JP3197039B2 - テープ製剤 - Google Patents

テープ製剤

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JP3197039B2
JP3197039B2 JP34446191A JP34446191A JP3197039B2 JP 3197039 B2 JP3197039 B2 JP 3197039B2 JP 34446191 A JP34446191 A JP 34446191A JP 34446191 A JP34446191 A JP 34446191A JP 3197039 B2 JP3197039 B2 JP 3197039B2
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道也 中川
須美子 川口
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、皮膚や粘膜のような
生体膜に貼付して所要の薬物を生体膜を経て体内循環系
へ投与するのに用いる経皮吸収製剤に関し、より詳細に
は、比較的極性の高い薬物に特に好適に用いられるテー
プ製剤に関するものである。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】薬剤を相溶状態で粘
着剤に含有させ、この粘着剤を支持体上に層状に担持さ
せ、この粘着剤層を皮膚に貼付することにより、薬剤を
体内に投与する経皮投与方法が知られている。このよう
に経皮吸収型製剤を用いる投与方法の主な利点として
は、一定の有効血中濃度を長時間維持することができ
るため、薬物作用の持続性および副作用の軽減が期待さ
れる。薬物の投与回数を減少させ、患者のコンプライ
アンスを改善できる。肝臓での初回通過効果を回避で
きるため、肝臓の負担を軽減できる、などがある。
【0003】このような経皮吸収型製剤に要求される条
件は下記の通りである; 1.製剤が皮膚に所定時間、いかなる状況でも確実に密
着すること。
【0004】製剤が皮膚に貼付された後、24時間ある
いは48時間確実に密着しており、所要の薬物量が吸収
される必要がある。また製剤は発汗時、入浴時において
も皮膚に密着し剥離しないことが必要である。
【0005】2.粘着剤は薬物と適度の相溶性を有し、
薬物と相互作用しないこと。
【0006】粘着剤層から薬物が所定時間中に多量に放
出されるためには、薬物は粘着剤中に高濃度に含有され
ることが必要であり、かつ薬物が粘着剤中に溶解状態で
存在することが望ましい。そのためには薬物と粘着剤を
構成する成分との相溶性が高いことが必要である。ま
た、相溶状態で薬物と粘着剤の構成成分との相互作用が
強くないことが必要である。たとえば酸や塩基の相互作
用が強いと粘着剤層からの薬物の放出性が低下する場合
がある。
【0007】3.粘着剤を皮膚に貼付することによる皮
膚刺激が少ないこと。
【0008】テープ製剤の問題として皮膚刺激という副
作用がある。テープ製剤を皮膚に貼付している間、粘着
剤層が皮膚表面に接しているため、その部分の皮膚の正
常な働き、すなわち分泌、代謝および伸縮が妨げられる
と共に、皮膚はテープのエッジ部分または粘着剤層から
も常時刺激を受けている。その結果、紅斑が発生し、甚
だしい場合には痂皮形成や浮腫形成を伴ない、これがテ
ープ剥離後も数日間続く場合もある。このような副作用
をできるだけ少なくすることが重要である。
【0009】4.粘着剤を皮膚から剥離した後、皮膚面
に粘着剤が残存しないこと。
【0010】従来、上記1〜4の点を踏まえて、たとえ
ば下記のごとき経皮吸収製剤が提案されている。
【0011】まず、特公昭54−16566公報には、
薬物をカプセル化した貯蔵層を粘着剤層に形成させたテ
ープ製剤が記載されている。
【0012】一般に粘着剤層から外部への薬物の拡散速
度は薬物を粘着剤層に相溶させた場合高くなる。薬物を
カプセル化した貯蔵層に存在させた場合、あるいは薬物
を粉末化ないしは結晶化させて存在させた場合には、そ
の貯蔵層、粉末あるいは結晶から隣接する粘着剤への拡
散速度が律速になることがある。このような場合、薬物
を粘着剤に相溶させた場合より、基剤からの薬物の放出
性は低くなることが多い。また、カプセル化は該テープ
製剤の製造上からも技術的な困難性が高く、コストも高
くつく。したがって、薬物を粘着剤層に相溶させた製剤
の方がカプセル化製剤より優れている。
【0013】特開昭57−116011号公報には、薬
物として硝酸イソソルビド(ISDN)または四硝酸ペ
ンタエリスリトール(PETN)を、ガラス転移温度−
70℃〜−10℃の常温で感圧接着性を有する重合物に
含有させたテープ製剤が記載されている。
【0014】この製剤では粘着剤層の重合物に薬物を溶
解させており、粘着剤層の構成成分に好適なアクリル系
共重合物として、アルキル基の平均炭素数が4以上の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも50
重量%含ませてなる重合物が挙げられている。しかし、
この製剤ではアルキル基の炭素数4以上の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの配合割合は、上記のごとく5
0重量%以上とかなり多いので、このアクリル系共重合
物は粘着剤としては極性が低いものである。そのため、
極性が比較的高い薬物であるISDNの粘着剤への溶解
度は高くない。また、この(メタ)アクリル酸アルキル
エステルと共重合すべきモノマーとして、比較的極性の
高いモノマーを用いたとしても、ある程度極性を変える
ことは可能であるが、極性の低いモノマーの含量が多い
ので粘着性が良好な範囲内で極性を高めるには限界があ
る。
【0015】特開昭59−199628号公報には、薬
物を粘着剤層に相溶させること、および粘着剤層の構成
成分に好適なアクリル系共重合物は(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとビニルピロリドンの共重合物であ
り、ビニルピロリドンの含有量は好ましくは1〜60重
量%の範囲であることが記載されている。
【0016】また、特開昭61−100520号公報に
は、粘着剤層の構成成分に好適なアクリル系共重合物
は、2−エチルヘキシルアクリレートを45モル%以
上、ビニルピロリドンを20〜55モル%、アルキル基
の炭素数が3〜12でホモポリマーのTgが−40℃以
下の(メタ)アクリル酸エステルを35モル%以下、多
官能性モノマーを全モノマー重量の0.005〜0.5
重量%含有する共重合物であり、薬剤がISDNである
テープ製剤が記載されている。
【0017】しかし、これら製剤では、ビニルピロリド
ンの親水性が極めて高いので、その配合量が多いと発汗
時における粘着剤の耐水性に問題が生じる場合がある。
【0018】特開昭58−134020号公報には、ア
ルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸エステル85
〜99重量%とアクリル酸またはメタクリル酸1〜15
重量%とからなる共重合物と薬物としてISDNを含む
基剤層を開示している。
【0019】しかし、この製剤では、共重合成分として
アクリル酸またはメタアクリル酸といった酸を用いるの
で、粘着剤の凝集力が付与される反面、こうした酸によ
り皮膚刺激が発生する可能性があり、テープ製剤として
は好ましくない。また、上記酸は薬物によってはこれと
の相互作用により、薬物の放出性ないし安定性に好まし
くない影響を与える可能性がある。
【0020】また、特定の吸収促進剤の添加によって薬
物の皮膚への放出性を向上させることを企図したテープ
製剤として、下記のものが提案されている。
【0021】特開昭58−79918号公報には、アク
リル系粘着剤にインドメタシンと吸収促進剤としてポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類およびポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル類の群から選ばれた少
なくとも一種を配合した消炎鎮痛テープ製剤が記載され
ている。
【0022】特公表62−502965公報には、アル
キル基の炭素数が4〜10の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを含むアクリル系ポリマーにニトログリセリ
ンを20〜45重量%含む感圧接着剤に、皮膚浸透強化
剤として炭素数16〜24の脂肪酸エステルを1〜30
重量%、およびグリセリンモノラウレートを0.2〜5
重量%含む接着剤コーティング材料が記載されている。
【0023】特開平2−233617号公報には、粘着
基剤中に薬物としてエストラジオールと吸収促進剤とし
て乳酸を含有した経皮吸収製剤が記載されている。
【0024】吸収促進剤は、粘着剤層からの薬物の放出
性と薬物の経皮吸収性のいずれかあるいは両方を向上さ
せる作用を果たす。吸収促進剤としては対象となる薬物
を勘案して最適のものを選定する必要がある。ただし、
粘着剤に吸収促進剤を配合した結果、粘着性が低下した
り、皮膚刺激が高くなったりしてはならない。一般に吸
収促進剤を粘着剤に添加すると経時的に相分離やブリー
ドアウトが起こりやすく、粘着剤の経時的安定性に問題
が生じるとともに、皮膚貼付時の発汗等により、貼付剤
が剥れやすくなる。したがって、粘着剤についても対象
となる薬物、配合する吸収促進剤を勘案して最適のもの
を選定する必要がある。
【0025】この発明の目的は、粘着剤に薬剤が相溶す
ることにより、皮膚への貼付時に速やかに薬物が放出さ
れ、所定時間内に有効な放出性を発揮する経皮投与型テ
ープ製剤を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明は、比較的極性
の高い薬物に対し高い放出性を長時間維持すること、粘
着性が良好で皮膚に長時間密着すること、皮膚に貼付後
発汗時、入浴時においても比較的耐水性があること、皮
膚刺激性が少ないこと、吸収促進剤を加えた場合におい
ても良好な経時的安定性を有すること、などの条件を十
分満足する粘着剤を求めて研究を重ねた結果、特定のア
クリル系共重合物からなる粘着剤が上記要望にこたえ得
るという知見を得て完成されたものである。
【0027】すなわち、この発明によるテープ製剤は、
薬物を相溶状態で含む粘着剤からなる粘着剤層が支持体
上に保持されているテープ製剤において、該粘着剤が、
アルキル基の炭素数4以上18以下の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルを30〜45重量%、アルキル基の
炭素数2以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを
30〜60重量%、ビニルピロリドンを2〜40重量%
の割合で重合してなる共重合物であることを特徴とする
ものである。
【0028】この発明によるテープ製剤において、薬物
の代表例は硝酸イソソルビドであり、その粘着剤層中の
濃度は好ましくは8〜40重量%、さらに好ましくは1
0〜30重量%の範囲である。
【0029】該粘着剤層中にはさらに吸収促進剤が含有
されていてもよい。吸収促進剤の代表例は乳酸であり、
乳酸の該粘着剤層中の濃度は好ましくは0.1〜10重
量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%の範囲で含ま
れていてもよい。
【0030】該粘着剤層中には吸収促進剤の他にさらに
発汗時の貼付性向上剤が含まれていてもよい。発汗時の
貼付性向上剤の代表例はセバシン酸ジエチルであり、セ
バシン酸ジエチルの該粘着剤層中の濃度は好ましくは
0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜12重
量%の範囲である。
【0031】この発明によるテープ製剤の共重合物は、
上記モノマーにさらに全モノマーの0.005〜0.5
重量%、より好ましくは0.01〜0.2重量%の割合
の多官能性モノマーを加え、これらモノマーを重合して
なる共重合物であってもよい。多官能性モノマーが添加
されることにより、生成する重合物間にごくわずかに架
橋が生じ、それにより粘着剤の内部凝集力が増大する。
そのため貼付された皮膚の性状や発汗量にほぼ無関係に
テープ剥離時のいわゆる糊残り現象は解消される。しか
も、この多官能性モノマーの添加は薬物の放出性や皮膚
刺激性には何ら影響を与えない。
【0032】以下、この発明によるテープ製剤の構成成
分および製造法について詳述する。 a) 粘着剤 この発明のテープ製剤の粘着剤層の主体をなす粘着剤
は、アルキル基の炭素数4以上18以下の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを30〜45重量%、アルキル
基の炭素数2以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルを30〜60重量%、ビニルピロリドンを2〜40重
量%の割合で重合してなる共重合物である。 上記共重
合物を構成する第1のモノマーであるアルキル基の炭素
数4以上18以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルは、30〜45重量%の範囲で含有される。
【0033】第1モノマーの含量が45重量%を越える
と、粘着剤の極性が低くなり、比較的極性の高い薬物と
の相溶性があまりよくなく、比較的極性の高い薬物の粘
着剤中への溶解度が低くなる。したがって、高い放出性
を維持し、薬物を長時間一定量投与することが困難にな
る。また、溶解させた薬物の濃度が高い製剤に対し、溶
解させた薬物の濃度が低い製剤は、同一薬物量を含有さ
せた時、製剤面積を大きくするか、面積が同一の場合、
粘着剤層の厚みを厚くする必要がある。製剤面積が大き
くなると皮膚刺激性が高くなり、使用上好ましくない。
粘着剤層が厚くなると薬物の放出性および製造コストの
上で不利になる。
【0034】第1モノマーの含量が30重量%未満にな
ると、粘着剤の皮膚への接着性が低下し、薬物投与の信
頼性が低下するので、好ましくない。
【0035】このような第1モノマーとしては、ブチル
アクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリ
レート、ヘキシルメタアクリレート、オクチルアクリレ
ート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、デ
シルアクリレート、デシルメタアクリレート、ドデシル
アクリレート、ドデシルメタアクリレート、トリデシル
アクリレート、トリデシルメタアクリレート、オクタデ
シルアクリレート、オクタデシルメタアクリレートなど
を挙げることができる。中でもアルキル基の炭素数が4
〜8のアクリル酸アルキルエステルすなわちブチルアク
リレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレートなどが粘着性と薬
物の相溶性のバランスから好ましい。
【0036】上記共重合物を構成する第2のモノマーで
あるアルキル基の炭素数2以下の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルは、30〜60重量%の範囲で含有され
る。第2モノマーの含量が60重量%を超えると、粘着
剤の皮膚への接着性が低下し、薬物投与の信頼性が低下
するので、好ましくない。逆に、第2モノマーの含量が
30重量%未満になると粘着剤の極性が低下し、比較的
極性の高い薬物の溶解度が低下するので、製剤からの高
い放出性を維持することが困難になる。
【0037】このような第2モノマーは、メチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
エチルメタクリレートである。中でもメチルアクリレー
ト、エチルアクリレートが良好な粘着性および入手の容
易さから好ましい。
【0038】上記共重合物を構成する第3のモノマーで
あるビニルピロリドンは2〜40重量%範囲で含有さ
れ、一般に粘着剤に凝集力を付与するために構成モノマ
ーとしてよく用いられるメタアクリル酸あるいはアクリ
ル酸と異なり、凝集力は付与するが、末端に酸が存在し
ないので薬物との反応を起こしたり皮膚刺激を生じる可
能性がない。
【0039】ビニルピロリドンの含量が2重量%未満に
なると粘着剤の凝集力が低下するので、本製剤を皮膚に
貼付して所定時間後剥離する時、粘着剤の一部が皮膚に
残留し、製剤として好ましくない現象が発生する可能性
が高い。逆に、ビニルピロリドンの含量が40重量%を
越えると貼付性が悪くなると共に粘着剤の極性が極めて
高くなり、発汗時あるいは入浴時の耐水性が低下する。
【0040】ビニルピロリドン含量のより好ましい範囲
は5〜30重量%である。
【0041】また、アルキル基の炭素数が2以下の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルすなわち第2モノマー
と、ビニルピロリドンすなわち第3モノマーとを合わせ
た含量が50重量%以上であると、得られた共重合物の
極性が高くなり、比較的極性の高い薬物の溶解度が高く
なり、基剤からの薬物の高い放出性が長時間得られる。
したがって、本発明の好適な実施モードでは、粘着剤を
構成する重合物は、アルキル基の炭素数が2以下の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(第2モノマー)とビ
ニルピロリドン(第3モノマー)を合わせた含量を50
重量%以上とし、アルキル基の炭素数が4以上の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(第1モノマー)を
0〜45重量%、第2モノマーを30〜60重量%、第
3モノマーを2〜40重量%の割合で共重合することに
より、極性が高く、貼付性が優れ、吸収促進剤の保持性
に優れ、しかも耐水性が良好な粘着剤が得られる。
【0042】上記共重合体の任意付加成分である多官能
性モノマーは、全モノマー重量の0.005〜0.5重
量%の割合で含有してもよい。本粘着剤においてビニル
ピロリドンの含量や分子量によっては糊残り現象が起こ
り得るが、多官能性モノマーの添加により、生成する重
合物間に架橋が生じ、糊残り現象が解消される。
【0043】多官能モノマーの添加量が0.005重量
%未満になると架橋による内部凝集力の向上の効果が不
十分である。逆に、同添加量が0.5重量%を超えると
架橋により粘着剤がゲル化を起こし易い。
【0044】多官能性モノマーのより好ましい範囲は
0.01〜0.2重量%である。
【0045】このような多官能性モノマーとしては、た
とえば、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリ
レート、テトラ(メタ)アクリレートなどが例示される
が、これに限定されない。より具体的には、ヘキサメチ
レングリコールやオクタメチレングリコールなどのポリ
メチレングリコール類と(メタ)アクリル酸とを結合さ
せて得られるジ(メタ)アクリレート;ポリエチレング
リコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキ
レングリコール類と(メタ)アクリル酸とを結合させて
得られるジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレートやグリセリントリ(メ
タ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート;お
よびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
などのテトラ(メタ)アクリレートが例示される。これ
ら多官能性モノマーは2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0046】粘着剤はたとえば溶液重合により調製され
る。すなわち、攪拌装置と気化溶媒の冷却還流装置とを
備えた反応器に、アルキル基の炭素数4以上18以下の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、アルキル基の
炭素数2以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と、ビニルピロリドンと、必要に応じて多官能性モノマ
ーとの各所定量、および酢酸エチルあるいはその他の一
般的な重合用溶媒を入れ、好ましくは窒素ガスの雰囲気
のもとで、高温たとえば約80℃の温度にて8〜40時
間にわたってラジカル重合反応に供する。各モノマーお
よび溶媒は一括して、あるいは適宜分割して反応器に装
入する。
【0047】触媒(重合開始剤)は反応の進行状況に合
わせて、適宜分割して反応に供する。重合開始剤として
はアゾビス系、過酸化物系などが用いられるが、これら
は限定的なものではない。アゾビス系開始剤の例として
は、2,2' −アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N);1,1' −アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル);2,2' −アゾビス−(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)などが挙げられる。
【0048】過酸化物系開始剤の例としては、過酸化ベ
ンゾイル(BPO);過酸化ラウロイル(LPO);ジ
ターシャルブチルパーオキサイドなどが挙げられる。こ
の重合反応により、通常、固形分が15〜70重量%の
割合で共重合物が得られる。Gel Permeation Chromatog
raphy (GPC)によるスチレン換算での重量平均分子
量は10万〜200万である。残存モノマーはそれぞれ
の全固形分重量に対し4重量%以下である。
【0049】b) 薬物 本発明の経皮吸収製剤に使用される薬物(生理活性物
質)は、経皮的に生体膜を透過しうるものであればよ
く、特に限定されない。
【0050】薬物の例としては、全身麻酔剤、催眠・鎮
静剤、抗癲癇剤、解熱鎮痛消炎剤、ステロイド系抗炎症
剤、興奮剤・覚醒剤、鎮暈剤、精神神経用剤、局所麻酔
剤、骨格筋弛緩剤、自立神経用剤、鎮痙剤、抗パーキン
ソン剤、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿
剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、動脈硬化用
剤、呼吸促進剤、鎮咳去痰剤、消化性潰瘍治療剤、利胆
剤、ホルモン剤、泌尿生殖器および肛門用剤、寄生性皮
膚疾患用剤、皮膚軟化剤、ビタミン剤、無機質製剤、止
血剤、血液凝固阻止剤、肝臓疾患用剤、習慣性中毒用
剤、痛風治療剤、糖尿病用剤、抗悪性腫瘍剤、放射性医
薬品、漢方製剤、抗生物質、化学療法剤、駆虫剤・抗原
虫剤、麻薬などが挙げられる。
【0051】各薬物の代表例を以下に示す。
【0052】解熱鎮痛消炎剤としては、アセトアミノフ
ェン、フェナセチン、メフェナム酸、ジクロフェナック
ナトリウム、フルフェナム酸、アスピリン、サリチル酸
ナトリウム、アミノピリン、アルクロフェナック、イブ
プロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケト
プロフェン、アンフェナクナトリウム、メピリゾール、
インドメタシン、ペンタゾシン、ピロキシカムなどが例
示される。
【0053】ステロイド系抗炎症剤としては、ヒドロコ
ルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメ
タゾン、プレドニゾロンなどが例示される。
【0054】血管拡張剤としては、塩酸ジルチアゼム、
四硝酸ペンタエリスリトール、硝酸イソソルビド、トラ
ジピル、ニコランジル、ニトログリセリン、乳酸プレニ
ラミン、モルシドミン、亜硝酸アミル、塩酸トラゾリン
などが例示される。
【0055】不整脈用剤としては、塩酸プロカインアミ
ド、塩酸リドカイン、塩酸プロプラノロール、塩酸アル
プレノロール、アテノロール、ナドロール、酒石酸メト
プロロール、アジマリン、ジソピラミド、塩酸メキシレ
チンなどが例示される。
【0056】血圧降下剤としては、塩酸エカラジン、イ
ンダパミド、塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロール、塩
酸ラベタロール、カプトプリル、酢酸グアナベンズ、メ
ブタメート、硫酸ベタニジンなどが例示される。
【0057】鎮咳去痰剤としては、クエン酸カルベタペ
ンタン、クロペラスチン、タンニン酸オキセラジン、塩
酸クロブチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸ノスカ
ピン、塩酸エフェドリン、塩酸イソプロテレノール、塩
酸クロルプレナリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸プ
ロカテロール、塩酸ツロブテロール、塩酸クレンブテロ
ール、フマル酸ケトチフェンなどが例示される。
【0058】抗悪性腫瘍剤としては、シクロフォスファ
ミド、フルオロウラシル、デガフール、マイトマイシン
C、塩酸プロカルバジン、ドキシフルリジン、ラニムス
チンなどが例示される。
【0059】局所麻酔剤としては、アミノ安息香酸エチ
ル、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイ
ン、塩酸オキシブプロカイン、塩酸プロピトカインなど
が例示される。
【0060】ホルモン剤としては、プロピルチオウラシ
ル、チアマゾール、酢酸メテノロン、エストラジオー
ル、エストリオール、プロゲステロンなどが例示され
る。
【0061】抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェンヒ
ドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジ
ン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸ジフェニルピラリンな
どが例示される。
【0062】血液凝固阻止剤としては、ワルファリンカ
リウム、塩酸チクロピジンなどが例示される。
【0063】鎮痙剤としては、臭化メチルアトロピン、
スコポラミンなどが例示される。
【0064】全身麻酔剤としては、チオペンタールナト
リウム、ペントバルビタールナトリウムなどが例示され
る。
【0065】催眠・鎮静剤としては、ブロムワレニル尿
素、アモバルビタール、フェノバルビタールなどが例示
される。
【0066】抗癲癇剤としては、フェニトインナトリウ
ムなどが例示される。
【0067】興奮剤・覚醒剤としては、塩酸メタンフェ
タミンなどが例示される。
【0068】鎮暈剤としては、塩酸ジフェンドール、メ
シル酸ベタヒスチンなどが例示される。
【0069】精神神経用剤としては、塩酸クロルプロマ
ジン、チオリダジン、メプロバメート、塩酸イミプラミ
ン、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどが例示され
る。骨格筋弛緩剤としては、塩酸スキサメトニウム、塩
酸エペリゾンなどが例示される。
【0070】自律神経用剤としては、臭化ネオスチグミ
ン、塩化ベタネコールなどが例示される。
【0071】抗パーキンソン剤としては、塩酸アマンタ
ジンなどが例示される。
【0072】利尿剤としては、ヒドロフルメチアジド、
イソソルビド、フロセミドなどが例示される。
【0073】血管収縮剤としては、塩酸フェニレフリン
などが例示される。
【0074】呼吸促進剤としては、塩酸ロベリン、ジモ
ルホラミン、塩酸ナロキソンなどが例示される。
【0075】消化性潰瘍治療剤としては、臭化グリコピ
ロニウム、プログルミド、塩酸セトラキサート、シメチ
ジン、スピゾフロンなどが例示される。
【0076】利胆剤としては、ウルソデスオキシコール
酸、オサルミドなどが例示される。泌尿生殖器および肛
門用剤としては、ヘキサミン、スパルテイン、ジノプロ
スト、塩酸リトドリンなどが例示される。
【0077】寄生性皮膚疾患用剤としては、サリチル
酸、シクロピロクスオラミン、塩酸クロコナゾールなど
が例示される。
【0078】皮膚軟化剤としては、尿素などが例示され
る。
【0079】ビタミン剤としては、カルシトリオール、
塩酸チアミン、リン酸リボフラビンナトリウム、塩酸ピ
リドキシン、ニコチン酸アミド、パンテノール、アスコ
ルビン酸などが例示される。
【0080】無機質製剤としては、塩化カルシウム、ヨ
ウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどが例示される。
【0081】止血剤としては、エタンシラートなどが例
示される。
【0082】肝臓疾患用剤としは、チオプロニンなどが
例示される。
【0083】習慣性中毒用剤としては、シナアミドなど
が例示される。
【0084】痛風治療剤としては、コルヒチン、プロベ
ネシド、スルフィンピラゾンなどが例示される。
【0085】糖尿病用剤としては、トルブタミド、クロ
ルプロパミド、グリミジンナトリウム、グリブゾール、
塩酸ブホルミン、インスリンなどが例示される。
【0086】抗生物質としては、ベンジルペニシリンカ
リウム、プロピシリンカリウム、クロキサシリンナトリ
ウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、
カルベニシリンナトリウム、セファロリジン、セフォキ
シチンナトリウム、エリスロマイシン、クロラムフェニ
コール、テトラサイクリン、硫酸カナマイシン、サイク
ロセリンなどが例示される。
【0087】化学療法剤としては、イソニアジド、ピラ
ジナミド、エチオナミドなどが例示される。
【0088】麻薬としては、塩酸モルヒネ、リン酸コデ
イン、塩酸コカイン、塩酸ペチジンなどが例示される。
【0089】上記の薬物の中で本粘着剤への適用に特に
好ましいのは本粘着剤と相溶性が高い比較的極性の高い
薬物であり、とりわけ硝酸イソソルビド(ISDN)で
ある。ISDNの配合量は粘着剤層中に8〜40重量
%、より好ましくは10〜30重量%の範囲である。
【0090】上記薬物の粘着剤中の薬物配合量は、その
共重合モノマーの組成により適宜決められ、好ましくは
2〜40重量%の範囲である。薬物の粘着剤に対する飽
和溶解度は共重合モノマー組成により変わる。薬物をそ
の飽和溶解度に可能なかぎり近い濃度で粘着剤中に相溶
させ、結晶析出が起こらないようにすることにより、薬
物の高い放出性が得られる。薬物の結晶が析出すると、
通常は粘着性が低下する。ただし、本粘着剤のテープ製
剤の適用において薬物の結晶が析出していても、特に支
障はない。
【0091】c) 吸収促進剤その他配合物 この発明によるテープ製剤では、粘着剤層中に吸収促進
剤を添加することもある。
【0092】吸収促進剤の例としては、脂肪酸エステ
ル、多価アルコール、高級アルコール、有機酸、界面活
性剤、炭化水素などが挙げられる。
【0093】吸収促進剤の具体例としては、下記のもの
が挙げられる。
【0094】脂肪酸エステルとして、ミリスチン酸イソ
プロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オ
クチルドデシル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸
ブチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ステアリン
酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシルなど
のモノエステル:アジピン酸ジイソプロピル、セバシン
酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジオクチ
ルなどのジエステル:クエン酸トリエチルなどのトリエ
ステルなどが例示される。
【0095】多価アルコール脂肪酸エステルとしては、
ジカプリン酸プロピレングリコール、トリオクタン酸グ
リセリル、ソルビタンオレエート、トリパルミチン酸グ
リセリル、中性脂肪酸油脂などが例示される。
【0096】多価アルコールとしては、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどが例示される。
【0097】高級アルコールとしては、セタノール、ベ
ヘニルアルコール、オレイルアルコールなどが例示され
る。
【0098】有機酸としては、乳酸、プロピオン酸、ケ
イ皮酸、ニコチン酸、フタル酸、シュウ酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸などが例示さ
れ、さらにラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸が例示される。
【0099】界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセ
リルモノオレエート、ポリオキシエチレンモノステアレ
ート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルアミンなどの非イオン界面活性剤:
ラウロイルサルコシン、ラウリル硫酸トリエタノールア
ミン、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのアニオン界面
活性剤:レシチンなどの両性活性剤が例示される。
【0100】炭化水素としては、流動パラフィン、スク
ワラン、スクワレンなどが例示される。
【0101】薬物としてISDNを用いる場合には乳酸
が好適である。乳酸の好ましい配合量は粘着剤層中に
0.1〜10重量%の範囲である。この配合量が0.1
重量%未満であると、吸収促進作用が不十分である。ま
た、この配合量が10重量%を超えると貼付部の刺激が
やや大きくなると共に粘着性が低下する。乳酸の特に好
ましい配合量は0.5〜5重量%の範囲である。
【0102】吸収促進剤として乳酸を使用することによ
り、所期の薬効を発現させるに充分な薬物を皮膚を経て
吸収せしめることができると共に、経皮吸収性が増大
し、貼付面積の低減化が図られ、皮膚刺激を少なくする
ことが可能である。
【0103】薬物の経皮吸収性をさらに向上させるため
に、乳酸に加えて別の吸収促進剤を併用してももちろん
差支えない。
【0104】また、この発明によるテープ製剤では、場
合によっては、粘着剤層中に発汗時の貼付性向上剤を配
合することもある。夏場や運動時のような発汗を伴う状
態での貼付においては皮膚面から粘着剤層への水分の供
給が著しく、ある意味では粘着面が入浴時よりも苛酷な
条件となり、テープ製剤が剥れやすくなる。このような
場合に用いる貼付性向上剤としてはジエステルやトリエ
ステルが好ましく、具体的にはセバシン酸ジエチル、ア
ジピン酸ジイソプロピル、トリアセチン、トリブチリ
ン、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどが例示される。特に
好ましい貼付性向上剤はセバシン酸ジエチルであり、セ
バシン酸ジエチルの好ましい配合量は該粘着剤層中に
0.1〜15重量%の範囲である。この配合量が0.1
重量%未満であると発汗時の貼付性向上作用が不十分で
あり、逆に15重量%を超えるとセバシン酸ジエチルを
粘着剤層中に保持できなくなり粘着性が低下する。セバ
シン酸ジエチルの特に好ましい配合量は0.5〜12重
量%の範囲である。
【0105】上記のジエステルやトリエステルの詳細な
作用機序は確たるものでないが、つぎのように考えられ
る。
【0106】発汗時の貼付性向上剤として上記のジエス
テルやトリエステルを用いると、これが基剤を軟化させ
貼付性を向上させると共に、ある程度の親水性を基剤に
付与して吸汗性を高めるため、これによって発汗時での
剥れが防止せられる。この結果、夏場や運動時のような
著しい発汗を伴う状態での貼付においても、テープ製剤
は剥れをきたすことがない。また、この物質によりある
程度の吸収促進効果も期待できる。
【0107】さらに、粘着剤層中には、薬物の安定性を
上げる安定化剤、粘着性の調整のための粘着性付与剤、
軟化剤、充填剤などを配合してもよい。粘着性付与剤の
例としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹
脂、クマロン−インデン樹脂、テルペン−フェノール樹
脂などが挙げられ、好ましくは水添ロジンエステルなど
のロジン系樹脂が用いられる。粘着性付与剤を用いる場
合、これを粘着剤層中に45重量%以下、好ましくは5
〜20重量%、必要に応じて加える。
【0108】d) 支持体 本テープ製剤の支持体としては、柔軟であるがテープ製
剤に自己支持性を付与し、かつ貼付層中の薬物の揮散や
移行を防止する役目を果たすものが使用される。支持体
の素材としては、酢酸セルロース、エチルセルロース、
ポリエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどが例示さ
れる。これら素材はたとえば単層のシートないしフィル
ムや2枚以上の積層体として用いられる。アルミニウム
以外の素材は織布や不織布として使用してもよい。支持
体としては、皮膚面に対して追従性を有する素材よりな
るものが好適に用いられ、特にポリエチレンテレフタレ
ートとエチレン−酢酸ビニル共重合体とのラミネートフ
ィルムなどが好ましい。支持体の厚みは500μm以
下、好ましくは5〜100μmである。
【0109】また、支持体と貼付層との接着性を良好な
らしめるために、支持体にコロナ処理、プラズマ放電処
理を施したり、アンカーコート剤を塗布することもあ
る。
【0110】e) 剥離紙 テープ製剤は、使用時までその貼付層表面を保護するた
めに通常はその貼付面に剥離紙を備えている。剥離紙と
してはポリエチレンテレフタレートのフィルムをシリコ
ン処理してなるものがよく用いられるが、これは限定的
なものではない。剥離紙の厚みは1000μm以下、好
ましくは30〜200μmである。
【0111】f) 調製法 この発明によるテープ製剤の製法としては、通常の粘着
テープの製造方法が適用できる。その代表例は溶剤塗工
法であり、これ以外にもホットメルト塗工法、電子線硬
化エマルジョン塗工法などが用いられる。
【0112】この発明によるテープ製剤を溶剤塗工法で
製造するには、たとえば、粘着性基剤、薬物および吸収
促進剤、さらに必要に応じて他の配合剤を適当な溶媒に
溶解ないし分散させ、得られた溶液ないし分散液を支持
体表面に直接塗布・乾燥し、厚み10〜200μmの貼
付層を形成する。また、この溶液ないし分散液を保護用
の剥離紙上に塗布し、乾燥後に得られた貼付層を支持体
に密着させてもよい。貼付層の厚みは使用目的により異
なるが、通常、10〜200μmの範囲である。この厚
みが10μmを下回ると必要量の薬物を含有することが
できず、粘着性も不十分である。厚みが200μmを上
回ると支持体付近の貼付層に含有される薬物が充分に拡
散せず、薬物放出性が低下する。
【0113】
【発明の効果】この発明のテープ製剤によれば、粘着剤
は比較的極性の高い薬物との相溶性が良好で、粘着剤へ
の薬物の溶解性が高く、粘着剤中に含有される薬物量が
多いので、皮膚に粘着剤を貼付後、長時間有効な放出性
が保持される。
【0114】また、比較的極性が高い薬物に対し、高い
溶解性を有しているにもかかわらず、粘着性も良好で、
発汗時あるいは入浴時の粘着剤の耐水性も良好である。
【0115】さらに、テープ製剤の問題点でもある皮膚
刺激性が極めて少ない。
【0116】本発明によるテープ製剤の一形態では、薬
物としてISDNが用いられ、吸収促進剤として乳酸が
含有されているので、所期の薬効を発現させるに充分な
量のISDNを皮膚を経て吸収せしめることができると
共に、吸収促進剤による皮膚刺激を大巾に低減すること
ができる。
【0117】本発明によるテープ製剤のもう一つの形態
では、発汗時の貼付性向上剤としてセバシン酸ジエチル
が含有されているので、著しい発汗を伴う状態において
も、テープ製剤は剥れを生じることがなく、長時間の貼
付が可能である。
【0118】
【実施例】つぎに、この発明を具体的に説明するため
に、この発明の一例を示す実施例およびこれとの比較を
示す比較例をいくつか挙げ、さらに得られた各製剤の性
能試験結果を示す。
【0119】テープ製剤の調製 実施例1 2−エチルヘキシルアクリレート40重量%(80g)
と、メチルアクリレート35重量%(70g)と、ビニ
ルピロリドン25重量%(50g)とをセパラブルフラ
スコに仕込み、重合初期モノマー濃度が50重量%にな
るように酢酸エチル200gを加えた。この溶液を窒素
雰囲気下で80℃に加熱し、重合開始剤である過酸化ラ
ウロイル1gを酢酸エチル100mlに溶解してなる溶
液の全量を逐次少量ずつに分けて添加し、32時間重合
反応を行なった。
【0120】生成した重合物をセパラブルフラスコから
取り出し、薬物としてピロキシカムのテトラヒドロフラ
ン溶液を、固形分(酢酸エチルとテトラヒドロフランの
蒸発除去後の重合物とピロキシカムの重量和)が25重
量%となるように、また、ピロキシカムの固形分中の濃
度が6重量%になるように加えた(重合物に対するピロ
キシカムの配合量はピロキシカムを配合し、長期間静置
した時、結晶が析出しない上限の量とした)。
【0121】この溶液をシリコン処理した厚さ35μm
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片
面上に塗布し、60℃で30分間乾燥させ、厚み170
μmの粘着剤層を形成した。ついでこの粘着剤層上に厚
さ10μmのPETフィルムからなる支持体を貼り合わ
せた。
【0122】こうして得られた層状物を面積10cm2
に切断し、1製剤中にピロキシカム10mgを含有する
テープ製剤を調製した。
【0123】実施例2 2−エチルヘキシルアクリレート40重量%(80g)
と、メチルアクリレート35重量%(70g)と、ビニ
ルピロリドン25重量%(50g)とを実施例1と同様
の操作で重合し、重合物を得た。薬物としてISDNの
酢酸エチル溶液を用い、これを実施例1と同様の操作で
重合物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、IS
DNの固形分中の濃度は30重量%にし、乾燥後の粘着
剤層の厚みは33μmにした。
【0124】実施例3 2−エチルヘキシルアクリレート40重量%(80g)
と、メチルアクリレート35重量%(70g)と、ビニ
ルピロリドン25重量%(50g)とを実施例1と同様
の操作で重合し、重合物を得た。薬物としてインドメタ
シンのテトラヒドロフラン溶液を用い、これを実施例1
と同様の操作で重合物に配合し、テープ製剤を調製し
た。ただし、インドメタシンの固形分中の濃度は14重
量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは70μmにした。
【0125】実施例4 オクチルアクリレート40重量%(80g)と、エチル
アクリレート50重量%(100g)と、ビニルピロリ
ドン10重量%(20g)と、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート0.02重量%(40mg)とを実
施例1と同様の操作で重合し、重合物を得た。薬物とし
てピロキシカムのテトラヒドロフラン溶液を実施例1と
同様の操作で重合物に配合し、テープ製剤を調製した。
ただし、ピロキシカムの固形分中の濃度は7重量%に
し、乾燥後の粘着剤層の厚みは140μmにした。
【0126】実施例5 実施例4と同様の操作で重合反応を行なって、重合物を
得た。薬物としてISDNの酢酸エチル溶液を用い、こ
れを実施例1と同様の操作で重合物に配合し、テープ製
剤を調製した。ただし、ISDNの固形分中の濃度は1
8重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは56μmにし
た。
【0127】実施例6 実施例4と同様の操作で重合反応を行なって、重合物を
得た。薬物としてインドメタシンのテトラヒドロフラン
溶液を用い、これを実施例1と同様の操作で重合物に配
合し、テープ製剤を調製した。ただし、インドメタシン
の固形分中の濃度は13重量%にし、乾燥後の粘着剤層
の厚みは77μmにした。
【0128】比較例1 2−エチルヘキシルアクリレート70重量%(140
g)と、ビニルピロリドン30重量%(60g)と、ヘ
キサメチレングリコールジメタクリレート0.02重量
%(40mg)とを実施例1と同様の操作で重合し、重
合物を得た。薬物としてピロキシカムのテトラヒドロフ
ラン溶液を実施例1と同様の操作で重合物に配合し、テ
ープ製剤を調製した。ただし、ピロキシカムの固形分中
の濃度は5重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは20
0μmにした。
【0129】比較例2 2−エチルヘキシルアクリレート70重量%(140
g)と、ビニルピロリドン30重量%(60g)と、ヘ
キサメチレングリコールジメタクリレート0.02重量
%(40mg)とを実施例1と同様の操作で重合し、重
合物を得た。薬物としてISDNの酢酸エチル溶液を用
い、これを実施例1と同様の操作で重合物に配合し、テ
ープ製剤を調製した。ただし、ISDNの固形分中の濃
度は20重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは50μ
mにした。
【0130】比較例3 2−エチルヘキシルアクリレート70重量%(140
g)と、ビニルピロリドン30重量%(60g)と、ヘ
キサメチレングリコールジメタクリレート0.02重量
%(40mg)とを実施例1と同様の操作で重合し、重
合物を得た。薬物としてインドメタシンのテトラヒドロ
フラン溶液を用い、これを実施例1と同様の操作で重合
物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、インドメ
タシンの固形分中の濃度は9重量%にし、乾燥後の粘着
剤層の厚みは110μmにした。
【0131】実施例9 2−エチルヘキシルアクリレート35重量%(70g)
と、エチルアクリレート55重量%(110g)と、ビ
ニルピロリドン10重量%(20g)とを実施例と同
様の操作で重合し、重合物を得た。薬物としてISDN
の酢酸エチル溶液を用い、これを実施例と同様の操作
で重合物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、I
SDNの固形分中の濃度は20重量%にし、乾燥後の粘
着剤層の厚みは50μmにした。
【0132】実施例11 オクチルアクリレート45重量%(90g)と、エチル
アクリレート35重量%(70g)と、ビニルピロリド
ン20重量%(40g)とを実施例と同様の操作で重
合し、重合物を得た。薬物としてISDNの酢酸エチル
溶液を用い、これを実施例と同様の操作で重合物に配
合し、テープ製剤を調製した。ただし、ISDNの固形
分中の濃度は21重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚み
は48μmにした。
【0133】比較例4 オクチルアクリレート20重量%(40g)と、エチル
アクリレート80重量%(160g)とを実施例と同
様の操作で重合し、重合物を得た。薬物としてISDN
の酢酸エチル溶液を実施例と同様の操作で重合物に配
合し、テープ製剤を調製した。ただし、ISDNの固形
分中の濃度は18重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚み
は56μmにした。
【0134】比較例5 ブチルアクリレート30重量%(60g)と、メチルア
クリレート15重量%(30g)と、ビニルピロリドン
55重量%(110g)とを実施例と同様の操作で重
合し、重合物を得た。薬物としてISDNの酢酸エチル
溶液を実施例と同様の操作で重合物に配合し、テープ
製剤を調製した。ただし、ISDNの固形分中の濃度は
33重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは30μmに
した。
【0135】比較例6 2−エチルヘキシルアクリレート30重量%(60g)
と、エチルアクリレート25重量%(50g)と、ビニ
ルピロリドン45重量%(90g)とを実施例と同様
の操作で重合し、重合物を得た。薬物としてISDNの
酢酸エチル溶液を実施例と同様の操作で重合物に配合
し、テープ製剤を調製した。ただし、ISDNの固形分
中の濃度は32重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは
31μmにした。
【0136】比較例7 オクチルアクリレート45重量%(90g)と、メチル
アクリレート15重量%(30g)と、ビニルピロリド
ン40重量%(80g)とを実施例7と同様の操作で重
合し、重合物を得た。薬物としてISDNの酢酸エチル
溶液を実施例7と同様の操作で重合物に配合し、テープ
製剤を調製した。ただし、ISDNの固形分中の濃度は
28重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは36μmに
した。
【0137】比較例8 ヘキシルアクリレート45重量%(90g)と、エチル
アクリレート55重量%(110g)とを実施例と同
様の操作で重合し、重合物を得た。薬物としてISDN
の酢酸エチル溶液を実施例と同様の操作で重合物に配
合し、テープ製剤を調製した。ただし、ISDNの固形
分中の濃度は15重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚み
は67μmにした。
【0138】比較例9 2−エチルヘキシルアクリレート55重量%(110
g)と、ビニルピロリドン45重量%(90g)とを実
施例と同様の操作で重合し、重合物を得た。薬物とし
てISDNの酢酸エチル溶液を実施例と同様の操作で
重合物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、IS
DNの固形分中の濃度は32重量%にし、乾燥後の粘着
剤層の厚みは31μmにした。
【0139】比較例10 2−エチルヘキシルアクリレート85重量%(170
g)と、ビニルピロリドン15重量%(30g)とを実
施例と同様の操作で重合し、重合物を得た。薬物とし
てISDNの酢酸エチル溶液を実施例と同様の操作で
重合物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、IS
DNの固形分中の濃度は15重量%にし、乾燥後の粘着
剤層の厚みは67μmにした。
【0140】比較例11 ヘキシルアクリレート55重量%(110g)と、メチ
ルアクリレート15重量%(30g)と、ビニルピロリ
ドン30重量%(60g)とを実施例と同様の操作で
重合し、重合物を得た。薬物としてISDNの酢酸エチ
ル溶液を実施例と同様の操作で重合物に配合し、テー
プ製剤を調製した。ただし、ISDNの固形分中の濃度
は22重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは45μm
にした。
【0141】比較例12 オクチルアクリレート55重量%(110g)と、エチ
ルアクリレート25重量%(50g)、ビニルピロリド
ン20重量%(40g)とを実施例と同様の操作で重
合し、重合物を得た。薬物としてISDNの酢酸エチル
溶液を実施例と同様の操作で重合物に配合し、テープ
製剤を調製した。ただし、ISDNの固形分中の濃度は
20重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは50μmに
した。
【0142】比較例13 2−エチルヘキシルアクリレート80重量%(160
g)と、エチルアクリレート20重量%(40g)とを
実施例と同様の操作で重合し、重合物を得た。薬物と
してISDNの酢酸エチル溶液を実施例と同様の操作
で重合物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、I
SDNの固形分中の濃度は8重量%にし、乾燥後の粘着
剤層の厚みは125μmにした。
【0143】比較例14 2−エチルヘキシルアクリレート90重量%(180
g)と、アクリル酸10重量%(20g)とを実施例
と同様の操作で重合し、重合物を得た。薬物としてIS
DNの酢酸エチル溶液を実施例と同様の操作で重合物
に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、ISDNの
固形分中の濃度は12重量%にし、乾燥後の粘着剤層の
厚みは85μmにした。
【0144】実施例13 2−エチルヘキシルアクリレート40重量%(80g)
と、メチルアクリレート35重量%(70g)と、ビニ
ルピロリドン25重量%(50g)とを実施例1と同様
の操作で重合し、重合物を得た。薬物としてISDNの
酢酸エチル溶液を用い、さらに吸収促進剤として乳酸を
用い、これらを実施例1と同様の操作で重合物に配合
し、テープ製剤を調製した。ただし、ISDNおよび乳
酸の固形分中の濃度はそれぞれ23重量%および5.0
重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは43μmにし
た。
【0145】実施例14 実施例4と同様の操作で重合反応を行なって、重合物を
得た。薬物としてISDNの酢酸エチル溶液を用い、さ
らに吸収促進剤として乳酸を用い、これらを実施例1と
同様の操作で重合物に配合し、テープ製剤を調製した。
ただし、ISDNおよび乳酸の固形分中の濃度はそれぞ
れ18重量%および3.0重量%にし、乾燥後の粘着剤
層の厚みは56μmにした。
【0146】実施例15 オクチルアクリレート40重量%(80g)と、エチル
アクリレート50重量%(100g)と、ビニルピロリ
ドン10重量%(20g)とを実施例1と同様の操作で
重合し、重合物を得た。薬物としてISDNの酢酸エチ
ル溶液を用い、さらに吸収促進剤として乳酸を、粘着性
付与剤として水添ロジンエステル(「エステルガムH」
荒川化学社製)をそれぞれ用い、これらを実施例1と同
様の操作で重合物に配合し、テープ製剤を調製した。た
だし、ISDN、乳酸および水添ロジンエステルの固形
分中の濃度はそれぞれ12重量%、3.0重量%および
25重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは83μmに
した。
【0147】実施例16 実施例15と同様の操作で重合反応を行なって、重合物
を得た。薬物としてISDNの酢酸エチル溶液を用い、
さらに吸収促進剤として乳酸を、粘着性付与剤として水
添ロジンエステル(「エステルガムH」荒川化学社製)
をそれぞれ用い、これらを実施例1と同様の操作で重合
物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、ISD
N、乳酸および水添ロジンエステルの固形分中の濃度は
それぞれ15重量%、3.0重量%および10重量%に
し、乾燥後の粘着剤層の厚みは67μmにした。
【0148】比較例15 2−エチルヘキシルアクリレート85重量%(170
g)と、ビニルピロリドン15重量%(30g)とを実
施例1と同様の操作で重合し、重合物を得た。薬物とし
てISDNの酢酸エチル溶液を用い、さらに吸収促進剤
として乳酸を用い、これらを実施例1と同様の操作で重
合物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、ISD
Nおよび乳酸の固形分中の濃度はそれぞれ15重量%お
よび5.0重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは67
μmにした。
【0149】実施例17 実施例4と同様の操作で重合反応を行なって、重合物を
得た。薬物としてISDNの酢酸エチル溶液を用い、さ
らに発汗時の貼付性向上剤としてセバシン酸ジエチルを
用い、これらを実施例1と同様の操作で重合物に配合
し、テープ製剤を調製した。ただし、ISDNおよびセ
バシン酸ジエチルの固形分中の濃度はそれぞれ18重量
%および1重量%とし、乾燥後の粘着剤層の厚みは56
μmにした。
【0150】実施例18 セバシン酸ジエチルの濃度を10重量%とした以外は実
施例17と同様の操作によりテープ製剤を調製した。
【0151】比較例16 セバシン酸ジエチルの濃度を20重量%とした以外は実
施例17と同様の操作によりテープ製剤を調製した。
【0152】実施例19 実施例15と同様の操作で重合反応を行なって、重合物
を得た。薬物としてISDNの酢酸エチル溶液を用い、
さらに吸収促進剤として乳酸を、発汗時の貼付性向上剤
としてセバシン酸ジエチルを、粘着性付与剤として水添
ロジンエステル(「エステルガムH」荒川化学社製)を
それぞれ用い、これらを実施例1と同様の操作で重合物
に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、ISDN、
乳酸、セバシン酸ジエチルおよび水添ロジンエステルの
固形分中の濃度はそれぞれ15重量%、3.0重量%、
5重量%および10重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚
みは67μmにした。
【0153】実施例20 実施例4と同様の操作で重合反応を行なって、重合物を
得た。薬物としてインドメタシンのテトラヒドロフラン
溶液を用い、さらに発汗時の貼付性向上剤としてセバシ
ン酸ジエチルを用い、これらを実施例1と同様の操作で
重合物に配合し、テープ製剤を調製した。ただし、イン
ドメタシンおよびセバシン酸ジエチルの固形分中の濃度
はそれぞれ13重量%および5重量%とし、乾燥後の粘
着剤層の厚みは77μmにした。
【0154】実施例21 実施例4と同様の操作で重合反応を行なって、重合物を
得た。薬物としてISDNの酢酸エチル溶液を用い、さ
らに吸収促進剤として乳酸を、発汗時の貼付性向上剤と
してセバシン酸ジエチルをそれぞれ用い、これらを実施
例1と同様の操作で重合物に配合し、テープ製剤を調製
した。ただし、ISDN、乳酸およびセバシン酸ジエチ
ルの固形分中の濃度はそれぞれ17重量%、3.0重量
%および10重量%とし、乾燥後の粘着剤層の厚みは5
9μmにした。
【0155】テープ剤の性能試験 i)ヒト皮膚貼付性試験 実施例および比較例の各テープ製剤について、試験1に
示す手法によりヒトの皮膚に対するテープ製剤の貼付性
試験を行なった。
【0156】また、実施例5、16、17、18、1
9、20および21、ならびに比較例16の各テープ製
剤については、試験2に示す手法によりヒトの発汗時に
おける皮膚に対するテープ製剤の貼付性試験を行なっ
た。
【0157】試験1 各テープ製剤を剥離紙除去後ヒトの前腕に貼付し、貼付
2時間後に製剤を剥離し、その粘着力を官能により下記
の基準で評価した。また、耐水性を調べるために、貼付
2時間後入浴し、製剤を剥離し、その粘着力を官能によ
り下記の基準で評価した。繰り返し回数は3回とした。
得られた結果を表1、表2、表3および表4に示す。
【0158】これらの表中、ヒト皮膚貼付性の欄におけ
る各印はそれぞれつぎの意味を示す。
【0159】 ○:充分な粘着性を有する △:粘着性がやや不十分である ×:粘着性が弱く、使用上問題がある
【0160】試験2 各テープ製剤を剥離紙除去後ヒトの前腕に貼付し、運動
を行なって30分間発汗状態を継続した後、製剤の剥れ
の状態と剥離時の粘着力を官能により下記の基準で評価
した。繰り返し数回は4回とした。得られた結果を表4
に示す。
【0161】表4中、耐汗性の欄における数値はそれぞ
れつぎの意味を示す。
【0162】 5:全く剥れは認められず、粘着力も十分である 4:わずかに剥れが認められるが、粘着力は十分である 3:わずかに剥れが認められ、粘着力もやや不十分であ
る 2:ほとんど剥れており、粘着力が弱い 1:30分以内に剥れる
【0163】ii) ウサギ皮膚の薬物移行性試験 実施例および比較例の各テープ製剤について、試験3に
示す手法によりウサギの皮膚に対する薬物の移行性試験
を行なった。
【0164】試験3 日本白色種のウサギの脱毛した背部にテープ製剤の試験
片(面積10cm2 )を貼付し、24時間後これを剥離
して回収した。回収試験片をメタノールで抽出処理し、
テープ製剤中の薬物の残存量を高速液体クロマトグラフ
法により測定した。テープ製剤の当初の薬物量10mg
と試験後の残存量の差を24時間の皮膚移行量とした。
繰り返し回数は各製剤毎に4回とした。
【0165】各回における測定値の総和を繰り返し回数
4で割った平均値を各々のテープ製剤の皮膚移行量とし
た。得られた結果を表1、表2、表3および表4に示
す。
【0166】iii) ウサギ皮膚刺激性試験 実施例および比較例の各テープ製剤について、試験4に
示す手法によりウサギの皮膚に対する刺激性試験を行な
った。
【0167】試験4 試験3と同じ手法で処理したウサギの背部皮膚にテープ
製剤を24時間貼付した後、剥離し、剥離直後および剥
離1時間後の皮膚の紅斑状態を目視で観察した。なお、
本試験において、浮腫および痂皮の形成は認められなか
った。繰り返し回数は各製剤毎に4回とした。
【0168】紅斑の程度は下記の0〜4の5段階の判定
基準で評価した。
【0169】 0…紅斑なし 1…かろうじて識別できる軽度の紅斑 2…明らかな紅斑 3…中程度の紅斑 4…深紅色の強い紅斑 各回における評点の総和を繰り返し回数4で割った平均
値を各々のテープ製剤の皮膚刺激指数とした。得られた
結果を表1、表2、表3および表4に示す。
【0170】iv) ウサギ皮膚糊残り試験 実施例および比較例の各テープ製剤について、試験5に
示す手法によりウサギの皮膚における糊残りを調べた。
【0171】試験5 試験4と同じ操作でテープ製剤を24時間貼付し、剥離
直後の糊残りの有無を目視で観察した。繰り返し回数は
各製剤毎に4回とした。
【0172】評価基準は下記の通りである。
【0173】 0:糊残りなし 1:ごく一部に糊残りを認める。
【0174】平均値(評価点の総和を繰り返し数4で割
った値)を各製剤の糊残り指数とした。得られた結果を
表1、表2、表3および表4に示す。
【0175】
【表1】
【0176】
【表2】
【0177】
【表3】
【0178】
【表4】
【0179】上記各性能試験結果から明らかなように、
本発明によるテープ製剤は、比較的極性の高い薬物に対
し高い放出性を長時間維持すること、粘着性が良好で皮
膚に長時間密着すること、放出性が同じ水準の他の製剤
と比較して皮膚に貼付後の発汗時および入浴時において
も耐水性がよいこと、皮膚刺激性が少ないことが認めら
れる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/00 - 9/72 A61K 47/00 - 47/48 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物を相溶状態で含む粘着剤からなる粘
    着剤層が支持体上に保持されているテープ製剤におい
    て、該粘着剤が、アルキル基の炭素数4以上18以下の
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルを30〜45重量
    %、アルキル基の炭素数2以下の(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステルを30〜60重量%、ビニルピロリドン
    を2〜40重量%の割合で重合してなる共重合物である
    ことを特徴とするテープ製剤。
  2. 【請求項2】 該薬物が硝酸イソソルビドであり、その
    粘着剤層中の濃度が8〜40重量%である請求項1記載
    のテープ製剤。
  3. 【請求項3】 該粘着剤層中に乳酸が0.1〜10重量
    %含まれている請求項2記載のテープ製剤。
  4. 【請求項4】 該粘着剤層中にセバシン酸ジエチルが
    0.1〜15重量%含まれている請求項1〜3のうちい
    ずれか1記載のテープ製剤。
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