JP2013014718A - 光学用紫外線硬化型樹脂組成物、硬化物及び表示装置 - Google Patents

光学用紫外線硬化型樹脂組成物、硬化物及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 被着体に対する密着性に優れ、且つリペア性に優れた硬化物を提供でき、さらに優れた光学的特性を安定的に保持できる硬化物が得られる紫外線硬化型樹脂組成物、当該組成物の硬化物、及びこれを用いた表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置の表示パネルと保護板とを積層一体化させるために用いられる紫外線硬化型樹脂組成物であって、(A)2個以上のアクリロイル基を有するポリマー;(B)下記一般式(1)で表わされるラジカル重合性モノマー;及び(C)光重合開始剤を含有する。当該樹脂組成物の硬化体、当該硬化体を用いた表示装置も含む。
【化1】
Figure 2013014718

【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話、液晶テレビ、プラズマテレビ、電子書籍、タッチパネルなどに用いられている画像表示装置の表示パネルと当該表示パネル上に所定間隔をあけて設置される保護板との間の空間に充填される光学用紫外線硬化型樹脂組成物、及びその硬化物、並びに当該硬化物を用いた表示装置に関する。
液晶表示パネル等のフラットパネルディスプレイでは、何らかの衝撃が加わった場合に、その衝撃が表示パネルに伝わらないように、表示パネルと、この表示パネルを保護するアクリル板やガラス板等からなる透明の保護板との間に一定の間隙を設けている。
この間隙が空気層の場合、上記の表示パネルや保護板を構成する材料とこの空気層との屈折率の差に起因する光の反射損失が大きく、良好な視認性が得られないことから、近年、この間隙に透明物質を介層させるようになっている。透明物質としては、透明樹脂シート、粘着性透明ゲル、硬化性粘着性樹脂組成物などの透明高分子材料が提案されている。
上記透明樹脂シートとしては、例えば、(メタ)アクリル系粘着剤でゲル分率50−90重量%で且つ貯蔵弾性率を所定値以下とした粘着シート(特開2009−263502号公報(特許文献1))、アクリル酸アルキルエステル、Tgが50℃以上の極性モノマー、及びオキシアルキレン基を有する親水性モノマーの共重合体を含み、tanδ、貯蔵弾性率を所定値以下とした透明粘着シート(特開2010−163591号公報(特許文献2))などが提案されている。特許文献2の粘着シートは、上記各種モノマー(アクリル酸アルキルエステル、ホモポリマーのTgが50℃以上である極性モノマー、及びオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリル酸エステル)を光重合開始剤の存在下で紫外線照射して部分的に重合させて得られる粘性液体に、架橋剤(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)及び追加の重合開始剤を添加し、さらに光照射して架橋硬化することにより製造している(段落番号0067の実施例)。
透明樹脂シートは、表示装置を組み立てるユーザー側にとって、ゲルなどと比べて扱いやすいという利点がある。さらに、ポリマーの主要構成単位として(メタ)アクリル系モノマーを用いた透明シートの場合には、シリコーンゲルや他の樹脂と比べて接着性に優れるという利点がある。
一方、画面の大型化に伴って、これらに用いられる透明シートも大判化しなければならないが、所定の粘着性、衝撃吸収性確保のための粘弾性を有する大判シートの取扱いは容易ではない。表示パネルと保護板との界面において、気泡やしわが生じないように貼着させる必要があることから、サイズの大きな透明樹脂シートでは貼着作業に、高度な技術が求められることになる。特に表示装置の薄型化の要請から、これに用いられる透明樹脂シートについても薄膜化の要請が厳しく、その取り扱いには熟練した技術が求められる。
また、表示パネル、保護板において、アンチグレア処理が施されたり、液晶画面を見やすくするために保護板の裏面(シートと接触する側の面)の外周縁部に黒色印刷層が施されたりすることがある。これらの場合、被着体である表示パネル、保護板の粘着面に凹凸が形成されることになるため、印刷部による段差を吸収できる柔らかい粘着性のシートを用いる必要がある。このことは、ユーザーに対して、益々高いハンドリング技術を求めることになる。
さらに、貼着した透明シートに、しわが発生したり、被着体との間に空気が巻き込まれていたりした場合には、透明シートを貼着し直す必要があることから、容易に剥がして、再貼着できる性能(リペア性)も強く求められる。
この点、硬化性樹脂組成物では、提供される状態が液体であることから、表示画面の種々のサイズにも対応可能であり、汎用性に優れている。また、表示パネルと保護板との間の空間に充填後、硬化という作業は、表示画面のサイズに依存しないので、画面の大型化による作業技術の高度化といった問題はない。また、ユーザー、製品の種類によって、表示パネルと保護板との間隔は区々であるため、樹脂シートの場合、間隔サイズに応じた種々の厚みの樹脂シートが必要となるが、液状の樹脂組成物の場合には、充填される間隔サイズによらず、1種類の樹脂組成物で対応可能である。さらに表面に凹凸があるような表示装置にも、空隙なく充填することができるという利点がある。
一方、硬化性樹脂組成物の場合、硬化に伴う収縮や、充填作業が問題となることがある。
表示装置に用いられる硬化性樹脂組成物としては、例えば、特開2009−186963号公報(特許文献3)に、ポリイソプレン系アクリレート、テルペン系水素添加樹脂、ブタジエン系重合体などのポリマーと、紫外線硬化型モノマーとを含有する紫外線硬化型樹脂組成物が提案されている。
特許文献3では、硬化物の伸び率が大きい樹脂組成物を用いることで、歪みが少ない硬化物を得るようにしているが、表示の鮮明度向上の観点からは、さらなる収縮率の低減が求められる。さらに、イソプレン系、ブタジエン系重合体等のゴム系ポリマーでは、分子鎖内に二重結合を多く含有し、これらは、紫外線硬化反応に参与しないため、硬化物に二重結合が残存しているおそれがある。二重結合の残存は、耐光性、耐熱性などの低下の原因となる。また、高温高湿下の過酷な条件下におけるゴム系ポリマーの劣化、黄変は、光学的特性の低下だけでなく、伸び率、粘弾性特性の低下をもたらし、その結果、表示パネルと保護板との界面において気泡や剥離が生じ、ひいては表示装置の表示性能の低下原因となり得る。
また、ポリイソプレン系アクリレート等の粘度の高い材料を用いた場合は、得られる樹脂組成物は粘度が高くなり、充填に過大な時間を必要とするため生産性が悪く、製造コストが高くなってしまう恐れがある。
特開2009−263502号公報 特開2010−163591号公報 特開2009−186963号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、種々のサイズの表示装置や被着体表面に凹凸があるような表示装置についても対応可能で作業性に優れた液状の樹脂組成物であって、光学的に優れた品質を長期間にわたって安定的に保持する性能を有し、かつ、密着耐久性、リペア性、耐衝撃吸収性に優れた紫外線硬化型樹脂組成物、当該樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、及び当該硬化物を用いた表示装置を提供することにある。
すなわち、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物は、表示装置の表示パネルと保護板とを積層一体化させるために用いられる紫外線硬化型樹脂組成物であって、該紫外線硬化型樹脂組成物が、(A)2個以上のアクリロイル基を有するポリマー(以下「アクリロイル基含有ポリマー」と称する);(B)下記一般式(1)で表わされるラジカル重合性モノマー;及び(C)光重合開始剤を含有する。
Figure 2013014718
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1−30の有機基を表す。R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ水素原子又は炭素数1−6のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
前記(B)ラジカル重合性モノマーは、下記一般式(2)で表わされる化合物であることが好ましく、より好ましくは下記一般式(3)で表わされる化合物である。
Figure 2013014718
Figure 2013014718
前記(A)アクリロイル基含有ポリマーは、ポリエーテルアクリレート系ポリマーであることが好ましく、分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、さらに(D)可塑剤を含有することが好ましく、前記(D)可塑剤は、ロジンエステル系可塑剤であることが好ましい。
本発明は、上記本発明のいずれかに記載の光学用紫外線硬化型樹脂組成物を紫外線照射により硬化して得られる硬化物、当該硬化物を有する表示装置も包含する。
なお、本明細書中の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、いずれも、テトラヒドロフラン(THF)を移動相とし、温度40℃、流速0.3mL/minの条件下で、東ソー社製のカラム TSK−gel SuperHM−H 2本、TSK−gel SuperH2000 1本を用い、東ソー社製のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置 HLC−8220GPCにより求め、標準ポリスチレン換算した値である。
本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物は、上記一般式(1)に示す構造を有するラジカル重合性モノマーを用いることで、主成分となるアクリロイル基含有ポリマーの種類にかかわらず、優れた光学的特性、被着体に対する密着性を有し、しかもリペア性に優れた硬化物であって、耐熱性、耐衝撃吸収性といった外的環境要因に対する耐性にも優れている硬化物を提供できる。
図1は、本発明の硬化物を用いた表示装置の一実施態様を示す概略模式断面図である。 図2は、本発明の硬化物を用いた表示装置の他の実施態様を示す概略模式断面図である。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
<光学用紫外線硬化型樹脂組成物>
はじめに本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物について説明する。
本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と称する)は、表示装置の表示パネルと保護板とを積層一体化させるために用いられ、主成分として、(A)2個以上のアクリロイル基を有するポリマー(以下「アクリロイル基含有ポリマー」という)、(B)上述の一般式(1)で表わされるラジカル重合性単量体、(C)光重合性開始剤を含有するものであり、好ましくは、更に(D)可塑剤を含有するものである。
〔(A)アクリロイル基含有ポリマー〕
A成分として用いられるアクリロイル基含有ポリマーは、ポリマーの主鎖末端及び/又は側鎖に2個以上のアクリロイル基を有するポリマーであればよく、ベースポリマーの種類に応じて、例えば、ポリエーテル系ポリマーの分子鎖末端または側鎖にアクリロイル基を含有するポリエーテルアクリレート系ポリマー、共役ジエン系重合体又はその水素添加物の分子鎖末端又は側鎖にアクリロイル基を有する共役ジエンアクリレート系ポリマー、ウレタン系ポリマーの分子鎖末端又は側鎖にアクリロイル基を有するウレタンアクリレート系ポリマー、エポキシ樹脂の分子鎖末端又は側鎖にアクリロイル基を有するエポキシアクリレート系ポリマー、ポリエステルの分子鎖末端又は側鎖にアクリロイル基を有するポリエステルアクリレート系ポリマー、(メタ)アクリル樹脂の分子鎖末端又は側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリルアクリレート系ポリマーなどが挙げられる。
本発明の樹脂組成物においては、後述するように、特定構造を有するラジカル重合性単量体と組み合わせて用いることにより本発明の効果を得ることができるので、アクリロイル基含有ポリマーの種類は特に限定しないが、アクリロイル基含有ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)が狭いほど、得られる硬化物の物性、特に耐熱性、耐光性、耐衝撃吸収性といった物性が優れる傾向にあるという理由から、ポリマーの合成上、このような分子量分布が狭いものが得られやすいアクリロイル基含有ポリマーが好ましく用いられる。また、ベースポリマー鎖中にアクリロイル基以外の二重結合を有するものは、得られる硬化物中に残存するおそれがあるので、耐熱性、耐光性の点から、ベースポリマー中にアクリロイル基以外の二重結合を有しないものが好ましい。これらの点から、(A)アクリロイル基含有ポリマーとしては、ポリエーテルアクリレート系ポリマーが好ましく用いられる。
これらのアクリロイル基含有ポリマーは、ベースポリマーを構成するモノマーと反応可能な反応性官能基を有するアクリロイル基含有モノマーを併用することによって得られるアクリレート変性ポリマーであってもよいし、予め合成したベースポリマーのポリマー鎖末端、又はアクリロイル基含有化合物と反応可能な側鎖に、アクリロイル基を導入(アクリレート後変性)したものであってもよい。好ましくは、硬化反応性の点から、ポリマー鎖末端にアクリロイル基を有するアクリロイル基含有ポリマーである。
アクリレート変性に用いられるアクリロイル基含有化合物としては、カルボキシル基含有アクリレート、ヒドロキシ基含有アクリレート、イソシアナート基含有アクリレート、エポキシ基含有アクリレートなどが挙げられ、ベースポリマーを構成するモノマーの種類、修飾されるベースポリマー末端の反応性基の種類に応じて、適宜選択して用いられる。
上記カルボキシル基含有アクリレートとしては、アクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられ、中でもアクリル酸が好ましく用いられる。
上記ヒドロキシル含有アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−クロロ−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、グリシドールジメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ビスメタクリロイルオキシアシッドフォスフェート、ヒドロキシプロピル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等が挙げられ、中でも2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましく用いられる。
上記イソシアナート基含有アクリレートとしては、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアナート等が挙げられ、中でも2−アクリロイルオキシエチルイソシアナートが好ましく用いられる。
上記エポキシ基含有アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシしシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
(A)アクリロイル基含有ポリマー1分子中に含まれるアクリロイル基数は、2個以上であればよく、ポリマー分子量にもよるが、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個、さらに好ましくは2〜5個である。2個未満では、得られる紫外線硬化性樹脂組成物の硬化性が不十分となり、一方20個を越えると、得られる樹脂組成物の硬化物の伸び率が小さくなり耐衝撃吸収性に劣る傾向が見られる。
(A)アクリロイル基含有ポリマーの分子量は限定せず、好適な分子量はポリマーの種類にもよるが、硬化物の物性、作業性の点から、通常、数平均分子量Mnが3000〜50000が好ましく、より好ましくは5000〜50000、さらに好ましくは8000〜50000であり、特に好ましくは1万〜5万である。
また、分子量分布(Mw/Mn)は、2.0以下が好ましく、より好ましくは1.5以下である。アクリロイル基含有ポリマーの分子量分布が狭いほど、得られる硬化物の物性、特に耐熱性、耐光性、耐衝撃吸収性といった物性が優れる傾向にある。
以下、代表的なアクリロイル基含有ポリマーについて説明するが、本発明で用いることができる(A)アクリロイル基含有ポリマーはこれらに限定されない。また、市販されている(A)アクリロイル基含有ポリマー(例えば、サートマー社製のCNシリーズとして市販されている機能性エポキシアクリレートオリゴマー、機能性ウレタンアクリレートオリゴマー、機能性ポリエステルアクリレートオリゴマーなど)を用いることもできる。
(A1)ポリエーテルアクリレート系ポリマー
(A1)ポリエーテルアクリレート系ポリマーは、通常、(a−1)ポリエーテル系ポリオールと、(a−2)イソシアナート基含有アクリレート又は(a―3)カルボキシル基含有アクリレートとの反応により得られる。
(a−1)ポリエーテルポリオールとしては、エーテル結合ユニット(−R−O−)を繰り返し単位として有し、かつ、水酸基を2個以上有するポリエーテルであれば特に限定されない。エーテル結合ユニット(−R−O−)としては、Rが炭素数1〜14の直鎖状及び/又は分岐状のアルキレン基であるオキシアルキレ単位であることが好ましく、具体的には、−CH2O−、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C25)O−、CH2C(CH32O−、−CH2CH2CH2CH2O−、−CH2C(CH32CH2O−等が挙げられ、中でも、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−が好まししく、−CH2CH(CH3)O−が特に好ましい。これらのオキシアルキレン単位は、2種以上有していてもよい。
また、(a−1)ポリエーテルポリオール中には、オキシアルキレン単位の他、ラクトン由来のエステル含有アルキレン単位を有していてもよく、さらに繰り返し単位となるエーテル結合ユニット以外に、ポリエーテル合成の開始剤として用いられるような化合物の反応残基、例えば、ビスフェノールA残基、エチレンジアミン残基、ラクトン残基などが含まれていてもよい。
ただし、(a−1)ポリエーテルポリオール中のエーテル結合ユニットの含有割合は、80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。エーテル結合ユニットの含有割合が80質量%以上の場合に、(A1)ポリエーテルアクリレート系ポリマーの粘度が低くなり、その結果、作業性に優れた樹脂組成物が得られる。
上記ラクトンとしては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられ、これらを開環して得られるエステル含有アルキレン単位としては、−CH2CH2OCO−、−CH2CH2CH2OCO−、−CH2CH2CH2CH2OCO−などが挙げられる。
上記(a−1)ポリエーテルポリオールとしては、具体的には、エチレンオキシド単独のジオールであるポリエチレングリコール、プロピレンオキシド単独のジオールであるポリプロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム及び/またはブロック共重合のジオールであるポリエチレンプロピレングリコール、ビスフェノールAにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させたビスフェノールA系ジオール、グリセリンにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させたグリセリン系トリオール、トリメチロールプロパンにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させたトリメチロールプロパン系トリオール、エチレンジアミンにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させたエチレンジアミン系テトラオール、ソルビトールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させたソルビトール系ポリオール、蔗糖にエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させた蔗糖系ポリオール、蔗糖およびグリセリンにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加させたポリエーテルポリオール等がある。中でも、ポリプロピレングリコール、プロピレンオキシドを付加させたトリメチロールプロパン系トリオール、プロピレンオキシドを付加させたグリセリン系トリオールが好ましく、ポリプロピレングリコールがより好ましい。
(a−1)ポリエーテルポリオールとしては、市場で入手可能なものを用いてもよい。市場で入手可能な(a−1)ポリエーテルポリオールとしては、例えば、アデカ社製のポリエチレングリコールに該当するPEGシリーズ、ポリプロピレングリコールに該当するPシリーズ、ビスフェノールAのポリプロピレングリコール付加物に該当するBPXシリーズ、グリセリンのポリプロピレングリコール付加物に該当するGシリーズ、トリメチロールプロパンのポリプロピレングリコール付加物に該当するTシリーズ、エチレンジアミンのポリプロピレングリコール付加物に該当するテトラオールであるEDPシリーズ、ソルビトールのポリプロピレングリコール付加物に該当するSPシリーズ、蔗糖のポリプロピレングリコール付加物に該当するRシリーズ、蔗糖およびグリセリンにポリプロピレングリコール付加物に該当するSCシリーズ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムコポリマー(PO−EOランダムコポリマー)に該当するPRシリーズ、グリセリンのPO−EOランダムコポリマー付加物に該当するGRシリーズ、ビスフェノールAのPO−EOコポリマー付加物に該当するEMシリーズ、プロピレングリコールにプロピレンオキシド−エチレンオキシドブロックコポリマーを付加させたCMシリーズを用いることができる。また、ダイセル化学工業社製の商品名「プラクセル」で挙げられるポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカーボネートジオール、旭硝子社製の商品名「プレミノール」などを用いることもできる。
(a−1)ポリエーテルポリオールの分子量は、数平均分子量Mnが3000〜30000が好ましく、5000〜20000がさらに好ましく、8000〜18000が特に好ましく、10000〜18000が最も好ましい。また、(a−1)ポリエーテルポリオールの分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以下が好ましく、1.4以下がさらに好ましく、1.2以下が特に好ましく、1.1以下が最も好ましい。ベースポリマーである(a−1)ポリエーテルポリオールとして、このような範囲のものを用いることで、後述する好適な分子量、分子量分布を有する(A1)ポリエーテルアクリレート系ポリマーが得られやすくなる。
イソシアナート基を有するアクリレート(a−2)としては、イソシアナート基とアクリロイル基を有するものであれば特に限定されず、アクリレート変性に用いられる上述のイソシアナート基含有アクリレートで列挙した化合物を1種又は2種以上用いることができる。
また、カルボキシル基を有するアクリレート(a−3)としては、カルボキシル基とアクリロイル基を有するものであれば特に限定されず、アクリレート変性に用いられる上述のイソシアナート基含有アクリレートを1種又は2種以上用いることができる。
ポリエーテルアクリレート系ポリマーの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、触媒の存在下、(a−1)ポリエーテルポリオールとイソシアナート基を有するアクリレート(a−2)とのウレタン化反応、又は(a−1)ポリエーテルポリオールとカルボキシル基を有するアクリレート(a―3)とのエステル化反応を行なうことで得ることができる。
上記のウレタン化反応触媒としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等のアミン類、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート等のジラウレート化合物、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等を触媒として用いることができる。触媒の添加量は反応混合物全体に対して0.001〜1質量%程度であることが好ましく、0.01〜0.5質量%程度であることが特に好ましい。反応温度は通常、10〜100℃、特に30〜80℃で行うことが好ましい。また、反応中のラジカル重合によるゲル化を防止するため、公知の重合禁止剤(例えば、ハイドロキノン、メトキノン、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン等)を、反応混合物全体に対して0.001〜3質量%(好ましくは0.01〜1質量%)添加しておくことが好ましい。
上記のエステル化反応触媒としては、例えばルイス酸として機能する触媒が好ましく、例えばTi化合物(例えば、Ti(OBu)、Ti(O−Pr)等)、Sn化合物(例えば、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、モノブチルスズヒドロキシブチルオキシド、塩化第一スズ、塩化第二スズ等)、プロトン酸(例えば、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等)等が挙げられ、なかでも反応性、薬品の有害性、入手の容易さの観点からTi(OBu)、Ti(O−Pr)、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、モノブチルスズヒドロキシブチルオキシド、メタンスルホン酸が好ましい。上記触媒は、単独で用いてもよいし、本発明の効果を損なわない範囲で、2種以上を併用してもよい。触媒の使用量は、反応混合物全体に対して0.001〜5質量%程度であることが好ましく、0.01〜1質量%程度であることが特に好ましい。反応温度は、80〜250℃が好ましく、90〜230℃がより好ましく、100〜210℃が更に好ましい。上記範囲とすることで、好適な反応速度による合成が可能となり、得られるアクリレート含有ポリエーテル系ポリマーの着色の小さくなるため好ましい。また、反応中のラジカル重合によるゲル化を防止するため、公知の重合禁止剤を、反応混合物全体に対して0.001〜3質量%(好ましくは0.01〜1質量%)添加しておくことが好ましい。
(a−1)ポリエーテルポリオールと、(a−2)イソシアナート基含有アクリレート又は(a−3)カルボキシル基含有アクリレートとの反応比率は、(a−1)ポリエーテルポリ―ルに含まれる水酸基1当量に対して、前記イソシアナート基含有アクリレート(a−2)中のイソシアナート基、又は前記カルボキシル基含有アクリレート(a−3)中のカルボキシル基が、0.40〜1.05当量となるように定めることが好ましく、0.50〜1.05当量がより好ましく、0.60〜1.05当量がさらに好ましい。
ポリエーテルアクリレート系ポリマー中の(a−1)ポリエーテルポリオールの含有割合は、90質量%以上が好ましく、93質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、97質量%以上が最も好ましい。90質量%未満の場合は、耐熱性、耐光性、耐湿性に劣る傾向が見られ、また、得られる樹脂組成物の粘度が高くなる傾向が見られる。
(A1)ポリエーテルアクリレート系ポリマーの数平均分子量Mnは、3000〜50000が好ましく、5000〜30000がより好ましく、8000〜20000がさらに好ましく、特に好ましくは10000〜20000である。数平均分子量Mnが3000未満であれば、得られる樹脂組成物の硬化物が硬く(硬度が高い)、または伸び率が小さくなり、耐衝撃吸収性に劣る傾向が見られ、逆に、数平均分子量Mnが50000を超えると、得られる樹脂組成物の粘度が高くなる傾向が見られる。
また、(A1)ポリエーテルアクリレート系ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以下が好ましく、1.4以下がさらに好ましく、1.2以下が特に好ましく、1.1以下が最も好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が大きいと、得られる樹脂組成物の粘度が高く作業性に劣ったり、得られる樹脂組成物の硬化物が硬く(硬度が高い)、または伸び率が小さくなる傾向が見られる。
(A1)ポリエーテルアクリレート系ポリマーの25℃における粘度は、1000〜100000mPa・sが好ましく、1000〜50000mPa・sがさらに好ましく、1000〜30000mPa・sが特に好ましい。25℃における粘度が100000mPa・sを超える場合は、得られる樹脂組成物の粘度が高くなる傾向が見られる。
(A2)共役ジエンアクリレート系ポリマー
(A2)共役ジエンアクリレート系ポリマーとは、共役ジエン系ポリマーの末端及び/又は側鎖にアクリロイル基を含有させたものである。
共役ジエン系ポリマーの合成に用いられる共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、1−フェニルブタジエン、2−フェニルブタジエン、1,1−ジフェニルブタジエン、1,2−ジフェニルブタジエン、2,3−ジフェニルブタジエンなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
共役ジエン系ポリマーの製造方法も特に限定しないが、例えば、ブタジエン、イソプレンなどの上記した共役ジエン化合物を、ナトリウムナフタレン錯体、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、メチルリチウム、エチルリチウム、ペンチルリチウムなどのアルキルリチウムなどを開始剤としてアニオン重合させることにより製造してもよいし、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾビスニトリル化合物、ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物を開始剤としてラジカル重合させることによっても製造してもよい。なお、これらの重合反応は、通常、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの脂肪族または芳香族炭化水素系溶媒の存在下に、重合温度−80℃〜150℃、重合時間1〜100時間という条件で行うことができる。共役ジエン系ポリマーは、一部又は全部が水素添加されていてもよい。また、アクリレート変性のために、共役ジエン系ポリマー末端又は側鎖の一部が、水酸基、カルボキシル基等で修飾されていてもよい。
(A2)共役ジエンアクリレート系ポリマーは、以上のような共役ジエン系ポリマーをアクリレート変性することによって得られる。アクリレート変性の方法としては、例えば、i)共役ジエン系ポリマーに二塩基性不飽和酸無水物を反応させた後、引き続き、得られたポリマー中の酸無水物基の一部または全部に、水酸基を有するアクリレートを反応させる方法;ii)水酸基を有する共役ジエン系ポリマーと水酸基を有するアクリレートとを、2,4−トリレンジイソシアネート化合物などのジイソシアネート化合物を介して反応させる方法;iii)カルボキシル基を有する共役ジエン系ポリマーと、グリシジル基を有するアクリレートとを反応させる方法、iv)水酸基を有する共役ジエン系ポリマーと、酸ハライド基を有するアクリレートとを反応させる方法などが挙げられ、中でも、i)の方法が好ましく採用される。
(A3)ウレタンアクリレート系ポリマー
(A3)ウレタンアクリレート系ポリマーは、分子鎖中にウレタン結合を有するウレタン系ポリマーの末端及び/又は側鎖にアクリロイル基を含有するアクリレートである。その製造方法は特に限定しないが、通常、i)ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られたウレタン系ポリマーに、ヒドロキシ基含有アクリレートとを反応させる方法、ii)ポリイソシアネートとヒドロキシ基含有アクリレートを反応させて、次いでポリオールを反応させる方法、iii)ポリオール、ポリイソシアネート、及びヒドロキシ基含有アクリレートの3成分を一括混合して反応させる方法などにより製造できるが、これらのうち、i)の後変性の方法が好ましく採用される。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート又は2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート(TDI)及びこれらの混合物、水添TDI、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添MDI、クルードMDI、変性MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、テトラキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリレンジイソシアネートのダイマー(TT)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、o−トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート(PEDI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルジイソシアネート(IPCI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)等の多価イソシアネートを挙げることができ、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルポルネンジイソシアネート(NBDI)が好適に用いられる。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール等のグリコール類;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、グリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール;水素添加ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、や、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール、該多価アルコール又はポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール、カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等のポリブタジエン系ポリオール等が挙げられる。
(A)アクリロイル基含有ポリマーの含有量は、成分(C)を除く組成物全体を100質量%とした場合に、20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。
〔(B)α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート〕
(B)成分は、下記一般式(1)で表されるラジカル重合性を有するα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートである。
Figure 2013014718
式中、R1は、水素原子又は炭素数1−30の有機基を表す。R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ水素原子又は炭素数1−6のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。
2−R6がアルキル基の場合、該アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ネオペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
一般式(1)で表わされるα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの好ましい態様は、R5及びR6が水素原子である、下記一般式(2)で表わされる化合物であり、さらに好ましい態様は、R2−R6のいずれもが水素原子である下記一般式(3)で示されるα−(アリルオキシメチル)アクリレートの場合である。
Figure 2013014718
Figure 2013014718
上記R1が炭素数1−30の有機基の場合、当該有機基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であっても、環状であってもよい。上記有機基の好ましい炭素数は1−18であり、より好ましくは1−12、更に好ましくは1−8である。有機基としては、例えば、炭化水素骨格、又は、エーテル結合を含む炭化水素骨格からなる有機基が挙げられる。また、前記炭化水素骨格は、置換基を有していてもよい。
上記炭化水素骨格としては、鎖状飽和炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ネオペンチル、ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシルなど)、脂環式炭化水素基(例えば、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、イソボルニル、アダマンチル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニルなど)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル、ベンジル、ナフチル、アントラニルなど)が挙げられる。そして、これらの基は置換基を有していてもよい。好ましくは、置換基を有することある鎖状飽和炭化水素基である。
上記エーテル結合を含む炭化水素骨格からなる有機基としては、上記鎖状飽和炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ネオペンチル、ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシルなど)、脂環式炭化水素基(例えば、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、イソボルニル、アダマンチル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニルなど)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル、ベンジル、ナフチル、アントラニルなど)を構成する少なくとも1つの炭素−炭素結合に酸素原子が挿入した構造のものが挙げられる。
上記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、トリメチルシリル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基等が挙げられる。
このような有機基としては、例えば、メトキシエチル、メトキシエトキシエチル、エトキシエチル、フェノキシエチル等の鎖状エーテル基;シクロヘキシルオキシエチル、ジシクロペンテニルオキシエチル等の脂環式炭化水素基と鎖状エーテル基を併せ持つ基;フェノキシエチル、フェノキシエトキシエチル等の芳香族炭化水素基と鎖状エーテル基を併せ持つ基;グリシジル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフルフリル等の環状エーテル基が好適なものとして挙げられるが、これらに限定されない。
従って、上記(3)式で表わされるα−(アリルオキシメチル)アクリレートの化合物としては、具体的には、下記の化合物が挙げられる。
α-アリルオキシメチルアクリル酸、α-アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸n-プロピル、α-アリルオキシメチルアクリル酸i-プロピル、α-アリルオキシメチルアクリル酸n-ブチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸s-ブチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸t-ブチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸n-アミル、α-アリルオキシメチルアクリル酸s-アミル、α-アリルオキシメチルアクリル酸t-アミル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ネオペンチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸n-ヘキシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸s-ヘキシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸n-ヘプチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸n-オクチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸s-オクチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸t-オクチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸2-エチルヘキシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α-アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α-アリルオキシメチルアクリル酸メリシル等の鎖状飽和炭化水素基含有α-(アリルオキシメチル)アクリレート。
α-アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシプロピル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシブチル等のヒドロキシ置換鎖状飽和炭化水素基含有α-(アリルオキシメチル)アクリレート;α-アリルオキシメチルアクリル酸フルオロエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジフルオロエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸クロロエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジクロロエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ブロモエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジブロモエチル等のハロゲン置換鎖状飽和炭化水素基含有α-(アリルオキシメチル)アクリレート。
α-アリルオキシメチルアクリル酸シクロペンチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸シクロペンチルメチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシルメチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸4-メチルシクロヘキシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸4-t-ブチルシクロヘキシル、α-アリルオキシメチルアクリル酸トリシクロデカニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸イソボルニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸アダマンチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンタニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンテニル等の脂環式炭化水素基含有α-(アリルオキシメチル)アクリレート;α-アリルオキシメチルアクリル酸フェニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸メチルフェニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジメチルフェニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸トリメチルフェニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸4-t-ブチルフェニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ベンジル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルメチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸トリフェニルメチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ナフチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸アントラニル等の芳香族炭化水素基含有α-(アリルオキシメチル)アクリレート。
α-アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエトキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸3-メトキシブチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエトキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエトキシエチル等の鎖状エーテル基系飽和炭化水素基含有α-(アリルオキシメチル)アクリレート;α-アリルオキシメチルアクリル酸シクロペントキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシルオキシルエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸シクロペントキシエトキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシルオキシエトキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等の脂環式炭化水素基と鎖状エーテル基を併せ持つα-(アリルオキシメチル)アクリレート;α-アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエトキシエチル等の芳香族炭化水素基と鎖状エーテル基を併せ持つα-(アリルオキシメチル)アクリレート;α-アリルオキシメチルアクリル酸グリシジル、α-アリルオキシメチルアクリル酸β-メチルグリシジル、α-アリルオキシメチルアクリル酸β-エチルグリシジル、α-アリルオキシメチルアクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸2-オキセタンメチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸3-メチル-3-オキセタンメチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸3-エチル-3-オキセタンメチル、α-アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロフラニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロフルフリル、α-アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロピラニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジオキサゾラニル、α-アリルオキシメチルアクリル酸ジオキサニル等の環状エーテル基系飽和炭化水素基含有α-(アリルオキシメチル)アクリレート。
このようなα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートは、例えば、WO2010/114077A1に開示されている方法により製造することができる。
(B)成分の最も好ましい態様である、α−(アリルオキシメチル)アクリレートは、酸素による重合阻害を受けにくいことから、硬化が速く、表面硬化性、薄膜硬化性に優れている。特に、反応性希釈剤として通常用いられる(メタ)アクリル系単量体よりもラジカル硬化性が高い。さらに硬化時の収縮(硬化収縮率)が小さく、被着体との密着性や機械物性の向上に寄与できる。
α−(アリルオキシメチル)アクリレートのこのような特徴は、化合物中の重合性基(アクリロイル基のα位にアリルオキシメチル基を導入した構造(下記一般式(4)で表わされる構造で、以下、この重合性基を「AMA基」と称することがある)に起因して発現するものと考えられる。
Figure 2013014718
すなわち、上記AMA基が、退化的連鎖移動を起こし易い(アリルラジカルを生じ易い)アリルエーテル基を含み、かつカルボニル基と共役している二重結合のα位が立体的に込み合っているにもかかわらず、(メタ)アクリロイル基より、むしろ高いラジカル硬化性を示すのは驚くべきことだが、これは、AMA基が、アリルラジカルを生じにくく、生長ラジカルとして重合活性の高いメチレンラジカルを生じる上に、通常の(メタ)アクリロイル基のラジカル付加重合で見られる酸素硬化阻害を起こしにくいためと考えられる。また、α−(アリルオキシメチル)アクリレートは、(メタ)アクリル系単量体よりも硬化時の収縮が小さいものであるが、これは、硬化反応過程において、AMAの環化重合が併せておこるためと考えられる。すなわち、通常の(メタ)アクリル系単量体の重合に比べて、嵩高い環状構造を生じながら重合するため、収縮が抑えられるのではないかと考えられる。
また、上記α−(アリルオキシメチル)アクリレートを硬化させて得られる硬化物は高い密着性を有するが、これは環化重合で生じる下記一般式(5)で表わされる構成単位が生じるためと考えられる。
Figure 2013014718
一般式(5)に含まれるテトラヒドロフラン環は、いわゆるLewis塩基(孤立電子対の供与体)としての作用があり、テトラヒドロフラン環と基材表面の官能基とが相互作用しやすくなるため、硬化物の密着性向上に寄与できると考えられる。また、テトラヒドロフラン環の両隣にあるメチレン基は、重合体鎖の柔軟性を向上させ、上記相互作用の効果増大に寄与できると考えられる。尚、式(5)中、mは正の整数であり、(B)成分の含有率、硬化条件等により異なる。
(B)成分であるラジカル重合性単量体のこのような優れた特性は、(A)アクリロイル基含有ポリマーの種類にかかわらず発揮できる。従って、本発明の樹脂組成物は、反応性希釈剤として、特定構造を有するラジカル重合性単量体(B)、すなわち上記(1)式で表わされるα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート、好ましくは上記(2)式、より好ましくは上記(3)式で表わされるα−(アリルオキシメチル)アクリレートを用いることにより、主成分となる(A)アクリロイル基含有ポリマーを広範囲から選択することができるので、求められる特性、コストに応じて(A)アクリロイル基含有ポリマーを選択することができる。
さらに、驚くべきことに、(1)式で表わされるα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート、好ましくは上記(2)式、より好ましくは上記(3)式で表わされるα−(アリルオキシメチル)アクリレートを用いることにより、基材密着性の耐久性(密着耐久性)、硬化物から被着体を剥がした時の被着体汚れが少ないというリペア性が、(メタ)アクリル酸エステル等の一般に用いられる反応性希釈剤を用いた場合と比べて優れているといった、これまでに知られていなかった別の優れた特性も有することが見出された。特に、リペア性は、すでに知られている密着性の向上という効果とは相反する特性であり、AMA基の環化重合からは予測できなかった効果である。
またさらに、上記(1)式で表わされるα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート、好ましくは上記(2)式、より好ましくは上記(3)式で表わされるα−(アリルオキシメチル)アクリレートを用いて得られる硬化物は、AMA基を有しないアクリレートモノマーを用いた場合と比べて、光漏れが少なく、画像ムラがないという優れた光学的特性を有し、かかる光学的特性の優位性は、厚み100μm以下といった薄膜硬化物において、特に顕著である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中の(B)成分の含有量は、成分(A)に対して、質量比(B/A)で0.15〜1.0程度(さらには0.25〜0.80、特に0.30〜0.75)であることが好ましい。また、(C)成分を除く組成物全体を100質量%とした場合に、10〜50質量%とすることが好ましく、より好ましくは20〜40質量%、さらに好ましくは25〜35質量%である。
〔(C)光重合開始剤〕
本発明の樹脂組成物は必須成分として(C)光重合開始剤を含有する。光重合開始剤を含むことにより光照射によって速やかに硬化させることができる。
(C)光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。中でも、アセトフェノン類、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルが好適であり、より好ましくは、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルとの混合物である。
(C)光重合開始剤は、成分(A)と成分(B)の含有総質量(さらに後述する、その他の重合性成分が含有されている場合には(A)成分、(B)成分、及びその他の重合性成分の含有総質量)に対する質量比((C)/{(A)+(B)+その他の重合性成分})で、0.001〜0.1であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.05、さらに好ましくは0.008〜0.03である。また、樹脂組成物全体を100質量%として、0.1〜10質量%であることが好適である。0.1質量%以上であると樹脂組成物をより充分に硬化させることができ、また10質量%以下であると臭気発生や硬化物の着色を充分に抑制できる。より好ましくは0.3〜5質量%、更に好ましくは1〜5質量%である。また、表示装置保護の観点などから保護板に紫外線カット層が設けられた場合の硬化には、例えば、380nm以上の波長で硬化を行う必要があり、この場合には、樹脂組成物100質量%に対して、アセトフェノン類及び/またはオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステル及び/またはオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルを1.0〜5質量%と、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド及び/または2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを0.01〜0.5質量%を併用することが好ましい。
〔(D)可塑剤〕
本発明の光学用紫外線樹脂硬化型樹脂組成物は、更に、(D)可塑剤を含んでもよい。
(D)可塑剤としては、従来より公知の可塑剤、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート等のフタル酸エステル類;ジ−n−ブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブトキシエチルアジペート、ジ−n−オクチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート等のアジピン酸エステル類;ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル類;ジヘキシルアゼレート、ジオクチルアゼレート等のアゼライン酸エステル類;トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸エステル類;メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート等のグリコール酸エステル類;トリオクチルトリメリテート、トリ−n−オクチル−n−デシルトリメリテート、トリメリット酸トリアルキル(C4〜C11)等のトリメリット酸エステル類;メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸エステル類;ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸エステル類;モノブチルイタコネート等のイタコン酸エステル類;ブチルオレート等のオレイン酸エステル類;トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリキシレニルフォスフェート等のリン酸エステル類;安息香酸エステル類などを用いることができる。
また、上記のような低分子の可塑剤に限らず、(メタ)アクリレート基を有しないポリマー(又は樹脂)も、可塑剤として用いることができる。ポリマー系可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド共重合体等のアクリレート含有ポリエーテル系ポリマーの原料として列挙したようなポリエーテルポリオール類;アデカ社製の商品名「アデカカーポール」、三洋化成社製の商品名「ニューポール」等で挙げられるポリエーテルモノオール類;プロピレンオキシドとエチレンオキシドを主成分とする50HBシリーズ等;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸等の側鎖に重合性官能基や二重結合を有しない(メタ)アクリル系重合体;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6,6などのポリアミド系樹脂;ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン等のゴム系ポリマー;熱可塑性エラストマー;C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂等の石油樹脂;脂環族飽和炭化水素樹脂;テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;ロジンフェノール等のロジン系樹脂;不均化ロジンエステル系樹脂、重合ロジンエステル系樹脂、水添(水素化)ロジンエステル系樹脂等のロジンエステル系樹脂などを用いることができる。これらは、単独又は2種以上組み合わせ用いることができ、主成分である(A)アクリロイル基含有ポリマーとの相溶性、組成物の粘度などに応じて適宜選択されるが、好ましくは、安息香酸エステル類、脂肪族カルボン酸エステル類、(A1)ポリエーテルアクリレート系ポリマーの原料として使用され得る(a−1)ポリエーテルポリオール、ポリエーテルモノオール、ロジンエステル系樹脂であり、これらの可塑剤を含有することで、耐衝撃性、耐ヒートショック性等の急激な化学的、物理的変化を吸収できる傾向にある。なかでも、基材との密着性が特に優れていることから、ロジンエステル系樹脂がより好ましく用いられる。
(D)可塑剤は、光重合開始剤を除く樹脂組成物全体の0〜50質量%の割合で配合することが好ましく、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜35質量%である。(D)可塑剤を配合することで、得られる樹脂組成物の硬化収縮率を低減することができ、密着力を向上させることができる。また、耐熱ヒートショック性を高めることもできる。一方、(D)可塑剤の配合量が多くなりすぎると、添加効果が得られにくくなるだけでなく、各種物性が低下する傾向にある。
〔(E)その他の重合性成分〕
本発明の樹脂組成物は、上述した必須成分(A)(B)及び(C)、任意成分である(D)に加え、更に必要に応じて、成分(A)と共硬化可能な成分(その他の重合性成分)として、(メタ)アクリレート系モノマー、その他のビニルモノマーを1種又は2種以上含んでいてもよいが、好ましくは、硬化性の点から、アクリレート系モノマーである。
(メタ)アクリレート系モノマーとしては、分子中にアクリレート基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、テトラデシルアクリレート、ペンタデシルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ヘプタデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ノナデシルアクリレート、エイコデシルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート等のアルキルアクリレート類、アクリロイルモルホリン、シクロへキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピルアクリレート、1,4−ブタンジオールモノアクリレート、2−ヒドロキシアルキルアクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノアクリレート、ネオペンチルグリコールモノアクリレート、上記の水酸基含有アクリル酸エステル系化合物にε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を付加させたもの、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート等のグリシジル基含有化合物とアクリル酸との付加反応により得られる化合物、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、(2−イソブチル−2−メチル−1,3ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート等の単官能アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールAにアクリル酸を反応させたもの等の2官能アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の3官能以上のアクリレート、さらには、上述のアクリレートにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加して変性された各種のアクリレート類、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、エトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、ブトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ−トリエチレングリコールアクリレート等の片末端がアルキル化されたエチレングリコール若しくはその重合体とのアクリレート、メトキシ−ポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシ−ポリプロピレングリコールアクリレート、ブトキシ−ポリプロピレングリコールアクリレート、フェノキシ−ジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシ−トリプロピレングリコールアクリレート等の片末端がアルキル化されたプロピレングリコール若しくはその重合体との(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等のアミノ基含有アクリレート、アクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸などのカルボキシル基含有アクリレートなどが挙げられる。中でも、ホモポリマーのTg(ガラス転移点温度)が、−70℃以上である単官能アクリレートが好ましく、Tgが−50℃以上の単官能アクリレートがより好ましく、Tgが−30℃以上の単官能アクリレートがさらに好ましく、Tgが−20℃以上の単官能アクリレートが最も好ましい。Tgが一定温度を有する単官能アクリレートを用いることで、画像ムラを低下させることなく、樹脂組成物の低粘度化による作業性、硬化性、基材密着性の向上が可能となる。
その他のビニルモノマーとしては、特に限定されないが、スチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等のスチレン類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルアルコール、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル等のアリル化合物; N−フェニルマレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド等のN−置換マレイミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エチル、イソフタジフェン酸ジアリル、フタル酸ジアリルル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル等のアリルエステル系モノマー;トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチロールメラミンのアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルのアジピン酸エステル、アリルアセタール、メチロールグリオキザールウレインのアリルエーテル等のアリルエーテル系モノマー;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル系モノマー;フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル等のフマル酸エステル系モノマー等が挙げられる。
(E)その他の重合性成分は、光重合開始剤を除く樹脂組成物全体の0〜30質量%の割合で配合することが好ましく、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%である。樹脂組成物中の重合性モノマーの配合割合を高めることで、得られる樹脂組成物の粘度が低くなり作業性が向上することができる。一方、(E)その他の重合性成分の配合量が30質量%を超えると、相対的に(A)成分、(B)成分の含有量を減じることになるので、本発明の効果が得られにくくなる。
(E)他の重合性成分の分子量は1000以下が好ましく、800以下がより好ましく、600以下がさらに好ましく、400以下が最も好ましい。分子量が1000以下となることで、得られる樹脂組成物の粘度が低くなり作業性が向上することができる。ここでいう分子量としては、構成する元素の原子量の総和として計算された値を採用する。
〔(F)その他の成分〕
さらに、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、熱硬化触媒、紫外線吸収剤、重合禁止剤、レベリング剤、増粘剤、減粘剤、チキソトロピー付与剤、脱泡剤等を含んでもよい。
上記熱硬化触媒としては、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら熱硬化触媒は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。単量体成分に対する硬化触媒の添加量等は、特に限定されるものではない。
上記紫外線吸収剤としては、市販のものを用いてもよい。例えば、ベンゾトリアゾール類、ベンゾエート類、シアノアクリレート類、ベンゾフェノン類、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等のサリチル酸エステル類;TINUVIN 770,123,144,622(以上、Ciba Geigy社製品名)、SANOL LS−770,765,292,2626(以上、三共(株)製品名)、アデカスタブ LA−52,57,62(以上、旭電化(株)製品名)等のヒンダードアミン類が使用可能である。
以上のようなその他の成分は、樹脂組成物中の0〜30質量%とすることが好ましく、より好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
〔光学用紫外線硬化型樹脂組成物の調製〕
本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物は、以上のような成分を混合することにより調製でき、通常、粘性液体の性状をしている。具体的には、粘度300〜15000mPa・s、好ましくは500〜10000mPa・s、さらに好ましくは500〜7000mPa・s、特に好ましくは500〜5000mPa・s、最も好ましくは500〜3000mPa・sである。本発明の樹脂組成物は、主成分となる(A)アクリロイル基含有ポリマーの粘度に基づき、(B)成分、(E)成分で例示したようなラジカル重合性モノマーを配合することで、上記範囲のような比較的低粘度の組成物を得ることができる。従って、充填しやすいといった優れた作業性と、希釈用低分子化合物を配合することによる硬化物の収縮率を低く抑えることができる。
なお、上記樹脂組成物の粘度は、温度25℃の条件下で、B型粘度計(型式「RB80L」:東機産業社製)を用いて算出することができる。
本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物は、無溶剤であることが好ましい。希釈溶剤は、注入後、揮発させる必要があり、残存溶媒は、光重合スピード低下の原因となり、また得られる硬化物の光学的特性、耐久性の低下の原因となり得るからである。
従って、樹脂組成物が溶剤を含んだ状態で得られる場合には、減圧、蒸留等により、溶剤を除去しておくことが好ましい。
<硬化物>
以上のような組成を有する本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物は、紫外線照射により硬化させることができる。硬化反応は、紫外線照射により、A成分であるアクリロイル基含有ポリマー中のアクリロイル基、(B)α−(不飽和アルコキシカルボニル)アクリレート中の不飽和アルコキシカルボニル基(好ましくはアリルオキシメチル基)がビニル重合することにより進行する。E成分(その他の重合性化合物)を含む場合には、E成分となる不飽和化合物も参与して、ビニル重合が進行することになる。なお、ここでいう硬化とは、流動性のない状態にすることを意味する。
使用する紫外線の波長は、150〜450nmの範囲内であればよい。このような波長を発する光源としては、例えば、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、フラッシュ型キセノン灯、カーボンアーク灯等が挙げられる。照射積算光量は、好ましくは0.1〜10J/cm2、より好ましくは0.2〜5J/cm2、更に好ましくは0.3〜3J/cm2の範囲内である。
本発明の硬化物は、光照射による硬化と共に加熱による硬化を併用して得てもよい。この場合は、上述した光源と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等を用いればよい。加熱温度は、熱硬化触媒の分解温度や使用する基材の種類等に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは50〜100℃、更に好ましくは60〜90℃の範囲内である。加熱時間は、熱硬化触媒の分解温度や塗布厚み等に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは1分間〜12時間、より好ましくは10分間〜6時間、更に好ましくは10分間〜3時間の範囲内である。
本発明の硬化物は、光照射による硬化と共に電子線照射による硬化を併用して得てもよい。この場合、加速電圧は、好ましくは0〜500kV、より好ましくは20〜300kV、更に好ましくは30〜200kVの範囲内である電子線を用いればよい。また、照射量は、好ましくは2〜500kGy、より好ましくは3〜300kGy、更に好ましくは4〜200kGyの範囲内である。
本発明の硬化物は、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜20℃であることが好ましく、より好ましくは−20℃〜10℃、さらに好ましくは−15℃〜10℃である。ガラス転移温度が上記範囲内となる硬化物は、密着耐久性、リペア性、耐衝撃吸収性に優れている傾向にある。尚、硬化物のガラス転移温度(Tg)は、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性測定を行い、最大tanδを示す温度を採用する。
本発明の硬化物は、C硬度が70以下、より好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下、最も好ましくは25以下であることが好適である。C硬度を70以下にすることによって耐衝撃吸収性が良好となる。なお、C硬度は、25℃雰囲気下、JIS K7312に基づき、ASKER製のデュロメータC型硬度計を用いて得られた値を採用する。
本発明の硬化物は、0.3mm厚みにおける400nmの光線透過率が88%以上、より好ましくは89%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは91%以上であることが好適である。光線透過率を88%以上に設定することで、表示装置の画像形成性能低下を防ぐことができる。なお、400nmにおける光線透過率は、分光光度計を用いて測定した値を採用する。
<表示装置>
上記のような硬化物を得られる本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物は、携帯電話、電子書籍、タッチパネル等の電子端末や液晶テレビ、プラズマテレビ等の表示装置の表示パネルと保護板との間の空間の充填剤として用いることができる。なお、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物は、少なくとも表示パネルと保護板とを含んでいればよく、例えば、表示パネルと保護板との間にさらにタッチパネル等の機能層を1層あるいは2層以上設けた表示装置にも使用が可能である。
具体的には、図1は、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物4を表示パネル1と保護板2との間(空隙3)に有する、液晶表示装置の模式断面図である。当該液晶表示装置では、表示パネルト1と保護板2との間に本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物4が介在し、当該硬化物4が表示パネル1及び保護板2に密着(接着)して、表示パネル1と保護板2が積層一体化している。保護板2は、画像表示部1と同程度の大きさのガラス板や、(メタ)アクリル樹脂(例えばPMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチック板、シート、フィルムが用いられ、当該保護板2は、さらに、外周部分に黒色印刷等を有していても構わないし、表面部分に反射防止層、ハードコート層等を有するものであっても構わない。また、液晶表示装置における表示パネル1は、一般的に、偏光板(偏光フィルタ)/透明板(ガラス板、プラスチック板)/透明電極に挟まれた液晶材料/透明板(ガラス板、プラスチック板)/偏光板(偏光フィルタ)の順に積層された積層構造を少なくとも有するが、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物4は、かかる表示パネル1の最外層にある偏光板(偏光フィルタ)に対しても密着(接着)が可能である。すなわち、偏光板(偏光フィルタ)は、通常、ヨウ素で染色されたポリビニルアルコール(PVA)をトリアセチルセルロース(TAC)2枚で挟み込んだ形で構成され、TAC表面には、無処理、ハードコート処理、反射防止処理、帯電防止処理等がされているが、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物4は、これら材料においても密着(接着)が可能である。なお、表示パネル1は、液晶表示装置の場合には液晶表示パネルであり、プラズマ表示装置の場合にはプラズマパネルであり、有機EL表示装置の場合には有機ELパネルである。
図2は、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物4を使用した、タッチパネル搭載の液晶表示装置の模式断面図である。当該液晶表示装置では、表示パネル1の表示面上に、所定間隔6aをあけてタッチパネル5が配設され、所定間隔6bをあけて保護板2が配設され、所定間隔6a、6bで形成されている空間に、本発明の樹脂組成物が注入され、紫外線硬化により硬化物(樹脂層)7、7’が形成され、画像表示ユニット1、タッチパネル5、保護板2を積層一体化している。タッチパネル5は、例えばガラス製、ポリエチレンテレフタレート製の2枚の透明板の裏面(表示ユニット1側の面)に透明導電層が印刷されていて、操作者の指やペンによる押圧により、透明導電層同士が接触すると導通状態となるものである。尚、図中、8は、保護板2の外周縁部に印刷された黒色印刷層である。
また、図1の場合と同様に、保護板2は、例えば、表面部分に反射防止層、ハードコート層等を有するものであっても構わない。
以上のように、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物が介層された表示装置は、本発明の樹脂組成物の特性に基づき、例えば、印刷部による段差、凹凸の間も充填硬化され、しかも被着体(表示パネル、保護板)に対して優れた密着性を有しているので、空隙、凹凸、段差に起因する画像ムラが極めて少ないという優れた光学的特性を示すことができる。かかる優れた光学的特性は、厚み100μm以下という薄膜においても発揮されるので、装置の小型に寄与できる。
また、形成される硬化物は軟らかく、耐衝撃吸収性に優れ、さらに高温、高湿、光といった環境変化に対しても優れた透明性、密着性を保持できるので、硬化物を介層させたことによる画像の鮮明度の低下が少なくて済む。しかも、本発明の組成物の硬化後に、被着体を剥がしてたときの付着物が少ない乃至は全くないので、必要に応じて、高価な表示パネルを再利用できるといったリペア性にも優れているので、作業性にも優れている。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
尚、例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
<評価方法>
本実施例で採用した評価方法は以下の通りである。
(1)基材密着性(N/cm)
厚み0.3mmのシリコーンスペーサーを、4辺に有するガラス板(幅25mm×長さ200mm×厚み1mm)及びトリアセチルセルロース(TAC)板(幅25mm×長さ200mm×厚み40μm)上に、樹脂組成物を充填し、その上に同サイズの易接着処理PETフィルムを被せ、PETフィルム側から高圧水銀灯により5J/cm2で光照射することにより、当該樹脂組成物を硬化させた。硬化後、PETフィルムを取り除き、25℃、65%湿度の環境で24時間放置し、JIS K6848−2に準じて硬化物をガラス板又はTAC板から剥がす、180°剥離試験を行い、各基材(ガラス板又はTAC板)に対する密着力(N/cm)を測定した。
(2)光線透過率(%)
厚み0.3mmのシリコーンスペーサーを4辺に有するPETフィルム(幅50mm×長さ50mm×厚み100μm、剥離処理済み)上に、樹脂組成物を充填し、その上に同様のPETフィルムを被せた後、高圧水銀灯により5J/cm2で光照射して硬化させた。硬化後、2枚のPETフィルムを剥がし、得られた樹脂組成物の硬化物について、400nmにおける光線透過率を、分光光度計(形式「UV−3100」、島津製作所社製)を用いて測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
上記の光線透過率の測定で得た硬化物を3枚積層して、厚み約0.9mmのシートとし、このシートから、直径約8mmの円柱状試験片を作成した。この試験片について、せん断モード、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性の測定を行い、最大tanδ(損失正接)を示す温度をガラス転移温度(℃)とした。
(4)C硬度
上記の光線透過率の測定で得た硬化物を13枚積層して、厚み約4mmのシートを試験片とした。この試験片の硬度を、JIS K7312に準じてASKER製のデュロメータC型硬度計を用いて測定し、測定開始から15秒経過後の値を採用した。値が小さいほど、軟らかいことを示す。
(5)画像ムラ
市販の携帯電話の前面保護カバーを外した液晶モジュール上に、所定厚みのシリコーンスペーサーを配備し樹脂組成物を充填した。樹脂組成物上に、1mmのガラス板を載置し、ガラス板側から高圧水銀灯により5J/cm2で光照射して硬化させ、液晶モジュール/樹脂硬化物層/ガラス板の積層構造を有する携帯電話を得た。得られた携帯電話の電源を入れた状態で60℃オーブン中に300時間放置した後、画像を目視で観察し、下記基準で評価した。
○:画像ムラ(光漏れ)がない
×:画像ムラ(光漏れ)がある
(6)密着耐久性
(5)画像ムラの測定で得られた60℃オーブン中に300時間放置後の携帯電話において、液晶モジュールと樹脂硬化物層との界面、または、樹脂硬化物層とガラス板との界面におけるハガレの有無を観察し、ハガレがない場合を「○」、ハガレが認められた場合を「×」と評価した。
(7)耐ヒートショック性
(5)画像ムラの測定で得られた携帯電話を、−40℃30分、60℃30分を1サイクルとして、100サイクル、300サイクルの2水準でヒートショック試験を行い、液晶モジュールと樹脂硬化物層との界面、または、樹脂硬化物層とガラス板との界面におけるハガレ又は発泡の有無を確認し、下記基準で評価した。
◎:300サイクルでハガレ又は発泡なし
○:100サイクルでハガレ又は発泡なし。300サイクルでハガレ又は発泡あり
×:100サイクルでハガレ又は発泡あり
(8)耐熱変色性
(1)基材密着性で作成した樹脂組成物の硬化体を、60℃のオーブン中で300時間加熱した。加熱後の変色を目視により確認し、下記基準で評価した。
◎:変色が全くない
○:ごく僅かな変色がある
△:小さい変色がある
×:大きな変色がある
(9)耐光性
(1)基材密着性で作成した樹脂組成物の硬化体を、メタリングウェザーメーター(形式「M6T」、スガ試験機社製、照射強度0.5kW/m2)を用いて、500MJ/m2で光照射を行った。照射後の変色を目視により確認し、下記基準で評価した。
◎:変色が全くない
○:ごく僅かな変色がある
△:小さい変色がある
×:大きな変色がある
(10)リペア性
(5)画像ムラの測定で使用した携帯電話からガラス板を剥離し、ガラス板の表面を目視により確認し、下記基準で評価した。
○:ガラス板の表面に樹脂硬化物の付着ない
×:ガラス板の表面に樹脂硬化物の付着がある
(11)耐衝撃吸収性
4辺に0.3mm厚みのシリコーンスペーサーを有する幅50mm×長さ50mm×厚み1mmのガラス板上に、樹脂組成物を充填し、樹脂組成物上に同様のガラスを被せた。次に、高圧水銀灯により5J/cm2)で光照射することにより硬化させた。得られた硬化物上に、200g鋼球を落下させた時のガラス板が破損する高さを求め、下記3段階で評価した。
◎:500mm以上
○:300mm以上500mm未満
×:300mm未満
<A成分(アクリロイル基含有ポリマー)>
(1)ウレタンアクリレート系ポリマー(UA)
温度計、冷却器、ガス導入管、滴下ラインおよび攪拌器を備えた反応器に、数平均分子量Mnが4000(分子量分布(Mw/Mn)=1.08)のポリプロピレングリコール(旭硝子社製、品番プレミノール4004)150g、メトキノン0.05g、ジブチルスズジラウレート0.05gを加え、70℃まで昇温した。その後、70℃に保持しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート17gを1時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに5時間、70℃の温度を保った。次に、プラクセルFA2D(ダイセル化学社製、2−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン2モル付加物)34gとメトキノン0.01gとの混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに15時間70℃の温度を保持して、アクリロイル基を平均2個有するポリウレタン(ウレタンアクリレート系ポリマー)を得た。得られたウレタンアクリレート系ポリマー(UA)の25℃における粘度は450000mPa・sであった。さらに、GPC測定により、数平均分子量(Mn)は9500、分子量分布(Mw/Mn)は、2.48であった。
(2)ポリエーテルアクリレート系ポリマー(PPG−A)
温度計、冷却器、ガス導入管、および攪拌器を備えた反応器に、ポリエーテルポリオールとして数平均分子量Mnが15000(分子量分布(Mw/Mn)=1.09)であるポリプロピレングリコール(旭硝子社製、品番プレミノールS4015)を300g、メトキノン0.15g、ジブチルスズジラウレート0.15gを仕込み、上記混合物を攪拌しながら70℃まで昇温した。次に、イソシアナート基含有アクリレートとして2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、品番カレンズAOI)5.3g(ポリエーテルポリオール中の水酸基に対して1.0当量)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間、80℃の温度を保ち、反応を終了させ、分子中に平均2個のアクリロイル基を有するポリエーテル系ポリマー(ポリエーテルアクリレート系ポリマー)を得た。赤外分光法により求めたイソシアナート反応率は、98%であった。得られたポリエーテルアクリレート系ポリマー(PPG−A)の25℃における粘度は、9900mPa・sであった。さらに、GPC測定により、数平均分子量(Mn)は15300、分子量分布(Mw/Mn)は、1.09であった。
(3)共役ジエンアクリレート系ポリマー(IP−A)
温度計、冷却器、ガス導入管、および攪拌器を備えた反応器を用意し、n−ヘキサン中でイソプレンモノマーを仕込み、開始剤n−ブチルリチウムを投入し、反応温度―50℃にてアニオン重合させることにより、数平均分子量Mnが30500の共役ジエン系ポリマーを得た。この共役ジエン系ポリマー100質量部に無水マレイン酸1.5質量部を加え、180℃で15時間反応させることにより、1分子あたりの平均として酸無水物基を3個有する共役ジエン系ポリマーを得た。次に、この共役ジエン系ポリマー100質量部に7.5質量部のアクリル酸2−ヒドロキシエチルを加え、120℃で10時間反応させることにより、1分子あたりの平均としてアクリロイル基を3個有する共役ジエン系ポリマー(共役ジエンアクリレート系ポリマー)を合成した。この共役ジエンアクリレート系ポリマー(IP−A)の25℃における粘度は、290000mPa・sであった。さらに、GPC測定による数平均分子量(Mn)は31000、分子量分布(Mw/Mn)は、1.34であった。
<B成分(ラジカル重合性モノマー)>
(1)α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(Me−AMA)
撹拌機、冷却管、温度計、ガス吹き込み管、減圧装置を備えた5Lの4つ口フラスコに、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル2032.1部、触媒として1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン98.9部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール1.02部、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4H−TEMPO) 1.02部を仕込んだ。その後、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を吹き込みながら、10kPaの減圧下、反応液を100℃に昇温し、生成する水を留去しながら2時間反応させた。解圧して、常圧下、100℃でアリルアルコール1523.0部に1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン98.0部を溶解させた液を2時間かけて滴下し、更に12時間反応させた。
反応後、ガスクロマトグラフィーを用いて測定したところ、上記(3)式で表わされるα−(アリルオキシメチル)アクリレートにおけるR1がメチル基である化合物(α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(Me−AMA))の収率がα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルに対し59モル%、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの転化率が89モル%であった。次に残存しているアリルアルコールを減圧下(操作圧力:7kPa)、単蒸留で留出させて、反応液2778.1部を得た。この反応液に8質量%水酸化ナトリウム溶液919.5部を加え室温で30分撹拌した後30分静置し、油水分離して有機層を2101.3部得た。更にこの有機層に8質量%水酸化ナトリウム溶液231.3部を加え室温で30分撹拌した後30分静置し、油水分離して有機層を2017.7部得た。引き続き、得られた有機層を5質量%芒硝水溶液で洗浄し油水分離を行った。この操作をもう一度行った後、有機層を1900.7部得た。この有機層に重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.95部、2−t−ブチルハイドロキノン0.95部、亜リン酸トリフェニル0.95部を加え、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を吹き込みながら、2kPaの減圧下、ディクソンパッキンを充填した充填塔を用いて蒸留し、純度99.5質量%のMe−AMAを1337.3部得た。
(2)α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシル(CH−AMA)
攪拌装置、温度センサー、ガス導入管、トの字管、冷却管、溜出液受器を付した反応器にシクロヘキサノール(CHOH)24.04部、Me−AMA74.6部、酸化ジブチルすず(IV)6.0部、p−メトキシフェノール1.5部を仕込み、攪拌しながら、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を通じつつ、反応器内の圧力が27kPaになるまで徐々に減圧した。27kPaに到達してから昇温を開始し、内温が100℃になるように調整し、エステル交換反応により生じたメタノールを溜出させながら6.5時間反応させた。反応終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、上記(3)式で表わされるα−(アリルオキシメチル)アクリレートにおけるR1がシクロヘキシル基である化合物(α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシル(CH−AMA)):Me−AMA:シクロヘキサノールは、面積比にて、39:45:12であった。その後、一旦冷却し、800Paまで減圧した後、内温が100℃に到達するまでシクロヘキサノール及びMe−AMAを留出させた。その後、冷却、解圧した。
反応液をn−ヘキサンで希釈し、更に4%NaOH水溶液を加え、酸化ジブチルすずを析出させ濾過により取り除いた。ろ液を油水分離し、得られた油層を15%NaOH水溶液で洗浄し、油水分離した。この操作を5回繰り返し、残存Me−AMA、p−メトキシフェノールを取り除いた。得られた有機層に、アルカリ吸着剤(キョーワード700SL、協和化学工業社製)を5.0部添加して、1時間室温で攪拌した後、濾過した。濾液を、攪拌装置、温度センサー、ガス導入管、トの字管、冷却管、溜出液受器を付した反応器に仕込み、攪拌しながら、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を通じつつ、内温が25〜30℃になるよう加温しながら、圧力が800Paになるまでゆっくり減圧してn−ヘキサンを除去した。800Paに到達した後、20分間その圧力を維持してから解圧して、目的の化合物である、CH−AMAを26.4部得た。得られたCH−AMAにp−メトキシフェノール0.008部を加え、p−メトキシフェノールの濃度が300ppmになるように調製した。
(3)α−アリルオキシメチルアクリル酸ベンジル(Bz−AMA)
攪拌装置、温度センサー、ガス導入管、トの字管、冷却管、溜出液受器を付した反応器に、ベンジルアルコール(BzOH)115.0部、Me−AMA332.2部、エステル交換触媒である1−クロロ−3−メトキシ−テトラメチルジスタノキサン(CMDS)6.1部、p−メトキシフェノール4.9部を仕込み、攪拌しながら、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を通じつつ、反応器内の圧力が40kPaになるまで徐々に減圧した。40kPaに到達してから昇温を開始し、内温が105℃〜110℃になるように調節しながら、エステル交換反応により生じたメタノールを溜出させた。反応液を1時間おきにサンプリング、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)で反応生成物を追跡しながら、メタノールの溜出を続けた。HPLCによる分析で、ベンジルアルコールのピークの面積が、α−アリルオキシメチルアクリル酸ベンジル(Bz−AMA)のピークの面積の3%以下になったのを確認した後、1kPaまで減圧し、40分間その圧力を維持して過剰のMe−AMAを溜出させた。その後、冷却、解圧した。反応液を分液漏斗に入れ、n−ヘキサンで希釈し、4%水酸化ナトリウム水溶液を加えてよく攪拌した後、静置、下層の水層を除去した。これを5回繰り返し1−クロロ−3−メトキシ−テトラメチルジスタノキサン、残存Me−AMA、p−メトキシフェノールを除去した。上層の有機層を取り出し、アルカリ吸着剤(キョーワード700SL、協和化学工業社製)を20.0部添加して、1時間室温で攪拌した後、濾過した。濾液を、攪拌装置、温度センサー、ガス導入管、トの字管、冷却管、溜出液受器を付した反応器に仕込み、攪拌しながら、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を通じつつ、内温が25〜30℃になるよう加温しながら、圧力が1kPaになるまでゆっくり減圧してn−ヘキサンを除去した。1kPaに到達した後、20分間その圧力を維持してから解圧して、目的の化合物である、Bz−AMAを197部得た。得られたBz−AMAにp−メトキシフェノール0.06部を加え、p−メトキシフェノールの濃度が300ppmになるように調製した。
(4)α−アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロフルフリル(THF−AMA)
撹拌機、冷却管、温度計、ガス吹き込み管を付した反応器にテトラヒドロフルフリルアルコール(THFOH) 198.4部、Me−AMA 100.1部、チタンテトラブトキシド10.9部、4H−TEMPO 0.10部を仕込み、撹拌しながら酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を通じつつ、100℃まで昇温し、14時間反応させた。反応終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、α−アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロフルフリル(THF−AMA):Me−AMA:テトラヒドロフルフリルアルコールは、面積比にて、24:11:51であった。また、触媒由来の不純物であるα−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル(nBu−AMA)がTHF−AMAに対して15面積%含まれていた。この反応液をn−ヘキサンで希釈し、水を加え、チタン化合物を析出させ濾過により取り除いた。濾液を油水分離し、得られた有機層に水を加えよく撹拌し、静置、油水分離し、残存テトラヒドロフルフリルアルコールを水層側に取り除いた。得られた有機層に4H−TEMPOを0.15部加え、攪拌装置、温度センサー、ガス導入管、トの字管、冷却管、溜出液受器を付した反応器に仕込み、攪拌しながら、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を通じつつ、反応器内の圧力が400Paになるまで徐々に減圧した。400Pa到達後、徐々に昇温し、内温が80℃になるまで残存Me−AMAを取り除いた。その後、冷却、解圧した。得られた液をn−ヘキサンで希釈し、水を加え十分に撹拌し、静置、油水分離を行った。この操作を3回繰り返し、4H−TEMPOを取り除いた。得られた有機層を、攪拌装置、温度センサー、ガス導入管、トの字管、冷却管、溜出液受器を付した反応器に仕込み、攪拌しながら、酸素/窒素混合ガス(酸素濃度8%)を通じつつ、内温が25〜30℃になるよう加温しながら、圧力が800Paになるまでゆっくり減圧してn−ヘキサンを除去した。800Paに到達した後、20分間その圧力を維持してから解圧して、目的の化合物である、THF−AMAを70.0部得た。得られたTHF−AMAにp−メトキシフェノール0.021部を加えp−メトキシフェノールの濃度が300ppmになるように調製した。
〔樹脂組成物No.1−12の調製、その硬化物の作製、及び評価〕
樹脂組成物No.1−4:
上記で合成したα−アリルオキシメチルアクリレート系モノマー30部、ウレタンアクリレート系ポリマー(UA)70部、及び光重合開始剤1部(BASF社製、品番イルガキュア754)を混合して、表示装置の表示パネルと保護板とを積層一体化させるために用いられる光学用紫外線硬化型樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」又は「組成物」と称する。)を調製し、上記評価測定方法に基づいて、基材密着性、光線透過率、ガラス転移温度、C硬度値、画像ムラ、密着耐久性、耐ヒートショック性、耐熱変色性、耐光性、リペア性、耐衝撃吸収性を評価した。評価結果をあわせて表1に示す。
なお、イルガキュア754は、BASF社の商品名で、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルとの混合物に該当する。
樹脂組成物No.5−10:
α−アリルオキシメチルアクリレート系モノマーに代えて、表1に示すアクリレート系モノマーのいずれかを使用した以外は、No.1と同様にして樹脂組成物を調製し、上記評価測定方法に基づいて、基材密着性、光線透過率、ガラス転移温度、C硬度値、画像ムラ、密着耐久性、耐ヒートショック性、耐熱変色性、耐光性、リペア性、耐衝撃吸収性を評価した。評価結果をあわせて表1に示す。尚、表1中のアクリレート系モノマーは、下記の通りである。
MA:メチルアクリレート
CH−A:シクロヘキシルアクリレート
Bz−A:ベンジルアクリレート
THF−A:テトラヒドロフルフリルアクリレート
FA−512A:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(商品名「ファンクリルFA−512A」、日立化成社製)
M600−A:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(商品名「エポキシエステルM−600A」、共栄社化学製)
樹脂組成物No.11,12:
ウレタンアクリレート系ポリマー(UA)に代えて、ポリエーテルアクリレート系ポリマー(PPG−A)又は共役ジエンアクリレート系ポリマー(IP−A)を用いた以外はNo.1と同様にして樹脂組成物を調製し、上記評価測定方法に基づいて、基材密着性、光線透過率、ガラス転移温度、C硬度値、画像ムラ、密着耐久性、耐ヒートショック性、耐熱変色性、耐光性、リペア性、耐衝撃吸収性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2013014718
組成物No.1−4及び11、12は、反応性希釈モノマーとして、上記(3)で表わされるα−(アリルオキシメチル)アクリレートを用いた組成物で、実施例に該当する。
No.1とNo.5,No.2とNo.6、No.3とNo.7、No.4とNo.8をそれぞれ比較すると、いずれも反応性希釈モノマーとして、上記(3)で表わされるα−(アリルオキシメチル)アクリレートを用いた組成物の方が、厚み100μm以下での画像ムラ、基材密着性、密着耐久性、リペア性が優れていた。他のアクリロイル基含有ポリマーを用いたNo.9,10と比べても、反応性希釈モノマーとして、α−(アリルオキシメチル)アクリレートを用いた組成物No.1−4の方が基材密着性、画像ムラ、密着耐久性、リペア性に優れていた。
さらに、(A)アクリロイル基含有ポリマーとして、分子量分布が狭いポリエーテルアクリレート系ポリマー(PPG−A)、共役ジエンアクリレート系ポリマー(IP−A)を用いた組成物No.11、12では、ウレタンアクリレート系ポリマーを用いたNo.1と比べて耐衝撃性が優れ、さらにポリマー主鎖内に二重結合を有しないポリエーテル系ポリマー(PPG−A)を用いたNo.11では耐熱変色性、耐光性も優れていた。
〔樹脂組成物No.21−26の調製、その硬化物の作製、及び評価〕
α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(Me−AMA)30部、アクリロイル基含有ポリマーとしてUA又はPPG−Aを40部、及び光重合開始剤として、BASF社製のイルガキュア754(Irg754)又はイルガキュア184(Irg184)(BASF社製の商品名で1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンに該当)を1部、さらに、表2に示す可塑剤30部を混合することにより、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物について、上記評価測定方法に基づいて、基材密着性、光線透過率、ガラス転移温度、C硬度値、画像ムラ、密着耐久性、耐ヒートショック性、耐熱変色性、耐光性、リペア性、耐衝撃吸収性を評価した。評価結果をあわせて表2に示す。また、比較のために、樹脂組成物No.1、11の結果も併せて示す。
なお、表2に示す可塑剤は、下記の通りである。
KE−311:ロジンエステル系可塑剤(商品名「超淡色ロジンエステルKE−311」、荒川化学社製)
DIDA:ジイソデシルアジペート(商品名「ビニサイザー50」、花王社製)
P2000:ポリプロピレングリコール(商品名「P−2000」、アデカ社製)
P−100:脂環族飽和炭化水素樹脂系可塑剤((商品名「アルコンP−100」、荒川化学社製)
Figure 2013014718
(A)アクリロイル基含有ポリマーの一部を可塑剤に置換した組成物No.21−26は、いずれも可塑剤を含有しない組成物No.1又はNo.11と比べて、密着性が高く、耐ヒートショック性が優れる傾向にあった。さらに、No.21−24から、可塑剤としてロジンエステル系樹脂を用いることにより、耐衝撃吸収性も優れていた(No.21)。
No.21とNo.25の比較から、光重合開始剤として、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステルとの混合物を用いる方が、密着性、耐熱変色性、耐光性が優れる傾向にあることがわかる。
本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物は、低粘度の液体であることから、種々のサイズの表示装置に適用可能で汎用性に優れ、且つ基材密着性に優れ、しかもリペア性にも優れるので、経済的で作業性がよい。また、その硬化物は、光、熱、湿分といった環境変化に対しても優れた光学的特性を保持することができ、かつ、耐衝撃吸収性、耐ヒートショックといった瞬間的変化に対しても優れた耐性を有しているので、各種表示装置の表示パネルと保護板との間に使用する紫外線硬化型樹脂組成物として好適である。さらに、本発明の光学用紫外線硬化型樹脂組成物では、主成分となるアクリロイル基含有ポリマーを広範囲から選択することができるので、コスト、入手可能性、求められる特性に応じて、適宜選択でき、経済的である。

Claims (8)

  1. 表示装置の表示パネルと保護板とを積層一体化させるために用いられる紫外線硬化型樹脂組成物であって、該紫外線硬化型樹脂組成物が、
    (A)2個以上のアクリロイル基を有するポリマー(以下「アクリロイル基含有ポリマー」と称する);
    (B)下記一般式(1)で表わされるラジカル重合性モノマー;及び
    (C)光重合開始剤
    を含有する紫外線硬化型樹脂組成物。
    Figure 2013014718

    (式中、R1は、水素原子又は炭素数1−30の有機基を表す。R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ水素原子又は炭素数1−6のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記(B)ラジカル重合性モノマーは、下記一般式(2)で表わされる化合物である請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
    Figure 2013014718
  3. 前記(A)アクリロイル基含有ポリマーは、ポリエーテルアクリレート系ポリマーである請求項1又は2に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  4. 前記(A)アクリロイル基含有ポリマーは、分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下である請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  5. さらに(D)可塑剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  6. 前記(D)可塑剤は、ロジンエステル系可塑剤である請求項5に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学用紫外線硬化型樹脂組成物を紫外線照射により硬化して得られる硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物を有する表示装置。
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