JPH1112167A - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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JPH1112167A
JPH1112167A JP9170098A JP17009897A JPH1112167A JP H1112167 A JPH1112167 A JP H1112167A JP 9170098 A JP9170098 A JP 9170098A JP 17009897 A JP17009897 A JP 17009897A JP H1112167 A JPH1112167 A JP H1112167A
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skin
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bromhexine
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sensitive adhesive
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JP9170098A
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English (en)
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Mitsuhiko Hori
光彦 堀
Kenjiro Ajinomi
憲二郎 味呑
Yoshihisa Nakano
善久 仲野
Saburo Otsuka
三郎 大塚
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 活性成分としてのブロムヘキシンおよび
/またはその薬理学的に許容される塩を皮膚接触基剤中
に0.5〜60重量%の範囲で含有させる。 【効果】 ブロムヘキシンおよび/またはその薬理学的
に許容される塩を経皮吸収させることができるので、薬
物を有効に利用でき、薬理効果を持続させ、投与も簡便
となる。しかも安定な経皮吸収製剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、去痰薬であるブロ
ムヘキシンおよび/またはその薬理学的に許容される塩
を活性成分として含有し、皮膚面を通して体内に活性成
分を吸収させるための安定性に優れた経皮吸収製剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】塩酸ブロムヘキシンは優れた去痰薬とし
て知られており、若年者から高齢者まで広く利用されて
いる。その投与方法は注射剤の他は、散剤、細粒剤、錠
剤、液剤、シロップ剤など多岐にわたっているが、全て
経口投与によるものである。経口投与では体内に入った
薬物は、消化器官での分解や肝臓での一次代謝を避ける
ことができない。従って、投与薬物の有効利用性や薬理
効果の持続、投与の簡便性を考慮すると、皮膚面を通し
た経皮投与法を採用することが望ましいものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
上記従来の技術に鑑み、ブロムヘキシンまたは塩酸ブロ
ムヘキシンなどの薬理学的に許容される塩の経皮吸収性
について検討を行った結果、これらの活性成分が、皮膚
接触基剤中に0.5〜60重量%の範囲で含有されてい
る場合に、優れた経皮吸収性を有し、しかも安定な経皮
吸収製剤が得られることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は活性成分
としてのブロムヘキシンおよび/またはその薬理学的に
許容される塩を皮膚接触基剤中に0.5〜60重量%の
範囲で含有することを特徴とする経皮吸収製剤を提供す
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の経皮吸収製剤に活性成分
として含有されるブロムヘキシンは主として去痰作用を
期待するために用いるが、これに限定されるものではな
く、他の薬理作用を発揮してもよい。また、薬理学的に
許容される塩とは、塩酸塩、硫酸塩、コハク酸塩などの
塩が挙げられ、好ましくは塩酸塩である。
【0006】本発明の経皮吸収製剤には、ブロムヘキシ
ンおよび/またはその薬理学的に許容される塩を0.5
〜60重量%、好ましくは1〜30重量%の範囲で上記
活性成分を含有させることができる。
【0007】その含有量が0.5重量%未満の場合に
は、薬理効果を発揮するのに十分な薬物量を吸収させる
ことが困難であり、60重量%を越えると皮膚接着性が
低下し、皮膚接触基剤を十分に皮膚に接触させることが
困難となる。
【0008】本発明において上記活性成分を含有させる
皮膚接触基剤とは、皮膚面に接触して、そこに含有され
る上記活性成分を皮膚面から経皮投与できるものであれ
ば制限はなく、具体的には軟膏剤、ゲル剤、乳剤、懸濁
剤、パップ剤、貼付剤などの半固形剤や固形剤、ローシ
ョン剤、リニメント剤などの液剤などを構成する基剤を
用いることができる。
【0009】軟膏基剤としては、一般に疎水性基剤とし
ての油脂類、ロウ、炭化水素などを用いることができ、
具体的には黄色ワセリン、白色ワセリン、パラフィン、
流動パラフィン、プラスチベース、シリコーンなどの鉱
物性基剤、およびミツロウ、動植物性油脂などの動植物
性基剤が挙げられる。
【0010】ゲル基剤としては、ヒドロゲル基剤として
のカルボキシビニルポリマー類、ゲルベース、無脂肪性
軟膏、ポリエチレングリコール類などを用いることがで
きる。
【0011】乳剤用基剤としては、親水軟膏、バニシン
グクリームなどの水/油型基剤、親水ワセリン、精製ラ
ノリン、アクアホール、オイセリン、ネオセリン、加水
ラノリン、コールドクリーム、親水プラスチベースなど
の油/水型基剤が挙げられる。
【0012】懸濁用基剤としては、ローンョン剤や、ス
テアリルアルコール、セチルアルコールなどの微粒子を
プロピレングリコール中に懸濁させたFAPG基剤(Fa
ttyalcohol-propylene glycol)、即ちリオゲル基剤な
どが挙げられる。
【0013】パップ剤の基剤としては、ゼラチン、CM
C−Na、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、カオリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、グリセリン、プロピレングリコール、水などが
挙げられる。
【0014】ローション剤は活性成分を水性の液中に微
細に均等に分散した製剤であり、懸濁性ローション剤と
乳濁性ローション剤とがある。懸濁化剤としては、アラ
ビアゴム、アルギン酸ナトリウム、CMC−Na、メチ
ルセルロースまたはベントナイトなどが用いられる。乳
化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ツイーン類、
スパン類が用いられる。リニメント剤には、油性溶液
型、アルコール溶液型、乳化および懸濁型に分類され
る。リニメント剤には、水、エタノール、脂肪油、グリ
セリン、せっけん、乳化剤、懸濁化剤、適当な添加剤が
用いられる。貼付剤については後述する。
【0015】本発明の製剤は自体既知の方法にて製造す
ることができる。例えば、軟膏剤は通常の混和法または
溶融法によって製造することができる。混和法は活性成
分を基剤の一部と混和したのち、残りの基剤を加えてさ
らに混和して均等にして調製する。大量の場合はニーダ
ーやロールミル、混合機などを用いる。溶融法は基剤成
分のうち、溶けにくいものから順に溶かして混和する。
これを固まるまで混ぜて調製する。大量の場合は混合
機、三本ローラーなどを用いる。軟膏剤に類似するもの
に、パスタ剤やパップ剤があるが、パスタ剤は軟膏剤と
比較して活性成分の粉末を比較的多量に含有する。パス
タ剤の調製法は軟膏剤の調製法に準じるが、一般には融
解法が用いられる。また、パップ剤は活性成分の粉末と
精油成分を含有し、湿布に用いられる外用剤である。
【0016】本発明の経皮吸収製剤における皮膚接触基
剤としては、取扱性や皮膚に対する密着性、密封包帯療
法による経皮吸収性向上などの点から、常温で粘着性を
有する、所謂粘着剤を皮膚接触基剤とし、取扱性の点か
ら支持体の片面に該粘着剤からなる層を形成した粘着テ
ープ状の貼付剤を用いることが好ましい。
【0017】上記粘着剤層としては、常温で粘着性を有
し、皮膚面に接した際にカブレなどを生じないような従
来から用いられているアクリル系粘着剤、天然ゴム系粘
着剤、合成ゴム系粘着剤(合成イソプレンゴム、ポリイ
ソブチレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、スチレン
/イソプレン/スチレンゴム、スチレン/ブタジエン/
スチレンゴム)、シリコーン系粘着剤、ビニルエステル
系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤などの医療用の粘着
剤から構成することが好ましい。これらのうち粘着剤の
品質の安定性や粘着特性の調整のしやすさの点からは、
アクリル系、ゴム系またはシリコーン系から選ばれる少
なくとも一種の粘着剤を用いることが好ましく、これら
の中でも特にアクリル酸アルキルエステルやメタクリル
酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系粘着剤を
用いることがよい。
【0018】上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で
重合した重合体が好ましい。特に好ましくは一種もしく
は二種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50
〜98重量%と、一種もしくは二種以上の共重合性単量
体2〜50重量%を共重合して得られる共重合体が用い
られる。
【0019】このような(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜18、好ま
しくは4〜12の一級〜三級アルコールと、アクリル酸
もしくはメタクリル酸とから得られるエステルを用いる
ことができる。
【0020】一方、共重合性単量体としては、共重合反
応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個
有すると共に、カルボキシル基(例えば(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)
やヒドロキシル基(例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピルエステルなど)、スルホキシル基(例えばスチレン
スルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸ス
ルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナ
フタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンス
ルホン酸など)、アミノ基(例えば(メタ)アクリル酸
アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルア
ミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブ
チルアミノエチルエステルなど)、アミド基(例えば
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ブチルアクリルアミド、Nーメチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)
アクリルアミドなど)、アルコキシル基(例えば(メ
タ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アク
リル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メ
トキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル
酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)ア
クリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、
(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエ
ステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエ
ステルなど)などの官能基を側鎖に有する単量体を用い
ることができる。これら以外に共重合できる単量体とし
ては、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メ
チルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピベリ
ドン、ビニルピリミジン、ビニルピベラジン、ビニルピ
ラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニル
カプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリ
ンなどを用いることができる。
【0021】これらの共重合性単量体は一種もしくは二
種以上共重合することができるが、粘着特性としての接
着性や凝集性、粘着剤層中に含有するブロムヘキシンお
よび/またはその薬理学的に許容される塩の放出性など
の点から、カルボキシル基含有単量体やヒドロキシル基
含有単量体の少なくとも一種を必須成分として1〜50
重量%、好ましくは3〜20重量%の範囲で共重合し、
必要に応じて上記に例示の他の単量体、例えば酢酸ビニ
ルやN−ビニル−2−ピロリドンのようなビニル系単量
体を40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲
で共重合することが好ましい。
【0022】具体的なアクリル系粘着剤としては、2−
エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とからなる共
重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシ
エチルアクリレートとからなる共重合体、2−エチルヘ
キシルアクリレートとメチルメタクリレートとからなる
共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートと2−メト
キシエチルアクリレートと酢酸ビニルからなる共重合
体、2−エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリド
ンとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレー
トとメチルメタクリレートと2−メトキシエチルアクリ
レートとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリ
レートとビニルピロリドンとアクリル酸とからなる共重
合体などが挙げられる。
【0023】本発明の経皮吸収製剤における上記皮膚接
触基剤には、グリコール類、油脂類、脂肪酸類、アルコ
ール類および脂肪酸エステルなどの有機液状成分のう
ち、一種もしくは二種以上を含有させることができる。
かくして、皮膚接着性や薬物透過性の向上、皮膚刺激性
の低減などの効果が得られる。
【0024】グリコール類としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等が挙げられる。ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等の高分子のもの
は分子量200〜1000のものが好適に使用される。
【0025】油脂類としては、オリーブ油、ヒマシ油、
スクワレン、オレンジオイル、ミネラルオイル等が挙げ
られる。
【0026】脂肪酸類としては、モノカプリン酸、オレ
イン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ウンデシレン酸、イ
ソステアリン酸、リノール酸等の、好ましくは炭素数6
〜20のものが挙げられる。
【0027】脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸イ
ソプロピル、セバシン酸ジエチル,パルミチン酸オクチ
ル、オレイン酸エチル、フタル酸ジエチル、アジピン酸
ジイソプロピル、乳酸エチル、プロピレングリコール脂
肪酸エステル、ニコチン酸ラウリルエステル、ピロリド
ンカルボン酸ラウリルエステル等の、好ましくは炭素数
6〜20のものが挙げられる。
【0028】アルコール類は、上記グリコール類を除く
アルコールであって、炭素数1〜20のアルコールをい
い、具体的にはメタノール、エタノール、オクチルアル
コール、エトキシ化ステアリルアルコール、1,3−ブ
タンジオール、デシルアルコール、シネオール、オレイ
ルアルコール等の、好ましくは炭素数1〜20のものが
挙げられる。
【0029】これら有機液状成分は、皮膚接触基剤中に
2〜50重量%の範囲で含有させることが望ましい。
【0030】皮膚接触基剤としての粘着剤を用いて貼付
剤とする場合、該粘着剤層中に1種あるいは2種以上の
上記有機液状成分を配合することにより、活性成分の皮
膚透過性を向上させることができ、また有機液状成分は
粘着剤層と相溶することにより粘着剤層を可塑化する作
用を有し、皮膚面に貼付した際に皮膚に対してソフト感
を与えることができ、さらに架橋処理を施すことにより
適度に凝集力を賦与し、使用後の剥離除去時に皮膚刺激
をできるだけ低減することができる。
【0031】粘着剤層におけるかかる有機液状成分の含
有量は、粘着剤100重量部に対して25〜200重量
部、好ましくは40〜180重量部、特に好ましくは6
0〜180重量部の範囲とすることが望ましい。有機液
状成分の含有量が少なすぎると充分な可塑化作用を発揮
できなくなり、皮膚刺激性の低減はあまり望めなくな
る。一方、有機液状成分の含有量が多すぎると、粘着剤
層の面が可塑化され過ぎて凝集力が低下するようになる
ので、架橋処理を施しても剥離除去時に糊残り現象が生
じて再び皮膚刺激性を増大させる傾向を示す。
【0032】本発明において、基剤は単独で用いても適
宜混合してもよいが、さらに、ロジン、ロジン誘導体、
ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹
脂およびテルペンフェノール樹脂等を必要に応じて添加
し、薬物含有層の粘性を増大させることもできる。本発
明の経皮吸収製剤の一態様である貼付剤は、好ましくは
活性成分をアクリル酸、アクリル酸エステルまたはアク
リルアミドを原料とする重合体、天然ゴム、合成ゴム、
ポリビニルエーテルおよびシリコンゴムの中から選択さ
れる粘着剤に含有させて調製することができる。
【0033】貼付剤の支持体としては、一般に貼付剤の
支持体として使用されているものを使用することができ
る。この支持体の素材としては、例えば、酢酸セルロー
ス、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、
酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、可塑性ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデ
ンおよびアルミニウムなどを挙げることができる。これ
らは、例えば単層シート(フィルムも含有される)およ
び積層シートとして用いられる。また、これらを使用し
た繊維で作られた織布および不織布ならびに抄紙もそれ
ぞれ使用することができる。アルミニウムはその箔が使
用される。
【0034】さらに有劾成分の持続性を延長させるため
に、徐放性の基剤を使用して徐放性製剤としてもよい
が、通常の手段により調製された組成物を特殊なマトリ
ックスに含有させるか、組成物を膜を介して貼付する膜
放出制御による持続性製剤とすることができる。このよ
うな膜放出制御経皮投与製剤に用いられる膜として平均
孔径0.1〜1μmを有する微孔性膜を挙げることがで
きる。微孔性膜の材質としてはポリプロピレン、ポリオ
レフィン、ポリエチレンなどが使用される。
【0035】本発明の経皮吸収製剤の一態様である貼付
剤は、粘着剤層の一方の面に剥離ライナーを、他方の面
に支持体を貼り合わせることにより得られる。粘着剤層
の形成は、粘着剤の成分を適当な溶媒に溶解し、得られ
た粘着剤溶液を支持体上に塗布し、乾燥して溶媒を除去
することによっても行うことができる。
【0036】上記構成からなる皮膚接触基剤層には必要
に応じて、抗酸化剤や各種顔料、各種充填剤、経皮吸収
促進剤、安定化剤、薬物溶解補助剤、薬物溶解抑制剤等
の添加剤を皮膚接触基剤100重量部に対して2〜50
重量部程度の範囲で配合することができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明の
経皮吸収製剤をさらに詳細に説明する。なお本発明の技
術的思想を逸脱しない範囲で種々の応用ができることは
いうまでもない。以下の文中で%とあるのは重量%を意
味する。
【0038】〔実施例1〕 粘着剤 55% (2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸) ミリスチン酸イソプロピル 40% 塩酸ブロムヘキシン 5%
【0039】2−エチルヘキシルアクリレート/アクリ
ル酸=95/5を共重合してなるアクリル系粘着剤の酢
酸エチル溶液に膏体重量の5%に成るように塩酸ブロム
ヘキシンを、ミリスチン酸イソプロピルを40%、架橋
剤をそれぞれ配合し、この粘着剤溶液を剥離処理したポ
リエステルフィルム上に乾燥後の厚みが40μmとなる
ように塗工した。乾燥後、支持体として25μm厚のエ
チレン/酢酸ビニル共重合体のフィルムを貼り合わせて
サンプルとした。
【0040】〔実施例2〕 粘着剤 55% (2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、ビニ
ルピロリドン) ミリスチン酸イソプロピル 40% 塩酸ブロムヘキシン 5%
【0041】2‐エチルヘキシルアクリレート/アクリ
ル酸/ビニルピロリドン=75/3/22を共重合して
なるアクリル系粘着剤の酢酸エチル溶液に膏体重量の5
%に成るように塩酸ブロムヘキシンを、ミリスチン酸イ
ソプロピルを40%、架橋剤をそれぞれ配合し、この粘
着剤溶液を剥離処理したポリエステルフィルム上に乾燥
後の厚みが40μmとなるように塗工した。乾燥後、支
持体として6μm厚のポリエステルフィルムと坪量8g
/m2 のポリエステル製不織布とを貼り合わせたフィル
ムの不織布側に貼り合わせてサンプルとした。
【0042】〔実施例3〕 粘着剤 95% (2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチル
アクリレート) ブロムヘキシン 5%
【0043】2−エチルヘキシルアクリレート/ヒドロ
キシエチルアクリレート=90/10を共重合してなる
アクリル系粘着剤の酢酸エチル溶液に膏体重量の5%に
成るようにブロムヘキシンを配合し、この粘着剤溶液を
剥離処理したポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みが
40μmとなるように塗工した。乾燥後、支持体として
25μm厚のポリエチレンフィルムを貼り合わせてサン
プルとした。
【0044】〔実施例4〕 粘着剤 55% (2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸) ミリスチン酸イソプロピル 40% ブロムヘキシン 5%
【0045】2−エチルヘキシルアクリレート/アクリ
ル酸=95/5を共重合してなるアクリル系粘着剤の酢
酸エチル溶液に膏体重量の5%に成るようにブロムヘキ
シンを、ミリスチン酸イソプロピルを40%、架橋剤を
それぞれ配合し、この粘着剤溶液を剥離処理したポリエ
ステルフィルム上に乾燥後の厚みが40μmとなるよう
に塗工した。乾燥後、支持体として12μm厚のポリエ
ステルフィルムを貼り合わせてサンプルとした。
【0046】〔実施例5〕 粘着剤 55% (2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、ビニ
ルピロリドン) ミリスチン酸イソプロピル 40% ブロムヘキシン 5%
【0047】2−エチルヘキシルアクリレート/アクリ
ル酸/ビニルピロリドン=75/3/22を共重合して
なるアクリル系粘着剤の酢酸エチル溶液に膏体重量の5
%に成るようにブロムヘキシンを、ミリスチン酸イソプ
ロピルを40%、架橋剤をそれぞれ配合し、この粘着剤
溶液を剥離処理したポリエステルフィルム上に乾燥後の
厚みが40μmとなるように塗工した。乾燥後、支持体
として6μm厚のポリエステルフィルムと坪量8g/m
2 のポリエステル製不織布とを貼り合わせたフィルムの
不織布側に貼り合わせてサンプルとした。
【0048】〔実施例6〕 粘着剤 95% (ポリイソブチレン) ブロムヘキシン 5%
【0049】ポリイソブチレンからなるゴム系粘着剤の
へキサン溶液に膏体重量の5%に成るようにブロムヘキ
シンを配合し、この粘着剤溶液を剥離処理したポリエス
テルフィルム上に乾燥後の厚みが40μmとなるように
塗工した。乾燥後、支持体として12μm厚のポリエス
テルフィルムを貼り合わせてサンプルとした。
【0050】〔試験例1〕上記得られた実施例1〜6の
サンプルを6mmφに打ち抜き、直径6mmの脱皮ヘビ
皮の中央に貼りつけ透過試験用装置にセットし、レセプ
ター側にある水へのブロムヘキシンの皮膚透過性を測定
した。なお、塩酸ブロムヘキシンについては、ブロムヘ
キシン換算で示した。その結果を図1及び2に示す。
【0051】ブロムヘキシンおよびその塩酸塩の皮膚透
過性は良好であり、ブロムヘキシンおよびその塩酸塩の
経皮投与の可能性が示唆された。
【0052】〔試験例2〕上記得られた実施例1〜6の
サンプルを10cm2 に打ち抜き、25℃×75%RH
(相対湿度)、40℃×75%RH、50℃の各恒温器
に保存し、1ヶ月後の薬物残存率(%)を測定した。初
期値を100%としたときの結果を表1に示す。何れの
製剤も安定であった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ブロムヘキシンおよび
/またはその薬理学的に許容される塩を経皮吸収させる
ことができるので、薬物を有効に利用でき、薬理効果を
持続させ、投与も簡便となる。しかも安定な経皮吸収製
剤である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2の試験例1の結果を示すグラフ
である。
【図2】実施例3〜6の試験例1の結果を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 三郎 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性成分としてのブロムヘキシンおよび
    /またはその薬理学的に許容される塩を皮膚接触基剤中
    に0.5〜60重量%の範囲で含有することを特徴とす
    る経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】 皮膚接触基剤が常温で粘着性を有する粘
    着剤であり、支持体の片面に該粘着剤からなる層が形成
    されている請求項1記載の経皮吸収製剤。
  3. 【請求項3】 粘着剤が、アクリル系、ゴム系またはシ
    リコーン系から選ばれる少なくとも一種の粘着剤である
    請求項2記載の経皮吸収製剤。
  4. 【請求項4】 皮膚接触基剤中にグリコール類、油脂
    類、脂肪酸類、アルコール類および脂肪酸エステルから
    なる群から選ばれる有機液状成分を少なくとも一種含有
    する請求項1記載の経皮吸収製剤。
JP9170098A 1997-06-26 1997-06-26 経皮吸収製剤 Pending JPH1112167A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003013611A1 (fr) * 2001-08-10 2003-02-20 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Preparations a absorption par voie cutanee
US7890950B1 (en) 2005-05-31 2011-02-15 Adobe Systems Incorporated Software uninstallation that integrates transfer activation
US8173155B2 (en) 2004-06-01 2012-05-08 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Adhesive patch
JP2020523395A (ja) * 2017-06-16 2020-08-06 ケルン カイ−ウーベ 疼痛治療のためのブロムヘキシン

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