JP7461774B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関し、詳しくは、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含む硬化性樹脂組成物に関する。
活性エネルギー線の照射により硬化するポリウレタン樹脂(以下、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂)は、エチレン性不飽和基を含有するポリウレタン樹脂であって、接着剤、コーティング剤、エラストマーなどの各種産業分野において、広範に用いられている。
また、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、ラジカル重合性化合物と混合して用いることも知られており、例えば、脂肪族ウレタンアクリレート5.0質量部と、α-アリルオキシメチルアクリル酸メチル(MeAMA)5.0質量部とを混合して得られる硬化性組成物、および、その硬化性組成物を紫外線により硬化させた硬化物が、提案されている(例えば、特許文献1(実施例7)参照。)。
特開2014-40585号公報
一方、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含む硬化性組成物には、硬化後の機械強度および耐候性のさらなる向上が要求されている。
さらに、近年では、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含む硬化性組成物を、3Dプリンターにおける成形樹脂として使用することが検討されている。
3Dプリンター用の成形樹脂には、優れた寸法安定性が要求される。
本発明は、硬化後の機械強度、耐候性および寸法安定性に優れる硬化性樹脂組成物である。
本発明[1]は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤とを含有する硬化性樹脂組成物であり、前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含む樹脂原料の反応生成物を含み、前記ラジカル反応性希釈剤は、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とを含有し、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤との総量100質量部に対して、ラジカル反応性希釈剤の含有割合が50質量部以下であり、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物との総量100質量部に対して、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物の含有割合が10質量部以上90質量部以下である、硬化性樹脂組成物を含んでいる。
本発明[2]は、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物との総量100質量部に対して、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物の含有割合が、50質量部を超過する、上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物を含んでいる。
本発明[3]は、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物が、2つ以上の酸素原子を含む六員環の脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物を含む、上記[1]または[2]に記載の硬化性樹脂組成物を含んでいる。
本発明の硬化性樹脂組成物では、ラジカル反応性希釈剤が、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とを含有する。
また、本発明の硬化性樹脂組成物では、ラジカル反応性希釈剤の含有割合が所定範囲であり、かつ、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とが、所定の比率で含まれている。
そのため、硬化性樹脂組成物は、硬化後の機械強度、耐候性および寸法安定性に優れる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤とを含有する。
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線(後述)の照射により硬化するポリウレタン樹脂である。
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、樹脂原料の反応生成物を含む。
樹脂原料は、イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含んでいる。
イソシアネート基末端プレポリマーは、分子末端に2つ以上の遊離のイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーであり、プレポリマー原料の反応生成物を含む。
プレポリマー原料は、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを含んでいる。
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネート単量体および/またはポリイソシアネート誘導体を含んでいる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートなどのポリイソシアネートが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m-、p-フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’-、2,4’-または2,2’-ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3-または1,4-キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3-または1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート)、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:ヘキサメチレンジイソシアネート)(HDI)、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート)、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(別名:ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン)(1,3-または1,4-水添キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(HXDI)、水添ジフェニルメタンジイソシネート(別名:ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート))(4,4’-、2,4’-または2,2’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)これらのTrans,Trans-体、Trans,Cis-体、Cis,Cis-体、もしくはその混合物)(H12MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(NBDI)、などの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、上記ポリイソシアネート単量体の多量体(例えば、2量体、3量体(例えば、イソシアヌレート変性体、イミノオキサジアジンジオン変性体)、5量体、7量体など)、アロファネート変性体(例えば、上記ポリイソシアネート単量体と、公知の1価アルコールおよび/または公知の2価アルコールとの反応より生成するアロファネート変性体など)、ポリオール変性体(例えば、上記ポリイソシアネート単量体と公知の3価以上のアルコールとの反応より生成するポリオール変性体(アルコール付加体)など)、ビウレット変性体(例えば、上記ポリイソシアネート単量体と、水やアミン類との反応により生成するビウレット変性体など)、ウレア変性体(例えば、上記ポリイソシアネート単量体とジアミンとの反応により生成するウレア変性体など)、オキサジアジントリオン変性体(例えば、上記ポリイソシアネート単量体と炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド変性体(上記ポリイソシアネート単量体の脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド変性体など)、ウレトジオン変性体、ウレトンイミン変性体などが挙げられる。
これらポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート成分は、好ましくは、ポリイソシアネート単量体を含有し、より好ましくは、ポリイソシアネート単量体からなる。
ポリイソシアネート単量体として、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートを含まず、より好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、脂環族ポリイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシネートが挙げられ、とりわけ好ましくは、水添キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
ポリオール成分は、例えば、高分子量ポリオールを含有する。
高分子量ポリオールは、ヒドロキシ基を2つ以上有する数平均分子量300以上、20000以下の化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオールなどが挙げられ、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールは、例えば、低分子量ポリオールまたは低分子量ポリアミンを開始剤とする、アルキレンオキサイドの付加重合物である。
低分子量ポリオールは、ヒドロキシ基を2つ以上有する数平均分子量40以上、300未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,2-トリメチルペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、アルカン(C7~20)ジオール、1,3-または1,4-シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3-または1,4-シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
低分子量ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,3-または1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヒドラジン、o、mまたはp-トリレンジアミン(TDA、OTD)などの低分子量ジアミン、例えば、ジエチレントリアミンなどの低分子量トリアミン、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのアミノ基を4個以上有する低分子量ポリアミンなどが挙げられる。
これら開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。開始剤として、好ましくは、低分子量ポリオールが挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、炭素数2~3のアルキレンオキサイドが挙げられ、より具体的には、例えば、エチレンオキサイド(IUPAC名:オキシラン)、プロピレンオキサイド(1,2-プロピレンオキサイド(IUPAC名:メチルオキシラン))、トリエチレンオキサイド(1,3-プロピレンオキサイド)などが挙げられる。また、これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられ、より好ましくは、プロピレンオキサイドが挙げられる。
このようなポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールとして、具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシトリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール(ランダムまたはブロック共重合体)などの平均官能基数2のポリアルキレンオキサイド、例えば、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシトリエチレントリオール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレントリオール(ランダムまたはブロック共重合体)などの平均官能基数3のポリアルキレンオキサイドなどが挙げられる。
これらポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールは、例えば、水酸化物触媒、ホスファゼン触媒、複金属シアン化錯体触媒などを用いて、公知の方法で製造される。ポリオキシアルキレンポリオールは、副反応を抑制する観点から、好ましくは、ホスファゼン触媒、複金属シアン化錯体触媒などの副反応を抑制可能な触媒を用いて製造される。
なお、ポリオキシアルキレンポリオールの製造における副反応では、不飽和結合を有するモノオールが生成する。そのため、ポリオキシアルキレンポリオールの不飽和度(単位:meq./g)を算出することによって、副反応の抑制の度合いを評価できる。
ポリオキシアルキレンポリオールの不飽和度(単位:meq./g)は、好ましくは、下記式(1)を満たす。
不飽和度 ≦ 4×10-5 × (Mn/f)0.83+0.011
なお、上記式(1)において、Mnは、ポリオキシアルキレンポリオールの数平均分子量を示し、fは、ポリオキシアルキレンポリオールの平均官能基数(平均水酸基数)を示す。Mnおよびfは、公知の方法で測定でき、また、例えば、JIS K 1557-1(2007)に準拠して測定される水酸基価から算出することもできる(以下同じ)。
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールの不飽和度(単位:meq./g)は、より具体的には、例えば、0.001以上であり、例えば、0.07以下、好ましくは、0.05以下、より好ましくは、0.03以下、さらに好ましくは、0.025以下である。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられ、具体的には、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる結晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコール、例えば、テトラヒドロフランなどの重合単位に、アルキル置換テトラヒドロフランや、上記した2価アルコールを共重合した非晶性(非結晶性)ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
なお、非晶性(非結晶性)とは、常温(25℃)において液状であることを示す。
非晶性のポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランと、アルキル置換テトラヒドロフラン(例えば、3-メチルテトラヒドロフランなど)との共重合体(テトラヒドロフラン/アルキル置換テトラヒドロフラン(モル比)=15/85~85/15、数平均分子量500~4000、好ましくは、800~3500)や、例えば、テトラヒドロフランと、分岐状グリコール(例えば、ネオペンチルグリコールなど)との共重合体(テトラヒドロフラン/分岐状グリコール(モル比)=15/85~85/15、数平均分子量500~4000、好ましくは、800~3500)などとして、得ることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと多塩基酸とを、公知の条件下、反応させて得られる重縮合物が挙げられる。
多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1-ジメチル-1,3-ジカルボキシプロパン、3-メチル-3-エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、その他の飽和脂肪族ジカルボン酸(C11~13)、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他の不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、その他の芳香族ジカルボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、その他の脂環族ジカルボン酸、例えば、ダイマー酸、水添ダイマー酸、ヘット酸などのその他のカルボン酸、および、それらカルボン酸から誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2-アルキル(C12~C18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、さらには、これらのカルボン酸などから誘導される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバシン酸ジクロライドなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、植物由来のポリエステルポリオール、具体的には、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、ヒドロキシル基含有植物油脂肪酸(例えば、リシノレイン酸を含有するひまし油脂肪酸、12-ヒドロキシステアリン酸を含有する水添ひまし油脂肪酸など)などのヒドロキシカルボン酸を、公知の条件下、縮合反応させて得られる植物油系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤として、例えば、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトンなどのラクトン類や、例えば、L-ラクチド、D-ラクチドなどのラクチド類などを開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、さらには、それらに上記した2価アルコールを共重合したラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤とするエチレンカーボネートの開環重合物や、例えば、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオールや1,6-ヘキサンジオールなどの2価アルコールと、開環重合物とを共重合した非晶性ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
また、ポリウレタンポリオールは、上記により得られたポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールを、イソシアネート基(NCO)に対するヒドロキシ基(OH)の当量比(OH/NCO)が1を超過する割合で、ポリイソシアネートと反応させることによって、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、あるいは、ポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオールなどとして得ることができる。
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールが挙げられ、さらに好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
高分子量ポリオールの数平均分子量は、機械強度および寸法安定性の観点から、例えば、1000以上、好ましくは、2000以上、より好ましくは、3000以上、さらに好ましくは、5000以上、さらに好ましくは、6000以上、さらに好ましくは、7000以上、さらに好ましくは、8000以上、さらに好ましくは、9000以上、とりわけ好ましくは、10000以上であり、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下、さらに好ましくは、12000以下、さらに好ましくは、11000以下である。
高分子量ポリオールの平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2以上であり、例えば、3以下、好ましくは、2.5以下であり、さらに好ましくは、2.0である。
高分子量ポリオールの水酸基価は、例えば、9mgKOH/g以上、好ましくは、10mgKOH/g以上であり、例えば、210mgKOH/g以下、好ましくは、150mgKOH/g以下、より好ましくは、100mgKOH/g以下である。
また、ポリオール成分は、任意成分として、低分子量ポリオールを含有することができる。
低分子量ポリオールとしては、上記した低分子量ポリオールが挙げられる。
ポリオール成分が低分子量ポリオールを含有する場合、その含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜設定される。
好ましくは、ポリオール成分は、低分子量ポリオールを含有せず、高分子量ポリオールのみを含有する。より好ましくは、ポリオール成分は、ポリオキシアルキレンポリオールのみを含有する。
ポリオール成分(総量)の数平均分子量は、例えば、1000以上、好ましくは、2000以上、より好ましくは、3000以上、さらに好ましくは、5000以上、さらに好ましくは、6000以上、さらに好ましくは、7000以上、さらに好ましくは、8000以上、さらに好ましくは、9000以上、とりわけ好ましくは、10000以上であり、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下、さらに好ましくは、12000以下、さらに好ましくは、11000以下である。 また、ポリオール成分(総量)の平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2以上であり、例えば、3以下、好ましくは、2.5以下であり、さらに好ましくは、2.0である。
また、ポリオール成分(総量)の水酸基価は、例えば、9mgKOH/g以上、好ましくは、10mgKOH/g以上であり、例えば、210mgKOH/g以下、好ましくは、150mgKOH/g以下、より好ましくは、100mgKOH/g以下である。
イソシアネート基末端プレポリマーは、上記のポリイソシアネート成分および上記のポリオール成分を含むプレポリマー原料を、公知の方法で反応させることにより、得ることができる。
より具体的には、この方法では、ポリオール成分のヒドロキシ基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)において、1を超える割合で、プレポリマー原料を配合する。プレポリマー原料中の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)は、好ましくは、1.1以上、より好ましくは、3以上、さらに好ましくは、6以上であり、好ましくは、20、より好ましくは、15以下、さらに好ましくは、10以下である。
そして、上記のプレポリマー原料を、バルク重合や溶液重合などの公知の重合方法で反応させる。好ましくは、上記のプレポリマー原料を、バルク重合によって反応させる。
バルク重合では、例えば、窒素雰囲気下、上記のプレポリマー原料を配合して、反応温度75~85℃で、1~20時間程度反応させる。
溶液重合では、例えば、窒素雰囲気下、公知の有機溶媒に、上記のプレポリマー原料を配合して、反応温度20~80℃で、1~20時間程度反応させる。
また、上記重合では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を添加することができる。ウレタン化触媒の添加割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
これにより、イソシアネート基末端プレポリマーを得ることができる、また、その結果、イソシアネート基末端プレポリマーと未反応のポリイソシアネート成分とを含む組成物(以下、プレポリマー粗生成物)が得られる。
イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2.0以上であり、また、例えば、3.0以下、好ましくは、2.5以下である。
また、プレポリマー粗生成物(イソシアネート基末端プレポリマーおよび未反応のポリイソシアネート成分を含む。)のイソシアネート基濃度は、プレポリマー粗生成物の総量(固形分換算)に対して、例えば、0.3質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、1.0質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、12質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。
また、プレポリマー粗生成物(イソシアネート基末端プレポリマーおよび未反応のポリイソシアネート成分を含む。)は、機械強度および寸法安定性の向上を図る観点から、好ましくは、蒸留により精製される。
蒸留方法としては、特に制限されないが、例えば、バッチ式蒸留法、連続式蒸留法などが挙げられ、連続式蒸留法としては、例えば、薄膜蒸留法(スミス式薄膜蒸留法)などが挙げられる。蒸留方法として、好ましくは、薄膜蒸留法(スミス式薄膜蒸留法)が挙げられる。
薄膜蒸留法が採用される場合、蒸留条件としては、蒸留温度が、例えば、120℃以上、好ましくは、150℃以上であり、例えば、250℃以下、好ましくは、200℃以下である。また、蒸留圧力(絶対圧力)が、例えば、1Pa以上、好ましくは、10Pa以上、より好ましくは、50Pa以上であり、例えば、300Pa以下、好ましくは、200Pa以下、より好ましくは、100Pa以下である。
また、イソシアネート基末端プレポリマーのフィード量が、例えば、0.1g/min以上、好ましくは、1.0g/min以上、より、好ましくは、2.0g/min以上であり、例えば、100g/min以下、好ましくは、50g/min以下、より好ましくは、10g/min以下である。
これにより、プレポリマー粗生成物から、未反応のポリイソシアネート成分が除去され、イソシアネート基末端プレポリマーの精製物(以下、プレポリマー精製物)が得られる。
プレポリマー精製物は、イソシアネート基末端プレポリマーからなるか、または、イソシアネート基末端プレポリマーと、極微量(10000ppm以下)の未反応のポリイソシアネート成分とを含有する。
プレポリマー精製物において、イソシアネート基末端プレポリマーの含有割合は、プレポリマー精製物の総量に対して、例えば、99.5質量%以上、好ましくは、99.9質量%以上であり、例えば、100質量%以下である。
また、プレポリマー精製物のイソシアネート基濃度は、プレポリマー精製物の総量(固形分換算)に対して、例えば、0.0001質量%以上、好ましくは、0.0005質量%以上であり、また、例えば、0.020質量%以下、好ましくは、0.013質量%以下、より好ましくは、0.010質量%以下である。
そして、上記のイソシアネート基末端プレポリマー(好ましくは、プレポリマー精製物)と、ヒドロキシ基含有不飽和化合物との反応により、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が得られる。
ヒドロキシ基含有不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基、および、1つ以上のヒドロキシ基を併有する化合物である。
より具体的には、ヒドロキシ基含有不飽和化合物は、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニルフェニル基、プロペニルエーテル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基などのエチレン性不飽和基含有基を1つ以上と、ヒドロキシ基を1つ以上とを、併有している。
なお、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを示し、また、同様に、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを示し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを示す。
エチレン性不飽和基含有基として、好ましくは、(メタ)アクリロイル基が挙げられ、より好ましくは、アクリロイル基が挙げられる。
エチレン性不飽和基含有基が(メタ)アクリロイル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子中に、ヒドロキシ基を1つ有し(メタ)アクリロイル基を1つ有するモノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、例えば、1分子中に、ヒドロキシ基を複数有し、(メタ)アクリロイル基を1つ有するポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、例えば、1分子中に、ヒドロキシ基を1つ有し、(メタ)アクリロイル基を複数有するモノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、例えば、1分子中に、ヒドロキシ基を複数有し、(メタ)アクリロイル基を複数有するポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート(例えば、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート(商品名:NKエステル701A、新中村化学製))が挙げられる。
ポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、エチレン性不飽和基含有基がビニルフェニル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、4-ビニルフェノール、2-ヒドロキシエチル-4-ビニルフェニルエーテル、(2-ヒドロキシプロピル)-4-ビニルフェニルエ-テル、(2,3-ジヒドロキシプロピル)-4-ビニルフェニルエ-テル、4-(2-ヒドロキシエチル)スチレンなどが挙げられる。
また、エチレン性不飽和基含有基がプロペニルエ-テル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、プロペニルアルコ-ル、2-ヒドロキシエチルプロペニルエ-テル、2,3-ジヒドロキシプロピルプロネニルエ-テルなどが挙げられる。
また、エチレン性不飽和基含有基がアリルエ-テル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、アリルアルコ-ル、2-ヒドロキシエチルアリルエ-テル、2-ヒドロキシプロピルアリルアルコ-ルなどが挙げられる。
また、エチレン性不飽和基含有基がビニルエ-テル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエ-テル、2-ヒドロキシプロピルビニルエ-テルなどが挙げられる。
これらヒドロキシ基含有不飽和化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ヒドロキシ基含有不飽和化合物として、好ましくは、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレ-ト、より好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレ-ト、モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、とりわけ好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
そして、イソシアネート基末端プレポリマー(好ましくは、精製されたイソシアネート基末端プレポリマー)と、ヒドロキシ基含有不飽和化合物との反応では、例えば、不活性ガス雰囲気下、上記のイソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを、所定の当量比となるように配合し、ウレタン化反応させる。
ヒドロキシ基含有不飽和化合物中のヒドロキシ基に対する、イソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)は、例えば、0.7以上、好ましくは、0.9以上であり、例えば、1.5以下、好ましくは、1.2以下である。
また、反応条件は、特に制限されないが、反応温度が、例えば、40℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、60℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下、より好ましくは、80℃以下である。また、反応時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1.0時間以上であり、例えば、24時間以下、好ましくは、10時間以下である。
また、上記反応では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を添加してもよい。ウレタン化触媒の添加割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
これにより、イソシアネート基末端プレポリマーおよびヒドロキシ基含有不飽和化合物の反応生成物を含む、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が得られる。
より具体的には、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基と、ヒドロキシ基含有不飽和化合物のヒドロキシ基とがウレタン化反応して得られ、ヒドロキシ基含有不飽和化合物に由来する不飽和結合を有するポリウレタン樹脂である。
そして、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算分子量)は、例えば、1000以上、好ましくは、2000以上であり、例えば、12000以下、好ましくは、11000以下である。
また、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度は、成形性の観点から、例えば、1万mPa・s以上、好ましくは、1.4万mPa・s以上、より好ましくは、1.6万mPa・s以上、さらに好ましくは、1.8万mPa・s以上、とりわけ好ましくは、2万mPa・s以上であり、ハンドリング性および成形性の観点から、例えば、10万mPa・s以下、好ましくは、8万mPa・s以下、より好ましくは、6万mPa・s以下、さらに好ましくは、5万mPa・s以下、とりわけ好ましくは、4万mPa・s以下である。
粘度が上記範囲であれば、成形時のハンドリング性の向上を図ることができる。
なお、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の粘度は、イソシアネート基末端プレポリマーの精製などによって、調整される。
ラジカル反応性希釈剤は、活性エネルギー線(後述)の照射によりラジカル重合する化合物であり、かつ、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を希釈するための希釈剤である。
ラジカル反応性希釈剤は、必須成分として、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とを含有する。
脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物としては、例えば、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレートなどの脂環式エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート、例えば、4-(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物として、好ましくは、2つ以上の酸素原子を含む六員環の脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物が挙げられ、より好ましくは、2つ以上の酸素原子を含む六員環の脂環式エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。上記の脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物のうち、2つ以上の酸素原子を含む六員環の脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物としては、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物としては、例えば、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物として、好ましくは、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチルが挙げられる。
脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物との割合は、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物との総量100質量部に対して、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物の含有割合が、機械強度および耐候性の観点から、10質量部以上、好ましくは、15質量部以上、より好ましくは、20質量部以上であり、90質量部以下、好ましくは、70質量部以下、より好ましくは、50質量部以下、さらに好ましくは、50質量部未満、とりわけ好ましくは、30質量部以下であり、また、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物が、機械強度および耐候性の観点から、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、50質量部以上、さらに好ましくは、50質量部を超過、とりわけ好ましくは、70質量部以上であり、90質量部以下、好ましくは、85質量部以下、より好ましくは、80質量部以下である。
また、ラジカル反応性希釈剤は、任意成分として、その他のラジカル反応性希釈剤(脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とを除くラジカル反応性希釈剤)を含有することができる。
その他のラジカル反応性希釈剤としては、例えば、芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物、アミド骨格を有する反応性化合物、オキシアルキレン骨格を有する反応性化合物、ポリ(メタ)アクリレート、不飽和カルボン酸アリルエステルなどが挙げられる。
芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル-ジグルコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アミド骨格を有する反応性化合物としては、例えば、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
オキシアルキレン骨格を有する反応性化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ポリオールポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリオールジ(メタ)アクリレート、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどのポリオールトリ(メタ)アクリレート、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸アリルエステルとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネートなどが挙げられる。
その他のラジカル反応性希釈剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他のラジカル反応性希釈剤の割合は、特に制限されず、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、目的および用途に応じて、適宜設定される。
ラジカル反応性希釈剤は、好ましくは、その他のラジカル反応性希釈剤(脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とを除くラジカル反応性希釈剤)を含有せず、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とからなる。
硬化性樹脂組成物において、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂とラジカル反応性希釈剤との配合割合は、それらの総量100質量部に対して、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、機械強度および耐候性の向上を図り、さらに、硬化物の収縮を抑制し、寸法安定性の向上を図る観点から、50質量部以上、好ましくは、55質量部以上、より好ましくは、60質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下、より好ましくは、70質量部以下である。また、ラジカル反応性希釈剤が、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、より好ましくは、30質量部以上であり、機械強度および耐候性の向上を図り、さらに、硬化物の収縮を抑制し、寸法安定性の向上を図る観点から、50質量部以下、好ましくは、45質量部以下、より好ましくは、40質量部以下である。
なお、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂とラジカル反応性希釈剤との配合方法は、特に制限されず、公知の方法が採用される。これにより、硬化性樹脂組成物が得られる。
また、硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、光重合開始剤を含有できる。
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤が挙げられ、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルフォリノブチロフェノン、1,2-オクタンジオン1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(o-ベンゾイルオキシム)、エタノン-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、1-ヒドロキシチクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノンなどが挙げられる。
また、光重合開始剤は、市販品として入手可能である。そのような市販品としては、例えば、TPO(商品名、東京化成工業製)、Irgacure819(BAPO、商品名、BASF製)、Irgacure369(Omnirad369、商品名、BASF製)、IrgacureOXE01(商品名、BASF製)、IrgacureOXE02(商品名、BASF製)、IrgacureOXE03(商品名、BASF製)、IrgacureOXE04(商品名、BASF製)、Irgacure184(Omnirad 184、商品名、BASF製)、Omnirad 1173(Darocur 1173、商品名、BASF製)、NCI-831(商品名、ADEKA製)、NCI-930(商品名、ADEKA製)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、光重合開始剤の添加量は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
さらに、硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤による光重合反応を促進するために、必要に応じて、公知の増感剤などを含有することもできる。
増感剤としては、例えば、9,10-ビス(オクタノイルオキシ)アントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、1,4-ジエトキシナフタレンなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、増感剤は、市販品としても入手可能である。そのような市販品としては、例えば、アントラキュアーUVS-581(商品名、川崎化成工業製)、アントラキュアーUVS-1331(商品名、川崎化成工業製)、アントラキュアーUVS-2171(商品名、川崎化成工業製)などが挙げられる。
加えて、硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、さらには、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐活性エネルギー線安定剤(耐光安定剤など)、離型剤、触媒、顔料、染料、滑剤、フィラ-、加水分解防止剤などの公知の添加剤を、適宜の割合で含有することができる。これら添加剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール化合物(具体的には、イルガノックス1135、イルガノックス245、イルガノックス1076、イルガノックス1726、イルガノックス1520L、いずれもBASF社製、具体的には、ADEKA社製のアデカスタブAO-80)、有機リン化合物(具体的には、JP-302、JP-308、JP-308E、JP-310、JP-312L、JP-333E、JP-318O、JPS-312、JPP-13R、JP-318E、いずれも城北化学社製、具体的には、IRGAFOS 38、IRGAFOS P-EPQ、いずれもBASF社製、具体的には、アデカスタブPEP-4C、アデカスタブPEP-8、アデカスタブ1500、アデカスタブ3010、いずれもADEKA社製)、チオエーテル系化合物(具体的には、IRGANOX PS800FL、IRGANOX PS802FL、いずれもBASF社製、具体的には、アデカスタブAO-412S、アデカスタブAO-503、いずれもADEKA社製、具体的には、ヨシトミDLTP、ヨシトミDSTP、ヨシトミDMTP、いずれもAPIコーポレーション社製)、ヒドロキシルアミン系化合物(具体的には、BASF社製のIRGASTAB FS 042)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、酸化防止剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
紫外線吸収剤としては、例えば、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル、2-(2´-ヒドロキシ-5´-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2´-ヒドロキシ-3´,5´-ジ-t-ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2´-ヒドロキシ-3´-t-ブチル-5´-メチル-フェニル)-5-クロロ・ベンゾトリアゾール、2-(2´-ヒドロキシ-3´,5´-ジ-t-ブチル-フェニル)-5-クロロ・ベンゾトリアゾール、2-(2´-ヒドロキシ-4´-n-オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、例えば、2,4-ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2´-ジヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2´-ジヒドロキシ-4,4´-ジメトキシ・ベンゾフェノン、2,2´-ジヒドロキシ-4,4´-ジメトキシ-5-スルフォベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2´-カルボキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルフォベンゾフェノン・トリヒドレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´-テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、例えば、2´-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3-(3´,4´-メチレンジオキシフェニル)-アクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。また、市販品として、例えば、Tinuvin328、TinuvinPS(チバ・ガイギー社製)、SEESORB709(白石カルシウム社製)、Uvinul 490(GAF社製)、Permyl B-100(Ferro社製)、Uvinul3035、Uvinul3039、Uvinul3030(BASF製)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、紫外線吸収剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
蛍光増白剤としては、例えば、7-(ジメチルアミノ)-4-メチルクマリン、2,5-ビス(5-tert-ブチル-2-ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4´-ビス(2-ベンゾオキサゾリル)スチルベンなどが挙げられる。また、市販品として、例えば、TINOPAL OB」(BASF製)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、蛍光増白剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
このような硬化性樹脂組成物では、ラジカル反応性希釈剤が、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とを含有する。
また、上記の硬化性樹脂組成物では、ラジカル反応性希釈剤の含有割合が所定範囲であり、かつ、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物とが、所定の比率で含まれている。
そのため、硬化性樹脂組成物は、硬化後の機械強度、耐候性および寸法安定性に優れる。
そのため、上記の硬化性樹脂組成物は、例えば、接着剤、コーティング剤、エラストマー、成形材料などとして、各種産業分野において、好適に用いられる。とりわけ、上記の硬化性樹脂組成物は、成形材料、より具体的には、3Dプリンターにおける成形材料として、好適に用いられる。
硬化性樹脂組成物の成形物(硬化物)を得るには、例えば、硬化性樹脂組成物を所望形状に成形した後、活性エネルギー線を照射し、硬化性樹脂組成物を硬化させる。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線などが挙げられる。活性エネルギー線の照射量(積算光量)は、例えば、10×10-3J/cm以上、好ましくは、15×10-3J/cm以上であり、例えば、6J/cm以下、好ましくは、4J/cm以下である。
なお、活性エネルギー線による硬化は、一括硬化であってもよく、分割硬化であってもよい。すなわち、1回の活性エネルギー線の照射により、硬化性樹脂組成物を硬化させてもよく、2回以上の活性エネルギー線の照射により、硬化性樹脂組成物を硬化させてもよい。
これにより、硬化性樹脂組成物からなる成形物(硬化物)が得られる。
また、活性エネルギー線の照射後、必要により、養生することができる。
養生条件としては、特に制限されないが、温度条件が、例えば、10~150℃、好ましくは、10~100℃である。また、湿度条件が、例えば、20~80%、好ましくは、30~70%である。また、養生時間は、例えば、0.5~10日間、好ましくは、1~7日間である。
これにより、硬化性樹脂組成物からなる成形物(硬化物)が得られる。
得られる成形物(硬化物)は、機械強度、耐候性および寸法安定性に優れる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメ-タなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメ-タなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1~4、参考例5、実施例6~9および比較例1~17
(1)イソシアネート基末端プレポリマーの合成
表1~表5に記載の処方に従って、イソシアネート基末端プレポリマーを合成した。
より具体的には、表1~表5に記載の処方に従って、窒素雰囲気下、ガラス製のセパラブルフラスコに、ポリオール成分を投入し、次いで、ポリイソシアネート成分を、表1~表5に記載の当量比(NCO/OH)となる割合で投入し、その後、80℃に昇温した。その後、ウレタン化触媒としてのスタノクト(エチルヘキサン酸スズ(II)を、混合物に対して10ppmとなる割合で投入し、4時間反応させた。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーと、未反応のポリイソシアネート成分とを含む粗生成物を得た。
(2)イソシアネート基末端プレポリマーの精製
イソシアネート基末端プレポリマーを含む粗生成物をスミス式薄膜蒸留装置にセットし、以下の条件で、イソシアネート基末端プレポリマーと、未反応のポリイソシアネート成分とを分離し、イソシアネート基末端プレポリマーを精製した。
温度条件:160~170℃
圧力条件:70~100Pa
供給流量:3.5-4g/min
(3)活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の合成
表1~表5に記載の処方に従って、大気下(ドライエアー下)、セパラブルフラスコに、精製したイソシアネート基末端プレポリマー(プレポリマー精製物)を投入し、次いで、ヒドロキシ基含有不飽和化合物を、ヒドロキシ基含有不飽和化合物のヒドロキシ基に対するイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となる割合で投入し、70℃に昇温した。
その後、ウレタン化触媒としてのスタノクト(エチルヘキサン酸スズ(II)を、イソシアネート基末端プレポリマーに対して200ppmとなる割合で投入し、イソシアネート基濃度が0.01%以下になるまで、4時間反応させた。
これにより、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を得た。
(4)硬化性樹脂組成物の調製
表1~表5に記載の処方に従って、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤と、光重合開始剤と、添加剤とを、合計100gとなるように褐色瓶に投入し、60℃で撹拌した。
これにより、硬化性樹脂組成物を得た。
また、得られた硬化性樹脂組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製、TV25形粘度計、ローター角度:1°34’、ローター半径2.4cm)にて測定した。
(5)硬化性樹脂組成物の硬化
表1~表5に記載の方法で、硬化性樹脂組成物を硬化させ、成形物(硬化物)を得た。なお、各方法における硬化条件を、以下に示す。
(a)UV
ポリプロピレン製の型(100×100×20mm)に硬化性樹脂組成物26gを流し込んだ。そして、窒素雰囲気下、UV照射機(パジコ社製 UVライト紫外線照射機 36W)にて、硬化性樹脂組成物の一方面にUVを3分照射した。その後、硬化性樹脂組成物の硬化物を型から取り出し、さらに、他方面にUVを3分照射した。
(b)高圧水銀灯
・ポリプロピレン製の型(100×100×20mm)に硬化性樹脂組成物26gを流し込んだ。そして、高圧水銀灯(へレウス社製 高圧水銀灯(カスタム品))にて、硬化性樹脂組成物の一方面のみに、活性エネルギー線を照射した。
なお、照度を630mW/cm(照度計(EIT 社製 UVICURE Plus II (UVA 320~390nm)にて測定)とした。また、積算光量が4J/cmになるように照射時間を調整した。
(c)3Dプリンター
市販の3Dプリンター(Phrozen社製 Phrozen shuffle 4K)を用いて、硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線の照射により硬化(1回目の硬化(プレキュア))させ、膜厚100μmの層を積層させて、100×50×20mmの板を得た。なお、活性エネルギー線の出力は、0.6mW/cm(照度計(日置電機社製3664光パワーメータ(測定波長405nm)にて測定)とし、照射時間は、最初の10層に対して90秒、その後の層に対して40秒とした。
その後、得られた板を、さらに、硬化させた。
2回目の硬化(ポストキュア)では、高圧水銀灯(へレウス社製 高圧水銀灯(カスタム品))にて、上記の板の一方面のみに、活性エネルギー線を照射した。
なお、照度を630mW/cm(照度計(EIT 社製 UVICURE Plus II (UVA 320~390nm)にて測定)とした。また、積算光量が4J/cmになるように照射時間を調整した。
<評価>
(1)機械物性
成形物の引張強度(MPa)および破断伸び(%)を、JIS K-6251(2010)の記載に準拠して測定した。
また、成形物の引裂き強度(N/mm)を、JIS K-6252(2007)の記載に準拠して測定した。
(2)耐光性
成形物を、以下の条件で耐光試験し、試験前後のb値差(Δb値)を色差計(東京電色社製、カラーエースMODEL TC-1)にて測定した。
試験機 :Atlas社 Ci4000
放射照度 :44W/m
波長範囲 :300-400nm
ブラックパネル温度:57℃
降雨条件 :なし
試験湿度 :制御なし
フィルター(内/外) :ディライトフィルター
試験時間 :40h
(3)硬化物外観(寸法安定性)
硬化物(成形物)の外観を、目視で観察し、寸法安定性を評価した。なお、収縮が確認されたものには、表中に「収縮有」と示した。
Figure 0007461774000002
Figure 0007461774000003
Figure 0007461774000004
Figure 0007461774000005
なお、表中の略号の詳細を下記する。
1,3-H6XDI:1,3-水添キシリレンジイソシアネート、三井化学製
IPDI:イソホロンジイソシアネート、商品名VESTANAT IPDI、Evonik製
H12MDI:4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、商品名VESTANAT H12MDI、Evonik製
D3000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量3000、不飽和度0.05meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
DL10000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量10000、不飽和度0.01meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
POB-A:ラジカル反応性希釈剤、3-フェノキシベンジルアクリレート(別名m-フェノキシベンジルアルコール)、芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物、共栄社化学製
4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
EHDG-AT:ラジカル反応性希釈剤、2-エチルヘキシル-ジグルコールアクリレート、鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物、共栄社化学製
ACMO-LI:ラジカル反応性希釈剤、4-アクリロイルモルフォリン、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、KJケミカルズ製
ビスコート200:ラジカル反応性希釈剤、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(別名(5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチルアクリラート)、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業製
ビスコート196:ラジカル反応性希釈剤、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業製
AOMA:ラジカル反応性希釈剤、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物、日本触媒製
FA-513AS:ラジカル反応性希釈剤、ジシクロペンタニルアクリレート、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、日立化成製
TBCHA:ラジカル反応性希釈剤、4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、KJケミカルズ製
DEAA:ラジカル反応性希釈剤、N,N-ジエチルアクリルアミド、アミド骨格を有する反応性化合物、KJケミカルズ製
TMPTA:ラジカル反応性希釈剤、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、大阪有機化学工業製
TPO:光重合開始剤、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、東京化成工業社製

Claims (2)

  1. 活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤とを含有する硬化性樹脂組成物であり、
    前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含む樹脂原料の反応生成物を含み、
    前記ラジカル反応性希釈剤は、
    脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、
    (メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物と
    を含有し、
    脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物が、2つ以上の酸素原子を含む六員環の脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物を含有し、前記2つ以上の酸素原子を含む六員環の脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物が、(5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチルアクリラートを含有し、
    前記(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物が、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル、および、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤との総量100質量部に対して、ラジカル反応性希釈剤の含有割合が50質量部以下であり、
    脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物との総量100質量部に対して、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物の含有割合が10質量部以上90質量部以下である
    ことを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  2. 脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物との総量100質量部に対して、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物の含有割合が、50質量部を超過する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
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