JP2011074035A - 貼付剤 - Google Patents

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【課題】 本発明は、遊離塩基性薬物の経皮吸収性及び保存安定性に優れた貼付剤を提供する。
【解決手段】 本発明の貼付剤は、支持体と、この支持体の一面に積層一体化された膏体層とを備えた貼付剤であって、上記膏体層は、抗ヒスタミン作用を有する遊離塩基性薬物1〜50重量%と、上記遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が0.2〜10である液状添加剤1〜30重量%と、上記遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が7以上である単量体を重合成分として含有する粘着剤40〜98重量%とを含有していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、抗ヒスタミン作用を有する遊離塩基性薬物を含有する貼付剤に関し、詳細には、遊離塩基性薬物の皮膚透過性が持続的であり、膏体層中において遊離塩基性薬物が均一に存在し且つ製剤の保存安定性に優れた経皮適用製剤に関する。
エピナスチン、クレマスチン、エバスチン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、メキタジン、ケトチフェン、アゼラスチン又はその塩類などの抗ヒスタミン作用性薬物は、気管支喘息及びアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎等の治療剤として知られており、経口或いは局所経粘膜の投与経路で適用されている。経口剤の場合、鼻粘膜、眼粘膜、皮膚、気管支といった全身のアレルギー反応に効果があるため汎用されているが、肝臓での初回通過効果で分解してしまう場合や、消化管障害を起こしたり、血中濃度の変動が大きいために血中濃度が高まりすぎて副作用である眠気又は口渇が発生したり、逆に血中濃度が低下してしまい必要な時に効果が得られなかったりする場合がある。
更に、経口又は局所経粘膜の投与経路で治療剤を投与した場合、治療剤を投与したことを投与後に確認することができないので間違って2度投与、即ち、2倍量投与することにより重篤な副作用が発生し、又は、治療剤を投与したと勘違いして飲み忘れることにより期待される治療効果が得られない場合がある。
これに対して、経皮投与の場合には、肝臓での初期通過効果も避けられ、消化管障害も避けることができる。また、吸収が持続的に行われるため、例えば、就寝前に投与開始すれば、起き抜けのアレルギー反応を効果的に抑えることも可能である。更には、皮膚掻痒症の局所症状にも効果的に適用できる。経皮吸収製剤の中でも、貼付剤においては持続的な経皮吸収が可能であるため、突発的に起きるアレルギー反応にも安定した効果が期待される。
これまでにアゼラスチン、ケトチフェン、塩酸アゼラスチン又はフマル酸ケトチフェンといった抗ヒスタミン作用を持つ塩基性活性物質及びその塩類について、経皮吸収型の製剤への可能性が検討されてきた。
特許文献1には、塩酸アゼラスチンと炭素数8〜12の脂肪酸のモノグリセライド、及び/又は炭素数12〜18の脂肪族アルコールの乳酸エステルを配合した場合に、アゼラスチン或いはその塩類の溶解性が適度で、しかも、アゼラスチン或いはその塩類の皮膚透過性が著しく向上することが開示されている。
又、特許文献2には、フリー塩基性薬物を粘着剤中に含有してなる薬物含有粘着剤層を支持体に積層してなるテープ製剤が開示され、特許文献3には、塩基性薬物と酢酸ナトリウムの様な有機酸塩、あるいは塩基性薬物(フリー体)と酢酸の様な有機酸(フリー体)の組み合わせで液体成分を含む経皮吸収型製剤に溶解させると、それぞれイオン対の形成を介して基剤成分である液体成分への薬物の溶解性と皮膚への分配率を高め、薬物の皮膚透過性を有意に向上させることが開示され、更に、液体成分の溶解度パラメーターが7〜13(cal/cm31/2の範囲内において、薬物の溶解性が増大し、薬物の経皮吸収性が向上することが開示されている。
又、特許文献4では、炭素数4〜13のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる感圧性接着剤層の露出表面のpHが7以上である医療用貼付剤で、塩基性薬物及び酸性物質を該感圧性接着剤層に含有することにより、薬物の安定性と経皮吸収性に優れる製剤が実現されるとしている。ここでは好適な酸性物質を有機酸とし、クエン酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、サリチル酸、乳酸が挙げられている。
更に、特許文献5には、塩酸アゼラスチンと炭素数8以上の脂肪酸を含有させることで、結晶性水和物の生成を防ぎ、且つ経皮及び経粘膜吸収性に優れる製剤が提案されている。
しかしながら、吸収性を優先した処方では、薬物の溶解性が高まりすぎて、製剤中での薬物安定性が低下する場合がある。又、上記文献の皮膚透過性を向上させる化合物は、必ずしも貼付剤において適切であるとは言えず、上記化合物の必要量を製剤中に含有することができないか、或いは、粘着性が不十分で持続的な使用に耐えられないといった問題点があった。更に、上記文献では遊離塩基型薬物と酸付加塩型薬物の特性の違いによる化合物の効果を詳細に検討しておらず、遊離塩基型の薬物を貼付剤に含有させる場合の最適な化合物についての検討はなされていなかった。
更に、一般的に、酸付加塩型の薬物に比べ、遊離塩基型(フリー体)薬物はその結晶の融点が低くなり、分子量も小さく、極性が脂溶性に変化するため、粘着剤や皮膚表面の角質層への溶解性が高まり、経皮投与において角質層を通過するためには有利な物性となる。
しかしながら、物理化学的活動度が高い故に、保存中における、薬物の分解や、過飽和溶解状態からの経時的な結晶析出化、又は、析出結晶の均一性が経時的に変化するといったといった製剤安定性が課題となり、実現化に至らない場合が多く、安定性を確保しつつ十分な経皮吸収性を実現することが遊離塩基型薬物の課題であった。
例えば、特許文献6には、塩基性薬物の製剤中での安定性を確保するために、非架橋状態の粘着剤層に薬物及び液状成分を含有させた層と、その表面に薬物非含有の架橋粘着剤層を積層一体化することで、貼付に必要な凝集力を保ちつつ安定性と吸収性を向上させている。
上記技術においては、保存中における薬物の分解を抑制する効果はあるものの、薬物の過飽和溶解状態からの結晶化や、析出結晶の均一性が経時的に変化を防ぐという課題に対しては十分ではなかった。
特開平2−124824号公報 特開平2−255611号公報 WO00/61120号公報 特開平2−255612号公報 特開平7−40949号公報 特開2004−10525号公報
本発明は、遊離塩基性薬物の皮膚透過性が持続的であり、膏体層中において遊離塩基性薬物が均一に存在し且つ製剤の保存安定性に優れた経皮適用製剤を提供する。
本発明の貼付剤は、支持体と、この支持体の一面に積層一体化された膏体層とを備えた貼付剤であって、上記膏体層は、抗ヒスタミン作用を有する遊離塩基性薬物1〜50重量%と、上記遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が0.2〜10である液状添加剤1〜30重量%と、上記遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が7以上である単量体を重合成分として含有する粘着剤40〜98重量%とを含有している。
上記抗ヒスタミン作用を有する遊離塩基性薬物(以下、単に「遊離塩基性薬物」ということがある)としては、その構造内に窒素原子を持ち塩基性を有し且つ抗ヒスタミン作用を有する活性本体のみからなり、活性本体でない酸などと塩を形成していない薬物であれば、特に限定されないが、カルボキシル基を有していないことが好ましく、例えば、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、アゼラスチン、ロラタジン、オキサトミド、ジフェニルピラリン、クレマスチン、アリメマジン、メキタジン、エメダスチン、エピナスチン、エバスチンなどが挙げられ、アゼラスチンが好ましい。
膏体層中における抗ヒスタミン作用を有する遊離塩基性薬物の含有量は、1〜50重量%に限定され、1〜40重量%が好ましく、2〜25重量%が特に好ましい。これは、膏体層中における遊離塩基性薬物の含有量が、少ないと、薬物の経皮吸収量が少なくなり、薬物血中濃度を所望の範囲まで上昇させられないことがあったり、遊離塩基性薬物の血中濃度を充分な時間維持できなかったりする一方、多いと、膏体層に遊離塩基性薬物の結晶が過剰に析出して、貼付剤の粘着力及び薬物の拡散性が低下したりするのに加えて、遊離塩基性薬物の利用率が低下するため製剤として非効率になったりすることがあるからである。
本発明の貼付剤は、治療薬として、遊離塩基性薬物の血中濃度を所望の範囲まで上昇させることが必要とされており、このような効果を得るためには、その膏体層中に充分な量の遊離塩基性薬物が安定的に含有され、且つ、遊離塩基性薬物が膏体層中を良好に拡散して皮膚との貼着面に薬物が持続的に供給され、更に、製剤として長期間保存してもその性能に変化のないことが求められる。
しかしながら、遊離塩基性薬物と添加剤との組み合わせによっては、遊離塩基性薬物の溶解性や拡散性が経時的に変化して遊離塩基性薬物の経皮吸収性が低下してしまうことがあり、貼付剤化を困難にしていた。
そこで、本発明の貼付剤では、遊離塩基性薬物の経皮吸収性及び保存安定性に優れた貼付剤を実現するために、その膏体層中に、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が0.2〜10である液状添加剤と、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体を重合成分として含有する粘着剤とを所定割合で含有させることによって、膏体層中における遊離塩基性薬物の均一性を損なうことなく、膏体層中における遊離塩基性薬物の拡散性を向上させることができ、遊離塩基性薬物の経皮吸収性と保存安定性が確保され、本発明の貼付剤は、遊離塩基性薬物の持続的で且つ安定的な経皮吸収性を発揮することができる。
膏体層に含有されている液状添加剤は、0.1MPa(1気圧)、25℃において液状で且つ遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が0.2〜10であればよく、25℃において粘着剤と相溶性を有していることが好ましい。ここで、液状添加剤における遊離塩基性薬物の25℃における溶解度とは、液状添加剤に対する遊離塩基性薬物の飽和濃度をいい、具体的には、25℃にて液状添加剤100gに対して溶解可能な遊離塩基性薬物のグラム数(g)をいう。
なお、液状添加剤における遊離塩基性薬物の溶解度は下記の要領で測定することができる。先ず、試験管に液状添加剤を2g供給し、この液状添加剤を50℃に保持する。しかる後、液状添加剤中に遊離塩基性薬物を液状添加剤中に遊離塩基性薬物が析出するまで供給した後に、液状添加剤を25℃にて24時間に亘って放置する。
次に、25℃に保持した液状添加剤を遠心分離して上清を試料として採取する。この試料中に含まれている遊離塩基性薬物及び液状添加剤をHPLCを用いて測定し、液状添加剤100gに対する遊離塩基性薬物のグラム数を算出し、この値を25℃における液状添加剤に対する遊離塩基性薬物の溶解度とする。
液状添加剤に対する遊離塩基性薬物の25℃における溶解度は、低いと、膏体層中における遊離塩基性薬物の拡散性が低下し、高いと、膏体層中における遊離塩基性薬物の拡散性を過度に高め過ぎて膏体層中における遊離塩基性薬物の均一性がかえって低下するので、0.2〜10に限定され、0.5〜6が好ましく、0.5〜3がより好ましい。
液状添加剤としては、遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が0.2〜10であればよいが、一価の脂肪族アルコール、及び、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましく、炭素数が10〜22の一価の脂肪族アルコール、及び、炭素数が10〜20の脂肪酸と炭素数が1〜20の脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物がより好ましい。
一価の脂肪族アルコール、及び、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物、特に、炭素数が10〜22の一価の脂肪族アルコール、及び、炭素数が10〜20の脂肪酸と炭素数が1〜20の脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物は、皮膚の角質層を柔軟にし又は水和性を高めることにより、遊離塩基性薬物の皮膚透過性を高める効果や、皮膚内に遊離塩基性薬物を運ぶキャリアーとして作用するといった効果も有している。従って、膏体層中に液状添加剤を含有させることにより、遊離塩基性薬物の経皮吸収性を向上させることができる。
一価の脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、炭素数が10〜22の一価の脂肪族アルコールが好ましい。炭素数が10〜22の一価の脂肪族アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール(炭素数:12)、ミリスチルアルコール(炭素数:14)、セタノール(炭素数:16)、イソステアリルアルコール(炭素数:18)、ステアリルアルコール(炭素数:18)、オレイルアルコール(炭素数:18)、アラキルアルコール(炭素数:20)、ヘキシルドデカノール(炭素数:18)、オクチルドデカノール(炭素数:20)などが挙げられる。
又、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルにおける脂肪酸としては、特に限定されないが、炭素数が10〜20の脂肪酸が好ましい。炭素数が10〜20の脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸(炭素数:12)、ミリスチン酸(炭素数:14)、パルミチン酸(炭素数:16)、ステアリン酸(炭素数:18)、オレイン酸(炭素数:18)などが挙げられる。
脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルにおける脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、炭素数が1〜20の脂肪族アルコールが好ましい。炭素数が1〜20の脂肪族アルコールとしては、例えば、メチルアルコール(炭素数:1)、エチルアルコール(炭素数:2)、ヘキシルアルコール(炭素数:6)、イソプロピルアルコール(炭素数:3)、ブタノール(炭素数:4)、ラウリルアルコール(炭素数:12)、ミリスチルアルコール(炭素数:14)、セタノール(炭素数:16)、イソステアリルアルコール(炭素数:18)、ステアリルアルコール(炭素数:18)、オレイルアルコール(炭素数:18)、アラキルアルコール(炭素数:20)、ヘキシルドデカノール(炭素数:18)、オクチルドデカノール(炭素数:20)などが挙げられる。
そして、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルとしては、特に限定されないが、炭素数が10〜20の脂肪酸と炭素数が1〜20の脂肪族アルコールとのエステルが好ましい。このようなエステルとしては、例えば、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイルなどが挙げられる。
膏体層中における液状添加剤の含有量は、少ないと、膏体層中における遊離塩基性薬物の拡散性を向上させる効果が発現せず、多いと、膏体層中における遊離塩基性薬物の拡散性を過度に高め過ぎて膏体層中における遊離塩基性薬物の均一性がかえって低下すると共に、粘着剤を過度に可塑化して粘着剤の凝集力を著しく低下させて貼付剤を皮膚から剥離する際に糊残りを生じるので、1〜30重量%に限定され、3〜20重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。
膏体層には粘着剤が含有されている。粘着剤としては、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上、好ましくは25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が9以上、より好ましくは25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が9〜30である単量体を重合成分として含有する粘着剤が用いられる。25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体としては、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上であれば、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ピロリドン基を有する単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種の単量体が好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリルは、メタクリル又はアクリルを意味する。
なお、単量体における遊離塩基性薬物の溶解度は下記の要領で測定することができる。先ず、試験管に単量体を2g供給し、この単量体を30℃に保持する。しかる後、単量体中に遊離塩基性薬物を単量体中に遊離塩基性薬物が析出するまで供給した後に、単量体を 25℃にて24時間に亘って放置する。
次に、25℃に保持した単量体を遠心分離して上清を試料として採取する。この試料中に含まれている遊離塩基性薬物及び液状添加剤をHPLCを用いて測定し、単量体100gに対する遊離塩基性薬物のグラム数を算出し、この値を25℃における単量体に対する遊離塩基性薬物の溶解度とする。
このように、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体を重合成分として含有する粘着剤を用いることによって、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体由来の側鎖と遊離塩基性薬物との間で静電気的相互作用を生じているものと推察され、その結果、遊離塩基性薬物を長期間に亘って膏体層中に均一に存在させることができる。
上記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2,3−ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。
上記ピロリドン基を有する単量体としては、特に限定されず、例えば、1−ビニル−2−ピロリドン(N−ビニルピロリドン)、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、3−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
膏体層を構成している粘着剤は、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体を重合成分として含有している重合体から形成されておればよいが、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体成分以外に他の共重合成分を含有している共重合体から形成されていることが好ましい。粘着剤を共重合体から形成した場合、共重合体中において、25℃での遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体と、他の共重合成分との比率を調整し、又は、共重合成分の種類を選択することによって、遊離塩基性薬物及び液状添加剤を担持させる粘着剤として好適なものとすることができる。
このような共重合成分となる単量体としては、遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が7未満であればよく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、無水マレイン酸などが挙げられる。
そして、膏体層を構成している粘着剤が、25℃における遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体成分以外に他の共重合成分を含有している共重合体からなる場合、粘着剤中における25℃での遊離塩基性薬物の溶解度が7以上である単量体成分の含有量は、少ないと、共重合体と遊離塩基性薬物との間に静電気的相互作用を十分に生じさせることができないと推定され、遊離塩基性薬物を長期間に亘って膏体層中に均一に存在させておくことができず、多いと、共重合体と遊離塩基性薬物との間の静電気的相互作用が必要以上に強く生じると推定され、膏体層からの遊離塩基性薬物の放出性が著しく低下して遊離塩基性薬物の経皮吸収性が低下するので、5〜50重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましく、10〜25重量%が特に好ましい。
膏体層中における粘着剤の含有量は、少ないと、貼付剤の皮膚への粘着力が低下し、多いと、所望の遊離塩基性薬物濃度を得るために必要な量の遊離塩基性薬物及び液状添加剤を膏体層中に含有させることができないので、40〜98重量%に限定され、60〜95重量%が好ましい。
更に、粘着剤の原料となる単量体には、遊離塩基性薬物の保存安定性を損なわない範囲内であれば、上記多官能性単量体以外の、エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物などの架橋剤を添加してもよい。このように粘着剤の原料となる単量体に架橋剤を添加することにより、粘着剤の内部凝集力が高まるので、貼付剤を皮膚から剥離させる際に皮膚に糊残りを生じにくくすることができる。
そして、上記粘着剤の重合方法としては、従来公知の方法にて行なえばよく、例えば、重合開始剤の存在下で、上述のような単量体を配合して、溶液重合を行なうことによって重合する。具体的には、所定量の単量体、重合開始剤及び必要に応じて添加する架橋剤を重合溶媒と共に、撹拌装置及び気化溶媒の冷却還流装置を備えた反応器に供給し、60〜80℃の温度で4〜48時間に亘って加熱して、上記単量体をラジカル重合反応させる。
又、上記重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾビス系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド(LPO)、ジターシャルブチルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤などが挙げられ、上記重合溶媒としては、例えば、酢酸エチルやトルエンなどが挙げられる。更に、上記重合反応は、窒素ガス雰囲気下で行なうのが好ましい。
又、膏体層中に遊離塩基性薬物を膏体層の溶解度を超えて含有させると、遊離塩基性薬物が膏体層中に結晶化して析出する。このとき、遊離塩基性薬物は膏体層に対して溶解と析出を繰り返すことによって、膏体層中における遊離塩基性薬物の析出状態が経時的に不均一となることがある。
このような場合、膏体層中に微粉体を含有させることによって、膏体層中における遊離塩基性薬物の析出状態を均一とし、膏体層中に遊離塩基性薬物を長期間に亘って均一に存在させておくことができる。
上記微粉体は、膏体層を構成している液状添加剤及び粘着剤に不溶であれば、特に限定されないが、酸化亜鉛、無水ケイ酸、酸化チタン、酸化マグネシウム、タルク、炭酸カルシウムなどの無機微粉体、ステアリン酸マグネシウムなどの有機金属塩の微粉体が好ましい。
微粉体の平均粒径は、小さいと、膏体層を製造する際に作製される膏体層溶液の粘度が高くなり過ぎて均一な厚みを有する膏体層を形成することができないことがあり、大きいと、上記膏体層溶液を作製する際に微粉体が沈降して均一な膏体層溶液を作製することができず、均質な膏体層を形成することができないので、0.1nm〜10μmが好ましく、1nm〜5μmがより好ましく、5nm〜1μmが特に好ましい。なお、微粉体の平均粒径は、微粉体をヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に添加し、ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に超音波ホモジナイザーを用いて10分間に亘って分散処理を施して分散液を作製した後、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定された、分散液中の微粉体の平均粒径をいう。
膏体層中における微粉体の含有量は、少ないと、膏体層における遊離塩基性薬物の析出を均一にする効果が発現しないことがあり、多いと、膏体層の可塑性が損なわれて固くなり、貼付剤の貼付性が低下することがあるので、1〜10重量%が好ましく、3〜7重量%がより好ましい。
膏体層には、本発明の効果を損なわない範囲内で、可塑化剤、溶解剤、吸収促進剤、安定化剤、充填剤などの添加剤が添加されてもよい。
可塑化剤は、貼付剤の粘着力や、膏体層における遊離塩基性薬物の拡散性を向上させる目的で添加される。このような可塑化剤としては、例えば、流動パラフィンなどの炭化水素;ラノリン、オリーブ油などの天然物由来の油脂などが挙げられ、膏体層中に1〜20重量%添加されればよい。
又、溶解剤は、膏体層中の遊離塩基性薬物の溶解量を更に高める目的で添加される。このような溶解剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール等が挙げられ、膏体層中1〜10重量%添加されればよい。
そして、吸収促進剤は、皮膚に作用して遊離塩基性薬物の皮膚透過性を高めるために使用され、角質層を柔軟にするものや角質層の水和性を高めるものが用いられる。このような吸収促進剤としては、ポリソルベート、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウロイルサルコシン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどの界面活性剤などが挙げられ、膏体層中に0.05〜10重量%添加されればよい。
又、上記安定化剤は、薬物の酸化や分解を抑える目的で添加される。このような安定化剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロールなどの酸化防止剤、シクロデキストリン、エチレンジアミン四酢酸などが挙げられ、膏体層中に0.05〜10重量%添加されればよい。
更に、充填剤は、貼付剤の粘着力や、遊離塩基性薬物の経皮吸収性を調節するために添加される。このような充填剤としては、例えば、乳糖、結晶セルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ビニルピロリドンや、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸誘導体を単量体とする高分子などが挙げられる。これらの充填剤は膏体層中に1〜15重量%添加されればよい。
膏体層の厚さは、10〜250μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、40〜150μmが特に好ましい。これは、上記膏体層の厚さが10μmよりも薄いと、膏体層に所望の薬物血中濃度を得るのに必要な量の遊離塩基性薬物を含有できなくなることがあり、250μmよりも厚いと、貼付剤の保存時や貼付時に、膏体層が貼付剤からはみ出しやすくなる、貼付剤を貼付した際の貼付感が悪化してしまう、更に、貼付剤を後述する溶剤塗工により製造した際に溶剤の除去に長時間を要し製造効率が低下するなどの問題が生じることがあるからである。
そして、上記膏体層と積層一体化されて本発明の貼付剤を構成する支持体は、膏体層中の薬物の損失を防ぎ、膏体層を保護するものであると共に、貼付剤に自己支持性を付与するための強度を有しつつ、貼付剤の良好な貼付感を付与するための柔軟性を有していることが求められる。
このような支持体としては、特に限定されず、例えば、樹脂シート、発泡樹脂シート、不織布、織布、編布、アルミニウムシートなどが挙げられ、単層からなるものでも、複数層が積層一体化されてなるものでもよい。
そして、上記樹脂シートを構成する樹脂としては、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられ、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記支持体としては、その柔軟性や薬物の損失防止効果の観点から、ポリエチレンテレフタレートシートと、不織布や柔軟な樹脂シートとが積層一体化されてなるものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートシートと不織布とが積層一体化されてなるものがより好ましい。上記不織布を構成する素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、SIS共重合体、SEBS共重合体、レーヨン、綿などが挙げられ、ポリエステルが好ましい。なお、これらの素材は単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
本発明の貼付剤の膏体層中の薬物の損失防止や膏体層を保護する目的で、貼付剤の膏体層の表面に剥離紙を剥離可能に積層一体化させておくのが好ましい。
上記剥離紙としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどからなる樹脂フィルムや紙などが挙げられ、膏体層と対向させる面に離型処理が施されていることが好ましい。なお、上記剥離紙は単層からなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。
又、上記剥離紙のバリア性を向上させる目的で、剥離紙にアルミ箔やアルミ蒸着の層を設けたものであってもよい。更に、上記剥離紙が紙からなる場合、剥離紙のバリア性を向上させる目的で、剥離紙にポリビニルアルコールなどの樹脂を含浸させてもよい。
次に、本発明の貼付剤の製造方法を説明する。上記貼付剤の製造方法は、特に限定されないが、例えば、遊離塩基性薬物、粘着剤、液状添加剤及び必要に応じて添加される添加剤を酢酸エチルなどの溶剤中に加え、均一になるまで攪拌して得られた膏体層溶液を、支持体の一面に塗工した後に乾燥させることにより支持体の一面に膏体層を積層一体化し、必要に応じて、膏体層に剥離紙を、剥離紙の離型処理が施された面が膏体層に対向した状態となるように積層一体化させる方法や、上述のような塗工法によって、剥離紙の離型処理が施された面上に膏体層溶液を塗工し、乾燥させることにより、剥離紙上に膏体層を形成し、この膏体層に支持体を積層一体化させる方法などが挙げられる。
本発明の貼付剤は、その膏体層中に、特定の液状添加剤及び粘着剤を所定割合で含有させているので、膏体層中における遊離塩基性薬物の含有量の低下を伴わず且つ膏体層中における遊離塩基性薬物の均一性を損なうことなく、膏体層中における遊離塩基性薬物の拡散性を向上させることができ、よって、貼付剤は、遊離塩基性薬物の持続的な経皮吸収性を発揮する。
更に、本発明の貼付剤は、その貼付時において皮膚から不測に剥離するようなことがないだけでなく、その剥離時において皮膚に糊残りを生じさせることがほとんどないという貼付剤として適度な粘着力を有している。
実施例1〜5で得られた製造直後の貼付剤について透過性試験を行なって得られた累積皮膚透過量を示したグラフである。 比較例1、3で得られた製造直後の貼付剤について透過性試験を行なって得られた累積皮膚透過量を示したグラフである。
本発明の貼付剤の粘着剤として用いるアクリル系粘着剤A〜Cの調製を下記の要領で行ない、実施例1〜5及び比較例1〜3の貼付剤を製造した。
(アクリル系粘着剤Aの調製)
アクリル酸オクチル100重量部、アクリル酸エチル80重量部、1−ビニル2−ピロリドン20重量部、及び、酢酸エチル200重量部からなる反応液をセパラブルフラスコへ投入し、セパラブルフラスコ内を80℃の窒素雰囲気とした。そして、上記反応液にベンゾイルパーオキサイド1重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を27時間かけて加えながら重合させ、重合後更に酢酸エチルを加えて、アクリル系粘着剤A含有量32重量%のアクリル系粘着剤溶液Aを得た。
(アクリル系粘着剤Bの調製)
アクリル酸2−エチルヘキシル95重量部、アクリル酸5重量部、及び、酢酸エチル50重量部からなる反応液をセパラブルフラスコに投入した後、このセパラブルフラスコ内を80℃の窒素雰囲気とした。そして、この反応液にアゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を酢酸エチル50重量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を10時間かけて加えながら重合させ、重合後更に酢酸エチルを加えて、アクリル系粘着剤B含有量35重量%のアクリル系粘着剤溶液Bを得た。
(アクリル系粘着剤Cの調製)
メタクリル酸ドデシル13重量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル78重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル9重量部、及び、酢酸エチル50重量部からなる反応液を40リットルの重合機に投入した後、この重合機内を80℃の窒素雰囲気とした。そして、この反応液にベンゾイルパーオキサイド0.5重量部をシクロヘキサン50重量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を24時間かけて加えながら重合させ、重合後更に酢酸エチルを加えて、アクリル系粘着剤C含有量35重量%のアクリル系粘着剤溶液Cを得た。
なお、アクリル系粘着剤の製造に用いた単量体に対するアゼラスチンの25℃における溶解度を表1に示した。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
膏体層において、遊離塩基性薬物としてアゼラスチン、アクリル系粘着剤、液状添加剤としてパルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル又はオクチルドデカノール、及び、微粉体として酸化亜鉛(平均粒径:0.6μm)の重量組成が表2、3に示した割合となるように、アゼラスチン、アクリル系粘着剤、液状添加剤及び微粉体を配合し、固形分の濃度が23重量%になるように酢酸エチルを加えた後、均一になるまで混合して、膏体層溶液を調製した。なお、液状添加剤に対するアゼラスチンの溶解度を表2の各液状添加剤の右側に括弧書きにて示した。
次に、シリコン離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、このポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン離型処理面に、上記膏体層溶液を塗布し、60℃で30分間乾燥させることにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン離型処理面に表2、3に示す厚さの膏体層が形成された積層体を作製した。
そして、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体として用意し、この支持体の一面と、上記積層体の膏体層とが対向するように重ね合わせて、積層体の膏体層を支持体に積層一体化させることによって貼付剤を製造した。
実施例及び比較例で得られた貼付剤の保存安定性を下記の要領で測定し、その結果を表2、3に示した。
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた貼付剤について下記の要領で透過性試験を行なってアゼラスチンの累積皮膚透過量を測定した。透過性試験の結果を表4及び図1、2に示した。
(保存安定性)
貼付剤の製造直後において、透過型偏光顕微鏡で100倍にて膏体層を観察し、結晶の析出状態を観察した。
製造直後の貼付剤から一辺が3cmの平面正方形状の試験片を切り出し、この試験片を遮光した包材に密封して4℃にて1カ月間に亘って保存した。1カ月後に再び、膏体層表面を透過型偏光顕微鏡で100倍にて結晶の析出状態を観察した。
又、製造直後の貼付剤から一辺が3cmの平面正方形状の試験片を切り出し、この試験片を遮光した包材に密封して室温にて1カ月間に亘って保存した。1カ月後に再び、膏体層表面を透過型偏光顕微鏡で100倍にて結晶の析出状態を観察した。
更に、製造直後の貼付剤から一辺が3cmの平面正方形状の試験片を切り出し、この試験片を遮光した包材に密封して40℃にて1カ月間に亘って保存した。1カ月後に再び、膏体層表面を透過型偏光顕微鏡で100倍にて結晶の析出状態を観察した。
製造直後及び各保存条件の何れの試験片においても膏体層表面に結晶が析出していなかった場合を「なし」、製造直後及び各保存条件の何れの試験片においても膏体層表面に結晶が均一に析出していた場合を「○」、製造直後又は各保存条件の何れか試験片において膏体層表面に析出していた結晶が不均一に存在していた場合を「×」とした。
(透過性試験)
実施例1〜5及び比較例1、3で得られた製造直後の貼付剤から直径2cmの平面円形状の試験片(貼付面積:3.14cm2)を切り出す一方、37℃に保持されたFranzの拡散セルに、ヘアレスマウス(雄、8〜10週齢)の背部摘出皮膚を固定し、この皮膚の上端部に試験片をその膏体層によって貼付した。なお、pH7.2に調整した生理食塩水をリセプター液とし、このリセプター液中に皮膚の下端部を浸漬した。
試験片を皮膚に貼付してから6、21及び24時間後に、皮膚下側のリセプター液を採取し、アゼラスチン濃度をHPLCを用いて測定した。なお、試験片を3枚用意し、各試験片毎に6、21及び24時間後における遊離塩基性薬物濃度を上記要領で測定した。そして、経過時間毎に、遊離塩基性薬物濃度とリセプター液量から求められる遊離塩基性薬物透過量を算出し、試験片毎に算出された遊離塩基性薬物透過量を経過時間毎に相加平均し、その値を遊離塩基性薬物の累積皮膚透過量とした。なお、21及び24時間後における遊離塩基性薬物透過量を算出するにあたっては、それ以前にリセプター液を採取しているので、このリセプター液の採取量について補正を加えた。
Figure 2011074035
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Claims (6)

  1. 支持体と、この支持体の一面に積層一体化された膏体層とを備えた貼付剤であって、上記膏体層は、抗ヒスタミン作用を有する遊離塩基性薬物1〜50重量%と、上記遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が0.2〜10である液状添加剤1〜30重量%と、上記遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が7以上である単量体を重合成分として含有する粘着剤40〜98重量%とを含有していることを特徴とする貼付剤。
  2. 遊離塩基性薬物がアゼラスチンであることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
  3. 液状添加剤は、一価の脂肪族アルコール、及び、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼付剤。
  4. 液状添加剤は、炭素数が10〜22の一価の脂肪族アルコール、及び、炭素数が10〜20の脂肪酸と炭素数が1〜20の脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼付剤。
  5. 粘着剤の重合成分であって且つ遊離塩基性薬物の25℃における溶解度が7以上である単量体が、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ピロリドン基を有する単量体からなる群から選ばれた少なくとも一種の単量体であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の貼付剤。
  6. 膏体層中に微粉体が含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の貼付剤。
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