JP3513652B2 - 粘着シート用基材フィルムとその製造方法 - Google Patents
粘着シート用基材フィルムとその製造方法Info
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Description
フィルムとその製造方法に関し、詳しくは、救急絆創膏
を含む皮膚貼付用粘着シートのための基材フィルムとし
て好適に用いることができる粘着シート用基材フィルム
とそのカレンダー加工による製造方法に関する。
を設けてなる皮膚貼付用粘着シートは、ドレッシング、
巻絆等として用いられているほか、粘着剤層の表面の中
央域にガーゼ等の吸液性パッドを設けることによって、
救急絆創膏として、一般家庭において、広く用いられて
いる。更に、種々の薬剤を含有させた粘着剤からなる層
を基材フィルム上に設けた粘着性皮膚貼付薬シートは、
種々の医療用途に用いられている。
基材フィルムとしては、従来、柔軟で皮膚になじみよい
ほか、印刷性にすぐれる等の点から、所謂軟質塩化ビニ
ル系樹脂からなるフィルムが広く用いられている。この
ような軟質塩化ビニル系樹脂は、安全性の観点から、安
定剤としては、従来、一般的に、脂肪酸カルシウム−脂
肪酸亜鉛系安定剤とエポキシ化大豆油の組合わせが用い
られている。しかしながら、このような塩化ビニル系樹
脂からなる基材フィルムに、例えば、アクリル系粘着剤
を塗布して絆創膏とするとき、基材フィルムの粘着力が
時間の経過と共に低減し、従って、このように、粘着剤
の粘着力が低減した後は、皮膚に貼付しても、その端部
が皮膚から浮いたり、場合によっては、皮膚から剥がれ
るので、救急絆創膏としての機能を果たさないことさえ
ある。
塩化ビニル系樹脂フィルムを基材フィルムとする皮膚貼
付用粘着シートにおけるこのような問題を解決するため
に鋭意研究した結果、従来の塩化ビニル系樹脂フィルム
においては、可塑剤として配合されているエポキシ化大
豆油が経時的に基材フィルムから粘着剤層に移行して、
例えば、アクリル系粘着剤を架橋、硬化させ、かくし
て、粘着剤が初期の粘着力を喪失して、粘着力が経時的
に低減することを見出した。
ポキシ化大豆油に代えて、ポリエステル系可塑剤を用い
ると共に、安定剤として、所定の分子量を有する有機亜
リン酸エステル安定剤と金属石ケンとハイドロタルサイ
トの組合わせを用いることによって、カレンダー加工に
よるフィルムの製造に際しては、熱安定性にすぐれ、特
に、カレンダー加工時の分解や変色もなく、しかも、得
られるフィルムに粘着剤を塗布して、粘着シートとする
とき、この粘着シートは、長期間の経過の後にも、可塑
剤や安定剤、特に、有機亜リン酸エステル安定剤の粘着
剤層への移行がなく、その粘着剤がほぼ初期の粘着力を
保持し、更には、基材フィルムの経時的な変色(特に、
黄変)も殆どなく、当初の色相をほぼ保持することを見
出して、本発明に至ったものである。
製造に際しては、熱安定性にすぐれて、カレンダー加工
時の分解や変色もなく、しかも、得られるフィルムは、
長期間が経過した後も、変色がなく、ほぼ当初の色相を
保持しており、更に、このようにして得られたフィルム
を基材フィルムとして用いて、これに粘着剤を塗布し
て、粘着シートとするとき、長期間が経過した後にも、
その粘着力が大幅には低下せず、ほぼ当初の粘着力を保
持している粘着シートを与える基材フィルム、好ましく
は、救急絆創膏を含む皮膚貼付用粘着シートのための基
材フィルムとその製造方法を提供することを目的とす
る。
用基材フィルムは、塩化ビニル系重合体100重量部に
対して、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポ
リエステル可塑剤40〜70重量部と、分子量800〜
3000の有機亜リン酸エステル安定剤0.1〜10重量
部と、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウ
ムから選ばれる少なくとも1種の金属石ケン0.5〜2.5
重量部とハイドロタルサイト0.1〜1.0重量部とからな
ることを特徴とする。
製造方法は、塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポリエ
ステル可塑剤40〜70重量部と、重量平均分子量80
0〜3000の有機亜リン酸エステル系安定剤0.1〜1
0重量部と、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸
バリウムから選ばれる少なくとも1種の金属石ケン0.5
〜2.5重量部とハイドロタルサイト0.1〜1.0重量部と
からなる樹脂組成物をカレンダー加工にてフィルムにす
ることを特徴とする。
合体としては、塩化ビニルの単独重合体、即ち、ポリ塩
化ビニルのほか、塩化ビニルと種々の共単量体との共重
合体が用いられる。そのような共単量体として、例え
ば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エス
テル、マレイン酸、フマル酸、アクリロニトリル等を挙
げることができ、これら共単量体は単独で、又は2種以
上が組合わせて用いられる。従って、本発明において、
塩化ビニル系重合体としては、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体等が好ましい具体例として挙げられ、特
に、本発明においては、ポリ塩化ビニルが好ましく用い
られる。これら塩化ビニル系重合体の平均重合度は、通
常、500〜1500の範囲が好ましく、特に、700
〜1300の範囲が好ましい。
重合体に可塑剤や安定剤等を配合して、樹脂組成物と
し、これをカレンダー加工して、軟質塩化ビニル系樹脂
からなるフィルムとすることによって、粘着シート用基
材フィルムを得ることができる。
のエポキシ化大豆油に代えて、ポリエステル系可塑剤が
用いられる。ポリエステル系可塑剤とは、例えば、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等のよう
なジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル等のようなグリコールとの縮重合によるポリエステル
からなり、特に、本発明によれば、数平均分子量が15
00〜3000の範囲にあるものが塩化ビニル系重合体
100重量部に対して40〜70重量部の範囲で用いら
れる。
500よりも小さいときは、これを配合した基材フィル
ムから粘着剤層に移行し、経時的に粘着剤の粘着力を低
減させる。しかし、ポリエステル系可塑剤の数平均分子
量が3000よりも大きいときは、塩化ビニル系重合体
との相溶性が悪く、カレンダー加工による基材フィルム
の製造が困難であるのみならず、得られた基材フィルム
において、可塑剤が表面にプレートアウトして、粘着剤
の基材フィルムへの接着力を低減させる。
特に、皮膚貼付用粘着シートのための基材フィルムとし
て、柔軟で皮膚になじみよい適切な弾性率を有するよう
に、塩化ビニル系重合体100重量部に対して、通常、
40〜70重量部の範囲で用いられる。
ムとしての塩化ビニル系樹脂フィルムにおいては、従来
より、安定剤として、金属石ケンが用いられているが、
しかし、金属石ケンのみでは、カレンダー加工によるフ
ィルムの製造に際して、樹脂組成物の熱安定性が不十分
であり、樹脂組成物の変色や分解を生じる。しかし、金
属石ケンを徒に多量に配合しても、ブルームやブリード
が生じて、基材フィルムに対する粘着剤の接着力が低減
することとなる。
有機亜リン酸エステル安定剤と脂肪酸カルシウム、脂肪
酸亜鉛及び脂肪酸バリウムから選ばれる少なくとも1種
の金属石ケンとハイドロタルサイトとが組合わせて用い
られる。
テル安定剤は、通常、その分子量が800〜3000の
範囲にあり、特に、1000〜2000の範囲にあるも
のが好ましく、また、その配合割合は、塩化ビニル系重
合体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部の
範囲であり、好ましくは、0.2〜6重量部の範囲であ
る。
定剤の分子量が800よりも小さいときは、カレンダー
加工によるフィルムの製造に際して、樹脂組成物の変色
を分解を防止することはできるが、経時的に基材フィル
ムから粘着剤層に移行して、基材フィルムの粘着力の低
下させる。
対して、有機亜リン酸エステル安定剤の配合量が0.1重
量部よりも少ないときは、樹脂組成物のカレンダー成形
に際して、熱安定性が不十分であり、他方、10重量部
を超えるときは、ブルームやブリードが生じて、基材フ
ィルムに対する粘着剤の接着力を低減させるおそれがあ
る。
ル安定剤は、その構造において、特に限定されるもので
はないが、好ましくは、一般式(I)
独立にアルキル基又はアリール基を示す。)で表わさ
れ、分子量が800〜3000、好ましくは、1000
〜2000の範囲にある有機亜リン酸エステルや、一般
式(II)
びR9 はそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を示
し、nは0又は1であり、nが0のとき、Aは炭素数1
〜5の2価の脂肪族炭化水素基を示し、nが1のとき、
Aは炭素数1〜5の3価の脂肪族炭化水素基を示す。)
で表わされ、分子量が800〜3000、好ましくは、
1000〜2000の範囲にある有機亜リン酸エステル
が用いられる。
基を示す。)や、また、
メチル基を示し、t−Buはt−ブチル基を示す。)等
を挙げることができる。
用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
ば、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、
リシノール酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール
酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ステ
アリン酸バリウム、リシノール酸バリウム等が好ましく
用いられる。
カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウムから選ばれ
る少なくとも1種の金属石ケンは、通常、塩化ビニル系
重合体100重量部に対して、0.5〜2.5重量部の範囲
で用いられる。金属石ケンの配合量が塩化ビニル系重合
体100重量部に対して0.5重量部よりも少ないとき
は、安定剤として、亜リン酸エステルとハイドロタルサ
イトと組合わせて用いても、樹脂組成物がカレンダー加
工時、熱安定性が不足する場合がある。しかし、金属石
ケンの配合量が塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て2.5重量部よりも多いときは、ブルームやブリードを
生じて、基材フィルムに対する粘着剤の接着力を低減さ
せる場合がある。
せによる相乗効果による安定化効果の高い脂肪酸カルシ
ウム−脂肪酸亜鉛の組合わせからなる安定剤(以下、C
a−Zn系安定剤という。)が好ましく用いられる。
おいて、樹脂組成物に求められる熱安定性を与えるほ
か、使用や保管中のフィルムに酸化や分解に対する抵抗
性をも与えて、フィルムの寿命を長くすることができ
る。しかし、ハイドロタルサイトのみを安定剤として用
いるときは、その配合量の如何にかかわらず、樹脂組成
物のカレンダー加工時の樹脂組成物の熱安定性が著しく
悪く、樹脂が変色や分解を起こすので、樹脂組成物をフ
ィルムに成形することができない。
式 Mg1-x Alx (OH)2(CO3) x/2 ・ m H2O で表わされる不定比の塩基性炭酸マグネシウムアルミニ
ウムであって、通常、xは、0<x≦0.33、mは、0
≦m≦0.5の範囲であり、市販品を入手することができ
る(「石灰と石膏、」第187巻第47〜53頁(19
83年))。
属石ケンと有機亜リン酸エステル安定剤と組合わせて用
いるハイドロタルサイトは、塩化ビニル系重合体100
重量部に対して、0.1〜1.0重量部の範囲で用いられ
る。ハイドロタルサイトの配合量が塩化ビニル系重合体
100重量部に対して0.1重量部よりも少ないときは、
樹脂組成物のカレンダー加工時、熱安定性が不足して、
樹脂組成物の変色が生じる。しかし、ハイドロタルサイ
トの配合量が塩化ビニル系重合体100重量部に対して
1.0重量部よりも多いときは、ハイドロタルサイトに起
因する好ましくない着色を生じる。
材フィルムは、可塑剤としてポリエステル系可塑剤を配
合し、安定剤として金属石ケンと共に有機亜リン酸エス
テル安定剤とハイドロタルサイトを配合してなる塩化ビ
ニル系樹脂組成物からなるものであるので、この樹脂組
成物をカレンダー加工にてフィルムに成形する際、熱安
定性にすぐれており、望ましくない着色等が起こらず、
しかも、得られる基材フィルム上に粘着剤層を設けてな
る粘着シートは、可塑剤や有機亜リン酸エステル安定剤
が粘着剤層に移行しないので、長期間の経過の後にも、
その粘着力が大幅には低下せず、ほぼ当初の値を保持し
ている。
は、必要に応じて、上記安定剤と共に、従来より知られ
ている安定剤を含んでいてもよい。更に、本発明による
粘着シート用基材フィルムは、必要に応じて、塩化ビニ
ル系樹脂に配合することが従来よりよく知られている種
々の添加剤、例えば、着色剤、光安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、改質剤、充填剤、難燃剤、帯電防止剤、
防黴剤、滑剤等を含んでいてもよい。
は、一般の粘着シートのほか、その安全性の高さから、
例えば、救急絆創膏を含む皮膚貼付用粘着シートのため
の基材フィルムとして好適に用いられるが、この用途に
用いるときは、皮膚に貼付したとき、なじみよく、皮膚
によく追随し、違和感がないように、その厚みは、40
〜100μmの範囲であるのが好ましい。
フィルムは、本発明に従って、好ましくは、前述したよ
うに、塩化ビニル系重合体に数平均分子量が1500〜
3000の範囲のポリエステル系可塑剤、脂肪酸カルシ
ウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウムから選ばれる少な
くとも1種の金属石ケンからなる安定剤、有機亜リン酸
エステル安定剤、ハイドロタルサイト、必要に応じて、
上述したような添加剤を配合してなる樹脂組成物をカレ
ンダー加工にてフィルムに成形することによって得るこ
とができる。本発明によれば、可塑剤として、ポリエス
テル系可塑剤を含むと共に、安定剤として、金属石ケン
と有機亜リン酸エステル安定剤とハイドロタルサイトを
含むので、カレンダー加工に際して、樹脂組成物が熱安
定性にすぐれ、望ましくない着色等が起こらない。
ート用基材フィルムを得ることができ、このような基材
フィルム上に粘着剤層を設けることによって、救急絆創
膏を含む皮膚貼付用粘着シートを得ることができる。
るアクリル系粘着剤や天然ゴム系粘着剤のほか、合成ゴ
ム系、シリコーン系、ビニルエーテル系の粘着剤等、皮
膚刺激性が少なく、医療用粘着剤として用いることがで
きるものであれば、特に、限定されることなく、任意の
ものが用いられる。
粘着剤のなかでも、皮膚に対するアレルギー性が少ない
等の皮膚病理学的見地から、アクリル系粘着剤が好まし
く用いられる。
の低い重合体を与える2−エチルヘキシルアクリレー
ト、イソノニルアクリレート等、アルキル基の炭素数が
4〜12であるアルキルアクリレートを主成分単量体と
し、これに必要に応じて、凝集力を与える成分として、
アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)ア
クリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート等)、酢酸ビニル、N−メチ
ル−2−ピロリドン等のビニルエステルや、更に、凝集
力と共に架橋点を与える成分として、(メタ)アクリル
酸やヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例え
ば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエ
ステル等)等の極性単量体を共単量体成分として、これ
らを共重合してなるアクリル系重合体からなるアクリル
系粘着剤が好ましく用いられる。これらの単量体を適宜
の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、
脂肪族カルボン酸エステル等の有機溶剤、例えば、酢酸
エチルやトルエン中で共重合させることによって、有機
溶剤系のアクリル系粘着剤を得ることができる。
に限らず、エマルジョン系、ホットメルト系等、任意の
形態で用いられる。また、これらの粘着剤は、単独で用
いられてもよく、また、2種以上の複数が併用されても
よい。粘着剤層の厚みは、皮膚に対する接着性の点か
ら、通常、20〜80μmの範囲であり、好ましくは、
30〜60μmの範囲である。
もよい。架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシア
ネート−トリメチロールプロパン付加物のような変性ポ
リイソシアネートや、アルミニウムトリス(エチルアセ
トアセテート)のようなキレーターと呼ばれる有機金属
化合物を例示することができる。このような架橋剤を少
量、粘着剤に配合し、基材フィルムに塗工、乾燥させた
後、必要に応じて、加熱することによって、アクリル系
粘着剤を架橋させて、その粘着力を調節することができ
る。
に先立って、その表面をコロナ放電処理したり、既に知
られている種々のプライマーを塗布したりして、基材フ
ィルムと粘着剤との間の濡れ性や投錨効果を高めてもよ
い。
基材フィルム上に粘着剤の溶液を直接、塗布し、乾燥さ
せ、また、基材フィルム上にホットメルト粘着剤を溶融
させ、直接、押出機にて塗布してもよい。しかし、基材
フィルムの不必要な伸びや曲がり(カール)を防止する
ためには、適宜の方法にて剥離紙の片面に予め粘着剤層
を形成し、この粘着剤層の上に基材フィルムを貼り合わ
せて、上記粘着剤層を基材フィルムに転写する所謂転写
法によるのが好ましい。
は、その表面に粘着剤層を設けることによって、ドレッ
シングや巻絆等として用いることができるほか、粘着剤
層の表面の中央域にガーゼ等の布帛やスポンジパッド等
の創傷部を保護するための吸液性パッドを設けることに
よって、救急絆創膏とすることができる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。実施例又は比較例において用いた有機亜リン酸エス
テル安定剤はそれぞれ次のものに相当する。即ち、アデ
カスタブ329Kは前記化合物(4)、アデカスタブ1
500は前記化合物(1)、アデカスタブ522Aは前
記化合物(2)、アデカスタブ135Aはジフェニルイ
ソデシルホスファイト、アデカスタブTPPはトリフェ
ニルホスファイトである。
0)にCa−Zn系安定剤1重量部、平均分子量816
の有機亜リン酸エステル安定剤(旭電化工業(株)製ア
デカスタブ329K)、ハイドロタルサイト(協和化学
工業(株)製アルカマイザーI、前記式において、x=
0.33、m=0.50)3.0重量部、数平均分子量230
0のポリエステル系可塑剤(大日本インキ化学工業
(株)製ポリサイザーW−2310)を配合し、ヘンシ
ェルミキサーにて十分混合して樹脂組成物とし、これを
密閉式混練機で混練し、ストレーナーを通過させた後、
逆L型4本カレンダー装置(ロール表面温度180℃)
を用いて、塩化ビニル樹脂からなる厚み70μmの粘着
シート用基材フィルムを得た。
ン(株)製AR−2045)100重量部に架橋剤とし
て変性ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製コロネートL)0.002重量部(固形分)を配
合して粘着剤を調製した。この粘着剤を上記基材フィル
ムに乾燥厚み35μmに塗布した。
粘着剤層を設けた粘着シートからなる試料について、常
態(23℃)で放置し、又は70℃で15日間放置して
促進劣化させた後、試料を19mm幅でステンレス板に
貼付し、測定前、23℃で24時間放置した後、定速伸
長引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準じ
て、剥離角度180度、引張速度300mm/分で測定
した。試料の経時粘着力は、促進劣化後の剥離力の常態
剥離力に対する維持率によって評価した。結果を表1に
示す。
色)については、上記樹脂組成物をロール温度180℃
の試験用ロールで30分間混練する耐熱試験を行なっ
て、混練物の変色の程度(ΔE)を混練前と比較して、
評価した。結果を表1に示す。ΔEが1.0よりも小さい
とき、樹脂組成物は耐熱性を有し、カレンダー加工性が
あると判定できる。
様にして、基材フィルムを得、これに粘着剤を塗布した
粘着シートの試料について、実施例1と同様にして、常
態剥離力と促進劣化後の剥離力の維持率と熱安定性を評
価した。結果を表1に示す。
0)に可塑剤と安定剤を配合して樹脂組成物とし、実施
例1と同様にして、塩化ビニル樹脂からなる厚み70μ
mの粘着シート用基材フィルムを得、これに粘着剤を塗
布した粘着シートの試料について、実施例1と同様にし
て、常態剥離力と促進劣化後の剥離力の維持率を求め
た。結果を表2に示す。
剤として有機亜リン酸エステル安定剤が配合されておら
ず、樹脂組成物は耐熱性が著しく劣る。比較例2におい
ては、樹脂組成物にポリエステル系可塑剤とエポキシ化
大豆油が可塑剤及び安定剤として併用されているので、
得られるフィルムは、後者に起因して、粘着力の経時低
下が著しい。比較例3及び4においては、樹脂組成物に
有機亜リン酸エステル可塑剤が配合されているものの、
その分子量が小さいために、粘着剤層に移行する結果、
同様に、得られるフィルムは、粘着力の経時低下が著し
い。比較例5においては、樹脂組成物に、安定剤として
ハイドロタルサイトが配合されていないので、カレンダ
ー加工に際して、耐熱性が劣るのみならず、得られるフ
ィルムは、粘着力の経時低下が著しい。比較例5におい
ては、樹脂組成物にポリエステル系可塑剤が配合されて
いるが、しかし、その数平均分子量が低いので、得られ
るフィルムは、粘着力の経時低下が著しい。
おいては、粘着力の経時低下が少なく、更に、樹脂組成
物のカレンダー加工の際も、熱安定性がすぐれており、
望ましくない着色等が起こらない。
用基材フィルムは、可塑剤としてポリエステル系可塑剤
を配合し、安定剤として金属石ケンと共に有機亜リン酸
エステル安定剤とハイドロタルサイトを配合してなる軟
質塩化ビニル系樹脂からなるものであるので、これに粘
着剤層を設けてなる粘着シートは、長期間の経過の後に
も、その粘着力が大幅には低下せず、ほぼ当初の値を保
持している。また、樹脂組成物をカレンダー加工にてフ
ィルムに成形する際にも、熱安定性にすぐれているの
で、望ましくない着色等が起こらない。
Claims (8)
- 【請求項1】塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポリエ
ステル系可塑剤40〜70重量部と、分子量800〜3
000の有機亜リン酸エステル安定剤3.0〜10重量部
と、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウム
から選ばれる少なくとも1種の金属石ケン0.5〜2.5重
量部とハイドロタルサイト0.1〜1.0重量部とからなる
ことを特徴とする粘着シート用基材フィルム。 - 【請求項2】塩化ビニル系重合体がポリ塩化ビニルであ
る請求項1に記載の粘着シート用基材フィルム。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の基材フィルムから
なる皮膚貼付用粘着シートのための基材フィルム。 - 【請求項4】請求項1又は2に記載の基材フィルムから
なる救急絆創膏用基材フィルム。 - 【請求項5】塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポリエ
ステル系可塑剤40〜70重量部と、重量平均分子量8
00〜3000の有機亜リン酸エステル系安定剤3.0〜
10重量部と、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪
酸バリウムから選ばれる少なくとも1種の金属石ケン0.
5〜2.5重量部とハイドロタルサイト0.1〜1.0重量部
とからなる樹脂組成物をカレンダー加工にてフィルムに
することを特徴とする粘着シート用基材フィルムの製造
方法。 - 【請求項6】塩化ビニル系重合体がポリ塩化ビニルであ
る請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】粘着シート用基材フィルムが皮膚貼付用粘
着シートのための基材フィルムである請求項5又は6に
記載の方法。 - 【請求項8】粘着シート用基材フィルムが救急絆創膏用
基材フィルムである請求項5又は6に記載の方法。
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