JP2007284579A - 電気絶縁用ポッティング材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温使用時にも物性低下の少ないポリウレタン樹脂系ポッティング材料とその原料の樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 有機イソシアネート(A)、活性水素含有化合物(B)、およびラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(C)からなる電気絶縁性ポッティング材用組成物;および上記組成物を反応させてなる電気絶縁性ポッティング材。
。
【選択図】 なし
【解決手段】 有機イソシアネート(A)、活性水素含有化合物(B)、およびラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(C)からなる電気絶縁性ポッティング材用組成物;および上記組成物を反応させてなる電気絶縁性ポッティング材。
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【選択図】 なし
Description
本発明は、二液硬化型電気絶縁用ポッティング材に関する。
電気絶縁用ポッティング材は、トランス、コイル、コンデンサー、IC基板などの電気、電子部品や電線のジョイント部に電気的絶縁、固定、保護の目的で使用されている。
電気絶縁用ポッティング材としては、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとヒマシ油からのウレタンプレポリマーを使用したもの(例えば特許文献1)やポリメリックポリイソシアネートを使用したもの(例えば特許文献2)などが知られている。
しかしながら、高温使用時には、樹脂強度が低下するという問題があった。
特公昭59−33605号公報
特公平2−34964号公報
電気絶縁用ポッティング材としては、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートとヒマシ油からのウレタンプレポリマーを使用したもの(例えば特許文献1)やポリメリックポリイソシアネートを使用したもの(例えば特許文献2)などが知られている。
しかしながら、高温使用時には、樹脂強度が低下するという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、高温使用時にも物性低下の少ないポリウレタン樹脂系ポッティング材料を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、有機ポリイソシアネート(A)、活性水素含有化合物(B)、およびラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(C)からなる電気絶縁性ポッティング材用組成物である。
すなわち本発明は、有機ポリイソシアネート(A)、活性水素含有化合物(B)、およびラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(C)からなる電気絶縁性ポッティング材用組成物である。
本発明による電気絶縁性ポッティング材用組成物を用いれば、高温使用時でも物性劣化の少ないポッティング材を製造することができる。
本発明において、有機ポリイソシアネート(A)としては、芳香族ポリイソシアネート(A1)、脂肪族ポリイソシアネート(A2)、脂環族ポリイソシアネート(A3)、芳香脂肪族ポリイソシアネート(A4)が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート(A1)の具体例としては、炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネートであり、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−2,4−または4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、粗製TDI、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(粗製MDI)等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート(A2)の具体例としては、炭素数2〜12の脂肪族ポリイソシアネートであり、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート(A3)の具体例としては、炭素数8〜12の脂環族ポリイソシアネートであり、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI−H)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート(H−TDI)、1,4−ビス(2−イソシアネートエチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート(A4)の具体例としては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネートであり、キシリレンジイシシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
該(A)を構成する有機ポリイソシアネートとしては、(A1)、(A2)、(A3)、(A4)以外に、これらの有機ポリイソシアネートの変性物(A5)を使用することができる。
有機ポリイソシアネートの変性物(A5)の具体例としては、(A1)〜(A4)として上記に例示した有機ポリイソシアネートのイソシアネート基の代わりに、カルボジイミド基、ウレチジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、ウレタン基等を導入した変性物が挙げられる。
該(A)においては、これら有機ポリイソシアネート(A1)〜(A5)に特に限定はなく、ポッティング材としての要求性能、物性およびコストに合わせ、単独もしくは任意の組み合わせて使用することができる。
有機ポリイソシアネートの変性物(A5)の具体例としては、(A1)〜(A4)として上記に例示した有機ポリイソシアネートのイソシアネート基の代わりに、カルボジイミド基、ウレチジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、ウレタン基等を導入した変性物が挙げられる。
該(A)においては、これら有機ポリイソシアネート(A1)〜(A5)に特に限定はなく、ポッティング材としての要求性能、物性およびコストに合わせ、単独もしくは任意の組み合わせて使用することができる。
本発明における有機ポリイソシアネート(A)としては、上述の有機ポリイソシアネート(A1)〜(A5)だけでなく、イソシアネート基両末端ウレタンプレポリマー(a)も使用できは、このようなイソシアネート基両末端ウレタンプレポリマー(a)としては、上述の有機ポリイソシアネート(A1)〜(A5)と活性水素含有化合物(b)とから誘導され、且つ両末端にNCO基を有するものが挙げられる。
イソシアネート基両末端ウレタンプレポリマー(a)を製造する際の活性水素含有化合物(b)としては、多価アルコール類(b1)、ポリオキシアルキレンポリオール(b2)、ポリエテルポリオール(b3)、ポリオレフィンポリオール(b4)、アクリルポリオール(b5)、ヒマシ油系ポリオール(b6)、重合体ポリオール(b7)などが挙げられる。
多価アルコール類(b1)の具体例としては、脂肪族2価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレンジオールなど)、環状基を有する低分子ジオール類[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなど]、3価アルコール類(グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなど)、4官能以上の多価アルコール類(ソルビトール、シュークローズなど)などが挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオール(b2)としては、(b1)、フェノール類(ハイドロキノン、ビスフェノールAなど)など]に、アルキレンオキサイド(炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、たとえばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、およびこれらの併用)を付加(併用の場合の付加形態はブロックでもランダムでもよい)したもの;およびポリオキシアルキレンポリオールとハロゲン化アルキレン(ブロモクロロメタン、ジブロモエタンなど)とから誘導されるポリオールなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオール(b2)の具体例としては、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド6モル付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物とブロモクロロメタンとで平均分子量を1200にジャンプしたもの、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオール(b3)としては、前記に例示した(b1)とジカルボン酸類とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンポリオール、エチレンカーボネートと1,6−ヘキサンジオールの反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが含まれる。
縮合ポリエステルポリオールを構成するジカルボン酸類としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)、これらのジカルボン酸の無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルもしくはハライド(クロライドなど)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ラクトンとしては、例えばε-カプロラクトンが挙げられる。
これらのポリエステルポリオール(b3)の具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンプロピレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリブチレンヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンセバケート、ポリエチレンテレフタレ−ト等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
ポリオレフィンポリオール(b4)の具体例としては、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどが挙げられる。
アクリルポリオール(b5)としては、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]とそれ以外の単量体[II](例えば特開平4−292683号公報明細書に記載のエチレン性不飽和単量体)との共重合物などが挙げられる。
アクリルポリオール(b5)の具体例としては、ヒドロキシエチルアクリレートとエチルアクリレートの共重合物、ヒドロキシエチルアクリレートとエチルアクリレートとスチレンの共重合物などが挙げられる。
アクリルポリオール(b5)の具体例としては、ヒドロキシエチルアクリレートとエチルアクリレートの共重合物、ヒドロキシエチルアクリレートとエチルアクリレートとスチレンの共重合物などが挙げられる。
ヒマシ油系ポリオール(b6)としては、例えば、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体[ヒマシ油脂肪酸と多価アルコール類(b1)やポリオキシアルキレンポリオール(b2)とのポリエステルポリオール(ヒマシ油脂肪酸のモノ−またはジグリセライド、ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールプロパンとのモノ−、ジ−またはトリエステル、ヒマシ油脂肪酸とポリオキシプロピレングリコールとのモノ−またはジエステルなど)、ヒマシ油にアルキレンオキサイド(炭素数2〜4)を付加したもの、ヒマシ油とジフェニルメタンジイソシアネートとから誘導された水酸基末端プレポリマーなど]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
重合体ポリオール(b7)としては、前記(b2)〜(b6)の項で例示した各ポリオール[I]中で前記エチレン性不飽和単量体[II]を重合して得られる重合体ポリオールなどが挙げられる。
重合体ポリオール(b7)を構成するエチレン性不飽和単量体[II]の含量は
、通常0.1〜90質量%、好ましくは5.0〜80質量%である。
重合体ポリオール(b7)の製造法としては、例えば、ポリオール[I]中でエチレン性不飽和単量体[II]を重合開始剤の存在下に重合させる方法(米国特許第3383351号明細書、特公昭39−24737号、特公昭47−47999号、特開昭50−15894号公報など)が挙げられる。
重合体ポリオール(b7)を構成するエチレン性不飽和単量体[II]の含量は
、通常0.1〜90質量%、好ましくは5.0〜80質量%である。
重合体ポリオール(b7)の製造法としては、例えば、ポリオール[I]中でエチレン性不飽和単量体[II]を重合開始剤の存在下に重合させる方法(米国特許第3383351号明細書、特公昭39−24737号、特公昭47−47999号、特開昭50−15894号公報など)が挙げられる。
以上の活性水素含有化合物(b)として例示したものは、2種以上の混合物でも良い。 (b1)〜(b7)のうち好ましいものは、電気特性が良好な(b2)、(b4)、(b6)および(b7)であり、特に好ましいものは、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体、ポリブタジエンポリオールである。
該(b)の活性水素当量は、通常100〜3,000である。好ましくは、200〜2000である。官能基数は、通常2〜10であり、好ましくは、2〜4である。
有機ポリイソシアネート(A)のイソシアネート基含量は、通常1〜50質量%、好ましくは2〜35質量%、さらに好ましくは3〜32質量%である。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)の製法を例示すると、例えば反応缶に有機ポリイソシアネート(A)と活性水素含有化合物(b)を、(A)/(b)を1.1〜10の当量比で仕込み、反応温度50〜120℃で反応すれば製造できる。
本発明において、ポッティング材用組成物の必須構成成分である活性水素含有化合物(B)としては、
(i)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)の原料の活性水素含有化合物(b)として先に例示した、多価アルコール類(b1)、ポリオキシアルキレンポリオール(b2)、ポリエテルポリオール(b3)、ポリオレフィンポリオール(b4)、アクリルポリオール(b5)、ヒマシ油系ポリオール(b6)、重合体ポリオール(b7)などの水酸基を分子内に有するもの;
(ii)アミン化合物(例えば、ジエチレントリアミン、フェニレンジアミン、トリエタノールアミンなど)に前記に例示したアルキレンオキサイドを付加したもの(例えば、エチレンジアミンの5〜100モル付加物、トリエタノールアミンの3〜80モル付加物など)などが挙げられる。
(i)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)の原料の活性水素含有化合物(b)として先に例示した、多価アルコール類(b1)、ポリオキシアルキレンポリオール(b2)、ポリエテルポリオール(b3)、ポリオレフィンポリオール(b4)、アクリルポリオール(b5)、ヒマシ油系ポリオール(b6)、重合体ポリオール(b7)などの水酸基を分子内に有するもの;
(ii)アミン化合物(例えば、ジエチレントリアミン、フェニレンジアミン、トリエタノールアミンなど)に前記に例示したアルキレンオキサイドを付加したもの(例えば、エチレンジアミンの5〜100モル付加物、トリエタノールアミンの3〜80モル付加物など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、(b2)、(b3)、(b4)、(b6)、および(b7)であり、特に好ましいものは、(b2)のポリオキシプロピレンポリオール、(b3)の脂肪族ポリエステルポリオール、および(b6)のヒマシ油、ヒマシ油誘導体、(b7)のポリブタジエンポリオールである。
活性水素含有化合物(B)の活性水素当量は、通常300〜5,000である。好ましくは、500〜3,000である。官能基数は、通常2〜10であり、好ましくは、2〜4である。
本発明で用いられるラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(C)としては、(メタ)アクリル酸と多価アルコール類(b1)とのエステル(C1)[例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等];(メタ)アリルアルコールと2〜6価またはそれ以上の多価カルボン酸類とのエステル(C2)[例えばジアリルフタレート、トリメリット酸トリアリルエステル等];多価アルコール類(b1)のポリ(メタ)アリルエーテル(C3)[例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アリルエーテル等];多価アルコール類(b1)のポリビニルエーテル(C4)[例えばエチレングリコールジビニルエーテル等];多価アルコール類(b1)のポリプロペニルエーテル(C5)[例えばエチレングリコールジプロペニルエーテル等];ポリビニルベンゼン類(C6)[例えばジビニルベンゼン等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
なお、ここで示した多価アルコール類(b1)とは、先にイソシアネート基両末端ウレタンプレポリマー(a)を製造する際の活性水素含有化合物(b)として挙げた多価アルコール類(b1)として例示したものと同様のものである。
なお、ここで示した多価アルコール類(b1)とは、先にイソシアネート基両末端ウレタンプレポリマー(a)を製造する際の活性水素含有化合物(b)として挙げた多価アルコール類(b1)として例示したものと同様のものである。
化合物(C)として好ましいものは、(C1)および(C6)であり、(メタ)アクリル酸の二重結合がラジカル重合速度が早いため(C1)が更に好ましく、その中でも(メタ)アクリル酸と多価アルコール類(b1)とのエステルが特に好ましい。ここで多価アルコール類(b1)として好ましいのは脂肪族多価アルコールである。
化合物(C)の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの(C1)、ジビニルベンゼンなどの(C6)である。
(C)1分子中の不飽和基(非共役二重結合)数は通常2〜10、好ましくは3〜6である。官能基数が2未満では高温使用時に物性が低下し、10を越えると高温使用時に硬くなり初期の物性を維持できない。(C)は、二液を硬化したポッティング材が光(紫外線)や熱により劣化する際に生じるラジカルを捕捉して(C)自体が重合し、その結果ウレタン樹脂の分子鎖が切れることを防ぎ、耐熱性を向上させる作用を有する。
(C)の添加量は、(A)と(B)との合計量に対し、通常0.1〜15質量%であり、好ましくは、1〜10質量%である。添加量が0.1質量%未満では効果なく、15質量%を越えると(C)の架橋が進行し、硬くなりすぎる。
本発明のポッティング用材用組成物には、必要により触媒、充填剤、可塑剤、老化防止剤、難燃剤などを含有させても良い。
触媒としては、ジブチルチンジラウレート(DTD)、アルキルチタン酸塩、有機珪素チタン酸塩、スタナスオクトエート、オクチル酸鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ジブチル錫ジオルソフェニルフェノキサイド、錫オキサイドとエステル化合物(ジオクチルフタレートなど)の反応生成物などの金属系触媒、モノアミン類[トリエチルアミンなど]、ジアミン類[N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど]、トリアミン類[N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンなど]、環状アミン類[トリエチレンジアミンなど]などのアミン系触媒などが挙げられる。これらの触媒は二種以上を併用して使用しても良い。
充填剤としては、フィラー類(タルク、雲母など)、樹脂類(塩化ビニール、ポリエチレンなど)などが挙げられる。
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、塩素化パラフィン、石油樹脂などが挙げられる。
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、塩素化パラフィン、石油樹脂などが挙げられる。
老化防止剤としては、ヒンダードアミン系[4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(三共製「サノールLS−744」)など]、ヒンダードフェノール系[オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(日本チバガイギー製「イルガノックス1076」)など]、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど)、ベンゾトリアゾール系[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなど]などが挙げられる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ニツケル、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリス(トリブロモフェニル)フォスフェート、トリスジブロモプロピルフォスフェート、トリス(ジブロモフェニルフェニル)フォスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)フォスフェート、ジ(イソプロピル)−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、臭素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、臭素化ビスフェノールA、尿素、尿素誘導体(尿素とホルマリンの反応物など)、チオ尿素、メラミン、メラミン誘導体(メラミンとホルマリンの反応物など)、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、ジンクボレートなどが挙げられる。
本発明のポッティング剤組成物を硬化反応させるにあたっての(A)と(B)の配合比(A)/(B)[(A)のイソシアネート基と(B)の活性水素の当量比]は、通常、1/0.7〜1/1.5ある。
硬化方法としては特に制限はないが、例えば(A)と(B)を前記当量比範囲内で混合して対象物に流し込み、常温から100℃の温度範囲で硬化させる。
以下実施例により本発明を更に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。以下において%は質量%を、比は質量比を示す。
[NCO両末端ウレタンプレポリマー(a)の製造]
製造例1
100質量部のTDIに対して、330質量部のポリオキシプロピレングリコール(分子量2,000)を80℃で5時間反応させて、NCO含量8.0%のNCO両末端ウレタンプレポリマー(a−1)を得た。
製造例1
100質量部のTDIに対して、330質量部のポリオキシプロピレングリコール(分子量2,000)を80℃で5時間反応させて、NCO含量8.0%のNCO両末端ウレタンプレポリマー(a−1)を得た。
製造例2
100質量部のMDIに対して、50質量部のひまし油(分子量約1,000)を80℃で5時間反応させて、NCO含量18.0%の(a−2)を得た。
100質量部のMDIに対して、50質量部のひまし油(分子量約1,000)を80℃で5時間反応させて、NCO含量18.0%の(a−2)を得た。
製造例3
100質量部のMDIに対して、50質量部のエチレングリコールとアジピン酸を脱水縮合して得られたエステル(分子量約2,000)を80℃で4時間反応させて、NCO含量21.0%の(a−3)を得た。
100質量部のMDIに対して、50質量部のエチレングリコールとアジピン酸を脱水縮合して得られたエステル(分子量約2,000)を80℃で4時間反応させて、NCO含量21.0%の(a−3)を得た。
実施例1
粗製MDI(A−1)100質量部に対し、プロピレングリコールのプロリレンオキサイド付加物(数平均分子量約3,000)(B−1)1,000質量部、ジビニルベンゼン(C−1)20質量部、ジブチルチンジラウレート(DTD)1.0質量部の混合物を加え、均一に混合後、厚み2mmの金型に注型し、70℃で12時間硬化させて試験体を得た。
粗製MDI(A−1)100質量部に対し、プロピレングリコールのプロリレンオキサイド付加物(数平均分子量約3,000)(B−1)1,000質量部、ジビニルベンゼン(C−1)20質量部、ジブチルチンジラウレート(DTD)1.0質量部の混合物を加え、均一に混合後、厚み2mmの金型に注型し、70℃で12時間硬化させて試験体を得た。
実施例2
製造例1で得られたNCO末端ウレタンプレポリマー(a−1)100質量部に対し、ひまし油(数平均分子量約1,000)(B−2)65質量部、トリメチロールプロパンのトリアクリレート(C−2)25質量部、DTD0.2質量部の混合物を加え、均一に混合後、厚み2mmの金型に注型し、70℃で12時間硬化させて試験体を得た。
製造例1で得られたNCO末端ウレタンプレポリマー(a−1)100質量部に対し、ひまし油(数平均分子量約1,000)(B−2)65質量部、トリメチロールプロパンのトリアクリレート(C−2)25質量部、DTD0.2質量部の混合物を加え、均一に混合後、厚み2mmの金型に注型し、70℃で12時間硬化させて試験体を得た。
実施例3
製造例2で得られたNCO末端ウレタンプレポリマー(a−2)100質量部に対し、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物(数平均分子量約3,000)(B−3)390質量部、ジペンタエリスリトールのペンタアクリレート(C−3)25質量部、DTD0.5質量部の混合物を加え、均一に混合後、厚み2mmの金型に注型し、70℃で12時間硬化させて試験体を得た。
製造例2で得られたNCO末端ウレタンプレポリマー(a−2)100質量部に対し、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物(数平均分子量約3,000)(B−3)390質量部、ジペンタエリスリトールのペンタアクリレート(C−3)25質量部、DTD0.5質量部の混合物を加え、均一に混合後、厚み2mmの金型に注型し、70℃で12時間硬化させて試験体を得た。
実施例4
製造例3で得られたNCO末端ウレタンプレポリマー(a−3)100質量部に対し、エチレングリコールとアジピン酸を脱水縮合して得られたポリエステル(数平均分子量約2,000)(B−4)450質量部、トリメチロールプロパンのトリアクリレート(C−2)50質量部、DTD0.5質量部の混合物を加え、均一に混合後、厚み2mmの金型に注型し、70℃で12時間硬化させて試験体を得た。
製造例3で得られたNCO末端ウレタンプレポリマー(a−3)100質量部に対し、エチレングリコールとアジピン酸を脱水縮合して得られたポリエステル(数平均分子量約2,000)(B−4)450質量部、トリメチロールプロパンのトリアクリレート(C−2)50質量部、DTD0.5質量部の混合物を加え、均一に混合後、厚み2mmの金型に注型し、70℃で12時間硬化させて試験体を得た。
比較例1
実施例1で(C−1)を使用しないこと以外は同様にして成形し、試験体を得た。
実施例1で(C−1)を使用しないこと以外は同様にして成形し、試験体を得た。
比較例2
比較例1でさらに酸化防止剤イルガノックス1076を5質量部を使用する以外は同様にして成形し、試験体を得た。
比較例1でさらに酸化防止剤イルガノックス1076を5質量部を使用する以外は同様にして成形し、試験体を得た。
比較例3
実施例2で(C−2)を使用しないこと以外は同様にして成形し、試験体を得た。
実施例2で(C−2)を使用しないこと以外は同様にして成形し、試験体を得た。
比較例4
実施例3で(C−3)を使用しないこと以外は同様にして成形し、試験体を得た。
実施例3で(C−3)を使用しないこと以外は同様にして成形し、試験体を得た。
<評価方法>
上記の方法で得られた2mm厚みの試験体から、JIS1号ダンベルを用いて、引張強さの試験片を作成した。オートグラフを用いて、引張強さ(JIS K7152に準拠;引張速度100mm/min)を測定し、初期の物性強度(TS−1)とした。
同様の試験片を150℃で200時間保持し、常温まで冷却後、同様の方法で引張強さを測定し、処理後の物性強度(TS−2)とした。
(TS−2)の(TS−1)に対する比率(%)[(TS−2)/(TS−1)×100]を引張強さ保持率として、耐熱性の評価指標とした。
この耐熱性評価結果を表1に示した。
上記の方法で得られた2mm厚みの試験体から、JIS1号ダンベルを用いて、引張強さの試験片を作成した。オートグラフを用いて、引張強さ(JIS K7152に準拠;引張速度100mm/min)を測定し、初期の物性強度(TS−1)とした。
同様の試験片を150℃で200時間保持し、常温まで冷却後、同様の方法で引張強さを測定し、処理後の物性強度(TS−2)とした。
(TS−2)の(TS−1)に対する比率(%)[(TS−2)/(TS−1)×100]を引張強さ保持率として、耐熱性の評価指標とした。
この耐熱性評価結果を表1に示した。
表1より明らかなように、本発明の実施例はいずれも150℃の加熱下200時間後でも50%以上の保持率を有し、過酷な条件でも優れた耐熱性を示す。一方、本発明の必須成分(C)を欠く比較例1、3、4はいずれも硬化したウレタン樹脂が溶融して、形状を保持できず(保持率は0%)であり、また、耐熱性向上のために酸化防止剤を添加しても5%の保持率しか示さない。
本発明の電気絶縁用ポッティング剤は、従来のものに比べ、高温使用時の物性劣化が少なく、機械強度、耐熱性が優れている。
上記効果を奏することから本発明の電気絶縁用ポッティング剤は、高温環境下で使用される電気絶縁用材料に特に有用である。また、シーラント、建築用部材、接着剤、塗料などにも有用である。
上記効果を奏することから本発明の電気絶縁用ポッティング剤は、高温環境下で使用される電気絶縁用材料に特に有用である。また、シーラント、建築用部材、接着剤、塗料などにも有用である。
Claims (5)
- 有機ポリイソシアネート(A)、活性水素含有化合物(B)、およびラジカル重合性不飽和基を分子中に2個以上含有する化合物(C)からなる電気絶縁性ポッティング材用組成物。
- 該有機ポリイソシアネート(A)が、イソシアネート基両末端ウレタンプレポリマー(a)である請求項1記載のポッティング材用組成物。
- 該化合物(C)が、ラジカル重合性不飽和基を3〜6個含有する請求項1または2いずれか記載のポッティング材用組成物。
- 該化合物(C)が、(メタ)アクリル酸と多価アルコール類(b1)とのエステル(C1)である請求項1〜3いずれか記載のポッティング材用組成物。
- 請求項1〜4記載のポッティング材用組成物を硬化反応させてなる電気絶縁性ポッティング材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006114036A JP2007284579A (ja) | 2006-04-18 | 2006-04-18 | 電気絶縁用ポッティング材 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015182367A1 (ja) * | 2014-05-28 | 2015-12-03 | 第一工業製薬株式会社 | ポリウレタン樹脂組成物、それを用いてなる成型体および電気電子部品 |
WO2023155400A1 (zh) * | 2022-02-17 | 2023-08-24 | 道生天合材料科技(上海)股份有限公司 | 聚氨酯灌封胶 |
-
2006
- 2006-04-18 JP JP2006114036A patent/JP2007284579A/ja active Pending
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