JPH1179980A - 経皮吸収型製剤 - Google Patents

経皮吸収型製剤

Info

Publication number
JPH1179980A
JPH1179980A JP24143597A JP24143597A JPH1179980A JP H1179980 A JPH1179980 A JP H1179980A JP 24143597 A JP24143597 A JP 24143597A JP 24143597 A JP24143597 A JP 24143597A JP H1179980 A JPH1179980 A JP H1179980A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
preparation
tacky agent
drug
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24143597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4988080B2 (ja
Inventor
Takamitsu Muraoka
崇光 村岡
Hitoshi Akemi
仁 明見
Keigo Inosaka
敬悟 井ノ阪
Hiroko Kawaguchi
博子 川口
Saburo Otsuka
三郎 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP24143597A priority Critical patent/JP4988080B2/ja
Priority to US09/146,666 priority patent/US6132761A/en
Priority to DE69813982T priority patent/DE69813982T2/de
Priority to EP98116798A priority patent/EP0904778B1/en
Priority to ES98116798T priority patent/ES2194261T3/es
Publication of JPH1179980A publication Critical patent/JPH1179980A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4988080B2 publication Critical patent/JP4988080B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 経皮吸収性薬物〔6−アミノ−5−クロロ−
1−イソプロピル−2−(4−メチル−1−ピペラジニ
ル)ベンズイミダゾールおよびその薬理学的に許容され
る塩を除く〕を製剤中に安定に存在せしめ、特に経皮吸
収性薬物を粘着剤中に配合した際に生じる着色を抑制し
た経皮吸収型製剤の提供。 【解決手段】 経皮吸収性薬物と、2−メルカプトベン
ズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルと、無
官能性粘着剤とを含有してなる粘着剤層が、支持体の少
なくとも片面に形成されてなる経皮吸収型製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経皮吸収型製剤に
関し、詳しくは経皮吸収性薬物を製剤中に安定に存在せ
しめ、特に製剤の着色を抑制した経皮吸収型製剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】近年、薬
物を皮膚面を通して生体内へ投与するための経皮吸収型
製剤として、パップ剤やテープ剤などの皮膚面貼付型の
外用剤が種々開発されており、これらの中で特に全身性
の薬理作用を発揮する薬物を含有したテープ剤が注目さ
れている。例えば、ニトログリセリンや硝酸イソソルビ
ド、各種ステロイド薬、非ステロイド薬、麻酔薬、抗高
血圧薬などを有効成分として粘着剤中に含有させたテー
プ状の経皮吸収型製剤が提案、開発され一部は上市に至
っている。
【0003】これらの経皮吸収型製剤は、アクリル系や
合成ゴム系の粘着剤に各種経皮吸収性薬物を混合したも
のであって、皮膚面に貼付するだけで薬物が皮膚面を通
して持続的に体内に吸収され、優れた薬理作用を発揮す
るものである。
【0004】しかしながら、これらの製剤は、経皮吸収
性薬物を粘着剤中に混合しているため、粘着剤中の各種
微量成分と薬物との相互作用等により生じた分解生成物
によって経皮吸収型製剤が着色を起こし、また製剤の保
存期間中にその着色が増強される傾向がある。
【0005】そこで、薬物と粘着剤中成分との反応によ
る分解物の生成を防ぐため、該分解物の構造を明らかに
して、分解抑制剤(抗酸化剤、安定化剤)などを添加す
る方法などが実施されている。しかし、超微量の分解生
成物が生じても、許容限界を越える着色を引き起こし、
この点において未だ十分な製剤は得られていない。
【0006】本発明の目的は、経皮吸収性薬物を製剤中
に安定に存在せしめ、特に経皮吸収性薬物を粘着剤中に
配合した際に生じる着色を抑制した経皮吸収型製剤を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、経皮吸収性薬物を
含む無官能性粘着剤に、さらに2−メルカプトベンズイ
ミダゾールおよび/または没食子酸プロピルを含有させ
ることにより、経皮吸収性薬物と無官能性粘着剤中の各
種微量成分との相互作用等による着色または保存期間中
での着色増強が抑制され、安定な経皮吸収型製剤が得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、以下の通りである。 経皮吸収性薬物〔6−アミノ−5−クロロ−1−イソ
プロピル−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)ベン
ズイミダゾールおよびその薬理学的に許容される塩を除
く〕と、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/ま
たは没食子酸プロピルと、無官能性粘着剤とを含有して
なる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されて
なる経皮吸収型製剤。
【0009】無官能性粘着剤が、アクリル系重合体か
らなる粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビ
ニルエーテル系粘着剤およびビニルエステル系粘着剤よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種である記載の経
皮吸収型製剤。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の経皮吸収型製剤に用いら
れる支持体は、特に限定されないが、粘着剤層に含有さ
れる経皮吸収性薬物、2−メルカプトベンズイミダゾー
ルおよび/または没食子酸プロピル、その他可塑剤、吸
収促進剤等の添加剤が支持体中を通って背面から失われ
て含量低下を起こさないもの、すなわちこれら成分が不
透過性の材質からなるものが好ましい。
【0011】具体的にはポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩
化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化酢酸ビニル−
塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、エチルセルロー
ス、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、
アルミニウム箔などの金属箔などの単独フィルムまたは
これらのラミネートフィルムなどが挙げられる。
【0012】該支持体の厚みは、経皮吸収型製剤のソフ
ト感を損なわない程度、通常1〜25μm、好ましくは
1〜15μmである。
【0013】該支持体は、支持体と粘着剤層との間の投
錨性(接着性)を向上させるため、特に可塑剤、吸収促
進剤等の添加剤を含有した経皮吸収型製剤において、前
記支持体に多孔性フィルムをラミネートした構成とし、
多孔性フィルム側に粘着剤層を形成させることが好まし
い。
【0014】この多孔性フィルムとしては、具体的には
紙、織布、不織布、機械的に穿孔処理したフィルムなど
が挙げられる。
【0015】多孔性フィルムの厚みは、投錨性の向上や
経皮吸収型製剤全体の柔軟性を考慮すると10〜500
μm、プラスタータイプ、粘着テープタイプのような薄
手の製剤の場合は10〜200μmの範囲が好ましい。
【0016】また、多孔性フィルムとして織布や不織布
を用いる場合、粘着剤層の目付量を5〜30g/m2
好ましくは8〜20g/m2 とすることが投錨性の向上
の点から好ましい。さらに経皮吸収型製剤の薬物放出性
を制御するために、前記支持体を比較的通気性のあるも
のにすることも可能である。
【0017】本発明の経皮吸収型製剤は、上記支持体の
少なくとも片面に後述する粘着剤層が形成されてなる。
【0018】該粘着剤層は、経皮吸収性薬物〔6−アミ
ノ−5−クロロ−1−イソプロピル−2−(4−メチル
−1−ピペラジニル)ベンズイミダゾールおよびその薬
理学的に許容される塩を除く〕と、2−メルカプトベン
ズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルと、無
官能性粘着剤とを含有する。
【0019】本発明に用いられる無官能性粘着剤は、皮
膚面に経皮吸収型製剤を密着固定して、含有する経皮吸
収性薬物を皮膚面に放出する機能を有するものであり、
経皮吸収性薬物をできるだけ分解せずに安定に保持でき
るように、粘着剤を構成する分子末端に−OH、−CO
OH、−NH2 などの極性官能基や反応性不飽和結合を
実質的に有しないものであって、具体的には共重合反応
に実質的に関与しないものをいう。
【0020】無官能性粘着剤として、具体的にはアクリ
ル酸アルキルエステルおよび/またはメタアクリル酸ア
ルキルエステル〔以下、「アクリル酸および/またはメ
タアクリル酸」を「(メタ)アクリル酸」ともいう〕、
および/またはそのアルコキシ変性単量体を重合してな
るアクリル系重合体からなる粘着剤;ポリイソプレン、
ポリイソブチレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体などのゴム系粘着剤;シ
リコーンゴムや、ジメチルシロキサンベース、ジフェニ
ルシロキサンベースなどのシリコーン系粘着剤;ポリビ
ニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリ
ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル系粘着
剤;酢酸ビニル−エチレン共重合体などのビニルエステ
ル系粘着剤;ジメチルテレフタレート,ジメチルイソフ
タレート,ジメチルフタレート等のカルボン酸成分とエ
チレングリコール等の多価アルコール成分からなるポリ
エステル系粘着剤などが挙げられる。好ましくは、アク
リル系重合体からなる粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコー
ン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤およびビニルエス
テル系粘着剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種が
用いられる。
【0021】中でも、皮膚接着性、薬物溶解性、薬物安
定性などの点から、アクリル系重合体からなる粘着剤、
ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエステル系
粘着剤が好ましく、アクリル系重合体からなる粘着剤、
ポリイソブチレン、スチレン−イソプレン(またはブタ
ジエン)−スチレンブロック共重合体などのゴム系粘着
剤、シリコーン系粘着剤がより好ましい。
【0022】上記アクリル系重合体は、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルおよび/またはそのアルコキシ変
性単量体を主成分として重合してなる。該(メタ)アク
リル酸アルキルエステルは、皮膚接着性の点から、その
アルキル基が炭素数4〜12の直鎖または分岐状アルキ
ル基である(メタ)アクリル酸アルキルエステルである
ことが好ましい。アクリル系重合体としては、この1種
類もしくは2種類以上を単量体として50重量%以上配
合してなるものが好ましい。
【0023】また、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルのアルコキシ変性単量体とは、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルのアルキル基を、炭素数1〜10の直鎖
または分岐状アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エト
キシ基、メトキシエチレングリコール基、メトキシポリ
エチレングリコール基など)で変性したものであり、具
体的には(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、
(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)
アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メ
タ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステ
ルなどが挙げられる。皮膚接着性、薬物溶解性、薬物安
定性などの点から、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルに50重量%を越えない範囲で共重合させること
が好ましい。
【0024】該アクリル系重合体は、上記単量体以外
に、粘着剤の凝集性を向上させるためにスチレン、(メ
タ)アクリル酸フェニルエステル、そのアルキル基が炭
素数3以下の直鎖または分岐状アルキル基である(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル〔例えば、(メタ)ア
クリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエ
ステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステルなど〕、
酢酸ビニルなどの単量体を用いて共重合させることもで
きる。
【0025】また、該無官能性粘着剤には、必要に応じ
て、粘着性をさらに向上させるために、粘着性付与剤
(例えば、ロジン、変性ロジン、石油系樹脂、ポリテル
ペン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブテン樹脂、液状ポ
リイソブチレンなど)、可塑剤(例えば、流動パラフィ
ンなど)、吸収促進剤、界面活性剤、充填剤などの公知
の添加剤が配合されていてもよい。
【0026】上記無官能性粘着剤と共に粘着剤層に含有
される経皮吸収性薬物は、6−アミノ−5−クロロ−1
−イソプロピル−2−(4−メチル−1−ピペラジニ
ル)ベンズイミダゾールおよびその薬理学的に許容され
る塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、フマル
酸塩など)が除外される。本発明者らは、無官能性粘着
剤と、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/また
は没食子酸プロピルとを組み合わせることにより、驚く
べきことに薬物種に関係なく、安定性、着色防止に効果
を発揮することを見いだした。したがって、経皮吸収性
の薬物であれば特に制限されないが、経皮吸収性薬物と
して、例えば分子量400以下、融点300℃以下、水
への溶解度4mg/ml以下の脂溶性薬物が挙げられ
る。該経皮吸収性薬物は、コルチコステロイド類、鎮痛
消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利
尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン
剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモ
ン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医
薬などの種類の薬物である。
【0027】これらの薬物の含有量は、薬物種や投与目
的に応じて適宜設定することができるが、通常、粘着剤
層中に1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%程度
含有させる。含有量が1重量%未満であると、治療や予
防に有効な量の薬物放出が期待できない傾向があり、ま
た40重量%を越えると、治療や予防効果が飽和に達
し、経済的に不利となる傾向がある。
【0028】本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層に、上
記経皮吸収性薬物と共に含有される2−メルカプトベン
ズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルは、該
経皮吸収性薬物との相互作用等(酸化、光分解、加水分
解)によって着色を引き起こす無官能性粘着剤中の微量
成分に作用し、経皮吸収性薬物と無官能性粘着剤中微量
成分との反応を阻害すると思われる。これにより、経皮
吸収性薬物を製剤中に安定に存在せしめることができ、
相互作用等による着色または保存期間中の着色増強を抑
制することができる。
【0029】2−メルカプトベンズイミダゾールおよび
/または没食子酸プロピルの総含有量は、無官能性粘着
剤の種類や経皮吸収性薬物の種類さらには着色の強弱に
応じて適宜設定することができるが、通常、粘着剤層中
に0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜3重量
%、さらに好ましくは0.03〜2重量%程度の範囲で
ある。これらは単独または併用して粘着剤層中に配合す
ることができる。
【0030】これら2−メルカプトベンズイミダゾール
および/または没食子酸プロピルの含有量が少なすぎる
と充分な阻害作用が発揮されにくくなり、着色の抑制効
果はあまり望めなくなる傾向がある。一方、これらの含
有量が多すぎると、経皮吸収性薬物や、架橋剤などの粘
着剤層中の他成分などとの相互作用が起こる可能性があ
り、さらに別の反応生成物が生じて再び製剤の安定性が
低下し易くなる傾向がある。
【0031】本発明に用いられる粘着剤層は、上記無官
能性粘着剤中に、経皮吸収性薬物と、2−メルカプトベ
ンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルとを
含有させてなることが好ましいが、経皮吸収性薬物を無
官能性粘着剤中に含有させずに、該薬物をそのままもし
くは適当な溶剤に溶解した溶液として無官能性粘着剤層
と支持体との界面に介在させ、製剤周縁部をシールした
形態として粘着剤層とすることもできる。この場合、2
−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子
酸プロピルは、薬物含有層中、あるいは無官能性粘着剤
層中のいずれに存在していてもよい。このように粘着剤
層を、無官能性粘着剤層と薬物含有層とに分離すること
によって、経日保存での薬物分解をより抑制することが
できる。この場合、薬物含有層と無官能性粘着剤層との
間に微孔性フィルムを介在させることによって、薬物の
放出の厳密な制御を行うことも可能である。該粘着剤層
の厚みは、通常10〜200μm、好ましくは15〜1
50μmである。
【0032】本発明の経皮吸収型製剤の製造方法は特に
限定されず、例えば無官能性粘着剤、2−メルカプトベ
ンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピル、経
皮吸収性薬物の順で溶媒に溶解または分散させ、必要に
応じて既知の粘着付与剤、可塑剤、吸収促進剤、界面活
性剤、充填剤などを添加し、得られた溶液または分散液
を支持体の少なくとも片面に塗布し、乾燥して粘着剤層
を支持体の表面に形成させる方法などが挙げられる。ま
た、上記の溶液または分散液を保護用の剥離シート上に
塗布し、乾燥して剥離シート上に粘着剤層を形成させ、
そののちに支持体を粘着剤層に接着させることによって
も製造することができる。
【0033】本発明の経皮吸収型製剤は、製造、運搬ま
たは保存中に粘着剤層が、いたずらに器具、容器などに
接着することを防止するために、また製剤の劣化を防止
するために、粘着剤層表面に剥離シートを積層しておく
ことができる。そして使用時にこれを剥離して、粘着剤
層面を露出させ、皮膚に貼付して投与する。
【0034】剥離シートとしては、使用時に粘着剤層か
ら容易に剥離されるものであれば特に限定されず、例え
ば粘着剤層との接触面にシリコーン処理が施された、ポ
リエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエチレンテレフタレートなどのフィルム、あるいは上
質紙またはグラシン紙とポリオレフィンとのラミネート
フィルムなどが用いられる。該剥離シートの厚みは、通
常1000μm以下、好ましくは30〜200μmであ
る。
【0035】本発明の経皮吸収型製剤の投与量は、使用
する経皮吸収性薬物の種類、患者の年齢、体重、症状な
どにより異なるが、通常、成人に対して一回当たり経皮
吸収性薬物1〜500mgを含有した当該製剤を、皮膚
1〜100cm2 に1日に1回〜7日に1回程度貼付す
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に述べる
が、本発明はこれらによって何ら限定されるものではな
い。なお、以下の記載において、部および%はそれぞれ
重量部および重量%を意味する。
【0037】〔粘着剤A溶液の調製〕アクリル酸2−エ
チルヘキシルエステル60部と、メタクリル酸メチルエ
ステル40部とを、不活性ガス雰囲気下、酢酸エチル中
にて重合反応を行い、粘着剤A溶液を調製した。
【0038】〔粘着剤B溶液の調製〕アクリル酸ブチル
エステル30部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル30部およびメタクリル酸エチルエステル40部を、
粘着剤A溶液と同様の操作で重合して粘着剤B溶液を調
製した。
【0039】〔粘着剤C溶液の調製〕アクリル酸2−エ
チルヘキシルエステル50部、アクリル酸2−メトキシ
エチルエステル25部および酢酸ビニル25部を、粘着
剤A溶液と同様の操作で重合して粘着剤C溶液を調製し
た。
【0040】〔粘着剤D溶液の調製〕ポリイソブチレン
(粘度平均分子量12万)30部、ポリイソブチレン
(粘度平均分子量6万)30部および流動パラフィン4
0部を均一に混合し、粘着剤D溶液を調製した。
【0041】実施例1〜15、比較例1〜9 表1に示す配合割合に従って、各粘着剤溶液を調製し、
得られた溶液をポリエステル製セパレーター(75μm
厚)上に乾燥後の厚みが約40μmとなるように塗布、
乾燥して粘着剤層を作製した。次いで、この粘着剤層を
ポリエステル製フィルム(12μm厚)に貼り合わせて
経皮吸収型製剤を作製した。なお、表中、2−MBIは
2−メルカプトベンズイミダゾールを、PGaは没食子
酸プロピルを示す。また、含量は乾燥後の粘着剤層中の
含量として表す。
【0042】
【表1】
【0043】上記各実施例および比較例にて作製した経
皮吸収型製剤について、以下に示す製剤着色度試験を行
った。
【0044】〔製剤着色度試験〕各経皮吸収型製剤につ
いて、製剤作製直後および50℃密閉状態にて1ヵ月間
保存後、各製剤の着色度を確認した。各製剤を適当な大
きさに打ち抜き、色彩色差計CR−200(ミノルタ社
製)を用いて、各製剤の着色度Δbを測定した。また、
各製剤について、経皮吸収性薬物、2−メルカプトベン
ズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルを全く
含んでいないテープの着色度Δb0 を測定し、これをブ
ランク値として各製剤の着色度Δbから差し引いて製剤
着色度(Δb−Δb0 )を算出した。さらに、50℃密
閉状態にて1ヵ月間保存後の製剤着色度から、製剤作製
直後の製剤着色度を差し引いて着色増強度とした。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、経皮吸収型製剤中に経
皮吸収性薬物を安定に存在せしめ、製剤の着色または製
剤保存期間中での着色増強を抑制することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 博子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 大塚 三郎 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経皮吸収性薬物〔6−アミノ−5−クロ
    ロ−1−イソプロピル−2−(4−メチル−1−ピペラ
    ジニル)ベンズイミダゾールおよびその薬理学的に許容
    される塩を除く〕と、2−メルカプトベンズイミダゾー
    ルおよび/または没食子酸プロピルと、無官能性粘着剤
    とを含有してなる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面
    に形成されてなる経皮吸収型製剤。
  2. 【請求項2】 無官能性粘着剤が、アクリル系重合体か
    らなる粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビ
    ニルエーテル系粘着剤およびビニルエステル系粘着剤よ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記
    載の経皮吸収型製剤。
JP24143597A 1997-09-05 1997-09-05 経皮吸収型製剤 Expired - Lifetime JP4988080B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24143597A JP4988080B2 (ja) 1997-09-05 1997-09-05 経皮吸収型製剤
US09/146,666 US6132761A (en) 1997-09-05 1998-09-03 Percutaneous absorption preparation
DE69813982T DE69813982T2 (de) 1997-09-05 1998-09-04 Stabilisierte Zusammensetzungen zur perkutan Absorption
EP98116798A EP0904778B1 (en) 1997-09-05 1998-09-04 Stabilized percutaneous absorption preparation
ES98116798T ES2194261T3 (es) 1997-09-05 1998-09-04 Preparaciones de absorcion percutanea estabilizadas.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24143597A JP4988080B2 (ja) 1997-09-05 1997-09-05 経皮吸収型製剤

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008008127A Division JP2008101028A (ja) 2008-01-17 2008-01-17 経皮吸収型製剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1179980A true JPH1179980A (ja) 1999-03-23
JP4988080B2 JP4988080B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=17074272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24143597A Expired - Lifetime JP4988080B2 (ja) 1997-09-05 1997-09-05 経皮吸収型製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4988080B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101028A (ja) * 2008-01-17 2008-05-01 Nitto Denko Corp 経皮吸収型製剤
JP2011190203A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Nitto Denko Corp セレギリン含有貼付製剤
JP2013216636A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Nipro Patch Co Ltd 含水系貼付剤
US20210128490A1 (en) * 2018-04-25 2021-05-06 Shinkei Therapeutics Llc Tetrabenazine transdermal delivery device

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101028A (ja) * 2008-01-17 2008-05-01 Nitto Denko Corp 経皮吸収型製剤
JP2011190203A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Nitto Denko Corp セレギリン含有貼付製剤
JP2013216636A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Nipro Patch Co Ltd 含水系貼付剤
US20210128490A1 (en) * 2018-04-25 2021-05-06 Shinkei Therapeutics Llc Tetrabenazine transdermal delivery device

Also Published As

Publication number Publication date
JP4988080B2 (ja) 2012-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5084496B2 (ja) 経皮吸収貼付剤
KR100610185B1 (ko) 경피흡수형제제
WO2010073326A1 (ja) 経皮吸収型製剤
EP2279740A1 (en) Transdermal preparation
JP4145996B2 (ja) アクリル系粘着テープおよび経皮吸収製剤
JP2753800B2 (ja) 経皮吸収型製剤
US20060088580A1 (en) Hormone-containing transdermal therapeutic system with an active substance reservoir based on vinylacetate-vinylpyrrolidone copolymer with improved cohesion
JP2004010525A (ja) 経皮吸収型製剤およびその製造方法
JP4466977B2 (ja) 経皮的治療システム
JP2002080349A (ja) 経皮吸収製剤
WO2007077741A1 (ja) 経皮吸収型製剤
JP2009029768A (ja) 経皮吸収テープ製剤
KR20210065931A (ko) 함수계 첩부제
JP3014188B2 (ja) アクリル系ゲル材およびアクリル系ゲル製剤
JPH1179980A (ja) 経皮吸収型製剤
JP2005170833A (ja) 経皮吸収型貼付剤
JP2011116757A (ja) リセドロネート経皮吸収製剤(2)
JP2011074035A (ja) 貼付剤
JP4988079B2 (ja) 経皮吸収型製剤
JP2001181591A (ja) ブロック共重合体粘着剤及びこれを用いた医療用粘着テープ、経皮吸収製剤並びにブロック共重合体粘着剤の製造方法
JPH11209271A (ja) 経皮吸収製剤
JPH01233212A (ja) 貼付剤
EP2371360B1 (en) Selegiline-containing adhesive preparation
JP2008101028A (ja) 経皮吸収型製剤
JPH11209270A (ja) 経皮吸収製剤

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080325

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080423

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080630

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080829

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20101222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120206

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term