JP3272127B2 - テ−プ製剤 - Google Patents

テ−プ製剤

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JP3272127B2 JP30905793A JP30905793A JP3272127B2 JP 3272127 B2 JP3272127 B2 JP 3272127B2 JP 30905793 A JP30905793 A JP 30905793A JP 30905793 A JP30905793 A JP 30905793A JP 3272127 B2 JP3272127 B2 JP 3272127B2
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須美子 川口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテ−プ製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】硝酸イソソルビド(ISDN)は、ニト
ログリセリンと共に狭心症の発作の抑制または予防する
薬物として知られており、一般には錠剤の形で経口投与
される。しかしながら、通常、薬物の経口投与の場合、
胃または腸内のpH値、内容物の有無等の状態によって
薬物の吸収性が左右されるため、その吸収量を常に一定
に保つことは困難であり、また一定量の薬物を長時間か
けて徐々に投与することも難しい。ISDNの経口投与
においても吸収量が一定しないために時として急激な血
中濃度の上昇により、起立性貧血、頭痛等の副作用を生
じることがある。また、ISDNは有効血中濃度の持続
時間が短い薬物であり、経口投与では夜間の発作の抑制
または予防ができない場合がある。
【0003】上記欠点を解消するため、薬物を含有する
粘着剤を支持体上に層状に担持させ、この粘着剤層を皮
膚に貼付することにより、薬剤を体内に継続的に投与す
る方法が知られている。このような経皮吸収製剤に要求
される条件としては、次のものが挙げられる。
【0004】(1)皮膚に所定時間、適度な粘着力で確
実に密着すること。製剤が皮膚に貼付された後24時間
または48時間確実に密着し、その間に所定量の薬物が
吸収される必要がある。発汗時、入浴時にも密着し剥離
しないことが必要であり、さらに剥離時には痛みを感じ
ないような剥離力で剥がせることが必要である。製剤の
粘着力が必要以上に強すぎると製剤の剥離時に毛むしれ
や角質剥離が起こったり、皮膚の引張りによって皮膚刺
激を生じることがあった。
【0005】(2)粘着剤は薬物と適度の相溶性を有
し、薬物と相互作用がないこと。粘着剤層から薬物が所
定の時間中に大量に放出されるためには、粘着剤中に薬
物が高濃度に含有され、かつ薬物が粘着剤中で溶解状態
にあることが好ましい。このためには、薬物と粘着剤を
構成する成分との相溶性が高く、相溶状態で薬物と粘着
剤の構成成分との相互作用が強くないことが好ましい。
例えば、酸や塩基の相互作用が強いと粘着剤層からの薬
物の放出性が低下する場合がある。
【0006】(3)皮膚に貼付しても皮膚刺激が少ない
こと。経皮吸収製剤の副作用として皮膚刺激がある。皮
膚に貼付している間に、粘着剤層が皮膚表面に接触して
いるため、皮膚の正常な働き、即ち分泌、代謝及び伸縮
等が妨げられると共に、皮膚は製剤の端部又は粘着剤層
から常時刺激を受けている。その結果紅斑が発生し、ひ
どい場合には痂皮形成や浮腫形成を伴い、製剤剥離後も
数日間続く場合がある。
【0007】(4)剥離後に皮膚面に糊残りを起こさな
いこと。
【0008】上記のような観点に基づいて、次のような
発明が開示されている。薬物としてISDNまたは四硝
酸ペンタエリスリト−ルを、ガラス転移温度(Tg)が
−70〜−10℃の常温で感圧接着性を有する重合物に
含有させたテ−プ製剤が提案されており、重合物の好ま
しい例示として、アルキル基の炭素数が4〜13の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも50重量
%含有させた重合物が記載されている(特開昭57−1
16011号公報)。しかしながら、この製剤の場合、
炭素数が4〜13の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルが多量に含まれると、重合物の極性が低くなり極性の
高いISDNの溶解度が低くなり、粘着剤層における薬
物の含有量が低くなるという欠点があった。
【0009】また、薬物を粘着剤層に相溶させ、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとN−ビニルピロリド
ンとの共重合物からなり、N−ビニルピロリドンの含有
量の好ましい範囲として1〜60重量%の貼付剤が記載
されている(特開昭59−199628号公報)。
【0010】また、薬物としてISDNを、2−エチル
ヘキシルアクリレ−ト45モル%、ビニルピロリドン2
0〜55モル%およびエステル部分の炭素数が3〜12
のアクリル酸エステル35モル%以下からなり、さらに
多官能性モノマ−を全モノマ−重量の0.005〜0.
5重量%含む重合物に含有させたテ−プ製剤が提案され
ている(特開昭61−100520号公報)。しかし、
上記貼付剤及びテープ製剤の場合、親水性の高いビニル
ピロリドンの配合量が多いため耐水性が劣り、発汗時の
貼付性に劣るという欠点があった。
【0011】薬物としてISDNを、エステル部分の炭
素数が4〜10のアクリル酸エステル85〜99重量%
および(メタ)アクリル酸1〜15重量%からなる重合
物に含有させたテ−プ製剤が提案されている(特開昭5
8−134020号公報)。しかし、この製剤の場合、
長時間貼付すると(メタ)アクリル酸成分の影響で皮膚
刺激が発生するおそれがあり、さらに薬物の放出性や安
定性が悪くなるという欠点があった。
【0012】さらに、薬物としてインドメタシンを、吸
収促進剤としてポリオキシメチレンアルキルエーテル類
及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類か
らなる群より選ばれた一種以上を含有する消炎鎮痛剤が
開示されている(特開昭58−79918号公報)。
【0013】アルキル基の炭素数4〜10の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを含むアクリル系ポリマー
に、ニトログリセリンを20〜45重量%配合した感圧
性接着剤に、さらに皮膚浸透強化剤として炭素数16〜
24の脂肪酸エステルを1〜30重量%及びグリセリル
モノラウレートを0.2〜5重量%含有させた接着剤コ
ーティング材料が開示されている(特公表62−502
965号公報)。
【0014】支持体の片面に粘着剤層が設けられ、この
粘着剤層が粘着剤、薬物、無水珪酸及び粘着剤に対して
可塑化作用のある化合物を含有する貼付剤が開示されて
いる(特公表62−502965号公報)。
【0015】しかしながら、上記消炎鎮痛剤、接着剤コ
ーティング材料及び貼付剤は、耐水性が劣り、皮膚刺激
性が高い等の問題点があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、ISDNの高い放出性を維持しながら、剥離時の糊
残りがなく、かつ皮膚刺激性の低いテープ製剤を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のテープ製剤は、
支持体の片面に、粘着剤、硝酸イソソルビド(ISD
N)、脂肪酸エステル無水珪酸、及び、無水マレイン
酸を構成成分とする共重合体よりなる粘着剤層が積層さ
れている。
【0018】本発明で使用される支持体は、薬物が不透
過性または難透過性のものであって柔軟なものが好まし
く、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「E
VA」という)、エチレン−メチルアクリレ−ト共重合
体(以下「EMA」という)、ポリブチレンテレフタレ
−ト、ポリエチレンテレフタレ−ト(以下「PET」と
いう)のようなポリエステル、ナイロン−6のようなポ
リアミド、ポリウレタン、酢酸セルロ−ス、エチルセル
ロ−ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリ
レ−ト−一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の
樹脂フィルム、アルミニウムシ−トなどが挙げられ、こ
れらの積層シートであってもよく、これらと織布又は不
織布との積層体であってもよい。特に、PETフィルム
の場合は厚さ20μm以下が好ましい。
【0019】上記積層体としては、特に、PETとEV
Aとの積層体、PETとEMAとの積層体、さらにこれ
ら積層体とPET不織布との積層体、PETとPET不
織布との積層体などが、強度、柔軟性、皮膚に対するな
じみ易さの点から好適に使用される。また、上記支持体
には、後述する粘着剤層との接着性を高める目的で、必
要に応じて、コロナ処理、プラズマ放電処理等の表面処
理を施したり、アンカ−剤によりアンカ−コ−ト処理が
施されてもよい。
【0020】本発明で使用される粘着剤層は、粘着剤、
硝酸イソソルビド(ISDN)、脂肪酸エステル無水
珪酸、及び、無水マレイン酸を構成成分とする共重合体
よりなる。上記ISDNの含有量は、少なくなると薬効
が低下し、多くなると結晶が析出して放出性が低下する
ので、粘着剤層中0.5〜40重量%が好ましい。但
し、結晶が析出していても、粘着剤層中に相溶している
量が十分であれば使用にはさしつかえない。
【0021】上記粘着剤はアルキル基の炭素数が異なる
2種の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)およ
び(B)、ならびにN−ビニル−2−ピロリドンを構成
成分とする共重合体である。上記(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル(A)は、アルキル基の炭素数が、少な
くなると凝集力は向上するが粘着力が低下し、多くなる
と粘着力は向上するが凝集力が低下するので、4〜18
に限定され、4〜8が好ましい。
【0022】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(A)としては、例えば、ブチル(メタ)アクリレ−
ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−オクチル(メ
タ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ドデシル(メ
タ)アクリレ−ト、トリデシル(メタ)アクリレ−ト、
オクタデシル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられ、ブチ
ルアクリレ−ト、ヘキシルアクリレ−ト、n−オクチル
アクリレ−トおよび2−エチルヘキシルアクリレ−トが
好適に使用される。
【0023】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(A)の含有量は、少なくなると皮膚への接着性が低下
し、多くなると粘着剤の極性が低下してISDNとの相
溶性が悪くなり、ISDNの放出性および放出持続性が
低下するので、粘着剤中25〜50重量%に限定され、
好ましくは30〜40重量%である。
【0024】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(B)は、アルキル基の炭素数が、少なくなると凝集力
は向上するが粘着力が低下するので、3以下に限定され
る。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)と
しては、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル
(メタ)アクリレ−トおよびプロピル(メタ)アクリレ
−トがあげられ、メチルアクリレ−トおよびエチルアク
リレ−トが好適に使用される。
【0025】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(B)の含有量は、少なくなると粘着剤の極性が低下し
てISDNとの相溶性が悪くなり、ISDNの放出性お
よび放出持続性が低下し、一方多くなると皮膚への接着
性が低下するので、粘着剤中20〜70重量%に限定さ
れ、好ましくは30〜60重量%である。
【0026】上記N−ビニル−2−ピロリドンの含有量
は、少なくなると凝集力が低下し、多くなると粘着力が
低下するとともに、粘着剤の耐水性が悪くなるので、粘
着剤中2〜40重量%に限定され、好ましくは5〜30
重量%である。N−ビニル−2−ピロリドンは、(メ
タ)アクリル酸と異なり、末端に酸が存在しないので薬
物との反応や皮膚刺激がない。
【0027】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(B)とN−ビニル−2−ピロリドンとの含有量
の和が50重量%以上の共重合体は極性が高くなり、I
SDNの溶解度が高くなるので、粘着剤から薬物の放出
性が長時間得られる。さらに、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル(B)とN−ビニル−2−ピロリドンとの
含有量の和が50重量%以上であり、前記(メタ)アク
リル酸アルキルエステル(A)を25〜50重量%、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)を20〜7
0重量%、N−ビニル−2−ピロリドンを2〜40重量
%含有することにより、極性が高くなるが、貼付性が良
好で耐水性も良好な粘着剤が得られる。
【0028】本発明で使用される粘着剤の構成は上述の
通りであるが、粘着剤の凝集力を高める目的で、多官能
モノマ−を0.005〜0.5重量%の範囲で共重合さ
せてもよい。このような多官能モノマ−としては、例え
ば、1,6−ヘキサングリコ−ルジメタクリレ−ト、テ
トラエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、トリメチロ−
ルプロパントリアクリレ−ト、ジビニルベンゼン、ジビ
ニルトルエン、ジアリルフタレ−ト等が挙げられる。
【0029】本発明で使用される粘着剤を調製するに
は、通常、重合開始剤の存在下で所要モノマ−の溶液重
合を行う。ただし、重合形態はこれに限定されない。ま
た、重合反応条件は主としてモノマ−の種類により適宜
選定される。溶液重合を行う場合、例えば、所要モノマ
−の所定量に、酢酸エチルまたはその他の一般的な重合
溶媒を加え、攪拌装置および冷却還流装置を備えた反応
器中で、アゾビス系、過酸化物系等の重合開始剤の存在
下、窒素雰囲気で70〜90℃、8〜40時間反応させ
ればよい。なお、上記モノマ−および溶媒は一括投入し
てもよいし、適宜分割投入してもよい。重合開始剤は反
応の進行状況に応じて、適宜分割投入するのが好まし
い。
【0030】上記アゾビス系重合開始剤としては、例え
ば、2,2’−アゾビス−iso−ブチロニトリル、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)等があげられ、過酸化物系重合開始剤とし
ては、例えば、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、
ジ(ter−ブチル)パ−オキサイド等があげられる。
【0031】得られる共重合体は、通常、固形分が15
〜70重量%の溶液であり、分子量(Gel Perm
eation Chromatographyによるス
チレン換算での重量平均分子量)は、小さくなると凝集
力が低下し、大きくなると粘着力が低下するので10万
〜200万が好ましい。
【0032】本発明で使用される脂肪酸エステルは、そ
の極性を示す指数であるlogP(式中、Pはオクタノ
−ル/水系における分配係数を表す)値が特定の範囲に
あるものであり、その値は小さくなっても大きくなって
もISDNの経皮吸収性が低下するので、4〜16に限
定される。脂肪酸エステルのlogP値をこの範囲とす
ることにより、皮膚や粘膜への分配性とISDNとの相
溶性をバランスよく有し、ISDNの経皮ないし経粘膜
透過を促進する。なお、上記logP値は、化合物の極
性(親水性および親油性)の度合いを表す値(値が小さ
いと親水性を示し、大きいと親油性を示す)であり、実
験の他、計算によって求められる。(EUR.J.MED.CHEM.-
CHIMICA.THERAPEUTICA,JULY-AUGUST,1974-9,No4,p361-3
75参照。)
【0033】上記脂肪酸エステルとしては、例えば、オ
クタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イ
ソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸
ブチル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン
酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、乳
酸ミリスチル等の一価アルコ−ルの脂肪酸エステル;ア
ジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸
ジオクチル、コハク酸ジオクチル等の二塩基酸エステ
ル;ジカプリン酸プロピレングリコ−ル、トリオクタン
酸グリセリル、トリ(オクタン酸/デカン酸)グリセリ
ル、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の多価アルコ−ルの脂
肪酸エステルなどがあげられ、特にミリスチン酸イソプ
ロピル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチ
ルおよび中鎖脂肪酸トリグリセリドが好適に使用され
る。
【0034】上記脂肪酸エステルの含有量は、少なくな
るとISDNの放出性が低下し、多くなると粘着剤の凝
集力および粘着力が低下するので、粘着剤層中10〜5
0重量%に限定され、好ましくは20〜40重量%であ
る。
【0035】本発明で使用される無水珪酸とは、表面に
水酸基を有する無定形二酸化珪素〔(SiO2 n 〕の
ことであり、その一次粒子径は約5〜100nmであり、
通常一次粒子が凝集して二次粒子の形で存在しており、
製造法(例えば、気相法、液相法、ゲル化法等)の選択
によって、凝集の度合いや粒径が異なる。また、比表面
積は100〜1,000m2/g(BET法)が一般的であ
り、比表面積が大きくなるほど粘着剤層の凝集力が高く
なる。
【0036】上記無水珪酸としては、表面がすべて水酸
基で覆われた親水性無水珪酸が一般的であるが、表面の
水酸基の一部にアルキルシランを結合させたり、シリコ
ンオイルで表面処理して疎水性を持たせた疎水性無水珪
酸が挙げられる。
【0037】上記無水珪酸の含有量は、少なくなると粘
着剤の凝集力向上効果が小さくなり、多くなると粘着剤
の凝集力は向上するが粘着力が低下するので、粘着剤層
中1〜18重量%に限定され、好ましくは5〜15重量
%である。なお、親水性無水珪酸は、含有量が多くなる
と粘着剤層の製造時にその配合液の種類によってチクソ
トロピック性が高くなりすぎて塗布できなくなるので、
チクソトロピック性を減少させる目的で疎水性無水珪酸
を併用するのが好ましい。
【0038】
【0039】上記無水マレイン酸を構成成分とする共重
合体は、無水マレイン酸を含有するものであれば他の構
成成分は特に限定されるものではなく、例えば、メトキ
シエチレン、エトキシエチレン等のビニルエ−テルとの
共重合体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
の共重合体;スチレンとの共重合体;ポリエチレン、ホ
リプロピレン等のポリオレフィンとの共重合体;ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体等のゴム系ポリマ−の無水マレ
イン酸付加物などがあげられ、特にメトキシエチレンと
の共重合体が好適に使用される。
【0040】上記メトキシエチレンと無水マレイン酸と
の共重合体としては、例えば、GANTREZ AN
(G.A.F社製)が市販されており、そのグレードと
しては、AN−139(固有粘度1.0〜1.4)、A
N−149(固有粘度1.5〜2.0)、AN−169
(固有粘度2.6〜3.5)、AN−179(固有粘度
3.5〜4.5)等が挙げられ、特にAN−119(固
有粘度0.1〜0.5)が好適に使用される。
【0041】上記無水マレイン酸を構成成分とする共重
合体の含有量は、少なくなると粘着剤の凝集力向上効果
が小さくなり、多くなると粘着剤の凝集力は向上するが
粘着力が低下するので、粘着剤層中0.01〜10重量
%が好ましく、より好ましくは0.02〜8重量%であ
り、特に好ましくは0.1〜2重量%である。
【0042】本発明のテ−プ製剤の構成は上述の通りで
あり、その製造は従来公知の粘着テ−プの製造方法が使
用できる。その代表例は溶剤塗工法であり、その他ホッ
トメルト塗工法、エマルジョン塗工法等があげられる。
【0043】溶剤塗工を行う場合、例えば、所定量の粘
着剤、薬物(ISDN)、脂肪酸エステルおよび無水珪
酸を、大気中、窒素雰囲気下又は減圧下でディゾルバ
ー、ホモミキサー等を用いて酢酸エチル等の溶媒に溶解
又は分散させる。支持体上に粘着剤層を形成する方法と
しては、得られた液をダイレクトコーター、リバースコ
ーター等の塗工機を用いて支持体上に塗布、乾燥する方
法;得られた液を剥離紙上に塗工機を用いて塗布、乾燥
した後、支持体上に転写する方法等が好適に使用され
る。 本発明2のテープ製剤は、所定量の粘着剤、薬物
(ISDN)、脂肪酸エステル、無水珪酸及び無水マレ
イン酸を構成成分とする共重合体を、本発明と同様にし
て混合、支持上に塗工することにより得られる。
【0044】本発明で使用される粘着剤層の厚みは、特
に限定されるものではないが、薄くなると薬物(ISD
N)を多量に添加せねばならず、その結果、粘着力が低
下し、厚くなると製剤中の薬物(ISDN)が有効に利
用されなくなり、コストが上昇するだけで性能は向上し
ないので、10〜200μmが好ましい。
【0045】
【作用】本発明のテ−プ製剤において、特定の脂肪酸エ
ステルと無水珪酸を用いたことによる、皮膚に対する作
用機序は、確たるものではないが、次のように考えられ
る。特定の脂肪酸エステルと無水珪酸を用いることによ
り、単位面積および単位時間あたりのISDNの放出量
および皮膚内部への移行量が向上する。
【0046】さらに、無水マレイン酸を構成成分とする
共重合体を添加しているのでその傾向は顕著となる。こ
れは、上記物質が粘着剤の凝集力を向上させた上で、適
度の粘着力を保持する働きをするとともに、脂肪酸エス
テルが皮膚内に浸透して角質層のバリア−機能を減退さ
せるためであると考えられる。その結果、粘着剤層と皮
膚の間のISDNの分配係数が変化し、あるいは、皮膚
中におけるISDNの拡散速度が高められ、ISDNの
放出量が向上するとともに、所要量のISDNが容易に
皮膚を透過して体内循環系に吸収される。
【0047】そのため、従来のISDN含有テ−プ製剤
と比較して、同一面積の従来品よりも有効投与量の大き
なテ−プ製剤が得られる。換言すれば、従来品より小さ
い面積のテ−プ製剤で従来品と同一の効果が得られる。
したがって、皮膚刺激に敏感な人においても紅斑を生じ
ることが回避されるか、または、紅斑の面積が縮小され
る。そして、製剤の面積が小さくてすむため、貼付操作
が容易である上に、貼付による違和間もない。
【0048】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を説明する。なお、
以下「部」とあるのは「重量部」を意味する。 粘着剤A〜Jの調製 表1に示した所定量のモノマ−および酢酸エチル200
部を攪拌装置および還流冷却装置付きセパラブルフラス
コに供給し、攪拌および窒素置換しながら80℃に昇温
した。過酸化ラウロイルを1部を酢酸エチル50部に溶
解した溶液を10分割し、その1をセパラブルフラスコ
に添加し、重合を開始した。残部の9を反応開始後5時
間目から1時間間隔で添加し、添加終了後、さらに19
時間反応させた。なお、粘度調節のため反応開始後、5
時間毎に酢酸エチルを25部づつ5回添加した。反応終
了後、冷却し、次いで酢酸エチルを追加して固形分濃度
が35重量%の粘着剤溶液を得た。
【0049】
【表1】
【0050】(実施例1〜7、比較例1〜14)表2お
よび表3に示した所定量の粘着剤、ISDN、脂肪酸エ
ステルおよび無水珪酸(日本アエロジル社製、商品名;
アエロジル200)を酢酸エチル中の固形分濃度(粘着
剤とISDNの重量和)が25重量%となるように加え
て、液全体をディゾルバーにて均一に攪拌し、混合液を
得た。得られた混合液を、シリコン処理されたポリエチ
レンテレフタレートフイルム(厚さ35μm)上に塗布
した後、60℃で30分間乾燥して表2および表3に示
した厚さの粘着剤層を形成した。次いで、厚さ35μm
のポリエチレンテレフタレート・エチレン−酢酸ビニル
共重合体積層フィルムのポリエチレンテレフタレート層
上に上記粘着剤層をラミネ−トしてテ−プ製剤を得た。
【0051】(実施例8〜11) 実施例4において、さらにメトキシエチレン−無水マレ
イン酸共重合体(G.A.F.社製、商品名;GANTREZ
AN−119)〔以下、MEMAという〕を粘着剤層
に加え、表2に示した所定量とした以外は、実施例4と
同様にしてテープ製剤を得た。
【0052】(実施例12)実施例9において、支持体
として厚さ45μmのPET−EMA−PET不織布の
積層体を用いたこと以外は、実施例9と同様にしてテー
プ製剤を得た。
【0053】(実施例13)実施例9において、支持体
として厚さ40μmのPETを用いたこと以外は、実施
例9と同様にしてテープ製剤を得た。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】テープ製剤の性能評価 1)ウサギ皮膚移行量試験 実施例1〜13および比較例1〜14で得られた各テー
プ製剤について、試験1に示した手法によりウサギの皮
膚に対するISDNの移行量試験を行った。
【0057】〔試験1〕日本白色種のウサギの脱毛した
背部にテ−プ製剤の試験片(面積10cm2 、ISDN含
量10mg)を貼付し、24時間後これを剥離して回収し
た。回収試験片をメタノ−ルで抽出処理し、粘着剤層中
のISDNの残存量を高速液体クロマトグラフ法により
測定した。粘着剤層中の当初のISDN量と、試験後の
残存量との差を24時間の皮膚移行量とした。繰り返し
回数は各製剤毎に4回とし、4回の平均値を算出して結
果を表4および表5に示した。
【0058】2)ウサギ皮膚刺激性、貼付性および糊残
り性 実施例1〜13および比較例1〜14で得られた各テ−
プ製剤について、試験2に示した手法によりウサギの皮
膚に対する刺激性、貼付性および糊残り性を評価した。
なお、糊残りとは、皮膚に粘着剤が付着した状態をい
う。
【0059】〔試験2〕日本白色種のウサギの脱毛した
背部にテ−プ製剤の試験片(面積10cm2 )を24時間
貼付した後、剥離し、剥離直後および剥離1時間後の皮
膚の紅斑の状態を目視で観察して下記評価基準により評
価した。また、剥離時の貼付状態および剥離後の糊残り
の状態について、目視で観察して下記評価基準により評
価した。繰り返し回数は各製剤毎に4回とし、4回の評
点の平均値を算出してそれぞれの評価の指数とし、その
結果を表4および表5に示した。
【0060】(評価基準)皮膚刺激性 0:紅斑なし 1:かろうじて識別できる程度のごく軽度の紅斑 2:明らかな紅斑 3:中程度の紅斑 4:深紅色の紅斑
【0061】貼付状態 0:剥がれが殆どない 1:約半分の面積が剥がれている 2:剥がれ落ちている糊残り状態 0:糊残り無し、1:糊残り有り
【0062】3)テ−プ製剤の凝集力 実施例4、8〜11で得られた各テ−プ製剤について、
JIS Z 0237−1980に準拠して保持力を測
定し、その保持時間を凝集力の指数とし、結果を表4に
示した。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【発明の効果】本発明のテ−プ製剤の構成は上述の通り
であり、特定の粘着剤に特定の脂肪酸エステルと無水珪
酸を併用したから、ISDNの放出性を高め、所期の薬
効を発現させるに十分な量のISDNを皮膚を経て吸収
させることができ、かつ貼付性に優れ、しかも粘着剤の
凝集力が高いため、糊残りがなく、皮膚に長時間密着す
る上に毛むしりや角質剥離、皮膚の引っ張りによる機械
的刺激などが少なく、皮膚刺激性を低減できる。さら
に、無水マレイン酸を構成成分とする共重合体を併用
ているため、粘着剤層の凝集力が高まり、その効果がさ
らに増大する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、粘着剤、硝酸イソソル
    ビド(ISDN)、脂肪酸エステル無水珪酸、及び、
    無水マレイン酸を構成成分とする共重合体よりなる粘着
    剤層が積層されたテ−プ製剤であって、上記粘着剤がア
    ルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アル
    キルエステル(A)25〜50重量%、アルキル基の炭
    素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    (B)20〜70重量%およびN−ビニル−2−ピロリ
    ドン2〜40重量%を構成成分とする共重合体であり、
    上記脂肪酸エステルが前記粘着剤層中10〜50重量%
    含有され、該脂肪酸エステルの極性を示す指数である l
    ogP(式中、Pは、オクタノ−ル/水系における分配係
    数を表す)値が4〜16であり、上記無水珪酸が前記粘
    着剤層中1〜50重量%含有されていることを特徴とす
    るテ−プ製剤。
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