JPH0543452A - テープ製剤 - Google Patents

テープ製剤

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JPH0543452A
JPH0543452A JP20186091A JP20186091A JPH0543452A JP H0543452 A JPH0543452 A JP H0543452A JP 20186091 A JP20186091 A JP 20186091A JP 20186091 A JP20186091 A JP 20186091A JP H0543452 A JPH0543452 A JP H0543452A
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JP
Japan
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drug
weight
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meth
hydrochloride
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Application number
JP20186091A
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English (en)
Inventor
Michiya Nakagawa
道也 中川
Sumiko Kawaguchi
須美子 川口
Mutsumi Fukuda
睦 福田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 薬物を相溶状態で含む粘着剤からなる粘着剤
層が支持体上に保持されているテープ製剤において、該
粘着剤が、アルキル基の炭素数4以上18以下の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを25〜40重量%、
アルキル基の炭素数3以下の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを60〜75重量%の割合で重合してなる共
重合物であることを特徴とするテープ製剤である。 【効果】 粘着剤は比較的極性の高い薬物との相溶性が
良好で、粘着剤への薬物の溶解性が高く、粘着剤中に含
有される薬物量が多いので、皮膚に粘着剤を貼付後、長
時間有効な放出性が保持される。また、比較的極性が高
い薬物に対し、高い溶解性を有しているにもかかわら
ず、粘着性も良好で、発汗時あるいは入浴時の粘着剤の
耐水性も良好である。さらに、テープ製剤の問題点であ
る皮膚刺激性が極めて少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、皮膚や粘膜のような
生体膜に貼付して所要の薬物を生体膜を経て体内循環系
へ投与するのに用いる経皮吸収製剤に関し、より詳細に
は、比較的極性の高い薬物に特に好適に用いられるテー
プ製剤に関するものである。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】薬剤を相溶状態で粘
着剤に含有させ、この粘着剤を支持体上に層状に担持さ
せ、この粘着剤層を皮膚に貼付することにより、薬剤を
体内に投与する経皮投与方法が知られている。このよう
に経皮吸収型製剤を用いる投与方法の主な利点として
は、一定の有効血中濃度を長時間維持することができ
るため、薬物作用の持続性および副作用の軽減が期待さ
れる。薬物の投与回数を減少させ、患者のコンプライ
アンスを改善できる。肝臓での初回通過効果を回避で
きるため、肝臓の負担を軽減できる、などがある。
【0003】このような経皮吸収型製剤に要求される条
件は下記の通りである; 1.製剤が皮膚に所定時間、いかなる状況でも確実に密
着すること。
【0004】製剤が皮膚に貼付された後、24時間ある
いは48時間確実に密着しており、所要の薬物量が吸収
される必要がある。また製剤は発汗時、入浴時において
も皮膚に密着し剥離しないことが必要である。
【0005】2.粘着剤は薬物と適度の相溶性を有し、
薬物と相互作用しないこと。
【0006】粘着剤層から薬物が所定時間中に多量に放
出されるためには、薬物は粘着剤中に高濃度に含有され
ることが必要であり、かつ薬物が粘着剤中に溶解状態で
存在することが望ましい。そのためには薬物と粘着剤を
構成する成分との相溶性が高いことが必要である。ま
た、相溶状態で薬物と粘着剤の構成成分との相互作用が
強くないことが必要である。たとえば酸や塩基の相互作
用が強いと粘着剤層からの薬物の放出性が低下する場合
がある。
【0007】3.粘着剤を皮膚に貼付することによる皮
膚剥離刺激が少ないこと。
【0008】テープ製剤の問題として皮膚刺激という副
作用がある。テープ製剤を皮膚に貼付している間、粘着
剤層が皮膚表面に接しているため、その部分の皮膚の正
常な働き、すなわち分泌、代謝および伸縮が妨げられる
と共に、皮膚はテープのエッジ部分または粘着剤層から
も常時刺激を受けている。その結果、紅斑が発生し、甚
だしい場合には痂皮形成や浮腫形成を伴ない、これがテ
ープ剥離後も数日間続く場合もある。このような副作用
をできるだけ少なくすることが重要である。
【0009】4.粘着剤を皮膚から剥離した後、皮膚面
に粘着剤が残存しないこと。
【0010】従来、上記1〜4の点を踏まえて、たとえ
ば下記のごとき経皮吸収製剤が提案されている。
【0011】まず、特公昭54−16566公報には、
薬物をカプセル化した貯蔵層を粘着剤層に形成させたテ
ープ製剤が記載されている。
【0012】一般に粘着剤層から外部への薬物の拡散速
度は薬物を粘着剤層に相溶させた場合高くなる。薬物を
カプセル化した貯蔵層に存在させた場合、あるいは薬物
を粉末化ないしは結晶化させて存在させた場合には、そ
の貯蔵層、粉末あるいは結晶から隣接する粘着剤への拡
散速度が律速になることがある。このような場合、薬物
を粘着剤に相溶させた場合より、基剤からの薬物の放出
性は低くなることが多い。また、カプセル化は該テープ
製剤の製造上からも技術的な困難性が高く、コストも高
くつく。したがって、薬物を粘着剤層に相溶させた製剤
の方がカプセル化製剤より優れている。
【0013】特開昭57−75917号公報には、ド
デシルメタクリレート約60〜98重量部、官能性単
量体約40〜2重量部および、酢酸ビニルおよび、ア
ルキル基の炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルから選んだ少なくとも1つの短鎖不飽和単量体
約0〜40重量部を共重合させてなる医療用粘着剤が記
載されている。薬物としては副腎皮質ホルモン、性ホル
モン、血管拡張剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤などが例
示されている。
【0014】特開昭61−24517号公報には、ア
ルキル基の炭素数4〜12の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル40〜99重量%、アルキル基の炭素数1
〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニ
ルおよびスチレンからなる群から選ばれた少なくとも1
つのビニル単量体1〜50重量%、少なくとも1種の
不飽和カルボン酸0〜10重量%を共重合させてなる粘
着剤を用い、薬物としてプロプラノロールおよび/また
はピンドロールを用い、経皮吸収促進剤としてイソプロ
ピルミリステートおよび/またはイソプロピルラウレー
トを用いてなる貼着製剤が記載されている。
【0015】特開昭57−116011号公報には、薬
物として硝酸イソソルビドまたは四硝酸ペンタエリスリ
トール(PETN)を、ガラス転移温度−70℃〜−1
0℃の常温で感圧接着性を有する重合物に含有させたテ
ープ製剤が記載されている。この製剤では粘着剤層の重
合物に薬物を溶解させており、粘着剤層の構成成分に好
適なアクリル系共重合物として、アルキル基の平均炭素
数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少
なくとも50重量%含ませてなる重合物が挙げられてい
る。しかし、この製剤ではアルキル基の炭素数4以上の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、上
記のごとく50重量%以上とかなり多いので、このアク
リル系共重合物は粘着剤としては極性が低いものであ
る。そのため、極性が比較的高い薬物である硝酸イソソ
ルビドの粘着剤への溶解度は高くない。また、この(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルと共重合すべきモノマ
ーとして、比較的極性の高いモノマーを用いたとして
も、ある程度極性を変えることは可能であるが、極性の
低いモノマーの含量が多いので粘着性が良好な範囲内で
極性を高めるには限界がある。
【0016】特開昭59−199628号公報には、薬
物を粘着剤層に相溶させること、および粘着剤層の構成
成分に好適なアクリル系共重合物は(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとビニルピロリドンの共重合物であ
り、ビニルピロリドンの含有量は好ましくは1〜60重
量%の範囲であることが記載されている。
【0017】また、特開昭61−100520号公報に
は、粘着剤層の構成成分に好適なアクリル系共重合物
は、2−エチルヘキシルアクリレートを45モル%以
上、ビニルピロリドンを20〜55モル%、アルキル基
の炭素数が3〜12でホモポリマーのTgが−40℃以
下の(メタ)アクリル酸エステルを35モル%以下、多
官能性モノマーを全モノマー重量の0.005〜0.5
重量%含有する共重合物であり、薬剤が硝酸イソソルビ
ドであるテープ製剤が記載されている。
【0018】しかし、これら製剤では、ビニルピロリド
ンの親水性が極めて高いので、その配合量が多いと発汗
時における粘着剤の耐水性に問題が生じる場合がある。
【0019】特開昭58−134020号公報には、ア
ルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸エステル85
〜99重量%とアクリル酸またはメタクリル酸1〜15
重量%とからなる共重合物と薬物として硝酸イソソルビ
ドを含む基剤層を開示している。
【0020】しかし、この製剤では、共重合成分として
アクリル酸またはメタアクリル酸といった酸を用いるの
で、粘着剤の凝集力が付与される反面、こうした酸によ
り皮膚刺激が発生する可能性があり、テープ製剤として
は好ましくない。また、上記酸は薬物によってはこれと
の相互作用により、薬物の放出性ないし安定性に好まし
くない影響を与える可能性がある。
【0021】この発明の目的は、粘着剤に薬剤が相溶す
ることにより、皮膚への貼付時に速やかに薬物が放出さ
れ、所定時間内に有効な放出性を発揮する経皮投与型テ
ープ製剤を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明は、比較的極性
の高い薬物に対し高い放出性を長時間維持すること、粘
着性が良好で皮膚に長時間密着すること、皮膚に貼付後
発汗時、入浴時においても比較的耐水性があること、皮
膚刺激性が少ないこと、などの条件を十分満足する粘着
剤を求めて研究を重ねた結果、特定のアクリル系共重合
物からなる粘着剤が上記要望にこたえ得るという知見を
得て完成されたものである。
【0023】すなわち、この発明によるテープ製剤は、
薬物を相溶状態で含む粘着剤からなる粘着剤層が支持体
上に保持されているテープ製剤において、該粘着剤が、
アルキル基の炭素数4以上18以下の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルを25〜40重量%、アルキル基の
炭素数3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを
60〜75重量%の割合で重合してなる共重合物である
ことを特徴とするものである。
【0024】また、この発明によるテープ製剤におい
て、該粘着剤は、アルキル基の炭素数4以上18以下の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを25〜40重量
%、アルキル基の炭素数3以下の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルと酢酸ビニルとの含量和を60〜75重
量%の割合で重合してなる共重合物であってもよい。
【0025】この発明によるテープ製剤の共重合物は、
上記モノマーにさらに全モノマーの0.005〜0.5
重量%の割合の多官能性モノマーを加え、これらモノマ
ーを重合してなる共重合物であってもよい。多官能性モ
ノマーが添加されることにより、生成する重合物間にご
くわずかに架橋が生じ、それにより粘着剤の内部凝集力
が増大する。そのため貼付された皮膚の性状や発汗量に
ほぼ無関係にテープ剥離時のいわゆる糊残り現象は解消
される。しかも、この多官能性モノマーの添加は薬物の
放出性や皮膚刺激性には何ら影響を与えない。
【0026】以下、この発明によるテープ製剤の構成成
分および製造法について詳述する。 a) 粘着剤 この発明によるテープ製剤では、粘着剤層の主体をなす
粘着剤は、アルキル基の炭素数4以上18以下の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを25〜40重量%、
アルキル基の炭素数3以下の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを60〜75重量%の割合で重合してなる共
重合物である。
【0027】上記共重合物を構成する第1のモノマーで
あるアルキル基の炭素数4以上18以下の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルは、25〜40重量%の範囲で
含有される。
【0028】第1モノマーの含量が40重量%を越える
と、粘着剤の極性が低くなり、比較的極性の高い薬物と
の相溶性があまりよくなく、比較的極性の高い薬物の粘
着剤中への溶解度が低くなる。したがって、高い放出性
を維持し、薬物を長時間一定量投与することが困難にな
る。また、溶解させた薬物の濃度が高い製剤に対し、溶
解させた薬物の濃度が低い製剤は、同一薬物量を含有さ
せた時、製剤面積を大きくするか、面積が同一の場合、
粘着剤層の厚みを厚くする必要がある。製剤面積が大き
くなると皮膚刺激性が高くなり、使用上好ましくない。
粘着剤層が厚くなると薬物の放出性および製造コストの
上で不利になる。
【0029】第1モノマーの含量が25重量%未満にな
ると、粘着剤の皮膚への接着性が低下し、薬物投与の信
頼性が低下するので、好ましくない。
【0030】第1モノマー含量のより好ましい範囲は3
0〜40重量%である。
【0031】このような第1モノマーとしては、ブチル
アクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリ
レート、ヘキシルメタアクリレート、オクチルアクリレ
ート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、デ
シルアクリレート、デシルメタアクリレート、ドデシル
アクリレート、ドデシルメタアクリレート、トリデシル
アクリレート、トリデシルメタアクリレート、オクタデ
シルアクリレート、オクタデシルメタアクリレートなど
を挙げることができる。中でもアルキル基の炭素数が4
〜8のアクリル酸アルキルエステルすなわちブチルアク
リレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレートなどが粘着性と薬
物の相溶性のバランスから好ましい。
【0032】上記共重合物を構成する第2のモノマーで
あるアルキル基の炭素数3以下の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルは、60〜75重量%の範囲で含有され
る。第2モノマーの含量が75重量%を超えると、粘着
剤の皮膚への接着性が低下し、薬物投与の信頼性が低下
するので、好ましくない。逆に、第2モノマーの含量が
60重量%未満になると粘着剤の極性が低下し、比較的
極性の高い薬物の溶解度が低下するので、製剤からの高
い放出性を維持することが困難になる。
【0033】このような第2モノマーは、メチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピ
ルメタクリレートである。中でもメチルアクリレート、
エチルアクリレートが良好な粘着性および入手の容易さ
から好ましい。
【0034】また、この発明によるテープ製剤におい
て、該粘着剤として、上記第2モノマー単独の代わりに
第2モノマーと酢酸ビニルとの組み合わせを用いる場
合、第2モノマーと酢酸ビニルとの含量和は、60〜7
5重量%の範囲である。
【0035】第2モノマーと酢酸ビニルとの含量和が7
5重量%を超えると、粘着剤の皮膚への接着性が低下
し、薬物投与の信頼性が低下するので、好ましくない。
逆に、第2モノマーと酢酸ビニルとの含量和が60重量
%未満になると粘着剤の極性が低下し、比較的極性の高
い薬物の溶解度が低下するので、製剤からの高い放出性
を維持することが困難になる。
【0036】第2モノマーおよび酢酸ビニルの各含量の
好ましい範囲は30〜60重量%および10〜30重量
%である。
【0037】また、アルキル基の炭素数3以下の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルすなわち第2モノマー
と、酢酸ビニルとを合わせた含量が60重量%以上であ
ると、得られた共重合物の極性が高くなり、比較的極性
の高い薬物の溶解度が高くなり、基剤からの薬物の高い
放出性が長時間得られる。したがって、本発明の好適な
実施モードでは、粘着剤を構成する重合物は、第2モノ
マーと酢酸ビニルを合わせた含量を60重量%〜75重
量、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル(第1モノマー)を25〜40重量%
の割合で共重合することにより、極性が高く、貼付性が
優れ、しかも耐水性が良好な粘着剤が得られる。
【0038】上記共重合物の任意付加成分である多官能
性モノマーは、全モノマー重量の0.005〜0.5重
量%の割合で含有してもよい。本粘着剤において酢酸ビ
ニルの含量や共重合物の分子量によっては糊残り現象が
起こり得るが、多官能性モノマーの添加により、生成す
る重合物間に架橋が生じ、糊残り現象が解消される。
【0039】多官能モノマーの添加量が0.005重量
%未満になると架橋による内部凝集力の向上の効果が不
十分である。逆に、同添加量が0.5重量%を超えると
架橋により粘着剤がゲル化を起こし易い。
【0040】多官能性モノマーのより好ましい範囲は
0.01〜0.2重量%である。
【0041】このような多官能性モノマーとしては、た
とえば、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリ
レート、テトラ(メタ)アクリレートなどが例示される
が、これに限定されない。より具体的には、ヘキサメチ
レングリコールやオクタメチレングリコールなどのポリ
メチレングリコール類と(メタ)アクリル酸とを結合さ
せて得られるジ(メタ)アクリレート;ポリエチレング
リコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキ
レングリコール類と(メタ)アクリル酸とを結合させて
得られるジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレートやグリセリントリ(メ
タ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート;お
よびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
などのテトラ(メタ)アクリレートが例示される。これ
ら多官能性モノマーは2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0042】粘着剤はたとえば溶液重合により調製され
る。すなわち、攪拌装置と気化溶媒の冷却還流装置とを
備えた反応器に、アルキル基の炭素数4以上18以下の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、アルキル基の
炭素数3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と、酢酸ビニルと、必要に応じて多官能性モノマーとの
各所定量、および酢酸エチルあるいはその他の一般的な
重合用溶媒を入れ、好ましくは窒素ガスの雰囲気のもと
で、高温たとえば約80℃の温度にて8〜40時間にわ
たってラジカル重合反応に供する。各モノマーおよび溶
媒は一括して、あるいは適宜分割して反応器に装入す
る。
【0043】触媒(重合開始剤)は反応の進行状況に合
わせて、適宜分割して反応に供する。重合開始剤として
はアゾビス系、過酸化物系などが用いられるが、これら
は限定的なものではない。アゾビス系開始剤の例として
は、2,2' −アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N);1,1' −アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル);2,2' −アゾビス−(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)などが挙げられる。
【0044】過酸化物系開始剤の例としては、過酸化ベ
ンゾイル(BPO);過酸化ラウロイル(LPO);ジ
ターシャルブチルパーオキサイドなどが挙げられる。こ
の重合反応により、通常、固形分が15〜70重量%の
割合で共重合物が得られる。Gel Permeation Chromatog
raphy (GPC)によるスチレン換算での重合平均分子
量は10万〜200万である。残存モノマーはそれぞれ
の全固形分重量に対し1重量%以下である。
【0045】b) 薬物 本発明によるテープ製剤に使用される薬物(生理活性物
質)は、経皮的に生体膜を透過しうるものであればよ
く、特に限定されない。
【0046】薬物の例としては、全身麻酔剤、催眠・鎮
静剤、抗癲癇剤、解熱鎮痛消炎剤、ステロイド系抗炎症
剤、興奮剤・覚醒剤、鎮暈剤、精神神経用剤、局所麻酔
剤、骨格筋弛緩剤、自立神経用剤、鎮痙剤、抗パーキン
ソン剤、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿
剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、動脈硬化用
剤、呼吸促進剤、鎮咳去痰剤、消化性潰瘍治療剤、利胆
剤、ホルモン剤、泌尿生殖器および肛門用剤、寄生性皮
膚疾患用剤、皮膚軟化剤、ビタミン剤、無機質製剤、止
血剤、血液凝固阻止剤、肝臓疾患用剤、習慣性中毒用
剤、痛風治療剤、糖尿病用剤、抗悪性腫瘍剤、放射性医
薬品、漢方製剤、抗生物質、化学療法剤、駆虫剤・抗原
虫剤、麻薬などが挙げられる。
【0047】各薬物の代表例を以下に示す。
【0048】解熱鎮痛消炎剤としては、アセトアミノフ
ェン、フェナセチン、メフェナム酸、ジクロフェナック
ナトリウム、フルフェナム酸、アスピリン、サリチル酸
ナトリウム、アミノピリン、アルクロフェナック、イブ
プロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケト
プロフェン、アンフェナクナトリウム、メピリゾール、
インドメタシン、ペンタゾシン、ピロキシカムなどが例
示される。
【0049】ステロイド系抗炎症剤としては、ヒドロコ
ルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメ
タゾン、プレドニゾロンなどが例示される。
【0050】血管拡張剤としては、塩酸ジルチアゼム、
四硝酸ペンタエリスリトール、硝酸イソソルビド、トラ
ジピル、ニコランジル、ニトログリセリン、乳酸プレニ
ラミン、モルシドミン、亜硝酸アミル、塩酸トラゾリン
などが例示される。
【0051】不整脈用剤としては、塩酸プロカインアミ
ド、塩酸リドカイン、塩酸プロプラノロール、塩酸アル
プレノロール、アテノロール、ナドロール、酒石酸メト
プロロール、アジマリン、ジソピラミド、塩酸メキシレ
チンなどが例示される。
【0052】血圧降下剤としては、塩酸エカラジン、イ
ンダパミド、塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロール、塩
酸ラベタロール、カプトプリル、酢酸グアナベンズ、メ
ブタメート、硫酸ベタニジンなどが例示される。
【0053】鎮咳去痰剤としては、クエン酸カルベタペ
ンタン、クロペラスチン、タンニン酸オキセラジン、塩
酸クロブチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸ノスカ
ピン、塩酸エフェドリン、塩酸イソプロテレノール、塩
酸クロルプレナリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸プ
ロカテロール、塩酸ツロブテロール、塩酸クレンブテロ
ール、フマル酸ケトチフェンなどが例示される。
【0054】抗悪性腫瘍剤としては、シクロフォスファ
ミド、フルオロウラシル、デガフール、マイトマイシン
C、塩酸プロカルバジン、ドキシフルリジン、ラニムス
チンなどが例示される。
【0055】局所麻酔剤としては、アミノ安息香酸エチ
ル、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイ
ン、塩酸オキシブプロカイン、塩酸プロピトカインなど
が例示される。
【0056】ホルモン剤としては、プロピルチオウラシ
ル、チアマゾール、酢酸メテノロン、エストラジオー
ル、エストリオール、プロゲステロンなどが例示され
る。
【0057】抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェンヒ
ドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジ
ン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸ジフェニルピラリンな
どが例示される。
【0058】血液凝固阻止剤としては、ワルファリンカ
リウム、塩酸チクロピジンなどが例示される。
【0059】鎮痙剤としては、臭化メチルアトロピン、
スコポラミンなどが例示される。
【0060】全身麻酔剤としては、チオペンタールナト
リウム、ペントバルビタールナトリウムなどが例示され
る。
【0061】催眠・鎮静剤としては、ブロムワレニル尿
素、アモバルビタール、フェノバルビタールなどが例示
される。
【0062】抗癲癇剤としては、フェニトインナトリウ
ムなどが例示される。
【0063】興奮剤・覚醒剤としては、塩酸メタンフェ
タミンなどが例示される。
【0064】鎮暈剤としては、塩酸ジフェンドール、メ
シル酸ベタヒスチンなどが例示される。
【0065】精神神経用剤としては、塩酸クロルプロマ
ジン、チオリダジン、メプロバメート、塩酸イミプラミ
ン、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどが例示され
る。骨格筋弛緩剤としては、塩酸スキサメトニウム、塩
酸エペリゾンなどが例示される。
【0066】自律神経用剤としては、臭化ネオスチグミ
ン、塩化ベタネコールなどが例示される。
【0067】抗パーキンソン剤としては、塩酸アマンタ
ジンなどが例示される。
【0068】利尿剤としては、ヒドロフルメチアジド、
イソソルビド、フロセミドなどが例示される。
【0069】血管収縮剤としては、塩酸フェニレフリン
などが例示される。
【0070】呼吸促進剤としては、塩酸ロベリン、ジモ
ルホラミン、塩酸ナロキソンなどが例示される。
【0071】消化性潰瘍治療剤としては、臭化グリコピ
ロニウム、プログルミド、塩酸セトラキサート、シメチ
ジン、スピゾフロンなどが例示される。
【0072】利胆剤としては、ウルソデスオキシコール
酸、オサルミドなどが例示される。泌尿生殖器および肛
門用剤としては、ヘキサミン、スパルテイン、ジノプロ
スト、塩酸リトドリンなどが例示される。
【0073】寄生性皮膚疾患用剤としては、サリチル
酸、シクロピロクスオラミン、塩酸クロコナゾールなど
が例示される。
【0074】皮膚軟化剤としては、尿素などが例示され
る。
【0075】ビタミン剤としては、カルシトリオール、
塩酸チアミン、リン酸リボフラビンナトリウム、塩酸ピ
リドキシン、ニコチン酸アミド、パンテノール、アスコ
ルビン酸などが例示される。
【0076】無機質製剤としては、塩化カルシウム、ヨ
ウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどが例示される。
【0077】止血剤としては、エタンシラートなどが例
示される。
【0078】肝臓疾患用剤としは、チオプロニンなどが
例示される。
【0079】習慣性中毒用剤としては、シナアミドなど
が例示される。
【0080】痛風治療剤としては、コルヒチン、プロベ
ネシド、スルフィンピラゾンなどが例示される。
【0081】糖尿病用剤としては、トルブタミド、クロ
ルプロパミド、グリミジンナトリウム、グリブゾール、
塩酸ブホルミン、インスリンなどが例示される。
【0082】抗生物質としては、ベンジルペニシリンカ
リウム、プロピシリンカリウム、クロキサシリンナトリ
ウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、
カルベニシリンナトリウム、セファロリジン、セフォキ
シチンナトリウム、エリスロマイシン、クロラムフェニ
コール、テトラサイクリン、硫酸カナマイシン、サイク
ロセリンなどが例示される。
【0083】化学療法剤としては、イソニアジド、ピラ
ジナミド、エチオナミドなどが例示される。
【0084】麻薬としては、塩酸モルヒネ、リン酸コデ
イン、塩酸コカイン、塩酸ペチジンなどが例示される。
【0085】上記の薬物の中で本粘着剤への適用に特に
好ましいのは本粘着剤と相溶性が高い比較的極性の高い
薬物である。
【0086】上記薬物の粘着剤層中の薬物配合量は、そ
の共重合モノマーの組成により適宜決められ、好ましく
は2〜40重量%の範囲である。薬物の粘着剤に対する
飽和溶解度は共重合モノマー組成により変わる。薬物を
その飽和溶解度に可能なかぎり近い濃度で粘着剤中に相
溶させ、結晶析出が起こらないようにすることにより、
薬物の高い放出性が得られる。薬物の結晶が析出する
と、通常は粘着性が低下する。ただし、本粘着剤のテー
プ製剤の適用において薬物の結晶が析出していても、特
に支障はない。
【0087】c) 吸収促進剤その他配合物この発明に
よるテープ製剤では、薬物の経皮吸収性を向上させる吸
収促進剤、薬物の安定性を上げる安定化剤、粘着性の調
整のための粘着性付与剤、軟化剤、充填剤などが適宜配
合される。
【0088】吸収促進剤の例としては、脂肪酸エステ
ル、多価アルコール、高級アルコール、有機酸、界面活
性剤、炭化水素などが挙げられる。
【0089】吸収促進剤の具体例としては、下記のもの
が挙げられる。
【0090】脂肪酸エステルとして、ミリスチン酸イソ
プロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オ
クチルドデシル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸
ブチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ステアリン
酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシルなど
のモノエステル:アジピン酸ジイソプロピル、セバシン
酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジオクチ
ルなどのジエステル:クエン酸トリエチルなどのトリエ
ステルなどが例示される。
【0091】多価アルコール脂肪酸エステルとしては、
ジカプリン酸プロピレングリコール、トリオクタン酸グ
リセリル、ソルビタンオレエート、トリパルミチン酸グ
リセリル、中性脂肪酸油脂などが例示される。
【0092】多価アルコールとしては、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどが例示される。
【0093】高級アルコールとしては、セタノール、ベ
ヘニルアルコール、オレイルアルコールなどが例示され
る。
【0094】有機酸としては、乳酸、プロピオン酸、ケ
イ皮酸、ニコチン酸、フタル酸、シュウ酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸などが例示さ
れ、さらにラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸が例示される。
【0095】界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセ
リルモノオレエート、ポリオキシエチレンモノステアレ
ート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルアミンなどの非イオン界面活性剤:
ラウロイルサルコシン、ラウリル硫酸トリエタノールア
ミン、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのアニオン界面
活性剤:レシチンなどの両性活性剤が例示される。
【0096】炭化水素としては、流動パラフィン、スク
ワラン、スクワレンなどが例示される。
【0097】吸収促進剤を用いる場合、これを粘着剤層
中に0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、
必要に応じて加える。
【0098】粘着性付与剤の例としては、ロジン系樹
脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロン−インデン樹
脂、テルペン−フェノール樹脂などが挙げられる。粘着
性付与剤を用いる場合、これを粘着剤層中に45重量%
以下、好ましくは5〜20重量%、必要に応じて加え
る。
【0099】d) 支持体 本テープ製剤の支持体としては、柔軟であるがテープ製
剤に自己支持性を付与し、かつ貼付層中の薬物の揮散や
移行を防止する役目を果たすものが使用される。支持体
の素材としては、酢酸セルロース、エチルセルロース、
ポリエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合物、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重
合物、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどが例示さ
れる。これら素材はたとえば単層のシートないしフィル
ムや2枚以上の積層体として用いられる。アルミニウム
以外の素材は織布や不織布として使用してもよい。支持
体としては、皮膚面に対して追従性を有する素材よりな
るものが好適に用いられ、特にポリエチレンテレフタレ
ートとエチレン−酢酸ビニル共重合物とのラミネートフ
ィルムなどが好ましい。支持体の厚みは500μm以
下、好ましくは5〜100μmである。
【0100】また、支持体と貼付層との接着性を良好な
らしめるために、支持体にコロナ処理、プラズマ放電処
理を施したり、アンカーコート剤を塗布するもある。
【0101】e) 剥離紙 テープ製剤は、使用時までその貼付層表面を保護するた
めに通常はその貼付面に剥離紙を備えている。剥離紙と
してはポリエチレンテレフタレートのフィルムをシリコ
ン処理してなるものがよく用いられるが、これは限定的
なものではない。剥離紙の厚みは1000μm以下、好
ましくは30〜200μmである。
【0102】f) 調製法 この発明によるテープ製剤の製法としては、通常の粘着
テープの製造方法が適用できる。その代表例は溶剤塗工
法であり、これ以外にもホットメルト塗工法、電子線硬
化エマルジョン塗工法などが用いられる。
【0103】この発明によるテープ製剤を溶剤塗工法で
製造するには、たとえば、粘着剤、薬物および吸収促進
剤、さらに必要に応じて配合剤を適当な溶媒に溶解ない
し分散させ、得られた溶液ないし分散液を支持体表面に
直接塗布・乾燥し、厚み10〜200μmの貼付層を形
成する。また、この溶液ないし分散液を保護用の剥離紙
上に塗布し、乾燥後に得られた貼付層を支持体に密着さ
せてもよい。
【0104】貼付層の厚みは使用目的により異なるが、
通常、10〜200μmの範囲である。この厚みが10
μmを下回ると必要量の薬物を含有することができず、
粘着性も不十分である。厚みが200μmを上回ると支
持体付近の貼付層に含有される薬物が充分に拡散せず、
薬物放出性が低下する。
【0105】
【発明の効果】この発明のテープ製剤によれば、粘着剤
は比較的極性の高い薬物との相溶性が良好で、粘着剤へ
の薬物の溶解性が高く、粘着剤中に含有される薬物量が
多いので、皮膚に粘着剤を貼付後、長時間有効な放出性
が保持される。
【0106】また、比較的極性が高い薬物に対し、高い
溶解性を有しているにもかかわらず、粘着性も良好で、
発汗時あるいは入浴時の粘着剤の耐水性も良好である。
【0107】さらに、テープ製剤の問題点である皮膚刺
激性が極めて少ない。
【0108】
【実施例】つぎに、この発明を具体的に説明するため
に、この発明の一例を示す実施例およびこれとの比較を
示す比較例をいくつか挙げ、さらに得られた各製剤の性
能試験結果を示す。
【0109】テープ製剤の調製 実施例1 2−エチルヘキシルアクリレート35重量%(70g)
と、エチルアクリレート50重量%(100g)と、酢
酸ビニル15重量%(30g)とをセパラブルフラスコ
に仕込み、重合初期モノマー濃度が50重量%になるよ
うに酢酸エチル200gを加えた。この溶液を窒素雰囲
気下で80℃に加熱し、重合開始剤である過酸化ラウロ
イル1gを酢酸エチル100mlに溶解してなる溶液の
全量を逐次少量ずつに分けて添加し、32時間重合反応
を行なった。
【0110】生成した重合物をセパラブルフラスコから
取り出し、薬物としてピロキシカムのテトラヒドロフラ
ン溶液を、固形分(酢酸エチルとテトラヒドロフランの
蒸発除去後の重合物とピロキシカムの重量和)が25重
量%となるように、また、ピロキシカムの固形分中の濃
度が7重量%になるように加えた(重合物に対するピロ
キシカムの配合量はピロキシカムを配合し、長期間静置
した時、結晶が析出しない上限の量とした)。
【0111】この溶液をシリコン処理した厚さ35μm
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片
面上に塗布し、60℃で30分間乾燥させ、厚み140
μmの粘着剤層を形成した。ついでこの粘着剤層上に厚
さ10μmのPETフィルムからなる支持体を貼り合わ
せた。
【0112】こうして得られた層状物を面積10cm2
に切断し、1製剤中にピロキシカム10mgを含有する
テープ製剤を調製した。
【0113】実施例2 ブチルアクリレート30重量%(60g)と、メチルア
クリレート40重量%(80g)と、酢酸ビニル30重
量%(60g)とを実施例1と同様の操作で重合した。
薬物として硝酸イソソルビドの酢酸エチル溶液を用い、
これを実施例1と同様の操作で配合し、テープ製剤を調
製した。ただし、硝酸イソソルビドの固形分中の濃度は
16重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは60μmに
した。
【0114】実施例3 ノルマルオクチルアクリレート35重量%(70g)
と、エチルアクリレート65重量%(130g)と、ヘ
キサメチレングリコールジメタクリレート0.02重量
%(40mg)とを実施例1と同様の操作で重合した。
薬物としてインドメタシンのテトラヒドロフラン溶液を
用い、これを実施例1と同様の操作で配合し、テープ製
剤を調製した。ただし、インドメタシンの固形分中の濃
度は12重量%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは80μ
mにした。
【0115】比較例1 ブチルアクリレート75重量%(150g)と、アクリ
ル酸5重量%(10g)と、酢酸ビニル20重量%(4
0g)とを実施例1と同様の操作で重合した。薬物とし
て硝酸イソソルビドの酢酸エチル溶液を用い、これを実
施例1と同様の操作で配合し、テープ製剤を調製した。
ただし、硝酸イソソルビドの固形分中の濃度は24重量
%にし、乾燥後の粘着剤層の厚みは40μmにした。
【0116】比較例2 2−エチルヘキシルアクリレート80重量%(160
g)と、エチルアクリレート20重量%(40g)とを
実施例1と同様の操作で重合した。薬物として硝酸イソ
ソルビドの酢酸エチル溶液を用い、これを実施例1と同
様の操作で配合し、テープ製剤を調製した。ただし、硝
酸イソソルビドの固形分中の濃度は10重量%にし、乾
燥後の粘着剤層の厚みは100μmにした。
【0117】テープ剤の性能試験 i)ヒト皮膚貼付性試験 実施例および比較例の各テープ製剤について、試験1に
示す手法によりヒトの皮膚に対するテープ製剤の貼付性
試験を行なった。
【0118】試験1 各テープ製剤を剥離紙除去後ヒトの前腕に貼付し、貼付
2時間後に製剤を剥離し、その粘着力を官能により下記
の基準で評価した。また、耐水性を調べるために、貼付
2時間後入浴し、製剤を剥離し、その粘着力を官能によ
り下記の基準で評価した。繰り返し回数は4回とした。
得られた結果を表1に示す。
【0119】○:充分な粘着性を有する △:粘着性がやや不十分である ×:粘着性が弱く、使用上問題がある ii) ウサギ皮膚の薬物移行性試験 実施例および比較例の各テープ製剤について、試験2に
示す手法によりウサギの皮膚に対する薬物の移行性試験
を行なった。
【0120】試験2 日本白色種のウサギの脱毛した背部にテープ製剤の試験
片(面積10cm2 )を貼付し、24時間後これを剥離
して回収した。回収試験片をメタノールで抽出処理し、
テープ製剤中の薬物の残存量を高速液体クロマトグラフ
法により測定した。テープ製剤の当初の薬物量10mg
と試験後の残存量の差を24時間の皮膚移行量とした。
繰り返し回数は各製剤毎に4回とした。
【0121】各回における測定値の総和を繰り返し回数
4で割った平均値を各々のテープ製剤の皮膚移行量とし
た。得られた結果を表1に示す。
【0122】iii) ウサギ皮膚刺激性試験 実施例および比較例の各テープ製剤について、試験3に
示す手法によりウサギの皮膚に対する刺激性試験を行な
った。
【0123】試験3 試験2と同じ手法で処理したウサギの背部皮膚にテープ
製剤を24時間貼付した後、剥離し、剥離直後および剥
離1時間後の2時点でそれぞれ皮膚の紅斑状態を目視で
観察した。なお、本試験において、浮腫および痂皮の形
成は認められなかった。繰り返し回数は各製剤毎に4回
とした。
【0124】紅斑の程度は下記の0〜4の5段階の判定
基準で評価した。
【0125】0…紅斑なし 1…かろうじて識別できる軽度の紅斑 2…明らかな紅斑 3…中程度の紅斑 4…深紅色の強い紅斑 各回における評点の総和を繰り返し回数4で割った平均
値を各々のテープ製剤の皮膚刺激指数とした。得られた
結果を表1に示す。
【0126】
【表1】
【0127】上記各性能試験結果から明らかなように、
本発明によるテープ製剤では、比較的極性の高い薬物に
対し高い放出性を長時間維持すること、粘着性が良好で
皮膚に長時間密着すること、放出性が同じ水準の他の製
剤と比較して皮膚に貼付後の発汗時および入浴時におい
ても耐水性がよいこと、皮膚刺激性が少ないことが認め
られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物を相溶状態で含む粘着剤からなる粘
    着剤層が支持体上に保持されているテープ製剤におい
    て、該粘着剤が、アルキル基の炭素数4以上18以下の
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルを25〜40重量
    %、アルキル基の炭素数3以下の(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステルを60〜75重量%の割合で重合してな
    る共重合物であることを特徴とするテープ製剤。
  2. 【請求項2】 該粘着剤が、アルキル基の炭素数4以上
    18以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを25
    〜40重量%、アルキル基の炭素数3以下の(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステルと酢酸ビニルとの含量和を6
    0〜75重量%の割合で重合してなる共重合物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のテープ製剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06247846A (ja) * 1993-02-22 1994-09-06 Toko Yakuhin Kogyo Kk 塩酸リトドリンの経皮吸収製剤用組成物
JPH07267862A (ja) * 1994-03-29 1995-10-17 Sekisui Chem Co Ltd 経皮吸収貼付剤
JP2007091764A (ja) * 1997-12-12 2007-04-12 Nitto Denko Corp 経皮吸収型製剤

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