JP2006137960A - ポリウレタン樹脂およびその製造方法並びに塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下のラクトン重合体を用いた粉吹き現象を減少できるポリウレタン樹脂を提供する。
【解決手段】ラクトンモノマーをチタン系化合物を触媒として重合させ、次いで生成物を薄膜蒸留しラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下であるラクトン重合体を得、次いで得られたラクトン重合体とイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタン樹脂を製造する。このポリウレタン樹脂を用いて塗料組成物を調製する。
【選択図】なし
【解決手段】ラクトンモノマーをチタン系化合物を触媒として重合させ、次いで生成物を薄膜蒸留しラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下であるラクトン重合体を得、次いで得られたラクトン重合体とイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタン樹脂を製造する。このポリウレタン樹脂を用いて塗料組成物を調製する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下のラクトン重合体に関し、より詳細には、塗料、ポリウレタン等の原料に用いる際に粉吹き現象の少ないラクトン重合体、その製造方法並びにそれを用いたポリウレタン樹脂に関する。
ラクトン重合体は、平均分子量や官能基数の違いにより多くの分野で広く用いられている。例えば、グリコール類等の活性水素を持つ化合物を開始剤とした平均分子量約200〜6000のラクトン重合体は、ポリウレタン樹脂、塗料等の原料として非常に有用であり、ラジカル重合性二重結合を有するラクトン重合体は自動車、建材、家電製品等の分野でアクリル系コーティング材料として利用されている。また、平均分子量が10000以上のラクトン重合体は実用的な機械物性を有し、プラスチックの改質剤、フィルム、ホットメルト接着剤、医療器具材料等に用いられている。
かかるラクトン重合体は、通常、グリコール類等の活性水素を有する化合物を開始剤とし、触媒の存在下にラクトン単量体を開環付加重合して製造される。また、反応に使用される触媒として数多くの化合物が知られているが、テトラブチルチタネート(以下、「TBT」と記す。)等のチタン系化合物、アルミニュウム系化合物(特公昭43−2473号公報(特許文献1))、アルカリ金属系化合物(特公昭40−26557号公報(特許文献2)、米国特許第3,021,314号明細書(特許文献3))、アルカリ土類金属化合物(米国特許第3,021,310号明細書(特許文献4)、米国特許第第3,021,311号明細書(特許文献5))、スズ系化合物(特公昭41−19559号公報(特許文献6)、特公昭64−1491号公報(特許文献7))及び無機酸(特公昭35−497号公報(特許文献8))等が代表的な化合物である。
特公昭43−2473号公報
特公昭40−26557号公報
米国特許第3,021,314号明細書
米国特許第3,021,310号明細書
米国特許第3,021,311号明細書
特公昭41−19559号公報
特公昭64−1491号公報
特公昭35−497号公報
しかし得られたラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンを製造する場合、成形加工した製品を長期保存すると表面に粉吹き現象が発生し、製品不良の原因となる場合がある。また、ラクトン重合体を用いて塗料を製造した場合にも、塗膜形成後、長時間経過すると塗膜面に粉吹き現象が発生し、光沢が低下する場合がある。
また、ラクトン重合体と有機ジイソシアネートとを反応させてイソシアネート末端のウレタンプレポリマーを合成する場合、反応終了後に未反応の有機ジイソシアネートを減圧除去し、または脱泡する為に減圧処理を行う。この減圧処理工程で使用する設備のコンデンサー部に結晶化物が蓄積すると、定期的にプロセスを溶剤洗浄しなければならず、生産性が低下する。この結晶化物の原因となるのは、ラクトン重合体の合成時に副生するラクトンダイマーである。従って、ラクトンダイマーを低減させる技術が望まれる。
本発明者は上記問題を解決すべく鋭意研究の結果、特定の触媒を使用し特定の操作を行ったところ、ラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下のラクトン重合体が得られることを見い出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、ラクトンモノマーをチタン系化合物を触媒として重合させ、次いで生成物を薄膜蒸留することを特徴とするラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下であるラクトン重合体の製造方法を提供するものである。
また、得られたラクトン重合体とイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法を提供するものである。
加えて、前記製造方法により得られるラクトン重合体からなるポリウレタン樹脂および当該ポリウレタン樹脂からなる塗料組成物を提供するものである。
本発明のラクトン重合体によれば、ラクトンダイマー含有量が0.1%以下であるため、塗料、ポリウレタン等の原料に用いても粉吹き現象が少ない。また、ラクトン重合体と有機ジイソシアネートとを反応させてイソシアネート末端のウレタンプレポリマーを合成する場合にも、減圧処理工程で結晶化物が蓄積せず、生産性の低下を防止することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のラクトン重合体は、開始剤を用いてラクトン単量体を開環付加反応させた重合体であり、ラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下であることを特徴とし、より好ましくはラクトンダイマー含量が0.05〜0.001重量%のラクトン重合体である。ラクトンダイマー含有量を0.1重量%以下とすることで、当該ラクトン重合体を用いて製造したポリウレタン樹脂およびこのポリウレタン樹脂を用いて製造した成形品の粉吹き現象を防止することができる。
本発明のラクトン重合体は、ラクトンモノマーを開始剤および触媒の存在下に重合させて製造する。
ラクトン重合体を製造するために使用できるラクトンモノマーとしては、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、メチル化ε−カプロラクトン、エナントラクトン(7−ヒドロキシヘプタン酸ラクトン)等が挙げられる。これらのラクトンモノマーは、1種又は2種類以上の混合物として用いることができる。これらの内、本発明では、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が好ましく用いられる。
開始剤は、活性水素を有する化合物、即ち水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等を分子内に有する化合物であり、水やグリコール類等の多価アルコール、ポリアミン化合物、分子内に水酸基を含有するポリマー等、更にラジカル重合性二重結合等の官能基を有するアルコール、アミン類等が挙げられる。
具体的には水、エチレングリコール、分子内に水酸基を有するポリマーとして、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、メトキシエタノール、モノアセチルエチレングリコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−アミノエタノール、6−ヒドロキシヘキサン酸、アリルアルコール、4−ヒドロキシエチルビニールエーテル、p−ヒドロキシフェニルアルコール、m−ヒドロキシベンジルアルコール、水酸基を有するエポキシ樹脂、水酸基を有するポリブタジエン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合又はグラフト化したポリマー等の水酸基を有する化合物、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等のアミノ基を有する化合物が例示できる。
開始剤の使用量は、ラクトンモノマー1モルに対し、開始剤0.01〜1.0モルであること、特には、0.02〜0.5モルであることが好ましい。その理由は、得られるポリエステルポリオールの分子量が200〜6000となり、一般的な利用に便利だからである。
本発明で使用できる触媒としては、テトラエチルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等の有機チタン系化合物、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジラウレート、n−ブチルスズヒドロキシオキサイド等の有機スズ化合物、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ等のハロゲン化第一スズ等が挙げられる。これらの中でスズ系化合物、チタン系化合物であることが好ましい。スズ系化合物を使用すると、ラクトンダイマー含有量を0.1重量%以下とすることができるからである。また、チタン系化合物を触媒とする場合には、ラクトン重合体を合成した後に薄膜蒸留を行うことによりラクトンダイマー含有量を0.1重量%以下とすることができる点で好ましい。
触媒の使用量は、仕込み原料に対して0.1〜1000ppm、特には1〜100ppmであることが好ましい。触媒量が0.1ppm以下を下回る場合には反応速度が遅く、逆に1000ppmを超えると生じたラクトン重合体の色相、熱安定性が悪化するので好ましくない。
本発明のラクトン重合体を製造するに際し、製造装置の形式には特に制限が無い。例えば、バッチ式、半連続式及び連続式の通常の撹拌機型反応器、ニーダー反応器が問題なく使用できる。
反応は、窒素ガス、空気等の条件下で任意に反応を行うことが可能であり、より好ましくは窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気中で反応することである。これにより変色を防止できるからである。
本発明のラクトン重合体は、塊重合、溶液重合、懸濁重合等のいかなる重合方法も問題なく用いられる。また、溶液重合に用いられる溶剤としては、芳香族炭化水素類が好ましく、特には、不活性で比較的沸点が高いトルエン、キシレンが好ましい。また、溶剤は実質的には無水であることが好ましい。その理由は、残存する水により開始されるポリカプロラクトンが生じないようにするためである。
本発明において触媒、ラクトンモノマー、開始剤等の添加方法、添加順序は特に制限を受けず、任意の順に反応を行うことが可能である。
本発明におけるラクトンモノマーは、開始剤の存在下、一般的には80〜230℃、好ましくは90〜180℃の温度で反応させる。80℃を下回る場合は反応速度が遅く、230℃を上回る場合は酸化反応による着色が生じる等の品質に問題があるので好ましくはない。これによりラクトン重合体を得ることができる。
チタン系化合物を触媒に使用し、ラクトンダイマー含有量が0.1重量%を上回った場合には、得られたラクトン重合体を薄膜蒸留しラクトンダイマーの含有量を0.1重量%以下とすることができる。
薄膜蒸留器は、一般に使用される蒸留器を使用することができる。薄膜蒸留の条件は、温度100〜200℃、圧力0.01〜10torrであることが好ましい。この範囲で、十分にラクトンダイマーの含有量を低下することができるからである。また、必要に応じて、薄膜蒸留を二度以上繰り返すことができる。
本発明のラクトン重合体は、グリコール類、ポリアミン化合物、分子内に水酸基を含有するポリマー等を開始剤としてラクトン単量体を開環付加反応させた場合は、粘調液体、ワックス状固体、高分子量体等のオリゴマーやポリマーとなる。
本発明のラクトン重合体は、水酸基価10〜600mgKOH/g、酸価0.001〜0.50であることが好ましい。
本発明のラクトン重合体を用いて、例えば、本発明のウレタン重合体の水酸基1モルに対し、イソシアネート化合物を−NCO基が0.8〜1.2モルとなるように反応させることにより、ポリウレタン樹脂を製造することができる。
使用できるイソシアネート化合物としては、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が例示でき、これらの中でもジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
反応は、窒素ガス下で行うことが好ましく、温度40〜180℃であることが好ましい。この範囲で十分な反応速度を維持できるからである。これにより、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を得ることができる。次いで、これとジオール化合物やアクリルポリオール等を常法に従い重合させると、熱可塑性ポリエステル樹脂が得られる。
本発明のポリウレタン樹脂は、塗料等に使用することができる。特にラジカル重合性二重結合を有するラクトン重合体からなるポリウレタン樹脂は、自動車、建材、家電製品等の分野でアクリル系コーティング材料として有用である。更に、平均分子量が10000以上のラクトン重合体からなるポリウレタン樹脂は、実用的な機械物性を有し、プラスチックの改質剤、フィルム、ホットメルト接着剤、医療器具材料等に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」を示す。
(性能試験項目と試験方法)
(1)性状分析:JIS K−1557(ポリウレタン用ポリエーテル試験法)に準拠し、硬度で評価した。
(1)性状分析:JIS K−1557(ポリウレタン用ポリエーテル試験法)に準拠し、硬度で評価した。
(2)粉吹き評価:ポリウレタンシートを40℃のオーブンに3ヶ月放置後、外観観察し、粉吹きの有無を判定した。○を粉吹きなし、×を粉吹きありとした。
[参考例1]
撹拌機、窒素導入管、温度計及びコンデンサーを備えた1リットルのフラスコに、エチレングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラクトン969g(8.5モル)、触媒として塩化第一スズ0.05gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら160℃で12時間反応させた。
撹拌機、窒素導入管、温度計及びコンデンサーを備えた1リットルのフラスコに、エチレングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラクトン969g(8.5モル)、触媒として塩化第一スズ0.05gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら160℃で12時間反応させた。
得られたラクトン重合体の性状は、水酸基価56.4KOHmg/g、酸価0.64KOHmg/g、粘度219cP/75℃、ラクトンダイマー0.04%、ε−カプロラクトンの反応率は99.6%であった。尚、ラクトンダイマー含有量は、ガスクロマトグラフによって測定した。
[参考例2]
参考例1と同様の装置に1,4−ブタンジオール45g(0.5モル)、ε−カプロラクトン955g(8.38モル)、触媒としてオクチル酸スズ0.05gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら160℃で12時間反応させた。
参考例1と同様の装置に1,4−ブタンジオール45g(0.5モル)、ε−カプロラクトン955g(8.38モル)、触媒としてオクチル酸スズ0.05gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら160℃で12時間反応させた。
得られたラクトン重合体の性状は、水酸基価55.8KOHmg/g、酸価0.33KOHmg/g、粘度260cP/75℃、ラクトンダイマー0.06%、ε−カプロラクトンの反応率は99.5%であった。
[参考例3]
参考例1と同様の装置にエチレングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラクトン969g(85モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.02gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら170℃で7時間反応させた。得られた反応液は、ラクトンダイマー0.61%、ε−カプロラクトンの反応率99.5%であった。
参考例1と同様の装置にエチレングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラクトン969g(85モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.02gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら170℃で7時間反応させた。得られた反応液は、ラクトンダイマー0.61%、ε−カプロラクトンの反応率99.5%であった。
得られた反応液を170℃、0.1〜0.2mmHgの条件下で薄膜蒸留し、ラクトンダイマー0.08%のラクトン重合体を得た。
このものの性状は水酸基価56.1KOHmg/g、酸価0.19KOHmg/g、粘度370cP/75℃であった。
[参考例4]
参考例1と同様の装置にトリメチロールプロパン201g(1.5モル)、ε−カプロラクトン624g(5.47モル)、触媒としてオクチル酸スズ0.04gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら160℃で7時間反応させた。
参考例1と同様の装置にトリメチロールプロパン201g(1.5モル)、ε−カプロラクトン624g(5.47モル)、触媒としてオクチル酸スズ0.04gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら160℃で7時間反応させた。
得られたラクトン重合体の性状は、水酸基価306.3KOHmg/g、酸価0.56KOHmg/g、粘度1270cP/25℃、ラクトンダイマー0.04%、ε−カプロラクトンの反応率は99.6%であった。
[参考例5]
参考例1と同様の装置に2−ヒドロキシエチルメタクリレート260g(2モル)、ε−カプロラクトン684g(6モル)、触媒として塩化第一スズ0.06g及び重合禁止剤メトキシハイドロキノン0.9gを仕込み、空気を吹き込みながら100℃で7時間反応させた。
参考例1と同様の装置に2−ヒドロキシエチルメタクリレート260g(2モル)、ε−カプロラクトン684g(6モル)、触媒として塩化第一スズ0.06g及び重合禁止剤メトキシハイドロキノン0.9gを仕込み、空気を吹き込みながら100℃で7時間反応させた。
得られたラクトン重合体の性状は、水酸基価117.5KOHmg/g、酸価2.45KOHmg/g、粘度132cP/25℃、ラクトンダイマー0.02%、ε−カプロラクトンの反応率は99.4%であった。
[比較例1]
参考例1と同様の装置にエチレングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラクトン969g(85モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.02gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら170℃で7時間反応させた。
参考例1と同様の装置にエチレングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラクトン969g(85モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.02gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら170℃で7時間反応させた。
得られたラクトン重合体の性状は、水酸基価56.8KOHmg/g、酸価0.28KOHmg/g、粘度363cP/75℃、ラクトンダイマー0.61%、ε−カプロラクトンの反応率は99.6%であった。
[比較例2]
参考例1と同様の装置にトリメチロールプロパン201g(1.5モル)、ε−カプロラクトン624g(5.47モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.02gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら170℃で10時間反応した。
参考例1と同様の装置にトリメチロールプロパン201g(1.5モル)、ε−カプロラクトン624g(5.47モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.02gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら170℃で10時間反応した。
得られたラクトン重合体の性状は、水酸基価305.1KOHmg/g、酸価0.67KOHmg/g、粘度1300cP/25℃、ラクトンダイマー0.65%、ε−カプロラクトンの反応率は99.6%であった。
[参考例6]
撹拌機、窒素導入管、温度計及びコンデンサーを備えた0.5リットルのセパラブルフラスコにジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)137.7g(0.55モル)、参考例1のラクトン重合体358.2g(0.18モル)を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80℃で2時間反応後、80℃を保持しながら10torrに減圧し、脱泡処理を行いプレポリマーを合成した。
撹拌機、窒素導入管、温度計及びコンデンサーを備えた0.5リットルのセパラブルフラスコにジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)137.7g(0.55モル)、参考例1のラクトン重合体358.2g(0.18モル)を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80℃で2時間反応後、80℃を保持しながら10torrに減圧し、脱泡処理を行いプレポリマーを合成した。
そのプレポリマーに80℃の1,4−ブタンジオール(1,4−BD)32.4g(0.36モル)を添加し、1分間撹拌混合し、予め、離型剤を塗布し、80℃に加温してある金型に注型した。オーブン中で80℃×2時間、そして120℃×15時間加熱硬化させ、厚さ3mmの熱可塑性ポリウレタンシートを作成した。
得られた熱可塑性ポリウレタンシートについて性状分析、粉吹き評価を行った。結果を表−1に示す。
[参考例7]
参考例6と同様にして参考例2のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシートを作成した。但し、仕込量は参考例2のラクトン重合体362g(0.18モル)を用いた。
参考例6と同様にして参考例2のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシートを作成した。但し、仕込量は参考例2のラクトン重合体362g(0.18モル)を用いた。
得られた熱可塑性ポリウレタンシートについて性状分析、粉吹き評価を行った。結果を表−1に示す。
[実施例1]
参考例6と同様にして参考例3のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシートを作成した。但し、仕込量は参考例3のラクトン重合体360g(0.18モル)を用いた。
参考例6と同様にして参考例3のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシートを作成した。但し、仕込量は参考例3のラクトン重合体360g(0.18モル)を用いた。
得られた熱可塑性ポリウレタンシートについて性状分析、粉吹き評価を行った。結果を表−1に示す。
[比較例3]
参考例6と同様にして比較例1のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシートを作成した。但し、仕込量は比較例1のラクトン重合体355.7g(0.18モル)を使用した。
参考例6と同様にして比較例1のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシートを作成した。但し、仕込量は比較例1のラクトン重合体355.7g(0.18モル)を使用した。
得られた熱可塑性ポリウレタンシートについて性状分析、粉吹き評価を行った。結果を表−1に示す。
[参考例8]
撹拌機、窒素導入管、温度計及びコンデンサーを備えた1リットルのセパラブルフラスコにイソホロンジイソシアネート400g(1.8モル)、触媒としてジブチルスズジラウレート0.12gを仕込み、50℃に加温した。参考例4のラクトン重合体330g(0.6モル)を酢酸エチル183gに溶解した溶液を反応温度70℃を越えない様に滴下した。滴下終了後、70℃、6時間反応させた後、酢酸エチル60gを加えた。得られたウレタン溶液の性状は不揮発分75.2%、NCO含有量7.75%、粘度1520cP/25℃であった。
撹拌機、窒素導入管、温度計及びコンデンサーを備えた1リットルのセパラブルフラスコにイソホロンジイソシアネート400g(1.8モル)、触媒としてジブチルスズジラウレート0.12gを仕込み、50℃に加温した。参考例4のラクトン重合体330g(0.6モル)を酢酸エチル183gに溶解した溶液を反応温度70℃を越えない様に滴下した。滴下終了後、70℃、6時間反応させた後、酢酸エチル60gを加えた。得られたウレタン溶液の性状は不揮発分75.2%、NCO含有量7.75%、粘度1520cP/25℃であった。
得られたウレタン溶液を用いて、ウレタン溶液とアクリルポリオール樹脂の比をNCO/OH=1.0とし、粘度は、フォードカップ粘度90秒になる様にシンナー(酢酸エチル/酢酸ブチル/トルエン/キシレン=20/30/25/25)で調整し、ガラス板上にアプリケーターを用い35μmの膜厚となるように塗布し、室温で1週間乾燥させ塗膜形成した。この塗膜を用いて粉吹き評価を行った。尚、アクリルポリオール樹脂は固形分50%、水酸基価50KOHmg/gを用いた。結果を表−2に示す。
[比較例4]
参考例8と同様にして比較例2のラクトン重合体からウレタン溶液を得た。但し、仕込量として比較例2のラクトン重合体552g(0.6モル)を使用した。得られたウレタン溶液の性状は、不揮発分75.0%、NCO含有量7.70%、粘度1580cP/25℃であった。得られたウレタン溶液について参考例8と同様にして粉吹き評価を行った。結果を表−2に示す。
参考例8と同様にして比較例2のラクトン重合体からウレタン溶液を得た。但し、仕込量として比較例2のラクトン重合体552g(0.6モル)を使用した。得られたウレタン溶液の性状は、不揮発分75.0%、NCO含有量7.70%、粘度1580cP/25℃であった。得られたウレタン溶液について参考例8と同様にして粉吹き評価を行った。結果を表−2に示す。
[参考例9]
撹拌機、窒素導入管、温度計及びコンデンサーを備えた1リットルのフラスコを用い、トルエン200部、酢酸ブチル200部、ジ−t−ブチルパーオキサイド4部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら120℃まで昇温した。120℃に到達した時点で、スチレン160部、メタクリル酸メチル32部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート48部、参考例5で得られたラクトン重合体160部、アゾビスイソブチルニトリル4部を均一に溶解した混合モノマー溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃で4時間熟成し、アクリルポリオール樹脂を得た。得られたアクリルポリオール樹脂の性状は、固形分50.1%、水酸基価49.2KOHmg/g、粘度(ガードナー)Jであった。得られたアクリルポリオール溶液を、ウレタン硬化剤「ジュラネート24A−100」(旭化成工業品)を用い、参考例8と同じウレタン溶液を用い、同じ条件で塗膜形成し、粉吹き評価を行った。その結果、粉吹き現象は観察されなかった。
撹拌機、窒素導入管、温度計及びコンデンサーを備えた1リットルのフラスコを用い、トルエン200部、酢酸ブチル200部、ジ−t−ブチルパーオキサイド4部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら120℃まで昇温した。120℃に到達した時点で、スチレン160部、メタクリル酸メチル32部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート48部、参考例5で得られたラクトン重合体160部、アゾビスイソブチルニトリル4部を均一に溶解した混合モノマー溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃で4時間熟成し、アクリルポリオール樹脂を得た。得られたアクリルポリオール樹脂の性状は、固形分50.1%、水酸基価49.2KOHmg/g、粘度(ガードナー)Jであった。得られたアクリルポリオール溶液を、ウレタン硬化剤「ジュラネート24A−100」(旭化成工業品)を用い、参考例8と同じウレタン溶液を用い、同じ条件で塗膜形成し、粉吹き評価を行った。その結果、粉吹き現象は観察されなかった。
Claims (3)
- ラクトンモノマーをチタン系化合物を触媒として重合させ、次いで生成物を薄膜蒸留しラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下であるラクトン重合体を得、次いで得られたラクトン重合体とイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
- 請求項1記載の製造方法により得られるポリウレタン樹脂。
- 請求項2記載ポリウレタン樹脂からなる塗料組成物。
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