JP2009031776A - 画像表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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宏政 河合
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亨 高橋
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Megumi Takahashi
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Abstract

【課題】 優れた視認性を示し、かつ画像表示パネルに対する密着性に優れた透明樹脂層を備えた画像表示装置及びそれを容易に、生産性良く製造する方法を提供すること。
【解決手段】 表示パネル及び保護パネルのいずれか一方のパネル上に透明樹脂シートを載置する工程、透明樹脂シートの上に紫外線硬化性液状物を載置する工程、紫外線硬化性液状物の上に他方のパネルとなる画像表示パネル又は上記保護パネルを載置する工程、及び紫外線硬化性液状物を硬化する工程を有する製造方法に従って、画像表示パネルと該画像表示パネルの前面に設置される保護パネルとの間に透明樹脂層が密着配置された画像表示装置を製造する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、画像表示装置及びその製造方法に関する。詳しくは、携帯電話、デジタルカメラ及びゲーム機等のモバイル用表示機器、カーナビゲーションテレビ及び各種操作用表示パネル等の移動体搭載用表示機器、ならびにパーソナルコンピューター及び平面テレビ等の家電用表示機器等の多用途に適用可能な画像表示装置及びその製造方法に関する。
代表的な画像表示装置として液晶表示装置が例示される。液晶表示装置は、一般に、液晶パネルと、バックライトユニットとを含む構成を有する。図1(a)に示すように液晶パネル10は、液晶セル12と、その両外面に取り付けられた偏光板14a,14b等の光学フィルムとから構成される。図1(b)に示すように、液晶セル12は、予め表面に透明電極、画素パターン等が形成された約1mm程度の厚さを有する一対のガラス基板16a,16bの間に、数ミクロン程度のスペーサー18aを介して液晶18bを充填し、シールすることによって作製されている。このように構成される液晶パネルを用いた表示装置は、薄くて傷付き易い表示用部品である。そのため、特に、携帯電話、ゲーム機、デジカメ及び車載機器等の用途では、一般に、液晶パネルの前面に一定の空隙を介して透明な保護板が設けられている。
前面に保護板を有する従来の液晶表示装置の一例を図2に示す。図2に示した液晶表示装置は、液晶パネル10と、液晶パネル10の上面(視認側)に空隙20を介して配置された保護パネル30と、液晶パネル10の下面に配置された反射板、導光板及び拡散シート等を備えたバックライトユニット40とから構成される。保護パネル30は透明な板であり、一般に、ガラス、又はアクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂等の透明プラスチックが用いられる。空隙20は、装置の外部から加わる機械的な圧力の影響が、液晶パネル10に直接及ばないように設けられるものであり、携帯電話、ゲーム機及びデジタルスチールカメラ等の持ち運びを前提とした機器に適用される液晶表示装置において特に必要とされる構成である。
一般的に、保護板の透明視認部の屈折率は、通常1.4〜1.6であり、液晶表示セルの視認側に貼られて偏光板の最外層を構成する透明プラスチックフィルムの屈折率は、通常1.5〜1.6である。一方、空隙部は、空気(空気層)から構成され、その屈折率は1である。このように空気層を介して保護板を設けた場合、それぞれの界面においてフレネル反射による反射損が生じ、表示特性が大きく低下する傾向がある。そのため、テレビやモニター等の高い画質が要求される用途では、液晶表示装置の表示特性を低下させる保護板を設けることができず、画面を指で押せば絵が歪む状態のまま商品化されているのが現状である。
このような状況下、液晶表示装置の視認性と強度等を向上することを目的として、空隙部分を透明物質で充填した構造とそのような装置を製造するための方法が検討されてきた。しかし、空隙部を透明物質で充填することによって、反射損による表示特性の低下は改善されるものの、液晶パネルと保護板との間に透明物質を介在させる際の気泡の巻き込みによって視認性が低下する傾向があるため、さらなる開発が検討されている。
特許文献1では、液晶パネル等の画像表示パネルと保護パネルとの間にスペーサー又は成形枠で囲まれた空間を設け、その空間へ液状樹脂を供給し、その後に液状樹脂を硬化させる方法によって、気泡の巻き込みを抑制することを提案している。また、特許文献2では、可塑剤含有のポリマーからなる透明樹脂シートを介し、その透明樹脂シートと液晶表示パネル又は透明保護板の一方又は双方との間に当該シートを膨潤も溶解もさせない粘度が10cP(0.01Pa・s)以下の揮発性液体を配備した状態で、液晶表示パネルの視認側と透明保護板とを密着させることによる方法を提案している。
特開平6−337411号公報 特開平9−197387号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、気泡の巻き込みは解決できたとしても、液状樹脂の厳密な定量供給に時間がかかること、成形枠から滲み出した樹脂の処理が必要となること、さらに硬化収縮によって凹みが発生し易い(平坦性に劣り易い)こと、等の解決すべき課題がある。また、特許文献2に記載の方法では、作業性や平坦性に優れるものの、貼り合わせ直後には透明樹脂シートの界面近傍に浸透した揮発性液体の散逸に伴って気泡や界面剥離が発生し易く、さらに使用環境の湿度や温度の変化によっても気泡や界面剥離が発生し易い等の解決すべき課題がある。したがって、本発明は、このような課題を解決し、優れた視認性を示し、かつパネルに対する密着性に優れた透明樹脂層を備えた画像表示装置を提供すること、またそのような画像表示装置を容易に、かつ生産性良く製造する方法を提供することを目的とする。
本発明による画像表示装置の製造方法は、画像表示パネルと該画像表示パネルの前面に設置される保護パネルとの間に透明樹脂が密着配置された画像表示装置に向けたものであり、上記画像表示パネル及び上記保護パネルのいずれか一方のパネル上に透明樹脂シートを載置する工程、上記透明樹脂シートの上に紫外線硬化性液状物を載置する工程、上記紫外線硬化性液状物の上に、他方のパネルとなる上記画像表示パネル又は上記保護パネルを載置する工程、及び上記紫外線硬化性液状物を硬化させる工程
を含むことを特徴とする。
ここで、上記製造方法において、上記紫外線硬化性液状物は、上記透明樹脂シートを膨潤させると共に上記透明樹脂シートと相容することが好ましい。
上記紫外線硬化性液状物を硬化させる工程に先立ち、上記紫外線硬化性液状物を上記透明樹脂シートに浸透させ、画像表示パネルまたは保護パネルの他方のパネルを上記透明樹脂シートに密着させる工程をさらに含むことが好ましい。
上記画像表示パネル及び上記保護パネルのいずれか一方のパネルは、その表面上に上記透明樹脂シートを取り囲む外形を有し、かつ空気が通過可能な複数の空隙を有する枠材を備えていることが好ましい。
上記紫外線硬化性液状物は、25℃において10,000cP(10Pa・s)以下の粘度を有し、かつ上記紫外線硬化性液状物中に存在する沸点120℃未満の非重合性揮発性成分の含有量が5%以下であることが好ましい。
上記透明樹脂シートを載置する工程は、上記画像表示パネル及び上記保護パネルのいずれか一方のパネル上に上記紫外線硬化性液状物を滴下し、その上に上記透明樹脂シートを重ね合わせることによって、上記紫外線硬化性液状物の層を上記透明樹脂シートと上記パネルとの界面に展開させることを含むことが好ましい。
上述した製造方法によって得られる画像表示装置は、その視認部に最大対角長20μm以上の気泡を含まないことが好ましい。
本発明による画像表示装置は、画像表示パネルと該画像表示パネルの前面に設置される保護パネルとの間に透明樹脂層が密着配置されており、上記透明樹脂層が、透明樹脂シートと、上記樹脂シートを膨潤させると共に上記樹脂シートと相容する紫外線硬化性液状物の硬化物とを備え、最大対角長20μm以上の気泡が視認部に存在しないことを特徴とする。
ここで、上記透明樹脂層は、空気が通過可能な複数の空隙を有する枠材で取り囲まれ、上記枠材の空隙内に上記紫外線硬化性液状物が含浸し、さらに硬化していることが好ましい。
上記紫外線硬化性液状物は、25℃において10,000cP(10Pa・s)以下の粘度を有し、かつ上記紫外線硬化性液状物中に存在する沸点120℃未満の非重合性揮発性成分の含有量が5%以下であることが好ましい。
本発明によれば、視認性、光学特性、及び耐久性に優れる画像表示装置を提供することが可能である。特に、透明樹脂層を透明樹脂シートと紫外線硬化性液状物とを併用して構成し、適正に取り扱うことによって、視認部での最大対角長20μm以上の気泡の発生を制御し、残留応力を緩和して歪みの発生を低減することができる。また、残留する揮発性成分を減少させることにより、揮発性成分に起因するガスによる気泡の発生や、粘着力低下による剥離が改善され、長期信頼性に優れた画像表示装置を実現することができる。また、本発明による画像表示装置の製造方法によれば、目視で識別できるような気泡の発生を抑制することで、オートクレーブによる加圧や減圧等の脱泡処理を施す必要なく、視認性に優れた保護パネル一体構造の画像表示装置を容易に製造することが可能である。さらに、紫外線照射完了前に検査によって気泡や異物を発見した場合、紫外線硬化性液状物が完全に硬化する前であれば、容易にリペアすることが可能であるため、画像表示装置を極めて高い歩留で製造することができる。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明による画像表示装置の一例を図3に示す。図3に示したように、本発明による画像表示装置は、画像表示パネル10’と該画像表示パネル10’の前面に設置される保護パネル30との間に透明樹脂層22が密着配置された構造を有し、透明樹脂層22が、透明樹脂シートと、紫外線硬化性液状物の硬化物とを含み、目視により識別され装置の視認性を低下させるような気泡、より具体的には最大対角長20μm以上の気泡を視認部に含まないことを特徴とする。透明樹脂層22は、紫外線硬化性液状物を介して、画像表示パネル10’と保護パネル30との間に透明樹脂シートを設けることによって形成することができるが、紫外線硬化性液状物が透明樹脂シートを膨潤させると共に該樹脂シートと相容するものであることが好ましい。そのような紫外線硬化性液状物を使用することによって、液状物は透明樹脂シートに吸収され一体化し、さらに紫外線の照射によって硬化することにより、透明な層を形成することが可能である。
なお、本発明で使用する用語「膨潤」及び「相容(compatible)」は、それぞれ、液状物中の低分子量液状成分(モノマー化合物及び可塑剤等の各種添加剤)が透明樹脂シートの樹脂と親和して吸収される性質を示している。より具体的には、「膨潤」とは、液状物中の中高分子量成分(オリゴマー及びポリマー化合物)が上記低分子量液状成分に溶解した状態のまま、透明樹脂シートにも一部乃至全部が吸収される状態を意味する。また「相容(compatible)」とは、シートに吸収された成分がその後も透明樹脂シート中に均一に微細分散して維持される状態を意味する。これらの状態は、透明樹脂シートの外観変化を目視で観察することによって確認することが可能である。液状物は観察初期には樹脂シートと区別できるが、それらはシート内部に浸透し、吸収されるにつれてシートと一体化される。そして「膨潤した」状態となると、シート表面の濡れ、べたつき感の発現といった外観変化を伴う。さらに、液状物と透明樹脂シートとが「相容した」状態は、それらが透明な層を形成するため、目視によって容易に確認することができる。仮に、液状物が透明樹脂シートを膨潤させるものであっても、それらが相容しない場合には、マクロな相分離が生じ、白濁した外観となるため、先の状態と容易に識別することができる。このように「膨潤」及び「相容」の状態は、シートの外観から容易に確認できるが、より厳密に言えば、後述するように、全光線透過率が50%以上となる透明樹脂層を形成するのに十分であることが好ましい。
上述のように特定の紫外線硬化性液状物を使用した場合、パネルに透明樹脂シートを単体で貼り合せるか、又はシートに膨潤又は相容しない揮発性液体を介在してシートを貼り合わせた場合に比べて、シートに残留し易い応力や歪みが、液状物の膨潤や硬化後の相容といった現象によって低減される。また、液状物単独で透明樹脂層を形成する場合に比べて、液状物の硬化収縮に伴う体積変化もほとんど問題にならないほど小さいため、構造設計上の障害にならず、残留応力もほとんど残らない。さらに、本発明の画像表示装置における透明樹脂層は、揮発性成分の残留量が低いため、揮発性成分に由来して後に気泡が発生することがなく、また粘着力が低下して透明樹脂層がパネルから剥離することがない。このように本発明によれば、最大対角長20μm以上の目視で識別できるような気泡が視認部に発生することを防ぎ、光学特性や力学特性及び長期信頼性に優れた画像表示装置を実現することができる。
本発明による画像表示装置において、透明樹脂層の全光線透過率は50%以上、好ましくは75%以上である。透過率が50%未満では画像表示パネルの明るさやコントラストが損なわれる可能性がある。透明樹脂層の複屈折による位相差は、透明樹脂層が位相差制御による色調の微調整機能を実質的に兼ねる場合であっても、50nm以下が好ましい。位相差が50nmを超えると、液晶パネル等の偏光光学系への影響が大きくなるために好ましくない。また、透明樹脂層の厚みは、画像表示装置の仕様(例えば、画像表示部の大きさや他の部材の厚み等)に応じて自由に設定することが可能である。例えば、好ましい厚みとして、0.1〜10mmの範囲が挙げられる。厚みが0.1mm未満では外部からの応力を吸収し難くなる傾向があり、10mmを超えると透明性や色相を低下させやすい傾向がある。また、視認部分は±15%以内の均一な厚みを有することが、視認性の点から好ましい。透明樹脂層の屈折率は、隣接するパネル表面や保護パネル表面との屈折率差を小さくして反射光を低減する観点から、1.4〜1.6であることが好ましく、1.45〜1.55であることが特に好ましい。
上述の透明樹脂層を形成するために使用される透明樹脂シートは、全光線透過率が50%以上であることが好ましい。透明樹脂シートの全光線透過率が50%を下回ると、コントラストが低下するか、視認性が低下する傾向がある。また、透明樹脂シートの複屈折は、液晶パネル等の画像表示パネルの優れた色相を保持するために、30nm以下の位相差であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。複屈折が大きいと画像表示パネルを点灯した場合に色ムラが発生しやすくなる。さらに、透明樹脂シートの25℃における貯蔵弾性率は、10〜10Paであることが好ましい。弾性率が低すぎると、保護パネルを支えることが出来ずに、衝撃が加わった際に保護パネルが割れやすくなる。一方、弾性率が高すぎると、衝撃を吸収することが出来ずに、画像表示パネルが割れやすくなる。透明樹脂シートの屈折率は、1.4〜1.6であることが好ましく、反射光を低減する観点から1.45〜1.55であることが特に好ましい。透明樹脂シートの厚みは、画像表示装置の仕様に応じて自由に設定することができるが、0.1〜5mmが好ましい。シートの厚みが0.1mm未満では外部からの応力を吸収し難くなる傾向があり、5mmを超えるとシートの製造コストや取り扱い性の点で不利となる。
透明樹脂シートの具体例としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及びポリスチレン樹脂等の透明樹脂を含むものであり、被着体となる画像表示パネルや保護パネルに対して、加熱、加圧、接着剤及び粘着剤等によって貼り付け可能なシートであればよい。特に限定されないが、光学特性や後述の紫外線硬化性液状物との相容性の点から、特にアクリル樹脂及びポリウレタン樹脂を構成材料とすることが好ましい。なお、アクリル樹脂とは、アクリル酸又はメタクリル酸、及びそれらのアルキルエステル類等のアクリル系単量体、さらに必要に応じて、スチレン、アクリロニトリルやメタクリロニトリル、及びその他のビニル系単量体を含む単量体(混合物)を重合して得られる樹脂を意味する。
本発明で使用する透明樹脂シートを製造する方法は特に制限されない。例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合及び溶液重合等の熱重合によって合成した樹脂を溶融加工法や溶液流延法によってシート状に成形する方法が適用できる。また、直接、樹脂材料(単量体混合物)を塊状や溶液状でシート状に成形し、熱重合や光重合等によって樹脂シートにする方法等、その他、公知の方法を適用することもできる。特に、後者の方法、すなわち樹脂材料(単量体混合物)を塊状や溶液状でシート状に成形し、熱重合や光重合等によって樹脂シートにする方法を適用する場合には、使用する単量体混合物に、予め、別の(共)重合体を配合してもよい。
使用可能な(共)重合体の例として、ポリウレタン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、石油樹脂(タッキファイヤ樹脂)が挙げられる。このような(共)重合体と単量体混合物との配合物から透明樹脂シートを製造する方法は、粘度の調節や硬化物の機械物性を向上させることが可能である点で好ましい。この場合、配合する(共)重合体の重量平均分子量は、100,000〜600,000の範囲であることが好ましい。なお、本明細書中で使用する用語「重量平均分子量」は、標準ポリスチレンの検量線を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で得られた値を示している。(共)重合体の配合量の好適な範囲は、(共)重合体と単量体との混合物に対して、10〜60重量%である。(共)重合体の合成方法としては、溶液重合、懸濁重合、乳化重合及び塊状重合等の既知の重合方法を適用することができるが、溶液重合又は塊状重合が好ましい。
透明樹脂シートをアクリル樹脂等のラジカル重合によって重合可能な樹脂材料から形成する場合、必要に応じて樹脂材料中に重合開始剤を加えてもよい。重合開始剤としては、通常のラジカル重合反応に使用される化合物のいずれも使用することが可能である。例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の有機過酸化物; アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物; 過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性触媒; 過酸化物あるいは過硫酸塩と還元剤との組み合わせによるレドックス触媒; 及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の光重合開始剤等が挙げられる。重合開始剤は、単量体の総量に対して0.01〜10重量%の範囲で使用することが好ましい。
本発明で使用する紫外線硬化性液状物は、画像表示パネルと保護パネルの間に密着配置できるものであり、紫外線照射によって透明樹脂シートと両パネルとの界面で、透明樹脂シートを膨潤させると共に、透明樹脂シートとほぼ相容した状態で硬化可能となるものが好ましい。すなわち、紫外線硬化性液状物は、透明樹脂シートに浸透し、吸収されてシートと一体化し、さらに紫外線によって硬化して透明樹脂シートと共に透明な層を形成することが好ましい。このような紫外線硬化性液状物と透明樹脂シートとを組み合わせることによって、透明樹脂シート側に残留する応力や歪みを解消することができ、画像表示パネルと保護パネルとの間に、透明性、低複屈折性等の光学的な均質性や力学特性及び長期信頼性に優れた透明樹脂層を形成することが可能である。紫外線硬化性液状物の硬化物は、必ずしも透明樹脂シートと同質の材料である必要はない。画像表示装置の構造やその用途に応じて、透明樹脂シート及び紫外線硬化性液状物の硬化物の物性を任意に変更することによって、透明樹脂層の機械特性や光学特性等を適切に可変制御することが可能である。
紫外線硬化性液状物は、画像表示パネルと保護パネルとを重畳密着させる際に気泡が混入することを抑制する観点から、室温(25℃)において、10,000cP(10Pa・s)以下の粘度を有することが好ましい。粘度がこの範囲を超えると、取り扱い性に劣る傾向がある。特に粘度の下限はないが、実用面を考慮して、一般に0.1cP(1×10−4)以上の粘度を有するものが好ましい。また、本発明で使用される紫外線硬化性液状物は、それらの硬化によって透明樹脂シートを画像表示パネルと保護パネルとの間に接合させた後に、加温加圧や減圧脱気、及び乾燥等の後処理を不要とし、かつ長期信頼性を向上させるために、非重合性揮発性成分の含有量が少ないことが好ましい。より具体的には、紫外線硬化性液状物中に存在する沸点120℃未満の非重合性揮発性成分の含有量は5%以下であることが好ましい。揮発性成分となり得る成分の一例として、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤、低分子量の未反応モノマー、及び光重合開始剤の分解物等が挙げられる。このような揮発性成分が、紫外線硬化性液状物中に5%よりも多く存在する場合、保護パネル又は画像表示パネルと紫外線硬化樹脂の硬化物との界面で揮発性成分由来の気泡の発生及び界面でそれらが剥離するといった不具合が生じやすくなる。
本発明で使用可能な紫外線硬化性液状物の具体例としては、透明樹脂シートを膨潤すると共に該樹脂シートと相容する紫外線硬化性モノマーに光重合開始剤等の各種添加剤を配合して得られる液状物が挙げられる。液状物は上述の紫外線硬化性モノマーに加えて、それらのオリゴマー及びポリマー化合物を含んでもよい。そのような紫外線硬化性液状物の中でも、保護パネルと画像表示パネルとを接合するために適切な粘着力を付与できる点から、(メタ)アクリレート系化合物を含むものが好ましく、さらに短時間で光硬化が可能となる点から、アクリレート系化合物を含むものがより好ましい。アクリレート系モノマーの例として、n−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられる。中でも、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレートが好ましく、2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。これらのアクリレート系モノマーは、単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明では紫外線硬化性液状物として、上述のアルキルアクリレートに加えて、極性基を有するアクリレートを適宜使用することが好ましい。極性基を有するアクリレートを追加することによって、吸湿時の透明樹脂層の白濁を抑制することが可能である。使用可能な極性基を有するアクリレートの例として、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、1−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート及び1−ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレートのような水酸基含有アクリレート; ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリエチレングリコール等の(ポリ)エチレングリコール類のモノアクリレート; ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(ポリ)プロピレングリコール類のモノアクリレート; ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、ポリブチレングリコール等の(ポリ)ブチレングリコール類のモノアクリレート等が挙げられる。中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、1−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、1−ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレートが特に好ましい。これらのアクリレートは、単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
紫外線硬化性液状物に配合される光重合開始剤としては、紫外線等の光線に感度を有する化合物が使用される。例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等が挙げられる。樹脂組成物を着色させないものとしては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)及びこれらを組み合わせたものが好ましい。また、特に厚いシートを作製するためには、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物を含む光重合開始剤が好ましい。また、シートの臭気を減らすためには、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が好ましい。これらの光重合開始剤の好ましい配合量は、紫外線硬化性液状物に含まれる単量体混合物に対して0.5〜2重量%であり、複数を組み合わせて使用しても良い。さらに、光重合開始剤を用いるときには、ベンゾフェノンやナフタレン等の光増感剤を必要に応じて添加することができる。さらに、分子量調整剤として、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等を必要に応じて添加することができる。
本発明では、上述の透明樹脂シートの構成材料又は紫外線硬化性液状物に、必要に応じて各種添加剤を配合してもよい。例えば、消泡効果を有する添加剤、光の透過率や色合いを調整するための色素、装置の長期信頼性を向上させるための紫外線吸収剤や酸化防止剤、粘度を調整するための粘度調整剤、粘着力を強化するためのポリマー添加剤(例えば、タッキファイヤ等)、画像表示パネル表面や保護パネル表面との濡れ性を制御する界面活性剤、揮発性の低い可塑剤等を配合することが可能である。特に、消泡効果を有する添加剤の使用は、画像法事装置製造時の気泡の発生を容易に抑制し、生産性を高めることが可能であるため好ましい。これら各種添加剤の使用量は、画像表示パネルと保護パネルとの間に透明樹脂層を密着配置した画像表示装置の表示性能及び信頼性等に弊害のない範囲であれば、特に制約はない。
本発明による画像表示装置に適用される保護パネルは、少なくともその透明視認部が、複屈折による位相差が50nm以下であり、波長365nmの紫外線透過率が1%以上であるものが好ましい。透明視認部の複屈折が50nmを超えると、液晶パネル等の画像表示パネルの優れた色調に影響を及ぼすため好ましくない。また、波長365nmの紫外線透過率が1%を下回ると、紫外線硬化性液状物を硬化させて透明樹脂層を形成する際に、透明視認部側から紫外線を照射した際に十分な暴露量が得られず、硬化不足による臭気等の問題が起こり易い。本発明において保護パネルの透明視認部を構成するのに使用可能な材質の例として、ガラスや光学歪みの小さい透明樹脂が挙げられる。特に、好適なものとして、アクリル系樹脂シート、オレフィン系樹脂シート、シクロオレフィン系樹脂シート、フッ素系樹脂シート、低複屈折性ポリカーボネート樹脂シート、低複屈折性ポリエステル樹脂シート、及びシリコーン系樹脂シート等の紫外線透過性と低複屈折性との双方に優れる透明樹脂シートが挙げられる。
本発明の画像表示装置の保護パネルや透明樹脂層には、劣化防止、熱的安定性、成形性及び加工性等の観点から、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の抗酸化剤、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級脂肪酸金属塩等の離型剤、その他滑剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重金属不活性化剤、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、タルク、チタン酸バリウム、硫酸バリウム等の微粒状充填剤、ビクトリアピュアブルー等の染料、フタロシアニングリーン等の顔料等の着色剤等を添加して使用してもよい。
本発明による画像表示装置では、画像表示パネルとして、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の各種表示パネルを適用することが可能である。また、必要に応じてバックライトユニット等のエレメントを追加して装置を構成してもよい。例えば、液晶表示パネルを使用して液晶表示装置を構成する場合には、液晶表示パネルの裏面に、反射板、導光板及び拡散シート等のバックライトユニットを設ける。本発明による画像表示装置は、先に例示したような動画を表示するための各種画像表示機器に限らず、例えば写真や絵画のような静止画を展示するパネルの表面に保護層を設けた構造体も含むことを意図している。
さらに、本発明による画像表示装置は、装置の前面となる保護パネルの表面に、必要に応じて、反射防止層、防汚層、電磁波遮蔽層、近赤外線遮蔽層、及び色調整層等の各種機能層を積層させた構成としてもよい。保護パネルの表面に各種機能層を設ける場合、各種機能層の1つを単層として積層しても、複数の機能層を重ね合わせて積層してもよい。また機能層は、保護パネルの表面に直接積層しても、又は別途フィルム上に機能層を積層させた部材を貼り合わせてもよい。また各種機能を内蔵した保護パネルを使用してもよい。装置の表示特性を向上させる観点から、保護パネルの表面に反射防止層を設けることが好ましい。反射防止層としては、反射防止の機能を有すればよく、その構成は特に限定されない。例えば、市販の反射防止フィルム等を使用してもよい。画像表示装置の前面に防汚層を設けることも好ましい。防汚層を設けることによって、装置に汚れが付着し難くなるか又は汚れが落ち易くなり、装置の表示特性及び外観が向上する。
上述のように、本発明による画像表示装置は、透明樹脂シートと、該透明樹脂シートを膨潤させるか又は透明樹脂シートと相容する紫外線硬化性液状物を用いて透明樹脂層を構成することを特徴としており、適切な透明樹脂層を形成することが可能であれば、その製造にあたり、いかなる方法を適用してもよい。しかし、以下に記載する本発明による画像表示装置に向けた製造方法を適用することによって、視認性、光学特性及び耐久性に優れ、さらに長期信頼性に優れた画像表示装置を簡便かつ高い歩留りで生産することが可能である。
本発明による画像表示装置の製造方法は、画像表示パネルと該画像表示パネルの前面に設置される保護パネルとの間に透明樹脂層が密着配置された画像表示装置に向けたものであり、画像表示パネル及び保護パネルのいずれか一方のパネル上に透明樹脂シートを載置する工程、透明樹脂シートの上に紫外線硬化性液状物を載置する工程、紫外線硬化性液状物の上に、他方のパネルとなる画像表示パネル又は保護パネルを載置する工程、及び前記紫外線硬化性液状物を硬化させる工程を含むことを特徴とする。このような方法によれば、透明樹脂層の形成時に微細な気泡の発生を抑制することができる。すなわち、本発明の製造方法では、透明樹脂シートをその樹脂シートに浸透すると共に相容することが可能な紫外線硬化性液状物を介在して保護パネル及び画像表示パネルと密着させた後に紫外線を照射して固着するため、オートクレーブによる加圧又は減圧等の脱泡処理を施すことなく、両パネル間の隙間に充填された液状物によって界面の気泡を容易に排出させることができる。また、紫外線硬化性液状物が透明樹脂シートに浸透すると共に相容することによって、加温加圧又は減圧等の後処理を必要とせずに、それらを保護パネル及び画像表示パネルと透明樹脂シートとの界面に応力歪みを残すことなく密着させることができる。その結果、気泡混入がなく、残留歪みも殆ど残さず、視認性と長期信頼性とに優れた保護パネル一体型画像表示パネルの実現を図ることが可能となる。
図4は、本発明による画像表示装置の製造方法を説明するものであり、(a)〜(d)は各工程に対応する模式的断面図である。以下、本発明の製造方法について、図面に沿って具体的に説明する。なお、画像表示装置を構成する画像表示パネル、透明樹脂シート、紫外線硬化性液状物、及び保護パネルの詳細は、先に説明したとおりである。
最初に、画像表示パネル及び上記保護パネルのいずれか一方のパネル上に透明樹脂シートを載置する。図4(a)では保護パネル30の上に透明樹脂シート50を載置した場合を示している。透明樹脂シートは、シートを載置するパネルと同じ大きさであるか、又はパネルよりも小さい方が好ましい。透明樹脂シートの載置方法は特に限定されるものではないが、パネル表面と透明樹脂シートとの間に気泡やゴミを巻き込まないように貼り付けることが好ましい。例えば、ロールラミネーターや枚葉貼合機等を用いた従来公知の方法を適用することによって、気泡を残すことなく貼り付けることができる。また、シートを載置するパネルの上に紫外線硬化性液状物を滴下し、その上に透明樹脂シートを重ね合わせ、紫外線硬化性液状物の層を透明樹脂シートとパネルとの界面全体に展開させることによって、透明樹脂シートを貼り付けてもよい。後述の方法は、容易に界面に気泡が全くない状態にすることができるので好ましい。
次に、透明樹脂シートの上に紫外線硬化性液状物を載置する。図4(b)では、紫外線硬化性液状物52を透明樹脂シート50の中央に載置した場合を示している。載置方法は特に制限されず、液状物がシート全面に行き届くように、滴下及び塗布等ができればよい。透明樹脂シートを搭載した保護パネルまたは画像表示パネルのいずれかのパネル表面に枠材を設け、液状物の過剰な流出を食い止めることもできる。本発明による製造方法の一実施形態として、保護パネルの上面に枠材を設けた場合を図5に示す。図5に示した枠材60は、透明樹脂シート50を取り囲む外形を有している。しかし、本発明で使用可能な枠材は、紫外線硬化性液状物が過剰に広がるのをせき止めることが可能であれば、その形状及び材料は特に限定されるものではない。
本発明の一実施形態では、枠材の材料として、例えば、紫外線硬化性液状物を硬化させた紫外線硬化物と同種の紫外線硬化物を使用することが好ましい。粘度が極めて高いペースト状の硬化性液状物や紫外線硬化性液状物を紫外線によって硬化させた硬化物を使用することがより好ましい。特に、紫外線硬化性液状物と同種の紫外線硬化物を使用して枠材を構成することによって、枠材と紫外線硬化物との間の密着性や光学的均質性を容易に向上させることが可能となる。その結果、枠材と紫外線硬化物との境界付近が濁ったり、変色したりすることを抑制することができる。
また、枠材は、紫外線硬化性液状物を含浸させ得る材料を使用して構成することも好ましい。そのような枠材は、境界付近における剥離の発生を抑制することができる。さらに、枠材は、空気が通過可能な多数の空隙を有する材料を使用して構成することも好ましい。枠材が、空気が通過可能な多数の空隙を有することで、画像表示パネルと保護パネルとの間の透明樹脂(紫外線硬化物)に気泡が混入することを抑制することができ、その結果、気泡のない視認性の優れた画像表示装置を容易に製造することができる。このような枠材は、例えば、材料として連続気泡PVAスポンジシート、PP不織布シートなどを使用して構成することができる。なお、枠材の空隙内には流出した液状物が含浸されることになる。そのため、空隙を有する枠材を使用する場合、枠材の空隙内に含浸された液状物は、透明樹脂シートに含浸した液状物と同様にして硬化されることが好ましい。すなわち、透明樹脂層を取り囲む枠材の空隙は、紫外線硬化性液状物の硬化物を含むことが好ましい。
紫外線硬化性液状物の使用量は、画像表示パネルと保護パネルとを貼り合わせる際に、透明樹脂シートと、透明樹脂シート上に他方のパネルとして重ねられる保護パネル又は画像表示パネルとの隙間を充填し、気泡を外部に排出させるのに必要十分な量であればよい。紫外線硬化性液状物の使用量が透明樹脂シートの容積に相当する量を超えると、その後の工程において紫外線硬化性液状物の硬化収縮が無視できなくなる。一方、使用量が少なすぎると、気泡を完全に排出し終えないうちに透明樹脂シートに吸収されてしまう傾向がある。紫外線硬化性液状物の使用量の適正範囲は、透明樹脂シートとの相容性またはシートの厚さによっても変動するため、それらを考慮して気泡を排出させるのに十分な量を適切に設定することが好ましい。特に制約されるものではないが、本発明の一実施形態では、透明樹脂シートとの容積比で0.1〜1.0とすることが好ましい。例えば、樹脂シートが1mm×100mm×100mm(=10cm=10ml)の場合、液状物の使用量は1〜10mlとすることが好ましい。
次に、紫外線硬化性液状物の上に他方のパネルとなる画像表示パネル又は保護パネルを載置する。図4(c)では、他方のパネルが画像表示パネル10となる場合を例示している。載置方法に特に制限はないが、載置は気泡を巻き込まないように注意して実施する。例えば、一旦、透明樹脂シートを紫外線硬化性液状物で膨潤させた後に、気泡が入らないように、画像表示パネルを中央部から載置することが好ましい。紫外線硬化性液状物を透明樹脂シートに浸透させながら、載置したパネルと透明樹脂シートとを密着させる工程を追加してもよい。液状物を浸透させる際には、その浸透性を高めるために必要に応じて加熱を伴ってもよい。このような工程は、気泡の巻き込みをより効果的に抑制することが可能となるため好ましい。上述のようにしてパネルを載置及び密着させる段階で、気泡の巻き込み及び異物の混入等がないか検査し、紫外線硬化性液状物を硬化する前に、必要に応じてリペアすることも可能である。紫外線硬化性樹脂液状物が完全に硬化する前であれば、リペア作業が容易であるため、そのような検査工程を追加することによって画像表示装置を極めて高い歩留で製造することが可能となる。
最後に、紫外線硬化性液状物を硬化させて透明樹脂層を形成し、画像表示装置を構成する。紫外線硬化性液状物の硬化は紫外線の照射によって達成される。紫外線の照射は、図4(d)に示すように、画像表示装置の前面、すなわち紫外線を透過できる透明な保護パネル30側から行うことが好ましい。紫外線の強度、硬化時間等の硬化条件は、適宜選択することができる。本発明による製造方法では、紫外線透過性の保護パネル側から紫外線を照射することによって、紫外線硬化性樹脂液状物を完全に硬化することが可能である。さらに保護パネル以外の箇所から紫外線を照射するか、又はポストキュアーを行うことによって、保護パネル側からの照射した紫外線に暴露されにくい部位の液状物の硬化を促進することが好ましい。
紫外線を照射するための装置としては、市販されている一般的な紫外線照射装置を使用することができる。光源は、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、及びLED等であってよいが、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、及びメタルハライドランプがより好ましい。また、照射装置は、コンベアで移送される連続式の装置であっても、1枚ずつ照射するバッチ式の装置のいずれを使用してもよい。特定部位のみを硬化させる場合には、バンドルファイバを使用したスポット照射装置を使用することが好ましい。
本発明による製造方法では、上述の各工程に加えて、必要に応じて画像表示装置に組み込まれる反射防止層及び防汚層等の各種機能層を設ける工程が追加される。保護パネルの表面に各種機能層を積層する場合、保護パネルの表面に直接積層しても、又は別途フィルム上に機能層を積層した部材を貼り合わせてもよい。また、例えば、バックライト方式の液晶表示装置を製造する場合には、液晶表示パネルの下面(裏面)に設けられる、反射層、導光層及び拡散層等のバックライトユニットを形成する工程が追加される。
本発明による画像表示装置の一実施形態となる液晶表示装置は、上述の方法に従って保護パネルと液晶パネルとを紫外線硬化性液状物を介して接合したユニットを形成し、そのユニットをさらにバックライトユニットと共に金属枠内に配置して液晶モジュールとした後に、その液晶モジュールを表示装置の外装に組み込むことによって製造することが可能である。このような構成は、液晶テレビのような、従来、保護パネルを使用せずに構成されている表示装置に適合しやすい。また別法として、液晶パネルとバックライトユニットとを金属枠内に配置した液晶モジュールを、携帯電話やデジタルスチールカメラ等の外装に接合されたか又は一体成型された保護パネルに紫外線硬化性液状物を介して接合することによって製造することも可能である。このような構成は、携帯電話のような保護パネルを使用している装置の場合に適合しやすい。
なお、本発明による画像表示装置の製造方法は、例えば携帯電話の用途に使用されるような2インチ程度の小型の液晶表示装置に限らず、32インチ、42インチ、50インチあるいはそれ以上の大型の液晶表示装置にも適用可能である。また、先に例示した液晶表示パネルに限らず、プラズマ表示パネル及び有機EL表示パネル等のその他の各種画像表示パネルを備えた画像表示装置の製造にも同様に適用可能である。本発明による製造方法を適用することで、視認性、光学特性及び耐久性に優れ、さらに長期信頼性に優れた各種画像表示装置を簡便かつ高い歩留りで生産することが可能である。
以下、本発明による画像表示装置及びその製造方法について実施例によって説明する。しかし、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
なお、以下に示す実施例及び比較例における各種特性の評価は、以下に示す方法に従って実施した。
(全光線透過率)
全光線透過率の測定は、色差・濁度測定器COH−300A(日本電色工業製)を用いて実施した。
(複屈折による位相差)
He−Neレーザーを用いたエリプソメーター(島津製作所製AEP−100)によって、透明樹脂シートの位相差(シングルパス)を測定し、その複屈折の度合いを評価した。
(貯蔵弾性率)
透明樹脂シートを幅3mm長さ20mmに切断し、その切断片について、TA Instruments社製のRSA−IIIを用いた引っ張り試験法によって測定した。測定周波数は1Hzとした。
(粘度)
E形粘度計(東京計器製TV−33)を用いて、温度25℃における粘度を測定した。
(重量平均分子量)
THFを溶媒とし、ポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定を実施した。使用した装置は、(株)日立製作所製の日立L6000型高速液体クロマトグラフであり、カラムは日立化成工業(株)製のゲルパックR400,R450及びR400M(商品名)である。
(実施例1)
(透明樹脂シートAの作製)
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素注入管を取り付けた反応容器に、初期モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート84.0gと、2−ヒドロキシエチルアクリレート36.0gと、メチルイソブチルケトン150.0gとを秤量し、100ml/minの風量で窒素置換しながら、15分間かけて常温から70℃まで加熱した。その後、温度を70℃に維持しながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート21.0gと、2−ヒドロキシエチルアクリレート9.0gとを秤量し、それらにラウリルパーオキシド0.6gを溶解させて溶液を調製し、その溶液を60分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間にわたって反応を行った。得られた反応混合物から、メチルイソブチルケトンを溜去することによって、2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー(重量平均分子量250,000)を得た。
次に、以下の化合物、
先に調製したコポリマー 44.50g、
2−エチルヘキシルアクリレート 38.25g、
2−ヒドロキシエチルアクリレート 16.25g、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 1.00g、及び
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン 0.50g
をそれぞれ秤量し、反応容器に加え、窒素雰囲気下、35〜40℃において、コポリマーと光開始剤が完全に溶解するまで攪拌混合することによって、透明樹脂シートを構成する樹脂材料を調製した。得られた樹脂材料を、幅100mm、奥行き100mm、深さ0.5mmの成形枠に流し込み、成形枠の上部を紫外線透過性ガラスで覆った状態で、紫外線照射装置を用いて2,000mJで紫外線を照射することによって透明樹脂シートAを得た。樹脂材料の硬化収縮は5.5%であり、シートAの全光線透過率は92%、複屈折は0.5nm、25℃での貯蔵弾性率は1.8×10であった。またシートAの厚さは、250μmであった。
(紫外線硬化性液状物aの調製)
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素注入管を取り付けた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート38gと、2−ヒドロキシエチルアクリレート16gと、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.0gと、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5gとを秤量し、100ml/minの風量で窒素置換しながら、溶液が均一になるまで攪拌することによって、紫外線硬化性液状物aを得た。なお、得られた液状物aの粘度は、10cP(0.01Pa・s)であった。また、液状物aにおける沸点120℃未満の非重合性揮発性成分の含有量を加熱減量法によって確認したところ、1%未満であった。
(液晶表示装置の作製)
先に作製した透明樹脂シートAを外形40mm×50mmに切断し、その切断片を、厚さ1mm、鉛筆硬度4H、複屈折15nm、波長365nmにおける透過率25%の透明なアクリル樹脂製の保護板にロールラミネーターを用いて貼り合わせた。次いで、透明樹脂シートAの中央に0.7mlの紫外線硬化性液状物aをスポイトで滴下し、その上に2インチサイズの液晶パネルを載置し、液晶パネルとシートAとを気泡を含まないように対面密着させた。その後、保護板の主面側から紫外線照射装置を用いて紫外線を2,000mJ照射して液状物aを硬化させ、保護板と液晶パネルとを完全に接合することによって、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について、液晶パネル部を点灯させたところ、視認部には目視で識別できる気泡や界面剥離による空孔は見られず、コントラストの低下及び色むら等の不良が発生せずに、良好な視認性を示した。この液晶表示装置の視認性について、6ヶ月後に再び検討したところ、視認部には目視で識別できる気泡や界面剥離による空孔は見られなかった。
(実施例2)
(透明樹脂シートBの作製)
以下の化合物、
2−エチルヘキシルアクリレート 20.00g、
2−ヒドロキシエチルアクリレート 20.00g、
ジシクロペンタニルアクリレート 60.00g、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 1.00g、及び
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン 0.50g
をそれぞれ秤量し、反応容器に加え、窒素雰囲気下、35〜40℃で、コポリマーと光開始剤が完全に溶解するまで攪拌混合することによって、透明樹脂シートを構成する樹脂材料を調製した。得られた樹脂材料を、幅100mm、奥行き100mm、深さ0.5mmの成形枠に流し込み、成形枠の上部を紫外線透過性ガラスで覆った状態で、紫外線照射装置を用いて2,000mJで紫外線を照射することによって透明樹脂シートBを得た。樹脂材料の硬化収縮は7.5%であり、シートBの全光線透過率は92%、複屈折は1.0nm、25℃での貯蔵弾性率は7.8×10であった。またシートBの厚さは、250μmであった。
(紫外線硬化性液状物bの調製)
先の実施例1で透明樹脂シートAに向けて調製した、2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー44.50gを追加したことを除き、全て実施例1に記載した紫外線硬化性液状物aの調製方法と同様にして、紫外線硬化性液状物bを調製した。なお、得られた液状物bの粘度は、3500cP(3.5Pa・s)であった。また、液状物bにおける沸点120℃未満の非重合性揮発性成分の含有量を加熱減量法によって確認したところ、1%未満であった。
(液晶表示装置の作製)
先に作製した透明樹脂シートBを外形40mm×50mmに切断し、その切断片を、厚さ1mm、鉛筆硬度4H、複屈折15nm、波長365nmにおける透過率25%の透明なアクリル樹脂製の保護板にロールラミネーターを用いて貼り合わせた。次いで、透明樹脂シートAの中央に0.7mlの紫外線硬化性液状物bをスポイトで滴下し、その上に2インチサイズの液晶パネルを載置し、液晶パネルとシートBとを気泡を含まないように対面密着させた。その後、保護板の主面側から紫外線照射装置を用いて紫外線を2,000mJ照射して液状物bを硬化させ、保護板と液晶パネルとを完全に接合することによって、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について、液晶パネル部を点灯させたところ、視認部には目視で識別できる気泡や界面剥離による空孔は見られず、コントラストの低下及び色むら等の不良が発生せずに、良好な視認性を示した。この液晶表示装置の視認性について、6ヶ月後に再び検討したところ、視認部には目視で識別できる気泡や界面剥離による空孔は見られなかった。
(実施例3)
(透明樹脂シートCの作製)
1−ヒドロキシ−1,1−ジメトキシ−1−ビニルシラン(20g)と白金触媒(0.02g)とを混合した溶液を、外周に沿って成形枠を設けた表面離型処理済みガラス板上に流し込み、100℃に加熱したオーブン内で硬化するまで放置した。溶液の硬化を確認した後、成形枠を外すことによって、透明な樹脂シートCを得た。なお、成形枠は、内寸法180mm×250mm、外寸法190mm×260mm、厚み1mmであった。樹脂材料の硬化収縮は10%であり、樹脂シートCの全光線透過率は92%、複屈折は12nm、25℃での貯蔵弾性率は1.8×10であった。また、シートの厚さは、1mmであった。
(液晶表示装置の作製)
液晶パネルの視認側に設けられたガラス製偏光板の上に、先の実施例1で調製した紫外線硬化性液状物aを9g滴下し、その上に透明樹脂シートCを重ね合わせ、紫外線硬化性液状物aの層を透明樹脂シートCとガラス製偏光板との界面全体に展開させて気泡が全くない状態で密着させた。次いで、残る透明樹脂シートの表面に、再び紫外線硬化性液状物aを9g滴下し、その上に保護板として厚さ2.8mm、鉛筆硬度7H、複屈折30nm、波長365nmでの透過率83%のガラス板を重ね合わせ、紫外線硬化性液状物aの層を透明樹脂シートCとガラス板との界面全体に展開させて気泡が全くない状態で密着させ、積層体を構成した。次いで、積層体のガラス板側から、紫外線照射装置を用いて紫外線を2,000mJ照射することによって、液晶パネルと保護板との間に透明樹脂層を密着配置した液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について、液晶パネル部を点灯させたところ、視認部には目視で識別できる気泡や界面剥離による空孔は見られず、コントラストの低下及び色むら等の不良が発生せずに、良好な視認性を示した。この液晶表示装置の視認性について、6ヶ月後に再び検討したところ、視認部には目視で識別できる気泡や界面剥離による空孔は見られなかった。
(実施例4)
(液晶表示装置の作製)
保護板として、厚さ1mm、鉛筆硬度H、複屈折15nm、波長365nmでの透過率75%の透明なシクロオレフィン樹脂(日本ゼオン製、商品名ZEONOR1060R)の成形板を用いたこと以外、全て実施例1と同様の方法によって、液晶パネルと保護板との間に透明樹脂層を密着配置した液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について、液晶パネル部を点灯させたところ、視認部には目視で識別できる気泡や界面剥離による空孔は見られず、コントラストの低下及び色むら等の不良が発生せずに、良好な視認性を示した。この液晶表示装置の視認性について、6ヶ月後に再び検討したところ、視認部には目視で識別できる気泡や界面剥離による空孔は見られなかった。
(実施例5)
先の実施例1で調製した紫外線硬化性液状物aにトルエン5gを追加し、紫外線硬化性液状物cを調製した。この紫外線硬化性液状物cを使用したこと以外、全て実施例1と同様の方法によって、液晶パネルと保護板との間に透明樹脂層を密着配置した液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について検討したところ、視認部となる領域において、目視で識別できる最大対角長20μm以上の気泡が5〜10箇所程度発生していることが分かった。
以上、実施例1〜5では、液晶表示装置を例にして本発明による画像表示装置及びその製造方法について説明した。しかし、本発明は液晶表示装置に限らず、プラズマ表示装置等のその他の表示装置についても同様に適用可能であり、本発明によれば優れた視認性を示し、かつ画像表示パネルに対する密着性に優れた透明樹脂層を備えた各種画像表示装置を容易に、生産性良く製造できることは容易に理解されるべきである。
(比較例1)
紫外線硬化性液状物aにかえてメチルエチルケトンを用いたこと以外、全て実施例1と同様の方法によって、液晶パネルと保護板との間に透明樹脂層を密着配置した液晶表示装置を作製した。メチルエチルケトンは透明樹脂シートに対して膨潤及び相容の状態を示したが、非重合性であるため紫外線の照射によって硬化しない。そのため、実際に作製した液晶表示装置は、液晶パネルと保護板との間に、膨潤及び相容の状態にあるが未硬化の透明樹脂シートを有するものであった。そのような装置の視認性について検討したところ、視認部となる領域において、目視で識別できる最大対角長20μm以上の気泡や界面剥離による空孔が少なくとも10箇所で発生していることが分かった。
(比較例2)
紫外線硬化性液状物bにかえて純水を用いたこと以外、全て実施例2と同様の方法によって、液晶パネルと保護板との間に透明樹脂層を密着配置した液晶表示装置を作製した。純粋は透明樹脂シートに対して膨潤及び相容の状態を示さず、非重合性であるため紫外線の照射によって硬化しない。そのため、実際に作製した液晶表示装置は、液晶パネルと保護板との間に透明樹脂シートを有し、その界面には純水が残存している。そのような液晶表示装置の視認性について検討したところ、作製時には視認部となる領域において気泡は確認できなかった。しかし、装置を室内で数日放置した後、再度視認性について確認したところ、目視で識別できる最大対角長20μm以上の気泡や界面剥離による空孔が少なくとも10箇所で発生していることが分かった。


各実施例および各比較例の各種特性の評価結果を表1に示す。
Figure 2009031776
(注記)
液晶表示装置に関する評価基準は以下の通りである。
「○」:液晶表示装置を作製した直後の外観検査において及び6ヶ月後の検査においても、目視で識別できる気泡や界面剥離、コントラスト及び色むらの発生が見られない。
「△」:液晶表示装置を作製した直後の外観検査では目視で識別できる気泡や界面剥離は見られない。しかし、6ヶ月後の検査では目視で識別できる気泡や界面剥離の発生が見られた。
「×」:液晶表示装置を作製した直後の外観検査において、目視で識別できる気泡や界面剥離が見られた。
「−」:未測定
液晶表示装置に適用される液晶パネルを説明する図であり、(a)は液晶パネルの構造を示す模式的断面図であり、(b)は(a)における液晶表示セル部を示す模式的断面図である。 従来の保護板付き液晶表示装置の構造の一例を示す模式的断面図である。 本発明による画像表示装置の構造の一例を示す模式的断面図である。 本発明による画像表示装置の製造方法の概略を説明するものであり、(a)〜(d)は各工程に対応する模式的断面図である。 本発明による画像表示装置の製造方法の一実施形態を説明する正面図である。
符号の説明
10 液晶パネル
10’ 画像表示パネル
12 液晶表示セル
14a、14b 光学フィルム(偏光板)
16a、16b ガラス板
18a スペーサー
18b 液晶
20 空隙(空気層)
22 透明樹脂層
30 保護パネル
40 バックライトユニット
50 透明樹脂シート
52 紫外線硬化性液状物
60 枠材

Claims (10)

  1. 画像表示パネルと該画像表示パネルの前面に設置される保護パネルとの間に透明樹脂が密着配置された画像表示装置の製造方法であって、
    前記画像表示パネル及び前記保護パネルのいずれか一方のパネル上に透明樹脂シートを載置する工程、
    前記透明樹脂シートの上に紫外線硬化性液状物を載置する工程、
    前記紫外線硬化性液状物の上に、他方のパネルとなる前記画像表示パネル又は前記保護パネルを載置する工程、及び
    前記紫外線硬化性液状物を硬化させる工程
    を含むことを特徴とする画像表示装置の製造方法。
  2. 前記紫外線硬化性液状物が、前記透明樹脂シートを膨潤させると共に前記透明樹脂シートと相容することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
  3. 前記紫外線硬化性液状物を硬化させる工程に先立ち、前記紫外線硬化性液状物を前記透明樹脂シートに浸透させ、画像表示パネルまたは保護パネルの他方のパネルを前記透明樹脂シートに密着させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置の製造方法。
  4. 前記画像表示パネル及び前記保護パネルのいずれか一方のパネルが、その表面上に、前記透明樹脂シートを取り囲む外形を有し、かつ空気が通過可能な複数の空隙を有する枠材を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
  5. 前記紫外線硬化性液状物が25℃において10,000cP(10Pa・s)以下の粘度を有し、かつ前記紫外線硬化性液状物中に存在する沸点120℃未満の非重合性揮発性成分の含有量が5%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
  6. 前記透明樹脂シートを載置する工程が、前記画像表示パネル及び前記保護パネルのいずれか一方のパネル上に前記紫外線硬化性液状物を滴下し、その上に前記透明樹脂シートを重ね合わせることによって、前記紫外線硬化性液状物の層を前記透明樹脂シートと前記パネルとの界面に展開させることを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって得られ、最大対角長20μm以上の気泡を視認部に含まないことを特徴とする画像表示装置。
  8. 画像表示パネルと該画像表示パネルの前面に設置される保護パネルとの間に透明樹脂層が密着配置された画像表示装置であって、前記透明樹脂層が、透明樹脂シートと、前記樹脂シートを膨潤させると共に前記樹脂シートと相容する紫外線硬化性液状物の硬化物とを備え、最大対角長20μm以上の気泡が視認部に存在しないことを特徴とする画像表示装置。
  9. 前記透明樹脂層が、空気が通過可能な複数の空隙を有する枠材で取り囲まれ、前記枠材の空隙内に前記紫外線硬化性液状物が含浸し、さらに硬化していることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
  10. 前記紫外線硬化性液状物が、25℃において10,000cP(10Pa・s)以下の粘度を有し、かつ前記紫外線硬化性液状物中に存在する沸点120℃未満の非重合性揮発性成分の含有量が5%以下であることを特徴とする請求項8または9に記載の画像表示装置。
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