JP6198597B2 - 画像表示装置の製造方法およびその製造方法により製造された画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばスマートフォンやタブレットPC等に用いられる液晶表示装置等の画像表示装置の製造方法およびその製造方法により製造された画像表示装置に関する。
従来、この種の画像表示装置としては、例えば図9に示す液晶表示装置101が知られている。
図9に示すように、この液晶表示装置101は、液晶表示パネル102上に、例えば、ガラスやプラスチックスからなる透明な保護部103を有している。
この場合、液晶表示パネル102表面および偏光板(図示せず)を保護するため、保護部103との間にスペーサ104を介在させることによって液晶表示パネル102と保護部103との間に空隙105が設けられている。
しかし、液晶表示パネル102と保護部103との間の空隙105の存在により、光の散乱がおき、それに起因してコントラストや輝度が低下し、また空隙105の存在はパネルの薄型化の妨げとなっている。
このような問題に鑑み、液晶表示パネルと保護部との間の空隙に樹脂を充填すること(図1参照)も提案されている(例えば特許文献1)。
また、近年、携帯電話においてはスマートフォンが主流になりつつあり、タブレットPCと言われる機器も急速に広まっている。このような機器には静電容量方式のタッチパネルが搭載されているのが一般的である。静電容量方式のタッチパネルの一例として、図2あるいは図3に示すアウトセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサー7と保護部3との間に充填される重合物(層)(図2および図3に記載の5aの重合物(層))、表示部2とタッチセンサー7との間に充填される重合物(層)(図2および図3に記載の5bの重合物(層))、カバーガラス−タッチセンサー一体型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中の表示部2とタッチセンサー一体型の保護部3との間に充填される重合物(層)(図4および図5に記載の5bの重合物(層))、オンセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサーを表面に有する表示部2と保護部3との間に充填される重合物(層)(図6に記載の5aの重合物(層))およびインセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサーを表面に有する表示部2と保護部3との間に充填される重合物(層)(図7および図8に記載の5aの重合物(層))を挙げることができる。
これらの重合物(層)の製造方法には、大きく分けて、例えば、特許文献2に記載のように、アウトセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサーと保護部との間、表示部とタッチセンサーとの間、カバーガラス−タッチセンサー一体型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中の表示部とタッチセンサー一体型の保護部との間、オンセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサーを表面に有する表示部と保護部との間、あるいはインセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサーを表面に有する表示部と保護部との間に、重合性組成物を介在させ、紫外線を照射し、この重合性組成物を重合させて重合物層を形成する工程を有する画像表示装置の製造方法と、アウトセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサーと保護部との間、表示部とタッチセンサーとの間、カバーガラス−タッチセンサー一体型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中の表示部とタッチセンサー一体型の保護部との間、オンセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサーを表面に有する表示部と保護部との間、あるいはインセル型静電容量方式タッチパネル搭載表示装置中のタッチセンサーを表面に有する表示部と保護部との間を、例えば、特許文献3に記載のような光学粘着シートを用いて貼り合せる工程を有する画像表示装置の製造方法がある。
前者の方法では、画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間、画像表示部を有する基部と透光性のタッチセンサー部との間、あるいは透光性のタッチセンサー部と透光性の保護部との間に、重合性組成物を介在させ、貼り合せ機等を用いて所定の厚みにし、透光性の保護部および/または透光性のタッチセンサー部の全面に、露光機を用いて光を照射し、重合性組成物を重合させて重合物層を形成する工程を有する画像表示装置の製造方法が行われている。
近年、表示画像のコントラストやデザイン性を向上させる目的で、例えば図1に示す液晶表示装置1の透明な保護部3に、一般に加飾印刷と呼称される黒色あるいは白色枠状の遮光部8が形成されることがある。しかし、この場合において液晶表示パネル2と透明な保護部3との間に重合性組成物を介在させ、透明な保護部の側から光を照射して重合性組成物を重合させて重合物層5bを形成しようとすると、遮光部8により光が到達しない領域にある重合性組成物が十分に重合せず、そのため未硬化の重合性組成物が流れだして液晶表示パネルやその他の部材を汚染し、外観不良や動作不良の原因となるおそれがある。
このような課題を解決すべく、例えば特許文献4に記載のように重合性組成物中に熱重合開始剤を添加し、光重合と熱重合を併用することで重合性組成物を硬化させて重合物層を形成する画像表示装置の製造方法がある。
特開2005−55641号公報 特開2009−186958号公報 特開2012−233060号公報 特開2012−145955号公報
本発明は、上記の従来技術の有する課題を鑑みてなされたものであり、画像表示部を有する基部と、遮光部を有する透光性の保護部との間に介在させた重合性組成物を、遮光部により光が十分に到達しない領域まで硬化可能である新規の画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、この画像表示装置の製造方法により製造された画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、画像表示部を有する基部と遮光部を有する透光性の保護部との間に重合性組成物を介在させる際に適応可能であり、さらに、前記重合性組成物として、特定の化合物を含む重合性組成物を用いることによって、遮光部を有する透光性の保護部越しに光を照射する場合に遮光部により光が十分に到達しない領域にバックライトから光を照射して硬化させる画像表示装置の製造方法を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明(I)は、
画像表示部を有する基部と、透光性の保護部と、バックライトとを有する画像表示装置の製造方法であって、
該方法は、
(工程1)画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程、
(工程2)透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程、および、
(工程3)画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程
を含み、
重合性組成物が、
(成分1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および
(成分2)400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤
を含み、
重合性組成物の25℃の粘度が500〜50000mPa・sであることを特徴とする方法に関する。
本発明(II)は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置に関する。
さらに言えば、本発明は、以下の[1]〜[16]に関する。
[1] 画像表示部を有する基部と、透光性の保護部と、バックライトとを有する画像表示装置の製造方法であって、
該方法は、
(工程1)画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程、
(工程2)透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程、および、
(工程3)画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程
を含み、
重合性組成物が、
(成分1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および
(成分2)400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤
を含み、
重合性組成物の25℃の粘度が500〜50000mPa・sであることを特徴とする方法。
[2] 透光性の保護部が遮光部を有することを特徴とする[1]に記載の画像表示装置の製造方法。
[3] バックライトの光源が、冷陰極管、白色LEDおよびRGB3色LEDからなる群より選択された少なくとも1種であることを特徴とする[1]または[2]に記載の画像表示装置の製造方法。
[4] 成分2が、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[5] 透光性の保護部の透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程において、光の照射量が、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて観測されるエネルギーで、1000〜10000mJ/cmの範囲であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[6] 成分1が、数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物および分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物を含むことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[7] 数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする[6]に記載の画像表示装置の製造方法。
[8] ウレタン(メタ)アクリレートが水添ダイマージオールとジエステルとのエステル交換反応により得られるポリエステルポリオールの残基を含むことを特徴とする[7]に記載の画像表示装置の製造方法。
[9] 分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物が、
炭素数8〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートおよびエーテル結合を有する(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物、ならびに
(メタ)アクリルアミド系化合物およびアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[6]〜[8]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[10] 重合性組成物が、さらに、
(成分3)炭素原子および水素原子のみで構成された化合物、または炭素原子、水素原子および酸素原子のみで構成された化合物
を含むことを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[11] 成分3が、
25℃で液状である化合物および25℃で固体である化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[10]に記載の画像表示装置の製造方法。
[12] 成分3が、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオール、液状水添ポリイソプレンポリオールおよび水添ダイマージオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[10]または[11]に記載の画像表示装置の製造方法。
[13] 成分3は、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[10]または[11]に記載の画像表示装置の製造方法。
[14] 成分3が、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
リ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状水添ポリブタジエン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[11]に記載の画像表示装置の製造方法。
[15] 成分3が、25℃で固体である化合物を含み、
前記25℃で固体である化合物は、
水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂および水添ロジンエステルからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[11]に記載の画像表示装置の製造方法。
[16] [1]〜[15]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置。
本発明の画像表示装置の製造方法によれば、画像表示部を有する基部と遮光部を有する透光性の保護部との間の重合性組成物を硬化する場合においても、遮光部に形成された重合性組成物も十分に硬化可能であり、さらに硬化した重合性組成物と透光性の保護部や画像表示部を有する基部との密着性も良好である画像表示装置を製造することが可能である。
図1は、画像表示装置の第1の実施形態の要部を示す断面図である。 図2は、画像表示装置の第2の実施形態の要部を示す断面図である。 図3は、画像表示装置の第3の実施形態の要部を示す断面図である。 図4は、画像表示装置の第4の実施形態の要部を示す断面図である。 図5は、画像表示装置の第5の実施形態の要部を示す断面図である。 図6は、画像表示装置の第6の実施形態の要部を示す断面図である。 図7は、画像表示装置の第7の実施形態の要部を示す断面図である。 図8は、画像表示装置の第8の実施形態の要部を示す断面図である。 図9は、従来技術に係る画像表示装置の要部を示す断面図である。 図10は、画像表示装置の工程1および工程2の概略を示す図である。 図11は、画像表示装置の工程1および工程2の別の実施形態の概略を示す図である。 図12は、画像表示装置の工程3の概略を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明(I)について説明する。
本発明(I)は、
画像表示部を有する基部と、透光性の保護部と、バックライトとを有する画像表示装置の製造方法であって、
該方法は、
(工程1)画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程、
(工程2)透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程、および、
(工程3)画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程
を含み、
重合性組成物が、
(成分1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および
(成分2)400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤
を含み、
重合性組成物の25℃の粘度が500〜50000mPa・sであることを特徴とする方法である。
まず、画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程(以下、工程1ともいう。)について説明する。
なお、本明細書に記載の「画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間」とは、例えば、図1、図4、図5の5b部や、図6〜図8の5a部を意味する。
また、本発明は、透光性の保護部が遮光部を有する場合に特に顕著な効果を奏するので、以下、透光性の保護部が遮光部を有する態様を例に挙げて説明するが、本発明はその態様に限定されない。
画像表示部を有する基部と、遮光部を有する透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる方法には、特に制限はない。画像表示部を有する基部上に、重合性組成物を塗布し、その後、画像表示部を有する基部の重合性組成物塗布面と遮光部を有する透光性の保護部の貼り合せ面とを重合性組成物を介して接触させても、遮光部を有する透光性の保護部の貼り合せ面上に、重合性組成物を塗布し、その後、遮光部を有する透光性の保護部の重合性組成物塗布面と画像表示装置の画像表示部を有する基部の貼り合せ面とを重合性組成物を介して接触させてもいっこうにかまわない。
さらに、接触させた後、画像表示部を有する基部と遮光部を有する透光性の保護部の間にある重合性組成物を押し広げて、重合性組成物の厚みを所望の厚みに調整することが必要であるが、上面に配した部の自重のみで押し広げても、外部より圧力をかけて押し広げてもいっこうにかまわず、特に制限はない。
また、これらの貼り合せには、貼り合せ機が使用されるのが一般的である。しかし、本発明において、貼り合せ機を使用することは必須ではなく、貼り合せ機を用いずに本工程を行ってもいっこうにかまわない
次に、透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程(以下、工程2ともいう。)について説明する。
図10は、画像表示装置の製造工程の概略を示す図である。重合前の重合性組成物を介在させた物品11に、貼り合せ機12を重ね合わせ、物品11を所定の厚みにする(工程b)。なお、12は、貼り合せ機を上方から見た図であり、貼り合せ機の貼り合せ部分の上面を意味する。13は透光性の部分である。貼り合せ機12を用いて所定の厚みにされた物品11は、重ね合わせが解除され、貼り合せ機12から取り出される(工程d)。貼り合せ機12から取り出された物品11は、露光機のランプ14を用いて、物品11の遮光部を有する透光性の保護部の全面に光が照射される(工程e)。この光の照射により、重合性組成物が重合し、重合物層が介在した物品16が得られる。(f)に示す物品16において、点模様が付された部分は重合性組成物が重合した部分を示す。
この工程で使用されるランプについては、成分2を含む重合性組成物中に含有される光重合開始剤が感光可能な光を発することのできるランプであれば特に制限はないが、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧UVランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LEDランプ等を使用することができる。また、ランプの照射面積が遮光部を有する透光性の保護部の透光部の片面全体よりも大きいか、あるいはコンベア方式の露光機等の、遮光部を有する透光性の保護部の透光部の片面全体を短時間で光照射可能な装置を用いることが好ましい。
また、この工程での光の照射量は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて観測されるエネルギーで、1000〜10000mJ/cmであることが好ましく、より好ましくは1500〜9000mJ/cmであり、さらに好ましくは2000〜8000mJ/cmである。このような365nmを検出する紫外線積算光量計としては、例えば、岩崎電機株式会社製 アイ紫外線積算照度計 UIT−250等を挙げることができる。
また、この工程で使用される光の照度は、365nmを検出する照度計を用いて観測されるエネルギーで、10〜400mW/cmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、30〜300mW/cmの範囲であり、特に好ましくは、50〜200mW/cmの範囲である。10mW/cm未満の場合には、照度不足になり、重合性組成物の種類によっては、重合に必要な照度が不足してしまう可能性があり、好ましいこととはいえない。また、この工程で使用される光の照度は、365nmを検出する照度計を用いて観測されるエネルギーで、400mW/cmより大きい場合には、重合性組成物の種類によっては反応率が90%未満しか進まない場合があり、好ましいこととは言えない。なお、365nmを検出する照度計としては、例えば、岩崎電機株式会社製 アイ紫外線積算照度計 UIT−250等を挙げることができる。
光の照射は、通常、1回で行うことができる。しかしながら、光の照射を2回以上に分けて行ってもよい。
また、貼り合せ機越しに重合性組成物の一部に光を照射(仮露光)し、その後、貼り合せ機から取り出し、重合性組成物の全面に光を照射(本露光)してもよい。すなわち、画像表示装置の画像表示部を有する基部と遮光部を有する透光性の保護部との間に重合性組成物を介在させ、次いで、重合性組成物の一部に、遮光部を有する透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させ、次いで、遮光部を有する透光性の保護部の全面に光を照射することにより、部分的に重合された箇所を含む重合性組成物を重合してもよい。
この仮露光と本露光を組み合わせて画像表示装置を製造する場合の例を、図11を参照して説明する。
まず、画像表示部を有する基部と遮光部を有する透光性の保護部との間に重合性組成物を介在させて、重合前の重合性組成物を介在させた物品11を作製する。重合前の重合性組成物を介在させた物品11に、透光性の部分13を有する貼り合せ機12を重ね合わせ、物品11を所定の厚みにする(工程b)。なお、12は、貼り合せ機を上方から見た図であり、貼り合せ機の貼り合せ部分の上面を意味する。次いで、貼り合せ機12の透光性の部分13を通して、遮光部を有する透光性の保護部の一部に、仮露光用ランプ15を用いて光を照射し、重合性組成物を部分的に重合(仮重合)させる(工程c)。貼り合せ機12を用いて所定の厚みにされ、かつ部分的に重合された箇所を含む重合性組成物が介在する物品11は、重ね合わせが解除され、貼り合せ機12から取り出される(工程d)。工程dに示された物品11において、点模様が付された部分は重合性組成物が重合した部分を示す。貼り合せ機12から取り出された物品11は、その後、コンベアタイプ等の大型露光機内のランプ14を用いて、物品11の遮光部を有する透光性の保護部の全面に光が照射される(工程e)。この光の照射により、重合性組成物の全面が重合し、重合物層が介在した物品16が得られる。
また、この仮露光と本露光を組み合わせて画像表示装置を製造する場合の例では、遮光部を有する透光性の保護部越しに、重合性組成物の一部に光を照射することになる。ここでいう「一部」とは、充填された重合性組成物の全面積より少なくかつこの仮露光の工程の後から後述の次の工程が開始するまでの時間、貼り合せた保護部と画像表示部を有する基部がずれない程度の面積であればよいことを意味する。この仮露光の工程では、一般的には、充填された重合性組成物の全面積に対して3〜70%に光を照射することが好ましく、より好ましくは4〜65%、さらに好ましくは5〜60%である。充填された重合性組成物の全面積の3%未満にしか光を照射しない場合には、この仮露光の工程の後から後述の次の工程が開始するまでの時間に貼り合せた保護部と画像表示部を有する基部がずれたり、光を照射しない部分の重合性組成物が流動して、貼り合せた面の端から流れ出てしまう可能性があり、好ましいこととはいえない。また、充填された重合性組成物の全面積に対して、70%以上に光を照射することは、貼り合せ面積が小さい場合には可能であるが、貼り合せの面積が大きくなると、貼り合せ機の設計上の大きな制約事項になるかあるいは貼り合せ機の蓋越しにそのような大面積を光照射することは、露光機も大がかりなものとならなければならず、実用的であるとはいえない。
この仮露光の工程で使用されるランプについては、成分2を含む重合性組成物に含有される光重合開始剤が感光可能な光を発することのできるランプであれば特に制限はないが、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧UVランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、LEDランプ等を使用することができる。
この仮露光の工程で使用される光の照射量は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、10〜1000mJ/cmであることが好ましく、より好ましくは100〜900mJ/cmであり、さらに好ましくは130〜800mJ/cmである。この仮露光の工程での光の照射量は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、10mJ/cm未満の場合には、必要とされるほど仮重合が進行しないことがあり好ましいこととは言えない。また、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、1000mJ/cmより多い場合には、重合性組成物の組成によっては、仮重合が行われた箇所と仮重合が行われなかった箇所の境界の近傍に、境界線(屈折率差によって生ずる線)が発生してしまう可能性があり好ましいこととは言えない。
なお、本明細書に記載の「365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値」とは、ウシオ電機株式会社製 紫外線積算光量計 UIT−250を用いて測定された積算光量の値である。
次に、画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程(以下、工程3ともいう。)について説明する。尚、バックライトとは画像表示装置における画像表示部の裏側に配置された光源のことであり、バックライトユニットとは画像表示部全体にムラなく光を行き渡らせるための、バックライトを備えた部材のことである。
画像表示部を有する基部と、遮光部を有する透光性の保護部との間に介在させた重合性組成物を、透明な保護部の側から光を照射して重合させると、遮光部により光が到達しない領域にある重合性組成物が十分に重合せず、未硬化の重合性組成物が流れだして液晶表示パネルやその他の部材を汚染し、外観不良や動作不良などを引き起こすおそれがある。この工程はそれを防止するために未硬化の重合性組成物を、流動性を失わせる程度に硬化するものである。以下、この工程を、図12を参照して説明する。
前述の工程1および工程2により得られた、重合物層5が介在した物品16を、画像表示部を有する基部16aがバックライトユニット17側になるように物品16をバックライトユニット17に装填し、バックライトから光を照射する(工程b)。この光の照射により物品16の遮光部により工程2の光が到達しない領域にある重合性組成物が重合し、重合物層が介在した画像表示装置1が得られる。
尚、この工程において、画像表示部を有する基部がバックライトユニットを含む構造であった場合には、重合物層が介在した物品16を得た後にバックライトから光を照射することにより、重合物層が介在した画像表示装置1を得ることができる。
この工程により、遮光部により光が到達しない領域にあった未硬化の重合性組成物が流動しない程度に重合され、重合物が介在した画像表示装置を得ることができる。ここでいう「流動しない程度」とは、製造した画像表示装置を垂直に設置した際に、重合物の垂れや流失が見られない程度であることを意味する。
このバックライトから光を照射することによる硬化の工程に使用できるバックライトの種類については、通常画像表示装置に用いられる物であれば特に制限はないが、例えば、冷陰極管、白色LED、RGB3色LEDなどが挙げられる。また、この工程に使用できるバックライトユニットの光源の配置方式については、バックライトを光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる導光板内で多重反射させるエッジライト方式、あるいは導光板を用いない直下型方式のいずれの方式でも特に制限はない。
このバックライトの照射による硬化の工程で使用される光の照射量は、画像表示部を有する基部越しに、405nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、0.1〜100mJ/cmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜80mJ/cmである。このバックライトの照射による硬化の工程での光の照射量は、405nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、0.1mJ/cm未満の場合には、流動しない程度まで反応が進行しないことがあり好ましいこととは言えない。また、405nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、100mJ/cmより多く照射量を得るためには、バックライトユニットの構造、光源および画像表示部を有する基部の種類にもよるが、非常に長時間におよぶ光の照射が必要であり、好ましいこととは言えない。
このような405nmを検出する紫外線積算光量計としては、例えば、岩崎電機株式会社製 アイ紫外線積算照度計 UVPF−A1等を挙げることができる。
次に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物について説明する。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の25℃の粘度は500〜50000mPa・sであり、好ましくは650〜47000mPa・sであり、より好ましくは800〜45000mPa・sである。25℃での重合性組成物の粘度が500mPa・s未満の場合には、保護部、タッチセンサー部あるいは画像表示部を有する基部の上面に、重合性組成物を塗布し、その塗布した面を反転させ、下面にして、貼り合せに使用するもう一方の部と貼り合せる手法をとる場合には、反転させた際に、液が塗布面から流れ落ちてしまうことがある。また、保護部、タッチセンサー部あるいは画像表示部を有する基部に、重合性組成物を塗布し、貼り合せに使用するもう一方の部を上から押し当てる場合には、塗布した重合性組成物が該重合性組成物の自重で流れてしまい、貼り合せに使用するもう一方の部を上から押し当てる際に、空気を巻き込み、貼り合せたものの中に気泡が残存したままになってしまう。25℃での重合性組成物の粘度が50000mPa・sより高い場合には、2つの貼り合せに使用する部を、重合性組成物を介して重ね合せた後の重合性性組成物の流動性が極端に小さくなり、特に、貼り合せ面積が大きい場合には、貼り合せ面の全面に重合性組成物を行き渡らせるのに長い時間が必要になってしまい、好ましくない。
なお、本明細書に記載の粘度は、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式:DV−II+Pro、スピンドルの型番:CPE−42)を用いて、回転数5rpmの条件で測定された粘度の値である。
次に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の成分である成分1について説明する。
成分1は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味する。すなわち、成分1は、アクリロイル基とメタクリロイル基のいずれか、あるいは、両方を分子内に有する化合物である。
ただし、前述のように成分1を含む重合性組成物の25℃での粘度は、500〜50000mPa・sでなければならない。従って、これらの条件を容易に満たすには、成分1は数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物および分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物を併用して用いることが好ましい。
数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物は、25℃での粘度は500mPa・sよりもずっと大きいことが多い。これらの高分子化合物と分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物を併用することにより、容易に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の25℃での粘度を500〜50000mPa・sに調整することができる。
本願における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された、ポリスチレン換算の値である。
また、材料面からみると、数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物がウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとは、1つ以上のウレタン結合を有しかつ1つ以上の(メタ)アクリレート基を有する化合物である。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリエステルポリオール系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリイソプレン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン系ウレタン(メタ)アクリレートおよび水添ポリイソプレン系ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレート、またはポリオールとイソシアナト基含有(メタ)アクリレートを反応させることで得られる化合物である。この際選ばれるポリオール、ポリイソシアネート、水酸基含有(メタ)アクリレート、イソシアナト基含有(メタ)アクリレートに特に制限は無い。
ウレタン(メタ)アクリレートの製造原料としてのポリオールの具体例としては、水添ダイマージオール(鎖状のもの)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ポリオレフィンポリオール、水添ポリオレフィンポリオール等のダイマージオール以外の鎖状脂肪族ポリオール、水添ダイマージオール(脂環構造を有するもの)、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、2−メチルシクロヘキサン−1,1−ジメタノール等のダイマージオール以外の脂環構造を有するポリオール、トリマートリオール、p−キシリレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物、ビフェノールエチレンオキサイド付加物等の芳香環を有するポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール、α,ω−ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)ジオール、α,ω−ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンカーボネート)ジオール、α,ω−ポリ[(1,6−ヘキシレン:3−メチル−ペンタメチレン)カーボネート]ジオール、α,ω−ポリ[(1,9−ノニレン:2−メチル−1,8−オクチレン)カーボネート]ジオール等の(ポリ)カーボネートジオール、ダイマージオールとジエステルとのエステル交換反応により得られるポリエステルポリオール、水添ダイマー酸から誘導される構造単位および水添ダイマージオールから誘導される構造単位を有するポリエステルポリオールが挙げられ、市販品としては、ダイセル化学株式会社製の商品名PLACCEL、CD−205、205PL、205HL、210、210PL、210HL、220、220PL、220HL、株式会社クラレ製の商品名クラレポリオールC−590、C−1065N、C−1015N、C−2015N等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。また、主に基材への密着性の観点から、芳香環を有するポリオール、ポリエーテルポリオール、(ポリ)カーボネートジオール、ポリエステルポリオールが好ましい。更に好ましくは、ダイマージオールとジエステルとのエステル交換反応により得られるポリエステルポリオールである。
ウレタン(メタ)アクリレートの製造原料としてのポリイソシアネートの具体例としては、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、リシントリイソシアネート、リシンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンメチレンジイソシアネートおよびノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。イソシアナト基含有(メタ)アクリレートとしては、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの中でも、水添ダイマージオールとジエステルとのエステル交換反応により得られるポリエステルポリオールの残基を含むウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ここで、ポリエステルポリオールの残基とは、ポリエステルポリオールからその少なくとも2個のヒドロキシル基の水素を取り除いた残りをいう。
ポリエステルポリオールの原料であるジエステルを構成するジカルボン酸としては、特に限定するものではないが、例えば、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸等を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。これらの中で好ましいものとしては、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2−シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸であり、さらに好ましくは、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸である。特に好ましくは、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸である。
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリカルボン酸のエステルとしては、前記のポリカルボン酸の低級アルキルエステルが一般的に使用される。
ポリエステルポリオールの原料である水添ダイマージオールとは、ダイマー酸、水添ダイマー酸およびその低級アルコールエステルの少なくとも1種を触媒存在下で還元して、ダイマー酸のカルボン酸またはカルボキシレート部分をアルコールとし、原料に炭素−炭素二重結合を有する場合にはその二重結合を水素化したジオールを主成分としたものである。
ダイマー酸とは、エチレン性二重結合を2〜4個有する炭素数14〜22の脂肪酸(以下、不飽和脂肪酸Aという)、好ましくはエチレン性二重結合を2個有する炭素数14〜22の脂肪酸と、エチレン性二重結合を1〜4個有する炭素数14〜22の脂肪酸(以下、不飽和脂肪酸Bという)、好ましくはエチレン性二重結合を1もしくは2個有する炭素数14〜22の脂肪酸とを二重結合部で反応して得られる二量体酸をいうものとする。上記で不飽和脂肪酸Aとしてはテトラデカジエン酸、ヘキサデカジエン酸、オクタデカジエン酸(リノール酸等)、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、オクタデカトリエン酸(リノレン酸等)、エイコサテトラエン酸(アラキドン酸等)等が挙げられ、リノール酸がもっとも好ましい。また、不飽和脂肪酸Bとしては、上記例示のものに加え、エチレン性二重結合を1個有する炭素数14〜22の脂肪酸としての、テトラデセン酸(ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸)、ヘキサデセン酸(パルミトレイン酸等)、オクタデセン酸(オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸等)、エイコセン酸(ガドレイン酸等)、ドコセン酸(エルカ酸、セトレイン酸、ブラシジン酸等)等が挙げられ、オレイン酸もしくはリノール酸がもっとも好ましい。
水添ダイマー酸とは、上記ダイマー酸の炭素−炭素二重結合を水素化して得られる飽和ジカルボン酸をいうものとする。
上記ダイマー酸として、例えばリノール酸とリノール酸もしくはオレイン酸とから製造される炭素数36のダイマー酸を原料として用いた場合には、水添ダイマー酸の主成分の構造は、以下の式(1)および式(2)で表される構造である。
Figure 0006198597
(式中、RおよびRはアルキル基であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数、aおよびbの合計は28(即ち、Rに含まれる炭素数+Rに含まれる炭素数+a+b=28)である。)
Figure 0006198597
(式中、RおよびRはアルキル基であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数、cおよびdの合計は32(即ち、Rに含まれる炭素数+Rに含まれる炭素数+c+d=32)である。)
水添ダイマー酸の市販品としては、例えば、PRIPOL(登録商標)1009等(クローダ社製)、EMPOL(登録商標)1008およびEMPOL(登録商標)1062(BASF社製)を挙げることができる。
水添ダイマージオールとは、前述のとおり、ダイマー酸、水添ダイマー酸およびその低級アルコールエステルの少なくとも1種を触媒存在下で還元して、ダイマー酸のカルボン酸あるいはカルボキシレート部分をアルコールとし、原料に炭素−炭素二重結合を有する場合にはその二重結合を水素化したジオールを主成分としたものであるが、例えば、式(4)および式(5)で表される構造の化合物を主成分とする水添ダイマー酸を還元して水添ダイマージオールを製造した場合には、水添ダイマージオールの主成分の構造は、以下の式(3)および式(4)で表される構造である。
Figure 0006198597
(式中、RおよびRはアルキル基であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数、eおよびfの合計は30(即ち、Rに含まれる炭素数+Rに含まれる炭素数+e+f=30)である。)
Figure 0006198597
(式中、R10およびR11はアルキル基であり、かつR10およびR11に含まれる各炭素数、gおよびhの合計は34(即ち、R10に含まれる炭素数+R11に含まれる炭素数+g+h=34)である。)
水添ダイマージオールの市販品としては、例えば、PRIPOL(登録商標)2033等(クローダ社製)やSovermol(登録商標)908(BASF社製)を挙げることができる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートとして、水添ダイマー酸から誘導される構造単位および水添ダイマージオールから誘導される構造単位を有するポリエステルポリオールの残基を含むウレタン(メタ)アクリレートもまた好ましく使用できる。
水添ダイマー酸から誘導される構造単位および水添ダイマージオールから誘導される構造単位を有するポリエステルポリオールは、前記の水添ダイマー酸を必須成分とする酸成分と、前記の水添ダイマージオールを必須成分とするポリオール成分を、エステル化触媒の存在下で縮合反応を行うことによって製造することができる。
また、水添ダイマー酸から誘導される構造単位および水添ダイマージオールから誘導される構造単位を有するポリエステルポリオールは、水添ダイマー酸を必須成分とする酸の低級アルキルエステルと、前記の水添ダイマージオールを必須成分とするポリオール成分を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応を行うことによっても製造することができる。
分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物とは、1分子中に(メタ)アクリロイル基を有する分子量500以下の化合物である。
分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルエチル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−プロピルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート、2−ヘプチルウンデシル(メタ)アクリレート等の鎖状脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−2−イルメチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート等の分子中にエーテル結合を有する(メタ)アクリレート、α−(メタ)アクリロキシ−γ−ブチロラクトン等の環状エステルを有する(メタ)アクリロイル基含有化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモリホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系化合物等を挙げることができる。
アクリロイル基含有化合物の分子量の下限は限定するものではないが、アクリロイル基含有化合物の分子量は好ましくは86以上である。
メタクリロイル基含有化合物の分子量の下限は限定するものではないが、メタクリロイル基含有化合物の分子量は好ましくは100以上である。
分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物は、好ましくは、炭素数8〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートおよびエーテル結合を有する(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物(a)、ならびに(メタ)アクリルアミド系化合物およびアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物(b)を含む。すなわち、分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物として、化合物(a)と化合物(b)を併用することが好ましい。
炭素数8〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルエチル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−プロピルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート、2−ヘプチルウンデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エーテル結合を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−2−イルメチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド系化合物としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモリホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
化合物(a)と化合物(b)を組み合わせて用いることにより、後述の本発明(II)の画像表示装置中の重合物の高温条件下での着色を抑制できかつ後述の本発明(II)の画像表示装置中の重合物の高温多湿下での白化現象を抑制できる。
化合物(a)と化合物(b)の好ましい使用比率は、質量比で、40:60〜90:10であり、さらに好ましくは45:55〜85:15であり、特に好ましくは、50:50〜80:20である。化合物(a)と化合物(b)の使用比率が、40:60より小さい場合には、重合物の耐水性が悪くなる場合が生じる。また、化合物(a)と化合物(b)の使用比率が、90:10より大きい場合には、重合物の高温多湿下での白化現象が起きる可能性があり、好ましいこととは言えない。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の成分1の使用量は、成分1と後述の成分3を合わせた総量に対して25〜75質量%であることが好ましく、さらに好ましくは30〜70質量%であり、特に好ましくは35〜65質量%である。成分1の使用量が、成分1と後述の成分3を合わせた総量に対して25質量%未満の場合には、重合性組成物を重合して得られる重合物の塗膜強度が不足する場合があり、好ましいこととは言えない。また、成分1の使用量が、成分1と後述の成分3を合わせた総量に対して75質量%より多い場合には、重合時の体積収縮率が大きくなりすぎ、偏光板がひずむ場合、あるいは貼り合せられた部と重合物の界面に大きな応力が発生し、結果として、貼り合せられた部と重合物との密着強度が低下する場合があり、好ましいこととは言えない。
また、成分1中の、数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物と分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物の使用比率は、質量比で、45:55〜85:15であることが好ましく、さらに好ましくは、質量比で、50:50〜80:20である。数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物と分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物の使用比率が、質量比で、45:55よりも小さい場合には、重合時体積収縮率が大きくなり過ぎる場合、あるいは重合物の塗膜強度が不足する場合があり好ましいこととは言えない。また、数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物と分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物の使用比率が、質量比で、80:20よりも大きい場合には、重合性組成物の粘度が高くなり過ぎる場合があり、好ましいこととは言えない。
さらに、成分1中の、ウレタン(メタ)アクリレートと分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物の使用比率も同様に、質量比で、45:55〜85:15であることが好ましく、さらに好ましくは、質量比で、50:50〜80:20である。ウレタン(メタ)アクリレートと分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物の使用比率が、質量比で、45:55よりも小さい場合には、重合時体積収縮率が大きくなり過ぎる場合、あるいは重合物の塗膜強度が不足する場合があり好ましいこととは言えない。また、ウレタン(メタ)アクリレートと分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物の使用比率が、質量比で、80:20よりも大きい場合には、重合性組成物の粘度が高くなり過ぎる場合があり、好ましいこととは言えない。
次に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の成分である成分2について説明する。
成分2は、400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤である。
400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1(吸収波長200〜430nm)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(吸収波長200〜450nm)、ビス(η5−2,4-シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム(吸収波長200〜500nm)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(吸収波長200〜420nm)等を挙げることができる。これらの中で硬化後の透明性を高めるためには、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドが好ましく用いられる。これらの化合物を単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。
また、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物には、成分2以外の光重合開始剤を併用しても構わない。硬化性の観点から、全ての光重合開始剤の合計量に対して、成分2以外の光重合開始剤は、40mol%以下であることが好ましい。
併用する光重合開始剤としては他のアシルホスフィンオキシド系やα−ヒドロキシアルキルフェノン系が挙げられる。
他のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤としては、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等を挙げることができる。
α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等を挙げることができる。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の光重合開始剤の使用量は、成分1と後述の成分3を合わせた総量100質量部に対して0.1〜10.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜7.0質量部であり、さらに好ましくは0.3〜5.0質量部である。ここで、光重合開始剤の使用量とは、成分2の光重合開始剤および成分2以外の光重合開始剤の合計量である。光重合開始剤の使用量が、成分1と後述の成分3を合わせた総量100質量部に対して0.1質量部未満の場合には、光重合開始剤が不足し、重合が不十分にある可能性があり好ましいことではない。また、光重合開始剤の使用量が、成分1と後述の成分3を合わせた総量100質量部に対して10.0質量部より多い場合には、重合物の分子量が小さくなりすぎ、重合物の強度不足になる可能性があり好ましいことではない。
また、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中には、さらに、下記成分3を使用することができかつ使用することが好ましい。
成分3は、炭素原子および水素原子のみで構成された化合物、または炭素原子、水素原子および酸素原子のみで構成された化合物である。
成分3は、(メタ)アクリロイル基、ラジカル重合を抑制する機能、ラジカル重合を禁止する機能、および光重合開始機能のいずれも有しない化合物であることが好ましい。
重合時の体積収縮率を低く抑える目的で成分3を使用する。また、重合時の体積収縮率を抑制する他、樹脂等の被着体への重合物の密着性を増加させる目的で使用される場合もある。
成分3としては、25℃で液状である化合物、あるいは、25℃で固体である化合物を用いることができる。
成分3として用いられる、25℃で液状である化合物としては、例えば、ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオール、液状水添ポリイソプレンポリオール、水添ダイマージオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
ポリ(α−オレフィン)液状物とは、α−オレフィンの重合により製造される液状物であり、α−オレフィンとは炭素−炭素二重結合を分子末端に1つ有する炭化水素化合物であり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等を挙げることができる。
エチレン−プロピレン共重合体液状物とは、エチレンとプロピレンとを共重合することによって製造される共重合体のうち液状のものをいう。
エチレン−α−オレフィン共重合体液状物とは、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造される液状重合物である。α−オレフィンとは前述のとおりである。
プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物とは、プロピレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造される液状重合物である。α−オレフィンとは前述のとおりである。
液状ポリブテンとは、イソブテンの単独重合物、n−ブテンの単独重合物、イソブテンおよびn−ブテンの共重合物等のイソブテンあるいはn−ブテンを(共)重合成分に含む液状重合物であり、末端の一方に炭素−炭素不飽和結合を有する化合物である。液状ポリブテンの市販品としては、例えば、JX日鉱日石エネルギー株式会社製の日石ポリブテンLV−7、LV−50、LV−100、HV−15、HV−35、HV−50、HV−100、HV−300等を挙げることができる。
液状水添ポリブテンとは、前記液状ポリブテンを、水素添加して得られる側鎖を有する液状物であり、例えば、日油株式会社製のパームリール4、パームリール6、パームリール18、パームリール24、パームリールEX等を挙げることができる。
液状ポリブタジエンとは、常温で液状のブタジエン重合物であり、例えば、エボニックデグサ製のPOLYVEST110、POLYVEST130や日本曹達株式会社製のNISSO−PB B−1000、NISSO−PB B−2000、NISSO−PB B−3000等を挙げることができる。
液状水添ポリプタジエンとは、ブタジエン重合物を還元水素化して得られる、常温で液状の物質であり、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB BI−2000、NISSO−PB B−3000等を挙げることができる。
液状ポリイソプレンとは、常温で液状のイソプレン重合物であり、例えば、株式会社クラレ製のクラプレン LIR−30等を挙げることができる。
液状水添ポリイソプレンとは、イソプレン重合物を還元水素化して得られる、常温で液状の物質であり、株式会社クラレ製のLIR−200等を挙げることができる。
液状ポリブタジエンポリオールとは、分子末端に水酸基を2つ以上有しかつポリブタジエン構造単位を有する、常温で液状の重合物であり、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB G−1000、NISSO−PB G−2000、NISSO−PB G−3000、出光興産株式会社製のPoly bd等を挙げることができる。
液状水添ポリブタジエンポリオールとは、ポリブタジエンポリオールあるいはポリブタジエンポリカルボン酸を還元水素化して得られる構造を有する液状ポリオールであり、日本曹達株式会社製のNISSO−PB GI−1000、NISSO−PB GI−2000、NISSO−PB GI−3000等を挙げることができる。
液状ポリイソプレンポリオールとは、分子末端に水酸基を2つ以上有しかつポリイソプレン構造単位を有する、常温で液状の重合物であり、例えば、出光興産株式会社製のPoly ip等を挙げることができる。
液状水添ポリイソプレンポリオールとは、ポリイソプレンポリオールあるいはポリイソプレンポリカルボン酸を還元水素化して得られる構造を有する液状ポリオールであり、例えば、出光興産株式会社製のエポール等を挙げることができる。
水添ダイマージオールとは、前述のとおりである。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、プロピレンオキシド−テトラヒドロフラン共重合体等を挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物、あるいはポリオールとポリカルボン酸のエステルのエステル交換反応物、ポリオールへの環状エステルの開環重合物等を挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリオールとホスゲンの重縮合物、あるいはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート等の有機炭酸エステル類とのポリオールのエステル交換反応物を挙げることができる。
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリオールとしては、具体的には、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。これらの中で、好ましいものとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールであり、さらに好ましいものとしては、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等であり、最も好ましいものは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールである。
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリカルボン酸の例としては、具体的には、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸等を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。これらの中で好ましいものとしては、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2−シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸であり、さらに好ましくは、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸である。特に好ましくは、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸である。
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリカルボン酸のエステルとしては、前記のポリカルボン酸の低級アルキルエステルが一般的に使用される。
また、ポリエステルポリオールとして、環状エステルの開環重合物を使用してもよい。環状エステルの開環重合物を使用する場合には、γ−ブチロラクトンやε−カプロラクトン等を挙げることができるが、ε−カプロラクトンの開環重合物であるポリエステルポリオールが好ましい。
ポリカーボネートポリオールの原料として用いられるポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。これらの中で、好ましいものとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールであり、さらに好ましいものとしては、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等であり、最も好ましいものは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールである。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物を重合して得られる重合物は、その使用箇所(即ち、5aの部位に使用するか、あるいは5bに部位に使用するか)により、求められる誘電率が異なる。例えば、図2〜図5の5bの部位に用いられる場合には、重合物の誘電率は低いことが好ましい。また、図2、図3および図6〜図8の5aの部位に用いられる場合には、重合物の誘電率が高いことが望ましい。
重合物の誘電率を高くする場合には、その目的において、成分3として用いられる、25℃で液状である化合物として、好ましいものとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールであり、さらに好ましくは、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールである。
ポリエーテルポリオールとして好ましいものは、ポリテトラメチレングリコールである。
重合物の誘電率を低くする場合には、ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールが好ましく使用され、さらに、耐熱性を考慮する場合には、ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状水添ポリブタジエン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールが好ましい。
また、成分3として、25℃で固体である化合物を使用することもできる。
このような化合物としては、25℃で固体のエポキシ樹脂、25℃で固体のポリエステル樹脂、25℃で固体のポリオール樹脂や、25℃で固体の水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂、水添ロジンエステル等を挙げることができる。
高誘電率の重合物を目的とした重合性組成物に用いられる場合、これらの中で、特に好ましいものとしては、水添ロジンエステルである。
低誘電率の重合物を目的とした重合性組成物に用いられる場合、これらの中で、特に好ましいものとしては、水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂である。
水添石油樹脂とは、石油系樹脂を水素還元して得られる樹脂である。水添石油樹脂の原料である石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族−芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂およびこれらの水添物等の変性物が挙げられる。合成石油樹脂は、C5系でも、C9系でもよい。
テルペン系水添樹脂とは、テルペン系樹脂を還元水素化して得られる樹脂である。テルペン系水添樹脂の原料であるテルペン系樹脂としては、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂、β−リモネン樹脂、α−リモネン樹脂、ピネン−リモネン共重合樹脂、ピネン−リモネン−スチレン共重合樹脂、テルペン−フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。これらのテルペン系樹脂の多くは、極性基を有しない樹脂である。
水添ロジンエステルとは、ロジン系樹脂を水添して得られる水添ロジンをエステル化あるいはロジンをエステル化して得られるロジンエステルを水素還元して得られた樹脂である。ロジン系樹脂粘着付与剤としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジンなどの変性ロジンなどが挙げられる。
なお、本明細書においては、多価アルコールの一部のアルコール性水酸基が水添ロジンでエステル化された化合物も、多価アルコールのすべてのアルコール性水酸基が水添ロジンでエステル化された化合物もともに、水添ロジンエステルに含まれると定義する。
また、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物と粘度や重合物の被着体への密着性のバランスをとるために、成分3の化合物としては、25℃で液状である化合物と、25℃で固体である化合物を併用することができかつ好ましい。
成分3において、25℃で液状である化合物と、25℃で固体である化合物を併用する場合の好ましい併用割合は、質量比で、90:10〜10:90であり、さらに好ましくは、80:20〜20:80である。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の成分3の使用量は、成分1と成分3を合わせた総量に対して25〜75質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、30〜70質量%であり、特に好ましくは、35〜65質量%である。本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の成分3の使用量が、成分1と成分3を合わせた総量に対して25質量%未満であると、成分3を添加した効果(即ち、重合時の体積収縮率の低減効果)が得られなくなる場合があり、好ましいこととは言えない。また、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物中の成分3の使用量が、成分1と成分3を合わせた総量に対して75質量%より多くなると、重合性組成物を重合して得られる重合物の塗膜強度が低くなりすぎる場合があり、好ましいこととは言えない。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、酸化防止剤、改質剤などを任意に添加することができる。
重合禁止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−アシロキシ−p−ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、モノ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、ジ−t−ブチル・パラクレゾールヒドロキノンモノメチルエーテルおよびフェノチアジンが好適に用いられる。
これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
通常、重合禁止剤は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になるよう調整することができる。ただし、重合禁止剤の量は、成分1に予め含まれている重合禁止剤を加味した値である。即ち、一般には、成分1に予め重合禁止剤が含まれているが、この重合禁止剤と新たに添加する重合禁止剤の総量を併せた量が、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になることを意味する。
酸化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等を挙げることができる。これらの中で、好ましいものは、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートであり、最も好ましいのは、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
通常、酸化防止剤は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になるよう調整することができる。ただし、重合禁止剤の量は、成分3等の他の成分に予め含まれている酸化防止剤を加味した値である。即ち、一般には、成分3等に予め酸化防止剤が含まれている場合があるが、この酸化防止剤と新たに添加する酸化防止剤の総量を併せた量が、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になることを意味する。
改質剤としては、例えば、レベリング性を向上させるためのレベリング剤等が挙げられる。レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物、アラルキル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物、アクリルエステル共重合物等が使用できる。これらは、単独で使用しても、2種以上組み合わせて使用してもよい。本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対して0.01〜5質量%添加することができる。0.01質量%未満の場合には、レベリング剤の添加効果が発現しない可能性がある。また、5質量%より多い場合には、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物に濁度が生じる場合があり、好ましいこととは言えない。
最後に、本発明(II)について説明する。
本発明(II)は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置である。
本発明(II)の画像表示装置は、表示装置の本体が光学ガラスから形成されている場合、一般的にその屈折率(n)は、1.49〜1.52となる。なお、屈折率(n)が、1.55程度の強化ガラスも存在する。
例えば、図1の場合、保護部3は、表示部2と同程度の大きさの板状、シート状またはフィルム状の透光性部材から形成されている。この透光性部材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートとポリカーボネートの積層体などの樹脂を好適に用いることができる。保護部3の表面もしくは裏面には、反射防止膜、遮光膜、視野角制御膜等の光学層を形成してもよい。
保護部3がアクリル樹脂から形成されている場合には、一般的にその屈折率(n)は1.49〜1.51となる。
保護部3は、表示部2の周縁部に設けられたスペーサ4を介して表示部2上に設けられている。このスペーサ4の厚さは0.05〜1.5mm程度であり、これにより画像表示部2と保護部3との表面間距離が1mm程度に保持される。
また、保護部3の周縁部には、輝度およびコントラストを向上させるため、枠状の遮光部8が設けられている。
また、例えば、図2や図3の場合、表示部2と保護部3との間には、重合物層5a、5bが介在している。本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置の場合には、この重合物層5aや重合物層5bには、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物を重合して得られる重合物が介在するため、可視光領域の透過率が90%以上になる。ここで、重合物層5aや重合物層5bの厚みは10〜500μmとなるようにすることが好ましい。より好ましくは10〜350μmであり、さらに好ましくは10〜300μmである。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって画像表示装置を製造する場合、重合物層5aや重合物層5bには、前記重合物が介在するため、23℃における引張弾性率を、1×10Pa以下、好ましくは、1×10〜1×10Paになる。従って、表示部および保護部に対して、重合性組成物の重合時に体積収縮に起因する応力の影響による歪みの発生を防止することができる。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって画像表示装置を製造する場合、重合物層5aや重合物層5bには、前記重合物が介在するため、重合性組成物の重合時の体積収縮率が、4.0%以下、好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは2.7%以下になる。これにより、重合性組成物が重合する際に重合物層に蓄積される内部応力を低減させることができ、重合物層5aとタッチセンサー7または保護部3との界面や、重合物層5bとタッチセンサー7、表示部2あるいは保護部3との界面に歪みができることを防止できる。したがって、重合性組成物を、タッチセンサー7と保護部3との間、タッチセンサー7と表示部2との間、あるいは表示部2と保護部3との間に介在させ、その重合性組成物を重合させた場合に、重合物層5aあるいは5bと、表示部2、保護部3、タッチセンサー7との界面で生じる光の散乱を低減させることができ、表示画像の輝度を高めると共に、視認性を向上させることができる。
また、前記重合物を重合物層5bに用いる場合には、これらの重合物の誘電率が低いので、重合物層5bの厚みを薄くすることができる。
本発明(II)の画像表示装置に使用される樹脂板としては、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートとポリカーボネートの積層体が好ましく使用できる。これらの樹脂板の平均表面粗度は、通常、1.0nm以下である。
また、本発明(II)の画像表示装置は、表示部2と保護部3との間に、前記重合物がからなる重合物層5aや5bが充填されているので、衝撃に強い。
加えて、表示部2と保護部3との間に空隙を設けていた従来例に比して薄型に形成することができる。
また、本発明(II)の画像表示装置は種々の態様をとることができる。例えば、図3図5、図8に示すように、スペーサ4を省略して画像表示装置1を製造してもよい。図3の重合物層5bの場合には、例えば、表示部2上の偏光板6a上に、重合性組成物を塗布し、その上にタッチセンサー7を重ね、前述と同様に光重合を行うことで得られる。
また、図5の重合物層5bの場合には、例えば、表示部2上の偏光板6a上に、重合性組成物を塗布し、その上にタッチセンサー一体型保護部3を重ね、前述と同様に光重合を行うことで得られる。
さらに、図8の重合物層5aの場合には、例えば、重合性組成物を塗布し、その上に保護部3を重ね、前述と同様に光重合を行うことで得られる。
また、本発明は、上述した液晶表示装置のみならず、例えば、有機EL、プラズマディスプレイ装置等の種々のパネルディスプレイに適用することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ制限されるものではない。
<粘度の測定>
粘度は以下の方法により測定した。
試料1mLを使用して、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式:DV−II+Pro、スピンドルの型番:CPE−42)を用いて、温度25.0℃、回転数5rpmの条件で粘度がほぼ一定になったときの値を測定した。
<水酸基価の測定>
JIS K 0070に準拠して測定した。
<数平均分子量>
数平均分子量は下記条件でGPCにより測定したポリスチレン換算の値である。
装置名:日本分光株式会社製HPLCユニット HSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製 RI−2031Plus
温度:40.0℃
試料量:サンプルループ 100μL
試料濃度:0.5質量%前後に調製
<紫外線積算光量>
紫外線積算照度計 「UIT−250」(岩崎電機株式会社製)あるいは「UVPF−A1」(岩崎電機株式会社製)を使用して測定された積算光量の値である。
<照度>
紫外線積算照度計 「UIT−250」(岩崎電機株式会社製)あるいは「UVPF−A1」(岩崎電機株式会社製)を使用して測定された照度の値である。
(合成例1)
攪拌装置および蒸留装置を備えた500mLの反応容器中にPripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)322.2g、セバシン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)87.5g、ジオクチル錫オキシド(商品名:DOTO、北興化学工業株式会社製)0.18gを仕込み、約170℃、常圧下から始めてメタノールを流出させながら減圧しつつエステル交換反応を行った。メタノールの総留出量は24.4gであった。水酸基価58.1mgKOH/gであるポリエステルポリオール(以下、ポリエステルポリオールAと記す。)を得た。
(合成例2)
攪拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを備えた100mLの反応容器に、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの混合物(商品名:VESTANAT(登録商標)TMDI、エボニックデグサ製)21.89g、ジオクチル錫ジラウレート12mgおよびp−メトキシフェノール24mgを反応容器に投入し、4−ヒドロキシブチルアクリレート15.16gを、滴下ロートを用いて滴下投入した。滴下中、反応容器内の温度は70℃以下になるようにした。滴下終了後、2時間、反応器内の温度を65〜70℃に維持したまま、撹拌を継続して反応生成物(以下、反応生成物αと記す。)を得た。
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを備えた300mLの反応容器に、前述のポリエステルポリオールA 178.9g、Pripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)1.1gおよびジオクチル錫ジラウレート12mgを投入し、撹拌を開始した。その後、60℃に温度を維持した反応生成物α 33.7gを数回に分けて反応容器内に投入した。その間、反応器内の温度は、70℃より高くならないようにした。その後、反応器内の温度を65〜70℃に維持して撹拌を継続した。IRでイソシアナト基のC=O伸縮振動の吸収がなくなったことを確認して反応を終了し、数平均分子量2300であるウレタンアクリレート(以下、「ウレタンアクリレート1」と記す。)を得た。
(合成例3)
コンデンサー、滴下ロート、温度計および撹拌機付きの300mLセパラブルフラスコに、水添末端水酸基含有ポリブタジエン(水酸基価47.1mgKOH/g、商品名:NISSO−PB GI−2000、日本曹達株式会社製)180gおよびジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて、内温を50℃ に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルメタクリレート(商品名:カレンズMOI(登録商標)、昭和電工株式会社製)22.86gを滴下ロートから15分かけて滴下した。滴下している間、内温が70℃を超えないようにした。滴下終了後、70±2℃の内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止め反応を終了し、数平均分子量2610である水添ポリブタジエンウレタンメタクリレート1を得た。
(合成例4)
コンデンサー、滴下ロート、温度計および撹拌機付きの300mLセパラブルフラスコに、ポリブタジエンポリオール(水酸基価47.1mgKOH/g、商品名:NISSO−PB G−2000、日本曹達株式会社製)180gおよびジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて、内温を50℃に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルメタクリレート(商品名:カレンズMOI(登録商標)、昭和電工株式会社製)22.86gを滴下ロートから15分かけて滴下した。滴下している間、内温が70℃を超えないようにした。滴下終了後、70±2℃の内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止め反応を終了し、数平均分子量2560であるポリブタジエンウレタンメタクリレート(以下、「ウレタンメタクリレート1」)を得た。
(合成例5)
攪拌装置および蒸留装置を備えた5Lの反応容器中にPripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)3200g、Pripol(登録商標)1009(クローダ製水添ダイマー酸、酸価194mgKOH/g)1018g、常圧下に窒素を通じつつ200℃に加熱して、反応により生成する水を留去しながら縮合反応させた。生成物の酸価が20以下になった時点でテトライソプロピルチタネート0.08gを添加して、真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を行って、数平均分子量1055のポリエステルポリオール(以下、ポリエステルポリオールBと記す。)を得た。
(合成例6)
コンデンサー、滴下ロート、温度計および撹拌機付きの300mLセパラブルフラスコに、ポリエステルポリオールB 180g及およびジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて、内温を50℃に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルアクリレート(商品名:カレンズAOI(登録商標)、昭和電工株式会社製)24gを滴下ロートから15分かけて滴下した。滴下している間、内温が70℃を超えないようにした。滴下終了後、70±2℃の内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止め反応を終了し、数平均分子量1196であるポリウレタンアクリレート(以下、「ウレタンアクリレート2」)を得た。
(配合例1)
ラウリルアクリレート(商品名:ブレンマーLA、日油株式会社製)10.0質量部、テルペン系水添樹脂(商品名:CLEARON(登録商標)K100、ヤスハラケミカル株式会社製)25.0質量部、コンデンサー、温度計および攪拌機付き200mL四口セパラブル丸底フラスコの中に入れ、撹拌しながら、オイルバスを用いて、200mL四口セパラブル丸底フラスコ内の温度を90℃に昇温した。テルペン系水添樹脂がラウリルアクリレートに完全に溶解したのを確認して、温度を50℃以下まで冷却した。
その後、前記ウレタンアクリレート1 25.0質量部、液状水添ポリブタジエンポリオール(商品名:NISSO−PB GI−1000、日本曹達株式会社製)25.0質量部、液状ポリブテンHV−15 14.0質量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX(登録商標)1010、BASF社製)1.0質量部、およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(商品名:Irgacure(登録商標)819、BASF社製)1.0質量部を、前記200mL四口丸底フラスコの中に入れ、撹拌しながら、オイルバスを用いて、73℃に昇温し、溶液が均一になるまで、撹拌を継続し、25℃での粘度が3300mPa・sの微黄色均一溶液を得た。得られた配合物を重合性組成物A1とした。
(配合例2〜配合例6および比較配合例1)
配合例1と同様の方法によって、表1に示す配合組成に従って配合した。配合例2〜配合例6で調製した配合物を、それぞれ重合性組成物A2〜重合性組成物A6とし、比較配合例1で調製した配合物を重合性組成物B1とした。
なお、表1の数字は、特にことわりのない限り、「質量部」を意味する。
Figure 0006198597
※1 ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート (商品名:FA−512M、日立化成工業株式会社製、分子量262.35)
※2 ラウリルアクリレート (商品名:ブレンマーLA、日油株式会社製、分子量240.38)
※3 N−アクリロイルモルホリン (商品名:ACMO、興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、分子量141.17)
※4 N,N−ジエチルアクリルアミド (商品名:DEAA、興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、分子量127.19)
※5 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート (株式会社日本触媒製、分子量144.17)
※6 2−ヒドロキシブチルメタクリレート (商品名:ライトエステルHOB(N)、共栄社化学株式会社製、分子量158.20)
※7 テルペン系水添樹脂 CLEARON(登録商標)P85 (ヤスハラケミカル株式会社製)
※8 テルペン系水添樹脂 CLEARON(登録商標)K100 (ヤスハラケミカル株式会社製)
※9 液状水添ポリブタジエンポリオール NISSO−PB GI−1000 (日本曹達株式会社製)
※10 水添ダイマージオール (商品名:Pripol 2033、クローダ社製)
※11 液状ポリブテン HV−15 (JX日鉱日石エネルギー株式会社製)
※12 液状ポリブタジエン POLYVEST 110 (エボニックデグサ製)
※13 IRGANOX(登録商標)1010 (化合物名:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF製)
※14 光重合開始剤 IRGACURE 184 (化合物名:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF製、吸収波長200〜380nm)
※15 光重合開始剤 IRGACURE 819 (化合物名:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、BASF製、吸収波長200〜450nm)
<重合物膜の作製>
2枚のガラス板(50mm×50mm×0.7mm、ガラスの種類 商品名:EAGLE XG(登録商標)、CORNING製)に、重合性組成物A1〜重合性組成物A6、重合性組成物B1を、膜厚が0.2mmになるように挟み込み、メタルハライドランプを用いたコンベア式紫外線照射装置(株式会社ジーエス・ユアサライティング製、商品名:GSN2−40)を用い、照射強度190mW/cm(365nmの値)、照射量5000mJ/cm(365nmの値)の条件で紫外線を照射して重合させ、ガラス板に挟まれた膜厚が約0.2mmの評価試験用の重合物膜を得た。
なお、重合性組成物A1〜重合性組成物A6、重合性組成物B1から得られた重合物膜を、それぞれ重合物膜A1〜重合物膜A6、重合物膜B1とする。
<硬化率の測定>
照射前の重合性組成物A1〜重合性組成物A6、重合性組成物B1と重合後の重合物膜A1〜重合物膜A6、重合物膜B1のそれぞれから、それらの硬化成分(モノマー、オリゴマー)を、重合性組成物と重合物膜が0.2wt%となる量のテトラヒドロフランを用いて抽出し、液体クロマトグラフィーで硬化前の重合性組成物の総ピーク面積(I)、重合性組成物における非硬化成分のピーク面積(I)、硬化後の重合物膜の総ピーク面積(I)を求め、次式により硬化率を算出した。
硬化率(%)={1−(I−I)/(I−I)}×100
結果を表2に記す。
<密着性の測定>
前記方法で製造した膜厚約0.2mmの重合物膜A1〜重合物膜A6、重合物膜B1を引張り試験機(島津製作所社製、EZ Test/CE)に固定し、23℃において、引っ張り速度10mm/minで試験を行い、密着性を求めた。
具体的には、前記重合物膜を挟んだ2枚のガラスの外側の両面に、両面テープを用いてプラスチック治具を貼り付け、そのプラスチック治具を引張試験機のチャック部で挟み込んで、ガラスと重合物膜との間を剥はがす方向に引っ張り、ガラスへの密着性(単位:N/cmφ)を評価した。なお、「N/cmφ」とは、直径1cmの円の面積あたりの力(単位:N)を意味する。
その結果を表2に記す。
Figure 0006198597
<可視光硬化性の評価>
2枚のガラス板(50mm×50mm×0.7mm、ガラスの種類 商品名:EAGLE XG(登録商標)、CORNING製)のうち1枚に、40mm×40mmの矩形の外側が遮光されるような枠状の遮光部を、遮光用粘着テープ(PT25NB、リンテック株式会社製)を用いて設け、重合性組成物A1〜重合性組成物A6、重合性組成物B1を、膜厚が0.2mmになるように2枚のガラス板の間に挟み込み、メタルハライドランプを用いたコンベア式紫外線照射装置(株式会社ジーエス・ユアサライティング製、商品名:GSN2−40)を用い、照射強度190mW/cm(365nmの値)、照射量5000mJ/cm(365nmの値)の条件で紫外線を枠状の遮光部がある側から照射して、重合組成物を一部重合させた膜厚約0.2mmの試験片A1〜試験片A6、試験片B1を得た。これらの試験片A1〜試験片A6、試験片B1の遮光部がない側から白色LEDライト(ストリームライト社製、商品名:STREAMLIGHT3C PROPOLYMER)を用い、偏光板(日東電工株式会社製、商品名:NPF−SEG1425PU)を挟んで照射時間1時間、照射量1mJ/cm(405nmの値)の条件で可視光線を照射した。これらの試験片を垂直に立てて1時間静置後、試験片の外観変化や未硬化物の流出の有無を観察した。
○:外観変化や未硬化物の流出が無い
×:外観変化や未硬化物の流出が有る
結果を表3に記す。
Figure 0006198597
本発明は、画像表示装置の製造に好適に利用することができる。
1 画像表示装置
2 表示部
3 保護部
4 スペーサ
5、5a、5b 重合物層
6a、6b 偏光板
7 タッチセンサー
8 遮光部
11 重合前の重合性組成物を介在させた物品
12 貼り合せ機
13 透光性の部分
14 ランプ
15 仮露光用ランプ
16 重合物層が介在した物品
16a 画像表示部を有する基部
17 バックライトユニット
101 液晶表示装置
102 液晶表示パネル
103 保護部
104 スペーサ
105 空隙

Claims (16)

  1. 画像表示部を有する基部と、透光性の保護部と、バックライトとを有する画像表示装置の製造方法であって、
    該方法は、
    (工程1)画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程、
    (工程2)透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程、および、
    (工程3)画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程
    を含み、
    重合性組成物が、
    (成分1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および
    (成分2)400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤
    を含み、
    重合性組成物の25℃の粘度が500〜50000mPa・sであることを特徴とする方法。
  2. 透光性の保護部が遮光部を有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. バックライトの光源が、冷陰極管、白色LEDおよびRGB3色LEDからなる群より選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置の製造方法。
  4. 成分2が、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
  5. 透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程において、光の照射量が、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて観測されるエネルギーで、1000〜10000mJ/cmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
  6. 成分1が、数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物および分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
  7. 数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置の製造方法。
  8. ウレタン(メタ)アクリレートが水添ダイマージオールとジエステルとのエステル交換反応により得られるポリエステルポリオールの残基を含むことを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。
  9. 分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物が、
    炭素数8〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートおよびエーテル結合を有する(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物、ならびに
    (メタ)アクリルアミド系化合物およびアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
    を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
  10. 重合性組成物が、さらに、
    (成分3)炭素原子および水素原子のみで構成された化合物、または炭素原子、水素原子および酸素原子のみで構成された化合物
    を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
  11. 成分3が、
    25℃で液状である化合物および25℃で固体である化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物
    を含むことを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置の製造方法。
  12. 成分3が、25℃で液状である化合物を含み、
    前記25℃で液状である化合物は、
    ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオール、液状水添ポリイソプレンポリオールおよび水添ダイマージオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
    を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の製造方法。
  13. 成分3は、25℃で液状である化合物を含み、
    前記25℃で液状である化合物は、
    ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
    を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の製造方法。
  14. 成分3が、25℃で液状である化合物を含み、
    前記25℃で液状である化合物は、
    リ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状水添ポリブタジエン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
    を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の製造方法。
  15. 成分3が、25℃で固体である化合物を含み、
    前記25℃で固体である化合物は、
    水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂および水添ロジンエステルからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
    を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の製造方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置。
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