JP3090649B2 - 粘着シート用基材フィルムとその製造方法 - Google Patents

粘着シート用基材フィルムとその製造方法

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JP3090649B2
JP3090649B2 JP10277334A JP27733498A JP3090649B2 JP 3090649 B2 JP3090649 B2 JP 3090649B2 JP 10277334 A JP10277334 A JP 10277334A JP 27733498 A JP27733498 A JP 27733498A JP 3090649 B2 JP3090649 B2 JP 3090649B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着シート用基材
フィルムとその製造方法に関し、詳しくは、救急絆創膏
を含む皮膚貼付用粘着シートのための基材フィルムとし
て好適に用いることができる粘着シート用基材フィルム
とそのカレンダー加工による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、柔軟な基材フィルム上に粘着剤層
を設けてなる皮膚貼付用粘着シートは、ドレッシング、
巻絆等として用いられているほか、粘着剤層の表面の中
央域にガーゼ等の吸液性パッドを設けることによって、
救急絆創膏として、一般家庭において、広く用いられて
いる。更に、種々の薬剤を含有させた粘着剤からなる層
を基材フィルム上に設けた粘着性皮膚貼付薬シートは、
種々の医療用途に用いられている。
【0003】このような皮膚貼付用粘着シートのための
基材フィルムとしては、従来、柔軟で皮膚になじみよい
ほか、印刷性にすぐれる等の点から、所謂軟質塩化ビニ
ル系樹脂からなるフィルムが広く用いられている。この
ような軟質塩化ビニル系樹脂は、安全性の観点から、安
定剤としては、従来、一般的に、脂肪酸カルシウム−脂
肪酸亜鉛系安定剤とエポキシ化大豆油の組合わせが用い
られている。しかしながら、このような塩化ビニル系樹
脂からなる基材フィルムに、例えば、アクリル系粘着剤
を塗布して絆創膏とするとき、基材フィルムの粘着力が
時間の経過と共に低減し、従って、このように、粘着剤
の粘着力が低減した後は、皮膚に貼付しても、その端部
が皮膚から浮いたり、場合によっては、皮膚から剥がれ
るので、救急絆創膏としての機能を果たさないことさえ
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
塩化ビニル系樹脂フィルムを基材フィルムとする皮膚貼
付用粘着シートにおけるこのような問題を解決するため
に鋭意研究した結果、従来の塩化ビニル系樹脂フィルム
においては、可塑剤として配合されているエポキシ化大
豆油が経時的に基材フィルムから粘着剤層に移行して、
例えば、アクリル系粘着剤を架橋、硬化させ、かくし
て、粘着剤が初期の粘着力を喪失して、粘着力が経時的
に低減することを見出した。
【0005】そこで、本発明者らは、可塑剤として、エ
ポキシ化大豆油に代えて、ポリエステル系可塑剤を用い
ると共に、安定剤として、金属石ケンとハイドロタルサ
イトの組合わせを用いることによって、カレンダー加工
によるフィルムの製造に際しては、熱安定性にすぐれ、
しかも、得られるフィルムに粘着剤を塗布して、粘着シ
ートとするとき、この粘着シートは、長期間の経過の後
にも、可塑剤の粘着剤層への移行がなく、その粘着剤が
ほぼ初期の粘着力を保持することを見出して、本発明に
至ったものである。
【0006】従って、本発明は、カレンダー加工による
製造に際しては、熱安定性にすぐれ、しかも、得られた
フィルムを基材フィルムとして用いて、これに粘着剤を
塗布して、粘着シートとするとき、長期間が経過した後
にも、その粘着剤の粘着力が大幅には低下せず、ほぼ当
初の粘着力を保持している粘着シートを与える基材フィ
ルム、好ましくは、救急絆創膏を含む皮膚貼付用粘着シ
ートのための基材フィルムとその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による粘着シート
用基材フィルムは、塩化ビニル系重合体100重量部に
対して、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポ
リエステル系可塑剤40〜70重量部と、脂肪酸カルシ
ウム−脂肪酸亜鉛の組合わせからなる安定剤0.5〜2.5
重量部と、ハイドロタルサイト0.1〜1.0重量部とから
なることを特徴とする。
【0008】本発明による粘着シート用基材フィルムの
製造方法は、塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポリエ
ステル系可塑剤40〜70重量部と、脂肪酸カルシウム
−脂肪酸亜鉛の組合わせからなる安定剤0.5〜2.5重量
と、ハイドロタルサイト0.1〜1.0重量部とからなる
樹脂組成物をカレンダー加工にてフィルムにすることを
特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、塩化ビニル系重
合体としては、塩化ビニルの単独重合体、即ち、ポリ塩
化ビニルのほか、塩化ビニルと種々の共単量体との共重
合体が用いられる。そのような共単量体として、例え
ば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エス
テル、マレイン酸、フマル酸、アクリロニトリル等を挙
げることができ、これら共単量体は単独で、又は2種以
上が組合わせて用いられる。従って、本発明において、
塩化ビニル系重合体としては、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体等が好ましい具体例として挙げられ、特
に、本発明においては、ポリ塩化ビニルが好ましく用い
られる。これら塩化ビニル系重合体の平均重合度は、通
常、500〜1500の範囲が好ましく、特に、700
〜1300の範囲が好ましい。
【0010】本発明によれば、このような塩化ビニル系
重合体に可塑剤や安定剤等を配合して、樹脂組成物と
し、これをカレンダー加工して、軟質塩化ビニル系樹脂
からなるフィルムとすることによって、粘着シート用基
材フィルムを得ることができる。
【0011】本発明によれば、上記可塑剤として、従来
のエポキシ化大豆油に代えて、ポリエステル系可塑剤が
用いられる。ポリエステル系可塑剤とは、例えば、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等のよう
なジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル等のようなグリコールとの縮重合によるポリエステル
からなり、特に、本発明によれば、数平均分子量が15
00〜3000の範囲にあるものが塩化ビニル系重合体
100重量部に対して40〜70重量部の範囲で用いら
れる。
【0012】ポリエステル系可塑剤の数平均分子量が1
500よりも小さいときは、これを配合した基材フィル
ムから粘着剤層に移行し、経時的に粘着剤の粘着力を低
減させる。しかし、ポリエステル系可塑剤の数平均分子
量が3000よりも大きいときは、塩化ビニル系重合体
との相溶性が悪く、カレンダー加工による基材フィルム
の製造が困難であるのみならず、得られた基材フィルム
において、可塑剤が表面にプレートアウトして、粘着剤
の基材フィルムへの接着力を低減させる。
【0013】また、ポリエステル系可塑剤の配合量は、
特に、皮膚貼付用粘着シートのための基材フィルムとし
て、柔軟で皮膚になじみよい適切な弾性率を有するよう
に、塩化ビニル系重合体100重量部に対して、通常、
40〜70重量部の範囲で用いられる。
【0014】皮膚貼付用粘着シートのための基材フィル
ムとしての塩化ビニル系樹脂フィルムにおいては、従来
より、安定剤として、金属石ケンが用いられているが、
しかし、金属石ケンのみでは、カレンダー加工によるフ
ィルムの製造に際して、樹脂組成物の熱安定性が不十分
であり、樹脂組成物の変色や分解を生じる。しかし、金
属石ケンを徒に多量に配合しても、ブルームやブリード
が生じて、基材フィルムに対する粘着剤の接着力が低減
することとなる。
【0015】そこで、本発明によれば、安定剤として
属石ケンとハイドロタルサイトとが組合わせて用いら
れる。上記属石ケンのなかでは、特に、組合わせによ
る相乗効果による安定化効果の高い脂肪酸カルシウム−
脂肪酸亜鉛の組合わせからなる安定剤(以下、Ca−Z
n系安定剤という。)が好ましく用いられる。
【0016】ハイドロタルサイトは、カレンダー加工に
おいて、樹脂組成物に求められる熱安定性を与えるほ
か、使用や保管中のフィルムに酸化や分解に対する抵抗
性をも与えて、フィルムの寿命を長くすることができ
る。しかし、ハイドロタルサイトのみを安定剤として用
いるときは、その配合量の如何にかかわらず、樹脂組成
物のカレンダー加工時の樹脂組成物の熱安定性が著しく
悪く、樹脂が変色や分解を起こすので、樹脂組成物をフ
ィルムに成形することができない。
【0017】上記金属石ケンとしては、例えば、ラウリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール
酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ス
テアリン酸亜鉛等が好ましく用いられる。
【0018】ハイドロタルサイトは、一般に、次の組成
式 Mg1-x Alx (OH)2(CO3) x/2 ・ m H2O で表わされる不定比の塩基性炭酸マグネシウムアルミニ
ウムであって、通常、xは、0<x≦0.33、mは、0
≦m≦0.5の範囲であり、市販品を入手することができ
る(「石灰と石膏、」第187巻第47〜53頁(19
83年))。
【0019】本発明において、Ca−Zn系安定剤は、
特に、限定されるものではないが、好ましくは、塩化ビ
ニル系重合体100重量部に対して、0.5〜2.5重量部
の範囲で用いられる。Ca−Zn系安定剤の配合量が塩
化ビニル系重合体100重量部に対して0.5重量部より
も少ないときは、安定剤として、ハイドロタルサイトと
組合わせて用いても、樹脂組成物がカレンダー加工時、
熱安定性が不足する場合がある。しかし、Ca−Zn系
安定剤の配合量が塩化ビニル系重合体100重量部に対
して2.5重量部よりも多いときは、ブルームやブリード
を生じて、基材フィルムに対する粘着剤の接着力を低減
させる場合がある。
【0020】本発明においては、安定剤として、上記金
属石ケンと組合わせて用いるハイドロタルサイトは、塩
化ビニル系重合体100重量部に対して、0.1〜1.0重
量部の範囲で用いられる。ハイドロタルサイトの配合量
が塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.1重量部
よりも少ないときは、樹脂組成物のカレンダー加工時、
熱安定性が不足して、樹脂組成物の変色が生じる。しか
し、ハイドロタルサイトの配合量が塩化ビニル系重合体
100重量部に対して1.0重量部よりも多いときは、ハ
イドロタルサイトに起因する好ましくない着色を生じ
る。
【0021】このように、本発明による粘着シート用基
材フィルムは、可塑剤としてポリエステル系可塑剤を配
合し、安定剤として金属石ケンと共にハイドロタルサイ
トを配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物からなるもの
であるので、この樹脂組成物をカレンダー加工にてフィ
ルムに成形する際、熱安定性にすぐれており、望ましく
ない着色等が起こらず、しかも、得られる基材フィルム
上に粘着剤層を設けてなる粘着シートは、可塑剤が粘着
剤層に移行していので、長期間の経過の後にも、その粘
着力が大幅には低下せず、ほぼ当初の値を保持してい
る。
【0022】本発明による粘着シート用基材フィルム
は、必要に応じて、上記安定剤と共に、従来より知られ
ている安定剤を含んでいてもよい。更に、本発明による
粘着シート用基材フィルムは、必要に応じて、塩化ビニ
ル系樹脂に配合することが従来よりよく知られている種
々の添加剤、例えば、着色剤、光安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、改質剤、充填剤、難燃剤、帯電防止剤、
防黴剤、滑剤等を含んでいてもよい。
【0023】本発明による粘着シート用基材フィルム
は、一般の粘着シートのほか、その安全性の高さから、
例えば、救急絆創膏を含む皮膚貼付用粘着シートのため
の基材フィルムとして好適に用いられるが、この用途に
用いるときは、皮膚に貼付したとき、なじみよく、皮膚
によく追随し、違和感がないように、その厚みは、40
〜100μm の範囲であるのが好ましい。
【0024】本発明によるこのような粘着シート用基材
フィルムは、本発明に従って、好ましくは、前述したよ
うに、塩化ビニル系重合体に数平均分子量が1500〜
3000の範囲のポリエステル系可塑剤、脂肪酸カルシ
ウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウムから選ばれる少な
くとも1種の金属石ケンからなる安定剤、ハイドロタル
サイト、必要に応じて、上述したような添加剤を配合し
てなる樹脂組成物をカレンダー加工にてフィルムに成形
することによって得ることができる。本発明によれば、
可塑剤として、ポリエステル系可塑剤を含むと共に、安
定剤として、金属石ケンとハイドロタルサイトを含むの
で、カレンダー加工に際して、樹脂組成物が熱安定性に
すぐれ、望ましくない着色等が起こらない。
【0025】本発明によれば、このようにして、粘着シ
ート用基材フィルムを得ることができ、このような基材
フィルム上に粘着剤層を設けることによって、救急絆創
膏を含む皮膚貼付用粘着シートを得ることができる。
【0026】上記粘着剤としては、従来より知られてい
るアクリル系粘着剤や天然ゴム系粘着剤のほか、合成ゴ
ム系、シリコーン系、ビニルエーテル系の粘着剤等、皮
膚刺激性が少なく、医療用粘着剤として用いることがで
きるものであれば、特に、限定されることなく、任意の
ものが用いられる。
【0027】しかしながら、本発明においては、種々の
粘着剤のなかでも、皮膚に対するアレルギー性が少ない
等の皮膚病理学的見地から、アクリル系粘着剤が好まし
く用いられる。
【0028】なかでも、本発明によれば、ガラス転移点
の低い重合体を与える2−エチルヘキシルアクリレー
ト、イソノニルアクリレート等、アルキル基の炭素数が
4〜12であるアルキルアクリレートを主成分単量体と
し、これに必要に応じて、凝集力を与える成分として、
アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)ア
クリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート等)、酢酸ビニル、N−メチ
ル−2−ピロリドン等のビニルエステルや、更に、凝集
力と共に架橋点を与える成分として、(メタ)アクリル
酸やヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例え
ば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエ
ステル等)等の極性単量体を共単量体成分として、これ
らを共重合してなるアクリル系重合体からなるアクリル
系粘着剤が好ましく用いられる。これらの単量体を適宜
の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、
脂肪族カルボン酸エステル等の有機溶剤、例えば、酢酸
エチルやトルエン中で共重合させることによって、有機
溶剤系のアクリル系粘着剤を得ることができる。
【0029】しかしながら、粘着剤は、上記有機溶剤系
に限らず、エマルジョン系、ホットメルト系等、任意の
形態で用いられる。また、これらの粘着剤は、単独で用
いられてもよく、また、2種以上の複数が併用されても
よい。粘着剤層の厚みは、皮膚に対する接着性の点か
ら、通常、20〜80μmの範囲であり、好ましくは、
30〜60μmの範囲である。
【0030】必要に応じて、粘着剤に架橋剤を配合して
もよい。架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシア
ネート−トリメチロールプロパン付加物のような変性ポ
リイソシアネートや、アルミニウムトリス(エチルアセ
トアセテート)のようなキレーターと呼ばれる有機金属
化合物を例示することができる。このような架橋剤を少
量、粘着剤に配合し、基材フィルムに塗工、乾燥させた
後、必要に応じて、加熱することによって、アクリル系
粘着剤を架橋させて、その粘着力を調節することができ
る。
【0031】更に、基材フィルム上に粘着剤を塗布する
に先立って、その表面をコロナ放電処理したり、既に知
られている種々のプライマーを塗布したりして、基材フ
ィルムと粘着剤との間の濡れ性や投錨効果を高めてもよ
い。
【0032】基材フィルム上に粘着剤を塗布するには、
基材フィルム上に粘着剤の溶液を直接、塗布し、乾燥さ
せ、また、基材フィルム上にホットメルト粘着剤を溶融
させ、直接、押出機にて塗布してもよい。しかし、基材
フィルムの不必要な伸びや曲がり(カール)を防止する
ためには、適宜の方法にて剥離紙の片面に予め粘着剤層
を形成し、この粘着剤層の上に基材フィルムを貼り合わ
せて、上記粘着剤層を基材フィルムに転写する所謂転写
法によるのが好ましい。
【0033】本発明による粘着シート用基材フィルム
は、その表面に粘着剤層を設けることによって、ドレッ
シングや巻絆等として用いることができるほか、粘着剤
層の表面の中央域にガーゼ等の布帛やスポンジパッド等
の創傷部を保護するための吸液性パッドを設けることに
よって、救急絆創膏とすることができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0035】実施例1 表1に示すように、ポリ塩化ビニル(平均重合度130
0)にCa−Zn系安定剤、ハイドロタルサイト(協和
化学工業(株)製アルカマイザーI、前記式において、
x=0.33、m=0.50)、種々の数平均分子量を有す
るポリエステル系可塑剤(大日本インキ化学工業(株)
製ポリサイザーW)を配合し、ヘンシェルミキサーにて
十分混合し、密閉式混練機で混練し、ストレーナーを通
過させた後、逆L型4本カレンダー装置(ロール表面温
度180℃)を用いて、塩化ビニル樹脂からなる厚み7
0μmの粘着シート用基材フィルムを得た。
【0036】別に、市販のアクリル系粘着剤(リキダイ
ン(株)製AR−2045)100重量部に架橋剤とし
て変性ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製コロネートL)0.02重量部(固形分)を配合
して粘着剤を調製した。この粘着剤を上記基材フィルム
に乾燥厚み35μmに塗布した。
【0037】このようにして、基材フィルムの表面上に
粘着剤層を設けた粘着シートからなる試料について、常
態(23℃)で放置し、又は70℃で15日間放置して
促進劣化させた後、試料を19mm幅でステンレス板に
貼付し、測定前、23℃で24時間放置した後、定速伸
長引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準じ
て、剥離角度180度、引張速度300mm/分で測定
した。試料の経時粘着力は、促進劣化後の剥離力の常態
剥離力に対する維持率によって評価した。結果を表1に
示す。
【0038】実施例2及び3 表1に示す樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同
様にして、基材フィルムを得、これに粘着剤を塗布した
粘着シートの試料について、実施例1と同様にして、常
態剥離力と促進劣化後の剥離力の維持率を求めた。結果
を表1に示す。
【0039】実施例4 表1に示すように、ハイドロタルサイトの配合量を変え
た以外は、実施例1と同様にして、基材フィルムを得、
これに粘着剤を塗布した粘着シートの試料について、実
施例1と同様にして、常態剥離力と促進劣化後の剥離力
の維持率を求めた。結果を表1に示す。
【0040】比較例1 表1に示すように、数平均分子量1000のポリエステ
ル系可塑剤を用いて、樹脂組成物を調製した以外は、実
施例1と同様にして、基材フィルムを得、これに粘着剤
を塗布した粘着シートの試料について、実施例1と同様
にして、常態剥離力と促進劣化後の剥離力の維持率を求
めた。結果を表1に示す。
【0041】比較例2 表1に示すように、可塑剤として、ポリエステル系可塑
剤に代えて、フタル酸ジオクチルを用いて、樹脂組成物
を調製した以外は、実施例1と同様にして、基材フィル
ムを得、これに粘着剤を塗布した粘着シートの試料につ
いて、実施例1と同様にして、常態剥離力と促進劣化後
の剥離力の維持率を求めた。結果を表1に示す。
【0042】比較例3 表1に示すように、安定剤として、Ca−Zn系安定剤
のみを配合し、ハイドロタルサイトを用いなかった以外
は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製し、基材
フィルムを得、これに粘着剤を塗布した粘着シートの試
料について、実施例1と同様にして、常態剥離力と促進
劣化後の剥離力の維持率を求めた。結果を表1に示す。
【0043】比較例4 表1に示すように、可塑剤として数平均分子量2300
のポリエステル系可塑剤を用いると共に、安定化剤とし
て、Ca−Zn系安定剤とエポキシ化大豆油(大日本イ
ンキ化学工業(株)製W−100EL)の組合わせを用
いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製
し、基材フィルムを得、これに粘着剤を塗布した粘着シ
ートの試料について、実施例1と同様にして、常態剥離
力と促進劣化後の剥離力の維持率を求めた。結果を表1
に示す。
【0044】
【表1】
【0045】参考例1 2−エチルヘキシルアクリレート100重量部と酢酸ビ
ニル40重量部とアクリル酸5重量部とを酢酸エチル中
で共重合させて、固形分濃度35重量%のアクリル系粘
着剤Aの溶液を得た。
【0046】参考例2 イソノニルアクリレート65重量部と酢酸ビニル35重
量部を酢酸エチル中で共重合させて、固形分濃度35重
量%のアクリル系粘着剤Bの溶液を得た。
【0047】参考例3 天然ゴム100重量部、スチレン−ブタジエン共重合体
100重量部、テルペン樹脂170重量部、低数平均分
子量ポリイソプレン(数平均分子量30000)100
重量部及び安定剤としてのビスフェノール3重量部をト
ルエン中で均一に混合して、固形分濃度25重量%のゴ
ム系粘着剤Cの溶液を得た。
【0048】実施例5 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300)100重量部に
Ca−Zn系安定剤1.0重量部、ハイドロタルサイト
(協和化学工業(株)製アルカマイザーI)0.7重量
部、数平均分子量2300のポリエステル系可塑剤(大
日本インキ化学工業(株)製ポリサイザーW−231
0)を配合した後、ヘンシェルミキサーにて十分混合し
た後、密閉式混練機で混練し、ストレーナーを通過さ
せ、逆L型4本カレンダー装置(ロール表面温度180
℃)を用いて、厚み70μmの塩化ビニル樹脂からなる
基材フィルムを得た。
【0049】別に、片面をシリコーン樹脂で剥離処理し
て得た剥離紙上に上記参考例1で調製した粘着剤Aの溶
液を乾燥厚み約40μmとなるように塗布し、乾燥させ
て、粘着剤層を形成した。次に、この粘着剤層の上に上
記基材フィルムを重ね、粘着剤層を基材フィルムに転写
して、粘着シートを得た。
【0050】このようにして得た粘着シートから19m
m幅、150mm長さの試料を調製し、これをフェノー
ル樹脂板に貼付した後、粘着シートの粘着力の初期値
と、50℃又は70℃の恒温器中に30日間放置した後
の粘着力とを測定した。粘着力は、温度23±2℃、相
対湿度65±15%の条件下に、定速伸長引張試験機を
用いて、JIS Z 0237に準じて、300mm/
分の引張強さ速度にて180度ピーリング試験を行なっ
た。結果を表2に示す。
【0051】実施例6及び7 前記参考例2及び3で調製した粘着剤B及びCからなる
層をそれぞれ実施例5で調製した基材フィルムに厚み約
40μmとなるように形成して、粘着シートを得、これ
らについて、実施例5と同様にして、その粘着力を測定
した。結果を表2に示す。
【0052】比較例5 比較例4で調製した基材フィルム上に、実施例5と同様
にして、粘着剤層を形成して、粘着シートを得、これに
ついて、実施例5と同様にして、粘着力を測定した。結
果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】実施例8 表3に示すように、ポリ塩化ビニル(平均重合度130
0)にCa−Zn系安定剤、ハイドロタルサイト(協和
化学工業(株)製アルカマイザーI)、数平均分子量2
300のポリエステル系可塑剤を配合し、ヘンシェルミ
キサーにて十分混合しし、樹脂組成物を調製した。この
樹脂組成物について、表面温度180℃のロールを用い
て、15分間、混練する耐熱試験を行なって、変色(Δ
E)の程度を調べた。結果を表3に示す。ΔEが1.0よ
りも小さいとき、樹脂組成物はカレンダー加工性がある
と判定できる。更に、上記樹脂組成物について、プラス
トミル(190℃×60rpm)を用いて、カレンダー
加工性を調べた。分解時間が15分以上であるとき、樹
脂組成物はカレンダー加工性があると判定できる。
【0055】比較例6〜8 表3に示す樹脂組成物を調製した以外は、実施例8と同
様にして、樹脂組成物を調製し、カレンダー加工性を調
べた。結果を表3に示す。比較例6及び7の樹脂組成物
は、カレンダー加工性をもたない。比較例8の樹脂組成
物は、カレンダー加工にてフィルムを得ることができる
が、ハイドロタルサイトに代えて、エポキシ化大豆油を
含むので、得られた基材フィルムに粘着剤を塗布した粘
着シートは、その粘着力が経時的に低下する。
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明による粘着シート
用基材フィルムは、可塑剤としてポリエステル系可塑剤
を配合し、安定剤として金属石ケンと共にハイドロタル
サイトを配合してなる軟質塩化ビニル系樹脂からなるも
のであるので、これに粘着剤層を設けてなる粘着シート
は、長期間の経過の後にも、その粘着力が大幅には低下
せず、ほぼ当初の値を保持している。また、樹脂組成物
をカレンダー加工にてフィルムに成形する際にも、熱安
定性にすぐれているので、望ましくない着色等が起こら
ない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // A61L 15/58 B32B 27/30 101 B32B 27/30 101 A61L 15/06 (56)参考文献 特開 平10−14973(JP,A) 特開 平9−309993(JP,A) 特開 平10−36784(JP,A) 特開 平5−1195(JP,A) 特開 平7−188490(JP,A) 特開 平7−238197(JP,A) 特開 昭59−197483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/06 C08J 5/18 C08K 3/26 C08K 5/098 C08L 67/00 - 67/08 A61L 15/06 B32B 27/30 101

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均重合度500〜1500の範囲の塩化
    ビニル系重合体100重量部に対して、数平均分子量が
    1500〜3000の範囲のポリエステル系可塑剤40
    〜70重量部と、脂肪酸カルシウム−脂肪酸亜鉛の組合
    わせからなる安定剤0.5〜2.5重量部と、ハイドロタル
    サイト0.1〜1.0重量部とからなり(エポキシ化大豆油
    を含まない。)、カレンダー加工にてフィルムとしたこ
    とを特徴とする皮膚貼付用粘着シートのための厚み40
    〜100μmの基材フィルム。
  2. 【請求項2】塩化ビニル系重合体がポリ塩化ビニルであ
    る請求項1に記載の基材フィルム。
  3. 【請求項3】塩化ビニル系重合体が平均重合度1300
    のポリ塩化ビニルである請求項1に記載の基材フィル
    ム。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の基材フ
    ィルムからなる救急絆創膏用基材フィルム。
  5. 【請求項5】平均重合度500〜1500の範囲の塩化
    ビニル系重合体100重量部に対して、数平均分子量が
    1500〜3000の範囲のポリエステル系可塑剤40
    〜70重量部と、脂肪酸カルシウム−脂肪酸亜鉛の組合
    わせからなる安定剤0.5〜2.5重量部と、ハイドロタル
    サイト0.1〜1.0重量部とからなる樹脂組成物(エポキ
    シ化大豆油を含まない。)をカレンダー加工にてフィル
    ムにすることを特徴とする皮膚貼付用粘着シートのため
    厚み40〜100μmの基材フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】塩化ビニル系重合体がポリ塩化ビニルであ
    請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】塩化ビニル系重合体が平均重合度1300
    のポリ塩化ビニルである請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】基材フィルムが救急絆創膏用基材フィルム
    である請求項5に記載の方法。
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