JP2006196737A - 光透過性電磁波シールドシート - Google Patents

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Abstract

【課題】 光透過性及び電磁波シールド性の経時安定性に優れ、耐擦傷性、耐屈曲性及びカール性に優れた光透過性電磁波シールドシートを提供する。
【解決手段】 透明基材3の一方の面に少なくとも導電層7がパターン状に形成され、前記パターン状に形成された導電層7上に樹脂層9が積層された光透過性電磁波シールドシート1であって、該樹脂層9は、有機イソシアネートとポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートとを反応させて得られる放線線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート等のポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する樹脂組成物を硬化させてなる光透過性電磁波シールドシートである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、陰極線管(以下CRTという)、プラズマディスプレイパネル(以下PDPという)等のディスプレイから発生するEMI(Electro Magnetic Interference;電磁(波)障害)を遮蔽する光透過性電磁波シールドシートに関する。更に詳しくは、光透過性及び電磁波シールド性の経時安定性に優れ、耐擦傷性、耐屈曲性及びカール性に優れた光透過性電磁波シールドシートに関する。
電磁波シールドシートには大きく分けて、透明基材上にスパッタ法等により透明導電層を設けた透明導電膜タイプと、同じく透明基材上に、印刷、メッキ、導電性繊維、金属箔のエッチング等によりメッシュ状に導電層を形成したタイプとがある。メッシュタイプにおいては、透明基材上にライン幅10〜30μm、ラインピッチ200〜400μm程度の導電層が形成される。
しかし、何れの方式においても導電層の耐久性はあまり高くなく、導電層が最表面に設けられた場合の、接触、擦れ等によるラインの断裂・変形、耐湿熱保存による導電層の腐食等の問題が発生することが考えられる。
そのため、ディスプレイの表面に電磁波シールドフィルムを設ける場合は、他のフィルムとラミネートし、導電層が最表面とならないように設計される場合が通常であるが、ラミネートする際には、導電層と透明基材の境目に凹凸が存在するため気泡を抱き込みやすく、ラミネート後に追加工が必要となる場合がある。更に、エッチングタイプにおいては、金属箔を接着剤によりラミネートしたものをエッチングすることによりメッシュ状の導電層を形成するが、メッシュの開口部分である接着剤表面は金属箔の表面形状が賦形されてしまうため表面が荒れてしまい、より気泡を抱き込みやすいという問題がある。
このような問題を解決するため、金属メッシュ上に樹脂を被覆させる方法があるが、膜を高硬度にすれば、硬質モノマーの使用や、架橋密度を高める事による硬化収縮時の歪みの増大により基材への密着性が低下したり、クラック、カール発生等の問題が生じる。特開2004−39981には、金属メッシュ上にアクリル系の樹脂で透明化層を形成した方法があるが、屈曲性、密着性、耐湿熱性、カール特性等において満足するものではなかった。
特開2004−39981号公報
本願発明は、光透過性及び電磁波シールド性の経時安定性に優れ、耐擦傷性、耐屈曲性及びカール性に優れた光透過性電磁波シールドシートを提供するものである。
本発明者が鋭意基検討を行った結果、硬化前の樹脂組成物がポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する樹脂層を、パターン導電層上に積層せることにより、光透過性、耐湿熱性、耐擦傷性に優れ、更に表面平滑性、耐屈曲性、及びカール性が良好で2次加工性に優れた光透過性電磁波シールドシートを提供可能であることを見いだした。
本発明は、透明基材の一方の面に少なくとも導電層がパターン状に形成され、パターン導電層上に樹脂層が積層された光透過性電磁波シールドシートであって、該樹脂層は、少なくともポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする光透過性電磁波シールドシートである。
本発明の光透過性電磁波シールドシートは、光透過性、耐湿熱性、耐擦傷性に優れ、更に表面平滑性、耐屈曲性、カール特性が良好であり、2次加工性に優れている。
図1〜3は、本発明の光透過性電磁波シールドシートの構造を示す説明図である。図1に本発明の光透過性電磁波シールドシートの一例を示す。光透過性電磁波シールドシート1は、透明基材3上に導電層として金属メッシュ層7がパターン状に形成され、更に金属メッシュ層7を覆うように樹脂層9が積層される。
また、光透過性電磁波シールドシート1の透明基材3と金属メッシュ層7との間に接着剤層を設けることもできる。図2に接着剤層5を設けた本発明の光透過性電磁波シールドシートの他の一例を示す。
また、金属メッシュ層7は、複層とすることもできる。図3に金属メッシュ層7が蒸着層11の上部にメッキ層13を設けて複層とした本発明の光透過性電磁波シールドシートの他の一例を示す。
透明基材3は、少なくとも可視光に対して透明性を有するものであることが好ましい。また、水蒸気バリア性を有するものであってもよい。
透明基材3を構成する素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂類、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、もしくはポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂類、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルホン、もしくはポリエーテルケトン等の樹脂からなるフィルムが好ましい。例えば、これらのうちでも、透明性、耐熱性、および取扱い性の面等から、PETフィルムが好ましく選択される。PETフィルムは、引張強度等の機械的強度が優れており、また、量産されていて比較的安価でもある。
透明基材3は透明性が高いことが好ましく、透明基材3が単層の場合、可視領域の光線透過率が80%以上であるものが好ましい。ここで、透明基材3の透明性としては、無色透明であることが好ましいが、必ずしも無色透明でなくてもよく、本発明の目的を妨げない程度であれば、着色された着色透明であってもよい。可視領域の光線透過率は出来る限り高いことが好ましいが、最終製品としては50%以上の光線透過率が必要なことから、透明基材3が上記のような樹脂のフィルムを2枚を積層する場合でも、各々のフィルムの光線透過率が80%であれば、目的に適う。もちろん、光線透過率が高ければ高いほど、多数枚のフィルムを積層出来るため、各々のフィルムの光線透過率は、より好ましくは85%以上であり、最も好ましくは90%以上である。なお、光線透過率を向上させるには厚みを薄くするのが有効な手段である。
透明基材3の厚みは、透明性が満足されれば特に制限されないが、加工性の面からは、12μm程度〜300μm程度の範囲であることが好ましい。厚みが12μm未満であると、フィルム状基材3が柔軟過ぎて、加工する際の張力により伸張やシワが発生しやすく、また、厚みが300μmを超えると、フィルムの可撓性が減少し、各工程での連続巻き取りが困難になる上、透明基材3どうしを複数枚、積層する際の加工性が大幅に劣るといった問題も生じるからである。
金属メッシュ層7は、プラズマディスプレイ等から発生した電磁波を遮蔽する機能を有するものである。このような金属メッシュ層7は、透明基材3上に、接着剤層5により金属箔が貼り合わせられ、その金属箔がメッシュ状にエッチングされることにより形成される。また、金属メッシュ層7は、印刷、メッキ等により形成させることもできる。
金属メッシュ層7を構成する金属としては、電磁波遮蔽性を有するものであれば、その種類等は特に限定されるものではなく、例えば銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、金、銀、ステンレス、タングステン、もしくはチタン等を用いることができる。これらのうちでも銅が、電磁波のシールド性、エッチング処理適性や取扱い性の面から好ましい。また用いられる銅箔の種類としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられるが、特に、電解銅箔であることが好ましい。これにより、厚さが10μm以下の均一性のよい金属メッシュ層とすることができ、また、金属メッシュ層の表面に黒化処理が施された際に、酸化クロム等との密着性を良好なものとすることができるからである。
黒化処理は、金属箔の一方の面または両面に行なわれていることが好ましい。黒化処理は酸化クロム等により金属メッシュ層の表面を黒化する処理であり、電磁波遮蔽層において、この酸化処理面は、観察者側の面となるように配置される。黒化処理により金属メッシュ層表面に形成された酸化クロム等により、外光が吸収されることから、金属メッシュ層表面で光が散乱することを防止することができ、高い映像コントラストが得られる光学機能フィルムとすることができるのである。このような黒化処理は、上記金属箔に黒化処理液を塗布することにより行なうことができる。
黒化処理の方法としては、CrO2 水溶液や、無水クロム酸水溶液に酒石酸、マロン酸、クエン酸、乳酸等の異なるオキシカルボン酸化合物を添加して、6価クロムの一部を3価クロムに還元した溶液等を、ロールコート法、エアーカーテン法、静電霧化法、スクイズロールコート法、浸漬法等により塗布し、乾燥させることにより行なうことができる。なお、この黒化処理は、透明基材上に、接着剤層または粘着剤層により金属箔が貼り合わせられ、メッシュ状にエッチングされた後、または印刷・メッキ等により金属メッシュ層を得た後に行なわれるものであってもよい。
この黒化処理された金属箔の表面の黒濃度が0.6以上であることが好ましい。これにより、より非視認性を良好なものとすることができるからである。ここで、黒濃度は、COLOR CONTROL SYSTEMのGRETAG SPM100−11((株)KIMOTO製)を用いて、観測視野角10°、観測光源D50、照明タイプとして濃度標準ANSI Tに設定し、白色キャリブレイション後に測定した値である。
また、上記金属箔の膜厚は、1μm〜100μmの範囲内、中でも5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜厚が厚いと、エッチングによりパターン線幅を細かく高精細化することが困難となり、また上記範囲より膜厚が薄い場合には、十分な電磁波シールド性が得られないからである。
さらに、上記金属箔は、JIS B0601に準拠する十点平均粗さが0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より小さい場合には、上記黒化処理をした場合であっても、光学フィルタ表面の外光が鏡面反射することから、視認性が劣化し、また上記範囲より大きい場合には、接着剤やレジスト等を塗布することが困難となるからである。
金属箔のエッチングは、透明基材上に、接着剤層または粘着剤層を介して金属箔が貼り合わせられた後に行なわれるものである。このエッチングは、通常のフォトリソグラフィー法により行なうことができ、例えば金属箔の表面にレジストを塗布し、乾燥した後、レジストをパターン版で密着露光し、現像処理を行なうことにより得ることができる。
上述したような金属メッシュ層は、表面抵抗が10−6Ω/□〜5Ω/□の範囲内、中でも10−4Ω/□〜3Ω/□の範囲内であることが好ましい。一般的に、電磁波遮蔽性は、表面抵抗により測定することができ、この表面抵抗が低いほど、電磁波遮蔽性が良好なものということができる。ここで、上記表面抵抗の値は、表面抵抗測定装置ロレスターGP、(株)ダイヤインスツルメンツ製にてJIS K7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験法」に記載される方法にて測定された値である。
金属メッシュ層は、50μm〜1000μmの範囲内、中でも100μm〜400μmの範囲内、特に200μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、またメッシュ線幅が5μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。メッシュ線幅が上記範囲より細かい場合には、断線が起こる場合があり、電磁波遮蔽性の面から好ましくなく、またメッシュ線幅が上記範囲より太い場合には、可視光の透過率が低く、例えばプラズマディスプレイの輝度が低くなる等という面から好ましくないからである。
また、開口部にはラミネート用接着剤層が、エッチング前に接していた金属箔の表面を反映した粗面を有して露出している。凹凸および粗面を解消するため、凹凸をならすのに必要な厚みの樹脂層9を平坦化層として被覆する。
樹脂層9の厚みは、特に限定するものではないが、5〜100μmであることが好ましい。
本発明の樹脂層9は、硬化前の組成物が少なくともポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する。
本発明の樹脂層9を形成する、ポリカプロラクトン構造を有する化合物を含有する樹脂組成物としては、大別して、(1)紫外線、電子線等の放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレートを主成分として含有する放射線硬化型組成物、(2)ポリジメチルシロキサン系共重合体、ポリカプロラクトン及びポリシロキサンを含有する樹脂組成物が使用できる。
(1)放射線硬化型組成物について詳細に説明する。本発明の放射線硬化型組成物は、例えば、(i)1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有されている組成物、(ii)ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上の放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有されている組成物、(iii)放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)及び、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C2)が主成分として含有されている組成物、(iv)1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とカプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上のポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C3)が主成分として含有されている組成物、(v)1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C4)が主成分として含有されている組成物が有効に使用可能である。
また、前記各放射線硬化型組成物は、更に前記ウレタン(メタ)アクリレート(C)と共重合可能な放射線硬化性官能基を有する化合物(E)及び/又は放射線硬化性シリコーングラフトもしくはブロック共重合体(F)を含有させることも好ましい。
本発明の樹脂層9として特に好ましい組成物は、(i)1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有され、更に紫外線硬化性シリコーン共重合体が含有された組成物である。
この組成物によれば、光透過性、耐湿熱性、耐擦傷性に優れ、更に表面平滑性、耐屈曲性、特にカール特性が良好であり、2次加工性に優れている。
前記硬化型組成物(i)について具体的に説明する。
硬化型組成物(i)は、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有されている。
本発明の有機イソシアネート(A)は、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機化合物であるが、有機イソシアネート1分子中に含まれるイソシアネート基の数は3個以上であることが好ましい。
1分子中にイソシアネート基を2個有する有機イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネートなどのジイソシアネートモノマーが挙げられる。
1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとしては、ジイソシアネートモノマーをイソシアヌレート変性させた下記一般式(1)で表される化合物、ジイソシアネートモノマーをアダクト変性させた下記一般式(2)で表される化合物、ジイソシアネートモノマーをビウレット変性させた下記一般式(3)で表される化合物、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートカプロエート、トリアミノノナントリイソシアネートなどのイソシアネートプレポリマーが挙げられる。イソシアヌレート環を有する有機イソシアネートが特に好ましく、これにより、耐熱特性が向上し、耐熱保存時にも表面平滑性が良好であり、光透過性が維持できる。
Figure 2006196737
Figure 2006196737
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本発明のポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)は、下記一般式(4)で表される化合物であり、放射線硬化性官能基(CH2=)を有している。このポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特に好ましくは、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
Figure 2006196737
前記硬化型組成物(ii)について説明する。但し、硬化型組成物(i)と異なる点でのみ説明する。
硬化型組成物(ii)は、ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上の放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有されている。
前記放射線硬化型組成物に含有されるウレタン(メタ)アクリレート間におけるポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数の平均は、1〜3.5の範囲が好ましい。また同繰り返し数の差は、上限については9以下が好ましく、下限については4以上が好ましい。
なお、前記放射線硬化型組成物に含有される各ウレタン(メタ)アクリレートは、前記第1実施形態の場合と同様、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される。
(ii)によれば表面の自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。
前記硬化型組成物(iii)について説明する。但し、硬化型組成物(i)と異なる点でのみ説明する。
硬化型組成物(iii)は、放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)及び、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C2)が主成分として含有されている。
ここで、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、カプロラクトン単位の繰り返し数がゼロの(メタ)アクリレートモノマーと見なすことができる。
そうしたとき、上記2種類のウレタン(メタ)アクリレート間における(メタ)アクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数の平均は、1〜3.5の範囲が好ましい。また同繰り返し数の差は、上限については9以下が好ましく、下限については4以上が好ましい。
なお、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)は、下記一般式(5)で表される化合物であり、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
Figure 2006196737
以上説明した(iii)によれば、表面の自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。
前記硬化型組成物(iv)について説明する。但し、硬化型組成物(i)と異なる点でのみ説明する。
硬化型組成物(iv)には、カプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上のポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)と有機イソシアネート(A)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(C3)が主成分として含有されている。
カプロラクトン単位の繰り返し数が異なるポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート間における前記繰り返し数の平均は、1〜3.5の範囲が好ましい。また同繰り返し数の差は、上限については9以下が好ましく、下限については4以上が好ましい。
以上説明した硬化型組成物(iv)によれば、表面の自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。
前記硬化型組成物(v)について説明する。但し、硬化型組成物(i、iii)と異なる点でのみ説明する。
硬化型組成物(v)には、ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)と有機イソシアネート(A)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(C4)が主成分として含有されている。
これを先に定義した“(メタ)アクリレートモノマー”を用いて換言すれば、次の通りである。すなわち、前記放射線硬化型組成物には、カプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上の(メタ)アクリレートモノマーと有機イソシアネートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートが主成分として含有されている。
カプロラクトン単位の繰り返し数が異なる(メタ)アクリレートモノマー間における前記繰り返し数の平均は、1〜3.5の範囲が好ましい。また同繰り返し数の差は、上限については9以下が好ましく、下限については4以上が好ましい。
以上説明した(v)によれば、表面の自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。
前記(i)〜(v)の放射線硬化型組成物に、放射線硬化性官能基含有化合物(E)及び/又は放射線硬化性シリコーングラフトもしくはブロック共重合体(F)を加えてもよい。
放射線硬化性官能基含有化合物(E)の例としては、ウレタン(メタ)アクリレート(C)と共重合可能な放射線硬化性官能基を有する化合物であり、代表例として、(メタ)アクリロイル基を有する単官能性又は多官能性のモノマー又はオリゴマーが挙げられる。具体的には、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、N―ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレンなどの単官能性のモノマー;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの二官能性のモノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの6モルエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能性のモノマー;不飽和ポリエステル、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどのオリゴマーが挙げられる。
本発明における放射線硬化性シリコーングラフト又はブロック共重合体(F)は、ポリジメチルシロキサン部分(グラフト又はブロック)と、放射線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート(C)(上記イソシアネートプレポリマー化合物(A)及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(B)を反応させて得られる)と共重合可能な紫外線硬化性官能基とを有する化合物であり、グラフト共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。放射線硬化性シリコーングラフトもしくはブロック共重合体(F)により、シリコーン成分を架橋構造中に導入することにより、光透過性、耐湿熱性、耐擦傷性に優れ、更に表面平滑性、耐屈曲性、特にカール特性が良好であり、2次加工性に優れている。
この紫外線硬化性シリコーングラフト又はブロック共重合体(F)は、グラフトタイプの反応性シリコーン(f1-1 )又はブロックタイプの反応性シリコーン(f1-2 )と、グリシジル基、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基等の官能基を有するビニル単量体(f2-1,2-2,2-3,2-4
)と、さらに必要に応じて、上記反応性シリコーン(f1-1及び/又はf1-2)と共重合可能なその他のビニル単量体(f3)とを共重合するとともに、上記ビニル単量体(f2-1,2-2,2-3,2-4)の官能基と反応可能であって、紫外線硬化性官能基を有する化合物(f4-1,4-2,4-3,4-4)を付加することにより得られる。
グラフトタイプの反応性シリコーン(f1-1 )としては、例えば、下記式(6)で示される化合物等の、一方の末端に不飽和二重結合を有するものが挙げられる。
Figure 2006196737
また、ブロックタイプの反応性シリコーン(f1-2 )としては、例えば、下記式(7)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2006196737
グリシジル基を有するビニル単量体(f2-1 )としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等が挙げられ、イソシアネート基を有するビニル単量体(f2-2
)としては、例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート、ビニルイソシアネート等が挙げられ、水酸基を有するビニル単量体(f2-3
)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられ、カルボキシル基を有するビニル単量体(f2-4
)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
上記反応性シリコーン(f1-1 及び/又はf1-2 )と共重合可能なその他のビニル単量体(f3)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等の脂肪族又は環式アクリレート又はメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等のジエン類などがある。これらのビニル単量体(f3)は、上記ビニル単量体(f2-1,2-2,2-3,2-4
)の官能基と反応性を有しないものである。
また、グリシジル基と反応可能であって、紫外線硬化性官能基を有する化合物(f4-1 )としては、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられ、イソシアネート基と反応可能であって、紫外線硬化性官能基を有する化合物(f4-2
)としては、水酸基を有する2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコール型、ブトキシヒドロキシアクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート等のエポキシ型、あるいはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する化合物などが挙げられ、水酸基と反応可能であって、紫外線硬化性官能基を有する化合物(f4-3
)としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート、ビニルイソシアネート等が挙げられ、カルボキシル基と反応可能であって、紫外線硬化性官能基を有する化合物(f4-4
)としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等が挙げられる。なお、以上の例示は本発明を限定するものではない。
前記各放射線硬化型組成物に光開始剤(G)を加ることにより、硬化速度が速まるなど放射線硬化型組成物の硬化特性を向上させることができる。
本発明の放射線硬化型組成物は光開始剤(G)としては、例えば、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、o−ベンゾイルメチルベンゾエート、アセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、エチルアントラキノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、チバガイギー株式会社製のイルガキュア184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(例えば、チバガイギー株式会社製のダロキュア1173)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、チバガイギー株式会社製のイルガキュア651)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、メチルベンジルホルメートなどがある。
有機イソシアネート(A)をポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)やヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)と反応させてウレタン(メタ)アクリレート(C)を合成する反応は、溶剤中で行なってもよい。溶剤の例としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤が挙げられる。また、上記反応は、無溶剤系で行うこともできるし、紫外線硬化性官能基を有する化合物、例えばスチレン、イソボルニルアクリレート、アクリロイルモルホリン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の中で行うこともできる。
前記有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)やヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)とを反応させるにあたっての反応温度は常温〜100℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
有機イソシアネートをポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させてウレタン(メタ)アクリレートを合成する際に、その反応系に触媒や重合禁止剤を加えてもよい。触媒の例としては、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジエチルヘキソエート、ジブチル錫サルファイトなどが挙げられる。一方、重合禁止剤の例としては、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどが挙げられる。
有機イソシアネートをポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させてウレタン(メタ)アクリレートを合成する際に、その反応系に長鎖アルキルアルコールを加えて該長鎖アルキルアルコールを有機イソシアネートと反応させるようにしてもよい。こうして得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する放射線線硬化型組成物から樹脂層を形成すれば、表面滑性の向上によって耐擦傷性を向上させることができる。
前記放射線硬化型組成物に、長鎖アルキル基含有化合物、シリコーン系化合物及びフッ素系化合物のいずれかを加えてもよい。これにより、表面滑性の向上によって耐擦傷性を向上させることができる。
なお、前記長鎖アルキル基含有化合物としては、ポリエーテル変性された長鎖アルキルアルコールが好ましい。ポリエーテル変性された長鎖アルキルアルコールを使用すれば、帯電防止効果を付与することができる。ポリエーテル変性された長鎖アルキルアルコールの例としては、ポリエーテル変性セチルアルコール、ポリエーテル変性ステアリルアルコールなどが挙げられる。
また、前記長鎖アルキル基含有化合物のアルキル基の炭素数は13〜25であることが好ましい。このアルキル基の炭素数を上記範囲内に設定すれば、自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。アルキル基の炭素数が13〜25である長鎖アルキル基含有化合物の具体例としては、トリデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ポリオキシエチレンセチルアルコール、ポリオキシエチレンステアリルアルコール、グリセロールモノステアレートなどの長鎖アルキルアルコール;トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの放射線硬化性化合物が挙げられる。これらのうち放射線硬化性化合物は、放射線硬化性官能基を有している。
シリコーン系化合物の具体例としては、ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、(メタ)アクリレート変性ポリジメチルシロキサン(例えば東亞合成株式会社製GUV−235)などが挙げられる。
フッ素系化合物の具体例としては、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキル第四級アンモニウム塩、フルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのフルオロアルキル基を有する化合物;ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキル第四級アンモニウム塩、ペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのペルフルオロアルキル基を有する化合物;フルオロカーボン基を有する化合物;テトラフルオロエチレン重合体;フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの共重合体;フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸エステル;含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸エステルと他モノマーの共重合体が挙げられる。
フッ素系化合物に関してさらに補足すると、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては以下に列挙するものが挙げられる。すなわち、3−ペルフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロヘキシル−2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル=2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロオクチル−2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル=2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロヘキシル−(1−ヒドロキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロヘキシル−1−((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロオクチル−(1−ヒドロキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロオクチル−1−((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロブチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロヘキシル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロオクチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロシクロペンチルメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロシクロヘキシルメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロシクロヘプチルメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロブチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロヘキシル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロオクチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロシクロペンチルメチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、ペルフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ペルフルオロシクロヘキシルメチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロシクロヘプチルメチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロウンデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロドデカンジオール等である。
本発明の放射線硬化型組成物を硬化させるには、紫外線又は電子線を照射する。紫外線を照射する場合の照射条件としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ等を用い、硬化エネルギーが100〜1000mj/cmであるのが好ましい。また、電子線を照射する場合の照射条件としては、加速電圧150〜250keVで1〜5Mradの照射量であるのが好ましい。
上記放射線硬化型樹脂組成物の配合割合は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(C1)、紫外線硬化性官能基を有する化合物(E)、紫外線硬化性シリコーングラフト若しくはブロック共重合体(F)及び光開始剤(G)の配合割合では、固形分比(重量)で20〜99:0〜40:0〜40:0.5〜10であるのが好ましく、特に30〜90:5〜35:5〜35:1〜5であるのが好ましい。
前記(2)ポリジメチルシロキサン系共重合体、ポリカプロラクトン及びポリシロキサンを含有する樹脂組成物について説明する。ポリカプロラクトン及びポリシロキサンは、各々ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入されていてもよいし、個別に存在していてもよい。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体は、ポリジメチルシロキサン部分と、ビニルモノマーの重合体鎖部分とを有する共重合体であり、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体の合成は、リビング重合法、高分子開始剤法又は高分子連鎖移動法等によって行うことができるが、工業的には、高分子開始剤法又は高分子連鎖移動法によって行うのが好ましい。
高分子開始剤法では、例えば、
Figure 2006196737
のごとき高分子アゾ系ラジカル重合開始剤を使用してビニルモノマーと共重合させることにより、効率よくブロック共重合体を合成することができる。また、ペルオキシモノマーと不飽和基を有するポリジメチルシロキサンとを低温で共重合させて、過酸化物基を側鎖に導入したプレポリマーを合成し、該プレポリマーをビニルモノマーと共重合させる二段階の重合を行うこともできる。
高分子連鎖移動法では、例えば、
Figure 2006196737
のごときシリコーンオイルに、HS−CH2COOHや、HS−CH2CH2COOH等を付加してSH基を有するシリコーン化合物とした後、該SH基の連鎖移動を利用して該シリコーン化合物とビニルモノマーとを共重合させることにより、ブロック共重合体を合成することができる。
一方、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体については、例えば、
Figure 2006196737
のごときポリジメチルシロキサンのメタクリルエステル等とビニルモノマーとを共重合させることにより、容易にかつ収率良くグラフト共重合体を合成することができる。
ポリジメチルシロキサンとの共重合体に用いられるビニルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール等のOH基を有するビニルモノマーを用いることもできるし、カージュラEとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸等との反応物を用いることもできる。なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
前記組成物(2)におけるポリカプロラクトンとしては、例えば、
Figure 2006196737
のごとき2官能ポリカプロラクトンジオール類や、
Figure 2006196737
のごとき3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他4官能ポリカプロラクトンポリオール等を使用することができる。該ポリカプロラクトンをポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入する場合には、ラクトン変成ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類を使用するのが好ましく、例えば、
Figure 2006196737
の構造式で示されるラジカル重合性ポリカプロラクトンが挙げられる。
本発明におけるポリシロキサンとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトキエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物や、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたオルガノシリカゾル、または該オルガノシリカゾルにラジカル重合性を有する上記シラン化合物を付加させたもの等を使用することができる。なお、上記例示は本発明を限定するものではない。該ポリシロキサンは、得られる組成物に耐熱性、耐汚染性等を付与し、塗膜の表面硬度を向上させるのに重要な役割を果たす。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体は、通常溶液重合によって製造される。この溶液重合では、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤などが単独又は混合溶剤として用いられ、所望により、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性の重合開始剤が用いられる。上記溶液重合の反応温度は、50〜150℃であるのが好ましく、反応時間は、3〜12時間であるのが好ましい。
なお、上記ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格中にポリカプロラクトン及び/又はポリシロキサンを導入する場合には、該ポリジメチルシロキサン系共重合体を重合する際に該ポリカプロラクトン及び/又はポリシロキサンを添加して共重合すればよい。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体(ポリカプロラクトン及び/又はポリシロキサンが骨格中に導入されたものを含む。)中のポリジメチルシロキサン部分の量は、1〜30重量%であるのが好ましく、特に1〜20重量%であるのが好ましい。このポリジメチルシロキサン部分は、塗膜表面に潤滑性を与え、摩擦係数を低くすることにより、耐擦傷性を付与する働きを有するが、該ポリジメチルシロキサン部分の量が1重量%未満ではかかる効果が十分に発揮されず、一方、該ポリジメチルシロキサン部分の量が30重量%を超えると、塗膜の耐汚染性が低下する。該ポリジメチルシロキサン部分の分子量は、1000〜30000程度であるのが好ましく、効果的に塗膜表面に配向し、潤滑性を与える分子量としては、特に5000〜20000程度であるのが好ましい。
本発明におけるポリカプロラクトンは、ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入される場合であっても、組成物内で個別に存在する場合(この場合、塗料製造時に外部添加する)であっても、樹脂固形分中5〜50重量%であるのが好ましい。このポリカプロラクトンは、樹脂塗膜に対して高い反撥弾性と良好な密着性を付与し、擦過力が及ぼされると、該擦過力をエネルギー弾性変形により吸収する働きを有するが、該ポリカプロラクトンの量が5重量%未満では、塗膜の耐擦傷性及び耐チッピング性が低下し、一方、該ポリカプロラクトンの量が50重量%を超えると、樹脂塗膜の耐汚染性が低下する。
本発明におけるポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入される場合であっても、組成物内で個別に存在する場合(この場合、塗料製造時に外部添加する)であっても、樹脂固形分中1〜20重量%であるのが好ましい。このポリシロキサンは、樹脂塗膜に対して耐汚染性、耐候性、耐熱性を付与するとともに塗膜の表面硬度を向上させる働きを有するが、該ポリシロキサンの量が1重量%未満ではかかる効果が十分に発揮されず、一方、該ポリシロキサンの量が20重量%を超えると、樹脂塗膜の耐擦傷性が低下する。
本発明の樹脂組成物(2)を硬化させるには、上記ポリジメチルシロキサン系共重合体(ポリカプロラクトン及び/又はポリシロキサンが骨格中に導入されたものを含む。)をウレタン架橋及び/又はメラミン架橋するのが好ましい。該ポリジメチルシロキサン系共重合体をウレタン架橋するには、OH基を有する該ポリジメチルシロキサン系共重合体に対して、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート、あるいは上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤を使用することができる。一方、該ポリジメチルシロキサン系共重合体をメラミン架橋するには、アルコキシメチロールメラミン等のメラミン架橋剤を使用することができる。
本発明の電磁波シールドシートは、一層で、又は、赤外線吸収機能、電磁波遮蔽機能、色調調整機能、ネオン光遮蔽機能、反射防止機能、もしくは防眩機能のいずれか一種もしくは二種以上の機能を有する層を積層して光学機能フィルターを提供することができる。
また、本発明の電磁波シールドシートにおいて、樹脂層に赤外線吸収機能、色調調整機能、ネオン光遮蔽機能を付加させることもできる。
本発明の光学機能フィルターは種々のディスプレイ、とりわけプラズマディスプレイに適用すると価値が高いが、この適用の際には例えば粘着剤を用いる。粘着剤は、光学機能フィルターを適用対象に貼り付けるため、予め、光学機能フィルターに適用しておくことが好ましく、適宜な粘着剤を用いて構成するほか、市販の両面粘着テープを用いて構成することもできる。なお、プラズマディスプレイに適用する際、プラズマディスプレイの前面ガラスに直接に貼り付けてもよいが、ディスプレイパネルとは別体のガラス等に貼り付け、貼り付けたものをプラズマディスプレイの前面に配置してもよい。また、光学機能フィルタが粘着剤層を有する場合、光学機能フィルタを保管する際には、粘着剤層を保護する剥離性フィルムを粘着剤層の露出面に積層しておくことが好ましい。
(導電性パターン形成フィルムの作製)
まず、導電層として、一方の面に銅―コバルト合金粒子から成る黒化層を有する厚さ10μmの電解銅箔を用意した。また、透明基材として厚さ100μmの両面易接着PETフィルム(商品名;コスモシャインA4300、東洋紡績社製)を用意した。該透明基材と該導電層の黒化層面側とを、ウレタン系接着剤でドライラミネートした後に、50℃で3日間エージングして、積層体を得た。接着剤としては、ポリオールからなる主剤とイソシアネート硬化剤(商品名 主剤:タケラックA−310、硬化剤:A−10 三井武田ケミカル社製)を用い、塗布量は乾燥後の厚さ7μmとした。
次に、該積層体の導電層をエッチング処理することにより、ライン幅10μm、ライン間隔(ピッチ)300μmの格子状パターンの導電層を形成し、導電性パターン形成フィルムを得た。
ウレタンアクリレートオリゴマー(a)の合成例
2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートモノマーとして、イソホロンジイソシアネートを用い、これをイソシアヌレート変性し、イソシアネートプレポリマーを得た。このイソシアネートプレポリマーとポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレートとを反応させ、ウレンアクリレートオリゴマー(a)を得た。
ウレタンアクリレートオリゴマー(b)の合成例
2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートモノマーとして、イソホロンジイソシアネートを、少なくとも2個のヒドロキシル基を有するポリオール化合物として、1,3−ブタンジオールを用いウレタン化反応を行い、これをイソシアヌレート変性し、イソシアネートプレポリマーを得た。このイソシアネートプレポリマーとポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレートとを反応させ、ウレンアクリレートオリゴマー(b)を得た。
放射線硬化性シリコーン共重合体(c)の合成例
グラフトタイプの反応性シリコーンとして、ポリジメチルシロキサンマクロモノマーを用意し、メチルメタクリレート、イソシアネートエチルメタクリレートと重合、さらにペンタエリスリトールトリアクリレートと反応させて放射線硬化性シリコーン共重合体(c)を得た。
樹脂層の形成
前記導電性パターン形成フィルム上に下記組成の紫外線硬化型樹脂(d)を、ドクターブレードを用いて、塗布量約20g/mになるように塗布した。
紫外線硬化型樹脂(d)
ウレタンアクリレートオリゴマー(a):80重量部、 放射線硬化性シリコーン共重合体(c):10重量部、イソボニルアクリレート(商品名:IBOA、ダイセルUCB):8重量部、 Ingacure184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ):2重量部
(電磁波シールドシートの作製)
賦型フィルムとして厚さ100μmの片面易接着PETフィルム(商品名;コスモシャインA4100、東洋紡績社製)を用い、易接着処理面と反対の面と該紫外線硬化型樹脂の塗布面が対向するように積層し、1kPa(10gf/cm)の圧力でロールプレスした。次に賦型フィルム側からDバルブF600V−10(フュージョン社製、UV照射装置商品名)を用いて、365nmの紫外線を積算光量1.5J/cm照射して、該紫外線硬化型樹脂を硬化せしめた。次いで、賦型フィルムを剥離し、本発明の電磁波シールドシートを得た。
実施例1における紫外線硬化樹脂(d)を下記組成の紫外線硬化樹脂(e)に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の電磁波シールドシートを得た。
紫外線硬化型樹脂(e)
ウレタンアクリレートオリゴマー(b):80重量部、 放射線硬化性シリコーン共重合体(c):10重量部、イソボニルアクリレート(商品名:IBOA、ダイセルUCB):8重量部、 Ingacure184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ):2重量部
実施例1における紫外線硬化樹脂(d)を下記組成の紫外線硬化樹脂(f)に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の電磁波シールドシートを得た。
紫外線硬化型樹脂(f)
ウレタンアクリレートオリゴマー(a):70重量部、イソボニルアクリレート(商品名:IBOA、ダイセルUCB):27重量部、 Ingacure184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ):3重量部
(比較例1)
実施例1における紫外線硬化樹脂(d)を下記組成の紫外線硬化樹脂(g)に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の電磁波シールドシートを得た。
紫外線硬化型樹脂(g)
アクリル樹脂アクリレート(商品名:ヒタロイド7970、日立化成製):37重量部、イソブチルメタクリレート(商品名:ブレンマーIBMA、日本油脂製):60重量部、 Ingacure184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ):3重量部
[評価結果]
実施例1〜3及び比較例1の評価結果を図4に示す。
実施例1〜3の電磁波シールドシートは、良好な性能を示し、特に実施例1,2において特に良好な結果が得られた。比較例1の電磁波シールドシートは、屈曲性、密着性、カール性、耐湿熱性において、満足できるものではなかった。
評価方法
(a)光透過性:JIS K 7105(1981)「プラスチックの光学的特性試験方法」に従って、光線透過率、像鮮明度を評価した。
(b)耐擦傷性:#000のスチールウールを使用し、250gの荷重で20回ラビングし目視評価を行った。
(c)耐屈曲性:JIS K5600−5−1(1999)に従って評価。硬化塗膜にクラック又は浮きが発生する円筒形マンドレルの最大直径を調べた。円筒形マンドレルの最大直径を10mm以下とすることが好ましく、より好ましくは3mm以下である。
(d)密着性:碁盤目セロテープ(登録商標)剥離試験により評価。
(e)カール性:カールの発生度合いを目視評価した。
(f)耐湿熱性:60℃/95%RHおよび、80℃/Freeの雰囲気中に1000時間放置して耐久試験を行った後(試験後)での光透過性を評価した。
本発明の電磁波シールドシートの説明図である。 本発明の電磁波シールドシートの説明図である。 本発明の電磁波シールドシートの説明図である。 実施例及び比較例についての評価結果である。
符号の説明
1………電磁波シールドシート
3………透明基材
5………接着剤層
7………金属メッシュ層
9………樹脂層
11………蒸着層
13………メッキ層

Claims (8)

  1. 透明基材の一方の面に少なくとも導電層がパターン状に形成され、前記パターン状に形成された導電層上に樹脂層が積層された光透過性電磁波シールドシートであって、該樹脂層は、少なくともポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする光透過性電磁波シールドシート。
  2. 前記ポリカプロラクトン構造を有する化合物が、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートとを反応させて得られる放線線硬化性のウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の光透過性電磁波シールドシート。
  3. 前記ウレタン(メタ)アクリレートがイソシアヌレート環を有することを特徴とする請求項2記載の光透過性電磁波シールドシート。
  4. 前記樹脂組成物が、前記ウレタン(メタ)アクリレートと反応性を有する放射線硬化性シリコーン共重合体を構成成分として含有することを特徴とする請求項2記載の光透過性電磁波シールドシート。
  5. 前記透明基材と前記導電層との間に接着剤層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の光透過性電磁波シールドシート。
  6. 前記樹脂層の厚みが、5〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の光透過性電磁波シールドシート。
  7. 請求項1〜6記載の光透過性電磁波シールドシートを用いたディスプレイ用光学フィルター。
  8. 請求項7記載のディスプレイ用光学フィルターを用いたディスプレイ。



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