JP4205197B2 - 医療用貼付材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医療衛生分野で外用用途に使用される医療用貼付材に関するものであり、詳しくは救急絆創膏や大型絆創膏、ドレッシング材、ドレープ材などに好適に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
医療用貼付材は通常、基材フィルムの片面に感圧性接着剤層を設けてなるものであり、該接着剤層を介して適用すべき皮膚面に貼着使用される。
【0003】
このような医療用貼付材における感圧性接着剤層は、一般に皮膚面に対して強固に接着固定する必要があるので、剥離時に皮膚刺激性が生じる可能性があり、また、長時間の貼付では皮膚に痒みを生じ、時には炎症を起こすこともある。
【0004】
さらに、皮膚面は不規則かつ複雑な表面形状を有しているので、該接着剤層は適用する皮膚面に完全に密着(接着)することができず、特に、長期間にわたる医療用貼付材の貼付においては接着剤層の内部凝集力と皮膚接着力との微妙なバランスが要求されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、特定の組成からなる感圧性接着剤層に電離性放射線を照射して、接着剤層中のゲル分率を一定値以上に調整することで優れた皮膚接着性と内部凝集性を有する医療用貼付材が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は基材フィルムの片面に感圧性接着剤層を設けてなる貼付材であって前記接着剤層はアクリル酸アルキルエステル単量体50〜75重量%、アルコキシ基含有エチレン性不飽和単量体25〜50重量%からなり、ゲル分率が5重量%以下である共重合体を主体とし、電離性放射線照射後の前記接着剤層のゲル分率が35重量%以上であることを特徴とする医療用貼付材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の医療用貼付材は、図1に示すように、基材フィルム1の片面に感圧性接着剤層2を設けたものである。
【0008】
本発明における基材フィルムとしては、ポリエーテルウレタンやポリエステルウレタンなどのウレタン系ポリマー、ポリエーテルポリアミドブロックポリマーなどのアミド系ポリマー、ポリアクリレートなどのアクリル系ポリマー、ポリエチレンやポリプロピレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系ポリマー、ポリエーテルポリエステルなどのポリエステル系ポリマーなどの材料から得ることができる。また、これらの基材フィルムは皮膚面への貼付時にムレや白化などを生じないようにするために、水蒸気透過性を有する材質から選択することが好ましく、例えばウレタン系やアミド系のフィルムを用いることが好適である。なお、基材フィルムは上記材料のうちの何れか一種からなるものであってもよいし、任意の材料からなるフィルムを複数枚積層した積層フィルムであってもよい。
【0009】
上記基材フィルムは皮膚面に貼付した際に、違和感を生じないようにするために、その厚みを10〜100μm、好ましくは20〜40μm程度にすることがよい。また、皮膚面に貼付した際の皮膚追従性を良好にするためには、引張強度を100〜900kg/cm2 、100%モジュラスを10〜100kg/cm2 程度に調整することが好ましい。この範囲に調整した基材フィルムを用いると、関節部位のような動きの大きい皮膚面に貼付した際に効果的である。
【0010】
上記基材フィルムは無孔フィルムだけでなく、水蒸気透過性であって非透水性である多孔性フィルムを用いることも、貼付中のムレの防止の点から効果的である。このようなフィルムの場合には、材質には特に制限はされず、公知の多孔化技術を施すことによって簡単に得ることができる。無孔性フィルムの場合にはフィルム厚が大きくなるほど水蒸気透過性は低下する傾向が顕著に現れるが、多孔性フィルムの場合には厚みに比例して水蒸気透過性の低下が顕著に現れないので有用である。
【0011】
本発明の医療用貼付材は救急絆創膏や大型絆創膏、ドレッシング材、ドレープ材などに好適に用いることができるが、その用途に応じて、例えば厚みが比較的大きいとされる絆創膏(厚みは通常、100μm程度)には多孔性フィルムを用いることが好適である。多孔性フィルムに好適な基材フィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂からなる多孔質プラスチックフィルムが好適であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの樹脂を用いることができる。特に、線状低密度ポリエチレン樹脂を使用することが、生産性や加工性の点から好ましいものである。線状低密度ポリエチレン樹脂とは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンとしては、ブテンやヘキセン、オクテンなどが挙げられる。
【0012】
一方、本発明における感圧性接着剤層は、アクリル酸アルキルエステル単量体40〜80重量%、アルコキシ基含有エチレン性不飽和単量体20〜60重量%からなる共重合体を主体とし、電離性放射線照射後の前記接着剤層のゲル分率が35重量%以上であることを特徴とするものである。
【0013】
アクリル酸アルキルエステル単量体は、感圧性接着剤層に粘着性、皮膚接着性を付与する成分であり、特にアルキル基の炭素数が6以上、特に6〜18の長鎖アルキルエステルを用いると効果的である。また、アクリル酸アルキルエステル単量体は、皮膚に対する刺激性が比較的少なく、長期間の使用によっても粘着性の低下が起こりにくいという利点を有するものである。
【0014】
このようなアクリル酸アルキルエステルの具体例としては、アクリル酸のブチルエステル、プロピルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、ドデシルエステル、ラウリルエステルなどを一種もしくは二種以上併用して用いることができる。なお、これらのアルキルエステル鎖は直鎖であっても、分岐鎖であってもよいことはいうまでもない。
【0015】
上記アクリル酸アルキルエステルは、後述する不飽和単量体と共重合することによって粘着性ポリマーを形成するが、本発明においては40〜80重量%、好ましくは50〜75重量%の範囲で共重合することが望ましい。アクリル酸アルキルエステルの共重合量が40重量%に満たない場合には、得られた粘着性ポリマーに充分な皮膚接着性が付与されず、また、80重量%を超える量の共重合量では凝集力の低下が見られ、皮膚面からの剥離除去時に糊残り現象を生じることがある。
【0016】
上記アクリル酸アルキルエステルと共重合するアルコキシ基含有エチレン性不飽和単量体は、得られる共重合体に水蒸気透過性を付与する成分である。従って、共重合体中20〜60重量%、好ましくは25〜50重量%の範囲で共重合することが望ましい。このような不飽和単量体としては、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、ブトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキエチルアクリレートなどの炭素数が1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシアルキルアクリレートを用いることが好ましい。
【0017】
また、本発明では上記アルコキシ基含有不飽和単量体と共にカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を共重合することが好ましい。該カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を共重合することによって、得られる共重合体の凝集力が向上するので、感圧性接着剤を調製する上では重要な単量体となる。しかしながら、該単量体は多量に共重合すると凝集力の向上は期待できるが、皮膚刺激性が次第に強くなる。従って、本発明では該単量体を共重合する場合、1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%程度の共重合率とすることが望ましい。このような単量体の代表例としては、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、(無水)マレイン酸などが挙げられる。これらのうち、共重合性や取扱性などの点で好ましい単量体としては、アクリル酸が挙げられる。
【0018】
なお、本発明の感圧性接着剤中に含有させる共重合体としては、上記各単量体の共重合体を用いることができるが、親水性の付与などの各種改質を行うための改質用単量体として、スチレンや酢酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドンなどの単量体を必要に応じて適宜共重合してもよいものである。
【0019】
本発明の医療用貼付材における上記共重合体は、ガラス転移温度が250°K以下とすることが好ましい。つまり、ガラス転移温度を250°K以下にすることによって、貼付材として重要な皮膚接着力を充分に発現するようになるのである。
【0020】
また、共重合体の重量平均分子量を100万以下、好ましくは50万〜90万程度に調整することが望ましい。つまり、本発明の医療用貼付材は最終的にγ線などの電離性放射線を照射して内部架橋反応を起こさせるので、照射前の重量平均分子量が大きすぎると、感圧性接着剤層の照射後の内部凝集力が高まり過ぎて皮膚接着力不足に陥る恐れがある。従って、本発明では電離性放射線照射後の凝集力の上昇を見込んで、照射前の凝集力は低めに設定しておくことが好ましく、その指標が重量平均分子量100万以下なのである。
【0021】
さらに、このような共重合体を主体とし、必要に応じて可塑剤や軟化剤、充填剤、粘着付与剤などの各種添加剤を配合してなる感圧性接着剤は、前記基材フィルムの片面に層状に形成され、感圧性接着剤層となる。このときの感圧性接着剤層はゲル分率、即ち溶剤不溶分の含有率は5重量%以下、好ましくは略0重量%である。本発明の医療用貼付材では、このようにして得られた医療用貼付材にγ線や電子線、X線などの電離性放射線を照射して、そのゲル分率を35重量%以上、好ましくは40〜70重量%に調整する。
【0022】
照射線量としては20〜50kGy、好ましくは25〜35kGyとする。本発明においては電離性放射線を照射することによって、感圧性接着剤層に架橋処理を施すと共に、所謂滅菌処理を施すのである。ゲル分率が35重量%に満たない場合には、凝集力不足となって数日間の貼付で糊残り現象を発現する場合があり、医療用貼付材として用いたときに充分な効果を発揮しないのである。なお、本発明におけるゲル分率は、乾燥したサンプルを酢酸エチル中に常温で10日間浸漬し、平均孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン膜(日東電工社製、NTF膜)にて不溶分を濾別、乾燥して浸漬前の乾燥サンプル重量との比率で算出した。
【0023】
上記感圧性接着剤層の厚みは、10〜60μm程度とすることが好ましい。厚みが10μmに満たない場合には、皮膚に貼付する際に充分な皮膚接着性を発揮できない場合があり、また、60μmを超えた厚みでは、貼付材全体として充分な水蒸気透過性を得ることができず、長期間の貼付で皮膚刺激性を発現する場合がある。
【0024】
本発明の医療用貼付材は上記のような構成からなり、水蒸気透過性を有することが好ましいが、貼付材全体としての透湿度は少なくとも300g/m2 ・24hr・40℃・30%R.H.、好ましくは300〜2000g/m2 ・24hr・40℃・30%R.H.の範囲に設定する。人の皮膚面に貼付材を貼付した場合、個人差や貼付部位によっても異なるが、最低限300g/m2 ・24hr・40℃・30%R.H.の透湿度を有するようにしないと、発汗量が多い部位などに貼付した場合には、充分な透湿性を発揮できずムレの原因となってしまう。
【0025】
本発明の医療用貼付材は上記構成からなるものであるが、通常、感圧性接着剤層の露出表面には、表面にシリコーン処理などの剥離処理を施した剥離シートを仮着しておくことが一般的である。
【0026】
以上のようにして得られる本発明の医療用貼付材は、図2に示すように腕や他の患部に感圧性接着剤層を貼着することによって使用することができ、貼付部位の伸縮動作に追従して貼付材も伸縮し、皮膚面からの汗は水蒸気3となって体外に発散するのである。
【0027】
【発明の効果】
本発明の医療用貼付材は以上のような構成からなるので、皮膚に対して刺激性が少なく、特に長期間の貼付に対して有用である。また、感圧性接着剤層のゲル分率を電離性放射線の照射前と照射後で一定範囲に調整しているので、端末剥がれや糊残りがなく、優れた皮膚接着性と共に凝集性を有するものであり、カテーテルなどの医療器具の固定に対しても優れた固定能を発揮するものでるある。
【0028】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、以下の文中で「部」とあるのは「重量部」を意味し、「%」とあるのは「重量%」を意味する。
【0029】
実施例1
イソノニルアクリレート62部、2−メトキシエチルアクリレート35部、アクリル酸3部からなる単量体混合物を、トルエン80部に均一に溶解混合し、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加して共重合反応を行った。55〜65℃で約10時間重合を行ったのち、78℃に昇温してさらに2時間重合(熟成)を行った。得られた共重合体のガラス転移温度は207°Kであり、ゲル分率は0%、重量平均分子量は488000であった。
【0030】
次に、この共重合体のトルエン溶液を片面にシリコーン処理を施した剥離シートの処理面に、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、105℃で5分間乾燥して感圧性接着剤層を形成した。
【0031】
次いで、得られた感圧性接着剤層の表面に、片面にコロナ放電処理を施したポリエーテルポリアミドブロックポリマー製のシート(厚み30μm、東レ株式会社製、商品名PEBAX3533)の処理面を貼付圧着して、医療用貼付材を作成した。
【0032】
この医療用貼付材に35kGyのγ線を照射して、本発明の医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は47.8%であった。
【0033】
実施例2
2−エチルヘキシルアクリレート70部、2−エトキシエチルアクリレート25部、アクリル酸5部からなる単量体混合物を、トルエン45部に均一に溶解混合した以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤層を形成した。なお、得られた共重合体のガラス転移温度は212°K、ゲル分率は0%、重量平均分子量は643000であった。
【0034】
次に、得られた感圧性接着剤層の表面に、片面にコロナ放電処理を施したポリエーテルポリエステル製のシート(厚み30μm、日本合成化学株式会社製、商品名フレクロンMタイプ)の処理面を貼付圧着して、医療用貼付材を作成した。
【0035】
次いで、この医療用貼付材に25kGyのγ線を照射して、本発明の医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は51.6%であった。
【0036】
実施例3
イソノニルアクリレート65部、2−メトキシエチルアクリレート35部からなる単量体混合物を、トルエン70部に均一に溶解混合した以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤層を形成した。なお、得られた共重合体のゲル分率は0.1%、重量平均分子量は768000であった。
【0037】
次に、得られた感圧性接着剤層の表面に、片面にコロナ放電処理を施したポリエーテルポリアミドブロックポリマー製のシート(前記と同じ)の処理面を貼付圧着して、医療用貼付材を作成した。
【0038】
次いで、この医療用貼付材に25kGyのγ線を照射して、本発明の医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は41.4%であった。
【0039】
実施例4
イソノニルアクリレート65部、2−メトキシエチルアクリレート30部、アクリル酸5部からなる単量体混合物を、トルエン40部に均一に溶解混合した以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤層を形成した。なお、得られた共重合体のゲル分率は0.1%、重量平均分子量は815000であった。
【0040】
次に、得られた感圧性接着剤層の表面に、片面にコロナ放電処理を施したポリエーテルポリアミドブロックポリマー製のシート(前記と同じ)の処理面を貼付圧着して、医療用貼付材を作成した。
【0041】
次いで、この医療用貼付材に28kGyのγ線を照射して、本発明の医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は62.6%であった。
【0042】
実施例5
イソノニルアクリレート62部、2−メトキシエチルアクリレート35部、アクリル酸3部からなる単量体混合物を、トルエン25部に均一に溶解混合した以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤層を形成した。なお、得られた共重合体のガラス転移温度は207°Kであり、ゲル分率は0%、重量平均分子量は873000であった。
【0043】
次に、得られた感圧性接着剤層の表面に、片面にコロナ放電処理を施したポリエーテルポリアミドブロックポリマー製のシート(前記と同じ)の処理面を貼付圧着して、医療用貼付材を作成した。
【0044】
次いで、この医療用貼付材に25kGyのγ線を照射して、本発明の医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は60.8%であった。
【0045】
実施例6
2−エチルヘキシルアクリレート70部、2−エトキシエチルアクリレート25部、アクリル酸5部からなる単量体混合物を、トルエン25部に均一に溶解混合した以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤層を形成した。なお、得られた共重合体のガラス転移温度は212°Kであり、ゲル分率は0%、重量平均分子量は967000であった。
【0046】
次に、得られた感圧性接着剤層の表面に、片面にコロナ放電処理を施したポリエーテルポリアミドブロックポリマー製のシート(前記と同じ)の処理面を貼付圧着して、医療用貼付材を作成した。
【0047】
次いで、この医療用貼付材に29kGyのγ線を照射して、本発明の医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は68.1%であった。
【0048】
実施例7
イソノニルアクリレート62部、2−メトキシエチルアクリレート35部、アクリル酸3部からなる単量体混合物を、トルエン25部に均一に溶解混合し、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.3部を添加した以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤層を形成した。なお、得られた共重合体のガラス転移温度は207°Kであり、ゲル分率は0%、重量平均分子量は1240000であった。
【0049】
次に、得られた感圧性接着剤層の表面に、片面にコロナ放電処理を施したポリエーテルポリアミドブロックポリマー製のシート(前記と同じ)の処理面を貼付圧着して、医療用貼付材を作成した。
【0050】
次いで、この医療用貼付材に29kGyのγ線を照射して、本発明の医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は72.2%であった。
【0051】
実施例8
2−エチルヘキシルアクリレート70部、2−エトキシエチルアクリレート25部、アクリル酸5部からなる単量体混合物を、酢酸エチル25部に均一に溶解混合した以外は、実施例1と同様にして感圧性接着剤層を形成した。なお、得られた共重合体のガラス転移温度は212°Kであり、ゲル分率は0%、重量平均分子量は1530000であった。
【0052】
次に、得られた感圧性接着剤層の表面に、片面にコロナ放電処理を施したポリエーテルポリアミドブロックポリマー製のシート(前記と同じ)の処理面を貼付圧着して、医療用貼付材を作成した。
【0053】
次いで、この医療用貼付材に29kGyのγ線を照射して、本発明の医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は75.4%であった。
【0054】
比較例1
実施例3においてトルエンの量を150部とした以外は、実施例3と同様にして医療用貼付材を作成した。共重合体のゲル分率は0%であり、重量平均分子量は286000であった。
【0055】
次いで、この医療用貼付材に29kGyのγ線を照射して、医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は21.7%と低かった。
【0056】
比較例2
実施例2においてトルエンの量を100部とした以外は、実施例2と同様にして医療用貼付材を作成した。共重合体のガラス転移温度は212°Kであり、ゲル分率は0.3%、重量平均分子量は487000であった。
【0057】
次いで、この医療用貼付材に25kGyのγ線を照射して、医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は25.1%と低かった。
【0058】
比較例3
実施例5においてトルエンの量を80部とした以外は、実施例2と同様にして医療用貼付材を作成した。共重合体のガラス転移温度は207°Kであり、ゲル分率は0%、重量平均分子量は488000であった。
【0059】
次いで、この医療用貼付材に25kGyのγ線を照射して、医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は34%とやや低かった。
【0060】
比較例4
実施例4において重合開始剤をアゾビスイソブチロニトリルから過酸化ベンゾイル0.3部に変更し、重合溶媒をトルエンから酢酸エチル25部に変更した以外は、実施例4と同様にして医療用貼付材を作成した。共重合体のゲル分率は46.9%、重量平均分子量は1480000であり、γ線照射前でのゲル分率は大きかった。
【0061】
次いで、この医療用貼付材に29kGyのγ線を照射して、医療用貼付材を得た。この医療用貼付材における感圧性接着剤層のゲル分率は84.6%と非常に大きいものであった。
【0062】
比較例5
実施例4に得られたγ線照射前の医療用貼付材を作成した。
【0063】
上記実施例1〜8および比較例1〜4にて得られたγ線照射後の医療用貼付材、並びに比較例5にて得られたγ線未照射の医療用貼付材について、以下の試験を行い、その結果を表1に示した。
【0064】
<ゲル分率>
所定量の乾燥後のポリマーを酢酸エチル中にて常温で10日間抽出し、その残渣(不溶分)をポリテトラフルオロエチレン膜(平均孔径0.2μm、日東電工社製、NTF膜)にて濾別、乾燥して重量法にて求めた。ゲル分率は以下の式にて算出した。
【0065】
【数1】
Figure 0004205197
【0066】
<端末はがれ>
各医療用貼付材を20mm×50mmの大きさに裁断して試験片とした。男子被験者の胸部をアルコール消毒液で消毒、風乾し、しわや伸びが生じないように注意を払いながら試験片を貼付した。貼付試験中は入浴も可能であるが、タオル等で貼付部位を擦らないように注意した。
【0067】
貼付後7日目に試験片の貼着状態(端末剥がれ状態)を目視にて観察し、以下の評価基準にて判定した。
【0068】
〇:端末剥がれが、試験片の面積の20%未満である。
△:端末剥がれが、試験片の面積の20%以上、60%未満である。
×:端末剥がれが、試験片の面積の60%以上である。
【0069】
<糊残り>
上記端末剥がれ試験を行ったのち、各試験片を剥離し、皮膚面への糊残り状態を目視にて観察し、以下の判定基準にて判定した。
【0070】
〇:糊残りが、試験片の面積の10%未満である。
△:糊残りが、試験片の面積の10%以上、50%未満である。
×:糊残りが、試験片の面積の50%以上である。
【0071】
<重量平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、重量平均分子量を測定した。測定サンプルはテトラヒドロフランにて溶解し、0.45μmφのメンブレンフィルタを通過する可溶分について行い、ポリスチレン換算にて算出した。
【0072】
【表1】
Figure 0004205197

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の医療用貼付材の実例を示す断面図である。
【図2】 本発明の医療用貼付材の使用状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム
2 感圧性接着剤層

Claims (4)

  1. 基材フィルムの片面に感圧性接着剤層を設けてなる貼付材であって前記接着剤層はアクリル酸アルキルエステル単量体50〜75重量%、アルコキシ基含有エチレン性不飽和単量体25〜50重量%からなり、ゲル分率が5重量%以下である共重合体を主体とし、電離性放射線照射後の前記接着剤層のゲル分率が35重量%以上であることを特徴とする医療用貼付材。
  2. 共重合体がアクリル酸アルキルエステル単量体40〜80重量%、アルコキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜50重量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体1〜10重量%からなる共重合体である請求項1に記載の医療用貼付材。
  3. 共重合体の重量平均分子量が100万以下である請求項1または2に記載の医療用貼付材。
  4. 電離性放射線を照射してなる請求項1または2に記載の医療用貼付材。
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