JPH11209271A - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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JPH11209271A
JPH11209271A JP1102398A JP1102398A JPH11209271A JP H11209271 A JPH11209271 A JP H11209271A JP 1102398 A JP1102398 A JP 1102398A JP 1102398 A JP1102398 A JP 1102398A JP H11209271 A JPH11209271 A JP H11209271A
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JP1102398A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Hori
光彦 堀
Kenjiro Ajinomi
憲二郎 味呑
Yoshihisa Nakano
義久 仲野
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーキンソン病の治療薬としてのトリヘキシ
フェニジルやその薬理学的に許容される塩を、製剤内で
安定に保持でき、しかも優れた経皮吸収性を発揮する経
皮吸収製剤を提供する。 【解決手段】 活性成分としてのトリヘキシフェニジル
および/またはその薬理学的に許容される塩を皮膚接触
基剤中に、0.5〜60重量%の範囲で含有させる。皮
膚接触基剤としては粘着剤が好ましく、特にアクリル系
やゴム系、シリコーン系の粘着剤を用いることが好まし
い。また、皮膚接触基剤中にはグリコール類や油脂類、
脂肪酸類、アルコール類、脂肪酸エステル類などの有機
液状成分を含有させることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパーキンソン病治療
薬であるトリヘキシフェニジルおよび/またはその薬理
学的に許容される塩を活性成分として含有し、皮膚面を
通して体内に活性成分を吸収させるための安定性に優れ
た経皮吸収製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トリヘキシフェニジルは抗コリン作動性
のパーキンソン病治療薬として知られており、軽度の続
発性パーキンソン病や薬剤性パーキンソン病、その他の
パーキンソン病に広く使用されている。その投与方法は
注射剤と錠剤である。錠剤のような経口投与では体内に
入った薬物は消化器官で分解、肝臓での一次代謝は避け
ることができない。従って、投与薬物の有効利用性や薬
理効果の持続、投与の簡便性を考慮すると、皮膚面を通
した経皮投与法を採用することが望ましいものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
上記従来の技術に鑑み、トリヘキシフェニジルまたは塩
酸トリヘキシフェニジルなどの薬理学的に許容される塩
の経皮吸収性について検討を行った結果、これらの活性
成分を皮膚接触基剤中に0.5〜60重量%の範囲で含
有させた場合に、優れた経皮吸収性を有し、しかも安定
な経皮吸収製剤が得られることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は活性成分
としてのトリヘキシフェニジルおよび/またはその薬理
学的に許容される塩を皮膚接触基剤中に0.5〜60重
量%の範囲で含有することを特徴とする経皮吸収製剤を
提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の経皮吸収製剤に活性成分
として含有させるトリヘキシフェニジルは主としてパー
キンソン病の治療を期待するために用いるが、これに限
定されるものではなく、他の薬理作用を発揮してもよ
い。また、薬理学的に許容できる塩とは、塩酸塩、硫酸
塩、コハク酸塩、乳酸塩などの塩が挙げられ、好ましく
は塩酸塩である。さらに、本発明の経皮吸収製剤におい
ては、薬理学的に許容される塩は、皮膚接触基剤中でフ
リー化してもよい。つまり、皮膚接触基剤中に薬理学的
に許容されるトリヘキシフェニジル塩と共に、水酸化ナ
トリウムや水酸化カリウム、テトラエチルアミン、テト
ラエチルアンモニウム、アンモニア、カプリル酸ナトリ
ウムなどのフリー化剤を併存させ、皮膚接触基剤中で上
記トリヘキシフェニジル塩をそのフリー体であるトリヘ
キシフェニジルに変化させるのである。経皮吸収性の点
からは、皮膚接触基剤中に含有させる活性成分は、トリ
ヘキシフェニジル>フリー化トリヘキシフェニジル>薬
理学的に許容されるトリヘキシフェニジル塩の順に好ま
しいが、経日安定性の点からは必ずしもこの順にはなら
ず、経皮吸収性と経日安定性とのバランスを考慮して種
類を選択すればよい。
【0006】本発明の経皮吸収製剤には活性成分として
のトリヘキシフェニジルおよび/またはその薬理学的に
許容される塩を0.5〜60重量%、好ましくは1〜3
0重量%の範囲で含有させることができる。含有量が
0.5重量%に満たない場合には、薬理効果を発揮する
ために充分な薬物量を吸収させることが難しく、60重
量%を超えて含有させた場合には、皮膚接着性が低下し
て皮膚面に確実に接着させることが困難となると共に、
薬理効果の点で増量効果が期待できないので経済的に不
利である。
【0007】本発明において上記活性成分を含有させる
皮膚接触基剤とは、皮膚面に接触し含有する上記活性成
分を皮膚面から経皮投与できるものであれば制限はな
く、具体的には軟膏剤、ゲル剤、乳剤、懸濁剤、パップ
剤、貼付剤などの半固形剤や固形剤、ローション剤、リ
ニメント剤などの液剤を構成する基剤を用いることがで
きる。
【0008】軟膏基剤としては、一般に疎水性基剤とし
ての油脂類、ロウ、炭化水素などを用いることができ、
具体的には黄色ワセリン、白色ワセリン、パラフィン、
流動パラフィン、プラスチベース、シリコーンなどの鉱
物性基剤、およびミツロウ、動植物性油脂などの動植物
性基剤が挙げられる。
【0009】ゲル剤としては、ヒドロゲル基剤としての
カルボキシビニルポリマー、ゲルベース、無脂肪性軟
膏、ポリエチレングリコールなどを用いることができ
る。
【0010】乳剤用基剤としては、親水軟膏、バニシン
グクリームなどの水/油型基剤、親水ワセリン、精製ラ
ノリン、アクアホール、オイセリン、ネオセリン、加水
ラノリン、コールドクリーム、親水プラスチベースなど
の油/水型基剤が挙げられる。
【0011】懸濁用基剤としては、ローション剤や、ス
テアリルアルコール、セチルアルコールなどの微粒子を
プロピレングリコール中に懸濁させたFAPG基剤(Fa
ttyalcohol-propylene glycol)、即ちリオゲル基剤な
どが挙げられる。
【0012】パップ剤用基剤としては、ゼラチン、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロー
ス、ポリアクリル酸ナトリウム、カオリン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、グリセリン、プロ
ピレングリコール、水などが挙げられる。
【0013】ローション剤は活性成分を水性の液中に微
細に均質分散した製剤であり、懸濁性ローション剤と乳
濁性ローション剤とがある。懸濁化剤としては、アラビ
アゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイトな
どが用いられる。乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ツイーン類、スパン類などが用いられる。
【0014】リニメント剤には、油性溶液型、アルコー
ル溶液型、乳化型および懸濁型に分類される。このよう
なリニメント剤には、水、エタノール、脂肪油、グリセ
リン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤、その他の添加剤な
どが用いられる。なお、本発明の経皮吸収製剤において
貼付剤として用いることができる基剤については後述す
る。
【0015】本発明の製剤は自体公知の方法にて製造す
ることができる。例えば、前記軟膏剤は通常の混和法ま
たは溶融法によって製造することができる。混和法は活
性成分を基剤の一部と混和したのち、残りの基剤を加え
てさらに混和して均質にして調製する。大量の場合はニ
ーダーやロールミル、混合機などを用いる。溶融法は基
剤成分のうち、溶けにくいものから順に溶かして混和す
る。これを固まるまで混ぜて調製する。大量の場合は混
合機、三本ローラーなどを用いる。軟膏剤に類似するも
のに、パスタ剤やパップ剤があるが、パスタ剤は軟膏剤
と比較して活性成分の粉末を比較的多量に含有する。パ
スタ剤の調製法は軟膏剤に準じるが、一般には融解法が
用いられる。また、パップ剤は活性成分の粉末と精油成
分を含有し、湿布に用いられる外用剤である。
【0016】本発明の経皮吸収製剤における皮膚接触基
剤としては、取扱性や皮膚に対する密着性、密封包帯療
法による経皮吸収性向上などの点から、常温で粘着性を
有する、所謂粘着剤を皮膚接触基剤とし、取扱性の点か
ら支持体の片面に該粘着剤からなる層を形成した粘着テ
ープ状の貼付剤を用いることが好ましい。
【0017】上記粘着剤層としては皮膚面に接した際に
カブレなどを生じないような従来から用いられているア
クリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤
(合成イソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレ
ン/ブタジエンゴム、スチレン/イソプレン/スチレン
ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレンゴム)、シリコ
ーン系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤、ビニルエーテ
ル系粘着剤などの医療用の粘着剤から構成することが好
ましい。これらのうち粘着剤の品質の安定性や粘着特性
の調整のしやすさの点からは、アクリル系、ゴム系また
はシリコーン系から選ばれる少なくとも一種の粘着剤を
用いることが好ましく、これらの中でも特にアクリル酸
アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステルを主
成分とするアクリル系粘着剤を用いることがよい。
【0018】上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で
重合した重合体が好ましい。特に好ましくは一種もしく
は二種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50
〜98重量%と、一種もしくは二種以上の共重合性単量
体2〜50重量%を共重合して得られる共重合体が用い
られる。
【0019】このような(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜18、好ま
しくは4〜12の一級〜三級アルコールと、アクリル酸
もしくはメタクリル酸とから得られるエステルを用いる
ことができる。
【0020】一方、共重合性単量体としては、共重合反
応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個
有すると共に、カルボキシル基(例えば(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)
やヒドロキシル基(例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピルエステルなど)、スルホキシル基(例えばスチレン
スルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸ス
ルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナ
フタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンス
ルホン酸など)、アミノ基(例えば(メタ)アクリル酸
アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルア
ミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブ
チルアミノエチルエステルなど)、アミド基(例えば
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)
アクリルアミドなど)、アルコキシル基(例えば(メ
タ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アク
リル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メ
トキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル
酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)ア
クリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、
(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエ
ステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエ
ステルなど)などの官能基を側鎖に有する単量体を用い
ることができる。
【0021】これら以外に共重合できる単量体として
は、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチ
ルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリド
ン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラ
ジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカ
プロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン
などを用いることができる。
【0022】これらの共重合性単量体は一種もしくは二
種以上共重合することができるが、粘着特性としての接
着性や凝集性、粘着剤層中に含有するトリヘキシフェニ
ジルおよび/またはその薬理学的に許容される塩の放出
性などの点から、カルボキシル基含有単量体やヒドロキ
シル基含有単量体の少なくとも一種を必須成分として1
〜50重量%、好ましくは3〜20重量%の範囲で共重
合し、必要に応じて上記に例示の他の単量体、例えば酢
酸ビニルやN−ビニル−2−ピロリドンのようなビニル
系単量体を40重量%以下、好ましくは30重量%以下
の範囲で共重合することが好ましい。
【0023】具体的なアクリル系粘着剤としては、2−
エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とからなる共
重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシ
エチルアクリレートとからなる共重合体、2−エチルヘ
キシルアクリレートとメチルメタクリレートとからなる
共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートと2−メト
キシエチルアクリレートと酢酸ビニルとからなる共重合
体、2−エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリド
ンとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレー
トとメチルメタクリレートと2−メトキシエチルアクリ
レートとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリ
レートとビニルピロリドンとアクリル酸とからなる共重
合体などが挙げられる。
【0024】本発明の経皮吸収製剤における上記皮膚接
触基剤には、グリコール類、油脂類、脂肪酸類、アルコ
ール類、および脂肪酸エステル類からなる群から選ばれ
る有機液状成分を少なくとも一種を含有させることがで
きる。これらの成分を含有させることによって、皮膚接
着性や活性成分の皮膚透過性の向上、皮膚刺激性の低減
などの効果を得ることができる。
【0025】上記グリコール類としては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどを用いることができる。
ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールな
どの高分子量のものは、200〜1000の重量平均分
子量のものが好ましく使用できる。
【0026】油脂類としては、オリーブ油、ひまし油、
スクワレン、オレンジオイル、ミネラルオイルなどを用
いることができる。
【0027】脂肪酸類としては、モノカプリン酸、オレ
イン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ウンデシレン酸、イ
ソステアリン酸、リノール酸などの炭素数が6〜20の
ものを用いることができる。
【0028】脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸イ
ソプロピル、セバシン酸ジエチル、パルミチン酸オクチ
ル、オレイン酸エチル、フタル酸ジエチル、アジピン酸
ジイソプロピル、乳酸エチル、プロピレングリコール脂
肪酸エステル、ニコチン酸ラウリル、ピロリドンカルボ
ン酸ラウリルなどの炭素数が6〜20のものを用いるこ
とができる。
【0029】アルコール類としては、上記グリコール類
を除くアルコールであって、炭素数1〜20のアルコー
ルを云い、エタノールやメタノール、オクチルアルコー
ル、エトキシ化ステアリルアルコール、1,3−ブタン
ジオール、デシルアルコール、シネオール、オレイルア
ルコールなどの炭素数1〜20のものを用いることがで
きる。
【0030】上記有機液状成分は、皮膚接触基剤中に2
〜50重量%の範囲で含有させることが望ましい。
【0031】皮膚接触基剤として粘着剤を用いて貼付剤
とする場合、該粘着剤層中に一種もしくは二種以上の上
記有機液状成分を配合することによって、活性成分の皮
膚浸透性を向上させることができる。また、これらの有
機液状成分は粘着剤層と相溶することによって粘着剤層
を可塑化するので、皮膚面に貼付した際に皮膚に対して
ソフト感を与えることができ、さらに架橋処理を施すこ
とにより適度な凝集力を付与し、使用後の剥離除去時に
皮膚刺激を低減することができる。
【0032】粘着剤層中への上記有機液状成分の含有量
は、粘着剤100重量部に対して25〜200重量部、
好ましくは40〜180重量部、特に好ましくは60〜
180重量部である。有機液状成分の含有量が少なすぎ
ると、添加することによる効果が期待できず、多すぎる
と、粘着剤層が可塑化されすぎて凝集力が低下し、架橋
処理を施しても皮膚面に糊残り現象を生じて剥離時に皮
膚刺激性を増大させてしまう。
【0033】本発明においては、粘着剤層中にロジンや
ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン
樹脂、石油系樹脂、テルペンフェノール樹脂などを必要
に応じて添加することができる。
【0034】上記貼付剤には粘着剤層を保持するための
支持体が必要であるが、このような支持体としては、酢
酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル
−塩化ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレ
タン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、サーリン、ポリテトラフルオロエチレンなどの単
独フィルムや積層フィルム、各種金属箔、金属蒸着フィ
ルムなどを用いることができる。また、これらの材料か
らなる繊維から作られた織布や不織布、織布などの布
帛、抄紙なども用いることができる。
【0035】このような支持体は0.5〜200μm、
好ましくは2〜100μm、特に好ましくは5〜50μ
mの厚みを有するものであって、皮膚面に経皮吸収製剤
を貼付適用した際に充分な柔軟性を有し、かつ皮膚追従
性を有するものを使用することができる。
【0036】本発明の経皮吸収製剤における活性成分の
持続放出性を向上させるために、徐放性の基剤を使用し
て、徐放性製剤とすることができるが、通常の手段によ
って調製された組成物を特殊なマトリックスに含有させ
るか、組成物を膜を介して皮膚面に貼付して膜放出制御
による持続性製剤とすることができる。このような膜放
出制御経皮吸収製剤に用いられる膜としては、平均孔径
0.1〜1μmの微孔性膜を挙げることができる。微孔
性膜の材質としては、ポリプロピレン、ポリオレフィ
ン、ポリテトラフルオロエチレンなどを用いることがで
きる。
【0037】本発明の経皮吸収製剤の一態様である貼付
剤は、粘着剤層の一方の面に剥離紙を、他方の面に支持
体を貼り合わせることによって得られる。粘着剤層の形
成は、粘着剤の成分を適当な溶媒に溶解し、得られた粘
着剤溶液を支持体または剥離紙の上に塗布乾燥して溶媒
を除去することによっても行うことができる。
【0038】上記構成からなる皮膚接触基剤層には、必
要に応じて抗酸化剤や各種顔料、各種充填剤、経皮吸収
促進剤、安定化剤、薬物溶解補助剤、薬物溶解抑制剤な
どの添加剤を、皮膚接触基剤100重量部に対して2〜
50重量部程度の範囲で配合することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の経皮吸収製剤によれば、活性成
分としてのトリヘキシフェニジルおよび/またはその薬
理学的に許容される塩を経皮吸収させることができるの
で、薬物を有効に利用できると共に、薬理効果を持続さ
せ、投与も簡便となるものである。しかも、含有する活
性成分は安定に保持できるのである。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応
用が可能である。なお、以下の文中で部および%とある
のは、重量部および重量%を示す。
【0041】実施例1 アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル/アクリル酸=95/5重量比の共重合体)の酢酸
エチル溶液に、粘着剤固形分50部に対して塩酸トリヘ
キシフェニジル10部、ミリスチン酸イソプロピル40
部となるように、各成分を配合しイソシアネート系、架
橋剤を粘着剤固形分100部に対して0.15部配合し
て均一に混合して膏体溶液とした。この膏体溶液をセパ
レータとしてのポリエステルフィルムの片面に乾燥後の
厚みが40μmとなるように塗布、乾燥して粘着剤層を
形成した。
【0042】次に、上記にて形成した粘着剤層を、支持
体としてのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(厚
み25μm)の片面に貼り合わせて本発明の経皮吸収製
剤を得た。
【0043】実施例2 アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル/アクリル酸/ビニルピロリドン=75/3/22
重量比の共重合体)の酢酸エチル溶液を用いた以外は、
実施例1と同様にして粘着剤層を形成した。なお、イソ
シアネート系架橋剤の配合量を、粘着剤固形分100部
に対して0.4部とした。
【0044】次に、上記にて形成した粘着剤層を、支持
体としてのポリエステルフィルム(厚み6μm)とポリ
エステル不織布(坪量8g/m2 )の片面に貼り合わせ
て本発明の経皮吸収製剤を得た。
【0045】実施例3 アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル/アクリル酸/ビニルピロリドン=75/3/22
重量比の共重合体)の酢酸エチル溶液に、粘着剤固形分
48.85部に対して塩酸トリヘキシフェニジル10
部、ミリスチン酸イソプロピル40部、水酸化ナトリウ
ム1.15部となるように、各成分を配合し、イソシア
ネート系架橋剤を粘着剤固形分100部に対して1.6
部配合して均一に混合して膏体溶液とした以外は、実施
例1と同様にして粘着剤層を形成した。
【0046】次に、上記にて形成した粘着剤層を、支持
体としてのポリエチレンフィルム(厚み25μm)の片
面に貼り合わせて本発明の経皮吸収製剤を得た。
【0047】実施例4 アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル/アクリル酸=95/5重量比の共重合体)の酢酸
エチル溶液に、粘着剤固形分55部に対してトリヘキシ
フェニジル5部、ミリスチン酸イソプロピル40部とな
るように、各成分を配合し、イソシアネート系架橋剤を
粘着剤固形分100部に対して0.15部配合して均一
に混合して膏体溶液とした。この膏体溶液をセパレータ
としてのポリエステルフィルムの片面に乾燥後の厚みが
40μmとなるように塗布、乾燥して粘着剤層を形成し
た。
【0048】次に、上記にて形成した粘着剤層を、支持
体としてのポリエステルフィルム(厚み12μm)の片
面に貼り合わせて本発明の経皮吸収製剤を得た。
【0049】実施例5 アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル/アクリル酸/ビニルピロリドン=75/3/22
重量比の共重合体)の酢酸エチル溶液を用いた以外は、
実施例4と同様にして粘着剤層を形成した。なお、イソ
シアネート系架橋剤の配合量は、粘着剤固形分100部
に対して0.4部とした。
【0050】次に、上記にて形成した粘着剤層を、支持
体としてのポリエステルフィルム(厚み6μm)とポリ
エステル不織布(坪量8g/m2 )の片面に貼り合わせ
て本発明の経皮吸収製剤を得た。
【0051】実施例6 ゴム系粘着剤(ポリイソブチレン系)のヘキサン溶液
に、粘着剤固形分50部に対してトリヘキシフェニジル
10部、ミリスチン酸イソプロピル40部となるよう
に、各成分を配合して均一に混合して膏体溶液とした。
この膏体溶液をセパレータとしてのポリエステルフィル
ムの片面に乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、
乾燥して粘着剤層を形成した。
【0052】次に、上記にて形成した粘着剤層を、支持
体としてのポリエステルフィルム(厚み12μm)の片
面に貼り合わせて本発明の経皮吸収製剤を得た。
【0053】試験例1 上記各実施例にて得られた経皮吸収製剤を6mmφに打
ち抜き、直径3cmの脱皮ヘビ皮の中央部に貼り付けて
透過試験用装置にセットし、レセプタ側の水へのトリヘ
キシフェニジルの皮膚透過性を測定した。なお、塩酸ト
リヘキシフェニジルについては、トリヘキシフェニジル
換算で示した。結果を図1に示す。
【0054】図1の結果から明らかなように、本発明の
経皮吸収製剤はトリヘキシフェニジルおよびその塩酸塩
の皮膚透過性が良好であり、経皮投与の可能性が示唆さ
れた。
【0055】試験例2 上記各実施例にて得られた経皮吸収製剤を10cm2
打ち抜き、25℃×75%R.H.、40℃×75%
R.H.、50℃の各条件下で1か月保存した。保存前
の薬物含有量に対する保存後の薬物含有量(残存率)を
測定し、その結果を表1に示した。
【0056】表1の結果から明らかなように、本発明の
経皮吸収製剤は、何れも含有する薬物を安定に保持する
ものであった。
【0057】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜6についての試験結果を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/445 AAB A61K 31/445 AAB

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性成分としてのトリヘキシフェニジル
    および/またはその薬理学的に許容される塩を皮膚接触
    基剤中に0.5〜60重量%の範囲で含有することを特
    徴とする経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】 皮膚接触基剤が常温で粘着性を有する粘
    着剤であり、支持体の片面に該粘着剤からなる層が形成
    されている請求項1記載の経皮吸収製剤。
  3. 【請求項3】 常温で粘着性を有する粘着剤が、アクリ
    ル系、ゴム系またはシリコーン系から選ばれる少なくと
    も一種の粘着剤である請求項2記載の経皮吸収製剤。
  4. 【請求項4】 皮膚接触基剤中にグリコール類、油脂
    類、脂肪酸類、アルコール類、および脂肪酸エステル類
    からなる群から選ばれる有機液状成分を少なくとも一種
    を含有する請求項1記載の経皮吸収製剤。
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