JPH07165563A - テープ製剤 - Google Patents

テープ製剤

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JPH07165563A
JPH07165563A JP30777793A JP30777793A JPH07165563A JP H07165563 A JPH07165563 A JP H07165563A JP 30777793 A JP30777793 A JP 30777793A JP 30777793 A JP30777793 A JP 30777793A JP H07165563 A JPH07165563 A JP H07165563A
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JP
Japan
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hydrochloride
meth
sensitive adhesive
pressure
agent layer
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Pending
Application number
JP30777793A
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English (en)
Inventor
Sumiko Kawaguchi
須美子 川口
Hiroko Shimozono
浩子 下薗
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP30777793A priority Critical patent/JPH07165563A/ja
Publication of JPH07165563A publication Critical patent/JPH07165563A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】粘着剤層が、柔軟性を有するにもかかわらず、
バランスのとれた接着力と凝集力を有するので、微弱な
接着力でありながら皮膚面によく密着し、皮膚刺激や皮
膚損傷の殆どないテープ製剤を提供する。 【構成】支持体の片面に可塑化液体及び薬剤を含有する
粘着剤層が形成されたテープ製剤であって、該粘着剤層
の、固有粘着力、振動数10〜100Hzで温度60〜
70℃における動的剪断弾性率(G')及び遅れ角(ta
nδ)が特定の条件に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテープ製剤に関し、特に
皮膚や粘膜などの生体膜に貼付して体内循環器系へ投与
するのに用いられるテープ製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薬物を皮膚を通して生体内へ投与
するためにテープ製剤が開発されており、このようなテ
ープ製剤は、同じ皮膚表面に繰り返して貼付されること
から、(イ)貼着面にかぶれや痛みを与えないこと、
(ロ)貼付中に位置ずれや剥がれを起こさないこと、
(ハ)剥離する際に皮膚に痛みを与えたり皮膚損傷を起
こさないこと、(ニ)薬剤が皮膚中に速やかに吸収され
ること等の条件を満足することが要求されている。
【0003】しかしながら、一般にテープ製剤の接着力
が強くなり過ぎて、皮膚から剥離する際に体毛や表皮を
剥ぎ取ることがあるので、苦痛を与えたり、皮膚の弱い
ところほど損傷を受け易いという問題点があった。
【0004】上記接着力が強くなり過ぎる理由として、
例えば、アクリル系粘着剤の場合、(メタ)アクリル酸
のような高い凝集性と接着性を付与するモノマーが共重
合されていることが挙げられる。しかし、高凝集性及び
高接着性を付与するモノマーを除外すると、粘着剤の凝
集力のバランスが失われ、皮膚からテープ製剤を剥離す
る際に粘着剤が凝集破壊して糊残りを起こすという問題
点があった。
【0005】このような問題点を解決するために、透明
基材に透明な再剥離性粘着剤層が形成され、粘着剤層の
剥離接着力を100〜300g/cmとするこにより、
基材に対する接着力と凝集力が被着体に対する剥離接着
力よりも大きなフィルムが開示されている(特開平4−
345681号公報)。
【0006】また、粘着剤層が粘着剤と薬剤からなり、
粘着剤層の、粘着力が100〜500g/15mm、振
動数10〜100Hzで温度60〜70℃における動的
剪断弾性率(G')が2×104 〜9×105 dyne/
cm2 であり、かつそのときの遅れ角(tanδ)が
0.1〜1.5である貼着薬が開示されている(特公平
3−31162号公報)。
【0007】しかしながら、上記フィルム及び貼着薬は
共に粘着力が高すぎるため、皮膚面によく接着するもの
の、皮膚刺激が生じたり、剥離時に皮膚損傷を起こす恐
れがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、粘着剤層が、柔軟性を有するにもかかわらず、接着
力と凝集力の性能バランスが優れ、微弱な接着力であり
ながら皮膚面によく密着し、皮膚刺激の殆どないテープ
製剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】本発明のテープ製剤は、支持体の片面に粘
着剤層が設けられ、該粘着剤層は可塑剤及び薬剤を含有
する粘着剤組成物から形成される。
【0011】上記支持体としては、柔軟性を有し、粘着
剤層中の薬物の揮散や移行を防止するものが好ましく、
例えば、酢酸セルロ−ス、エチルセルロ−ス、ポリエチ
レンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、可塑化ポ
リ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニリデン等のフィルム又はシートの単独又は二種以上
の積層体;アルミニウムシートなどが挙げられ、特にポ
リエチレンテレフタレート/エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−(メ
タ)アクリル酸メチル共重合体等の積層体が好ましい。
【0012】また、上記支持体としては、綿、ポリエス
テル、レーヨン、ポリプロピレンなどの織布又は不織布
などが挙げられ、これらは単層もしくは積層体として用
いられる。
【0013】上記支持体の厚みは、使用感を考慮して、
500μm以下が好ましく、より好ましくは5〜150
μmである。
【0014】上記粘着剤としては、常温で感圧性を有す
るアクリル系粘着剤が好ましく、アクリル粘着剤として
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体
を主成分とするものが好ましく、該(メタ)アクリル酸
アルキルエステル(共)重合体は、炭素数1〜18の脂
肪族アルコールと(メタ)アクリル酸から得られる(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとの(共)重
合体、あるいは該(メタ)アクリル酸アルキルエステル
モノマーとその他の官能性モノマーとの共重合体が好適
に用いられる。
【0015】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)ア
クリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、
(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、これらの
1種もしくは2種以上が使用される。
【0016】上記官能性モノマーとしては、水酸基を有
するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、アミ
ド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマー、ピ
ロリンドン環を有するモノマーなどが挙げられる。
【0017】上記水酸基を有するモノマーとしては、例
えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキル等が好適に使用される。
【0018】また、上記カルボキシル基を有するモノマ
ーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸などのα,β
−不飽和カルボン酸;マレイン酸ブチルなどのマレイン
酸モノアルキルエステル;(無水)マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸等が好適に使用される。
【0019】アミド基を有するモノマーとしては、例え
ば、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチ
ルアクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミ
ド;ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルア
クリルアミドなどのアルキルエーテルメチロール(メ
タ)アクリルアミド;ジアセトンアクリルアミド等が好
適に使用される。
【0020】アミノ基を有するモノマーとしては、例え
ば、ジメチルアミノエチルアクリレート等が好適に使用
される。
【0021】ピロリドン環を有するモノマーとしてはN
−ビニルピロリドン等が好適に使用される。
【0022】上記以外の官能性モノマーとしては、酢酸
ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、
アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエン
等も使用可能である。
【0023】アクリル系粘着剤には、さらに必要に応じ
て、薬剤の放出性や低刺激性に何ら悪影響を与えない範
囲で、他のモノマーと共重合可能な多官能性モノマーが
添加されてもよい。この多官能性モノマーにより、生成
する共重合体間にごくわずかの架橋が生じ、粘着剤の内
部凝集力が増大する。この内部凝集力により、貼付され
た皮膚の性状や発汗量に関係なく、経皮吸収貼付剤剥離
時に生じるいわゆる糊残り現象がほぼ解消される。
【0024】上記多官能性モノマーとしては、例えば、
ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、
テトラ(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、
ヘキサメチレングリコールやオクタメチレングリコール
などのポリメチレングリコール類と(メタ)アクリル酸
を反応させて得られるジ(メタ)アクリレート;ポリメ
チレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリ
アルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸を反応さ
せて得られるジ(メタ)アクリレート;トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレートやグリセリン(メ
タ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート及び
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど
のテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの
多官能性モノマーは、2種以上併用してもよい。
【0025】上記多官能性モノマーの使用量は、少なく
なると粘着剤の架橋による内部凝集力向上の効果がな
く、多くなると粘着剤がゲル化を起こし易く、薬剤の拡
散及び放出に悪影響を及ぼすので、粘着剤に使用される
全モノマー中、0.005〜0.5重量%が好ましい。
【0026】上記アクリル系粘着剤は、例えば、重合開
始剤の存在下で、上述のモノマーを配合して溶液重合を
行うことにより調製される。
【0027】上記薬剤としては、経皮的に生体膜を透過
しうるものであれば、特に限定されず、具体的に次のも
のが挙げられる。
【0028】アセトアミノフェノン、フェナセチン、メ
フェナム酸、ジクロフェナックナトリウム、フルフェナ
ム酸、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、アミノピリ
ン、アルクロフェナック、イブプロフェン、ナプロキセ
ン、フルルピプロフェン、ケトプロフェン、アンフェナ
ックナトリウム、メピリゾール、インドメタシン、ペン
タゾシン、ピロキシカム等の解熱鎮痛消炎剤;ヒドロコ
ルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、プレド
ニゾロン等のステロイド系抗炎症剤。
【0029】塩酸ジルチアゼム、四硝酸ペンタエリスリ
トール、硝酸イソソルビド、トラジピル、ニコランジ
ル、ニトログリセリン、乳酸プレニラミン、モルシドミ
ン、亜硝酸アミル、塩酸トラゾリン、ニフェジピン等の
血管拡張剤;塩酸プロカインアミド、塩酸リドカイン、
塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、アテノ
ロール、ナドロール、酒石酸メトプロロール、アジマリ
ン、ジソピラミド、塩酸メキシレチン等の不整脈用剤;
塩酸エカラジン、インダパミド、塩酸クロニジン、塩酸
ブニトロロール、塩酸ラベタロール、カプトプリル、酢
酸グアナベンズ、メブタメート、硫酸ベタニジン等の血
圧降下剤。
【0030】クエン酸カルベタペンタン、クロペラスチ
ン、タンニン酸オキセラジン、塩酸クロプチノール、塩
酸クロフェダノール、塩酸ノスカピン、塩酸エフェドリ
ン、塩酸イソプロテレノール、塩酸クロルプレナリン、
塩酸メトキシフェナミン、塩酸プロカテロール、塩酸ツ
ロプテロール、塩酸クレンプテロール、フマル酸ケトチ
フェン等の鎮咳去痰剤。
【0031】シクロフォスファミド、フルオロウラシ
ル、デガフール、マイトマイシンC、塩酸プロカルバジ
ン、ドキシフルリジン、ラニムスチン等の抗悪性腫瘍
剤;アミノ安息香酸エチル、塩酸テトラカイン、塩酸ブ
ロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸オキシブプロカイン、
塩酸プロピトカイン等の局所麻酔剤。
【0032】プロピルチオウラシル、チアマゾール、酢
酸メテロノン、エストラジオール、エストリオール、プ
ロゲステロン等のホルモン剤;塩酸ジフェンヒドラミ
ン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン、塩
酸シプロヘプタジン、塩酸ジフェニルピラリンの等の抗
ヒスタミン剤。
【0033】ワルファリンカリウム、塩酸チクロピジン
等の血液凝固阻止剤;臭化メチルアトロピン、スコポラ
ミン等の鎮痙剤;チオペンタールナトリウム、ペントバ
ルビタールナトリウム等の全身麻酔剤;ブロムワレニル
尿素、アモバルビタール、フェノバルビタール等の催眠
・鎮痛剤;フェニトインナトリウム等の抗癲癇剤。
【0034】塩酸メタンフェタミン等の興奮剤・覚醒
剤;塩酸ジフェンドール、メシル酸ベタヒスチン等の鎮
暈剤;塩酸クロルプロマジン、チオリダジン、メプロバ
メート、塩酸イミプラミン、クロルジアゼポキシド、ジ
アゼパム等の精神神経用剤;塩酸スキサメトニウム、塩
酸エペリゾン等の骨格筋弛緩剤;臭化ネオスチグミン、
塩化ベタネコール等の自律神経用剤;塩酸アマンタジン
等の抗パーキンソン剤。
【0035】ヒドロフルメチアジド、イソソルビド、フ
ロセミド等の利尿剤;塩酸フェニレフリン等の血管収縮
剤;塩酸ロベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等
の呼吸促進剤;臭化グリコピロニウム、プログルミド、
塩酸セトラキサート、シメチジン、スピゾフロン等の消
化性潰瘍治療剤;ウルソデスオキシコール酸、オサルミ
ド等の利胆剤;ヘキサミン、スパルティン、ジノプロス
ト、塩酸リトドリン等の泌尿生殖器及び肛門用剤。
【0036】サリチル酸、シクロピロクスオラミン、塩
酸クロコナゾール等の寄生性皮膚疾患用剤;尿素等の皮
膚軟化剤;カルシトリオール、塩酸チアミン、リン酸リ
ボフラピンナトリウム、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸
アミド、パンテノール、アスコルビン酸等のビタミン
剤;塩化カルシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウ
ム等の無機質製剤。
【0037】エタンシラート等の止血剤;チオプロニン
等の肝臓疾患用剤;シアナミド等の習慣性中毒用剤;コ
ルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等の通風
治療剤;トルブタミド、クロルプロパミド、グリミジン
ナトリウム、グリプゾール、塩酸プホルミン、インスリ
ン等の糖尿病用剤。
【0038】ベンジルペニシリンカリウム、プロピシリ
ンカリウム、クロキサシリンナトリウム、アンピシリン
ナトリウム、塩酸バカンピリシン、カルベニシリンナト
リウム、セファロリジン、セフォキシチンナトリウム、
エリスロマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイ
クリン、硫酸カナマイシン、サイクロセリン等の抗生物
質;イソシアニド、ピラジナミド、エチオナミド等の化
学療法剤;塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、塩酸コカイ
ン、塩酸ペチジン等の麻薬。
【0039】上記薬物の添加量は、薬物の種類、テープ
製剤の使用目的により異なるが、少なくなると薬物の高
い放出性が得られず、多くなると粘着剤層の凝集力や粘
着力が低下するので、通常、粘着剤組成物中0.01〜
50重量%が好ましい。薬物の添加量は、上記範囲内で
粘着剤の組成により適宜決められるが、飽和溶解度に可
能な限り近い濃度で粘着剤中に溶解させ、結晶析出が起
こらないようにすることにより、高い放出性が得られ
る。
【0040】上記可塑剤としては、粘着剤層を可塑化で
きるものであれば、特に限定されないが、特に脂肪酸エ
ステルの使用が好ましい。脂肪酸エステルとしては、例
えば、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリス
チン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステ
アリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシス
テアリン酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デ
シル、乳酸ミリスチル等の一価アルコール脂肪酸エステ
ル;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジエチル、セバ
シン酸ジオクチル、コハク酸ジオクチル二塩基酸エステ
ル;ジカプリン酸プロピレングリコール、トリオクタン
酸グリセリル、トリ(オクタン酸/デカン酸)グリセリ
ル、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの多価アルコール脂
肪酸エステル等が挙げられ、これらの一種又は二種以上
が使用される。また、エステルの代わりにこれらのエス
テルに相当する脂肪酸や乳酸等の酸を添加してもよい。
【0041】さらに、可塑剤としては、グリセリン、ジ
グリセリン、低分子量ポリビニルメチルエーテル、炭素
数4以上のアルキレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、アリルアルキルアル
コール、トリアセチレン、液状多糖類、炭素数12以上
のアルキルトリメチルアンモニウムクロイド等の液状カ
チオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル又はエステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタ
ンアルキルエステル、ソルビタンポリオキシエチレンア
ルキルエステル等の非イオン界面活性剤;ジメチルベタ
イン等の両性界面活性剤;液状アミノ酸などの一種又は
二種以上が使用可能である。
【0042】上記粘着剤組成物に可塑剤を添加すること
により、粘着剤層の粘度を調節し、薬剤の経皮ないし経
粘膜透過が促進される。上記可塑剤の中で、特に、ミリ
スチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、中鎖脂肪
酸トリグリセリド、グリセリン、ポリチエチレングリコ
ール、トリアセチレン等の使用が好ましい。
【0043】上記可塑剤の添加量は、その成分により異
なるが、少なくなると薬物の高い放出性が得られず、多
くなると粘着剤層の凝集力や粘着力が低下するので、通
常、粘着剤組成物中1〜50重量%が好ましい。
【0044】上記アクリル系粘着剤には、必要に応じ
て、粘着性付与剤が配合されてもよい。粘着性付与剤と
しては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油
樹脂、クマロン−インデン樹脂、テルペン−フェノール
樹脂などが挙げられ、好ましくは水添ロジンエステルな
どのロジン系樹脂である。
【0045】本発明のテープ製剤の構成は上述の通りで
あり、その製造は従来公知の粘着テ−プの製造方法が使
用できる。その代表例は溶剤塗工法であり、その他ホッ
トメルト塗工法、エマルジョン塗工法等があげられる。
【0046】溶剤塗工を行う場合、例えば、粘着剤、可
塑剤、薬物及び必要に応じて添加された添加剤を酢酸エ
チル等の溶媒に溶解または分散させ、得られた液を支持
体上に塗布、乾燥して粘着剤層を形成する方法や、剥離
紙上に塗布、乾燥した後、支持体上に転写、積層して粘
着剤層を形成する方法等が好適に使用される。この剥離
紙は使用時までテープ製剤の粘着剤層を保護するために
用いられてもよい。
【0047】上記粘着剤層の厚さは、薄くなると必要と
する薬物濃度が得られなくなると共に粘着性が低下し、
厚くなると支持体近辺の粘着剤層に含有される薬物が十
分にう拡散せず、薬物放出率が低下するので、10〜2
00μmが好ましい。
【0048】上記剥離紙としては、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの表面をシリコン処理したも
のが用いられ、その厚さは1,000μm以下が好まし
く、より好ましくは30〜200μmである。
【0049】上記粘着剤層の固有粘着力は、小さくなる
と皮膚に貼付するのが困難となり、大きくなるとテープ
製剤の剥離時に皮膚に悪影響を与えるので、5〜80g
/15mm幅に限定される。なお、この固有粘着力と
は、厚み50μmのポリエステルフィルム上に、厚み3
0μmの粘着剤層が形成された粘着テープを、JISZ
1522の常態粘着力に準拠して測定した値である。
【0050】上記動的剪断弾性率(以下「G' 」とい
う) は、測定振動数10〜100Hz、温度が60〜7
0℃の領域で、2×104 〜9×105 dyne/cm
2 の範囲であり、かつ同じ条件で遅れ角(tanδ)が
0.1〜1.5の範囲である。
【0051】人体皮膚体温と、皮膚に貼られたテープ製
剤に加わる実際の力学的・時間尺度領域は、その粘弾性
的性質に換算される場合、10〜100Hzの振動数で
は60〜70℃の温度領域に相当すること、最適の物性
をもつ粘着剤が、この領域において、G' 値、tanδ
共に比較的平坦な数値をとる。
【0052】上記測定条件で、G' が、9×105 dy
ne/cm2 より大きく、tanδが0.1より小さく
なると、粘着剤が弾性的で硬くなり過ぎることにより、
流動的に皮膚面に密着することが困難となり、皮膚から
剥がれ易くなってしまう。この場合、薬物が粘着剤中に
閉じ込められると判断される現象が起こり、その内部拡
散性及び再放出性が低くなってしまう。また、G' が、
2×104 dyne/cm2 より小さく、tanδが
1.5より大きくなると、粘着剤の粘着性はよくなる
が、粘着剤の凝縮性が低下し、ずれが起こったり流動し
易くなり、剥離時に糊残りが生じるようになる。
【0053】上記経皮吸収貼付剤は所定の形状に切断さ
れて包材中に収納、保管されるが、該包材としては酸素
を透過しないか、透過しにくい材料が好ましく、例え
ば、表面がポリエチレンテレフタレート又はポリエチレ
ンで被覆されたアルミ箔、ポリ塩化ビニリデンとポリ塩
化ビニルの積層フィルムが挙げられる。
【0054】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)アクリル酸ブチル302重量部、N−ビニ
ルピロリドン98重量部を攪拌装置および冷却装置付き
セパラブルフラスコに仕込み、さらに、酢酸エチル40
0重量部を加えてモノマー濃度を50重量%に調整し
た。この溶液を窒素雰囲気下で80℃に昇温し、過酸化
ラウロイル2重量部をシクロヘキサン100重量部に溶
解した溶液及び酢酸エチル243重量部を少量づつ添加
しながら、12時間重合反応を行い、固形分濃度35重
量%のアクリル系粘着剤溶液を得た。
【0055】上記アクリル系粘着剤溶液に、可塑剤とし
てミリスチン酸イソプロピル、薬物としてインドメタシ
ン及び添加剤としてマレイン酸を含有する重合体(GA
F社製「GANTREZ AN−1」)が、表1に示し
た固形分濃度となるように加えて、ディゾルバーにて均
一に混合することにより粘着剤組成物を得た。得られた
組成物を、シリコン処理されたポリエチレンテレフタレ
−ト(以下「PET」という)フィルム(厚み50μ
m)上に塗布、ギヤオーブン中で60℃で30分間乾燥
して厚さ80μmの粘着剤層を形成し、次いで、支持体
としてポリエチレンテレフタレート/エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(以下「PET−EVA」という)フィル
ム上に粘着剤層を転写、積層してテープ製剤を得た。
【0056】(実施例2)可塑剤としてポリエチレング
リコール及び薬物としてケトプロフェンが表1に示した
固形分濃度となるように加えて、粘着剤組成物を得たこ
と以外は、実施例1と同様にしてテープ製剤を得た。
【0057】(実施例3)アクリル酸ブチル360重量
部及びN−ビニルピロリドン40重量部をセパラブルフ
ラスコに仕込み、実施例1と同様にして重合反応を行
い、固形分濃度35重量%のアクリル系粘着剤溶液を得
た後、アクリル系粘着剤溶液に、可塑剤としてミリスチ
ン酸イソプロピル、薬物として硝酸イソソルビド及び添
加剤として無水珪酸が表1に示した固形分濃度となるよ
うに加えたこと以外は、実施例1と同様にしてテープ製
剤を得た。
【0058】(実施例4)ステアリン酸ビニル36重量
部、アクリル酸2−エチルヘキシル312重量部及びメ
タクリル酸ドデシル52重量部をセパラブルフラスコに
仕込み、実施例1と同様にして重合反応を行い、固形分
濃度35重量%のアクリル系粘着剤溶液を得た後、アク
リル系粘着剤溶液に、可塑剤としてグリセリン、薬物と
してニトログリセリン及び添加剤として無水珪酸を表1
に示した固形分濃度となるように加えたこと以外は、実
施例1と同様にしてテープ製剤を得た。
【0059】(比較例1)可塑剤及びマレイン酸を含む
重合体形分を全く添加せず、薬物としてインドメタシン
が表2に示した固形分濃度となるように加えたこと以外
は、実施例1と同様にしてテープ製剤を得た。
【0060】(比較例2)可塑剤を全く添加せず、薬物
として硝酸イソソルビドが表2に示した固形分濃度とな
るように加えたこと以外は、実施例2と同様にしてテー
プ製剤を得た。
【0061】(比較例3)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル360重量部及びアクリル酸40重量部をセパラブル
フラスコに仕込み、実施例1と同様にして重合反応を行
い、固形分濃度35重量%のアクリル系粘着剤溶液を得
た後、アクリル系粘着剤溶液に、薬物としてケトプロフ
ェンが表2に示した固形分濃度となるように加えたこと
以外は、実施例1と同様にしてテープ製剤を得た。
【0062】(比較例4)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル400重量部のみをセパラブルフラスコに仕込み、実
施例1と同様にして重合反応を行い、固形分濃度35重
量%のアクリル系粘着剤溶液を得た後、アクリル系粘着
剤溶液に、可塑剤としてポリエチレングリコール及び薬
物として四硝酸ペンタエリスリトールが表2に示した固
形分濃度となるように加えたこと以外は、実施例1と同
様にしてテープ製剤を得た。
【0063】テープ製剤の性能評価 上記実施例及び比較例で得られたテープ製剤につき下記
の性能評価を行い、その結果を表1及び2に示した。 (1)粘着力 JIS Z1522に準拠して常態粘着力を測定した。
【0064】(2)動的剪断弾性率(G')及び遅れ角
(tanδ) テープ製剤を直径25mmの円形に切断して作製した試
料につき、レオメトリックスダイナミックアナライザー
により、65℃、振動数50Hzにおける動的剪断弾性
率(G')及び遅れ角(tanδ)を測定した。
【0065】(3)凝集力 成人5名の被試験者の上腕内部に、3.14cm2 の円
形に打ち抜いたテープ製剤を24時間貼付した後剥離
し、糊残りの状態を次の判定基準により評価した。 ○:全員の被試験者に糊残りがみられなかった。 △:1〜4名の被試験者に糊残りがみられた。 ×:全員の被試験者に糊残りがみられた。
【0066】(4)皮膚刺激性試験 成人5名の被試験者の上腕内部に、3.14cm2 の円
形に打ち抜いたテープ製剤を24時間貼付した後剥離
し、糊残りの状態につき次の判定基準により評点を付
け、評点の総和を5で割った平均点が小さいものほど皮
膚刺激性が良好と判定した。 0点:紅斑が全く認められなかった。 1点:辛うじて識別できる程度のごく軽度の紅斑が認め
られた。 2点:明らかな紅斑が認められた。 3点:中程度の紅斑が認められた。 4点:深紅色の強い紅斑が認められた。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】尚、表1及び2で用いられた略号を下記に
示す。 (モノマー類) BA:アクリル酸ブチル、VP:ビニルピロリドン VS:ステアリン酸ビニル 2−HEM:メタクリル酸
2−エチルヘキシル DM:メタクリル酸ドデシル、AA:アクリル酸 (可塑剤) IPM:ミリスチン酸イソプロピル、PEG:ポリエチ
レングリコール IPP:パルミチン酸イソプロピル、GLY:グリセリ
ン (薬物) IMT:インドメタシン、KP:ケトプロフェン ISDN:硝酸イソソルビド、GTN:ニトログリセリ
ン (その他添加物) G:GANTREZ AN−119、A:無水珪酸
【0070】
【発明の効果】本発明のテープ製剤の構成は、上述の通
りであり、粘着剤層がバランスのとれた接着力と凝集力
を有するので、微弱な接着力でありながら皮膚面によく
密着し、かつ剥離する際に皮膚剥離、皮膚刺激や糊残り
を殆ど起こさない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の片面に可塑剤及び薬剤を含有する
    粘着剤層が形成されたテープ製剤であって、該粘着剤層
    の固有粘着力が5〜80g/15mm、粘着剤層の動的
    剪断弾性率(G')が振動数10〜100Hz、温度60
    〜70℃において2×104 〜9×105 dyne/c
    2 であり、かつそのときの遅れ角(tanδ)が0.
    1〜1.5であることを特徴とするテープ製剤。
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