JP2512804B2 - 経皮吸収貼付剤 - Google Patents

経皮吸収貼付剤

Info

Publication number
JP2512804B2
JP2512804B2 JP1182787A JP18278789A JP2512804B2 JP 2512804 B2 JP2512804 B2 JP 2512804B2 JP 1182787 A JP1182787 A JP 1182787A JP 18278789 A JP18278789 A JP 18278789A JP 2512804 B2 JP2512804 B2 JP 2512804B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
drug
parts
patch
fatty acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1182787A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0348618A (ja
Inventor
光仁 真野
正人 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Asahi Kasei Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd, Asahi Kasei Kogyo KK filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP1182787A priority Critical patent/JP2512804B2/ja
Publication of JPH0348618A publication Critical patent/JPH0348618A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2512804B2 publication Critical patent/JP2512804B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,薬物として4−(1−メチル−4−ピペリ
ジリデン)−4H−ベンゾ(〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−
b〕チオフェン−10(9H)−オンおよび/またはその塩
を含有し,該薬物を経皮吸収により供給することにより
経時的に安定した薬物血中濃度を達成し得る経皮吸収貼
付剤に関する。
(従来の技術) 4−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−4H−ベン
ゾ(〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕チオフェン−10
(9H)−オン(以下,ケトチフェンとする;特公昭61−
39287号に開示)および/またはその塩はアレルギー性
疾患治療剤として気管支喘息,アレルギー性鼻炎,湿
疹,皮膚炎,蕁麻疹,皮膚痒症などに対する薬物とし
て有効である。この薬物は,通常,カプセル剤,シロッ
プ剤などとして経口投与されている。しかし,この薬物
を経口投与すると,一時的に薬物の血中濃度が高くなる
ため,眠気,下痢等の副作用がみられることがある。さ
らに,投与後の効果も12時間程度しか持続せず,1日に複
数回服用する必要がある。そのため,徐放性製剤の使用
が望まれており,例えば,経皮吸収型の製剤が適当であ
ると考えられる。しかし,皮膚は体内への異物の侵入を
防ぐ生体防御機能を有するため,一般に,皮膚を介して
充分な量を薬物を投与するのが難しい。
英国特許公開公報第2098865A号には,皮膚の角質層を
通って吸収されにくい薬物を容易に経皮吸収させるため
の薬剤が開示されており,例えばケトチフェンを含有す
る微少エマルジョンを含むクリームが開示されている。
このようなクリーム剤型では,皮膚に対する塗布面積が
薬物の生体への吸収量と大きく関係する。ところが,こ
のようなクリーム状の製剤,皮膚に塗布後,衣服などと
接触すると皮膚表面から除去され,期待した薬効が発現
しない。さらに,皮膚に対する塗布面積を大きくし過ぎ
ると,薬物の体内吸収量が一時的に大きくなり,重篤な
副作用が現れる可能性がある。
経皮吸収型の徐放性製剤としては,特表昭61−501324
号公報に,支持体と接着層との間にリザーバー層が設け
られた貼付剤が開示されている。上記リザーバー層は,
薬物を含む親水性ポリマー(例えば,各種官能基を含む
(メタ)アクリレート系ポリマー)で構成されており,
例えば,薬物としてケトチフェンが開示されている。し
かし,このような製剤では,薬物の放出性が低く,満足
する薬効を得るためには製剤を大型化する必要があり,
このために製剤の接着による違和感が大きく,長時間に
わたり貼付することが困難である。特開昭63−8332号公
報には,ケトチフェンおよび/またはその塩を含む徐放
型経口投与製剤剤が開示されており,この製剤により24
時間にわたり有効血中濃度が得られることが記載されて
いる。しかし,一般に,経口投与の場合,薬物を服用す
る前後の食事の影響などで薬物の吸収量が異なることが
知られており,従って,上記製剤によっては,所定のレ
ベルの薬効が期待され得ない。さらに,持続性製剤とす
るためには投与量を多くする必要がある。そのため,副
作用が現れた場合には,より重篤な症状が発現する。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の問題を解決するものであり,そ
の目的とするところは,ケトチフェンおよび/またはそ
の塩を含有し,該薬物の皮膚透過性が高く,少量もしく
は小面積であっても充分な量の薬物が供給され得,かつ
徐放性の経皮吸収製剤を提供することにある。本発明の
他の目的は,上記優れた特性を有し,皮膚に傷害を与え
ることがなく,かつ万一副作用が発現した場合にも,製
剤を皮膚から剥離することにより副作用の軽減・回避す
ることの可能な経皮吸収製剤を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の経皮吸収貼付剤は,薬物および該薬物の吸収
促進剤を含有する粘着剤層が薬物不透過性の柔軟な支持
体上に設けられた経皮吸収貼付剤であって,該薬物が4
−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−4H−ベンゾ
〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕チオフェン−10(9H)
−オンおよび/またはその塩であり;そして,該吸収促
進剤が,高級脂肪酸エステルと,アミド結合を有する化
合物とを含有し;該高級脂肪酸エステルが,炭素数10〜
18の高級脂肪酸と炭素数1〜20のアルコールとからな
り,該粘着剤層の粘着基剤100重量部に対して該高級脂
肪酸エステルが1〜150重量部,および該アミド結合を
有する化合物が1〜50重量部の割合で含有され;そし
て,該薬物が,該粘着剤層中に1〜42重量%の割合で含
有され;そのことにより上記目的が達成される。
本発明の経皮吸収貼付剤の薬効成分は,4−(1−メチ
ル−4−ピペリジリデン)−4H−ベンゾ〔4,5〕シクロ
ヘプタ〔1,2−b〕チオフェン−10(9H)−オン(以
下,ケトチフェンとする)および/またはその塩であ
り,ケトチフェンの塩としては,酸付加塩が挙げられ
る。
ケトチフェンを塩の形で用いる場合には,通常,粘着
基剤中にアルカリ性物質が添付される。アルカリ性物質
の添加によりケトチフェンの塩は遊離塩基の形になり,
皮膚透過性が向上する。アルカリ性物質としては,水酸
化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水
酸化マグネシウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウ
ム,リン酸塩,ホウ酸塩,アンモニア,ジアルキルアミ
ン,トリアルキルアミンなどがある。
ケトチフェンは後述の粘着剤層の全重量(粘着基剤,
薬物および経皮吸収促進剤などの重量の合計)に対して
1〜42重量%,好ましくは3〜20重量%の割合で含有さ
れる。ケトチフェンおよび/またはその塩の含有量が1
重量%より少ない場合には薬効が不充分であり,必要投
与量を確保するためには大面積の貼付剤を必要とする。
このような貼付剤は貼付感が悪く,長時間の貼付に適さ
ない。42重量%よりも多くした場合には該薬物が粘着基
剤の表面に結晶となって析出し,貼付性を低下させる。
本発明の経皮吸収貼付剤に含有される経皮吸収促進剤
としては,高級脂肪酸エステルとアミド結合を有する化
合物の両者が併用して用いられる。高級脂肪酸エステル
としては,炭素数10〜18の高級脂肪酸と,炭素数1〜20
のアルコールとから得られる脂肪酸エステルが用いられ
る。このような高級脂肪酸エステルを形成し得る炭素数
10〜18の脂肪酸としては,ミリスチン酸,パルミチン
酸,ラウリン酸,ステアリン酸,パルミトレイン酸,オ
レイン酸,パクセン酸,リノール酸,リノレン酸などが
ある。炭素数1〜20のアルコールとしては,メタノー
ル,エタノール,プロパノール,イソプロパノール,ブ
タノール,ヘキサノール,ペンタノール,ヘプタノー
ル,オクタノール,デカノール,セタノールなどがあ
る。高級脂肪酸エステルとしては,ミリスチン酸イソプ
ロピル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ステアリン酸
イソプロピルなどが好適である。高級脂肪酸エステル
は,吸収促進効果を有し,さらに実施例1〜実施例3に
示すように後述のN−アシルサルコシンおよび/または
その塩,脂肪酸ジエタノールアミドとの併用により相乗
的な吸収促進効果を示す。高級脂肪酸エステルは,粘着
基剤100重量部に対し,1〜150重量部,好ましくは1〜10
0重量部の割合で含有される。高級脂肪酸エステルが過
少であると,薬物の皮膚透過性が不充分であり,過剰で
あると貼付剤の剥離時にいわゆる「のり残し」の現象が
起こる。
経皮吸収促進剤として用いられるアミド結合を有する
化合物としては,N−アシルサルコシンおよび/またはそ
の塩,脂肪酸ジエタノールアミドなどが用いられる。N
−アシルサルコシンのアシル基の炭素数は6〜18である
ことが好ましい。例えば,N−ラウロイルサルコシン,N−
ラウロイルサルコシンナトリウムなどが好適に用いられ
る。脂肪酸ジエタノールアミドを構成する脂肪酸の炭素
数は,12〜16であることが好ましい。例えば,ミリスチ
ン酸ジエタノールアミド,ラウリン酸・ミリスチン酸ジ
エタノールアミド,ラウロイルジエタノールアミド,お
よびヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドが挙げられる。特
に,ラウロイルジエタノールアミドが好適に用いられ
る。
上記アミド結合を有する化合物は粘着基剤100重量部
に対し,1〜50重量部,好ましくは1〜30重量部の割合で
含有される。アミド結合を有する化合物が過少である
と,薬物の皮膚透過性が不充分である。逆に過剰である
と粘着性が低下したり,皮膚に対して刺激を与えるなど
の問題を生じる。
本発明の貼付剤に用いられる粘着基剤としては,常温
で感圧性を有する粘着基剤が利用され得,例えばアルカ
リ系粘着基剤またはゴム系粘着基剤が用いられる。
アクリル系粘着基剤としては,特に炭素数4〜18の脂
肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られる
(共)重合体及び/または上記(メタ)アクリル酸アル
キルエステルとその他の官能性モノマーとの(共)重合
体が好適に用いられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては,(メタ)
アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸イソブチル,
(メタ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸オク
チル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メ
タ)アクリル酸イソオクチル,(メタ)アクリル酸デシ
ル,(メタ)アクリル酸イソデシル,(メタ)アクリル
酸ラウリル,(メタ)アクリル酸ステアリル,メタクリ
ル酸メチル,メタクリル酸エチルなどがある。
上記官能性モノマーには,水酸基を有するモノマー,
カルボキシル基を有するモノマー,アミド基を有するモ
ノマー,アミノ基を有するモノマーなどが挙げられる。
水酸基を有するモノマーとしては,2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート.ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートがある。カルボキシル基を有するモノマーとして
は,アクリル酸,メタクリル酸などのα−β不飽和カル
ボン酸;マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキ
ルエステル;マレイン酸;フマル酸;クロトン酸などが
ある。無水マレイン酸もマレイン酸と同様の(共)重合
成分を与える。アミド基を有するモノマーとしては,ア
クリルアミド,ジメチルアクリルアミド,ジエチルアク
リルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミド;ブ
トキシメチルアクリルアミド,エトキシメチルアクリル
アミドなどのアルキルエーテルメチロール(メタ)アク
リルアミド,ダイアセトンアクリルアミド;ビニルピロ
リドンなどがある。アミノ基を有するモノマーとして
は,ジメチルアミノアクリレートなどがある。
上記以外の重合性モノマーが共重合されていてもよ
く,そのような重合性モノマーとしては酢酸ビニル,ス
チレン,α−メチルスチレン,塩化ビニル,アクリロニ
トリル,エチレン,プロピレン,ブタジエンなどがあ
る。
ゴム系粘着基剤は,主としてゴム弾性体,粘着付与樹
脂,および必要に応じて軟化剤のような改質剤,老化防
止剤などを含む。ゴム弾性体としては,天然ゴム(シス
−1,4−イソプレン),合成ゴム(トランス−1,4−イソ
プレン),スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体,ポリイソブチレン,ポリビニルエーテル,ポリ
ウレタン,ポリブタジエン,スチレン−ブタジエン共重
合体,スチレン−イソプレン共重合体,スチレン−イソ
プレン−ブチレンブロック共重合体,シリコンゴムなど
が好適である。粘着付与樹脂としては,ロージン,ロジ
ン誘導体(水添,不均化,重合,エステル化などによっ
て得られる)などのロジン系樹脂;α−ピネン,β−ピ
ネンなどのテルペン樹脂;テルペンフェノール樹脂;脂
肪族系,芳香族系,脂環族系または共重合系石油系樹
脂,アルキル−フェノール樹脂;キシレン樹脂などが用
いられる。これらの粘着付与樹脂は,ゴム弾性体100重
量部に対して20〜200重量部の割合で使用される。軟化
剤としては,ポリブテン,プロセスオイル,液状イソブ
チレン,液状ポリアクリレート,ヒマシ油,綿実油,パ
ーム油,ヤシ油蜜ロウ,カルナバロウ,ラノリンなどが
用いられる。
上記該粘着基剤としては,より好ましくは,ゴム系粘
着基剤,あるいは炭素数7以上の(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマー(共)重合体からなる疎水系粘着基剤が
用いられる。これらの粘着基剤では,高級脂肪酸エステ
ルおよびアミド結合を有する化合物を添加したときに,
薬物の透過量を著しく向上させ,かつ粘着物性が損なわ
れない。
貼付剤の支持体としては,貼付剤に通常利用される薬
物不透過性の支持体が用いられる。このような支持体の
素材としては,酢酸セルロース,エチルセルロース,ポ
リエチレンテレフタレート,可塑化酢酸ビニル−塩化ビ
ニル共重合体,ナイロン,エチレン−酢酸ビニル共重合
体,可塑化ポリ塩化ビニル,ポリウレタン,ポリエチレ
ン,ポリ塩化ビニリデン,アルミニウムなどがある。こ
れらは,例えば,単層のシート(フィルム)や二枚以上
の積層(ラミネート)体として用いられる。
上記支持体表面に,ケトチフェンおよび/またはその
塩,高級脂肪酸エステル,アミド結合を有する化合物,
および必要に応じて上記アルカリ性物質やその他の添加
剤を粘着基剤に含有させた混合物でなる粘着基層が形成
され,貼付剤が得られる。該粘着剤層を形成するには,
溶剤塗工法,ホットメルト塗工法など種々の塗工法が用
いられうる。なかでも溶剤塗工法が好適である。溶剤塗
工法で粘着剤層を形成するには,例えば,粘着基剤を適
当な溶媒で希釈し,これに上記薬物,および必要に応じ
て吸収促進剤やその他の添加剤を加えて均一に混合し,
得られた溶液を支持体表面に塗布,乾燥する。アルカリ
性物質を添加する場合には,該アルカリ性物質は適当な
溶媒,例えばアルコール類に溶解させて添加するのが便
利である。溶液を直接支持体表面に塗布せずにシリコー
ン樹脂などをコーティングした剥離紙上に塗布し,乾燥
後に支持体と密着させてもよい。粘着剤層の厚みは特に
限定されていないが,通常,30〜200μmである。
(作用) 本発明によれば,このように,所定の吸収促進剤を含
有させることにより,小さい面積で高い血中濃度を長時
間にわたって維持し得る貼付剤が得られる。従って,小
面積であっても充分な薬効が得られる。本発明に用いる
吸収促進剤は皮膚に対する刺激性がなく安全性が高い。
そのため,皮膚刺激に敏感な人においても紅斑を生じる
ことが回避される。本発明の貼付剤は,小面積の貼付剤
に調製し得るため貼付操作が容易でありかつ貼付時の違
和感も少ない。粘着剤層が単一の単純な構造であるため
製造が容易であり,薄い形状に調製し得る。このような
貼付剤は,従来の技術の項に開示されたクリームの製剤
のように,衣服により皮膚表面から除去され,その結
果,薬物の体内吸収量が一定に定まらなかったり;経口
投与製剤のように食事などの影響で薬物の吸収量が異な
るということがなく,所定の薬物血中濃度が長時間維持
され得る。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
<貼付剤の調製> 実施例1 アクリル酸2−エチルヘキシル(以下,EHAとする)3
6.4g(10モル%),メタクリル酸2−エチルヘキシル31
3.2g(80モル%),メタクリル酸ドデシル50.4g(10モ
ル%)およびジメタクリル酸1,6−ヘキサメチレングリ
コール80mg(全モノマーに対して0.02重量%)を酢酸エ
チル溶液に加え,過酸化ラウロイル(重合開始剤)を添
加して重合反応を行い,粘着剤の酢酸エチル溶液(固形
分43.97重量%)を得た。得られた上記ポリマー(粘着
基剤)溶液18.72g(固形分8.2382g)にミリスチン酸イ
ソプロピルを1.24g(粘着基剤100重量部に対して15重量
部),ラウロイルサルコシンナトリウム0.4119g(粘着
基剤100重量部に対して5重量部),フマル酸ケトチフ
ェン1.5172g(総固形分に対して13.3重量%)および1mm
ol/mlの水酸化カリウム−イソプロパノール溶液7.1mlを
加え均一に混合し塗工液を調製した。厚さ48μmのポリ
エチレンテレフタレート(以下,PETとする)シートをシ
リコーン処理した剥離紙を準備し,これに上記塗工液
を,乾燥後の厚みが80μmとなるように塗工し,60℃に
て30分間,ギヤオープン中で乾燥した。これに厚さ38μ
mの支持体(PETとエチレン−酢酸ビニル共重合体とを
積層したもの;以下PET−EVAとする)を貼り合わせて貼
付剤を得た。
実施例2 ゴム弾性体として,スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体48.32g(100重量部)に対し,粘着付
与樹脂として脂環族水添石油樹脂(荒川化学社製アルコ
ン−P90)67.64g(140重量部)を,そして軟化剤として
ポリブテン(日石HV−300)12.09g(25重量部)をシク
ロヘキサン233.57gに溶解させ,固形分35.41重量%の粘
着基剤溶液を得た。得られた溶液25.38g(固形分8.9871
g)に,ミリスチン酸イソプロピル1.35g(粘着基剤100
重量部に対して15重量部),N−ラウロイルサリコシンナ
トリウム0.4490g(粘着基剤100重量部に対して5重量
部),フマル酸ケトチフェン1.6544g(総固形分に対し
て13.3重量%),および1mmol/ml水酸化カリウム−イソ
プロパノール7.8mlを均一に混合し,塗工液を得た。こ
れを用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を得た 実施例3 EHA302.0g(65モル%),ビニルピロリドン98.0g(35
モル%),およびジメタクリル酸1,6−ヘキサメチレン
グリコール80.0mg(全モノマーに対して0.02重量%)を
用い,実施例1と同様に重合反応を行ない,固形分36.5
0重量%の粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。このポリマ
ー溶液29.85g(固形分10.90g)に,ミリスチン酸イソプ
ロピル1.64g(粘着基剤100重量部に対して15重量部),N
−ラウロイルサリコシンナトリウム0.5442g(粘着基剤1
00重量部に対して5重量部),フマル酸ケトチフェン2.
005g(総固形分に対して13.3重量%),および1mmol/ml
の水酸化カリウム−イソプロパノール溶液9.4mlを加え
て均一に混合し塗工液を調製した。この塗工液を,厚さ
48μmのPETシートをシリコーン処理した剥離紙上に,
乾燥後の厚みが100μmとなるように塗工し,実施例1
と同様の方法で貼付剤を得た。
比較例1 実施例1で得られたポリマー溶液19.98g(固形分8.78
52g)に,フマル酸ケトチフェン1.3478g(総固形分に対
して13.3重量%)および1mmol/mlの水酸化カリウム−イ
ソプロパノール6.3mlを加えて均一に混合し塗工液を得
た。これを用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を得
た。
比較例2 実施例2で得られた粘着基剤溶液21.55g(固形分7.63
08g)に,フマル酸ケトチフェン1.1708g(総固形分に対
して13.3重量%)および1mmol/mlの水酸化カリウム−イ
ソプロパノール5.5mlを加えて均一に混合し,塗工液を
得た。これを用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を得
た。
比較例3 実施例3で得られたポリマー溶液28.32g(固形分10.3
368g)に,フマル酸ケトチフェン1.5863g(総固形分に
対して13.3重量%)および1mmol/mlの水酸化カリウム−
イソプロパノール7.5mlを加えて均一に混合し塗工液を
得た。これを用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を得
た。
比較例4 実施例1で得られたポリマー溶液20.13g(固形分8.85
12g)に,N−ラウロイルサリコシンナトリウム0.4423g
(粘着基剤100重量部に対して5重量部),フマル酸ケ
トチフェン1.4254g(総固形分に対して13.3重量%)お
よび1mmol/mlの水酸化カリウム−イソプロパノール6.7m
lを加えて均一に混合し塗工液を得た。これを用いて実
施例1と同様の方法で貼付剤を得た。
比較例5 実施例1で得られたポリマー溶液19.98g(固形分8.78
52g)にミリスチン酸イソプロピル1.3178g(粘着基剤10
0重量部に対して15重量部),フマル酸ケトチフェン1.5
498g(総固形分に対して13.3重量%)および1mmol/mlの
水酸化カリウム−イソプロパノール7.3mlを加えて均一
に混合し塗工液を得た。これを用いて実施例1と同様の
方法で貼付剤を得た。
実験例1 上記実施例1〜3,および比較例1〜5で得られた貼付
剤を用い,皮膚を通しての薬物透過性試験を行なった。
第1図に示す拡散セル10を準備した。この拡散セル10
は,円筒有底状のレセプター槽1および円筒有底状で底
部に開口部21を有するドナー槽2とを有する。ドナー槽
2はレセプター槽1の上方に,1対のOリング31および32
を介して気密に,そして同心状に積み重ねられている。
レセプター槽1はその側部に側方へ突出するサンプリン
グ口11を有する。Oリング31および32の間には,試験に
用いる皮膚4がはさまれ,ドナー槽2の開口部21は,該
皮膚4により全面にわたっておおわれる。
ヘアレスマウス(雄,6週齢)を頸椎脱臼により殺し,
皮膚を剥離し,その皮下脂肪組成を除去し,皮膚片を得
た。それに上記貼付剤(3.14cm2)を貼付し,上記拡散
セル10の両Oリング31,32間にセットした。レセプター
槽1には下記のレセプター液を満たし、攪拌子12いより
レセプター液の攪拌を行なった。
レセプター液調製法;蒸留水中にNaH2PO4 5×10-4M,
NaH2PO4 2×10-4M,NaCl 1.5×10-1Mおよびゲンタマイシ
ン10mgを蒸留水500mlに溶解させ,0.1 N−NaOH水溶液を
加えてpHを7.2に調整し,これにポリエチレングリコー
ル400を100ml加え,さらに蒸留水を加えて,1000mlとす
る。
この拡散セル10全体を37℃に保持された恒温槽に入れ
た。試験開始後,24時間後に,サンプリング口11からレ
セプター液1mlを採取し,新たなレセプター液1mlを補充
した。採取したレセプター液中のケトチフェンの濃度を
高速液体クロマトグラフィー法により測定した。その結
果を表1に示す。
表1から,高級脂肪酸エステルおよびアミド結合を有
する化合物を添加した場合は,皮膚透過量が極めて大き
いことがわかる。他方,アミド結合を有する化合物のみ
を添加した製剤(比較例4)では,薬物透過量は,若干
高くなっているものの,高級脂肪酸エステルを併用した
場合に比べると低い値となっている。
実験例2 上記実施例1〜3,および比較例3で得られた貼付剤の
貼付性を,JIS Z−0237の方法に準じて評価した。本実施
例においては,試験温度40℃,試験時間20分,荷重1000
gの条件下で各貼付剤の保持力を測定した。さらに,剥
離後の粘着基剤の残留(のり残り)を評価した。その結
果を表2に示す。
表2から,実施例1および2の貼付剤は粘着性が高
く,かつこれを使用した時にのり残りが認められないこ
とがわかる。実施例3の貼付剤は,ビニルピロリドンの
ような親水性ポリマーを共重合させた粘着基剤であるた
め,吸収促進剤を添加することにより,のり残りが起こ
るようになり貼付性は若干低下する。
(発明の効果) 本発明によれば,このようにケトチフェンおよび/ま
たはその塩を含有し,該薬物の皮膚透過性が高く,小面
積であっても充分な量の薬物が供給され得る経皮吸収貼
付剤が提供される。さらに,該薬物は,長時間にわたり
所定量ずつ放出されるという優れた効果も認められる。
そのため,治療効果も高く,貼付感が良好であり,長時
間の貼付が可能である。このような貼付剤は,アレルギ
ー疾患などに対する徐放製剤として,広く利用され得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は,貼付剤に含まれる薬物の皮膚透過性を試験す
るための拡散セルを示す斜視図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬物および該薬物の吸収促進剤およびアル
    カリ性物質を含有する粘着剤層が薬物不透過性の柔軟な
    支持体上に設けられた経皮吸収貼付剤であって、 該薬物が4−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−4H
    −ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕チオフェン−
    10(9H)−オンのフマル酸塩であり、そして該吸収促進
    剤が、高級脂肪酸エステルと、N−アシルサルコシンア
    ルカリ塩とを含有し、 該高級脂肪酸エステルが、炭素数10〜18の高級脂肪酸と
    炭素数1〜20のアルコールとからなり、 該粘着材層の粘着基剤100重量部に対して、該高級脂肪
    酸エステルが1〜150重量部、および該N−アシルサル
    コシンアルカリ塩が1〜50重量部の割合で含有され、そ
    して 該薬物が、該粘着剤層中に1〜42重量%の割合で含有さ
    れる、 経皮吸収貼付剤。
  2. 【請求項2】前記粘着基剤が、炭素数7以上の(メタ)
    アクリル酸エステルモノマーの(共)重合体、またはゴ
    ム系粘着基剤である請求項1に記載の経皮吸収貼付剤。
JP1182787A 1989-07-14 1989-07-14 経皮吸収貼付剤 Expired - Lifetime JP2512804B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1182787A JP2512804B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 経皮吸収貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1182787A JP2512804B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 経皮吸収貼付剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0348618A JPH0348618A (ja) 1991-03-01
JP2512804B2 true JP2512804B2 (ja) 1996-07-03

Family

ID=16124411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1182787A Expired - Lifetime JP2512804B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 経皮吸収貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2512804B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4854109B2 (ja) * 2000-09-05 2012-01-18 久光製薬株式会社 アルカリイオン水を含有する哺乳動物適用の医薬組成物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62228027A (ja) * 1985-08-26 1987-10-06 Sekisui Chem Co Ltd 経皮・経粘膜製剤
JP2610142B2 (ja) * 1987-10-19 1997-05-14 ニチバン株式会社 ケトチフェン貼付剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0348618A (ja) 1991-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5000932B2 (ja) ニコチン含有経皮吸収製剤
US20100010043A1 (en) Percutaneously absorbable preparation
JP4478757B2 (ja) ビソプロロール含有貼付剤
EP0931546A1 (en) Percutaneous absorption preparation comprising an antiparkinsonian drug
JP3132837B2 (ja) 医療用粘着剤
JPH08245377A (ja) 経皮吸収用製剤
JP2977254B2 (ja) 経皮吸収貼付剤
JP2512805B2 (ja) ケトチフェン経皮吸収製剤
JP2507158B2 (ja) 経皮吸収製剤
JPH10265371A (ja) 経皮吸収貼付剤
JP2512804B2 (ja) 経皮吸収貼付剤
JP2520960B2 (ja) 経皮吸収製剤
JPH11209271A (ja) 経皮吸収製剤
KR20090051191A (ko) 첩부제
JP2525052B2 (ja) 経皮吸収貼付製剤
JPH0429927A (ja) 貼付剤
JPH07116025B2 (ja) 貼付剤
JPH0413617A (ja) 貼付剤
JPH11209270A (ja) 経皮吸収製剤
JPH06256173A (ja) 医療用貼付剤
JPH1112167A (ja) 経皮吸収製剤
JPH09169636A (ja) 貼付剤
JP3027018B2 (ja) 医療用貼付剤
JP5281973B2 (ja) ビソプロロール含有貼付剤
JP3448780B2 (ja) ニトログリセリン貼付剤