JP2000008013A - 感圧接着剤組成物 - Google Patents

感圧接着剤組成物

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JP2000008013A
JP2000008013A JP18970898A JP18970898A JP2000008013A JP 2000008013 A JP2000008013 A JP 2000008013A JP 18970898 A JP18970898 A JP 18970898A JP 18970898 A JP18970898 A JP 18970898A JP 2000008013 A JP2000008013 A JP 2000008013A
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pressure
acrylate
adhesive composition
meth
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JP18970898A
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English (en)
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Kazutaka Asada
和孝 朝田
Takeshi Kimura
健 紀村
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Nichiban Co Ltd
Original Assignee
Nichiban Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚粘着性が良好であると共に、剥離時に皮
膚の痛みなどの刺激がなく、糊残りもなく、しかも高い
透湿性を有し、医療用として好適なアクリル系の感圧接
着剤組成物、及び該感圧接着剤組成物からなる粘着剤層
を有する粘着テープを提供すること。 【解決手段】 (A)炭素原子数4〜12のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜9
7重量%、(B)(メタ)アクリル酸アルコキシポリア
ルキレングリコールエステル2〜49重量%、及び
(C)カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル1〜15重量%を共重合して得られるアクリル酸エ
ステル系共重合体及び架橋剤を含有する感圧接着剤組成
物。柔軟な基材の片面に、該感圧接着剤組成物から形成
された粘着剤層を有する粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系感圧接
着剤組成物に関し、さらに詳しくは、皮膚に対する粘着
性が良好であると共に、剥離時の刺激や糊残りがなく、
さらには、透湿性が良好なアクリル系感圧接着剤組成物
に関する。また、本発明は、当該アクリル系感圧接着剤
組成物から形成された粘着剤層を有する粘着テープに関
する。本発明の感圧接着剤組成物及び粘着テープは、前
記諸特性を生かした用途、特に医療用の感圧接着剤組成
物及び粘着テープとして有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、皮膚患部の保護や薬物の経皮
吸収などのために、皮膚貼付型の医療用粘着テープが開
発されている。このような医療用粘着テープは、一般
に、柔軟性のある基材の片面に、必要に応じて薬物を含
有する粘着剤(感圧接着剤)からなる粘着剤層が形成さ
れた構成を有している。
【0003】このような医療用粘着テープに使用される
粘着剤には、下記のような特性を有することが望まれて
いる。 (1)医療用粘着テープは、皮膚患部の保護や薬物の経
皮吸収などの目的を達成する上で、比較的長時間、皮膚
面から剥離することなく貼付状態が保持される必要があ
るため、粘着剤には、皮膚粘着性に優れていることが求
められている。 (2)一方、医療用粘着テープは、皮膚に対する接着力
が強すぎると、剥離時に物理的刺激による痛みを感じた
り、体表面の毛がむしり取られたり、角質剥離が生じた
りするので、使用後には、これらの問題を生じることな
く、容易に剥離し得ることが求められる。すなわち、粘
着剤には、良好な皮膚粘着性と容易な剥離性という互い
に矛盾した特性が要求される。 (3)医療用粘着テープは、皮膚に対する刺激が強すぎ
ると、皮膚にかぶれを生じさせるので、粘着剤には、皮
膚刺激性の小さいことが求められる。 (4)医療用粘着テープは、使用後に剥離した際、皮膚
面に粘着剤成分(糊)が残留しないことが必要であり、
粘着剤には、糊残りの発生しないことが要求される。 (5)医療用粘着テープは、皮膚面に貼付すると、発汗
により貼付面に汗が滞留して、剥れたり、かぶれを生じ
たりしやすいので、粘着剤には、高い透湿性を有するこ
とが望まれている。
【0004】従来、医療用粘着テープの粘着剤として、
アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤などが使用されてい
る。これらの中でも、アクリル系粘着剤は、ゴム系粘着
剤に比べて、一般に、酸化劣化に対する優れた抵抗性を
有し、しかも多くの用途には粘着付与樹脂を必要とせ
ず、実質的にアクリル系ポリマーのみで十分な接着性を
示すことができる。また、アクリル系粘着剤は、主モノ
マーの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他に、ア
クリル酸などの官能基含有モノマーをコモノマーとして
用いることにより、凝集力や接着力を向上させることが
できる。
【0005】ところが、アクリル系粘着剤を用いた医療
用粘着テープは、良好な皮膚接着性を有するものの、使
用後に剥離除去するときに、物理的刺激による痛みや角
質剥離などを生じやすいという問題があった。また、ア
クリル系粘着剤を用いた医療用粘着テープは、透湿性を
高めるには官能基含有モノマーの共重合割合を高くしな
ければならない。しかし、アクリル酸など汎用の官能基
含有モノマーの共重合割合を高めると、剥離時の皮膚刺
激がさらに強くなるという問題があった。しかも、使用
する官能基含有モノマーの種類によっては、剥離時に皮
膚面に糊残りすることがあった。
【0006】従来、剥離時の皮膚刺激を緩和するため
に、例えば、特開平3−220120号公報には、アク
リル酸エステル系ポリマーと該ポリマーと相溶する液体
成分とを含む架橋ゲル層が、支持体の少なくとも片面に
形成されてなるアクリル系ゲル材が提案されている。こ
のアクリル系ゲル材では、過剰量の液体成分を含有させ
たアクリル酸エステル系ポリマー層を架橋処理してゲル
化させることにより、凝集力の低下を防ぐとともに、皮
膚面にかかる応力を緩和・分散させている。しかし、こ
のアクリル系ゲル材は、皮膚に対する接着力が十分では
なく、また、過剰量の液体成分を含有させる必要があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
粘着性が良好であると共に、剥離時に皮膚の痛みなどの
刺激がなく、糊残りもなく、しかも高い透湿性を有し、
医療用として好適なアクリル系の感圧接着剤組成物を提
供することにある。本発明の他の目的は、柔軟な支持体
の片面に、このような優れた諸特性を有する感圧接着剤
組成物からなる粘着剤層が形成された医療用として好適
な粘着テープを提供することにある。
【0008】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、アクリル酸エステル系
共重合体と架橋剤とを含有するアクリル系感圧接着剤組
成物において、主成分の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルのコモノマーとして、(メタ)アクリル酸アルコ
キシポリアルキレングリコールエステルと特定のカルボ
キシル基含有モノマーとを併用して得られるアクリル酸
系エステル共重合体を感圧接着剤成分として使用するこ
とにより、前記目的を達成できることを見いだした。本
発明の感圧接着剤組成物を用いて得られる粘着テープ
は、前記の如き諸特性が高度にバランスしたものであ
る。さらに、本発明の感圧接着剤組成物は、前記特定の
カルボキシル基含有モノマーを共重合成分とするアクリ
ル酸エステル系共重合体を使用することにより、保存安
定性に優れ、また、架橋剤の選択の幅が広がり、例え
ば、イソシアネート系架橋剤のみならず、低刺激性のエ
ポキシ系架橋剤なども使用することができる。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
炭素原子数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸アルキルエステル50〜97重量%、(B)式
(1)
【0010】
【化3】 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子または
メチル基であり、R3は、炭素原子数1〜20のアルキ
ル基であり、nは、2〜12の数である。)で表される
(メタ)アクリル酸アルコキシポリアルキレングリコー
ルエステル2〜49重量%、及び(C)式(2)
【0011】
【化4】 (式中、R4は、水素原子またはメチル基であり、X
は、炭素原子数2以上で、ヘテロ原子を含んでいてもよ
い2価の有機基である。)で表されるカルボキシル基を
有する(メタ)アクリル酸エステル1〜15重量%を共
重合して得られるアクリル酸エステル系共重合体、及び
架橋剤を含有する感圧接着剤組成物が提供される。ま
た、本発明によれば、柔軟な基材の片面に、前記の感圧
接着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着テー
プが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、アクリル系共重合体
を形成するモノマーとして、炭素原子数4〜12のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを
主成分として使用する。(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの具体例としては、例えば、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、
アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタク
リル酸イソノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
ドデシルなどを挙げることができる。これらの中でも、
諸特性のバランスがとりやすい点で、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イ
ソオクチル、アクリル酸イソノニルなどが好ましい。こ
れらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。本発明で使用する(メタ)アクリル酸アル
コキシポリアルキレングリコールエステルは、式(1)
【0013】
【化5】 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子または
メチル基であり、R3は、炭素原子数1〜20のアルキ
ル基であり、nは、2〜12の数である。)で表される
アルコキシ末端を有する(メタ)アクリル酸アルコキシ
ポリアルキレングリコールエステルである。式(1)
中、R3は、炭素原子数1〜4のアルキル基であること
が好ましい。nは、2〜10の数であることが好まし
い。ポリオキシアルキレングリコール成分としては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及
びこれらの混合物が挙げられる。
【0014】式(1)で表されるモノマーの具体例とし
ては、例えば、アクリル酸メトキシジエチレングリコー
ル(R1=H、R2=H、R3=CH3、n=2)、メタク
リル酸メトキシジエチレングリコール(R1=CH3、R
2=H、R3=CH3、n=2)、アクリル酸メトキシジ
プロピレングリコール(R1=H、R2=CH3、R3=C
3、n=2)、メタクリル酸メトキシジプロピレング
リコール(R1=CH3、R2=CH3、R3=CH3、n=
2)、アクリル酸エトキシジエチレングリコール(R1
=H、R2=H、R3=C25、n=2)、メタクリル酸
エトキシジエチレングリコール(R1=CH3、R2
H、R3=C25、n=2)、アクリル酸エトキシジプ
ロピレングリコール(R1=H、R2=CH3、R3=C2
5、n=2)、メタクリル酸エトキシジプロピレング
リコール(R1=CH3、R2=CH3、R3=C25、n
=2)、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール
(R1=H、R2=H、R3=CH3、n=3)、メタクリ
ル酸メトキシトリエチレングリコール(R1=CH3、R
2=H、R3=CH3、n=3)、アクリル酸メトキシト
リプロピレングリコール(R1=H、R2=CH3、R3
CH3、n=3)、メタクリル酸メトキシトリプロピレ
ングリコール(R1=CH3、R2=CH3、R3=CH3
n=3)、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール
(R1=H、R2=H、R3=CH3、n=4〜10)、メ
タクリル酸メトキシポリエチレングリコール(R1=C
3、R2=H、R3=CH3、n=4〜10)、アクリル
酸メトキシポリプロピレングリコール(R1=H、R2
CH3、R3=CH3、n=4〜10)、メタクリル酸メ
トキシポリプロピレングリコール(R1=CH3、R2
CH3、R3=CH3、n=4〜10)などが挙げられ
る。本発明で使用するカルボキシル基を有する(メタ)
アクリル酸エステルは、式(2)
【0015】
【化6】 (式中、R4は、水素原子またはメチル基であり、X
は、炭素原子数2以上で、ヘテロ原子を含んでいてもよ
い2価の有機基である。)で表される化合物である。
【0016】Xは、炭素原子数が2以上の2価の有機基
であり、炭素原子及び水素原子以外に、酸素原子、窒素
原子、硫黄源子などのヘテロ原子を含んでいてもよい。
炭素原子数は、好ましくは2〜50、より好ましくは2
〜30程度である。ヘテロ原子は、多くの場合、酸素原
子である。Xとしては、例えば、炭素原子数2以上の直
鎖状または分岐状のアルキレン基、−R5−OCO−R6
−(ただし、R5及びR6は、アルキレン基)、−R7
OCO−R8−OCO−R9−(ただし、R7、R8、及び
9は、アルキレン基)などを挙げることができる。式
(2)で表されるカルボキシル基を有する(メタ)アク
リル酸エステルの具体例としては、例えば、アクリル酸
2−カルボキシエチル、2−アクロイロキシエチルこは
く酸、及びアクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクト
ンなどを挙げることができる。
【0017】本発明で使用するアクリル酸エステル系共
重合体は、モノマーとして(メタ)アクリル酸アルキル
エステル(A)を主成分とすることによって、粘着付与
樹脂が不要で、酸化劣化に対する優れた抵抗性を示すな
ど、アクリル系感圧接着剤としての特性を発揮すること
ができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重
合割合は、50〜97重量%であり、好ましくは55〜
93重量%である。(メタ)アクリル酸アルコキシポリ
アルキレングリコールエステル(B)の共重合割合は、
2〜49重量%であり、好ましくは5〜40重量%であ
る。(B)成分の共重合割合が小さすぎると、剥離時の
皮膚刺激が強く、痛みを感じたり、紅斑や角質剥離を生
じたり、あるいは透湿性が低下したりする。逆に、
(B)成分の共重合割合が大きすぎると、重合安定性が
低下して、ゲルを生成しやすくなり、ひいては粘着特性
のバランスが悪化する。
【0018】前記の式(2)で表されるカルボキシル基
を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)の共重合割
合は、1〜15重量%であり、好ましくは2〜10重量
%である。(C)成分の共重合割合が小さすぎると粘着
剤の凝集力の低下による皮膚への粘着剤成分の残留を起
こしやすくなり、逆に、大きすぎると剥離時の刺激が強
くなる。(C)成分として、特に式(2)で表されるモ
ノマーを使用すると、皮膚粘着性、粘着剤の残留性(低
残留性)、剥離時刺激、透湿度などの特性が高度にバラ
ンスして好ましい。また、(C)成分をコモノマーとし
て使用することにより、感圧接着剤組成物の保存安定性
を高めることができる。さらに、(C)成分を官能性モ
ノマーとして使用することにより、架橋剤として、イソ
シアネート系架橋剤のほかに、低刺激性のエポキシ系架
橋剤やメラミン系架橋剤などを使用することができる。
したがって、(C)成分の使用により、感圧接着剤組成
物及び粘着テープの製造工程における工程管理が容易と
なる。
【0019】本発明で採用するアクリル酸エステル系共
重合体は、モノマーとして、前記各成分(A)〜(C)
を使用して合成することができるが、所望により、その
他の共重合可能なビニルモノマー(D)を併用すること
ができる。共重合可能なその他のビニルモノマー(D)
は、本発明の目的を阻害しない範囲内において使用する
ことができ、その共重合割合は、通常、0〜30重量
%、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5
重量%である。諸特性のバランス上の観点から、(D)
成分の共重合割合は、できるだけ小さい方が好ましい。
【0020】共重合可能なその他のビニルモノマーとし
ては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸
トリデシル、メタクリル酸トリデシルなどの前記以外の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸
などのカルボキシル基含有モノマー;アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなど
の(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;アクリル酸
グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基
含有モノマー;酢酸ビニルなどのビニルエステル;アク
リルニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリ
ル;スチレンなどのビニル芳香族化合物;アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
ルなどを挙げることができる。
【0021】本発明で使用するアクリル系エステル共重
合体は、一般に、各モノマー成分をラジカル共重合させ
ることにより製造することができる。ラジカル重合法と
しては、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法などが可
能であるが、これらの中でも溶液重合法が諸特性に優れ
た共重合体を得ることができるため特に好ましい。溶液
重合法では、重合溶媒として、酢酸エチル、アセトン、
ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの通常の溶媒を使用
することができる。ラジカル重合開始剤としては、過酸
化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物系開始
剤、あるいはアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系
開始剤が用いられる。全モノマーに対し、0.1〜3重
量%程度のラジカル重合開始剤を添加し、窒素気流下、
40〜90℃程度の温度で、数時間から数十時間攪拌し
て共重合させる。
【0022】本発明の感圧接着剤組成物は、架橋剤を含
有する。架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシア
ネート(TDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DD
I)などの2官能以上のイソシアネート系架橋剤(ポリ
イソシアネート化合物);ポリエポキシアミン系硬化剤
〔例えば、三菱瓦斯化学(株)製テトラドX〕などのエ
ポキシ系架橋剤;N−メチロール化メラミンなどのメラ
ミン系架橋剤;などを挙げることができる。架橋剤の配
合割合は、アクリル酸エステル系共重合体中に含まれる
カルボキシル基の量にもよるが、アクリル酸エステル系
共重合体100重量部に対して、通常、0.01〜5重
量部、好ましくは0.1〜3重量部である。架橋剤によ
り架橋させることにより、皮膚粘着性が良好で、剥離時
の刺激が小さく、糊残りのない感圧接着剤組成物を得る
ことができる。
【0023】本発明の感圧接着剤組成物には、所望によ
りアクリル系粘着剤に汎用の各種添加剤を添加すること
ができる。また、本発明の感圧接着剤組成物には、所望
により、経皮吸収可能な薬物を配合することができる。
薬物としては、例えば、狭心症剤、コルチコステロイド
剤、鎮痛消炎剤、催眠鎮痛剤、抗炎症剤、抗アレルギー
剤、抗ヒスタミン剤、冠血管拡張剤、抗菌剤、保湿剤、
ビタミン類、鎮咳剤、麻酔剤、抗腫瘍剤、香料などを挙
げることができる。これらは、必要に応じて有効量を配
合する。
【0024】本発明の感圧接着剤組成物を用いて皮膚貼
付型の粘着テープを作製するには、常法に従って、柔軟
な基材の片面に、感圧接着剤組成物を塗工すればよい。
柔軟な基材としては、可塑化軟質ポリ塩化ビニル、無可
塑化軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、エチレン−メチルメタクリレート共重
合体 エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロ
ピレンゴム、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルア
ルコールなどの合成樹脂からなるフィルムまたはシート
が挙げられる。また、基材として、不織布、プラスチッ
ク発泡シート、セルロース、酢酸セルロースなどの可撓
性のあるシート状物を使用することができる。これらの
基材には、必要に応じてコロナ放電処理などを行っても
よい。透湿性に優れた基材を用いると、本発明の感圧接
着剤組成物の有する優れた透湿性を充分に発揮させるこ
とができる。
【0025】感圧接着剤組成物は、各成分を溶媒に溶解
させるか、あるいは溶液重合終了後の反応液中に架橋剤
を添加するなどして溶液状態とし、これを基材の片面に
塗布し、乾燥させる。架橋反応に高温を要する場合は、
乾燥時または乾燥後に加熱する。また、剥離紙などの剥
離ライナーに感圧接着剤組成物を塗工した後、基材に重
ねる方法を採用することもできる。粘着テープに穿孔を
設けると、通気性を向上させることができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、以下の実施例及び
比較例において、部及び%は、特に断りのない限り、重
量基準である。
【0027】[実施例1]攪拌機、温度計、及び冷却管
を装着した1Lフラスコに、アクリル酸2−エチルヘキ
シル75部、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコ
ール(R1=CH3、R2=H、R3=CH3、n=9)2
0部、及びアクリル酸2−カルボキシエチル(R4
H、X=−CH2CH2−)5部を仕込み、モノマー全体
が50%となるように溶媒として酢酸エチルを加えた。
重合は、ラジカル重合開始剤として全モノマー量の0.
5%の過酸化ラウロイルを用い、窒素気流中にて20時
間攪拌還流下にて行った。このようにして得られた共重
合体(固形分100部)に、2官能イソシアネート系架
橋剤0.3部を加えて、感圧接着剤組成物を調製した。
【0028】[実施例2]モノマー成分をアクリル酸2
−エチルヘキシル80部、アクリル酸メトキシトリエチ
レングリコール(R1=H、R2=H、R3=CH3、n=
3)15部、及び2−アクリロイロキシエチルこはく酸
5部に代えたこと以外は、実施例1と同様にして共重合
体を合成し、そして、感圧接着剤組成物を調製した。
【0029】[実施例3]モノマー成分を、アクリル酸
イソノニル80部、アクリル酸エトキシジエチレングリ
コール(R1=H、R2=H、R3=CH2CH3、n=
2)15部、及びアクリル酸ω−カルボキシポリカプロ
ラクトン(表1参照)5部に代えたこと以外は、実施例
1と同様にして共重合体を合成し、そして、感圧接着剤
組成物を調製した。
【0030】[比較例1]モノマー成分を、アクリル酸
2−エチルヘキシル95部、及びアクリル酸5部に代え
たこと以外は、実施例1と同様にして共重合体を合成
し、そして、感圧接着剤組成物を調製した。
【0031】[比較例2]モノマー成分を、アクリル酸
2−エチルヘキシル75部、アクリル酸5部、及びアク
リル酸2−メトキシエチル20部に代えたこと以外は、
実施例1と同様にして共重合体を合成し、そして、感圧
接着剤組成物を調製した。
【0032】[比較例3]モノマー成分を、アクリル酸
2−エチルヘキシル95部、及びアクリル酸2−カルボ
キシエチル5部に代えたこと以外は、実施例1と同様に
して共重合体を合成し、そして、感圧接着剤組成物を調
製した。
【0033】<性能評価>前記の各実施例及び比較例で
得られた感圧接着剤組成物について、次の方法で性能評
価を行った。 (1)皮膚粘着性 シリコン処理した剥離ライナー上に、各実施例及び比較
例で得られた感圧接着剤組成物の溶液を乾燥後の厚さが
30μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層を形成
した。次いで、粘着剤層に、基材として厚さ90μmの
コロナ処理を施したポリエチレンシートをラミネート
し、粘着テープを得た。こうして得た各粘着テープから
15×100mmの試験片を切り取り、上腕部内側に貼
付して、12時間後の皮膚への接着状態を観察し、以下
の基準で評価した。 ○:端末の剥れが全くない、 △:一部端末が剥れている、 ×:明らかな剥れが認められる。
【0034】(2)糊残り(粘着剤の残留) 前記(1)と同様な試験片を作製し、これを上腕部内側
に貼付し、12時間後の剥離時に糊残りが観察されるか
否かを試験し、以下の基準で評価した。 ○:糊残りがない、 △:テープの端部にわずかに糊残りが認められる、 ×:明らかな糊残りが認められる。
【0035】(3)剥離時刺激 前記(1)と同様な試験片を作製し、これを上腕部内側
に貼付し、12時間後の剥離時の刺激を以下の基準で評
価した。 ○:痛みも紅斑も全くない、 △:わずかな痛み及び紅斑が認められる、 ×:痛み及び紅斑が明瞭に認められる。
【0036】(4)透湿度 テープ基材として、透湿度2500(g/m2・24h
r)のウレタンフィルムを用いたこと以外は、前記
(1)と同様に試験片を作製し、JIS Z−0208
に準じて透湿度の測定を行った。測定条件は、B条件
(温度40℃、相対湿度90%)とした。アクリル酸エ
ステル系共重合体の組成と、感圧接着剤組成物の評価結
果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚に対する粘着性が
良好であるとともに、剥離時の痛みや皮膚刺激性が小さ
く、かつ、高い透湿性を有するアクリル系の感圧接着剤
組成物が提供される。また、本発明によれば、このよう
な優れた諸特性を有する感圧接着剤組成物からなる粘着
剤層を形成した粘着テープが提供される。本発明の感圧
接着剤組成物及び粘着テープは、医療用として好適であ
り、皮膚患部の保護や薬物の経皮吸収などに使用され
る。本発明の感圧接着剤は、保存安定性に優れており、
長期間保存しても、ゲル化等の変質を起こすことがな
い。また、架橋剤の選択の幅が広く、低刺激性の架橋剤
を使用することが可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA10 AB01 CA04 CA05 CA06 CB01 CB03 FA09 4J027 AB10 AB28 AC03 AC04 AC06 AJ02 AJ08 BA02 BA07 BA10 CA10 CA25 CB03 CB09 CC02 CD07 CD09 4J040 DF061 EB162 EC122 EF181 EF291 EF301 GA07 GA08 HC16 HC25 JB09 NA02 PA23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)炭素原子数4〜12のアルキル基
    を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜9
    7重量%、(B)式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子または
    メチル基であり、R3は、炭素原子数1〜20のアルキ
    ル基であり、nは、2〜12の数である。)で表される
    (メタ)アクリル酸アルコキシポリアルキレングリコー
    ルエステル2〜49重量%、及び(C)式(2) 【化2】 (式中、R4は、水素原子またはメチル基であり、X
    は、炭素原子数2以上で、ヘテロ原子を含んでいてもよ
    い2価の有機基である。)で表されるカルボキシル基を
    有する(メタ)アクリル酸エステル1〜15重量%を共
    重合して得られるアクリル酸エステル系共重合体、及び
    架橋剤を含有する感圧接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 柔軟な基材の片面に、請求項1記載の感
    圧接着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着テ
    ープ。
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