JP3699527B2 - テープ製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はテープ製剤に関するものであり、さらに詳しくは、薬物の経皮ないし経粘膜透過性及び貼付性が優れると共に、皮膚刺激性が低いテープ製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
テープ製剤は、皮膚に貼付して所定量の薬物を皮膚透過させて体内に投与する。この際、薬物を皮膚透過させる上で皮膚の角質層がバリヤー層となって薬物の吸収を妨げる。そこで、所定量の薬物を透過させるために種々の吸収促進剤が使用されている。
【0003】
上記吸収促進剤としては、例えば、特開平5−43457号公報では乳酸が、特開平5−186371号公報では乳酸の他にポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩及びラウリン酸ジエタノールジアミド塩がそれぞれ開示されている。しかしながら、乳酸を始めとしたこれらの吸収促進剤は、皮膚刺激を引き起し易いため添加量が制限されるという問題点があった。
【0004】
最近では、皮膚刺激低減の傾向から、脂肪酸エステル等の液状成分を粘着剤中に添加して、粘着剤層を可塑化することにより薬物の放出性を高める方法が多く採られている。しかし、十分な薬物の放出性を得るために粘着剤中に液状成分を多量に添加する必要があり、この結果粘着剤層の凝集力を極端に低下するという問題点があった。この凝集力の低下は、テープ製剤を皮膚から剥がす際に、▲1▼粘着剤層をべたつかせたり、▲2▼皮膚を引張ったり、毛むしりを生じる等して皮膚刺激を増大させたり、▲3▼粘着剤が皮膚に残る糊残り等の問題点を起こしている。
【0005】
これに対して、特開平6−23029号公報では、ポリエチレングリコールやミリスチン酸イソプロピル等の粘着剤層を可塑化する液状成分を含むゲル製剤が開示されている。しかし、粘着剤に多量の液状成分を添加すれば、粘着剤に架橋による凝集力の付与が必要であり、このため架橋の工程をつけ加えなければならなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を解決するために、その目的は、薬物の経皮ないし経粘膜透過性及び貼付性が優れると共に、皮膚刺激性が低いテープ製剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のテープ製剤は、支持体の片面に薬物を含有する粘着剤層が設けられたテープ製剤において、該粘着剤層が、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びN−ビニル−2−ピロリドンからなる共重合体(A)、ゴム成分又は共重合体(B)、前記共重合体(A)と相溶する液状成分ならびに薬物から形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明で使用される共重合体(A)は粘着基剤として用いられものであり、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びN−ビニル−2−ピロリドンを構成成分とする。
【0009】
上記アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
特にこれらの中でアルキル基の炭素数が4〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、粘着性と薬物との相溶性のバランスが優れているので好ましい。
【0010】
上記共重合体(A)において、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、25〜90重量%であり、好ましくは30〜80重量%である。25重量%未満では、粘着基剤の皮膚への接着性が低下し、90重量%を超えると粘着基剤の極性が低くなり、比較的極性の高い薬物との相溶性が悪くなるため、薬物の粘着剤中への溶解度が低くなる。つまり、高い放出性を維持し、薬物を長時間にわたって一定量投与することが困難となる。
【0011】
上記アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。特にこれらの中で、メチルアクリレート、エチルアクリレートが、粘着性と入手の容易さからより好ましい。
【0012】
上記共重合体(A)において、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、0〜70重量%であり、好ましくは0〜60重量%である。70重量%を超えると、粘着剤の皮膚への接着性が低下する。
上記アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、粘着基剤の極性の低下を抑えることができるが、他の成分とのバランスにより添加しなくてもよい。
【0013】
上記N−ビニル−2−ピロリドンは、粘着基剤に凝集力を付与したり、粘着基剤の極性を高めるために用いられる。また、(メタ)アクリル酸と異なり末端に酸が存在しないので、薬物と反応を起こしたり皮膚刺激を生じることがない。また、粘着基剤の極性を高めることができる。
【0014】
上記N−ビニル−2−ピロリドンの含有量は、2〜40重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。2重量%未満では、粘着基剤の凝集性が低下し、40重量%を超えると貼付性が悪くなると共に粘着基剤の極性が高くなり、発汗時や入浴時の耐水性が低下する。
【0017】
上記共重合体(A)は、通常、重合開始剤の存在下で上記モノマーを溶液重合することにより得られる。但し、重合形態はこれに限定されず、重合反応条件は主としてモノマーの種類により適宜選択される。
例えば、溶液重合を行う場合は、上記モノマーの所定量に酢酸エチル又はその他の一般的な重合溶媒を加え、攪拌装置及び冷却装置を備えた反応器中で、アゾビス系、過酸化物系等の重合開始剤の存在下、窒素雰囲気中で70〜90℃に保ち、8〜40時間反応させればよい。また、上記モノマー及び溶媒は一括投入してもよいし、適宜分割して投入してもよい。尚、重合開始剤は反応の進行状況に応じて適宜分割投入するのが好ましい。
【0018】
上記アゾビス系重合開始剤としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、上記過酸化物系重合開始剤としては、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、ジ(t−ブチル)パーオキサイド等が挙げられる。
【0019】
本発明で用いられる粘着基剤は、上記共重合体(A)に、ゴム成分又は共重合体(B)、液状成分及び薬物を添加することにより形成される。
【0020】
上記ゴム成分の添加量は、共重合体(A)100重量部に対して1〜100重量部であり、好ましくは10〜50重量部である。
添加量が1重量部未満では、凝集力の付与が不十分となり、粘着剤層にべたつきを生じ、皮膚から剥離する際に皮膚を過度に引張ったり、毛むしりを生じたりして皮膚刺激を増大させると共に皮膚での糊残りを生じる。
また、添加量が100重量部を超えると、皮膚への接着力が低下して剥がれを生じ易くなる。
【0021】
上記ゴム成分としては、天然ゴム及び合成ゴムが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記合成ゴムとしては、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソブチレン(PIB)、ブチルゴム(IIR)、ポリブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR);スチレン・イソプレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレンブロックコポリマー(SEBS)等のブロックコポリマー;2−クロロエチルビニルエーテル・アクリル酸エステル共重合体(ACM)、アクリロニトリル・アクリル酸エステル共重合体(ANM)等のアクリルゴムなどが挙げられ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用されてもよい。
【0022】
上記合成ゴムの中で、特に、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレン・イソプレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレンブロックコポリマー(SEBS)、2−クロロエチルビニルエーテル・アクリル酸エステル共重合体(ACM)が好ましい。
【0023】
上記共重合体(B)としては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸メチルとの共重合体が用いられる。上記共重合体(B)中、(メタ)アクリル酸の割合は、多くなると耐水性が悪くなるので80重量%以下が好ましい。
【0024】
上記共重合体(B)の添加量は、上記ゴム成分の場合と同様な理由により、共重合体(A)100重量部に対して1〜100重量部であり、好ましくは10〜50重量部である。
【0025】
上記共重合体(B)の市販品としては、(メタ)アクリル酸含有量10〜60重量%のものが容易に入手でき、例えば、Rohm Pharma社製「オイドラギットL100」〔(メタ)アクリル酸含有量38〜52重量%〕、「オイドラギットS100」〔(メタ)アクリル酸含有量25〜34.5重量%〕、「オイドラギットL−55」〔(メタ)アクリル酸含有量11.5〜15.5重量%〕等が挙げられ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用されてもよい。
上記市販品の粒子径は1〜150μmである。
【0026】
上記液状成分は、上記共重合体(A)と相溶するものであって、粘着基剤である共重合体(A)を可塑化するために用いられる。
上記液状成分としては、例えば、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、乳酸ミリスチル等の一価アルコールの脂肪酸エステル;アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジオクチル、コハク酸ジオクチル等の二塩基酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸オクチル等のフタル酸ジエステル;クエン酸トリエチル、ジカプリン酸プロピレングリコール、トリオクタン酸グリセリル、トリ(オクタン酸/デカン酸)グリセリル、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の多価アルコールの脂肪酸エステル及びこれらの脂肪酸エステルに相当する脂肪酸;グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール;炭素数4以上のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキルアルコール;低分子量のポリメチルビニルエーテル:トリアセチン;液状多糖類;炭素数12以上のアルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の液状カチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタンポリオキシエチレンアルキルエステル等の非イオン界面活性剤;ジメチルベタイン等の両性界面活性剤;液状アミノ酸などが挙げられ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用されてもよい。
【0027】
上記液状成分の中で、特に、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ポリエチレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル等が好ましい。
【0028】
上記液状成分の添加量は、共重合体(A)100重量部に対して1〜100重量部であり、好ましくは5〜70重量部、より好ましくは10〜60重量部である。添加量が1重量部未満では、粘着基剤を十分に可塑化できないため十分な薬物放出性が得られない。また、添加量が100重量部を超えると、粘着基剤を可塑化し過ぎるため、粘着基剤にべたつきを生じる。このべたつきは、テープ製剤を皮膚から剥離する際に皮膚を過度に引張ったり、毛むしりを生じたりして皮膚刺激を増大させると共に皮膚での糊残りを生じる。
【0029】
本発明で使用される薬物としては、経皮的に生体膜を透過しうるものであれば特に限定されず、例えば、次のものが挙げられる。
薬物の例としては、全身麻酔剤、局所麻酔剤、睡眠・鎮痛剤、解熱消炎鎮痛剤、ステロイド系抗炎症剤、興奮・覚醒剤、鎮暈剤、精神神経用剤、局所麻酔剤、骨格筋弛緩剤、自立神経用剤、鎮痙剤、抗パーキンソン病、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、動脈硬化用剤、呼吸促進剤、呼吸促進剤、鎮咳去痰剤、消化性潰瘍治療剤、利胆剤、ホルモン剤、泌尿生殖器及び肛門用剤、寄生性皮膚疾患用剤、皮膚軟化剤、ビタミン剤、無機質製剤、止血剤、血液凝固阻止剤、肝臓疾患用剤、習慣性中毒用剤、痛風治療剤、糖尿病用剤、抗悪性腫瘍剤、放射線医薬品、漢方製剤、抗生物質、化学療法剤、駆虫剤・抗原虫剤、麻薬などが挙げられる。
【0030】
解熱消炎鎮痛剤としては、アセトアミノフェノン、フェナセチン、メフェナム酸、ジクロフェナックナトリウム、フルフェナム酸、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、アミノピリン、アルクロフェナック、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、アンフェナックナトリウム、メピリゾール、インドメタシン、ペンタゾシン、ピロキシカム等;ステロイド系抗炎症剤としては、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、プレドニゾロン等が、それぞれ挙げられる。
【0031】
血管拡張剤としては、塩酸ジルチアゼム、四硝酸ペンタエリスリトール、硝酸イソソルビド、トラピジル、ニコランジル、ニトログリセリン、乳酸プレニラミン、モルシドミン、亜硝酸アミド、塩酸トラゾリン等;不整脈用剤としては、塩酸プロカインアミド、塩酸リドカイン、塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、アテノロール、ナドロール、酒石酸メトプロロール、アジマリン、ジソピラミド、塩酸メキシチレン等;血圧降下剤としては、塩酸エカラジン、インダパミド、塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロール、塩酸ラベタロール、カプトプリル、酢酸グアナベンズ、メブタメート、硫酸ベタニジン等が、それぞれ挙げられる。
【0032】
鎮咳去痰剤としては、クエン酸カルベタペンタン、クロペラスチン、タンニン酸オキセラジン、塩酸クロブチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸ノスカピン、塩酸エフェドリン、塩酸イソプロテレノール、塩酸クロルプレナリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸プロカテロール、塩酸ツロブテロール、塩酸クレンブテロール、フマル酸ケトチフェン等;抗悪性腫瘍剤としては、シクロフォスファミド、フルオロウラシル、デガフール、マイトマイシンC、塩酸プロカルバジン、ドキシフルリジン、ラニムスチン等;局所麻酔剤としては、アミノ安息香酸エチル、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸オキシブプロカイン、塩酸プロピトカイン等が、それぞれ挙げられる。
【0033】
ホルモン剤としては、プロピルチオウラシル、チアマゾール、酢酸メテノロン、エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン等;抗ヒスタミンとしては、塩酸ジフェノンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸ジフェニルピラリン等;血液凝固促進剤としては、ワルファリンカリウム、塩酸チクロピジン等;鎮痙剤としては、臭化メチルアトロピン、スコポラミン等;全身麻酔剤としては、チオペンタールナトリウム、ペントバルビタールナトリウム等;局所麻酔ざいとしては、アミノ安息香酸エチル、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸オキシブプロカイン、塩酸プロピト等;催眠・鎮痛剤としては、ブロムワレリル尿素、アモバルビタール、フェノバルビタール等;抗癲癇剤としてはフェニトインナトリウム等;興奮剤・覚醒剤としては塩酸メタンフェタミン等が、それぞれ挙げられる。
【0034】
鎮暈剤としては、塩酸ジフェニドール、メシル酸ベタヒスチン等;精神神経用剤としては、塩酸クロルプロマジン、チオリダジン、メプロバメート、塩酸イミプラミン、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム等;骨格筋弛緩剤としては、塩酸スキサメトニウム、塩酸エペリゾン等;自律神経用剤としては、臭化ネオスチグミン、塩化ベタネコール等;抗パーキンソン剤としては塩酸アマンタジン等;利尿剤としては、ヒドロフルメチアジド、イソソルビド、フロセミド等;血管収縮剤としては塩酸フェニレフリン等;呼吸促進剤としては、塩酸ロベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等;消化性潰瘍治療剤としては、臭化グリコピロニウム、プログルミド、塩酸セトラキサート、シメチジン、スピゾフロン等が、それぞれ挙げられる。
【0035】
利胆剤としては、ウルソデスオキシコール酸、オサルミド等;泌尿生殖器及び肛門用剤としては、ヘキサミン、スパルティン、ジノプロスト、塩酸リトドリン等;寄生性皮膚疾患用剤としては、サリチル酸、シクロピロクスオラミン、塩酸クロコナゾール等;皮膚軟化剤としては尿素等;ビタミン剤としては、カルシトリオール、塩酸チアミン、リン酸リボフラビンナトリウム、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド、パンテノール、アスコルビン酸等;無機質製剤としては、塩化カルシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等;止血剤としてはエタンシラート等が、それぞれ挙げられる。
【0036】
肝臓疾患用剤としてはチオプロニン等;習慣性中毒用剤としてはシアナミド等;痛風治療剤としては、コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等;糖尿病用剤としては、トルブタミド、クロルプロパミド、グリミジンナトリウム、グリブゾール、塩酸ブホルミン、インスリン等;抗生物質としては、ベンジルペニシリンカリウム、プロピシリンカリウム、クロキサシリンナトリウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、カルベニシリンナトリウム、セファロリジン、セフォキシチンナトリウム、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、硫酸カナマイシン、サイクロセリン等;化学療法剤としては、イソニアシド、ピラジナミド、エチオナミド等;麻薬としては、塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、塩酸コカイン、塩酸ペチジン等が、それぞれ挙げられる。
【0037】
上記薬物の配合量は、薬物の種類、製剤の使用目的により異なるが、少なくなると薬物の十分な薬効が得られず、多くなると粘着剤層の凝集力や粘着力が低下したり、相溶し難くなるので、通常、粘着剤層中0.01〜50重量%が好ましい。
【0038】
薬物の粘着剤に対する飽和溶解度は粘着基剤の組成により異なるが、薬物を飽和溶解度に可能な限り近い濃度で粘着剤層中に相溶させ、結晶析出が起こらないようにすることにより、薬物の高い放出性が得られる。尚、粘着剤層中に薬物が過飽和状態で存在したり、薬物の結晶が析出した状態で存在しても、特に支障はない。また、薬物をカプセル化したり、薬物貯蔵層を設けてもよい。
【0039】
上記粘着剤層には、必要に応じて、凝集力を更に付与するために、無水珪酸な等の充填剤などが添加されてもよい。
【0040】
上記各成分を均一に混合する方法としては、例えば、ボールミル、ローターミル等の回転式攪拌装置;プロペラミキサー、ディスパーキサー、ウルトラミキサー、パドルミキサー、アンカーミキサー等の回転翼式攪拌装置;プラネタリミキサー等の混練り式攪拌装置などを用いて混合する方法が挙げられる。
【0041】
本発明で用いられる支持体としては、柔軟性を有すると共にテープ製剤に自己支持性を付与し、かつ粘着剤層中の薬物の揮散や移行を防止する役目を果たすものが好ましい。このような支持体の素材としては、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂フィルム:アルミニウムシート等が挙げられ、これらの素材は単層で用いられても、2種以上の積層体として用いられてもよい。また、アルミニウムシート以外の素材は、織布や不織布の形態で用いられてもよい。
【0042】
上記支持体には、接着剤層との接着性を高める目的で、コロナ処理、プラズマ放電処理等の表面処理を施したり、アンカー剤によりアンカーコート処理を施してもよい。上記支持体の厚みは、500μm以下が好ましく、より好ましくは5〜150μmである。
【0043】
本発明のテープ製剤は、通常の粘着テープの製造方法に従って製造され、例えば、溶剤塗工法、ホットメルト塗工法、エマルジョン塗工法等従来公知の粘着テ−プの製造方法が使用可能であるが、特に溶剤塗工法が好適に使用される。
【0044】
上記溶剤塗工法では、上記粘着基剤を適当な溶媒で希釈し、これに、ゴム成分又は共重合体(B)、液状成分、薬物、その他の添加剤を配合し、得られた溶液を支持体表面に塗布し、乾燥させて溶媒を除去することにより、支持体上に粘着剤層を形成しテープ製剤を作製することができる。また、この溶液を剥離紙上に一旦塗工、乾燥した後、支持体に転写して粘着剤層を形成してもよい。
【0045】
上記粘着剤層の厚さは、使用目的により異なるが、薄くなると薬物を高濃度で添加せねばならず、その結果粘着力が低下し、厚くなると支持体付近の粘着剤層に含有される薬物が十分に拡散せず、薬物放出量が低下するので、10〜200μmが好ましい。
【0046】
この剥離紙は、粘着剤層を保護する目的で、使用時まで貼付されていてもよい。剥離紙としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートのフィルムをシリコーン処理したものが用いられ、その厚みは1000μm以下が好ましく、より好ましくは30〜200μmである。
【0047】
上記で得られたテープ製剤は、通常は薬物を経皮的又は経粘膜的に体内循環器系へ投与する目的で、皮膚ないし粘膜の表面に直接貼付する。
さらに、該テープ製剤は薬物を皮膚ないし粘膜の疾患部の治療を目的として皮膚ないし粘膜に貼付されることもある。さらに、使用後、痛みを感じることなく皮膚から簡単に剥離することができる。
【0048】
(作用)
本発明のテープ製剤において、共重合体(A)は、薬物の放出性と皮膚への接着性のバランスがとれた粘着基剤であり、さらに液状成分を添加することにより、共重合体(A)が可塑化され薬物の放出性が飛躍的に向上する。また、液状成分の添加によって、粘着剤層の凝集力は低下するが、ゴム成分又は共重合体(B)を添加することにより十分な凝集力を付与している。一般に皮膚刺激は皮膚への接着性が強いと高くなるが、可塑化された粘着剤層は皮膚への接着性が強くなり、剥離する際に皮膚が過度に引張られたり、毛むしりが生じたりして皮膚刺激が高くなる。また、皮膚への糊残りのような不快な現象を引き起こす。
しかし、本発明では、ゴム成分又は共重合体(B)の添加によって凝集力を高めることにより、皮膚への接着性は良好でかつマイルドなものとなり、皮膚刺激を極めて低くすることができる。しかも、皮膚への糊残りも防ぐことができる。
以上の構成により、本発明のテープ製剤は薬物の経皮又は経粘膜透過性に優れると共に貼付性に優れ、皮膚刺激性も低い。
【0049】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を説明する。
共重合体(A−1)の調製
アクリル酸エチル200重量部、アクリル酸オクチル160重量部、N−ビニル−2−ピロリドン40重量部及び酢酸エチル400重量部を攪拌装置及び還流冷却装置付きセパラブルフラスコに供給し、攪拌及び窒素置換しながら80℃に昇温した。次いで、過酸化ラウロイル2重量部を酢酸エチル100重量部に溶解した溶液を10分割し、その1をセパラブルフラスコに添加し重合を開始した。
残部の9を反応開始後2時間目から1時間間隔で添加し全量添加終了後、さらに 2時間反応させた。尚、粘度調節のため反応開始後、2時間毎に酢酸エチルを100重量部ずつ4回添加した。反応終了後冷却し、次いで酢酸エチルを添加して固形分濃度31重量%、粘度5.5×104 cpsの粘着基剤溶液〔以下粘着基剤(A−1)という〕を得た。
【0050】
(実施例1)
上記粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、ポリイソプレンゴム(日本ゼオン社製「Nipol IR−2200」)の5重量%トルエン溶液を固形分として30重量部、ミリスチン酸イソプロピル40重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて、液全体をディスパーミキサーにて均一に攪拌し、粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液を、厚み35μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面上に乾燥後の厚みが40μmとなるように塗工して、60℃のオーブンで30分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。
この粘着剤層をポリエチレンテレフタレートとエチレン・酢酸ビニル共重合体との積層フィルムのポリエチレンテレフタレート側にラミネートして、厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0051】
(実施例2)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、スチレン・イソプレンブロックコポリマー(シェルジャパン社製「カリフレックス TR1107」)の5重量%トルエン溶液を固形分として5重量部、ミリスチン酸イソプロピル10重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0052】
(実施例3)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、アクリルゴム(日本ゼオン社製「Nipol AR−31」)の5重量%トルエン溶液を固形分として50重量部、ミリスチン酸イソプロピル60重量部及びインドメタシンを固形分中13.5重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み80μmのテープ製剤を得た。
【0053】
(実施例4)
共重合体(A−2)の調製
アクリル酸2−エチルヘキシル302重量部、N−ビニル−2−ピロリドン98重量部及び酢酸エチル400重量部を攪拌装置及び還流冷却装置付きセパラブルフラスコに供給し、攪拌及び窒素置換しながら80℃に昇温した。次いで、過酸化ラウロイル2重量部を酢酸エチル100重量部に溶解した溶液を10分割し、その1をセパラブルフラスコに添加し重合を開始した。残部の9を反応開始後2時間目から1時間間隔で添加し全量添加終了後、さらに2時間反応させた。
尚、粘度調節のため反応開始後、2時間毎に酢酸エチルを100重量部ずつ4回添加した。反応終了後冷却し、次いで酢酸エチルを添加して固形分濃度31重量%、粘度1.1×104 cpsの粘着基剤溶液〔以下粘着基剤(A−2)という〕を得た。
【0054】
粘着基剤(A−2)100重量部(固形分)に、スチレン・ブタジエンゴム(日本ゼオン社製「Nipol 1006」)の5重量%トルエン溶液を固形分として80重量部、セバシン酸ジエチル80重量部及びインドメタシンを固形分中13.5重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み80μmのテープ製剤を得た。
【0055】
(実施例5)
共重合体(A−3)の調製
アクリル酸エチル260重量部、アクリル酸ブチル120重量部、N−ビニル−2−ピロリドン20重量部及び酢酸エチル400重量部を攪拌装置及び還流冷却装置付きセパラブルフラスコに供給し、攪拌及び窒素置換しながら80℃に昇温した。次いで、過酸化ラウロイル2重量部を酢酸エチル100重量部に溶解した溶液を10分割し、その1をセパラブルフラスコに添加し重合を開始した。
残部の9を反応開始後2時間目から1時間間隔で添加し全量添加終了後、さらに 2時間反応させた。尚、粘度調節のため反応開始後、2時間毎に酢酸エチルを100重量部ずつ4回添加した。反応終了後冷却し、次いで酢酸エチルを添加して固形分濃度31重量%、粘度6.5×104 cpsの粘着基剤溶液〔以下粘着基剤(A−3)という〕を得た。
【0056】
粘着基剤(A−3)100重量部(固形分)に、ポリイソブチレン(エクソン化学社製「VISTANEX MML−100」)の5重量%トルエン溶液を固形分として2重量部、ポリエチレングリコール5重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0057】
(実施例6)
粘着基剤(A−3)100重量部(固形分)に、ポリイソプレンゴム(日本ゼオン社製「Nipol IR−2200」)の5重量%トルエン溶液を固形分として10重量部、スチレン・イソプレンブロックコポリマー(シェルジャパン社製「カリフレックス TR1107」)の5重量%トルエン溶液を固形分として10重量部、アクリルゴム(日本ゼオン社製「Nipol AR−31」)の5重量%トルエン溶液を固形分として10重量部、ポリエチレングリコール40重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0058】
(比較例1)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、硝酸イソソルビドのみを固形分中18重量%となるように加えたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0059】
(比較例2)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、インドメタシンのみを固形分中13.5重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み80μmのテープ製剤を得た。
【0060】
(比較例3)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、ポリイソプレンゴム(日本ゼオン社製「Nipol IR−2200」)の5重量%トルエン溶液を固形分として0.5重量部、ミリスチン酸イソプロピル40重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0061】
(比較例4)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、アクリルゴム(日本ゼオン社製「Nipol AR−31」)の5重量%トルエン溶液を固形分として150重量部、ミリスチン酸イソプロピル60重量部及びインドメタシンを固形分中13.5重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み80μmのテープ製剤を得た。
【0062】
(比較例5)
粘着基剤(A−2)100重量部(ー(シェルジャパン社製「カリフレックス TR1107」)の5重量%トルエン溶液を固形分として30重量部、セバシン酸ジエチル0.5重量部及び硝酸イソソルビドをを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0063】
(比較例6)
粘着基剤(A−3)100重量部に、スチレン・イソプレンブロックコポリマー(シェルジャパン社製「カリフレックス TR1107」)の5重量%トルエン溶液を固形分として100重量部、ポリエチレングリコール150重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0064】
上記実施例及び比較例で得られたテープ製剤につき、粘着基剤の種類等を表1に示すとともに、下記の性能評価を行い、その結果を表に示した。
1)薬物移行試験
日本白色種のウサギの脱毛した背部にテープ製剤の試験片(10cm2 ) を貼付し、24時間経過後にこれを剥離回収した。未貼付試験片と回収試験片とをメタノールで抽出し、テープ製剤中の薬物の初期含有量と残存量とを高速液体クロマトグラフ法により測定し、両者の差を皮膚移行量とした。
尚、各実施例及び比較例につき同様な測定を5回行い、その平均値を表中に示した。
【0065】
2)皮膚刺激性試験
日本白色種のウサギの脱毛した背部にテープ製剤の試験片(10cm2 ) を貼付し24時間経過後にこれを剥離した。剥離直後及び剥離1時間後の皮膚の紅斑状態を目視観察し、下記の基準に従って評価した。尚、各実施例及び比較例につき同様な評価を5回行い、その平均値を皮膚刺激性指数とした。
<基 準>
0:紅斑が全く認められず
1:辛うじて識別できるごく軽度の紅斑が認められた。
2:明らかな紅斑が認められた。
3:中程度の紅斑が認められた。
4:深紅色の強い紅斑が認められた。
【0066】
3)皮膚接着性試験
日本白色種のウサギの脱毛した背部にテープ製剤の試験片(10cm2 ) を24時間貼付し、試験片の接着状態を目視観察し、下記の基準に従って評価した。
尚、各実施例及び比較例につき同様な評価を5回行い、その平均値を皮膚接着性指数とした。
<基 準>
0:24時間以内に剥がれおちた。
1:24時間でかなりの部分(5cm2 以上)が剥がれた。
2:24時間で僅かの部分(5cm2 未満)が剥がれた。
3:24時間で全く剥がれなかった。
【0067】
4)凝集力官能評価
日本白色種のウサギの脱毛した背部にテープ製剤の試験片(10cm2 ) を貼付し24時間経過後これを剥離した。剥離時の試験片の「べたつき状態」を、下記の基準に従って官能評価した。尚、各実施例及び比較例につき同様な評価を5回行い、その平均値をべたつき指数とした。
<基 準>
0:べたつきなし(皮膚への糊残りなし)。
1:僅かにべたついた(皮膚への糊残りが僅かにあった)。
2:かなりべたついた(皮膚への糊残りがかなりあった)。
【0068】
【表1】
Figure 0003699527
【0069】
【表2】
Figure 0003699527
【0070】
実施例については、全てが高い薬物移行量を示し、かつ皮膚への接着力は良好であり、粘着剤層のべたつきは全くなく、皮膚刺激性は低かった。
一方、比較例1及び2は、ゴム成分及び液状成分を含んでいないため、薬物の移行性は低かった。比較例3では、液状成分の添加で薬物の移行性は高くなるものの、ゴム成分の添加量が少ないため、粘着剤層のべたつきは解消されず、皮膚への糊残りも多かった。また、皮膚がかなり引張られるため皮膚刺激も強かった。比較例4では、ゴム成分の添加量が多すぎるため製剤の根着力が弱くなり、貼付中に剥がれてしまった。
比較例5では、液状成分の添加量が少なすぎるため、十分な薬物の移行量が得られなかった。また、比較例6では、液状成分の添加量が多すぎるため、十分な凝集力が得られず、粘着剤層のべたつきが大きく、皮膚への糊残りを生じた。
さらに、皮膚がかなり引張られるため皮膚刺激も強かった。
【0071】
(実施例7)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:1)(Rohm Pharma社製「オイドラギット L100」、(メタ)アクリル酸含有量38〜52重量%)の10重量%酢酸エチル分散液を固形分として30重量部、ミリスチン酸イソプロピル40重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0072】
(実施例8)
粘着基剤(A−2)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:2)(Rohm Pharma社製「オイドラギット S100」、(メタ)アクリル酸含有量25〜34.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として20重量部、ミリスチン酸イソプロピル20重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0073】
(実施例9)
粘着基剤(A−3)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:6)(Rohm Pharma社製「オイドラギット L100−55」、(メタ)アクリル酸含有量11.5〜15.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として40重量部、ミリスチン酸イソプロピル50重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0074】
(実施例10)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:2)(Rohm Pharma社製「オイドラギッド S100」、(メタ)アクリル酸含有量25〜34.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として20重量部、セバシン酸ジエチル5重量部及びインドメタシンを固形分中13.5重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み80μmのテープ製剤を得た。
【0075】
(実施例11)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:2)(Rohm Pharma社製「オイドラギット S100」、(メタ)アクリル酸含有量25〜34.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として70重量部、ポリエチレングリコール70重量部及びピロキシカムを固形分中9重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み120μmのテープ製剤を得た。
【0076】
(実施例12)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:2)(Rohm Pharma社製「オイドラギット S100」、(メタ)アクリル酸含有量25〜34.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として20重量部、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:6)(Rohm Pharma社製「オイドラギッド L100−55」、(メタ)アクリル酸含有量11.5〜15.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として20重量部、ポリエチレングリコール50重量部及び硝酸イソスビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0077】
(比較例7)
粘着基剤(A−1)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:1)(Rohm Pharma社製「オイドラギット L100」、(メタ)アクリル酸含有量38〜52重量%)の10重量%酢酸エチル分散液を固形分として0.5重量部、ミリスチン酸イソプロピル40重量部及び硝酸イソソルビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た。
【0078】
(比較例8)
粘着基剤(A−2)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:2)(Rohm Pharma社製「オイドラギッド S100」、(メタ)アクリル酸含有量25〜34.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として150重量部、ミリスチン酸イソプロピル40重量部及び硝酸イソスビドを固形分中18重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み60μmのテープ製剤を得た製剤を得た。
【0079】
(比較例9)
粘着基剤(A−3)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:6)(Rohm Pharma社製「オイドラギット L100−55」、(メタ)アクリル酸含有量11.5〜15.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として40重量部、ミリスチン酸イソプロピル0.5重量部及びインドメタシンを固形分中13.5重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み80μmのテープ製剤を得た。
【0080】
(比較例10)
粘着基剤(A−3)100重量部(固形分)に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:6)(Rohm Pharma社製「オイドラギット L100−55」、(メタ)アクリル酸含有量11.5〜15.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として100重量部、ミリスチン酸イソプロピル150重量部及びインドメタシンを固形分中13.5重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み80μmのテープ製剤を得た。
【0081】
(比較例11)
粘着基剤(A−1)100重量部に、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(重量比1:2)(Rohm Pharma社製「オイドラギット S100」、(メタ)アクリル酸含有量25〜34.5重量%)の10重量%アセトン溶液を固形分として30重量部及びピロキシカムを固形分中9重量%となるように加えて粘着剤溶液を得た後、この粘着剤溶液から、実施例1と同様にして粘着剤層の厚み120μmのテープ製剤を得た。
【0082】
上記実施例7〜12及び比較例7〜11で得られたテープ製剤につき、粘着基剤の種類等を表3に示すとともに、実施例1と同様な性能評価を行い、その結果を表4に示した。
【0083】
【表3】
Figure 0003699527
【0084】
【表4】
Figure 0003699527
【0085】
実施例に7〜12ついては、全てが高い薬物移行量を示し、かつ皮膚への接着力は良好であり、粘着剤層のべたつきは全くなく、皮膚刺激性は低かった。
一方、比較例7では、液状成分の添加で薬物の移行性は高くなるものの、共重合体(B)の添加量が少ないため、粘着剤層のべたつきは解消されず、皮膚への糊残りも多かった。また、皮膚がかなり引張られるため皮膚刺激も強かった。
比較例8では、共重合体(B)の添加量が多すぎるため製剤の接着力が弱くなり、貼付中に剥がれてしまった。
比較例9では、液状成分の添加量が少なすぎるため、十分な薬物の移行量が得られなかった。また、比較例10では、液状成分の添加量が多すぎるため、十分な凝集力が得られず、粘着剤層のべたつきが大きく、皮膚への糊残りを生じた。
皮膚がかなり引張られたため皮膚刺激も大きかった。
比較例11では、液状成分が添加されていないため、十分な薬物の移行量が得られなかった。
【0086】
【発明の効果】
本発明のテープ製剤の構成は、上述の通りであり、薬物の放出性と皮膚への貼付性のバランスがとれており、かつ皮膚刺激が少ない。また、本発明のテープ製剤は優れた粘着基剤を使用しているので、比較的極性の高い薬物に対しても高い溶解性を示し、種々の薬物に対しても適用可能である。

Claims (1)

  1. 支持体の片面に薬物を含有する粘着剤層が設けられたテープ製剤において、該粘着剤層が、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル25〜90重量%、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル0〜70重量%及びN−ビニル−2−ピロリドン2〜40重量%からなる共重合体(A)100重量部、ゴム成分又は(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸メチルとの共重合体(B)1〜100重量部、前記共重合体(A)と相溶する液状成分1〜100重量部ならびに薬物から形成されていることを特徴とするテープ製剤。
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