JP6198597B2 - 画像表示装置の製造方法およびその製造方法により製造された画像表示装置 - Google Patents
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Description
図9に示すように、この液晶表示装置101は、液晶表示パネル102上に、例えば、ガラスやプラスチックスからなる透明な保護部103を有している。
この場合、液晶表示パネル102表面および偏光板(図示せず)を保護するため、保護部103との間にスペーサ104を介在させることによって液晶表示パネル102と保護部103との間に空隙105が設けられている。
しかし、液晶表示パネル102と保護部103との間の空隙105の存在により、光の散乱がおき、それに起因してコントラストや輝度が低下し、また空隙105の存在はパネルの薄型化の妨げとなっている。
このような問題に鑑み、液晶表示パネルと保護部との間の空隙に樹脂を充填すること(図1参照)も提案されている(例えば特許文献1)。
さらに、本発明は、この画像表示装置の製造方法により製造された画像表示装置を提供することを目的とする。
画像表示部を有する基部と、透光性の保護部と、バックライトとを有する画像表示装置の製造方法であって、
該方法は、
(工程1)画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程、
(工程2)透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程、および、
(工程3)画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程
を含み、
重合性組成物が、
(成分1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および
(成分2)400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤
を含み、
重合性組成物の25℃の粘度が500〜50000mPa・sであることを特徴とする方法に関する。
本発明(II)は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置に関する。
[1] 画像表示部を有する基部と、透光性の保護部と、バックライトとを有する画像表示装置の製造方法であって、
該方法は、
(工程1)画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程、
(工程2)透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程、および、
(工程3)画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程
を含み、
重合性組成物が、
(成分1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および
(成分2)400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤
を含み、
重合性組成物の25℃の粘度が500〜50000mPa・sであることを特徴とする方法。
[2] 透光性の保護部が遮光部を有することを特徴とする[1]に記載の画像表示装置の製造方法。
[3] バックライトの光源が、冷陰極管、白色LEDおよびRGB3色LEDからなる群より選択された少なくとも1種であることを特徴とする[1]または[2]に記載の画像表示装置の製造方法。
[4] 成分2が、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[5] 透光性の保護部の透光性の部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程において、光の照射量が、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて観測されるエネルギーで、1000〜10000mJ/cm2の範囲であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[6] 成分1が、数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物および分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物を含むことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[7] 数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする[6]に記載の画像表示装置の製造方法。
[8] ウレタン(メタ)アクリレートが水添ダイマージオールとジエステルとのエステル交換反応により得られるポリエステルポリオールの残基を含むことを特徴とする[7]に記載の画像表示装置の製造方法。
[9] 分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物が、
炭素数8〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートおよびエーテル結合を有する(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物、ならびに
(メタ)アクリルアミド系化合物およびアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[6]〜[8]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[10] 重合性組成物が、さらに、
(成分3)炭素原子および水素原子のみで構成された化合物、または炭素原子、水素原子および酸素原子のみで構成された化合物
を含むことを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
[11] 成分3が、
25℃で液状である化合物および25℃で固体である化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[10]に記載の画像表示装置の製造方法。
[12] 成分3が、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオール、液状水添ポリイソプレンポリオールおよび水添ダイマージオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[10]または[11]に記載の画像表示装置の製造方法。
[13] 成分3は、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[10]または[11]に記載の画像表示装置の製造方法。
[14] 成分3が、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状水添ポリブタジエン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[11]に記載の画像表示装置の製造方法。
[15] 成分3が、25℃で固体である化合物を含み、
前記25℃で固体である化合物は、
水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂および水添ロジンエステルからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする[11]に記載の画像表示装置の製造方法。
[16] [1]〜[15]のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置。
まず、本発明(I)について説明する。
本発明(I)は、
画像表示部を有する基部と、透光性の保護部と、バックライトとを有する画像表示装置の製造方法であって、
該方法は、
(工程1)画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程、
(工程2)透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程、および、
(工程3)画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程
を含み、
重合性組成物が、
(成分1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および
(成分2)400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤
を含み、
重合性組成物の25℃の粘度が500〜50000mPa・sであることを特徴とする方法である。
なお、本明細書に記載の「画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間」とは、例えば、図1、図4、図5の5b部や、図6〜図8の5a部を意味する。
また、本発明は、透光性の保護部が遮光部を有する場合に特に顕著な効果を奏するので、以下、透光性の保護部が遮光部を有する態様を例に挙げて説明するが、本発明はその態様に限定されない。
さらに、接触させた後、画像表示部を有する基部と遮光部を有する透光性の保護部の間にある重合性組成物を押し広げて、重合性組成物の厚みを所望の厚みに調整することが必要であるが、上面に配した部の自重のみで押し広げても、外部より圧力をかけて押し広げてもいっこうにかまわず、特に制限はない。
また、これらの貼り合せには、貼り合せ機が使用されるのが一般的である。しかし、本発明において、貼り合せ機を使用することは必須ではなく、貼り合せ機を用いずに本工程を行ってもいっこうにかまわない
図10は、画像表示装置の製造工程の概略を示す図である。重合前の重合性組成物を介在させた物品11に、貼り合せ機12を重ね合わせ、物品11を所定の厚みにする(工程b)。なお、12は、貼り合せ機を上方から見た図であり、貼り合せ機の貼り合せ部分の上面を意味する。13は透光性の部分である。貼り合せ機12を用いて所定の厚みにされた物品11は、重ね合わせが解除され、貼り合せ機12から取り出される(工程d)。貼り合せ機12から取り出された物品11は、露光機のランプ14を用いて、物品11の遮光部を有する透光性の保護部の全面に光が照射される(工程e)。この光の照射により、重合性組成物が重合し、重合物層が介在した物品16が得られる。(f)に示す物品16において、点模様が付された部分は重合性組成物が重合した部分を示す。
また、貼り合せ機越しに重合性組成物の一部に光を照射(仮露光)し、その後、貼り合せ機から取り出し、重合性組成物の全面に光を照射(本露光)してもよい。すなわち、画像表示装置の画像表示部を有する基部と遮光部を有する透光性の保護部との間に重合性組成物を介在させ、次いで、重合性組成物の一部に、遮光部を有する透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を部分的に重合させ、次いで、遮光部を有する透光性の保護部の全面に光を照射することにより、部分的に重合された箇所を含む重合性組成物を重合してもよい。
まず、画像表示部を有する基部と遮光部を有する透光性の保護部との間に重合性組成物を介在させて、重合前の重合性組成物を介在させた物品11を作製する。重合前の重合性組成物を介在させた物品11に、透光性の部分13を有する貼り合せ機12を重ね合わせ、物品11を所定の厚みにする(工程b)。なお、12は、貼り合せ機を上方から見た図であり、貼り合せ機の貼り合せ部分の上面を意味する。次いで、貼り合せ機12の透光性の部分13を通して、遮光部を有する透光性の保護部の一部に、仮露光用ランプ15を用いて光を照射し、重合性組成物を部分的に重合(仮重合)させる(工程c)。貼り合せ機12を用いて所定の厚みにされ、かつ部分的に重合された箇所を含む重合性組成物が介在する物品11は、重ね合わせが解除され、貼り合せ機12から取り出される(工程d)。工程dに示された物品11において、点模様が付された部分は重合性組成物が重合した部分を示す。貼り合せ機12から取り出された物品11は、その後、コンベアタイプ等の大型露光機内のランプ14を用いて、物品11の遮光部を有する透光性の保護部の全面に光が照射される(工程e)。この光の照射により、重合性組成物の全面が重合し、重合物層が介在した物品16が得られる。
この仮露光の工程で使用される光の照射量は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、10〜1000mJ/cm2であることが好ましく、より好ましくは100〜900mJ/cm2であり、さらに好ましくは130〜800mJ/cm2である。この仮露光の工程での光の照射量は、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、10mJ/cm2未満の場合には、必要とされるほど仮重合が進行しないことがあり好ましいこととは言えない。また、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、1000mJ/cm2より多い場合には、重合性組成物の組成によっては、仮重合が行われた箇所と仮重合が行われなかった箇所の境界の近傍に、境界線(屈折率差によって生ずる線)が発生してしまう可能性があり好ましいこととは言えない。
なお、本明細書に記載の「365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値」とは、ウシオ電機株式会社製 紫外線積算光量計 UIT−250を用いて測定された積算光量の値である。
画像表示部を有する基部と、遮光部を有する透光性の保護部との間に介在させた重合性組成物を、透明な保護部の側から光を照射して重合させると、遮光部により光が到達しない領域にある重合性組成物が十分に重合せず、未硬化の重合性組成物が流れだして液晶表示パネルやその他の部材を汚染し、外観不良や動作不良などを引き起こすおそれがある。この工程はそれを防止するために未硬化の重合性組成物を、流動性を失わせる程度に硬化するものである。以下、この工程を、図12を参照して説明する。
前述の工程1および工程2により得られた、重合物層5が介在した物品16を、画像表示部を有する基部16aがバックライトユニット17側になるように物品16をバックライトユニット17に装填し、バックライトから光を照射する(工程b)。この光の照射により物品16の遮光部により工程2の光が到達しない領域にある重合性組成物が重合し、重合物層が介在した画像表示装置1が得られる。
尚、この工程において、画像表示部を有する基部がバックライトユニットを含む構造であった場合には、重合物層が介在した物品16を得た後にバックライトから光を照射することにより、重合物層が介在した画像表示装置1を得ることができる。
この工程により、遮光部により光が到達しない領域にあった未硬化の重合性組成物が流動しない程度に重合され、重合物が介在した画像表示装置を得ることができる。ここでいう「流動しない程度」とは、製造した画像表示装置を垂直に設置した際に、重合物の垂れや流失が見られない程度であることを意味する。
このバックライトの照射による硬化の工程で使用される光の照射量は、画像表示部を有する基部越しに、405nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、0.1〜100mJ/cm2であることが好ましく、より好ましくは0.1〜80mJ/cm2である。このバックライトの照射による硬化の工程での光の照射量は、405nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、0.1mJ/cm2未満の場合には、流動しない程度まで反応が進行しないことがあり好ましいこととは言えない。また、405nmを検出する紫外線積算光量計を用いて測定された積算光量の値で、100mJ/cm2より多く照射量を得るためには、バックライトユニットの構造、光源および画像表示部を有する基部の種類にもよるが、非常に長時間におよぶ光の照射が必要であり、好ましいこととは言えない。
このような405nmを検出する紫外線積算光量計としては、例えば、岩崎電機株式会社製 アイ紫外線積算照度計 UVPF−A1等を挙げることができる。
本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の25℃の粘度は500〜50000mPa・sであり、好ましくは650〜47000mPa・sであり、より好ましくは800〜45000mPa・sである。25℃での重合性組成物の粘度が500mPa・s未満の場合には、保護部、タッチセンサー部あるいは画像表示部を有する基部の上面に、重合性組成物を塗布し、その塗布した面を反転させ、下面にして、貼り合せに使用するもう一方の部と貼り合せる手法をとる場合には、反転させた際に、液が塗布面から流れ落ちてしまうことがある。また、保護部、タッチセンサー部あるいは画像表示部を有する基部に、重合性組成物を塗布し、貼り合せに使用するもう一方の部を上から押し当てる場合には、塗布した重合性組成物が該重合性組成物の自重で流れてしまい、貼り合せに使用するもう一方の部を上から押し当てる際に、空気を巻き込み、貼り合せたものの中に気泡が残存したままになってしまう。25℃での重合性組成物の粘度が50000mPa・sより高い場合には、2つの貼り合せに使用する部を、重合性組成物を介して重ね合せた後の重合性性組成物の流動性が極端に小さくなり、特に、貼り合せ面積が大きい場合には、貼り合せ面の全面に重合性組成物を行き渡らせるのに長い時間が必要になってしまい、好ましくない。
なお、本明細書に記載の粘度は、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式:DV−II+Pro、スピンドルの型番:CPE−42)を用いて、回転数5rpmの条件で測定された粘度の値である。
成分1は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味する。すなわち、成分1は、アクリロイル基とメタクリロイル基のいずれか、あるいは、両方を分子内に有する化合物である。
ただし、前述のように成分1を含む重合性組成物の25℃での粘度は、500〜50000mPa・sでなければならない。従って、これらの条件を容易に満たすには、成分1は数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物および分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物を併用して用いることが好ましい。
数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物は、25℃での粘度は500mPa・sよりもずっと大きいことが多い。これらの高分子化合物と分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物を併用することにより、容易に、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の25℃での粘度を500〜50000mPa・sに調整することができる。
本願における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された、ポリスチレン換算の値である。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリエステルポリオール系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリイソプレン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン系ウレタン(メタ)アクリレートおよび水添ポリイソプレン系ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリカルボン酸のエステルとしては、前記のポリカルボン酸の低級アルキルエステルが一般的に使用される。
上記ダイマー酸として、例えばリノール酸とリノール酸もしくはオレイン酸とから製造される炭素数36のダイマー酸を原料として用いた場合には、水添ダイマー酸の主成分の構造は、以下の式(1)および式(2)で表される構造である。
水添ダイマー酸から誘導される構造単位および水添ダイマージオールから誘導される構造単位を有するポリエステルポリオールは、前記の水添ダイマー酸を必須成分とする酸成分と、前記の水添ダイマージオールを必須成分とするポリオール成分を、エステル化触媒の存在下で縮合反応を行うことによって製造することができる。
また、水添ダイマー酸から誘導される構造単位および水添ダイマージオールから誘導される構造単位を有するポリエステルポリオールは、水添ダイマー酸を必須成分とする酸の低級アルキルエステルと、前記の水添ダイマージオールを必須成分とするポリオール成分を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応を行うことによっても製造することができる。
分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルエチル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−プロピルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート、2−ヘプチルウンデシル(メタ)アクリレート等の鎖状脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−2−イルメチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート等の分子中にエーテル結合を有する(メタ)アクリレート、α−(メタ)アクリロキシ−γ−ブチロラクトン等の環状エステルを有する(メタ)アクリロイル基含有化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモリホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系化合物等を挙げることができる。
アクリロイル基含有化合物の分子量の下限は限定するものではないが、アクリロイル基含有化合物の分子量は好ましくは86以上である。
メタクリロイル基含有化合物の分子量の下限は限定するものではないが、メタクリロイル基含有化合物の分子量は好ましくは100以上である。
炭素数8〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルエチル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−プロピルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート、2−ヘプチルウンデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エーテル結合を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−2−イルメチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド系化合物としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモリホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
化合物(a)と化合物(b)を組み合わせて用いることにより、後述の本発明(II)の画像表示装置中の重合物の高温条件下での着色を抑制できかつ後述の本発明(II)の画像表示装置中の重合物の高温多湿下での白化現象を抑制できる。
成分2は、400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤である。
400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1(吸収波長200〜430nm)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(吸収波長200〜450nm)、ビス(η5−2,4-シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム(吸収波長200〜500nm)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(吸収波長200〜420nm)等を挙げることができる。これらの中で硬化後の透明性を高めるためには、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドが好ましく用いられる。これらの化合物を単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。
併用する光重合開始剤としては他のアシルホスフィンオキシド系やα−ヒドロキシアルキルフェノン系が挙げられる。
他のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤としては、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等を挙げることができる。
α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等を挙げることができる。
成分3は、炭素原子および水素原子のみで構成された化合物、または炭素原子、水素原子および酸素原子のみで構成された化合物である。
成分3は、(メタ)アクリロイル基、ラジカル重合を抑制する機能、ラジカル重合を禁止する機能、および光重合開始機能のいずれも有しない化合物であることが好ましい。
重合時の体積収縮率を低く抑える目的で成分3を使用する。また、重合時の体積収縮率を抑制する他、樹脂等の被着体への重合物の密着性を増加させる目的で使用される場合もある。
ポリエステルポリオールの原料として使用されるポリカルボン酸のエステルとしては、前記のポリカルボン酸の低級アルキルエステルが一般的に使用される。
ポリエーテルポリオールとして好ましいものは、ポリテトラメチレングリコールである。
このような化合物としては、25℃で固体のエポキシ樹脂、25℃で固体のポリエステル樹脂、25℃で固体のポリオール樹脂や、25℃で固体の水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂、水添ロジンエステル等を挙げることができる。
高誘電率の重合物を目的とした重合性組成物に用いられる場合、これらの中で、特に好ましいものとしては、水添ロジンエステルである。
低誘電率の重合物を目的とした重合性組成物に用いられる場合、これらの中で、特に好ましいものとしては、水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂である。
なお、本明細書においては、多価アルコールの一部のアルコール性水酸基が水添ロジンでエステル化された化合物も、多価アルコールのすべてのアルコール性水酸基が水添ロジンでエステル化された化合物もともに、水添ロジンエステルに含まれると定義する。
成分3において、25℃で液状である化合物と、25℃で固体である化合物を併用する場合の好ましい併用割合は、質量比で、90:10〜10:90であり、さらに好ましくは、80:20〜20:80である。
これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
通常、重合禁止剤は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になるよう調整することができる。ただし、重合禁止剤の量は、成分1に予め含まれている重合禁止剤を加味した値である。即ち、一般には、成分1に予め重合禁止剤が含まれているが、この重合禁止剤と新たに添加する重合禁止剤の総量を併せた量が、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になることを意味する。
通常、酸化防止剤は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になるよう調整することができる。ただし、重合禁止剤の量は、成分3等の他の成分に予め含まれている酸化防止剤を加味した値である。即ち、一般には、成分3等に予め酸化防止剤が含まれている場合があるが、この酸化防止剤と新たに添加する酸化防止剤の総量を併せた量が、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物の総量に対し、0.01〜5質量%の添加量になることを意味する。
本発明(II)は、本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置である。
本発明(II)の画像表示装置は、表示装置の本体が光学ガラスから形成されている場合、一般的にその屈折率(nD)は、1.49〜1.52となる。なお、屈折率(nD)が、1.55程度の強化ガラスも存在する。
例えば、図1の場合、保護部3は、表示部2と同程度の大きさの板状、シート状またはフィルム状の透光性部材から形成されている。この透光性部材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートとポリカーボネートの積層体などの樹脂を好適に用いることができる。保護部3の表面もしくは裏面には、反射防止膜、遮光膜、視野角制御膜等の光学層を形成してもよい。
保護部3がアクリル樹脂から形成されている場合には、一般的にその屈折率(nD)は1.49〜1.51となる。
保護部3は、表示部2の周縁部に設けられたスペーサ4を介して表示部2上に設けられている。このスペーサ4の厚さは0.05〜1.5mm程度であり、これにより画像表示部2と保護部3との表面間距離が1mm程度に保持される。
また、保護部3の周縁部には、輝度およびコントラストを向上させるため、枠状の遮光部8が設けられている。
また、例えば、図2や図3の場合、表示部2と保護部3との間には、重合物層5a、5bが介在している。本発明(I)の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置の場合には、この重合物層5aや重合物層5bには、本発明(I)の画像表示装置の製造方法に用いられる重合性組成物を重合して得られる重合物が介在するため、可視光領域の透過率が90%以上になる。ここで、重合物層5aや重合物層5bの厚みは10〜500μmとなるようにすることが好ましい。より好ましくは10〜350μmであり、さらに好ましくは10〜300μmである。
加えて、表示部2と保護部3との間に空隙を設けていた従来例に比して薄型に形成することができる。
また、図5の重合物層5bの場合には、例えば、表示部2上の偏光板6a上に、重合性組成物を塗布し、その上にタッチセンサー一体型保護部3を重ね、前述と同様に光重合を行うことで得られる。
さらに、図8の重合物層5aの場合には、例えば、重合性組成物を塗布し、その上に保護部3を重ね、前述と同様に光重合を行うことで得られる。
粘度は以下の方法により測定した。
試料1mLを使用して、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製、型式:DV−II+Pro、スピンドルの型番:CPE−42)を用いて、温度25.0℃、回転数5rpmの条件で粘度がほぼ一定になったときの値を測定した。
JIS K 0070に準拠して測定した。
数平均分子量は下記条件でGPCにより測定したポリスチレン換算の値である。
装置名:日本分光株式会社製HPLCユニット HSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製 RI−2031Plus
温度:40.0℃
試料量:サンプルループ 100μL
試料濃度:0.5質量%前後に調製
紫外線積算照度計 「UIT−250」(岩崎電機株式会社製)あるいは「UVPF−A1」(岩崎電機株式会社製)を使用して測定された積算光量の値である。
紫外線積算照度計 「UIT−250」(岩崎電機株式会社製)あるいは「UVPF−A1」(岩崎電機株式会社製)を使用して測定された照度の値である。
攪拌装置および蒸留装置を備えた500mLの反応容器中にPripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)322.2g、セバシン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)87.5g、ジオクチル錫オキシド(商品名:DOTO、北興化学工業株式会社製)0.18gを仕込み、約170℃、常圧下から始めてメタノールを流出させながら減圧しつつエステル交換反応を行った。メタノールの総留出量は24.4gであった。水酸基価58.1mgKOH/gであるポリエステルポリオール(以下、ポリエステルポリオールAと記す。)を得た。
攪拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデンサーを備えた100mLの反応容器に、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの混合物(商品名:VESTANAT(登録商標)TMDI、エボニックデグサ製)21.89g、ジオクチル錫ジラウレート12mgおよびp−メトキシフェノール24mgを反応容器に投入し、4−ヒドロキシブチルアクリレート15.16gを、滴下ロートを用いて滴下投入した。滴下中、反応容器内の温度は70℃以下になるようにした。滴下終了後、2時間、反応器内の温度を65〜70℃に維持したまま、撹拌を継続して反応生成物(以下、反応生成物αと記す。)を得た。
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを備えた300mLの反応容器に、前述のポリエステルポリオールA 178.9g、Pripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)1.1gおよびジオクチル錫ジラウレート12mgを投入し、撹拌を開始した。その後、60℃に温度を維持した反応生成物α 33.7gを数回に分けて反応容器内に投入した。その間、反応器内の温度は、70℃より高くならないようにした。その後、反応器内の温度を65〜70℃に維持して撹拌を継続した。IRでイソシアナト基のC=O伸縮振動の吸収がなくなったことを確認して反応を終了し、数平均分子量2300であるウレタンアクリレート(以下、「ウレタンアクリレート1」と記す。)を得た。
コンデンサー、滴下ロート、温度計および撹拌機付きの300mLセパラブルフラスコに、水添末端水酸基含有ポリブタジエン(水酸基価47.1mgKOH/g、商品名:NISSO−PB GI−2000、日本曹達株式会社製)180gおよびジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて、内温を50℃ に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルメタクリレート(商品名:カレンズMOI(登録商標)、昭和電工株式会社製)22.86gを滴下ロートから15分かけて滴下した。滴下している間、内温が70℃を超えないようにした。滴下終了後、70±2℃の内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止め反応を終了し、数平均分子量2610である水添ポリブタジエンウレタンメタクリレート1を得た。
コンデンサー、滴下ロート、温度計および撹拌機付きの300mLセパラブルフラスコに、ポリブタジエンポリオール(水酸基価47.1mgKOH/g、商品名:NISSO−PB G−2000、日本曹達株式会社製)180gおよびジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて、内温を50℃に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルメタクリレート(商品名:カレンズMOI(登録商標)、昭和電工株式会社製)22.86gを滴下ロートから15分かけて滴下した。滴下している間、内温が70℃を超えないようにした。滴下終了後、70±2℃の内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止め反応を終了し、数平均分子量2560であるポリブタジエンウレタンメタクリレート(以下、「ウレタンメタクリレート1」)を得た。
攪拌装置および蒸留装置を備えた5Lの反応容器中にPripol(登録商標)2033(クローダ製水添ダイマージオール、水酸基価202mgKOH/g)3200g、Pripol(登録商標)1009(クローダ製水添ダイマー酸、酸価194mgKOH/g)1018g、常圧下に窒素を通じつつ200℃に加熱して、反応により生成する水を留去しながら縮合反応させた。生成物の酸価が20以下になった時点でテトライソプロピルチタネート0.08gを添加して、真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を行って、数平均分子量1055のポリエステルポリオール(以下、ポリエステルポリオールBと記す。)を得た。
コンデンサー、滴下ロート、温度計および撹拌機付きの300mLセパラブルフラスコに、ポリエステルポリオールB 180g及およびジオクチル錫ジラウレート20mgを入れ、オイルバスを用いて、内温を50℃に昇温した。その後、2−イソシアナトエチルアクリレート(商品名:カレンズAOI(登録商標)、昭和電工株式会社製)24gを滴下ロートから15分かけて滴下した。滴下している間、内温が70℃を超えないようにした。滴下終了後、70±2℃の内温を管理して、撹拌を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のC=O伸縮振動の吸収が見られなくなったので、撹拌を止め反応を終了し、数平均分子量1196であるポリウレタンアクリレート(以下、「ウレタンアクリレート2」)を得た。
ラウリルアクリレート(商品名:ブレンマーLA、日油株式会社製)10.0質量部、テルペン系水添樹脂(商品名:CLEARON(登録商標)K100、ヤスハラケミカル株式会社製)25.0質量部、コンデンサー、温度計および攪拌機付き200mL四口セパラブル丸底フラスコの中に入れ、撹拌しながら、オイルバスを用いて、200mL四口セパラブル丸底フラスコ内の温度を90℃に昇温した。テルペン系水添樹脂がラウリルアクリレートに完全に溶解したのを確認して、温度を50℃以下まで冷却した。
その後、前記ウレタンアクリレート1 25.0質量部、液状水添ポリブタジエンポリオール(商品名:NISSO−PB GI−1000、日本曹達株式会社製)25.0質量部、液状ポリブテンHV−15 14.0質量部、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX(登録商標)1010、BASF社製)1.0質量部、およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(商品名:Irgacure(登録商標)819、BASF社製)1.0質量部を、前記200mL四口丸底フラスコの中に入れ、撹拌しながら、オイルバスを用いて、73℃に昇温し、溶液が均一になるまで、撹拌を継続し、25℃での粘度が3300mPa・sの微黄色均一溶液を得た。得られた配合物を重合性組成物A1とした。
配合例1と同様の方法によって、表1に示す配合組成に従って配合した。配合例2〜配合例6で調製した配合物を、それぞれ重合性組成物A2〜重合性組成物A6とし、比較配合例1で調製した配合物を重合性組成物B1とした。
なお、表1の数字は、特にことわりのない限り、「質量部」を意味する。
※2 ラウリルアクリレート (商品名:ブレンマーLA、日油株式会社製、分子量240.38)
※3 N−アクリロイルモルホリン (商品名:ACMO、興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、分子量141.17)
※4 N,N−ジエチルアクリルアミド (商品名:DEAA、興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、分子量127.19)
※5 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート (株式会社日本触媒製、分子量144.17)
※6 2−ヒドロキシブチルメタクリレート (商品名:ライトエステルHOB(N)、共栄社化学株式会社製、分子量158.20)
※7 テルペン系水添樹脂 CLEARON(登録商標)P85 (ヤスハラケミカル株式会社製)
※8 テルペン系水添樹脂 CLEARON(登録商標)K100 (ヤスハラケミカル株式会社製)
※9 液状水添ポリブタジエンポリオール NISSO−PB GI−1000 (日本曹達株式会社製)
※10 水添ダイマージオール (商品名:Pripol 2033、クローダ社製)
※11 液状ポリブテン HV−15 (JX日鉱日石エネルギー株式会社製)
※12 液状ポリブタジエン POLYVEST 110 (エボニックデグサ製)
※13 IRGANOX(登録商標)1010 (化合物名:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF製)
※14 光重合開始剤 IRGACURE 184 (化合物名:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF製、吸収波長200〜380nm)
※15 光重合開始剤 IRGACURE 819 (化合物名:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、BASF製、吸収波長200〜450nm)
2枚のガラス板(50mm×50mm×0.7mm、ガラスの種類 商品名:EAGLE XG(登録商標)、CORNING製)に、重合性組成物A1〜重合性組成物A6、重合性組成物B1を、膜厚が0.2mmになるように挟み込み、メタルハライドランプを用いたコンベア式紫外線照射装置(株式会社ジーエス・ユアサライティング製、商品名:GSN2−40)を用い、照射強度190mW/cm2(365nmの値)、照射量5000mJ/cm2(365nmの値)の条件で紫外線を照射して重合させ、ガラス板に挟まれた膜厚が約0.2mmの評価試験用の重合物膜を得た。
なお、重合性組成物A1〜重合性組成物A6、重合性組成物B1から得られた重合物膜を、それぞれ重合物膜A1〜重合物膜A6、重合物膜B1とする。
照射前の重合性組成物A1〜重合性組成物A6、重合性組成物B1と重合後の重合物膜A1〜重合物膜A6、重合物膜B1のそれぞれから、それらの硬化成分(モノマー、オリゴマー)を、重合性組成物と重合物膜が0.2wt%となる量のテトラヒドロフランを用いて抽出し、液体クロマトグラフィーで硬化前の重合性組成物の総ピーク面積(I0)、重合性組成物における非硬化成分のピーク面積(I1)、硬化後の重合物膜の総ピーク面積(I2)を求め、次式により硬化率を算出した。
硬化率(%)={1−(I2−I1)/(I0−I1)}×100
結果を表2に記す。
前記方法で製造した膜厚約0.2mmの重合物膜A1〜重合物膜A6、重合物膜B1を引張り試験機(島津製作所社製、EZ Test/CE)に固定し、23℃において、引っ張り速度10mm/minで試験を行い、密着性を求めた。
具体的には、前記重合物膜を挟んだ2枚のガラスの外側の両面に、両面テープを用いてプラスチック治具を貼り付け、そのプラスチック治具を引張試験機のチャック部で挟み込んで、ガラスと重合物膜との間を剥はがす方向に引っ張り、ガラスへの密着性(単位:N/cmφ)を評価した。なお、「N/cmφ」とは、直径1cmの円の面積あたりの力(単位:N)を意味する。
その結果を表2に記す。
2枚のガラス板(50mm×50mm×0.7mm、ガラスの種類 商品名:EAGLE XG(登録商標)、CORNING製)のうち1枚に、40mm×40mmの矩形の外側が遮光されるような枠状の遮光部を、遮光用粘着テープ(PT25NB、リンテック株式会社製)を用いて設け、重合性組成物A1〜重合性組成物A6、重合性組成物B1を、膜厚が0.2mmになるように2枚のガラス板の間に挟み込み、メタルハライドランプを用いたコンベア式紫外線照射装置(株式会社ジーエス・ユアサライティング製、商品名:GSN2−40)を用い、照射強度190mW/cm2(365nmの値)、照射量5000mJ/cm2(365nmの値)の条件で紫外線を枠状の遮光部がある側から照射して、重合組成物を一部重合させた膜厚約0.2mmの試験片A1〜試験片A6、試験片B1を得た。これらの試験片A1〜試験片A6、試験片B1の遮光部がない側から白色LEDライト(ストリームライト社製、商品名:STREAMLIGHT3C PROPOLYMER)を用い、偏光板(日東電工株式会社製、商品名:NPF−SEG1425PU)を挟んで照射時間1時間、照射量1mJ/cm2(405nmの値)の条件で可視光線を照射した。これらの試験片を垂直に立てて1時間静置後、試験片の外観変化や未硬化物の流出の有無を観察した。
○:外観変化や未硬化物の流出が無い
×:外観変化や未硬化物の流出が有る
結果を表3に記す。
2 表示部
3 保護部
4 スペーサ
5、5a、5b 重合物層
6a、6b 偏光板
7 タッチセンサー
8 遮光部
11 重合前の重合性組成物を介在させた物品
12 貼り合せ機
13 透光性の部分
14 ランプ
15 仮露光用ランプ
16 重合物層が介在した物品
16a 画像表示部を有する基部
17 バックライトユニット
101 液晶表示装置
102 液晶表示パネル
103 保護部
104 スペーサ
105 空隙
Claims (16)
- 画像表示部を有する基部と、透光性の保護部と、バックライトとを有する画像表示装置の製造方法であって、
該方法は、
(工程1)画像表示部を有する基部と、透光性の保護部との間に未硬化時に流動性を有する重合性組成物を介在させる工程、
(工程2)透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程、および、
(工程3)画像表示部を有する基部越しにバックライトから光を照射し、画像表示部を有する基部を透過した400〜780nmの可視光領域波長の光を吸収させることにより、重合性組成物を重合する工程
を含み、
重合性組成物が、
(成分1)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および
(成分2)400〜780nmの可視光領域に吸収波長を有する光重合開始剤
を含み、
重合性組成物の25℃の粘度が500〜50000mPa・sであることを特徴とする方法。 - 透光性の保護部が遮光部を有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- バックライトの光源が、冷陰極管、白色LEDおよびRGB3色LEDからなる群より選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置の製造方法。
- 成分2が、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 透光性の保護部越しに光を照射することにより、重合性組成物を重合する工程において、光の照射量が、365nmを検出する紫外線積算光量計を用いて観測されるエネルギーで、1000〜10000mJ/cm2の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 成分1が、数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物および分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 数平均分子量が1000〜40000である(メタ)アクリロイル基含有高分子化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置の製造方法。
- ウレタン(メタ)アクリレートが水添ダイマージオールとジエステルとのエステル交換反応により得られるポリエステルポリオールの残基を含むことを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。
- 分子量500以下の(メタ)アクリロイル基含有化合物が、
炭素数8〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートおよびエーテル結合を有する(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物、ならびに
(メタ)アクリルアミド系化合物およびアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。 - 重合性組成物が、さらに、
(成分3)炭素原子および水素原子のみで構成された化合物、または炭素原子、水素原子および酸素原子のみで構成された化合物
を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。 - 成分3が、
25℃で液状である化合物および25℃で固体である化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置の製造方法。 - 成分3が、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状水添ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン、液状ポリブタジエンポリオール、液状水添ポリブタジエンポリオール、液状ポリイソプレンポリオール、液状水添ポリイソプレンポリオールおよび水添ダイマージオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の製造方法。 - 成分3は、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の製造方法。 - 成分3が、25℃で液状である化合物を含み、
前記25℃で液状である化合物は、
ポリ(α−オレフィン)液状物、エチレン−プロピレン共重合体液状物、エチレン−α−オレフィン共重合体液状物、プロピレン−α−オレフィン共重合体液状物、液状ポリブテン、液状水添ポリブテン、液状水添ポリブタジエン、液状水添ポリイソプレン、液状水添ポリブタジエンポリオールおよび液状水添ポリイソプレンポリオールからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の製造方法。 - 成分3が、25℃で固体である化合物を含み、
前記25℃で固体である化合物は、
水添石油樹脂、テルペン系水添樹脂および水添ロジンエステルからなる群より選択された少なくとも1種の化合物
を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の画像表示装置の製造方法。 - 請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法によって製造された画像表示装置。
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