に、貼付材が目立たないようにする、すなわち、貼付下の皮膚の色調を透けて出しやすいという点では、透明性に優れたプラスチックフィルムが、好ましく採用されることが多いが、支持体層を形成するフィルムには、所望により、顔料や染料などの着色剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。これら添加剤の含有量は、添加剤の種類によって最適な範囲を選定すればよいが、フィルムを構成する樹脂材料100質量部に対して、通常0.001〜30質量部、好ましくは0.01〜25質量部、より好ましくは0.1〜20質量部の範囲とすることが多い。
〔エンボス加工〕
貼付材をヒトの皮膚表面に貼り付けたとき、貼付材の手触り、滑り性、外観などを改善するために、貼付材を構成する支持体層の背面(支持体層の、粘着剤層側とは反対側に位置する面を意味する。)に、微小な凹凸を形成することが好ましい場合がある。すなわち、支持体層の粘着剤層側と反対側の面がエンボス加工されている貼付材とすることができる。エンボス加工により、支持体層表面の動摩擦係数を1.0未満に低減できる。なお、キャリア層の表面にエンボス加工によって微小な凹凸を形成しておき、該微小な凹凸面上に支持体層を形成すれば、エラストマーフィルムから形成される支持体層の表面(背面)に該微小な凹凸を転写することができる。
また、支持体層は、粘着剤との投錨性の向上などを目的として、片面または両面にサンドブラスト処理、コロナ処理等の表面処理を行ってもよい。また、包材から貼付材を取り出しやすくするために、支持体層の片面または両面にサンドブラスト以外の方法で凹凸を設けることもできる。
2.粘着剤層
本発明の貼付材は、粘着剤層を形成する粘着剤が、以下の二つのアクリル系粘着剤を混合してなる混合粘着剤である。
(a)粘着剤A:
必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有するビニル単量体を0.5〜8質量%、残りの成分として、さらに単量体合計100質量%となる範囲で、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有しないビニル単量体0〜34.5質量%とからなる共重合体を含有するアクリル系粘着剤。
(b)粘着剤B:
単量体合計100質量%となる範囲で、必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜90質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有するビニル単量体を0.5〜8質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有するビニル単量体を9.5〜49.5質量%とからなる共重合体を含有するアクリル系粘着剤。
さらに、該混合粘着剤は、粘着剤Aと粘着剤Bの混合比(粘着剤A/粘着剤B)が、粘着剤Aと粘着剤Bとの合計質量を100質量部としたとき、15/85〜85/15(質量比)、好ましくは25/75〜75/25(質量比)、より好ましくは35/65〜65/35であり、しかも粘着剤Aと粘着剤Bが架橋されているものである。
粘着剤Aは、2成分系または3成分系であるが、成分比の決定の仕方は、粘着剤Aの量を決め、次いで、必須成分の成分を所定の範囲内とし、全体で100質量%となるように、残りの成分を所定の範囲内とする。粘着剤Bは、3成分系であり、全体で100質量%になるよう成分比を決定する。
(1)粘着剤A
粘着剤Aは、疎水性である。
本発明の貼付材で使用されるアクリル系粘着剤Aは、必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを65〜99.5質量%、好ましくは75〜99.3質量%、より好ましくは80〜98質量%であり、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有するビニル単量体を0.5〜8質量%、好ましくは0.7〜6質量%、より好ましくは、0.9〜5質量%、残りの成分として、さらに単量体合計100質量%となる範囲で、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有しないビニル単量体0〜34.5質量%、好ましくは0〜24.3質量%、より好ましくは0〜19.1質量%である。
(1−1) 炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
粘着剤Aにおける必須成分である炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル等の炭素数8〜9のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが、特に好ましい。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(1−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有するビニル単量体
官能基は、粘着剤Aと粘着剤Bとを架橋するための官能基として働き、官能基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基及びエポキシ基があり、中でもカルボキシ基及びヒドロキシ基が好ましい。カルボキシ基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸が挙げられ、ヒドロキシ基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルが挙げられ、また(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエステル等のポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸モノエステルが挙げられる。アミノ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸アミノエチル、アミド基含有単量体としては(メタ)アクリルアミドが挙げられ、エポキシ基含有単量体としては、グリシジルアクリレートが挙げられる。これらは2種類以上組み合わせて用いることもできる。好ましくは、アクリル酸、ポリエチレングリコールモノメタクリレートである。
(1−3)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有しないビニル単量体
このビニル単量体は、前記(1−1)、(1−2)のビニル単量体と異なる単量体であって、親水性を有しない。
すなわち、ここで、親水性を有しないビニル単量体とするものは、前記(1−1)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、前記(1−2)のビニル単量体として用いた官能基を有するビニル単量体は除かれる。
すなわち、粘着剤Aにおいて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや官能基を有するビニル単量体と、親水性を有しないビニル単量体とは重複しないということである。
この前記(1−1)、(1−2)のビニル単量体と異なるビニル単量体としては、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルやビニルエステルなどが挙げられる。
すなわち、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル等が挙げられる。
また、シクロへキシル基等の飽和炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル単量体(不飽和ニトリル)、スチレン等のビニル芳香族化合物、アクリルアミドなどが挙げられる。これらは2種類以上組み合わせて用いることもできる。好ましくは、酢酸ビニルがある。
(1−4)このような粘着剤Aとしては、具体的には、例えば、アクリル酸イソノリル96質量%、アクリル酸4質量%からなる共重合体を含有する粘着剤や、アクリル酸イソノリル98質量%、アクリル酸2質量%からなる共重合体を含有する粘着剤や、アクリル酸2−エチルへキシル85%、アクリル酸4%、酢酸ビニル11質量%からなる共重合体を含有する粘着剤が挙げられる。
(2)粘着剤B
粘着剤Bは、親水性である。
本発明の貼付材で使用されるアクリル系粘着剤Bは、単量体合計100質量%となる範囲で、必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜90質量%、好ましくは51〜88質量%、より好ましく52〜86質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有するビニル単量体を、0.5〜8質量%、好ましくは0.7〜6質量%、より好ましくは、0.9〜5質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有する親水性を有するビニル単量体を9.5〜49.5質量%、好ましくは11.3〜48.3質量%、より好ましくは13.1〜47.1質量%とからなる共重合体を含有する親水性を有するアクリル系粘着剤である。
(2−1) 粘着剤Bの炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、前記(1−1)の中から選ばれる。
(2−2) 粘着剤Bの(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有するビニル単量体は、前記(1−2)の中から選ばれる。
(2−3)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有するビニル単量体
親水性の特性を生じさせるために、第3成分として、親水性を有するビニル単量体を用いる。
このビニル単量体は、前記(2−1)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、前記(2−2)のビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、親水性を有する。
すなわち、ここで、親水性を有するビニル単量体とするものは、前記(2−1)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、前記(2−2)で述べた官能基を有するビニル単量体として用いた官能基を有するビニル単量体は除かれる。
すなわち、粘着剤Bにおいて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや官能基を有するビニル単量体と親水性を有するビニル単量体とは重複しないということである。
親水性を有するビニル単量体として、通常、アルコキシ基を有するビニル単量体を用いる。
アルコキシ基を有するビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシメチルが挙げられる。さらにメトキシエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、メトキシジエチレングリコール等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。好ましくは、アクリル酸2−メトキシエチル、メトキシポリエチレングリコールアクリレートがある。
(2−4)このような粘着剤Bとしては、例えば、アクリル酸イソノニル68質量%、アクリル酸2質量%、アクリル酸2−メトキシエチル30質量%からなる共重合体を含有する粘着剤や、アクリル酸イソノニル83質量%、CH=CHCOO−(CHCHO)H1質量%、CH=CHCOO−(CHCHO)CH16質量%からなる共重合体を含有する粘着剤が挙げられる。
(アクリル共重合体の製造)
本発明の貼付材の粘着剤層を形成する粘着剤A及び粘着剤Bを構成するアクリル共重合体は、ラジカル重合によって製造することができる。アクリル共重合体の重合法としては、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法などが知られているが、本発明の貼付材が備える粘着剤層が、良好な粘着特性を得やすい点で、溶液重合法が好ましい。アクリル共重合体を得るための重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤;などが挙げられる。具体的には、アクリル共重合体を形成する前記のb−1)、b−2)及びb−3)からなる全単量体100質量部に対して、0.1〜3質量部のラジカル重合開始剤を加え、窒素気流下、40〜90℃程度の温度で、30分間〜30時間撹拌して共重合させる。溶液重合法では、溶媒として、酢酸エチル、アセトン、トルエン、またはこれらの混合物などが汎用される。
粘着剤A及び粘着剤Bを構成するアクリル共重合体の重量平均分子量は、通常100,000〜1,500,000、好ましくは300,000〜1,000,000、より好ましくは450,000〜650,000の範囲である。アクリル共重合体の重量平均分子量を上記範囲とすることによって、粘着剤層における凝集性、粘着力、他成分との混合作業性、他成分との親和性などをバランスさせることができる。アクリル共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により、標準ポリスチレン換算値として求めた値である。
(相溶性)
本発明の粘着剤層は、粘着剤Aと粘着剤Bが、粘着剤Aと粘着剤Bとの合計質量を100質量部としたとき、15/85〜85/15(質量比)の割合で混合され、さらに架橋した構造を有している。粘着剤Aは疎水性を有し、また粘着剤Bは親水性を有するものであるが、混合粘着剤が粘着剤層として一体化したものとするため、お互いに相溶性を有することが大切であり、本発明においては、両者の主要構成成分である炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが同一のものであるか、同一でない場合であっても、溶解度パラメータのSP値の差が0.50以内のものが好ましく使用される。粘着剤Aと粘着剤Bの好ましい混合比は25/75〜75/25%(質量比)であり、35/65〜65/35(質量比)がさらに好ましい。
(架橋及び架橋剤)
本発明において、粘着剤Aと粘着剤Bが混合処理によって、架橋剤なしで架橋するものでもよいが、架橋剤によって架橋されることも好ましく、架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物〔トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等〕や多官能エポキシ化合物、アセチルアセトン金属塩などが挙げられ、市販品として、例えば、日本ポリウレタン工業株式会社製のコロネート(登録商標)HL、コロネートL、コロネートEH、三菱ガス化学株式会社製のTETRAD−X、(登録商標)、TETRAD−C(登録商標)、ナーセム(登録商標)アルミニウムなどとして入手することができる。架橋剤の含有量は、粘着剤Aと粘着剤Bにおけるアクリル共重合体の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.03〜0.5質量部、特に好ましくは0.04〜0.1質量部である。架橋剤は、単独で、または2種類以上を用いてもよく、同時に2種類以上の添加を行わなくてもよく、粘着剤層を形成するための粘着剤の塗工前または塗工中に添加する方法などが挙げられる。
(添加剤)
本発明の粘着剤層には、前記の粘着剤A及び粘着剤Bと架橋剤のほかに、必要に応じて、各種添加剤を含有することができる。添加剤としては、薬物、充填剤、酸化防止剤(抗酸化剤、防腐剤)、着色剤、香料、粘着付与剤、可塑剤など、貼付材が備える粘着剤層を形成する粘着剤において慣用されている添加剤を含有することができる。例えば、粘着剤の粘着特性を調整するために、粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤としては、例えば、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロンインデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系、石油系などの粘着付与樹脂を挙げることができる。
(可塑剤)
本発明における粘着剤層を形成する粘着剤A及び粘着剤Bは、相溶性を有するものを使用し、さらに架橋処理が行われるため、通常、貼付材における粘着剤に含有されている可塑剤を含有する必要がない。かかる可塑剤としては、例えば、多価アルコール類(グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等);フェノール類(チモール、サフロール、イソサフロール、オイゲノール、イソオイゲノール等);高級アルコール類(ベンジルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノール等);エステル系界面活性剤(セスキオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシル等);脂肪酸エステル類(ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等);有機酸類(乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸等);など室温で液体状である可塑剤が知られている。
本発明においては、むしろ、室温で液体状である可塑剤を含まないことが好ましい。なお、本発明において、「室温で液体状である可塑剤を含まない」とは、室温で液体状である可塑剤を含有させることにより粘着特性に影響しない含有量であることを意味し、通常、アクリル系粘着剤100質量部に対して、通常2質量部以下、好ましくは0.5質量部以下までの含有は許容されることがある。
(薬物等)
本発明における粘着剤層には、通常貼付材における粘着剤に含有される各種の薬物を含有することができる。かかる薬物としては、ジカプリル酸ピリドキシン、グリチルリチン酸ジカリウム、ジパルミチン酸ピリドキシン、グリチルリチン酸、塩酸ジフェンヒドラミン、オウバクエキス、ステアリン酸グリチルレチニル、塩化リゾチーム、アミノカプロン酸、レイシエキス、ヨクイニン、メリロートエキス、ボタンエキス、トウキエキス、トウキ根エキス、センキュウエキス、ゲンノショコエキス、アラントイン、及びアルニカエキス等の抗炎症剤;シコニン、ヒノキチオール、セドロール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、感光素201号、及びアジピン酸等の抗菌剤;エストラジオール、ビタミンB2、ビタミンB6、ローヤルゼリーエキス、リボフラビン等の皮脂分泌抑制剤;多孔質ナイロンパウダー及び多孔質セルロースパウダー等の吸油性多孔質粉体;カオリン、タルク、粘土、酸化亜鉛等の皮脂吸収剤;サリチル酸、イオウ、ベントナイト、シクロデキストリン等の角質剥離剤;ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸、安息香酸類、パラベン類、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンゼトニウム等の抗酸化剤(防腐剤);アルニカモンタナエキス、甘草エキス、レチノール、グリチルリチン酸ジカリウム、シャクヤクエキス、セージ葉エキス、ビワ葉エキス、ローズマリーエキス等の肌荒れ改善剤;ビタミン及びブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;さらに、各種の鎮痛消炎剤;抗ヒスタミン剤;コルチコステロイド剤;保湿剤;ビタミン類;香料;美容成分;などが挙げられる。
本発明の貼付材を経皮吸収製剤として使用する場合は、皮膚を介して吸収される薬剤であって、それぞれ目的に応じ、疾患の治療に要する薬物が添加される。例えば、鎮痛剤としては、ステロイド系鎮痛剤、非ステロイド系消炎鎮痛剤、麻薬系鎮痛剤や局所麻酔剤などが挙げられる。その他の薬剤としては、精神安定剤、抗うつ剤、不眠症改善薬、抗高血圧剤などが挙げられる。
さらに、本発明における粘着剤層を形成する粘着剤は、必要に応じて、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸塩、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の充填剤;を含有することができる。
前記した薬物や充填剤の含有量は、薬物や充填剤の種類によって有効含有量が異なるが、好適には、粘着剤層全質量を100質量%としたとき、0.001〜10質量%、特に0.01〜2質量%含有することが好ましい。
(粘着剤層の厚み)
本発明の貼付材における粘着剤層の厚みは、10〜200μmの範囲であり、好ましくは15〜150μm、より好ましくは20〜100μmの範囲である。
3.セパレーター層
本発明の貼付材は、支持体層、粘着剤層の他に、通常、救急絆創膏と使用する場合には、粘着剤層を皮膚に貼り付けるときまで、粘着剤層を保護するために、粘着剤層に隣接してセパレーター層が備えられる。
本発明におけるセパレーター層としては、特に限定されず、貼付材の技術分野において、一般に、離型紙、離型フィルム、剥離紙、剥離フィルム、剥離ライナーなどと称して使用されるものを用いることができる。具体的には、例えば、表面をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、表面をシリコーン処理したポリエチレンと紙との積層体などが挙げられる。セパレーター層は、同一または異なる厚みの2枚以上のシートとして、粘着剤層を保護してもよい。また、セパレーター層は、取扱い性(すなわち、粘着剤層からの剥離性)を向上するために、切れ目を設けてもよいし、貼付材より大きな面積に形成し、周縁部に掴み部を設けてもよい。また、セパレーター層は、取扱い性の向上や印刷適性の向上等の目的で、セパレーター層の粘着剤層に対向する面または粘着剤層の反対側の面に、サンドブラスト処理等による凹凸を設けてもよい。さらに、セパレーター層を一枚の大きなシートとして設け、その上に、粘着剤層、支持体層及びキャリア層からなる組み合わせを複数配列させてもよく、この場合、セパレーター層は、複数の貼付材において共有されることとなる。
セパレーター層の厚みは、適宜設定することができ、特に限定されないが、通常20μm以上、好ましくは40μm以上であり、その上限値は500μm程度である。
4.キャリア層
通常、支持体層が薄い場合、貼付材は、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材とすることが好ましい。貼付材は、支持体層に麟接してキャリア層を備えることにより、貼付材の取扱い性、皮膚への貼付性を向上させることができ、また、貼付材の製造方法において、支持体層の形成を容易にすることができる。すなわち、貼付材を皮膚に貼り付ける際、支持体層にシワが入ったり、貼付材が折れ曲がって粘着剤層同士が接着してしまったりすることがあるが、貼付材が支持体層に隣接してキャリア層を備えることにより、貼付材の形状保持性が向上するので、こうした問題を防止することができる。キャリア層の厚みは、適宜設定することができ、特に限定されないが、通常20μm以上、好ましくは40μmであり、その上限値は500μm程度である。
キャリア層は、各種の熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いて形成することができ、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン等からなるフィルムを用いることができる。また、これらフィルムと紙との積層体を用いることができる。
キャリア層は、使用時、すなわち貼付材を皮膚に貼り付けるときに、支持体層から容易に剥離することができるものである。したがって、キャリア層と支持体層とは、熱圧着または粘着等により剥離可能なように形成されている。キャリア層と支持体層との剥離力を調整するために、キャリア層の支持体層に対向する側の面に、粘着剤、液状可塑剤、離型剤等を塗布してもよい
5.貼付材
本発明の貼付材は、防水性を付与するための支持体と粘着剤層を備えるものであり、貼付材としての高い透湿性と高い粘着力を有するものである。透湿度としては300g/m・24h以上を有することが好ましく、また、プローブタックが1.0〜4.0N/5mmφであることが好ましい。
(貼付材の形状)
本発明の貼付材は、支持体層、粘着剤層を備える貼付材であって、更に、前記した諸特性を備えるものである限り、特に形状が限定されず、救急絆創膏や粘着テープあるいは経皮吸収製剤としての特性にあわせた形状とすることができ、例えば粘着テープとする場合は、ロール状とすることができ、救急絆創膏や経皮吸収製剤であれば、円形、長円形や使用目的に応じた形とすることが可能である。
(透湿度)
本発明の貼付材は、透湿度として300g/m・24h以上、好ましくは600g/m・24h以上、より好ましくは650g/m・24h以上、さらに好ましくは700g/m・24h以上、特に好ましくは750g/m・24h以上である。上限は、1500g/m・24h、好ましくは1,070g/m・24hである。透湿度が大きいことによって、貼付材を皮膚に貼り付ける際に、蒸れたり、汗が溜まったりするのを防ぐことができる。透湿度は、JIS Z0208に規定されるB条件(温度40℃、相対湿度90%)で測定する。
(プローブタック)
本発明の貼付材は、プローブタックが1.0〜4.0N/5mmφであることが、好ましく、1.95〜3.70N/5mmφであることがより好ましく、1.96〜3.60N/5mmφであることが更に好ましく、1.97〜3.57N/5mφであることが特に好ましい。プローブタックが小さすぎると、貼付中に貼付材が脱落してしまう場合もある。また、プローブタックが大きすぎると、貼付材を貼付後に皮膚表面から剥離するときに抵抗感や痛みを感じる場合がある。
(貼付材の製造方法)
本発明の貼付材は、支持体層及び粘着剤層を備える貼付材であって、該粘着剤層が、
(a)粘着剤A:必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量%であり、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有する単量体が0.5〜8質量%で、残りの成分として、さらに単量体合計100質量%となる範囲で、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、アルコキシ基を有しないビニル単量体0〜34.5質量%とからなる共重合体を含有するアクリル系粘着剤、及び
(b)粘着剤B:単量体合計100質量%となる範囲で、必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが50〜90質量%で、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基を有する単量体が0.5〜8質量、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、アルコキシ基を有するビニル単量体9.5〜49.5質量%からなる共重合体を含有するアクリル系粘着剤
とを混合してなる混合粘着剤であり、かつ、(i)該粘着剤Aと該粘着剤Bの混合比が、粘着剤Aと粘着剤Bとの合計質量を100質量部としたとき、15/85〜85/15(質量比)であり、かつ、(ii)該混合粘着剤が架橋されていることを特徴とする貼付材を得ることができる限り、その製造方法は限定されない。本発明の貼付材は、シート状の積層体として製造することができるし、ロール状の積層体として製造することもできる。通常の貼付剤の製造方法を採用することができ、一般的な貼付剤の製造方法であるホットメルト法や、カレンダー法や溶展法などを採用することができ、中でも溶展法が好ましい。溶展法とは、必要な成分を溶剤に溶解して支持体に展開し、その後溶剤を蒸散して支持体と貼り合わせ、次いで適当な形状に裁断して貼付剤を得る方法である。
本発明の貼付剤の一つの製造方法として、2種類のアクリル系粘着剤の混合粘着剤と架橋剤を加え、均一に撹拌混合し、シリコーン系剥離剤等を塗布した工程紙上に、上記の混合粘着剤の溶液またはエマルションを塗工して粘着剤層を形成した後に、該粘着剤層をフィルムを含む支持体と一体化させる方法により製造することができる。塗工方法は、特に限定されず、例えば、各成分を含有する粘着剤の溶液を、ナイフコーター、コンマコーターまたはリバースコーター等の汎用の塗工機を用いて塗工することができる。得られた貼付剤は、ロール状に巻き取ってロール状の貼付材を得てもよいし、使用用途に応じて楕円形、円形、正方形、長方形などの所定の形状及び大きさに裁断する。
(貼付材の用途)
本発明の貼付材は、必要に応じて、キャリア層、セパレーター層をつけ、使用部位に応じた形状にして、一般的な救急絆創膏として使用できる。また、そのまま医療用粘着テープとして使用できるし、特定の薬剤を加えた経皮吸収製剤とすることも可能である。
以下に、実施例及び比較例を示して、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。本発明の貼付材及び貼付材が備える各層の特性及び物性の測定方法は、以下のとおりである。
(厚み)
支持体層、粘着剤層及び貼付材の厚みは、ダイヤルシックネスゲージを用いて測定した(単位:μm、n=3の平均値)。
(透湿度)
貼付材の透湿度は、JIS Z0208に規定されるB条件(温度40℃、相対湿度90%)で測定した(単位:g/m・24h、n=3の平均値)。
(プローブタック)
粘着剤層のプローブタックは、ニチバン株式会社製プローブタックテスターを使用して、JIS Z0237(1996年版)に参考として記載されているプローブタック試験法に従い、直径5mmの円柱プローブを粘着面から垂直方向に引きはがすのに要する力を測定して求めた(単位:N/5mmφ、n=3の平均値)。
(実用評価)
貼付材の実用評価として、成人男女5名の被験者の入浴後の水分をふき取った後、指の第二関節に貼付剤を貼付し、12時間貼付した後、入浴し『入浴後の付着性』評価した。その後、貼付から24時間後に『24時間貼付後の付着性』を評価したのち、貼付材を剥離し、『皮膚のふやけ』を評価した。評価は、被験者5名それぞれ下記基準に沿って1〜5で評価し、その平均値を四捨五入し、下記の基準により評価した。また、総合評価は、特性評価と実用評価の結果を踏まえて、本発明者らが評価した。
<入浴後の付着性>
5:全面よく付いている
4:周囲がわずかに剥がれた又はめくれた
3:1/3程度剥がれた又はめくれた
2:半分以上剥がれた又はめくれた
1:脱落
A:平均値が4.0以上
B:平均値が3.5〜3.9
C:平均値が3.4以下
<24時間貼付後の付着性>
5:全面よく付いている
4:周囲がわずかに剥がれた又はめくれた
3:1/3程度剥がれた又はめくれた
2:半分以上剥がれた又はめくれた
1:脱落
A:平均値が3.6以上
B:平均値が3.1〜3.5
C:平均値が3.0以下
<皮膚のふやけ>
5:ふやけなし
4:多少ふやけたが問題なし
3:ふやけて問題あり
2:ふやけて大いに問題あり
1:過度のふやけで水ぶくれができた
A:平均値が4.0以上
B:平均値が3.5〜3.9
C:平均値が3.4以下
<総合評価>
AA:総合的に、特に優れていた
A:総合的に優れていた
C:総合的に問題が生じた
[粘着剤A及び粘着剤Bの相溶性分析]
粘着剤A1:アクリル酸2−エチルヘキシル/酢酸ビニル/アクリル酸(質量比85/11/4)共重合体のアクリル系粘着剤にエポキシ系架橋剤(TETRAD−X、三菱ガス化学社製)0.05部を加えて架橋して得た。
粘着剤B1:アクリル酸イソノニル/アクリル酸2−メトキシエチル/アクリル酸(質量比68/30/2)共重合体のアクリル系粘着剤にエポキシ系架橋剤(TETRAD−X)、三菱ガス化学社製)0.05部を加えて架橋して得た。
混合粘着剤C1:粘着剤A(:アクリル酸2−エチルヘキシル/酢酸ビニル/アクリル酸(質量比85/11/4)共重合体のアクリル系粘着剤)と、粘着剤B(:アクリル酸イソノニル/アクリル酸2−メトキシエチル/アクリル酸(質量比68/30/2)共重合体のアクリル系粘着剤)との合計100質量部に、エポキシ系架橋剤(TETRAD−X)、三菱ガス化学社製)0.05質量部を加えて架橋して得た。
粘着剤A1、粘着剤B1及び混合粘着剤C1における動的粘弾性測定を行い、それぞれのtanδ(損失正接)の温度依存、貯蔵弾性率(G’)の温度依存及び損失弾性率(G”)の温度依存を求めた。なお、アクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル酸イソノニルの溶解度パラメータSP値は、それぞれ8.36と8.38であり、その差は0.50の範囲内である。
(結果)
動的粘弾性測定のtanδ(損失正接)の温度依存から、そのピークによりガラス転移温度(Tg)が得られ、粘着剤A1のガラス転移温度は−33.2℃、粘着剤B1のガラス転移温度−19.4℃に対し、混合粘着剤C1のガラス転移温度は、−29.3〜−27.6℃の範囲で1つのピークのみが確認された。したがって、混合粘着剤C1のガラス転移温度は、粘着剤A1と、粘着剤B1のそれぞれのガラス転移温度の中間点の−26.3℃に近い値となり、相溶性が認められた。
混合粘着剤C1の貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の温度依存変化は、粘着剤A1と粘着剤B1の間に位置し、同様の変化を示しており、それによっても相溶性が確認された。
[実施例1〜7及び比較例1〜4]
ポリウレタンフィルムにポリウレタン不織布を積層した支持体の上に、通常の製法により、混合粘着剤C1による粘着剤層を設けた貼付材(支持体層の厚さ170μm、粘着剤層の厚さ40μm)を得た。粘着剤A1及び粘着剤B1の混合比を変えて、同様の方法で貼付材として、粘着剤A1と粘着剤B1の混合比による影響を調べた。それぞれの貼付材の実用評価と特性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
ポリウレタンエラストマーフィルム(厚さ30μm)に混合粘着剤C1による粘着剤層(厚さ40μm)を設けた貼付材を得た。粘着剤A1を50質量部、粘着剤B1を50質量部の混合比で、実用評価と特性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006478334
[考察]
表1から、支持体がフィルム/不織布の実施例1〜7の場合、粘着剤Aは単独では透湿度が594g/m・24hと低いが、透湿性のよい粘着剤Bを混合粘着剤100質量部中で15質量部以上配合した場合に、透湿度650g/m・24hを超えるものとなることが分かった。上記の粘着剤Aと粘着剤Bとの混合比が35/65〜65/35(質量比)のときに最もよい実用評価が得られた。
しかし、粘着剤Aと粘着剤Bの混合比(粘着剤A/粘着剤B)が、15/85〜85/15(質量比)までは実用評価に優れるものの、粘着剤Bを増やして混合粘着剤100質量部中で85質量部を越えると、実用評価が劣ったものとなることが分かった。
支持体が、フィルムの実施例8の場合、支持体がフィルムのため、透湿度は下がるが、皮膚に密着し、実用性の評価において、入浴後の付着性がよかった。これは、水が横から入らないためと考えられる。
実施例に対し、比較例1〜4は、実用評価において、Cの評価があり、総合評価もCとなり問題があった。
本発明の貼付材は、皮膚などに適用され、例えば、医療用として、例えば医療衛生分野や外用用途などの分野で好適に使用される。具体的には、絆創膏、医療用粘着テープ、粘着包帯、ドレッシング材、外科手術用のサージカルテープ、経皮吸収製剤などに使用できる。
本発明は、貼付材の粘着剤層が疎水性のアクリル系粘着剤と親水性のアクリル系粘着剤からなる混合粘着剤とすることによって、支持体が防水性を有するフィルムであっても、皮膚がふやけたり、かぶれたりすることがなく、防水性、透湿性とともに粘着性も兼ね備えた貼付材を提供することができるので、医療用粘着テープや救急絆創膏に適する貼付材として産業上の利用可能性が高い。特に救急絆創膏に適する。

Claims (10)

  1. 支持体層及び粘着剤層を備える貼付材であって、該粘着剤層が、
    (a)粘着剤A:必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、官能基を有するビニル単量体を0.5〜8質量%、残りの成分として、さらに単量体合計100質量%となる範囲で、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有しないビニル単量体0〜34.5質量%とからなる共重合体を含有するアクリル系粘着剤、及び
    (b)粘着剤B:単量体合計100質量%となる範囲で、必須成分として、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜90質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、官能基を有するビニル単量体を0.5〜8質量%、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルや該ビニル単量体とは異なるビニル単量体であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、親水性を有するビニル単量体を9.5〜49.5質量%とからなる共重合体を含有するアクリル系粘着剤とを混合してなる混合粘着剤であり、
    ここで前記官能基は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基又はエポキシ基であり、
    前記親水性を有しないビニル単量体は、炭素数1〜6のアクリル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、飽和炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル、シアノ基含有ビニル単量体、ビニル芳香族化合物、又はアクリルアミドであり、そして
    前記親水性を有するビニル単量体は、アルコキシ基を有するビニル単量体であり、
    かつ、(i)該粘着剤Aと該粘着剤Bとの混合比(粘着剤A/粘着剤B)が、粘着剤Aと粘着剤Bとの合計質量を100質量部としたとき、15/85〜85/15(質量比)であり、かつ、(ii)該混合粘着剤が架橋されていることを特徴とする貼付材。
  2. 前記粘着剤層の架橋が架橋剤によるものである請求項1記載の貼付材。
  3. 前記官能基がカルボキシ基あるいはヒドロキシ基である請求項1に記載の貼付材。
  4. 前記粘着剤層は、粘着剤層を形成する粘着剤が、室温で液体状である可塑剤を含まない請求項1乃至3のいずれか1項に記載の貼付材。
  5. 前記支持体層が、フィルムを含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貼付材。
  6. 前記支持体層が、フィルムと布帛の積層である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の貼付材。
  7. 透湿度が300g/m・24h以上である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の貼付材。
  8. 前記粘着剤Aと前記粘着剤Bとの混合比(粘着剤A/粘着剤B)が、粘着剤Aと粘着剤Bとの合計質量を100質量部としたとき、35/65〜65/35(質量比)である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の貼付材。
  9. 粘着剤Aの炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと、粘着剤Bの炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルとの溶解度パラメータ(SP)の差が0.50の範囲内である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の貼付材。
  10. 救急絆創膏である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の貼付材。
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