JP3224582B2 - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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JP3224582B2 JP03478592A JP3478592A JP3224582B2 JP 3224582 B2 JP3224582 B2 JP 3224582B2 JP 03478592 A JP03478592 A JP 03478592A JP 3478592 A JP3478592 A JP 3478592A JP 3224582 B2 JP3224582 B2 JP 3224582B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚に適用して所要の
薬物を経皮的に体内循環系へ投与するのに使用される、
テープ剤、パッチ剤、パップ剤、クリーム剤、軟膏剤な
どの経皮吸収製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薬物を体内循環系へ投与する剤型
として、経口剤、注射剤、坐剤などが適宜使用されてい
たが、近年、経皮吸収製剤の開発が以下の利点により積
極的に進められている。すなわち、経皮吸収製剤では、 体内に吸収された薬物が初回循環では肝臓を通過しな
いため、経口投与法の場合のように腸で吸収された薬物
が肝臓を通過して代謝を受けその薬効が減退するという
欠点がない。
【0003】注射剤に比べると患者の精神的負担、肉
体的苦痛が少ない。
【0004】血中濃度を長時間必要レベルに維持しや
すく、長時間にわたって連続投与が可能である。
【0005】副作用発現濃度に達した時などに必要に
応じて投与を容易に中断できる。
【0006】ところで、この種の経皮吸収製剤は、本来
異物の体内への侵入を防ぐバリヤー機能を有する皮膚の
角質層を経由して薬物を体内循環系へ投与するものであ
るため、所期の薬効を発現させるに充分な量を投与する
のは必ずしも容易でない。
【0007】また、皮膚に投与された薬物の大部分は、
角質層から、生きた表皮細胞層、真皮の上層部を経て循
環系へ入るが、その際角質層が最も大きなバリヤー能を
有すると考えられている(「医薬品の開発」、第13
巻、薬物送達法、廣川書店、1989年、88頁)。
【0008】従来、皮膚のバリヤー機能を弱めて、薬物
の経皮吸収性を向上させる方法として種々の吸収促進剤
が開発され、これを含ませた経皮吸収製剤が多数提案さ
れている。たとえば吸収促進剤として、ラウロイルサル
コシンのようなN−アシルサルコシンを用いた製剤(特
開昭62−96430号公報参照)、油脂・精油類を用
いたもの(特開平1−186824号、特開平1−22
8920号の各公報参照)、脂肪酸類を用いたもの(特
開昭63−313731号の公報参照)、脂肪酸エステ
ル類を用いたもの(特開平1−25720号、特開平1
−174356号の各公報参照)などが提案されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
の経皮吸収製剤では、これらに従って薬物の経皮吸収量
を増加させようとしても、薬物によっては充分な吸収量
が得られない場合がある。とりわけ、親油性の高い薬
物、たとえばインドメタシン、エストラジオール、ヒド
ロコルチゾン、ベタメタゾン、プロピオン酸テストステ
ロンなどは、従来のの経皮吸収製剤では不充分な量でし
か吸収されない。
【0010】本発明の目的は、上記の如き実情に鑑み、
親油性の高い薬物についても充分な量を経皮吸収せしめ
ることができる経皮吸収製剤を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく検討を重ねた結果、インドメタシンなどの親油
性の高い薬物については、経皮吸収の際、角質層のバリ
ヤー能よりも生きた表皮細胞層のバリヤー能が相対的に
高くなること、従来の吸収促進剤は主に角質層のバリヤ
ー能を低減するため上記高親油性薬物には吸収促進効果
が充分でないこと、さらに、特定の化合物により生きた
表皮細胞層のバリヤー能を低下せしめ、それを従来の吸
収促進剤、特にN−ラウロイルサルコシンと共に製剤に
配合すると、上記高親油性薬物の吸収量を従来技術によ
る場合に比べ顕著に向上せしめることができることを見
出し、完成されたものである。
【0012】すなわち、本発明による経皮吸収製剤は、
N−ラウロイルサルコシンと、グアイアズレンおよび/
またはファーネソールと、基剤と、薬物とを含むもので
ある。
【0013】本発明による経皮吸収製剤の基剤として
は、テープ剤やパップ剤の場合には粘着性基剤を用い、
軟膏剤、クリーム剤、パッチ剤の場合には非粘着性基剤
を用いる。
【0014】基剤中に含まれるN−ラウロイルサルコシ
ン、グアイアズレンおよび/またはファーネソール、薬
物の各含有量は、軟膏剤、クリーム剤では製剤自体に対
する含有量に相当し、テープ剤やパップ剤などの貼付剤
では、製剤から支持体や剥離紙を除いた部分すなわち粘
着剤層(膏体層)の部分に対する含有量に相当し、パッ
チ剤ではリザーバー層に含ませる基剤に対する含有量に
相当する。この点は本明細書全体を通して共通である。
【0015】以下、本発明による経皮吸収製剤の各構成
成分について詳しく説明する。
【0016】a) 本発明による経皮吸収製剤におい
て、グアイアズレンおよび/またはファーネソールと、
N−ラウロイルサルコシンとが併用される。
【0017】グアイアズレンおよび/またはファーネソ
ールは、生きた表皮細胞層の薬物透過性を向上させる作
用を果たす。
【0018】グアイアズレンおよび/またはファーネソ
ールの含有量は、好ましくは0.3〜20重量%であ
り、より好ましくは0.5〜12重量%である。グアイ
アズレンおよび/またはファーネソールの含有量が過少
であれば、薬物の表皮細胞層の薬物透過効果が充分に得
られない。同含有量が過多であれば、皮膚刺激が誘発さ
れ易くなる。N−ラウロイルサルコシンは、角質層のバ
リヤー能を低減し、生きた表皮細胞層の薬物透過性を向
上させるグアイアズレンおよび/またはファーネソール
を、表皮細胞層まで到達しやすくする役目を果たす。
【0019】N−ラウロイルサルコシンの含有量は、好
ましくは0.1〜20重量%であり、より好ましくは1
〜10重量%である。ラウロイルサルコシンの含有量が
過少であれば、薬物の吸収促進効果が充分に得られな
い。同含有量が過多であれば、相対的に粘着剤または基
剤の割合が低下してテープ剤やパップ剤などでは粘着物
性が低下し易く、またラウロイルサルコシンと粘着剤と
の相溶性が悪化し易く、さらには皮膚刺激が誘発され易
くなる。 b) 本発明の経皮吸収製剤に使用される薬物(生理活
性物質)としては、経皮的に生体膜を透過しうるもので
あって、特に親油性が高くかつ生きた表皮細胞層のバリ
ヤーが相対的に高い薬物が効果的である。
【0020】使用される薬物の代表例は、インドメタシ
ン(解熱消炎鎮痛剤)、エストラジオール、プロピオン
酸テストステロン、プロゲステロン(ホルモン剤)、ヒ
ドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、酢
酸ベタメタゾン(ステロイド系抗炎症剤)などである。
【0021】ただし、本発明の経皮吸収製剤に使用され
る薬物(生理活性物質)は、上記のものに限定されな
い。薬物の例としては、鎮痛解熱剤、抗てんかん剤、抗
精神病剤、抗鬱剤、抗そう剤、抗不安剤、催眠剤、鎮静
剤、筋弛緩剤、自立神経作用剤、脳代謝賦活剤、強心
剤、抗狭心症剤、抗不整脈剤、末梢血管拡張剤、降圧
剤、昇圧剤、利尿剤、呼吸促進剤、鎮咳去痰剤、気管支
拡張剤、気管支喘息治療剤、呼吸器用剤、感冒用剤、制
吐剤、制酸剤、消化性潰瘍治療剤、緩下剤、止痢制腸
剤、肝臓用剤、膵疾患治療剤、利胆剤、女性ホルモン
剤、男性ホルモン剤、視床下部および下垂体ホルモン
剤、排卵誘発剤、尿崩症治療剤、甲状腺ホルモン剤、蛋
白同化ホルモン剤、抗甲状腺剤、カルシウム代謝剤、副
腎皮質ステロイド剤、非ステロイド抗炎症剤、消炎酵素
剤、抗ヒスタミン剤、抗リウマチ剤、痛風治療剤、糖尿
病剤、ビタミン剤、造血剤、止血剤、高脂血症治療剤、
抗菌剤、抗癌剤、免疫抑制剤、解毒剤、催吐剤、駆虫
剤、抗原虫剤、痔治療剤、泌尿生殖器用剤などが挙げら
れる。
【0022】各薬物の代表例を以下に示す(ただし上記
好適例も含む)。
【0023】解熱消炎鎮痛剤の例としては、インドメタ
シン、サリチル酸、サリチル酸グリコール、アスピリ
ン、アセトアミノフェン、ジクロフェナックナトリウ
ム、イブプロフェン、スリンダック、ナプロキセン、ケ
トプロフェン、フルフェナム酸、イブフェナック、フェ
ンブフェン、アルクロフェナック、フェニルブタゾン、
メフェナム酸、ベンダザック、ピロキシカム、フルルビ
プロフェン、ペンタゾシン、塩酸ブプレノルフィン、酒
石酸ブトルファノールなどが挙げられる。
【0024】ステロイド系抗炎症剤の例としては、ヒド
ロコルチゾン、プレドニゾロン、フルオシノロンアセト
ニド、フルドロキシコルチド、メチルプレドニゾロン、
酢酸ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、
デキサメタゾン、酢酸ベタメタゾン、吉草酸ジフルコル
トロン、プロピオン酸クロベタゾール、フルオシノニド
などが挙げられる。
【0025】血管拡張剤の例としては、ジルチアゼム、
ベラパミル、四硝酸ペンタエリスリトール、ジピリダモ
ール、硝酸イソソルビド、ニフェジピン、ニトログリセ
リンなどが挙げられる。
【0026】高血圧・不整脈用剤としては、プロパノロ
ール、アテノロール、ピンドロール、硫酸キニジン、ア
ジマリン、塩酸アルプレノロール、酒石酸メトプロロー
ル、ナドロール、マレイン酸チモロール、ジソピラミド
などが例示される。
【0027】血圧降下剤の例としては、塩酸クロニジ
ン、カプトプリル、塩酸プラゾシン、硫酸ペンブトロー
ル、酢酸グアナベンズ、塩酸グアンファシン、塩酸ブナ
ゾシン、マレイン酸エラナプリル、塩酸アロチノロー
ル、塩酸ブニトロロールなどが挙げられる。
【0028】鎮咳去痰剤の例としては、塩酸プロカテロ
ール、硫酸テルブタリン、臭化水素酸フェノテロール、
塩酸ツロブテロール、塩酸アンブロキソール、塩酸ピル
ブテロール、塩酸マブテロール、塩酸クレンブテロー
ル、塩酸トリメトキノール、フマル酸フォルモテロール
などが挙げられる。
【0029】抗癌剤としては、5−フルオロウラシル、
1−(2−テトラヒドロフリル)−5−フルオロウラシ
ル、マイトマイシンCなどが例示される。
【0030】局所麻酔剤としては、ベンゾカイン、プロ
カイン、リドカイン、テトラカインなどが例示される。
【0031】ホルモン剤の例としては、エストロゲン、
エストラジオール、テストステロン、プロゲステロンな
どのステロイドホルモン類や、インスリンなどのペプチ
ドホルモン類などが挙げられる。
【0032】喘息・鼻アレルギー治療剤としては、フマ
ル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、クロモグリク酸
ナトリウムなどが例示される。
【0033】抗ヒスタミン剤としては、塩酸シクロヘプ
タジン、塩酸ジフェンヒドラミン、フェンベンザミン、
メキタジンなどが例示される。
【0034】抗凝血剤の例としては、ヘパリンなどが挙
げられる。
【0035】鎮痙剤としては、スコポラミン、クロフル
ペロールなどが例示される。
【0036】脳循環・代謝改善剤の例としては、ビンポ
セチン、塩酸フルナリジン、塩酸ニカルジピン、フマル
酸ブロビンカミン、メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、
酒石酸イフェンプロジル、塩酸イソクスプリンなどが挙
げられる。
【0037】抗鬱・抗不安剤の例としては、塩酸マプロ
チリン、エチゾラム、ジアゼパム、ブロマゼパム、塩酸
アミトリプチリン、塩酸ミアンセリンなどが挙げられ
る。
【0038】ビタミンD製剤の例としては、アルファカ
ルシドール、エルゴカルシフェロールなどが挙げられ
る。
【0039】血糖降下剤の例としては、グリベンクラミ
ド、グリクラジドなどが挙げられる。
【0040】抗潰瘍剤の例としては、リンゴ酸クレボブ
リド、ファモチジン、臭化グリコピロニウムなどが挙げ
られる。
【0041】睡眠剤の例としては、フェノバルビター
ル、アモバルビタールなどが挙げられる。
【0042】抗生物質としては、テトラサイクリン、ク
ロラムフェニコールなどが例示される。
【0043】これらの薬物の配合量は、薬物の種類、経
皮吸収製剤の使用目的などにより異なるが、通常は0.
1〜30重量%の範囲である。
【0044】c) 本発明による経皮吸収製剤の剤型と
しては、テープ剤、パッチ剤、パップ剤、クリーム剤、
軟膏剤などがある。
【0045】テープ剤は、グアイアズレンおよび/また
はファーネソールと、N−ラウロイルサルコシンと、粘
着性基剤と、薬物とからなる膏体層が、支持体の片面に
設けられたものである。
【0046】パッチ剤は、支持体の片面に非粘着性のリ
ザーバー層および粘着剤層が順次積層されて構成された
ものであり、リザーバー層は、薬物、グアイアズレンお
よび/またはファーネソール、N−ラウロイルサルコシ
ン、および必要に応じて加えられる添加剤が非粘着性基
剤に保持させられたものである。このリザーバー層が粘
着剤層を介して皮膚に貼付され、リザーバー層中の薬物
が粘着剤層を通って経皮吸収される。ただし、前記リザ
ーバー層中の薬物やグアイアズレンおよび/またはファ
ーネソール、N−ラウロイルサルコシンなどは、粘着剤
層にも含ませてもよい。
【0047】パップ剤は、薬物、グアイアズレンおよび
/またはファーネソール、N−ラウロイルサルコシン、
および必要に応じて加えられる添加剤を含むペースト状
の基剤を支持体の表面に層状に塗布したものである。パ
ップ剤はテープ剤やパッチ剤に比べ粘着性に乏しいため
絆創膏などで皮膚表面に固定される。
【0048】クリーム剤および軟膏剤は、非粘着性基剤
に、薬物、グアイアズレンおよび/またはファーネソー
ル、N−ラウロイルサルコシン、および必要に応じて加
えられる添加剤を均一に混合してなる薬物含有ペースト
またはスラリーである。
【0049】c-1 ) パッチ剤のリザーバー層をなす非
粘着性基剤としては従来公知の外用基剤が使用でき、た
とえば白色ワセリン、シリコンオイル、カルボキシビニ
ルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリ
コール、流動パラフィンなどが例示される。
【0050】c-2) テープ剤の粘着性基剤やパッチ剤の
粘着剤層の粘着剤は、上記薬物との相溶性に優れ、かつ
該製剤を常温で皮膚表面に長時間固定しうる粘着力を有
するものであれば特に限定されない。好ましい粘着剤と
しては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン
系粘着剤などが例示される。
【0051】アクリル系粘着剤としては、特に、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体または共
重合体および/または上記(メタ)アクリル酸アルキル
エステルとその他の官能性モノマーとの共重合体が好適
に用いられる。
【0052】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸
デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、
アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル
酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イ
ソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステア
リルなどが例示される。
【0053】上記官能性モノマーの例としては、水酸基
を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、
アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマ
ー、ピロリドン環を有するモノマーなどが挙げられる。
水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートなどが例示される。カルボキシル基を有するモノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などのα−β
不飽和カルボン酸:マレイン酸ブチルなどのマレイン酸
モノアルキルエステル:マレイン酸:フマル酸:クロト
ン酸などが例示される。無水マレイン酸もマレイン酸と
同様の(共)重合成分を与える。アミド基を有するモノ
マーとしては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド、ジエチルアクリルアミドなどのアルキル(メタ)ア
クリルアミド:ブトキシメチルアクリルアミド、エトキ
シメチルアクリルアミドなどのアルキルエーテルメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ドなどが例示される。アミノ基を有するモノマーとして
は、ジメチルアミノエチルアクリレートなどが例示され
る。ピロリドン環を有するモノマーとしてはビニルピロ
リドンなどが例示される。
【0054】上記以外の共重合性モノマーとしては、酢
酸ビニル、ビニルアルコール、スチレン、α−メチルス
チレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエンなども使用できる。粘着剤中には
(メタ)アクリル酸アルキルエステルが(共)重合成分
として50重量%以上含有されることが好ましい。
【0055】アクリル系粘着剤にはさらに必要に応じて
多官能性モノマーが加えられ、他のモノマー成分と共重
合される。この多官能性モノマーの添加により、生成す
る重合体間にごくわずかに架橋が生じ、それにより粘着
剤の内部凝集力が増大する。そのため貼付された皮膚の
性状や発汗量にほとんど無関係に貼付剤剥離時のいわゆ
る糊残り現象がほぼ解消せられる。しかも、この多官能
性モノマーの添加は薬物の放出性や低皮膚刺激性には何
ら悪影響を与えない。このような多官能性モノマーとし
ては、たとえば、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メ
タ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートなどが
例示されるが、これに限定されない。より具体的には、
ヘキサメチレングリコールやオクタメチレングリコール
などのポリメチレングリコール類と(メタ)アクリル酸
とを結合させて得られるジ(メタ)アクリレート;ポリ
エチレングリコールやポリプロピレングリコールなどの
ポリアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸とを
結合させて得られるジ(メタ)アクリレート;トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレートやグリセリン
トリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレ
ート;およびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレートなどのテトラ(メタ)アクリレートが例示され
る。これら多官能性モノマーは2種以上を組み合わせて
用いてもよい。多官能性モノマーは粘着剤の製造に供さ
れる全モノマー中に0.005〜0.5重量%の割合で
使用される。多官能性モノマーの使用量が0.005重
量%未満であると、架橋による内部凝集力向上の効果が
小さく、また0.5重量%を超えると重合により得られ
る粘着剤がゲル化を起こし易く、薬物の拡散・放出にも
影響が現われる。
【0056】また必要に応じてロジン系樹脂、ポリテル
ペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テル
ペン−フェノール樹脂などの粘着性付与剤を添加しても
よい。
【0057】アクリル系粘着剤を調製するには、通常、
重合開始剤の存在下に所要のモノマーの溶液重合を行な
う。ただし、重合形態はこれに限定されない。また重合
反応条件は主としてモノマーの種類により適宜選定され
る。
【0058】ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレ
ン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、ポリイ
ソプレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などのゴム弾性体100重量部に、
たとえばロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−
インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂
などの粘着性付与剤を20〜200重量部、および必要
に応じて、液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリ
イソプレン、液状ポリアクリレートなどの軟化剤:酸化
チタンなどの充填剤:ブチルヒドロキシトルエンなどの
老化防止剤などを適量添加してなるものが使用される。
【0059】シリコーン系粘着剤としては、ポリジメチ
ルシロキサンなどを主成分とするものが使用される。
【0060】上記各粘着剤中には、可塑剤;充填剤;老
化防止剤などの配合剤が必要に応じて添加される。
【0061】c-3) テープ剤やパッチ剤の支持体として
は、柔軟であるが経皮吸収製剤に自己支持性を付与し、
かつ粘着性基剤層中やリザーバー層中の薬物の揮散や移
行を防止する役目を果たすものが使用される。支持体の
素材としては、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビ
ニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどが例示され
る。これら素材はたとえば単層のシートないしフィルム
や2枚以上の積層体として用いられる。アルミニウム以
外の素材は織布や不織布として使用してもよい。支持体
としては、皮膚面に対して追従性を有する素材よりなる
ものが好適に用いられ、特にポリエチレンテレフタレー
トとエチレン−酢酸ビニル共重合体とのラミネートフィ
ルムなどが好ましい。支持体の厚みは500μm以下、
好ましくは5〜150μmである。
【0062】上記支持体の表面に粘着性基剤層が形成さ
れてテープ剤が構成せられる。また上記支持体の片面に
リザーバー層および粘着剤層が順次積層されてパッチ剤
が構成せられる。パッチ剤ではリザーバー層と粘着剤層
との間に適当な薬物放出制御膜が存在してもよい。
【0063】c-4) テープ剤の調製において、粘着性基
剤層を形成するには通常の粘着テープの製造方法が適用
できる。その代表例は溶剤塗工法であり、これ以外にも
ホットメルト塗工法、電子線硬化エマルジョン塗工法な
どが用いられる。粘着性基剤層を溶剤塗工法で形成する
には、たとえば、グアイアズレンおよび/またはファー
ネソールと、N−ラウロイルサルコシンと、粘着性基剤
と、薬物と、必要に応じて加えられる添加剤とを、適当
な溶媒に溶解ないし分散させ、得られた溶液ないし分散
液を支持体の表面に直接塗布・乾燥し、所要厚みの粘着
性基剤層を形成する。また、この溶液ないし分散液を保
護用の剥離紙上に塗布し、乾燥後に得られた粘着性基剤
層を支持体に密着させてもよい。粘着性基剤層の厚みは
使用目的により異なるが、通常、30〜200μmの範
囲である。この厚みが30μmを下回ると必要量の薬物
を含有することができず、粘着性も不十分である。厚み
が200μmを上回ると支持体付近の粘着性基剤層に含
有される薬物が充分に拡散せず、薬物放出性が低下す
る。
【0064】c-5) テープ剤は、使用時までその粘着性
基剤層表面を保護するために通常はその貼付面に剥離紙
を備えている。パッチ剤は、やはり粘着剤層の保護のた
めに剥離紙を備えている。剥離紙としてはポリエチレン
テレフタレートのフィルムをシリコン処理してなるもの
がよく用いられるが、剥離紙はこれに限定されない。剥
離紙の厚みは100μm以下、好ましくは5〜50μm
である。
【0065】d) パップ剤は、薬物、グアイアズレン
および/またはファーネソール、N−ラウロイルサルコ
シン、および必要に応じて加えられる添加剤を含むペー
スト状の基剤を支持体の表面に層状に塗布したものであ
る。
【0066】パップ剤の支持体としては、テープ剤やパ
ップ剤について先に説明したものが使用される。パップ
剤は、通常、テープ剤やパッチ剤に比べて粘着性に乏し
いため、絆創膏などで皮膚表面へ固定される。パップ剤
の基剤としては、アルギン酸アルカリ金属、ゼラチン、
コーンスターチ、トラガントガムなどの天然ポリマー
類;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系ポリマ
ー類;デキストリン、カルボキシメチルデンプンなどの
デンプン系ポリマー類;ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸ナトリウム、メトキシエチレン−無水マレイン
酸共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリド
ンなどの合成ポリマー類が例示される。
【0067】パップ剤を製造するには、グアイアズレン
および/またはファーネソールと、N−ラウロイルサル
コシンと、薬物と、基剤とを均一に混合し、得られた薬
物含有ペーストを支持体の片面に層状に塗布する。薬物
含有ペーストにはさらに、精製水、保湿剤、無機充填
剤、粘度調整剤、架橋剤、老化防止剤などが適宜含有さ
れていてもよい。保湿剤としては、グリセリン、プロピ
レングリコールなどが用いられ、無機充填剤としては、
カオリン、ベントナイト、亜鉛華、二酸化チタンなどが
用いられる。
【0068】e) クリーム剤および軟膏剤は、非粘着
性基剤に、薬物、グアイアズレンおよび/またはファー
ネソール、N−ラウロイルサルコシン、および必要に応
じて加えられる添加剤を均一に混合してなる薬物含有ペ
ーストまたはスラリーである。
【0069】その基剤としては、蜜ろう、油脂、ラノリ
ン、白色ワセリン、パラフィン、ハイドロカーボンゲル
(たとえばプラスチベース)、高級脂肪酸、高級アルコ
ール、乳化剤、マクロゴール、カルボキシビニルポリマ
ーなどが用いられる。
【0070】クリーム剤および軟膏剤には、脂溶性溶解
剤、精製水、水溶性溶解剤、pH調整剤などが含有され
ていてもよい。脂溶性溶解剤としては、流動パラフィ
ン、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチルな
どが用いられ、水溶性溶解剤としては、エタノール、グ
リセリン、プロピレングリコールなどが用いられる。
【0071】f) かくして得られた種々の剤型の経皮
吸収製剤は、通常は薬物を経皮的に体内循環系へ投与す
る目的で、皮膚表面に直接貼付または塗布される。さら
にこの経皮吸収製剤は皮膚の疾患部の治療を目的として
皮膚に貼付または塗布されることもある。
【0072】
【作用】本発明による経皮吸収製剤は、表皮細胞層透過
促進作用を有するグアイアズレンおよび/またはファー
ネソールと、角質層のバリヤー能低減作用を有するN−
ラウロイルサルコシンと、基剤と、薬物とを含むもので
あるので、N−ラウロイルサルコシンが、角質層のバリ
ヤー能低減作用により、グアイアズレンおよび/または
ファーネソールを角質層を経て表皮細胞層まで到達しや
すくし、グアイアズレンおよび/またはファーネソール
は親油性の高い薬物についても、生きた表皮細胞層の薬
物透過性を向上させることができる。その結果、所期の
薬効を発現させるに充分な量の薬物を経皮的に吸収せし
めることができる。
【0073】
【実施例】つぎに、本発明を具体的に説明するために、
本発明の一例を示す実施例およびこれとの比較を示す比
較例をいくつか挙げ、さらに得られた各製剤の性能試験
結果を示す。
【0074】(a) 経皮吸収製剤の製造実施例1 i) アクリル系粘着性基剤の調製 2−エチルヘキシルアクリレート235g、N−ビニル
−2−ピロリドン25gおよびヘキサンジオールジメタ
クリレート10重量%の酢酸エチル溶液0.38gをセ
パラブルフラスコに仕込み、さらに酢酸エチル260g
を加えてモノマー濃度を50重量%に調整した。この溶
液を窒素雰囲気下に60℃に加熱し、1gの過酸化ラウ
ロイルをシクロヘキサン50gに溶解してなる重合開始
剤溶液および酢酸エチル175gを少量ずつ添加し、1
2時間かけて重合反応を行った。
【0075】かくして、固形分濃度35重量%を有する
アクリル系粘着性基剤の酢酸エチル溶液を得た。
【0076】ii) 塗工液の調製 得られた粘着性基剤溶液に、N−ラウロイルサルコシン
(和光純薬社製)を分散させてなるテトラヒドロフラン
分散液、グアイアズレン(和光純薬社製)およびインド
メタシン(和光純薬社製)を含むテトラヒドロフラン溶
液を、固形分(粘着性基剤、N−ラウロイルサルコシ
ン、グアイアズレンおよびインドメタシンの重量和)濃
度が30重量%になるように酢酸エチルを添加して調製
し、かつ、N−ラウロイルサルコシン、グアイアズレン
およびインドメタシンの固形分中濃度がそれぞれ3重量
%、10重量%および6重量%となるように加えて、こ
の液をディゾルバーにて均一に混合した。
【0077】かくして、貼付用配合物を含む塗工液を調
製した。
【0078】iii) テープ剤の調製 厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを
シリコン処理してなる剥離紙上に、工程ii) で得られた
塗工液を乾燥後の膏体層の厚みが80μmの厚さになる
ように塗布し、塗布層を60℃のオーブンにて30分間
乾燥した。ついで、ポリエチレンテレフタレート−エチ
レン・酢酸ビニル共重合体積層フィルムからなる厚み3
4μmの支持体のポリエチレンテレフタレート側を膏体
層の上面に密着させた。
【0079】かくして、テープ剤を調製した。
【0080】実施例2 実施例1の工程ii) において、グアイアズレンの代わり
にファーネソール(Sigma 社製)を用いてその固形分中
濃度を5重量%に調整し、その他の操作を実施例1と同
様に行ってテープ剤を調製した。
【0081】比較例1 実施例1の工程ii) において、グアイアズレンを使用せ
ず、その他の操作を実施例1と同様に行ってテープ剤を
調製した。
【0082】比較例2 実施例1の工程ii) において、N−ラウロイルサルコシ
ンを使用せず、その他の操作を実施例1と同様に行って
テープ剤を調製した。
【0083】比較例3 実施例2の工程ii) において、N−ラウロイルサルコシ
ンを使用せず、その他の操作を実施例2と同様に行って
テープ剤を調製した。
【0084】実施例3 実施例1の工程ii) において、インドメタシンの代わり
にエストラジオール(Sigma 社製)を用いてその固形分
中濃度を6重量%に調整し、その他の操作を実施例1と
同様に行ってテープ剤を調製した。
【0085】実施例4 実施例2の工程ii) において、インドメタシンの代わり
にエストラジオールを用いてその固形分中濃度を6重量
%に調整し、その他の操作を実施例2と同様に行ってテ
ープ剤を調製した。
【0086】比較例4 比較例1の工程ii) において、インドメタシンの代わり
にエストラジオールを用いてその固形分中濃度を6重量
%に調整し、その他の操作を比較例1と同様に行ってテ
ープ剤を調製した。
【0087】比較例5 比較例2の工程ii) において、インドメタシンの代わり
にエストラジオールを用いてその固形分中濃度を6重量
%に調整し、その他の操作を比較例2と同様に行ってテ
ープ剤を調製した。
【0088】比較例6 比較例3の工程ii) において、インドメタシンの代わり
にエストラジオールを用いてその固形分中濃度を6重量
%に調整し、その他の操作を比較例3と同様に行ってテ
ープ剤を調製した。
【0089】実施例5 実施例1の工程ii) において、N−ラウロイルサルコシ
ンの固形分中濃度を6重量%に調整し、その他の操作を
実施例1と同様に行ってテープ剤を調製した。
【0090】実施例6 実施例2の工程ii) において、N−ラウロイルサルコシ
ンの固形分中濃度を6重量%に調整し、その他の操作を
実施例2と同様に行ってテープ剤を調製した。
【0091】比較例7 実施例5の工程ii) において、グアイアズレンを使用せ
ず、その他の操作を実施例5と同様に行ってテープ剤を
調製した。
【0092】実施例7 実施例1の工程ii) において、グアイアズレンの固形分
中濃度を1重量%に調整し、その他の操作を実施例1と
同様に行ってテープ剤を調製した。
【0093】実施例8 実施例2の工程ii) において、ファーネソールの固形分
中濃度を1重量%に調整し、その他の操作を実施例2と
同様に行ってテープ剤を調製した。
【0094】比較例8 実施例7の工程ii) において、N−ラウロイルサルコシ
ンを使用せず、その他の操作を実施例7と同様に行って
テープ剤を調製した。
【0095】比較例9 実施例8の工程ii) において、N−ラウロイルサルコシ
ンを使用せず、その他の操作を実施例8と同様に行って
テープ剤を調製した。
【0096】(b) 経皮吸収製剤の性能評価試験i) ラットの角質層除去皮膚に対する薬物の移行性試
実施例および比較例で得られた各テープ剤について、下
記試験方法によりラットにおける薬物の皮膚移行率を調
べた。
【0097】試験方法 ラット(ウィスター系、雄性、6週齢)の剃毛した背部
皮膚に、剥離紙除去後のテープ剤の円形試験片(面積
3.14cm2 )を貼付し、24時間貼付後これを剥離
して回収した。
【0098】この回収試験片を50mlのメタノールに
浸漬して、試験片中の薬物を抽出した。得られた抽出液
中の薬物の濃度を高速液体クロマトグラフ法により測定
し、試験片中の薬物残存量を求めた。予め測定しておい
た試験片中の当初の薬物含有量(a) と試験後の残存量
(b)との差を当初の薬物含有量(a) で除しその商を10
0倍した値[{(a −b)/ a}×100 ]を24時間の薬
物の皮膚移行率(%)とした。
【0099】繰り返し回数は各テープ剤毎に6回とし
た。
【0100】各テープ剤についての皮膚移行率を、薬物
の種類および、N−ラウロイルサルコシンとグアイアズ
レンおよび/またはファーネソールの含有量に従って、
表1〜4に分けて示す。
【0101】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 上記各表において、N−ラウロイルサルコシンと、グア
イアズレンおよび/またはファーネソールとを共に含む
実施例の各テープ剤は、N−ラウロイルサルコシンしか
含まないか、またはグアイアズレンおよび/またはファ
ーネソールしか含まない比較例の各テープ剤に比べ、格
段に高い皮膚移行率を示すことが認められる。
【0102】
【発明の効果】本発明による経皮吸収製剤は、表皮細胞
層透過促進作用を有するグアイアズレンおよび/または
ファーネソールと、角質層のバリヤー能低減作用を有す
るN−ラウロイルサルコシンと、基剤と、薬物とを含む
ものであるので、N−ラウロイルサルコシンが、角質層
のバリヤー能低減作用により、グアイアズレンおよび/
またはファーネソールを角質層を経て表皮細胞層まで到
達しやすくし、グアイアズレンおよび/またはファーネ
ソールは親油性の高い薬物についても、生きた表皮細胞
層の薬物透過性を向上させることができる。
【0103】かくして、本発明の経皮吸収製剤によれ
ば、従来の吸収促進剤を含む経皮吸収製剤では充分でな
かった親油性の高い薬物の吸収性を格段に向上させ、所
期の薬効を発現させるに充分な量の薬物を経皮的に吸収
せしめることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ラウロイルサルコシンと、グアイア
    ズレンおよび/またはファーネソールと、基剤と、薬物
    とを含む経皮吸収製剤。
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