JPH09309824A - 粘着剤組成物及びそれを用いた貼付剤 - Google Patents

粘着剤組成物及びそれを用いた貼付剤

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JPH09309824A
JPH09309824A JP12493096A JP12493096A JPH09309824A JP H09309824 A JPH09309824 A JP H09309824A JP 12493096 A JP12493096 A JP 12493096A JP 12493096 A JP12493096 A JP 12493096A JP H09309824 A JPH09309824 A JP H09309824A
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Hiroko Udagawa
弘子 宇田川
Kunio Yoneto
邦夫 米戸
Naoko Nishida
尚子 西田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮膚刺激性が少なく、かつ経皮吸収効果が高い
粘着剤組成物及びそれを用いた貼付剤を提供する。 【解決手段】アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)
アクリル酸アルキルエステルとN−ビニルピロリドン5
〜40重量%からなる共重合体に、ポリオキシアルキレ
ングリコール5〜30重量%、(薬物)が含有される粘
着剤組成物であって、上記ポリオキシアルキレングリコ
ールが37℃/相対湿度97%での24時間の吸水量が
自重の50%以上である粘着剤組成物。該粘着剤組成物
からなる粘着剤層及び支持体からなることを特徴とする
貼付剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、粘着剤組成物及び
それを用いた貼付剤、特に医療用に適した低刺激性の貼
付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物を皮膚から体内に吸収させる方法
は、血中濃度の急激な立ち上がりを抑える、肝臓での代
謝を回避できる、副作用が著しい場合に途中で投与を中
止できる等の面で有用である。特に貼付剤は、軟膏に比
べて持続性に優れるため、様々な薬物についての貼付剤
化が試みられている。しかし、貼付剤を使用する場合に
は皮膚刺激性を抑えることが重要な課題である。皮膚刺
激には感作性のもの以外に、接触による一次刺激性のも
のがあり、感作を起こさない材料を用いても貼付剤を剥
がしたあとに皮膚の赤みが残ったり、色素沈着が生じる
ことがある。
【0003】従来、様々な方法で皮膚刺激の低減化が検
討されてきた。例えば特開平6−256183号公報に
は、ポリオキシアルキレングリコール又はそのブロック
共重合体を粘着剤中に混合溶融し、透湿性のある不織布
等の支持体に塗布することで製剤全体の透質性を向上さ
せ、刺激を低減化することが開示されている。しかし、
添加物が吸水性を持つだけでは膏体に配合された状態で
はその性能を十分に発揮することができず、皮膚からの
水分排泄速度は状況により高まるのに対し、多量に発汗
したときなどに速やかに対応するだけの透湿性を持たせ
ることは困難であり、またその効果は小さい。また特開
平6−16541号公報には、吸水率1%以上の親水性
高分子を支持体もしくは粘着剤層表面、粘着剤層中、粘
着剤層と支持体との界面のいずれかに形成して吸水によ
る貼付剤全体の剛軟度の変化を特定することで刺激を低
減化する方法が開示されている。しかし、これも皮膚表
面での水分増加に速やかに対応できるものではなく、そ
の効果は十分ではない。
【0004】特開平7−206710号公報では、粘着
剤中の吸湿性物質が剥離時に皮膚表面に残留する組成と
することで剥離力を低減する方法を開示している。しか
し、剥離時のダメージは低減できるが、貼付している間
の皮膚表面には吸湿性物質が保持する水のためにムレが
生じるため皮膚のストレスは改善されず、刺激低減化の
効果は十分ではない。さらに特開平7−238016号
公報には、パップ剤のような含水系ゲル状膏体を用い、
剥離力を和らげると共に吸水性を持たせてムレを防ぐこ
とが開示されている。しかし水で分解しやすい薬物には
適用できないこと、疎水性の高い薬物では投与量を確保
するためにある程度の面積が必要となる等の問題があ
り、また支持体に不織布が用いられるため透湿度が必要
以上に高くなり、膏体中の水分が蒸発し、剥離時の粘着
力が強くなってしまったり、膏体中の成分濃度が高くな
るため使用できる薬物が限定され、また刺激の低減化も
十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであって、その目的は、皮膚刺激性が少
なく、かつ経皮吸収効果が高い粘着剤組成物及びそれを
用いた貼付剤を提供する点である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着剤組成物
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとN−ビニル
ピロリドンからなる共重合体に、ポリオキシアルキレン
グリコールが含有される。
【0007】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アルキル基の炭素数が大きくなると疎水性が
高くなりすぎてポリオキシアルキレングリコールとの相
溶性が低下し、効果が十分でなくなるので、アルキル基
の炭素数が1〜12、好ましくは2〜8のものが用いら
れる。上記アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオ
クチル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられ、こ
れらのうちの1種以上が用いられる。
【0008】上記N−ビニルピロリドンは、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと共重合体させることによ
り、粘着剤中のポリオキシアルキレングリコールを安定
に存在させることができ、その量は、共重合体を構成す
る単量体のうち5〜40重量%であり、好ましくは10
〜30重量%である。
【0009】さらに、上記共重合体には、薬物の放出性
や低刺激性に影響を与えない程度に、粘着剤の内部凝集
力を向上させ糊残りのない良好な貼付性を得る目的で、
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能
な多官能性単量体を用いることができる。
【0010】上記多官能性単量体としては、例えば(メ
タ)アクリル酸;ヘキサメチレングリコール等のポリメ
チレングリコール類;ポリエチレングリコール等のポリ
アルキレングリコール類;その他グリセリン、ペンタエ
リスリトール等と反応させて得られるジ(メタ)アクリ
レート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。上記多官能性単量体の量
は、多くなると粘着剤がゲル化を起こしやすく、少なく
なると効果が得られないので、共重合体を構成する単量
体のうち0.005〜0.5重量%が好ましい。
【0011】上記共重合体は、通常の公知の方法で重合
され、例えば、重合開始剤の存在下で、上記単量体を配
合して、溶液重合を行うことによって調製される。ただ
し重合条件は主として単量体の種類により、適宜選択さ
れる。
【0012】上記ポリオキシアルキレングリコールは、
少なくなると刺激低減化効果が十分でなくなり、多くな
ると貼付性が低下するので、粘着剤組成物中に5〜30
重量%含有され、好ましくは7〜25重量%である。ま
た、上記ポリオキシアルキレングリコールは、吸水量が
小さくなると刺激低減化効果が十分でなく、吸水量が大
きくなると親水性が高くなり、粘着剤への溶解性が低下
して、貼付中に粘着剤層から皮膚へ放出されやすくな
り、効果が低下するので、37℃/相対湿度97%での
24時間の吸水量が自重の50%以上であり、好ましく
は50〜100%である。
【0013】上記吸水量とは、37℃/相対湿度97%
に調整された雰囲気下に24時間放置した時の重量率を
いい、初期の重量(自重)に対する増加量の割合であ
る。上記吸水量は、予め重量を測定したガラス等の非吸
水性容器に試料をはかり取り、37℃/相対湿度97%
に調整された雰囲気下に24時間放置した後、吸水後の
重量を測定し、下記式により算出する。 吸水量(%)=(吸水後の重量−初期の重量)÷(初期
の重量)×100
【0014】上記ポリオキシアルキレングリコールとし
ては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレン
グリコールブロック共重合体等が挙げられる。
【0015】本発明の粘着剤組成物には、さらに必要に
応じて薬物が添加される。上記薬物としては、経皮的に
生体膜を透過して薬効を発揮するものであれば特に限定
されず、例えば、ニフェジピン、クロニジン等の降圧
剤、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド等の血管拡張
剤、エストラジオール、プロゲステロン等のステロイド
ホルモン剤、リドカイン等の麻酔剤、インドメタシン、
ケトプロフェン等の消炎鎮痛剤、プレドニゾロン、デキ
サメタゾン等のステロイド系抗炎症剤、ジフェンヒドラ
ミン、クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤などが挙
げられる。本発明の粘着剤組成物は、親水性の低い薬物
や含水系では分解されやすい薬物を用いる場合に有用で
ある。すなわちパップ剤などの含水系貼付剤では経皮投
与できない薬物を、かぶれることなく持続的に経皮投与
できる。
【0016】本発明の粘着剤組成物には、さらに必要に
応じて適量の可塑化剤、吸収促進剤、安定化剤、充填剤
等が添加されてもよい。上記可塑化剤は、貼付性の調整
をするもので、同時に薬物の粘着剤層中の拡散速度を高
め、皮膚への薬物吸収量を向上させる効果もある。上記
可塑化剤としては、例えば、流動パラフィン等の炭化水
素、オクチルドデカノール、オレイルアルコール等の高
級アルコール、ソルビトール等の多価アルコール、ミリ
スチン酸イソプロピル、モノラウリン酸グリセリン、セ
バシン酸ジエチル等の脂肪酸と1価又は多価アルコール
とのエステル、ラノリン、オリーブ油等の天然物由来の
油脂などが挙げられる。上記可塑化剤の量は、粘着剤と
の組み合わせにより異なるが、少なくなると効果が十分
でなくなり、多くなると貼付性が低下するので、5〜2
0重量%が好ましい。
【0017】上記吸収促進剤は、皮膚に作用して薬物の
皮膚透過性を高めるものであり、皮膚の構造をルーズに
するもの、皮膚の水和を高めるもの、薬物を良好に溶解
して皮膚内に運ぶキャリアとなるもの等があり、例え
ば、ポリソルベート、ラウリン酸ジエタノールアミド、
ラウロイルサルコシン、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げら
れる。これらは貼付性、刺激低減化効果を低下させない
程度に添加される。上記安定化剤は、薬物や他の成分の
酸化・分解等を抑えて経時変化を防ぐ目的で用いられ、
例えば、ブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸等の酸
化防止剤やシクロデキストリン、エチレンジアミン四酢
酸等が挙げられる。上記充填剤は、粘着剤層やリザーバ
ー層の貼付性の調節、薬剤の均一分散・保持の目的で用
いられ、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、乳糖、
結晶セルロース、無水珪酸等が挙げられる。
【0018】本発明の粘着剤組成物は、低刺激性のデバ
イスとして皮膚表面に適用される。また、本発明の粘着
剤組成物は、薬物を経皮的に投与する目的で用いられる
デバイスとして皮膚表面に適用される。上記デバイスの
適用形態としては、粘着剤組成物を直接皮膚に適用し、
その上を布等で覆う、粘着剤組成物を布等に展延したも
のを皮膚に適用する、貼付剤の形態とする等が挙げら
れ、保存や使用の簡便性等の点から貼付剤の形態とする
のが好ましい。
【0019】本発明の貼付剤は、上記粘着剤組成物から
なる粘着剤層及び支持体からなる。上記支持体として
は、柔軟性を有し、貼付剤に自己支持性を付与し、かつ
粘着剤層中の薬物や添加物の揮散や移行を防止するもの
であれば特に限定されず、その素材としては例えば、酢
酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニ
ル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アルミ
ニウム等が挙げられ、これらの単体フィルム、多孔質フ
ィルム、不織布及びこれらのラミネートフィルムやアル
ミ蒸着フィルムとして用いてもよい。支持体の厚みは、
通常500μm以下であり、2〜150μmが好まし
い。
【0020】本発明の貼付剤は、使用時までその粘着剤
層を保護するため、通常剥離紙を有している。上記剥離
紙としては、一般にポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンコート上質紙、ポリプロピレンフィル
ム等にシリコン処理したものが用いられる。剥離紙の厚
みは、1000μm以下、好ましくは30〜200μm
である。
【0021】上記貼付剤において、粘着剤層に薬物が含
有される場合の形態は特に限定されない。例えば、粘着
剤層に溶解されていてもよいし、一部分散した状態とさ
れてもよい。また、マイクロカプセル等によって埋め込
まれていてもよいし、粘着剤層とは別に薬物のリザーバ
ー層が設けられていてもよい。
【0022】本発明の貼付剤は、粘着テープ製造の常法
に従い調製することができ、例えば、溶剤塗工法、ホッ
トメルト塗工法、電子線硬化エマルジョン塗工法等を用
いることができ、なかでも溶剤塗工法が好ましい。溶剤
塗工法により貼付剤を調製するには、例えば、粘着剤溶
液に必要に応じて薬物、吸収促進剤、可塑剤等の添加物
を溶解又は分散させ、得られる溶液を支持体の片面に塗
布・乾燥し、所定の厚みの粘着剤層を形成する。上記溶
液を剥離紙上に塗布・乾燥した後、得られる粘着剤層に
支持体を密着させてもよい。粘着剤層の厚みは、使用目
的により異なるが、小さくなると必要量の薬物を含有す
ることができなくなり、大きくなると支持体付近の薬物
が粘着剤層中に十分に拡散せず薬物放出率が低下するの
で、通常10〜200μmである。
【0023】本発明の貼付剤は、低刺激性であるので、
絆創膏、ドレッシングテープ等の貼付剤や、薬物を含有
させて経皮吸収貼付剤として用いられる。
【0024】
【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため、以下に
実施例をあげる。 〔粘着剤溶液Aの作成〕アクリル酸2−エチルヘキシル
5200g、N−ビニル2−ピロリドン3500g(2
4.5重量%)、及びヘキサンジオールジメタクリレー
ト1.5gを40リットル重合機に仕込み、酢酸エチル
8700gを加えた。この溶液を窒素雰囲気下で温度8
0℃に加熱し、重合開始剤である過酸化ラウロイル2.
3gを少量ずつ逐次添加し重合を行った。さらにアクリ
ル酸2−エチルヘキシル5560g、過酸化ラウロイル
2.3g及び酢酸エチル2000gを添加してさらに重
合を行った。重合終了後、最終固形分が35重量%とな
るように酢酸エチルを添加して粘着剤溶液Aを得た。こ
の粘着剤の20%溶液粘度は2100cps(B型粘度
計;ローターNo.3、30rpm)であった。
【0025】〔粘着剤溶液Bの作成〕アクリル酸n−オ
クチル4800g、アクリル酸エチル6000g、N−
ビニル2−ピロリドン1200g(10重量%)、及び
ヘキサンジオールジメタクリレート3gを40リットル
重合機に仕込み、酢酸エチル17630gを加えた。こ
の溶液を窒素雰囲気下で温度80℃に加熱し、重合開始
剤である過酸化ラウロイル16gを少量ずつ逐次添加し
重合を行った。重合終了後、最終固形分が30重量%と
なるように酢酸エチルを添加して粘着剤溶液Bを得た。
この粘着剤の20%溶液粘度は2500cps(B型粘
度計;ローターNo.3、30rpm)であった。
【0026】〔粘着剤溶液Cの作成〕アクリル酸ドデシ
ル2286g、メタクリル酸2−エチルヘキシル142
56g、アクリル酸2−エチルヘキシル1656g、及
びヘキサンジオールジメタクリレート2.3gを40リ
ットル重合機に仕込み、酢酸エチル8500gを加え
た。この溶液を窒素雰囲気下で温度80℃に加熱し、重
合開始剤である過酸化ラウロイル16gを少量ずつ逐次
添加し重合を行った。重合終了後、最終固形分が40重
量%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤溶液Cを
得た。この粘着剤の20%溶液粘度は3200cps
(B型粘度計;ローターNo.3、30rpm)であっ
た。
【0027】〔粘着剤Dの作成〕スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体(シェル化学社製、カリフ
レックスTR1107)16重量部、ポリブテン(日本石油社
製、平均分子量1350)5重量部、脂環族飽和炭化水素樹
脂(荒川化学社製、アルコン P90)36.5重量部、流
動パラフィン42.5重量部及びブチルヒドロキシトル
エン0.6重量部を混合槽内で窒素雰囲気下で加熱し、
溶融混合して粘着剤Dを得た。
【0028】(実施例1〜7及び比較例1〜15、17
〜20)表1及び表2に示す組成(数値は固形分として
の重量%を示す)で、粘着剤溶液、薬物、ポリオキシア
ルキレングリコール、及び他の添加物を配合容器に入
れ、さらに最終固形分が30重量%となるように酢酸エ
チルを添加し、全体が均一となるようにディゾルバーで
混合し、塗液を得た。
【0029】この塗液を、厚み38μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムをシリコン処理した剥離紙上
に、乾燥後の厚みが80μmとなるように塗工し、60
℃で30分間ギアオーブン中で乾燥させ、粘着剤層を形
成した。この粘着剤層に、ポリエステル12μm/エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂20μmのラミネートフィ
ルムを貼り合わせて貼付剤を得た。
【0030】(比較例16)表2に示す組成で、粘着
剤、薬物、ポリオキシアルキレングリコールを混合槽に
入れ、窒素雰囲気下120℃で加熱し、溶融混合して塗
工液を得た。これをホットメルトコーターを用いて、厚
み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをシ
リコン処理した剥離紙上に、厚みが80μmとなるよう
に展延し、粘着剤層を形成した。この粘着剤層に、ポリ
エステル不織布(目付100g、厚み1mm)を貼り合
わせて貼付剤を得た。
【0031】なお、上記実施例及び比較例に用いた材料
は以下のとおりである。( )内は表中での記載を示
す。薬物 :ニトログリセリン(GTN)、硝酸イソソルビド
(IS)、インドメタシン(IM)、エストラジオール
(ED)ポリオキシアルキレングリコール : 〔ポリエチレングリコール〕 マクロゴール 400(PEG 400) 日本油脂社製、平均
分子量 400 マクロゴール1000(PEG1000) 日本油脂社製、平均
分子量1000 マクロゴール4000(PEG4000) 日本油脂社製、平均
分子量4000 〔ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール
ブロック共重合体〕 プルロニックF68(PN-F68) 旭電化工業社製、平均
分子量8800 プルロニックL44(PN-L44) 旭電化工業社製、平均
分子量2000 〔プロピレングリコール〕(PG) 東京化成社製、分子
量76その他添加物 : 〔ポリアクリル酸〕サンフレッシュST-100SP(PA) 三
洋化成社製 〔架橋型ポリビニルピロリドン〕ポリプラスドンINF-10
CLPVP (PVP) 〔軽質無水珪酸〕アエロジル200 (ARS) 日本アエロジ
ル社製 〔ミリスチン酸イソプロピル〕IPM−R(IPM )日本
油脂社製
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】上記実施例及び比較例で得られた貼付剤に
ついて、下記試験を行った。 〔吸水性評価〕上記実施例及び比較例で用いたポリオキ
シアルキレングリコール等の添加物について吸水性を評
価した。上記ポリオキシアルキレングリコール及びその
他添加物のそれぞれについて、予め重量を測定した広口
ガラス容器に約1g入れ、総重量を測定した。これらを
37℃、相対湿度97%に調整した恒温恒湿槽内に24
時間放置した。24時間後に取り出し、総重量を測定し
て初期の総重量との差より増加量を算出した。初期の重
量(初期の総重量−容器重量)に対する増加量の割合
(%)を吸水量とした。結果を表3に示す。
【0035】〔皮膚刺激性試験〕上記実施例及び比較例
で得られた貼付剤を3.14cm2 に打ち抜き、試験片
とした。モルモット(ハートレー系、雄、5週齢)の腹
部を剃毛し、上記試験片を貼付し、その上からガーゼで
覆って絆創膏で固定した。48時間後、各試験片を剥離
し、その30分後の貼付部皮膚の紅斑状態を目視で観察
し、ドレイズ法に従い、下記の基準で評価した。試験は
各試験片につき6匹で行い、評点の平均値を各貼付剤の
皮膚刺激指数とした。結果を表3に示す。なお、本試験
において全試験片ではがれはなく、浮腫および痂皮の形
成は認められなかった。
【0036】 紅斑なし 0 非常に軽度の紅斑(やっと認められる程度) 1 明らかな紅斑 2 中程度ないし強い紅斑 3 深赤色の強い紅斑と軽い痂皮形成 4
【0037】〔薬物皮膚移行量試験〕実施例1、3〜
4、7及び比較例18〜20について、上記皮膚刺激性
試験を行ったあとの試験片に残存する薬物を、メタノー
ルで抽出し高速液体クロマトグラフで定量し、皮膚への
薬物移行量を求めた。結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物及びそれを用いた
貼付剤は、皮膚刺激性が低く、貼付中剥がれたりするこ
とのない貼付性を有し、しかも薬物の経皮吸収性に優れ
る。従って、低刺激性の貼付剤を提供し、特に医療用貼
付剤として有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)
    アクリル酸アルキルエステルとN−ビニルピロリドン5
    〜40重量%からなる共重合体に、ポリオキシアルキレ
    ングリコールが5〜30重量%含有される粘着剤組成物
    であって、上記ポリオキシアルキレングリコールが37
    ℃/相対湿度97%での24時間の吸水量が自重の50
    %以上であることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】さらに薬物を含有することを特徴とする請
    求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の粘着剤組成物を皮
    膚表面に適用する低刺激性のデバイス。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の粘着剤組成物を皮膚表面
    に適用し、薬物を経皮的に投与する目的で用いられるデ
    バイス。
  5. 【請求項5】請求項1又は2に記載の粘着剤組成物から
    なる粘着剤層及び支持体からなることを特徴とする貼付
    剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000128780A (ja) * 1998-10-20 2000-05-09 Sanyo Chem Ind Ltd 貼付剤
KR20220122627A (ko) 2019-12-27 2022-09-02 니찌방 가부시기가이샤 테이프제

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JP2000128780A (ja) * 1998-10-20 2000-05-09 Sanyo Chem Ind Ltd 貼付剤
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