JP2512805B2 - ケトチフェン経皮吸収製剤 - Google Patents

ケトチフェン経皮吸収製剤

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JP2512805B2 JP1182790A JP18279089A JP2512805B2 JP 2512805 B2 JP2512805 B2 JP 2512805B2 JP 1182790 A JP1182790 A JP 1182790A JP 18279089 A JP18279089 A JP 18279089A JP 2512805 B2 JP2512805 B2 JP 2512805B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,薬物として4−(1−メチル−4−ピペリ
ジリデン)−4H−ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−
b〕チオフェン−10(9H)−オンおよび/またはその塩
を含有し,該薬物を経皮吸収により供給することにより
経時的に安定した薬物血中濃度を達成し得る経皮吸収貼
付製剤に関する。
(従来の技術) 4−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−4H−ベン
ゾ(4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕チオフェン−10(9
H)−オン(以下,ケトチフェンとする;特公昭61−392
87号に開示)および/またはその塩はアレルギー性疾患
治療剤として気管支喘息,アレルギー性鼻炎,湿疹,皮
膚炎,蕁麻疹,皮膚痒症などに対する薬物として有効
である。この薬物は,通常,カプセル剤,シロップ剤な
どとして経口投与されている。しかし,この薬物を経口
投与すると,一時的に薬物の血中濃度が高くなるため,
眠気,下痢等の副作用がみられることがある。さらに,
投与後の効果も12時間程度しか持続せず,1日に複数回服
用する必要がある。そのため,徐放性製剤の使用が望ま
れており,例えば,経皮吸収型の製剤が適当であると考
えられる。しかし,皮膚は体内への異物の侵入を防ぐ生
体防御機能を有するため,一般に,皮膚を介して充分な
量の薬物を投与するのが難しい。
英国特許公開公報第2098865A号には,皮膚の角質層を
通って吸収されにくい薬物を容易に経皮吸収させるため
の薬剤が開示されており,例えばケトチフェンを含有す
る微少エマルジョンを含むクリームが開示されている。
このようなクリーム剤型では,皮膚に対する塗布面積が
薬物の生体への吸収量と大きく関係する。ところが,こ
のようなクリーム状の製剤は,皮膚に塗布後,衣服など
と接触すると皮膚表面から除去され,期待した薬効が発
現しない。さらに,皮膚に対する塗布面積を大きくし過
ぎると,薬物の体内吸収量が一時的に大きくなり,重篤
な副作用が現れる可能性がある。
経皮吸収型の徐放性製剤としては,特表昭61−501324
号公報に,支持体と接着層との間にリザーバー層が設け
られた貼付剤が開示されている。上記リザーバー層は,
薬物を含む親水性ポリマー(例えば,各種官能基を含む
(メタ)アクリレート系ポリマー)で構成されており,
例えば,薬物としてケトチフェンが開示されている。し
かし,このような製剤では,薬物の放出性が低く,満足
する薬効を得るためには製剤を大型化する必要があり,
このために製剤の接着による違和感が大きく,長時間に
わたり貼付することが困難である。特開昭63−8332号公
報には,ケトチフェンおよび/またはその塩を含む徐放
型経口投与剤が開示されており,この製剤により24時間
にわたり有効血中濃度が得られることが記載されてい
る。しかし,一般的に,経口投与の場合,薬物を服用す
る前後の食事の影響などで薬物の吸収量が異なることが
知られており,従って,上記製剤によっては,所定のレ
ベルの薬効が期待され得ない。さらに,持続性製剤とす
るためには投与量を多くする必要がある。そのため,副
作用が現れた場合には,より重篤な症状が発現する。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の問題を解決するものであり,そ
の目的とするところは,ケトチフェンおよび/またはそ
の塩を含有し,該薬物の皮膚透過性が高く,少量もしく
は小面積であっても充分な量の薬物が供給され得,かつ
徐放性の経皮吸収製剤を提供することにある。本発明の
他の目的は,上記優れた特性を有し,皮膚に傷害を与え
ることがなく,かつ万一副作用が発現した場合にも,製
剤を皮膚から剥離することにより副作用の軽減・回避す
ることの可能な経皮吸収製剤を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の経皮吸収製剤は,薬物および該薬物の吸収促
進剤を含有する粘着剤層が薬物不透過性の柔軟な支持体
上に設けられた経皮吸収製剤であって,該薬物が4−
(1−メチル−4−ピペリジリデン)−4H−ベンゾ〔4,
5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕チオフェン−10(9H)−オ
ンおよび/またはその塩であり;そして,該吸収促進剤
が,流動パラフィンおよび/またはシリコンオイルを含
有し;該粘着剤層の粘着基剤100重量部に対する該流動
パラフィンの含有量が1〜300重量部であり,シリコン
オイルの含有量が1〜200重量部であり;そして,該薬
物が,該粘着剤層中に1〜42重量%の割合で含有され;
そのことにより上記目的が達成される。
本発明の経皮吸収製剤の薬効成分は,4−(1−メチル
−4−ピペリジリデン)−4H−ベンゾ〔4,5〕シクロヘ
プタ〔1,2−b}チオフェン−10(9H)−オン(以下,
ケトチフェンとする)および/またはその塩であり,ケ
トチフェンの塩としては,酸付加塩が挙げられる。
ケトチフェンを塩の形で用いる場合には,通常,粘着
基剤中にアルカリ性物質が添加される。アルカリ性物質
の添加によりケトチフェンの塩は遊離塩基の形になり,
皮膚透過性が向上する。アルカリ性物質としては,水酸
化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カルシウム,水
酸化マグネシウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウ
ム,リン酸塩,ホウ酸塩,アンモニア,ジアルキルアミ
ン,トリアルキルアミンなどがある。
ケトチフェンは後述の粘着剤層の全重量(粘着基剤,
薬物および経皮吸収促進剤などの重量の合計)に対して
1〜42重量%,好ましくは3〜20重量%の割合で含有さ
れる。ケトチフェンおよび/またはその塩の含有量が1
重量%より少ない場合には薬効が不充分であり,必要投
与量を確保するためには大面積の貼付製剤を必要とす
る。このような製剤は製付感が悪く,長時間の貼付に適
さない。42重量%よりも多くした場合には該薬物が粘着
基剤の表面に結晶となって析出し,貼付性を低下させ
る。
本発明の経皮吸収製剤に含有される経皮吸収促進剤と
しては,流動パラフィンおよび/またはシリコンオイル
が用いられる。流動パラフィンは高度に精製した無色の
炭化水素系のオイルをさしていう。この流動パラフィン
は、粘着基剤100重量部に対し,1〜300重量部,好ましく
は1〜150重量部の割合で含有される。シリコンオイル
としては、ジメチルポリシロキサン,メチルビニルポリ
シロキサン,メチルフェニルビニルポリシロキサンなど
がある。このシリコンオイルは粘着基剤100重量部に対
し,1〜200重量部,好ましくは,1〜150重量部の割合で含
有される。流動パラフィンおよび/またはシリコンオイ
ルが過少であると,薬物の皮膚透過性が不充分であり,
過剰であると製剤の剥離時にいわゆる「のり残り」の現
象が起こる。
本発明の製剤に用いられる粘着基剤としては,常温で
感圧性を有する粘着基剤が利用され得,例えばアルカリ
系粘着基剤またはゴム系粘着基剤が用いられる。
アクリル系粘着基剤としては,特に炭素数4〜18の脂
肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られる
(共)重合体及び/または上記(メタ)アクリル酸アル
キルエステルとその他の官能性モノマーとの(共)重合
体が好適に用いられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては,(メタ)
アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸イソブチル,
(メタ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸オク
チル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メ
タ)アクリル酸イソオクチル,(メタ)アクリル酸デシ
ル,(メタ)アクリル酸イソデシル,(メタ)アクリル
酸ラウリル,(メタ)アクリル酸ステアリル,メタクリ
ル酸メチル,メタクリル酸エチルなどがある。
上記官能性モノマーには,水酸基を有するモノマー,
カルボキシル基を有するモノマー,アミド基を有するモ
ノマー,アミノ基を有するモノマーなどが挙げられる。
水酸基を有するモノマーとしては,2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート,ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートがある。カルボキシル基を有するモノマーとして
は,アクリル酸,メタクリル酸などのα−β不飽和カル
ボン酸;マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキ
ルエステル;マレイン酸;フマル酸;クロトン酸などが
ある。無水マレイン酸もマレイン酸と同様の(共)重合
成分を与える。アミド基を有するモノマーとしては,ア
クリルアミド,ジメチルアクリルアミド,ジエチルアク
リルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミド;ブ
トキシメチルアクリルアミド,エトキシメチルアクリル
アミドなどのアルキルエーテルメチロール(メタ)アク
リルアミド,ダイアセトンアクリルアミド;ビニルピロ
リドンなどがある。アミノ基を有するモノマーとして
は,ジメチルアミノアクリレートなどがある。
上記以外の重合性モノマーが共重合されていてもよ
く,そのような重合性モノマーとしては酢酸ビニル,ス
チレン,α−メチルスチレン,塩化ビニル,アクリロニ
トリル,エチレン,プロピレン,ブタジエンなどがあ
る。
ゴム系粘着基剤は,主としてゴム弾性体,粘着付与樹
脂,および必要に応じて軟化剤のような改質剤,老化防
止剤などを含む。ゴム弾性体としては,天然ゴム(シス
−1,4−イソプレン),合成ゴム(トランス−1,4−イソ
プレン),スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体,ポリイソブチレン,ポリビニルエーテル,ポリ
ウレタン,ポリブタジエン,スチレン−ブタジエン共重
合体,スチレン−イソプレン共重合体,スチレン−イソ
プレン−ブチレンブロック共重合体,シリコンゴムなど
が好適である。粘着付与樹脂としては,ロジン,ロジン
誘導体(水添,不均化,重合,エステル化などによって
得られる)などのロジン系樹脂;α−ピネン,β−ピネ
ンなどのテルペン樹脂;テルペンフェノール樹脂;脂肪
族系,芳香族系,脂環族系または共重合系石油系樹脂,
アルキル−フェノール樹脂;キシレン樹脂などが用いら
れる。これらの粘着付与樹脂は,ゴム弾性体100重量部
に対して20〜200重量部の割合で使用される。軟化剤と
しては,ポリブテン,プロセスオイル,液状イソブチレ
ン,液状ポリアクリレート,ヒマシ油,綿実油,パーム
油,ヤシ油,蜜ロウ,カルナバロウ,ラノリンなどが用
いられる。
上記該粘着基剤としては,より好ましくは,ゴム系粘
着基剤,あるいは炭素数7以上の(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマー(共)重合体からなる疎水系粘着基剤が
用いられる。これらの粘着基剤では,流動パラフィンお
よび/またはシリコンオイルを添加したときに,薬物の
透過量を著しく向上させ,かつ粘着物性が損なわれな
い。
貼付製剤の支持体としては,貼付剤に通常利用される
薬物不透過性の支持体が用いられる。このような支持体
の素材としては,酢酸セルロース,エチルセルロース,
ポリエチレンテレフタレート,可塑化酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合体,ナイロン,エチレン−酢酸ビニル共重
合体,可塑化ポリ塩化ビニル,ポリウレタン,ポリエチ
レン,ポリ塩化ビニリデン,アルミニウムなどがある。
これらは,例えば,単層のシート(フィルム)や二枚以
上の積層(ラミネート)体として用いられる。
上記支持体表面に,ケトチフェンおよび/またはその
塩,流動パラフィンおよび/またはシリコンオイル,お
よび必要に応じて上記アルカリ性物質やその他の添加剤
を粘着基剤に含有させた混合物でなる粘着剤層が形成さ
れ,製剤が得られる。該粘着剤層を形成するには,溶剤
塗工法,ホットメルト塗工法など種々の塗工法が用いら
れうる。なかでも溶剤塗工法が好適である。溶剤塗工法
で粘着剤層を形成するには,例えば,粘着基剤を適当な
溶媒で希釈し,これに上記薬物,および必要に応じて吸
収促進剤やその他の添加剤を加えて均一に混合し,得ら
れた溶液を支持体表面に塗布・乾燥する。アルカリ性物
質を添加する場合には,該アルカリ性物質は適当な溶
媒,例えばアルコール類に溶解させて添加するのが便利
である。溶液を直接支持体表面に塗布せずにシリコーン
樹脂などをコーティングした剥離紙上に塗布し,乾燥後
に支持体と密着させてもよい。粘着剤層の厚みは特に限
定されていないが,通常,30〜200μmである。
(作用) 本発明によれば,このように,所定の吸収促進剤を含
有させることにより,小さい面積で高い血中濃度を長時
間にわたって維持し得るケトチフェン含有経皮吸収貼付
製剤が得られる。従って,小面積であっても充分な薬効
が得られる。本発明に用いる吸収促進剤は皮膚に対する
刺激性がなく安全性が高い。そのため,皮膚刺激に敏感
な人においても紅斑を生じることが回避される。本発明
の貼付製剤は,小面積の貼付剤に調製し得るため貼付操
作が容易でありかつ貼付時の違和感も少ない。粘着剤層
が単一の単純な構造であるため製造が容易であり,薄い
形状に調製し得る。このような製剤は,従来の技術の項
に開示されたクリームの製剤のように,衣服により皮膚
表面から除去され,その結果,薬物の体内吸収量が一定
に定まらなかったり;経口投与製剤のように食事などの
影響で薬物の吸収量が異なるということがなく,所定の
薬物血中濃度が長時間維持され得る。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
<製剤の調製> 実施例1 アクリル酸2−エチルヘキシル(以下,EHAとする)3
6.4g(10モル%),メタクリル酸2−エチルヘキシル31
3.2g(80モル%),メタクリル酸ドデシル50.4g(10モ
ル%)およびジメタクリル酸1,6−ヘキサメチレングリ
コール80mg(全モノマーに対して0.02重量%)を酢酸エ
チル溶液に加え,過酸化ラウロイル(重合開始剤)を添
加して重合反応を行い,粘着剤の酢酸エチル溶液(固形
分43.97重量%)を得た。得られた上記ポリマー(粘着
基剤)溶液18.71g(固形分8.2268g)に流動パラフィン
1.24g(粘着基剤100重量部に対して15重量部),フマル
酸ケトチフェン1.4465g(総固形分に対して13.3重量
%)および1mmol/mlの水酸化カリウム−イソプロパノー
ル溶液6.8mlを加え均一に混合し塗工液を調製した。厚
さ48μmのポリエチレンテレフタレート(以下,PETとす
る)シートをシリコーン処理した剥離紙を準備し,これ
に上記塗工液を,乾燥後の厚みが80μmとなるように塗
工し,60℃にて30分間,ギヤオープン中で乾燥した。こ
れに厚さ38μmの支持体(PETとエチレン−酢酸ビニル
共重合体とを積層したもの;以下PET−EVAとする)を貼
り合わせて貼付剤を得た。
実施例2 ゴム弾性体として,スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体49.18g(100重量部)に対し,粘着付
与樹脂として脂環族水添石油樹脂(荒川化学社製アルコ
ン−P90)68.71g(140重量部)を,そして軟化剤として
ポリブテン(日石HV−300)12.25g(25重量部)をシク
ロヘキサン232.91gに溶解させ,固形分35.85重量%の粘
着基剤溶液を得た。得られた溶液21.24g(固形分7.6124
g)に,流動パラフィン5.71g(粘着基剤100重量部に対
して75重量部),フマル酸ケトチフェン2.0357g(総固
形分に対して13.3重量%),および1mmol/ml水酸化カリ
ウム−イソプロパノール9.6mlを均一に混合し,塗工液
を得た。これを用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を
得た。
実施例3 EHA302.0g(65モル%),ビニルピロリドン98.0g(35
モル%),およびジメタクリル酸1,6−ヘキサメチレン
グリコール80.0mg(全モノマーに対して0.02重量%)を
用い,実施例1と同様に重合反応を行ない,固形分36.5
0重量%の粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。このポリマ
ー溶液30.31g(固形分11.0631g)に,流動パラフィン1.
66g(粘着基剤100重量部に対して15重量部),フマル酸
ケトチフェン1.9452g(総固形分に対して13.3重量
%),および1mmol/mlの水酸化カリウム−イソプロパノ
ール溶液9.1mlを加えて均一に混合し塗工液を調製し
た。この塗工液を,厚さ48μmのPETシートをシリコー
ン処理した剥離紙上に,乾燥後の厚みが100μmとなる
ように塗工し,実施例1と同様の方法で貼付剤を得た。
実施例4 実施例1で得られたポリマー溶液19.24g(固形分8.45
98g)に,ダウコーニング社製360メディカルフルイド1.
27g(粘着基剤100重量部に対して15重量部),フマル酸
ケトチフェン1.4923g(総固形分に対して13.3重量%)
および1mmol/mlの水酸性カリウム−イソプロパノール溶
液7.0mlを加えて均一に混合し,塗工液を調製した。こ
の塗工液を用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を得
た。
比較例1 実施例1で得られたポリマー溶液20.05g(固形分8.81
59g)に,フマル酸ケトチフェン1.3472g(総固形分に対
して13.3重量%)および1mmol/mlの水酸化カリウム−イ
ソプロパノール6.3mlを加えて均一に混合し塗工液を得
た。これを用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を得
た。
比較例2 実施例2で得られた粘着基剤溶液21.33g(固形分7.64
68g)に,フマル酸ケトチフェン1.1685g(総固形分に対
して13.3重量%)および1mmol/mlの水酸化カリウム−イ
ソプロパノール5.5mlを加えて均一に混合し,塗工液を
得た。これを用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を得
た。
比較例3 実施例3で得られた粘ポリマー溶液48.41g(固形分1
7.6697g)に,フマル酸ケトチフェン2.7021g(総固形分
に対して13.3重量%)および1mmol/mlの水酸化カリウム
−イソプロパノール12.7mlを加えて均一に混合し塗工液
を得た。これを用いて実施例1と同様の方法で貼付剤を
得た。
実験例1 上記実施例1〜3,および比較例1〜3で得られた貼付
剤を用い,皮膚を通しての薬物透過性試験を行なった。
第1図に示す拡散セル10を準備した。この拡散セル10
は,円筒有底状のレセプター槽1および円筒有底状で底
部に開口部21を有するドナー槽2とを有する。ドナー槽
2はレセプター槽1の上方に,1対のOリング31および32
を介して気密に,そして同心状に積み重ねられている。
レセプター槽1はその側部に側方へ突出するサンプリン
グ口11を有する。Oリング31および32の間には,試験に
用いる皮膚4がはさまれ,ドナー槽2の開口部21は,該
皮膚4により全面にわたっておおわれる。
ヘアレスマウス(雄,6週齢)を頸椎脱臼により殺し,
皮膚を剥離し,その皮下脂肪組成を除去し,皮膚片を得
た。それに上記貼付剤(3.14cm2)を貼付し,上記拡散
セル10の両Oリング31,32間にセットした。レセプター
槽1には下記のレセプター液を満たし、攪拌子12により
レセプター液の攪拌を行なった。
レセプター液調製法;蒸留水中にNaH2PO4 5×10-4M,
NaH2PO4 2×10-4M,NaCl 1.5×10-1Mおよびゲンタマイシ
ン10mgを蒸留水500mlに溶解させ,0.1 N−NaOH水溶液を
加えてpHを7.2に調整し,これにポリエチレングリコー
ル400を100ml加え,さらに蒸留水を加えて,1000mlとす
る。
この拡散セル10全体を37℃に保持された恒温槽に入れ
た。試験開始後,24時間後に,サンプリング口11からレ
セプター液1mlを採取し,新たなレセプター液1mlを補充
した。採取したレセプター液中のケトチフェンの濃度を
高速液体クロマトグラフィー法により測定した。その結
果を表1に示す。
表1から,流動パラフィンを添加した場合は,皮膚透
過量が極めて大きいことがわかる。
実験例2 上記実施例1〜3,および比較例3で得られた貼付剤の
貼付性を,JIS Z−0237の方法に準じて評価した。本実験
例においては,試験温度40℃,試験時間20分,荷重1000
gの条件下で各貼付剤の保持力を測定した。さらに,剥
離後の粘着基剤の残留(のり残り)を評価した。その結
果を表2に示す。
表2から,実施例1,2および4の貼付剤は粘着性が高
く,かつこれを使用した時にのり残りが認められないこ
とがわかる。実施例3の貼付剤は,ビニルピロリドンの
ような親水性ポリマーを共重合させた粘着基剤であるた
め,吸収促進剤を添加することにより,のり残りが起こ
るようになり貼付性は若干低下する。
(発明の効果) 本発明によれば,このようにケトチフェンおよび/ま
たはその塩を含有し,該薬物の皮膚透過性が高く,小面
積であっても充分な量の薬物が供給され得る経皮吸収貼
付製剤が提供される。さらに,該薬物は,長時間にわた
り所定量ずつ放出されるという優れた効果も認められ
る。そのため,治療効果も高く,貼付感が良好であり,
長時間の貼付が可能である。このような製剤は,アレル
ギー疾患などに対する徐放製剤として,広く利用され得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は,製剤に含まれる薬物の皮膚透過性を試験する
ための拡散セルを示す斜視図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬物および該薬物の吸収促進剤を含有する
    粘着剤層が薬物不透過性の柔軟な支持体上に設けられた
    経皮吸収製剤であって、 該薬物が4−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−4H
    −ベンゾ〔4,5〕シクロヘプタ〔1,2−b〕チオフェン−
    10(9H)−オンおよび/またはその塩であり、そして該
    吸収促進剤が、シリコンオイルを含有し、 該粘着剤層の粘着基剤100重量部に対する、該シリコン
    オイルの含有量が1〜200重量部であり、そして 該薬物が、該粘着剤層中に1〜42重量%の割合で含有さ
    れる、 経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】前記粘着基剤が、炭素数7以上の(メタ)
    アクリル酸エステルモノマーの(共)重合体、または、
    ゴム系粘着基剤である請求項1に記載の経皮吸収製剤。
JP1182790A 1989-07-14 1989-07-14 ケトチフェン経皮吸収製剤 Expired - Lifetime JP2512805B2 (ja)

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