JP2000044904A - アクリル系粘着テープおよび経皮吸収製剤 - Google Patents

アクリル系粘着テープおよび経皮吸収製剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚接着性や粘着剤層中への薬物の溶解性を
充分に満足すると共に、皮膚に対して低刺激性のアクリ
ル系粘着テープおよび経皮吸収製剤を提供する。 【解決手段】 カルボキシル基やヒドロキシル基を有す
る単量体と、(メタ)アクリル酸エステルを必須成分と
する共重合体(A成分)と、側鎖に塩構造を有さない窒
素原子を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステル
とを必須成分とする共重合体(B成分)と、これらに相
溶する有機液状成分(C成分)を含有し、外部架橋剤に
よって架橋した粘着剤層が、支持体の片面に形成され
る。B成分に用いる単量体としてはN−ビニル−2−ピ
ロリドンや(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル
が用いられ、C成分としては脂肪酸エステルやグリセリ
ン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。粘着剤層中
に経皮吸収用薬物を含有させることによって、経皮吸収
製剤とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル系粘着テー
プおよびこれを用いた経皮吸収製剤に関し、詳しくは皮
膚表面に対して優れた接着性を発揮できる架橋された粘
着剤層を有するアクリル系粘着テープ、およびその粘着
剤層に経皮吸収用薬物を含有して、この薬物を生体内に
経皮投与させることによって、各種疾患の予防や治療を
行うことができる経皮吸収製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薬物を皮膚面を通して生体内へ投
与するための経皮吸収製剤としてハップ剤やテープ状の
経皮吸収製剤などの皮膚面貼付型の外用剤が種々開発さ
れており、これらの中で、特に、全身性の薬理作用を発
揮する薬物を含有したテープ状の経皮吸収製剤が注目さ
れている。
【0003】このような実情の中で、ニトログリセリン
やイソソルビドジニトレートなどの狭心症予防薬、各種
ステロイド薬、非ステロイド薬、麻酔薬、抗高血圧薬な
どを経皮吸収用薬物として粘着剤中に含有させたテープ
状の経皮吸収製剤が提案、開発され、一部は上市に至っ
ている。これらの経皮吸収製剤はアクリル系や合成ゴム
系の粘着剤に各種経皮吸収用薬物を混合したものであっ
て、皮膚面に貼付するだけで薬物が皮膚面を通して持続
的に体内に吸収されるものであり、優れた薬理作用を発
揮するものである。
【0004】しかしながら、これらの製剤は皮膚面に貼
付する製剤であるために、長期間にわたる貼付では貼付
部位の皮膚面に刺激などに起因するカブレなどの皮膚損
傷を発生する可能性を有する製剤でもある。つまり、一
般的な経皮吸収製剤は適用皮膚面に製剤を確実に固定さ
せる目的で、通常、比較的強接着力を有する粘着剤を使
用していたり、強接着力を有する粘着シートで製剤全体
をオーバーコートし、このシートの接着力によって皮膚
固定を行っている。
【0005】ところが、このようにして皮膚面への接着
性(密着性)を高めた場合、含有する薬物の皮膚移行性
は全般的に向上するが、剥離除去する際に適用皮膚面の
角質細胞に損傷を与えてしまい、特に、貼り替えながら
の長期間連続貼付において顕著な皮膚刺激を生じる恐れ
がある。
【0006】このように貼付型の経皮吸収製剤は、皮膚
面に貼付して使用するものであるので、皮膚接着性(密
着性)と皮膚低刺激性とのバランスを維持し、しかも含
有する薬物の皮膚移行性や経皮吸収性を良好にする必要
があり、これらの点を全て満足する経皮吸収製剤を開発
することは今後の究極の課題でもある。
【0007】そこで、この強接着に起因する皮膚刺激を
低減する目的で、特開平3−220120号公報や特開
平5−65223号公報、特開平5−65224号公
報、特開平5−65460号公報に記載のような所謂、
ゲル状の経皮吸収製剤が提案されている。この製剤はア
クリル系粘着剤層中に、相溶性の高い油性の液体成分を
比較的多量に含有させて粘着剤層にソフト感を付与した
ものであって、皮膚面に対する接着性と経皮吸収用薬物
の溶解性を高めながら、皮膚面への貼付中は柔軟な粘着
剤層によって皮膚刺激性が低減でき、使用後の剥離除去
時には角質損傷を起こさずにスムースに剥離できるとい
う画期的な経皮吸収製剤である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平3−220120号公報などの製剤は従来の経皮吸
収製剤にない優れた効果を発揮するものであって、皮膚
接着性や粘着剤層中への薬物の溶解性をある程度改善す
ることはできるが、これらの両特性を充分に満足するに
は未だ改良の余地がある。
【0009】さらに、特表平10−504552号公報
や、特開平10−94595号公報には、酸性のポリマ
ーと塩基性のポリマーとを混合したポリマー混合物に液
状成分を配合した技術が提案されている。この技術は酸
性ポリマーと塩基性ポリマーとの相互作用によって内部
凝集力を付与するものであって、粘着剤層を架橋しない
ものである。しかしながら、架橋剤を用いずに疑似架橋
的に内部凝集力を維持する場合には、添加できる液状成
分の量には限界があり、通常は20重量%程度の液状成
分しか含有させることができない。また、この程度の量
では角質剥離などの皮膚損傷を充分に防止できないこと
もある。さらに、酸性ポリマーと塩基性ポリマーとは特
性が大きく異なるので、配合量が多くなると相溶性が不
充分になることもあり、その結果、薬物溶解性の低下を
起こすこともある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記従来技術の課題を解決するべく更に検討を重ねた結
果、相溶性に優れる特定の組成からなる共重合体を混合
し、これに液状成分を配合すると共に、全体を架橋処理
して粘着剤層を形成することによって、上記課題が解決
できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明のアクリル系粘着テープは、
支持体の片面に粘着剤層が形成されており、該粘着剤層
は下記(A)〜(C)成分を含有すると共に、(A)成
分と(B)成分の含有比率が1:0.5〜1:1.5で
あり、外部架橋剤によって架橋されてなることを特徴と
するものである。 (A)カルボキシル基もしくはヒドロキシル基を含有す
る単量体と、(メタ)アクリル酸エステルを必須成分と
して共重合してなる共重合体。 (B)側鎖に塩構造を有さない窒素原子を有する単量体
と、(メタ)アクリル酸エステルとを必須成分として共
重合してなる共重合体。 (C)上記(A)成分および(B)成分と相溶する有機
液状成分。
【0012】さらに、本発明の経皮吸収製剤は、上記ア
クリル系粘着テープにおける粘着剤層中に、経皮吸収用
薬物を含有させてなることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いる支持体としては、
粘着剤層に含有される共重合体や有機液状成分、経皮吸
収用薬物などが支持体中を通って背面から失われて含有
量の低下を起こさないものが好ましい。具体的にはポリ
エステル、ナイロン、サラン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、サーリン、金
属箔などの単独フィルムまたはこれらの積層フィルムな
どを用いることができる。これらのうち支持体と後述す
る粘着剤層との間の接着力(投錨力)を良好とするため
に、支持体を上記材質からなる無孔のプラスチックフィ
ルムと多孔質フィルムとの積層フィルムとすることが好
ましい。この場合、粘着剤層は多孔質フィルム側に形成
するようにすることが好ましい。
【0014】このような多孔質フィルムとしては、粘着
剤層との投錨力が向上するものが採用されるが、具体的
には紙、織布、不織布、機械的に穿孔処理を施したシー
トなどが挙げられ、これらのうち取り扱い性などの点か
らは、特に紙、織布、不織布が好ましい。多孔質フィル
ムは投錨力向上、粘着テープや経皮吸収製剤全体の柔軟
性および貼付操作性などの点から10〜200μm、プ
ラスタータイプや粘着テープタイプのような薄手の製剤
の場合には10〜100μmの範囲のものを採用する。
【0015】また、多孔質フィルムとして織布や不織布
を用いる場合、目付け量を5〜30g/m2 、好ましく
は6〜15g/m2 とすることがよい。本発明において
最も好適な支持体としては、1.5〜6μm厚のポリエ
ステルフィルムと、目付量6〜12g/m2 のポリエス
テル製不織布との積層フィルムである。
【0016】本発明のアクリル系粘着テープおよび経皮
吸収製剤において上記支持体の片面に形成される粘着剤
層は、複数種の特定のアクリル系共重合体(A成分およ
びB成分)と、有機液状成分(C成分)、および経皮吸
収製剤の場合には経皮吸収用薬物を必須成分として含
み、外部架橋剤によって架橋して適度な弾性を有する架
橋構造体であり、所謂ゲル状の形態を有するものであっ
て、適度な皮膚接着力と凝集力を備えたものである。本
発明の粘着剤層が有する接着力は、例えば後述する測定
方法においてベークライト板への接着力が40〜200
g/24mm幅の値を示す。
【0017】上記本発明における粘着剤層のベースポリ
マーとしてのA成分共重合体およびB成分共重合体は、
後述する脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルな
どの有機液状成分と相溶するものであって、適度な皮膚
接着性と粘着剤層の保型性を有するものである。なお、
一般的に粘着剤として用いられている天然ゴムや合成ゴ
ムなどのゴム系粘着剤やシリコーン系の粘着剤では、脂
肪酸エステルやモノグリセリドとの相溶性が充分ではな
かったり、経皮吸収用薬物の溶解性や放出性が著しく低
かったりするので、本発明にて用いることは好ましくな
い。また、このような粘着剤は本発明に用いるアクリル
系共重合体と比べて架橋反応に関与する官能基量などの
調整が難しく、また、再現性のある架橋処理を行いがた
いという問題も有するので本発明に適したものとは云え
ないのである。
【0018】まず、上記A成分としての共重合体は、カ
ルボキシル基もしくはヒドロキシル基を含有する単量体
と(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として共重合
することによって得ることができる。A成分の共重合体
は粘着剤層に主に、粘着性や添加される有機液状成分と
の相溶性を向上させる成分として用いられる。
【0019】上記カルボキシル基もしくはヒドロキシル
基を含有する単量体としては、具体的には(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸や、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなどを用い
ることができる。これらの単量体は一種もしくは二種以
上共重合することができるが、粘着特性としての接着性
や凝集性、粘着剤層中に含有する経皮吸収用薬物の放出
性、粘着剤層を架橋処理する際の反応性などの点から、
A成分の共重合体中、2〜20重量%、好ましくは3〜
10重量%の範囲となるように任意に設定することがで
きる。
【0020】さらに、上記A成分共重合体における(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、粘着性の付与などの
点から、炭素数が4以上のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、
具体的にはアルキル基がブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ド
デシル、トリデシルなどの炭素数4〜13の直鎖アルキ
ル基や分岐アルキル基などを有する(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを用いることができ、これらは一種も
しくは二種以上用いることができる。
【0021】なお、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルは上記例示のものに限定されるものではなく、本
発明の効果を発揮するのであれば、アルキル基以外のエ
ステル化物や、炭素数1〜3のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルや炭素数14以上のア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を併用してもよいことは云うまでもない。
【0022】次に、粘着剤層中に含有させるB成分とし
ての共重合体は、側鎖に塩構造を有さない窒素原子を有
する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとを必須成
分として共重合することによって得ることができる。B
成分の共重合体は粘着剤層に主に、薬物の溶解性や添加
される有機液状成分の相溶性を向上させ、場合によって
は粘着剤層に多少の凝集力の付与を行う成分として用い
られる。
【0023】側鎖の塩構造を有さない窒素原子を有する
単量体としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ピロリ
ドン基、ピリジン基、イミダゾール基などを側鎖に有す
るアクリル系単量体もしくはビニル系単量体が好まし
く、具体的にはアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリメチル
アンモニウムエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブ
チル(メタ)アクリレートなどの炭素数が1〜4のアル
キル基を有するモノまたはジアルキルアミノ(メタ)ア
クリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルピリ
ジン、ビニルイミダゾールなどが挙げられる。これらの
単量体は一種もしくは二種以上共重合することができる
が、A成分の共重合体との相溶性や粘着特性の維持など
の点から、B成分の共重合体中、10〜80重量%、好
ましくは15〜65重量%の範囲となるように任意に設
定することができる。
【0024】なお、上記A成分およびB成分の共重合体
には、本発明における各成分の特性を変化させない範囲
で必要に応じて他の共重合性単量体を任意の量で共重合
することもできる。
【0025】このような共重合性単量体としては、例え
ばカルボキシル基((メタ)アクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸など)や、ヒドロキシル基
((メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなど)、ス
ルホキシル基(例えばスチレンスルホン酸、アリルスル
ホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリ
ルアミドメチルプロパンスルホン酸など)、アミノ基
(例えば(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、
(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエス
テルなど)、アミド基(例えば(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアク
リルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドな
ど)、アルコキシル基(例えば(メタ)アクリル酸メト
キシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリ
コールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレ
ングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポ
リエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メ
トキシポリプロピレングリコールエステル、(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなど)などの
官能基を側鎖に有する単量体が挙げられる。
【0026】これら以外に共重合できる単量体として
は、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プ
ロビオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチ
ルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリド
ン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラ
ジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカ
プロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン
なども用いることもできる。
【0027】上記A成分およびB成分の共重合体のう
ち、最も好ましく用いることができるものとしては、A
成分としてアクリル酸−2−エチルヘキシルエステルと
アクリル酸との共重合体、B成分としてアクリル酸−2
−エチルヘキシルエステルとN−ビニル−2−ピロリド
ンとの共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシルエス
テルとN−ビニル−2−ピロリドンとアクリル酸との共
重合体、オイドラギッドE100(商品名、ローム社
製、メタクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アミ
ノアルキルエステルとの共重合体)などを用いることが
できる。なお、オイドラギッドRS(商品名、ローム社
製)類は、塩構造体のために本発明においては充分な効
果を発揮しないので用いることができないものである。
【0028】また、本発明における上記A成分とB成分
の含有比率は、1:0.5〜1:1.5であり、さらに
は1:0.7〜1:1.3とすることが望ましい。A成
分の量が多すぎると薬物の溶解性の向上がしだいに期待
できなくなる傾向を示し、B成分の量が多すぎると皮膚
接着特性の向上がしだいに期待できなくなる傾向を示
す。
【0029】本発明において上記A成分およびB成分と
共に粘着剤層中に含有させるC成分としての有機液状成
分は、各成分と相溶性を有し、粘着剤層中に均一に溶解
分散できるものであり、架橋された粘着剤層を可塑化さ
せゲル状にして、ソフト感を付与するために重要な成分
である。つまり、本発明ではこのC成分を含有させ、架
橋ゲル化させることによって、本発明のアクリル系粘着
テープや経皮吸収製剤を皮膚面から剥離するときに、粘
着力(皮膚接着力)に起因する痛みや皮膚刺激性を低減
できるのである。さらに、粘着剤層が上記のように可塑
化されるので、経皮吸収製剤として経皮吸収用薬物を含
有する場合、薬物のの自由拡散性が良好となるので、皮
膚面上への放出性(皮膚移行性)も向上するようにな
る。
【0030】このようなC成分としては、粘着剤層に対
して可塑化作用を有するものであればよいが、経皮吸収
製剤とした場合に含有する経皮吸収用薬物の経皮吸収性
を向上させるための吸収促進作用を有するものを用いて
もよい。
【0031】このようなC成分としては、具体的にはエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール
類、オリーブ油、ヒマシ油、スクワレン、ラノリンなど
の油脂類、酢酸エチル、エチルアルコール、ジメチルデ
シルスルホキシド、メチルオクチルスルホキシド、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ドデシルピロリドン、イソソルビトールな
どの有機溶媒、液状界面活性剤、ジイソプロピルアジペ
ート、フタル酸エステル、ジエチルセバケート、クエン
酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどの可塑
剤、流動パラフィンなどの炭化水素類、エトキシ化ステ
アリルアルコール、グリセリン脂肪酸エステル、ミリス
チン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソトリデシル、ラ
ウリル酸エチル、N−メチルピロリドン、オレイン酸エ
チル、オレイン酸、アジピン酸ジイソプロピル、パルミ
チン酸イソプロピル、1,3−ブタンジオールなどが挙
げられ、これらのうち一種以上を配合して用いることが
できる。
【0032】上記C成分の有機液状成分のうち、好まし
い有機液状成分としては、脂肪酸エステルやグリセリン
脂肪酸エステル(特には、モノグリセリド)が挙げられ
る。しかしながら、これらの脂肪酸エステルやグリセリ
ン脂肪酸エステルは、粘着剤層を可塑化する作用を発揮
するものであればよいが、必要以上に炭素数の多い脂肪
酸や少ない脂肪酸からなるものでは前記アクリル系共重
合体との相溶性が悪くなったり、製剤を調製する際の加
熱工程で揮散したりするおそれがある。また、分子内に
二重結合を有する脂肪酸からなるものでは酸化分解など
を生じて保存安定性に問題を生じることがある。さら
に、本発明の経皮吸収製剤の場合は、単位面積あたりの
経皮吸収用薬物の含有量が多いと製剤中で飽和溶解度以
上の薬物が結晶するが、添加する脂肪酸エステルやグリ
セリン脂肪酸エステルの種類によっては薬物の結晶析出
を阻害したり、析出速度を遅くしたりすることがあり、
得られる製剤の外観に不良を生じたり、保存安定性に悪
影響を及ぼすことがある。
【0033】よって、用いる脂肪酸エステルとしては、
好ましくは炭素数が12〜16、さらに好ましくは12
〜14の高級脂肪酸と炭素数が1〜4の低級1価アルコ
ールからなる脂肪酸エステルが採用される。このような
高級脂肪酸としては、好ましくはラウリン酸(C1
2)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C1
6)であり、特にミリスチン酸を用いることがよい。ま
た、低級1価アルコールとしては、メチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ールが挙げられ、これらは直鎖アルコールに限定されず
分岐アルコールであってもよい。好ましくはイソプロピ
ルアルコールが用いられる。従って、最も好ましい脂肪
酸エステルは、ミリスチン酸イソプロピルである。
【0034】一方、グリセリン脂肪酸エステルとしては
炭素数が8〜10の高級脂肪酸とグリセリンからなるグ
リセリドが好ましい。このような高級脂肪酸としては、
好ましくはカプリル酸(オクタン酸、C8)、ペラルゴ
ン酸(ノナン酸、C9)、カプリン酸(デカン酸、C1
0)であり、特にカプリル酸を用いたカプリル酸モノグ
リセリドやジグリセリドやトリグリセリドである。
【0035】これらC成分の含有量は、上記A成分とB
成分との合計量1に対して、重量比で0.5〜1.5、
好ましくは0.8〜1.5である。C成分の含有量がこ
の範囲を外れた場合には、実用的な皮膚接着性や低皮膚
刺激性を得ることができず、また、経皮吸収用薬物の放
出性(皮膚移行性)の点でも充分ではない。このような
問題点は経皮吸収製剤としての製品の大きさ(面積)が
小さいほど顕著に現れる。
【0036】本発明のアクリル系粘着テープにおける粘
着剤層は、上記A成分、B成分およびC成分を必須成分
として含有するものであるが、これらの各成分を溶解、
混合させる場合には、相溶させる必要があるので、イソ
プロピルアルコールやテトラヒドロフラン、アセトンな
どの水にも油にも相溶する両親媒性の溶剤と、共重合体
を溶解する酢酸エチルなどの疎水性溶剤を混合した溶媒
にて混合する。混合割合は1:1程度とすることが好ま
しい。
【0037】本発明では以上のように配合を行ったの
ち、外部架橋剤にて架橋処理を施して、所謂ゲル状態と
し、含有する有機液状成分の流出を防止し、さらに凝集
力を粘着剤層に付与する。具体的にはポリイソシアネー
ト化合物や有機過酸化物、有機金属塩、金属アルコラー
ト、金属キレート化合物、多官能性化合物などの架橋剤
を用いた化学的架橋処理などが用いられる。これらの架
橋手剤のうち、架橋反応性や取り扱い性の点から、三官
能性イソシアネートやアルミニウムキレート化合物が好
適である。これらの架橋剤は、塗工、乾燥するまでは溶
液の増粘現象を起こさず、極めて作業性に優れたもので
ある。この場合の架橋剤の配合量はA成分とB成分の共
重合体100重量部に対して0.01〜2重量部程度で
ある。
【0038】本発明の経皮吸収製剤において粘着剤層に
含有する経皮吸収用薬物は、その治療目的の応じて任意
に選択することができ、例えばコルチコステロイド類、
鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降
圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタ
ミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホ
ルモン剤、抗鬱剤、、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍
剤、生体医薬などの種類の薬物であって、皮膚面上に滞
留するもではなく、皮下もしくは血中にまで浸透して局
所作用もしくは全身作用を発揮する経皮吸収可能な薬物
が使用できる。これらの薬物は必要に応じて二種以上併
用することもできる。また、上記粘着剤層への均一な分
散性や経皮吸収性の点から、これらの薬物のうち脂溶性
薬物(溶解量0.4g以下/水100ml・常温)が特
に好適な薬物として挙げられる。
【0039】これらの経皮吸収用薬物の含有量は、薬物
種や投与目的に応じて適宜設定することができるが、通
常、粘着剤中に1〜40重量%、好ましくは3〜30重
量%程度の範囲で含有させる。含有量が1重量%に満た
ない場合は、治療や予防に有効な量の放出が期待できな
い場合があり、また、40重量%を超えると増量による
効果の増大が期待できないので経済的にも不利であるば
かりか、皮膚に対する接着性にも劣る傾向を示す。な
お、本発明においては上記薬物は粘着剤中に全部が溶解
している必要はなく、粘着剤への溶解度以上の薬物を含
有させて未溶解状態の薬物が含有されていてもよいもの
である。この場合、未溶解状態の薬物は経皮吸収製剤中
で含有量にバラツキがないように均一分散している必要
がある。
【0040】但し、長期間に及ぶ持続放出性の付与や単
位面積当たりの含有量を増加させての放出量の増大、皮
膚刺激性の軽減のための製剤の小型化などの観点から
は、上記重量範囲にかかわらず含有させてもよいことは
云うまでもない。
【0041】
【発明の効果】本発明のアクリル系粘着テープは以上の
ような構成からなるものであって、架橋された粘着剤層
中にこれと相溶する有機液状成分を比較的多量に含有で
きるものである。つまり、従って、粘着剤層には凝集力
を維持しながらソフト感を付与しているので、皮膚面に
貼付中の刺激が少なく、しかも剥離除去時に適用皮膚面
の角質損傷などの皮膚刺激を与えることも少なく、粘着
特性と低皮膚刺激性とのバランスが極めて良好である。
【0042】また、本発明における粘着剤層は、所謂ゲ
ル構造体であるので、粘着剤層中に経皮吸収用薬物を含
有させた経皮吸収製剤の場合には、含有する経皮吸収用
薬物の拡散移動での自由度が大きく放出性が良好とな
る。しかも、有機液状成分の配合によって凹凸の多い皮
膚面に対しても密着性が良好となって皮膚接着面積が増
大し、皮膚接着力を維持しながら薬物の放出性(皮膚移
行性)も向上させるものである。
【0043】さらに、B成分の共重合体は薬物溶解性に
優れる重合体であるので、経皮吸収製剤として粘着剤層
中に経皮吸収用薬物を含有させた場合、その溶解性に優
れ、その結果、経皮吸収性が向上するものである。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明する。なお、以下の文中で部および%とあるの
は、全て重量換算値を意味するものである。
【0045】実施例1 不活性ガス雰囲気下でアクリル酸2−エチルヘキシルエ
ステル95部と、アクリル酸5部とを、過酸化ベンゾイ
ルを重合開始剤として、約60℃の反応温度に制御しな
がら、酢酸エチル中で共重合させてアクリル系共重合体
(A成分)の溶液を調製した。
【0046】また、不活性ガス雰囲気下でアクリル酸2
−エチルヘキシルエステル72部と、N−ビニル−2−
ピロリドン25部、アクリル酸3部とを、アゾビスイソ
ブチロニトリルを重合開始剤として、反応温度を約60
℃に制御しながら、酢酸エチル中で共重合させてアクリ
ル系共重合体(B成分)の溶液を調製した。
【0047】固形分が10g相当の量の上記A成分の溶
液に、テトラヒドロフラン50gとエストラジオール
1.03gを加えて充分に攪拌したのち、固形分が10
g相当の上記B成分の溶液を加え、さらにC成分として
のミリスチン酸イソプロピル(IPM−100、日光ケ
ミカル社製)20g、架橋剤としての三官能性イソシア
ネート(コロネートHL、日本ポリウレタン社製)0.
08g、濃度調整用の酢酸エチルを適量加えて、高速ミ
キサーにて攪拌して均一な粘着剤溶液を得た。
【0048】得られた粘着剤溶液を75μm厚のポリエ
ステル製剥離シート上に、乾燥後の厚みが80μmとな
るように塗布、乾燥して架橋されたゲル状の粘着剤層を
作製した。
【0049】2μm厚のポリエステルフィルムの片面
に、8g/m2 の目付量のポリエステル製不織布を接着
積層してなる支持体の不織布面に、上記にて作製した粘
着剤層を転写、積層し、これを60℃で48時間加温熟
成して本発明の経皮吸収製剤を作製した。
【0050】実施例2 固形分が10g相当の量の実施例1にて用いたA成分の
溶液に、テトラヒドロフラン60gとエストラジオール
1.4gを加えて充分に攪拌したのち、固形分が15g
相当の実施例1にて用いたB成分の溶液を加え、さらに
C成分としてのミリスチン酸イソプロピル(IPM−1
00、日光ケミカル社製)20g、架橋剤としての三官
能性イソシアネート(コロネートHL、日本ポリウレタ
ン社製)0.1g、濃度調整用の酢酸エチルを適量加え
て、高速ミキサーにて攪拌して均一な粘着剤溶液を得
た。
【0051】得られた粘着剤溶液を用いた以外は、実施
例1と同様にして本発明の経皮吸収製剤を作製した。
【0052】実施例3 固形分が10g相当の量の実施例1にて用いたA成分の
溶液に、エストラジオール1.03gと、B成分として
のメタクリル酸アミノアルキルエステル/メタクリル酸
アルキルエステル共重合体(オイドラギットE100、
ローム社製)6.5g、C成分としてのアセチルクエン
酸トリブチル3.5gをイソプロピルアルコールに溶解
させたものを加えて、充分に攪拌した。
【0053】次いで、さらにC成分としてのミリスチン
酸イソプロピル(IPM−100、日光ケミカル社製)
20g、架橋剤としてのエチルアセトアセテートアルミ
ニウムジイソプロピレート(ALCH、川研ファインケ
ミカル社製)0.1g、濃度調整用の酢酸エチルを適量
加えて、高速ミキサーにて攪拌して均一な粘着剤溶液を
得た。
【0054】得られた粘着剤溶液を用いた以外は、実施
例1と同様にして本発明の経皮吸収製剤を作製した。
【0055】実施例4 固形分が10g相当の量の実施例1にて用いたA成分の
溶液に、イソプロピルアルコール60gとエストラジオ
ール1.4gを加えて充分に攪拌したのち、固形分が1
0g相当の実施例1にて用いたB成分の溶液を加え、さ
らにC成分としてのミリスチン酸イソプロピル(IPM
−100、日光ケミカル社製)30g、架橋剤としての
エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト(ALCH、川研ファインケミカル社製)0.2g、
濃度調整用の酢酸エチルを適量加えて、高速ミキサーに
て攪拌して均一な粘着剤溶液を得た。
【0056】得られた粘着剤溶液を用いた以外は、実施
例1と同様にして本発明の経皮吸収製剤を作製した。
【0057】比較例1 固形分が10g相当の量の実施例1にて用いたA成分の
溶液に、テトラヒドロフラン20gとエストラジオール
0.5gを加えて充分に攪拌したのち、B成分を加えず
にC成分としてのミリスチン酸イソプロピル(IPM−
100、日光ケミカル社製)10g、架橋剤としての三
官能性イソシアネート(コロネートHL、日本ポリウレ
タン社製)0.04g、濃度調整用の酢酸エチルを適量
加えて、高速ミキサーにて攪拌して均一な粘着剤溶液を
得た。
【0058】得られた粘着剤溶液を用いた以外は、実施
例1と同様にして経皮吸収製剤を作製した。
【0059】比較例2 固形分が10g相当の量の実施例1にて用いたA成分の
溶液に、テトラヒドロフラン30gとエストラジオール
0.9gを加えて充分に攪拌したのち、固形分が15g
相当の実施例1にて用いたB成分の溶液を加え、さらに
C成分としてのミリスチン酸イソプロピル(IPM−1
00、日光ケミカル社製)15g、架橋剤としての三官
能性イソシアネート(コロネートHL、日本ポリウレタ
ン社製)0.06g、濃度調整用の酢酸エチルを適量加
えて、高速ミキサーにて攪拌して均一な粘着剤溶液を得
た。
【0060】得られた粘着剤溶液を用いた以外は、実施
例1と同様にして経皮吸収製剤を作製した。
【0061】比較例3 固形分が10g相当の量の実施例1にて用いたA成分の
溶液に、エストラジオール1.4gと、B成分としての
メタクリル酸アミノアルキルエステル/メタクリル酸ア
ルキルエステル共重合体(オイドラギットE100、ロ
ーム社製)18g、C成分としてのアセチルクエン酸ト
リブチル10gをイソプロピルアルコールに溶解させた
ものを加えて、充分に攪拌した。
【0062】次いで、さらにC成分としてのミリスチン
酸イソプロピル(IPM−100、日光ケミカル社製)
10g、架橋剤としてのエチルアセトアセテートアルミ
ニウムジイソプロピレート(ALCH、川研ファインケ
ミカル社製)0.1g、濃度調整用の酢酸エチルを適量
加えて、高速ミキサーにて攪拌した。
【0063】しかしながら、上記のように攪拌を行った
結果、均一な粘着剤溶液を得ることができなかったので
経皮吸収製剤を作製することができず、従って、後述の
評価を行うこともできなかった。
【0064】比較例4 A成分を加えずに、エストラジオール0.6gと、B成
分としてのメタクリル酸アミノアルキルエステル/メタ
クリル酸アルキルエステル共重合体(オイドラギットE
100、ローム社製)13g、C成分としてのアセチル
クエン酸トリブチル7gをイソプロピルアルコールに溶
解させたものを加えて、充分に攪拌した。
【0065】次いで、さらにC成分としてのミリスチン
酸イソプロピル(IPM−100、日光ケミカル社製)
3g、架橋剤としてのエチルアセトアセテートアルミニ
ウムジイソプロピレート(ALCH、川研ファインケミ
カル社製)0.06g、濃度調整用の酢酸エチルを適量
加えて、高速ミキサーにて攪拌して均一な粘着剤溶液を
得た。
【0066】得られた粘着剤溶液を用いた以外は、実施
例1と同様にして経皮吸収製剤を作製した。
【0067】上記各実施例および比較例にて作製した経
皮吸収製剤について、以下に示す安定性試験を行い、そ
の結果を表1に示した。
【0068】<溶解性試験>各実施例および比較例にて
作製した経皮吸収製剤を、包装材料にて密封して、40
℃、75%R.Hの加湿条件下で3か月保存し、含有す
る薬物(エストラジオール)の結晶の析出の有無を目視
判定した。なお、保存前には各製剤とも薬物は全て溶解
しているので、結晶の析出がある場合には、薬物溶解性
に劣る製剤であると判断できる。
【0069】<接着力試験>ベークライト板に幅24m
mに裁断した帯状の各製剤サンプルを貼付し、荷重30
0gのローラを1往復させて密着させたのち、180度
方向に300mm/分の速度で剥離して、接着力(剥離
力)を測定した。接着力が40〜200gの場合が剥離
時の皮膚刺激の少なく、良好な製剤であると判断でき
る。
【0070】
【表1】
【0071】上記表1に記載した結果から明らかなよう
に、本発明の実施品では薬物溶解性と皮膚接着性とのバ
ランスがとれたものであるが、比較例品ではこれらの特
性のバランスが不充分である。
【0072】なお、上記各実施例および比較例では経皮
吸収用薬物としてエストラジオールを配合させている
が、各製剤の調製時に経皮吸収用薬物を配合しないアク
リル系粘着テープも作製した。その結果、当然ながら薬
物溶解性試験はできないが、接着力試験を行った結果、
略表1と同一の結果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 祐一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA72 AA74 AA75 AA77 BB31 CC30 DD45 DD46 DD65 EE10A EE12A EE13A EE16A EE21 EE24 EE47 EE48 FF34 FF56 4J004 AA10 AA17 AB01 CA03 CA04 CA05 CA06 CA08 CB01 CC02 CC03 CC07 CD07 FA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に粘着剤層が形成されてお
    り、該粘着剤層は下記(A)〜(C)成分を含有すると
    共に、(A)成分と(B)成分の含有比率が1:0.5
    〜1:1.5であり、外部架橋剤によって架橋されてな
    ることを特徴とするアクリル系粘着テープ。 (A)カルボキシル基もしくはヒドロキシル基を含有す
    る単量体と、(メタ)アクリル酸エステルを必須成分と
    して共重合してなる共重合体。 (B)側鎖に塩構造を有さない窒素原子を有する単量体
    と、(メタ)アクリル酸エステルとを必須成分として共
    重合してなる共重合体。 (C)上記(A)成分および(B)成分と相溶する有機
    液状成分。
  2. 【請求項2】 外部架橋剤が三官能性イソシアネートも
    しくはアルミニウムキレート化合物からなる請求項1記
    載のアクリル系粘着テープ。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基を有する単量体が(メ
    タ)アクリル酸である請求項1記載のアクリル系粘着テ
    ープ。
  4. 【請求項4】 側鎖に塩構造を有さない窒素原子を有す
    る単量体がN−ビニル−2−ピロリドンおよび/または
    (メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルである請求
    項1記載のアクリル系粘着テープ。
  5. 【請求項5】 (C)成分が脂肪酸エステルおよび/ま
    たはグリセリン脂肪酸エステルである請求項1記載のア
    クリル系粘着テープ。
  6. 【請求項6】 (A)成分と(B)成分との合計量と
    (C)成分の含有比率が、1:0.5〜1:1.5であ
    る請求項1記載のアクリル系粘着テープ。
  7. 【請求項7】 支持体がポリエステルフィルムとポリエ
    ステル製不織布からなる積層体である請求項1記載のア
    クリル系粘着テープ。
  8. 【請求項8】 ポリエステルフィルムの厚みが1.5〜
    6μmで、ポリエステル不織布の目付量が6〜12g/
    2 である請求項7記載のアクリル系粘着テープ。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のアクリル系粘着テープに
    おける粘着剤層中に、経皮吸収用薬物を含有してなる経
    皮吸収製剤。
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