JP2006171370A - 光学フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 衝撃に対する保護性能を有し、かつ、衝撃を受けた後の跡残りを生じさせない光学フィルタ。
【解決手段】 ジイソシアネートモノマーをイソシアヌレート変性させた化合物等の1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートとを反応させて得られる放線線硬化性のウレタン(メタ)アクリレートを構成成分として含有する放射線硬化型樹脂組成物を硬化させて得られる、自己修復性の耐衝撃層を有する光学フィルタ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐衝撃性にすぐれた光学フィルタに関する。
プラズマディスプレイパネルの全面に用いる光学フィルタとして、例えば、可視光のバンドパスフィルタ、紫外線遮蔽フィルタ、もしくは赤外線遮蔽フィルタ、NDフィルタ、特定波長域の電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽フィルタ、光の反射を防止する反射防止フィルタ、またはディスプレイや光源のまぶしさを解消する防眩フィルタ等、各種のものが知られている。
プラズマディスプレイのコストダウン、軽量化、多重反射を無くす等の目的で、PDPに直貼りすることのできる光学フィルタが必要とされている。
この場合、光学フィルタの支持基材が従来のものより薄いガラス板や樹脂やPETフィルムなど、強度が低いものに置き換えることになり、衝撃を受けた際のディスプレイ本体の破損防止のため、強度を補う層を設ける必要があった。
この強度を補う方法として、(1)耐衝撃性を改善する粘着層として、比較的柔らかいアクリル系粘着剤を用いる方法や(2)エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂層を衝撃緩和層として用いる方法が提案された。
しかし、前記(1)の方法においては、衝撃を受けた際に、粘着層が変形や流動したまま元に戻らないという問題があり、前記(2)の方法においては、衝撃により樹脂層が変形や白濁したまま元に戻らないという問題があった。
このように、強度を補う層を設ける場合には、衝撃による跡残りが課題となっていた。
特開2002−260539号公報 特開2003−43937号公報
本願発明は、プラズマディスプレイパネルを衝撃に対して保護し、衝撃跡が目立たない耐衝撃性に優れた光学フィルタを提供するものである。
本発明者らが鋭意基検討を行った結果、硬化前の組成物がポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する樹脂層を耐衝撃層として有することにより、該樹脂の自己修復機能に基づき、衝撃などの加圧後の跡が残らない耐衝撃性に優れた光学フィルタを提供可能であることを見いだし、本発明に至った。
本発明は、ポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する組成物を硬化させて得られる耐衝撃層を有する光学フィルタである。
本発明の光学フィルタは、衝撃跡が目立たないず、衝撃に対する保護機能に優れている。
図1に示すように、本発明の光学フィルタ1は、最も基本的には透明基材3の片側の面に光学機能層5、反対側の面に耐衝撃層7が設けられた積層構造を有するものである。または、透明基材3の片側の面に光学機能層5、光学機能層5に接して耐衝撃層7が設けられた積層構造を有するものであってもよい。
透明基材3は、光学機能層5を支持する支持体であり、通常は光学機能層5を積層形成する際の積層の対象物となるものである。従って、透明基材3は、少なくとも可視光に対して透明性を有するものであることが好ましい。また、用途により、水蒸気バリア性を有するものであってもよい。
透明基材3を構成する素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂類、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、もしくはポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂類、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルホン、もしくはポリエーテルケトン等の樹脂からなるフィルムが好ましい。例えば、これらのうちでも、透明性、耐熱性、および取扱い性の面等から、PETフィルムが好ましく選択される。PETフィルムは、引張強度等の機械的強度が優れており、また、量産されていて比較的安価でもある。
透明基材3は透明性が高いことが好ましく、透明基材3が単層の場合、可視領域の光線透過率が80%以上であるものが好ましい。ここで、透明基材3の透明性としては、無色透明であることが好ましいが、必ずしも無色透明でなくてもよく、本発明の目的を妨げない程度であれば、着色された着色透明であってもよい。可視領域の光線透過率は出来る限り高いことが好ましいが、最終製品としては50%以上の光線透過率が必要なことから、透明基材3が上記のような樹脂のフィルムを2枚を積層する場合でも、各々のフィルムの光線透過率が80%であれば、目的に適う。もちろん、光線透過率が高ければ高いほど、多数枚のフィルムを積層出来るため、各々のフィルムの光線透過率は、より好ましくは85%以上であり、最も好ましくは90%以上である。なお、光線透過率を向上させるには厚みを薄くするのが有効な手段である。
透明基材3の厚みは、透明性が満足されれば特に制限されないが、加工性の面からは、12μm程度〜300μm程度の範囲であることが好ましい。厚みが12μm未満であると、透明基材3が柔軟過ぎて、加工する際の張力により伸張やシワが発生しやすく、また、厚みが300μmを超えると、フィルムの可撓性が減少し、各工程での連続巻き取りが困難になる上、透明基材3どうしを複数枚、積層する際の加工性が大幅に劣るといった問題も生じるからである。
透明基材3の表面の光学機能層5を積層する側、もしくはそのほかの層を積層する側は、接着性を向上させるための層の積層、もしくは接着性を向上させるための処理を行ったものであってもよい。
本発明の耐衝撃層7の厚みは、特に限定するものではないが、5〜50μmであることが好ましい。
本発明の耐衝撃層7は、少なくともポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する組成物を硬化させることにより得られる。
本発明の耐衝撃層7を形成する、ポリカプロラクトン構造を有する化合物を含有する組成物としては、(1)紫外線、電子線等の放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレートを主成分として含有する放射線硬化型組成物、(2)ポリジメチルシロキサン系共重合体、ポリカプロラクトン及びポリシロキサンを含有する組成物、(3)ポリカプロラクトンポリオールを含有する組成物が使用できる。
(1)放射線硬化型組成物について詳細に説明する。本発明の放射線硬化型組成物は、例えば、(i)1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有されている組成物、(ii)ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上の放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有されている組成物、(iii)放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)及び、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C2)が主成分として含有されている組成物、(iv)1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とカプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上のポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C3)が主成分として含有されている組成物、および(v)1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C4)が主成分として含有されている組成物が有効に使用可能である。
また、前記各放射線硬化型組成物(i)〜(v)は、更に前記ウレタン(メタ)アクリレート(C)と共重合可能な放射線硬化性官能基を有する化合物(E)及び/又は放射線硬化性シリコーングラフトもしくはブロック共重合体(F)を含有させることも好ましい。
本発明の耐衝撃層7を形成するための組成物として特に好ましいのは、前記放射線硬化型組成物(i)及び前記放射線硬化型組成物(iv)である。
前記放射線硬化型組成物(i)について具体的に説明する。
放射線硬化型組成物(i)は、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有されている。
本発明の有機イソシアネート(A)は、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機化合物であるが、有機イソシアネート1分子中に含まれるイソシアネート基の数は3個以上であることが好ましい。
1分子中にイソシアネート基を2個有する有機イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネートなどのジイソシアネートモノマーが挙げられる。
1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとしては、ジイソシアネートモノマーをイソシアヌレート変性させた下記一般式(1)で表される化合物、ジイソシアネートモノマーをアダクト変性させた下記一般式(2)で表される化合物、ジイソシアネートモノマーをビウレット変性させた下記一般式(3)で表される化合物、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートカプロエート、トリアミノノナントリイソシアネートなどのイソシアネートプレポリマーが挙げられる。イソシアヌレート環を有する有機イソシアネートが特に好ましく、これにより、耐熱特性が向上し、耐熱保存時にも表面平滑性が良好であり、光透過性が維持できる。
Figure 2006171370
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本発明のポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)は、下記一般式(4)で表される化合物であり、放射線硬化性官能基(CH2=)を有している。このポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特に好ましくは、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
Figure 2006171370
前記放射線硬化型組成物(ii)について説明する。但し、放射線硬化型組成物(i)と異なる点でのみ説明する。
放射線硬化型組成物(ii)は、ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上の放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)が主成分として含有されている。
前記放射線硬化型組成物に含有されるウレタン(メタ)アクリレート間におけるポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数の平均は、1〜3.5の範囲が好ましい。また同繰り返し数の差は、上限については9以下が好ましく、下限については4以上が好ましい。
なお、前記放射線硬化型組成物に含有される各ウレタン(メタ)アクリレートは、前記放射線硬化型組成物(i)の場合と同様、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)とを反応させることによって合成される。
(ii)によれば表面の自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。
前記放射線硬化型組成物(iii)について説明する。但し、放射線硬化型組成物(i)と異なる点でのみ説明する。
放射線硬化型組成物(iii)は、放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C1)及び、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(A)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)とを反応させることによって合成される放射線硬化性のウレタン(メタ)アクリレート(C2)が主成分として含有されている。
ここで、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、カプロラクトン単位の繰り返し数がゼロの(メタ)アクリレートモノマーと見なすことができる。
そうしたとき、上記2種類のウレタン(メタ)アクリレート間における(メタ)アクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数の平均は、1〜3.5の範囲が好ましい。また同繰り返し数の差は、上限については9以下が好ましく、下限については4以上が好ましい。
なお、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)は、下記一般式(5)で表される化合物であり、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
Figure 2006171370
以上説明した(iii)によれば、表面の自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。
前記放射線硬化型組成物(iv)について説明する。但し、放射線硬化型組成物(i)と異なる点でのみ説明する。
放射線硬化型組成物(iv)には、カプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上のポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)と有機イソシアネート(A)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(C3)が主成分として含有されている。
カプロラクトン単位の繰り返し数が異なるポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート間における前記繰り返し数の平均は、1〜3.5の範囲が好ましい。また同繰り返し数の差は、上限については9以下が好ましく、下限については4以上が好ましい。
以上説明した放射線硬化型組成物(iv)によれば、表面の自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。
前記放射線硬化型組成物(v)について説明する。但し、放射線硬化型組成物(i、iii)と異なる点でのみ説明する。
硬化型組成物(v)には、ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)と有機イソシアネート(A)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(C4)が主成分として含有されている。
ここで、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、カプロラクトン単位の繰り返し数がゼロの(メタ)アクリレートモノマーと見なせば、前記放射線硬化型組成物には、カプロラクトン単位の繰り返し数が異なる2種以上の(メタ)アクリレートモノマーと有機イソシアネートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートが主成分として含有されていると見なすことができる。
カプロラクトン単位の繰り返し数が異なる(メタ)アクリレートモノマー間における前記繰り返し数の平均は、1〜3.5の範囲が好ましい。また同繰り返し数の差は、上限については9以下が好ましく、下限については4以上が好ましい。
以上説明した(v)によれば、表面の自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。
前記(i)〜(v)の放射線硬化型組成物に、放射線硬化性官能基含有化合物(E)及び/又は放射線硬化性シリコーングラフトもしくはブロック共重合体(F)を加えてもよい。
放射線硬化性官能基含有化合物(E)の例としては、ウレタン(メタ)アクリレート(C)と共重合可能な放射線硬化性官能基を有する化合物であり、代表例として、(メタ)アクリロイル基を有する単官能性又は多官能性のモノマー又はオリゴマーが挙げられる。具体的には、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、N―ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレンなどの単官能性のモノマー;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの二官能性のモノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの6モルエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能性のモノマー;不飽和ポリエステル、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどのオリゴマーが挙げられる。
本発明における放射線硬化性シリコーングラフト又はブロック共重合体(F)は、ポリジメチルシロキサン部分(グラフト又はブロック)と、放射線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート(C)(上記イソシアネートプレポリマー化合物(A)及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(B)を反応させて得られる)と共重合可能な放射線硬化性官能基とを有する化合物であり、グラフト共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。放射線硬化性シリコーングラフトもしくはブロック共重合体(F)により、シリコーン成分を架橋構造中に導入することにより、耐衝撃層の自己修復性がより優れる。
この放射線硬化性シリコーングラフト又はブロック共重合体(F)は、グラフトタイプの反応性シリコーン(f1-1 )又はブロックタイプの反応性シリコーン(f1-2 )と、グリシジル基、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基等の官能基を有するビニル単量体(f2-1,2-2,2-3,2-4 )と、さらに必要に応じて、上記反応性シリコーン(f1-1 及び/又はf1-2 )と共重合可能なその他のビニル単量体(f3)とを共重合するとともに、上記ビニル単量体(f2-1,2-2,2-3,2-4
)の官能基と反応可能であって、放射線硬化性官能基を有する化合物(f4-1,4-2,4-3,4-4 )を付加することにより得られる。
グラフトタイプの反応性シリコーン(f1-1 )としては、例えば、下記式(6)で示される化合物等の、一方の末端に不飽和二重結合を有するものが挙げられる。
Figure 2006171370
また、ブロックタイプの反応性シリコーン(f1-2
)としては、例えば、下記式(7)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2006171370
グリシジル基を有するビニル単量体(f2-1 )としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等が挙げられ、イソシアネート基を有するビニル単量体(f2-2 )としては、例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート、ビニルイソシアネート等が挙げられ、水酸基を有するビニル単量体(f2-3 )としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられ、カルボキシル基を有するビニル単量体(f2-4 )としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
上記反応性シリコーン(f1-1 及び/又はf1-2 )と共重合可能なその他のビニル単量体(f3)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等の脂肪族又は環式アクリレート又はメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等のジエン類などがある。これらのビニル単量体(f3)は、上記ビニル単量体(f2-1,2-2,2-3,2-4 )の官能基と反応性を有しないものである。
また、グリシジル基と反応可能であって、放射線硬化性官能基を有する化合物(f4-1 )としては、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられ、イソシアネート基と反応可能であって、放射線硬化性官能基を有する化合物(f4-2 )としては、水酸基を有する2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコール型、ブトキシヒドロキシアクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート等のエポキシ型、あるいはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する化合物などが挙げられ、水酸基と反応可能であって、放射線硬化性官能基を有する化合物(f4-3 )としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート、ビニルイソシアネート等が挙げられ、カルボキシル基と反応可能であって、放射線硬化性官能基を有する化合物(f4-4 )としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等が挙げられる。なお、以上の例示は本発明を限定するものではない。
前記各放射線硬化型組成物に光開始剤(G)を加ることにより、硬化速度が速まるなど放射線硬化型組成物の硬化特性を向上させることができる。
本発明の放射線硬化型組成物は光開始剤(G)としては、例えば、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、o−ベンゾイルメチルベンゾエート、アセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、エチルアントラキノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、チバガイギー株式会社製のイルガキュア184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(例えば、チバガイギー株式会社製のダロキュア1173)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、チバガイギー株式会社製のイルガキュア651)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、メチルベンジルホルメートなどがある。
有機イソシアネート(A)をポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)やヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)と反応させてウレタン(メタ)アクリレート(C)を合成する反応は、溶剤中で行なってもよい。溶剤の例としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤が挙げられる。また、上記反応は、無溶剤系で行うこともできるし、放射線硬化性官能基を有する化合物、例えばスチレン、イソボルニルアクリレート、アクリロイルモルホリン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の中で行うこともできる。
前記有機イソシアネート(A)とポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート(B)やヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)とを反応させるにあたっての反応温度は常温〜100℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
有機イソシアネートをポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させてウレタン(メタ)アクリレートを合成する際に、その反応系に触媒や重合禁止剤を加えてもよい。触媒の例としては、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジエチルヘキソエート、ジブチル錫サルファイトなどが挙げられる。一方、重合禁止剤の例としては、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどが挙げられる。
有機イソシアネートをポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させてウレタン(メタ)アクリレートを合成する際に、その反応系に長鎖アルキルアルコールを加えて該長鎖アルキルアルコールを有機イソシアネートと反応させるようにしてもよい。こうして得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する放射線線硬化型組成物から樹脂層を形成すれば、表面滑性の向上によって耐擦傷性を向上させることができる。
前記放射線硬化型組成物に、長鎖アルキル基含有化合物、シリコーン系化合物及びフッ素系化合物のいずれかを加えてもよい。これにより、表面滑性の向上、自己修復性を向上させることができる。
なお、前記長鎖アルキル基含有化合物としては、ポリエーテル変性された長鎖アルキルアルコールが好ましい。ポリエーテル変性された長鎖アルキルアルコールを使用すれば、帯電防止効果を付与することができる。ポリエーテル変性された長鎖アルキルアルコールの例としては、ポリエーテル変性セチルアルコール、ポリエーテル変性ステアリルアルコールなどが挙げられる。
また、前記長鎖アルキル基含有化合物のアルキル基の炭素数は13〜25であることが好ましい。このアルキル基の炭素数を上記範囲内に設定すれば、自己修復機能に基づく耐擦傷性を向上させることができる。アルキル基の炭素数が13〜25である長鎖アルキル基含有化合物の具体例としては、トリデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ポリオキシエチレンセチルアルコール、ポリオキシエチレンステアリルアルコール、グリセロールモノステアレートなどの長鎖アルキルアルコール;トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの放射線硬化性化合物が挙げられる。これらのうち放射線硬化性化合物は、放射線硬化性官能基を有している。
シリコーン系化合物の具体例としては、ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、(メタ)アクリレート変性ポリジメチルシロキサン(例えば東亞合成株式会社製GUV−235)などが挙げられる。
フッ素系化合物の具体例としては、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキル第四級アンモニウム塩、フルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのフルオロアルキル基を有する化合物;ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキル第四級アンモニウム塩、ペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのペルフルオロアルキル基を有する化合物;フルオロカーボン基を有する化合物;テトラフルオロエチレン重合体;フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの共重合体;フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸エステル;含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸エステルと他モノマーの共重合体が挙げられる。
フッ素系化合物に関してさらに補足すると、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては以下に列挙するものが挙げられる。すなわち、3−ペルフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロヘキシル−2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル=2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロオクチル−2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル=2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロヘキシル−(1−ヒドロキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロヘキシル−1−((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロオクチル−(1−ヒドロキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロオクチル−1−((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロブチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロヘキシル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロオクチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロシクロペンチルメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロシクロヘキシルメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロシクロヘプチルメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロブチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロヘキシル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロオクチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロシクロペンチルメチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、ペルフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ペルフルオロシクロヘキシルメチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフルオロシクロヘプチルメチル−(1−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル=2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナート、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロウンデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロドデカンジオール等である。
本発明の放射線硬化型組成物を硬化させるには、紫外線又は電子線を照射する。紫外線を照射する場合の照射条件としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ等を用い、硬化エネルギーが100〜5000mJ/cmであるのが好ましい。また、電子線を照射する場合の照射条件としては、加速電圧150〜250keVで1〜5Mradの照射量であるのが好ましい。
上記放射線硬化型樹脂組成物の配合割合は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(C1)、放射線硬化性官能基を有する化合物(E)、放射線硬化性シリコーングラフト若しくはブロック共重合体(F)及び光開始剤(G)の配合割合では、固形分比(重量)で20〜99:0〜40:0〜40:0.5〜10であるのが好ましく、特に30〜90:5〜35:5〜35:1〜5であるのが好ましい。
前記(2)ポリジメチルシロキサン系共重合体、ポリカプロラクトン及びポリシロキサンを含有する樹脂組成物について説明する。ポリカプロラクトン及びポリシロキサンは、各々ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入されていてもよいし、個別に存在していてもよい。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体は、ポリジメチルシロキサン部分と、ビニルモノマーの重合体鎖部分とを有する共重合体であり、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体の合成は、リビング重合法、高分子開始剤法又は高分子連鎖移動法等によって行うことができるが、工業的には、高分子開始剤法又は高分子連鎖移動法によって行うのが好ましい。
高分子開始剤法では、例えば、
Figure 2006171370
のごとき高分子アゾ系ラジカル重合開始剤を使用してビニルモノマーと共重合させることにより、効率よくブロック共重合体を合成することができる。また、ペルオキシモノマーと不飽和基を有するポリジメチルシロキサンとを低温で共重合させて、過酸化物基を側鎖に導入したプレポリマーを合成し、該プレポリマーをビニルモノマーと共重合させる二段階の重合を行うこともできる。
高分子連鎖移動法では、例えば、
Figure 2006171370
のごときシリコーンオイルに、HS−CHCOOHや、HS−CHCH2COOH等を付加してSH基を有するシリコーン化合物とした後、該SH基の連鎖移動を利用して該シリコーン化合物とビニルモノマーとを共重合させることにより、ブロック共重合体を合成することができる。
一方、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体については、例えば、
Figure 2006171370
のごときポリジメチルシロキサンのメタクリルエステル等とビニルモノマーとを共重合させることにより、容易にかつ収率良くグラフト共重合体を合成することができる。
ポリジメチルシロキサンとの共重合体に用いられるビニルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール等のOH基を有するビニルモノマーを用いることもできるし、カージュラEとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸等との反応物を用いることもできる。なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
前記組成物(2)におけるポリカプロラクトンとしては、例えば、
Figure 2006171370
のごとき2官能ポリカプロラクトンジオール類や、
Figure 2006171370
のごとき3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他4官能ポリカプロラクトンポリオール等を使用することができる。該ポリカプロラクトンをポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入する場合には、ラクトン変成ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類を使用するのが好ましく、例えば、
Figure 2006171370
の構造式で示されるラジカル重合性ポリカプロラクトンが挙げられる。
本発明におけるポリシロキサンとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトキエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物や、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたオルガノシリカゾル、または該オルガノシリカゾルにラジカル重合性を有する上記シラン化合物を付加させたもの等を使用することができる。なお、上記例示は本発明を限定するものではない。該ポリシロキサンは、得られる組成物に耐熱性、耐汚染性等を付与し、塗膜の表面硬度を向上させるのに重要な役割を果たす。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体は、通常溶液重合によって製造される。この溶液重合では、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤などが単独又は混合溶剤として用いられ、所望により、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性の重合開始剤が用いられる。上記溶液重合の反応温度は、50〜150 ℃であるのが好ましく、反応時間は、3〜12時間であるのが好ましい。
なお、上記ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格中にポリカプロラクトン及び/又はポリシロキサンを導入する場合には、該ポリジメチルシロキサン系共重合体を重合する際に該ポリカプロラクトン及び/又はポリシロキサンを添加して共重合すればよい。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体(ポリカプロラクトン及び/又はポリシロキサンが骨格中に導入されたものを含む。)中のポリジメチルシロキサン部分の量は、1〜30重量%であるのが好ましく、特に1〜20重量%であるのが好ましい。このポリジメチルシロキサン部分は、塗膜表面に潤滑性を与え、摩擦係数を低くすることにより、耐擦傷性を付与する働きを有するが、該ポリジメチルシロキサン部分の量が1重量%未満ではかかる効果が十分に発揮されず、一方、該ポリジメチルシロキサン部分の量が30重量%を超えると、塗膜の耐汚染性が低下する。該ポリジメチルシロキサン部分の分子量は、1000〜30000程度であるのが好ましく、効果的に塗膜表面に配向し、潤滑性を与える分子量としては、特に5000〜20000程度であるのが好ましい。
本発明におけるポリカプロラクトンは、ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入される場合であっても、組成物内で個別に存在する場合(この場合、塗料製造時に外部添加する)であっても、樹脂固形分中5〜50重量%であるのが好ましい。このポリカプロラクトンは、樹脂塗膜に対して高い反撥弾性と良好な密着性を付与し、擦過力が及ぼされると、該擦過力をエネルギー弾性変形により吸収する働きを有するが、該ポリカプロラクトンの量が5重量%未満では、塗膜の耐擦傷性及び耐チッピング性が低下し、一方、該ポリカプロラクトンの量が50重量%を超えると、樹脂塗膜の耐汚染性が低下する。
本発明におけるポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入される場合であっても、組成物内で個別に存在する場合(この場合、塗料製造時に外部添加する)であっても、樹脂固形分中1〜20重量%であるのが好ましい。このポリシロキサンは、樹脂塗膜に対して耐汚染性、耐候性、耐熱性を付与するとともに塗膜の表面硬度を向上させる働きを有するが、該ポリシロキサンの量が1重量%未満ではかかる効果が十分に発揮されず、一方、該ポリシロキサンの量が20重量%を超えると、樹脂塗膜の耐擦傷性が低下する。
本発明の樹脂組成物(2)を硬化させるには、上記ポリジメチルシロキサン系共重合体(ポリカプロラクトン及び/又はポリシロキサンが骨格中に導入されたものを含む。)をウレタン架橋及び/又はメラミン架橋するのが好ましい。該ポリジメチルシロキサン系共重合体をウレタン架橋するには、OH基を有する該ポリジメチルシロキサン系共重合体に対して、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート、あるいは上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤を使用することができる。一方、該ポリジメチルシロキサン系共重合体をメラミン架橋するには、アルコキシメチロールメラミン等のメラミン架橋剤を使用することができる。
前記(3)ポリカプロラクトンポリオール及びウレタン架橋剤を含有する樹脂組成物について説明する。
ここでいうポリカプロラクトンポリオールは、例えば、前記(化11)のごとき2官能ポリカプロラクトンジオール類や、前記(化12)のごとき3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他4官能ポリカプロラクトンポリオール等を使用することができる。
本発明のウレタン架橋剤は、前記組成物(2)と同様に、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート、あるいは上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤を使用することができる。
本発明の光学機能層3とは、赤外線吸収層、ネオン光遮蔽層、電磁波遮蔽性層、色調調整層、反射防止層、もしくは防眩層等の種々の光学機能を有する層を総称的に指す意味で用い、本発明の光学フィルタ1は、これら各層のうちの一種もしくは二種以上の機能を有する一層を有していても、もしくは二層以上を有していてもよい。
まず、これらの層のうちの赤外線吸収層を例に取って説明する。
赤外線吸収層における光学機能を発現する材料は、赤外線吸収色素である。赤外線吸収層に要求される赤外線吸収性は、用途によって異なるので、必要な波長域および吸収率に合わせて、配合する赤外線吸収色素の種類およびその配合量を設定することが好ましい。一例として、赤外線吸収層がプラズマディスプレイの前面に配置されるものである場合、プラズマディスプレイがキセノンガス放電を利用して発光する際に生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1100nmの波長域を吸収するよう、赤外線吸収色素の種類およびその配合量を選択することが好ましく、この波長域内での光線透過率が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。従って、プラズマディスプレイに適用する場合の赤外線吸収層は、より正確には近赤外線吸収層であり、配合する赤外線吸収色素は、より正確には近赤外線吸収色素である。なお、赤外線吸収層、もしくは近赤外線吸収層は、通常の場合、可視光領域、即ち、380nm〜780nmの波長域では、十分な光線透過率を有するものであることが好ましく、特にディスプレイの前面に適用する場合には、可視光領域で十分な光線透過率を示すことは重要である。
赤外線吸収層に用いられる透明樹脂(バインダ樹脂)としては、可視光領域での光線透過率の高い樹脂であれば限定されるものではない。具体的な透明樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂を挙げることができ、中でもアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。透明樹脂の平均分子量は500〜60万であることが好ましく、より好ましくは1万〜40万である。赤外線吸収層が近赤外線吸収層である場合も同様である。
赤外線吸収層中における赤外線吸収色素の配合割合は、近赤外線吸収色素を配合する場合であれば、800nm〜1100nmの波長域内での光線透過率が20%以下、より好ましくは10%以下となるよう、また、好ましくは、可視光領域、即ち、380nm〜780nmの波長域で十分な光線透過率を有するものであることが好ましいので、これらの点を優先的に考慮して決められるが、一例として、透明樹脂100に対して、赤外線吸収色素の割合(質量比)は0.001〜100であることが好ましく、0.01〜50であることがより好ましく、0.1〜10であることが最も好ましい。
赤外線吸収層の形成は、赤外線吸収色素およびバインダ樹脂、並びにその他の必要に応じて添加する添加剤と共に、溶剤および/または希釈剤を加えて混合し、各成分を溶解もしくは分散させて赤外線吸収層形成用組成物を調製した後、さらに異物を除去した赤外線吸収層形成用組成物を塗布対象、例えば透明基材3に塗布し、乾燥させることにより行う。あるいは、赤外線吸収色素および透明バインダ樹脂をその他の必要に応じて添加する添加剤と共に溶融混練した組成物を溶融押出ししながら塗布対象に塗布することにより行うこともできる。
必要に応じて添加する添加剤としては、赤外線吸収層の耐久性を向上させるために酸化防止剤、紫外線吸収剤等を用いることができる。
また、赤外線吸収層形成用組成物を調製する際に用いる溶剤としては、色素の溶解性の観点からアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、トリフルオロプロパノール、n−ヘキサン、もしくはn−ヘプタン、または水等が挙げられるが、これら以外のものであってもよい。
また、上記の赤外線吸収層形成用組成物を塗布する方法としては、マイヤーバーコーティング、ドクターブレードコーティング、グラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、キスリバースコーティング、3本ロールリバースコーティング、スリットリバースダイコーティング、ダイコーティング、もしくはコンマコーティング等の各種コーティングの方式を利用することができる。
ネオン光遮蔽層は、プラズマディスプレイ(PDP)において、ネオンガスの励起によって放出される595nm付近の不要な発光をカットする機能を持つ層である。ネオン光遮蔽層は、波長が560〜620nmの範囲(緑と赤の間)に吸収極大を持つことが好ましく、また、波長が560〜620nmの範囲の吸収極大付近の透過率が、5〜50%の範囲であることが好ましい。波長が560〜620nmの範囲の吸収極大は、ネオン光遮蔽以外にも赤色蛍光体の色純度を低下させているサブバンドを選択的にカットする効果も有る。緑の蛍光体が発光する光の色調への影響をさらに低下させるため、吸収スペクトルのピークをシャープにすることが好ましい。具体的には、波長が560〜620nmの範囲の吸収極大での半値幅は、15〜200nmであることが好ましく、30〜200nmであることがより好ましく、40〜100nmであることがさらに好ましく、50〜80nmであることが最も好ましい。
ネオン光遮蔽層の形成は、ネオン光遮蔽色素およびバインダ樹脂、並びにその他の必要に応じて添加する添加剤等を用いて、上記した赤外線吸収層の形成と同様にして行えばよい。上記したような波長が560〜620nmの範囲に吸収極大を持つネオン光遮蔽色素としては、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系、もしくはポルフィリン系の化合物が好ましく用いられるが、ポルフィリン系の化合物が耐久性の面で特に好ましい。
電磁波遮蔽層は、基本的には金属メッシュ層からなるが、通常は、透明基材、接着剤層、および金属メッシュ層がこの順に積層された積層構造を有するものである。
金属メッシュ層は、プラズマディスプレイ等から発生した電磁波を遮蔽する機能を有するものである。このような金属メッシュ層は、後述する透明基材上に、接着剤層により電解銅箔等の金属箔が貼り合わせられ、その金属箔がメッシュ状にエッチングされることにより形成される。また、金属メッシュ層の表面に黒化処理が施される。
このほか、透明導電性薄膜層も電磁波遮蔽層として使用できる。
特に電磁波遮蔽能、近赤外線カット能を有するフィルタを得るためには、電磁波吸収のための高い導電性と近赤外線反射のための反射界面を多く有する金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜が好適である。
PDP用ディスプレイ用フィルタにおいては、透明基材の一方の主面上に多層薄膜の透明導電層を形成した透明積層体を用いることが好ましい。本発明において好ましい透明導電層は、透明基材の一方の主面上に、高屈折率透明薄膜層(a)、金属薄膜層(b)の順に、(a)/(b)を繰り返し単位として12〜7回繰り返し積層され、さらにその上に少なくとも高屈折率透明薄膜層(a)を積層して形成され、該透明導電層の面抵抗が0.1〜30Ω/□であるものであり、電磁波遮蔽能のための低抵抗性、近赤外線カット能、透明性、可視光線反射率に優れた性能を有するものである。なお、本発明において、多層薄膜とは、特に記載がない限り、金属薄膜層を高屈折率透明薄膜層で挟み込んだ積層構造を1段以上重ねた多層積層の透明導電膜のことをいう。
反射防止層としては、磨りガラスのように、光を散乱もしくは拡散させて像をボカス手法を採用することができる。すなわち、光を散乱もしくは拡散させるためには、光の入射面を粗面化することが基本であり、この粗面化処理には、サンドブラスト法やエンボス法等により基体表面を直接粗面化する方法、基体表面に放射線、熱の何れかもしくは組み合わせにより硬化する樹脂中にシリカなどの無機フィラーや、樹脂粒子などの有機フィラーを含有させた粗面化層を設ける方法、および基体表面に海島構造による多孔質膜を形成する方法を挙げることができる。
反射防止層を形成する他の方法としては、屈折率の高い材料と低い材料を交互に積層し、多層化(マルチコート)する方法を挙げることができ、表面の反射が抑えられ、良好な反射防止効果を得ることができる。通常、このような反射防止層は、SiO2 に代表される低屈折率材料と、TiO2 、もしくはZrO2 等の高屈折率材料とを、交互に蒸着等により成膜する気相法等によって形成される。
防眩層は、プラズマディスプレイ等のディスプレイの画像が画面の特定の位置で、高い輝度を持つ線状、帯状等の部分が生じる、シンチレーション現象(「ぎらつき」とも言う。)を緩和するためのもので、例えば、透明性樹脂中に透明性樹脂との屈折率差が0.01〜0.5程度である光拡散剤、例えば、直径数μm程度のポリスチレン樹脂やアクリル樹脂等のビーズが分散したもの等で構成され、必要に応じ、支持体としての薄いフィルムを伴ってもよい。
また、光学機能層ではないが、汚染防止のための防汚層や、光学フィルタを適用対象に貼り付けるための粘着剤層、粘着剤層を保護する剥離性フィルム等も、必要に応じて複合することができる。
防汚層は、表面にごみや汚れが付着するのを防止し、あるいは付着した場合に除去を容易にするよう設けるものであり、他の層の機能、例えば反射防止層の透明性や反射防止機能を低下させない範囲で、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、シリコーン系塗料、シリコーン・フッ素系塗料等の剥離剤、もしくはワックス等をごく薄く、光学性能を変えない程度に塗布し形成したものである。あるいは、恒久的な層として形成してもよい。
赤外線吸収層、ネオン光遮蔽層、および色調調整層は、別の層として設けてもよいが、粘着剤層や、他の各層を接着させるための粘着剤層等に赤外線吸収色素、ネオン光吸収色素、もしくは色調調整用色素を含有させることにより、粘着剤層や他の部位の粘着剤層と兼ねた層として構成することができる。粘着剤層を構成するための粘着剤としては、可視域の光線透過率が高ければ、その種類等は任意であるが、具体的には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル系粘着剤等を用いることができる。
本発明の光学フィルタは種々のディスプレイ、とりわけプラズマディスプレイに適用すると価値が高いが、この適用の際には例えば粘着剤を用いる。粘着剤は、光学フィルタを適用対象に貼り付けるため、予め、光学フィルタに適用しておくことが好ましく、適宜な粘着剤を用いて構成するほか、市販の両面粘着テープを用いて構成することもできる。なお、プラズマディスプレイに適用する際、プラズマディスプレイの前面ガラスに直接に貼り付ける。
(透明導電性フィルムの作製)ポリエチレンテレフタレート(以下PET)フィルム[巾564mm、長さ500m、厚さ75μm]を高分子フィルムとしてその一方の主面に、PETフィルムから順に、ITO薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜厚:95nm)、銀薄膜(膜厚:12nm)、ITO薄膜(膜厚:90nm)、銀薄膜(膜厚:9nm)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7層の透明導電層を形成し、面抵抗2.3Ω/□の透明導電層を有する透明導電性フィルムを作製する。
(色素の分散)酢酸エチル/トルエン(50:50wt%)溶剤に有機色素を分散・溶解させ、アクリル系粘着剤の希釈液とする。アクリル系粘着剤/色素入り希釈液(80:20wt%)を混合し、粘着剤の原液とする。なお、粘着剤の屈折率は1.51、消光係数は0である。有機色素としては、プラズマディスプレイが放射する不要発光を吸収させるための波長595nmに吸収極大を有する三井化学(株)製色素PD−319、及び白色発光の色度を補正するための三井化学(株)
製赤色色素PS−Red−Gを用い、それぞれ乾燥した粘着剤1の中に1150(wt)ppm、1050(wt)ppmで含有されるようにアクリル系粘着剤/色素入り希釈液を調整する。
(粘着剤層の形成)表面に易剥離処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム[厚さ100μm]上に用意した粘着剤を厚みが100μmとなるように粘着剤の原液をグラビアコート法で塗布し、粘着層を形成する。塗布面は易剥離処理面である。さらに粘着層の上に表面が易剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム[厚さ100μm]を貼り合わせ、ダブルタック状態にする。粘着層に易剥離面が接するように貼り合わせる。なお、この時用いる易剥離層は最初に粘着剤を塗布する面である易剥離層よりも易剥離性が高いものを用いることが好ましい。なお、透明粘着層の両面に位置するポリエチレンテレフタレートフィルムは離型フィルムとして機能し、易剥離性が高い方が、最初に剥がされることを想定されている。
(透明導電性フィルムへの粘着層形成)透明導電膜/PETフィルムのPETフィルム面上に前述により得られる透明粘着層を形成する。まず透明粘着層の両面に貼りつけられている2枚の離型フィルムのうち1枚を剥がし、透明積層体上に貼り合わせる。
構成は、透明導電層/PETフィルム/粘着剤/離型フィルムとなる。以下この構成を積層体1と呼ぶ。
(AGフィルムの用意)AGフィルム[日本油脂社製、銘柄:PET75AG−HC/PU−V、AG層の反対面に透明粘着剤層が形成されている、巾558mm、長さ500mm、厚さ75μm](PETフィルムベース)を用意する。
(耐衝撃層の用意)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業株式会社製タケネートD−170N、イソシアネート含有量:21%)50部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA2)90部、及びジブチル錫ラウレート0.02部を混合した。それから室温で30分間保持し、さらに70℃にまで昇温して同温度で5時間保持しウレタンアクリレートを得た。なお、このウレタンアクリレートにおけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数は2である。ここで得られたウレタンアクリレート70部、トリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製ライトアクリレート3EG−A)30部、及び光開始剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製イルガキュア184)2部を混合して放射線硬化性組成物を調製した。そして、この放射線硬化性組成物の硬化物からなる耐衝撃層をPETフィルムの上に形成して厚み1.0mmの耐衝撃層を作製した。
(貼合わせ−1)ロールツーロール方式により、上記積層体1と耐衝撃層を貼り合わせる。上記積層体1にあらかじめ貼り合わせた透明粘着剤層を介して、耐衝撃性シートに上記積層体1を貼り合わせる。以下これを積層体2と呼ぶ。全体の厚みは約1.2mmである。
(貼合わせ−2)ロールツーロール方式により、上記積層体2とAGフィルムを貼り合わせる。AGフィルムにあらかじめ備わっている透明粘着剤層を介して、積層体1の透明導電層側にAGフィルムを貼り合わせる。以下これを積層体3と呼ぶ。なお、フィルムの巾方向位置に関しては、それぞれのフィルムの中心位置が一致するような位置とする。全体の厚みは約1.3mmである。
(切断)積層体2を958mm * 564mmサイズに切断する。
(電極形成)積層体3の長辺部分に6mmの巾に渡って、スクリーン印刷法により銀ペーストを塗布し、乾燥させることによってディスプレイ用光学フィルタ1を得る。塗布はAGフィルム側に実施する。
(プラズマディスプレイパネルへの装着)プラズマディスプレイパネル[NEC製 PX−42VP1]前面へ色素入り透明粘着層を介して、ディスプレイ用フィルタを取り付ける。プラズマディスプレイパネルにあらかじめ備え付けられているコンタクトを、ディスプレイ用フィルタの電極部分に接触させた。全周囲に渡って設けられている電極全てを覆うようにする。
(電磁波遮断能力評価)プラズマディスプレイパネルを動作させて、外部に放出される電磁波の強度をFCC規格 Part15Jに基づいて測定する。本フィルタはクラスA基準を満たす。
(高速面衝撃試験)上記のフィルタを150mm*150mmサイズに切り出す。切り出したシートは、150mm*150mm*2.8mmサイズのナトリウムソーダガラスに貼り付けた。耐衝撃性の評価は下記の落球法の通り。
実施例1の耐衝撃層の用意を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用光学フィルタを得た。
(耐衝撃層の用意)
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業株式会社製タケネートD−170N)50部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA1)50.5部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA5)21.4部、及びジブチル錫ラウレート0.02部を混合した。それから室温で30分間保持し、さらに70℃にまで昇温して同温度で5時間保持しウレタンアクリレートの混合物を得た。なお、これらのウレタンアクリレートにおけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数の平均は1.5である。ここで得られたウレタンアクリレートの混合物69部、トリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製ライトアクリレート3EG−A)30部、ポリエーテル変性ステアリルアルコール(日本油脂株式会社製ノニオンS−2)1部、及び光開始剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製イルガキュア184)2部を混合して放射線硬化性組成物を調製した。そして、この放射線硬化性組成物の硬化物からなる耐衝撃層を離型PETフィルムの上に形成して厚み0.8mmの耐衝撃層を作製した。なお、上記の放射線硬化性組成物に含まれるウレタンアクリレートにおけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数の平均は1.5である。また、この放射線硬化性組成物に含まれるウレタンアクリレート間における前記繰り返し数の差は最大で4である。
実施例1における耐衝撃層の用意を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用光学フィルタを得た。
(耐衝撃層の用意)
まず、ポリカプロラクトントリオール(水酸基価196.4)78.2部、ポリカプロラクトントリオール(水酸基価540.3)19.6部、シリコーン系伸展剤(商品名:ビックケミー・ジャパン社製BYK−300)0.5部、酸化防止剤(商品名:チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製IRGANOX 1010)0.5部、紫外線吸収剤(商品名:チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製TINUVIN 328)0.7部、光安定剤(商品名:旭電化社製MARK LA−77)0.5部の配合物を80℃で3時間加熱溶融し、攪拌混合して均一なA液を得た。これとは別に、イソシアネート含有量21.4%のヌレート変性ヘキサメチレンイソシアネート99.999部とジブチル錫ジラウレート0.0001部の配合割合の配合物を80℃で3時間加熱溶融し、撹伴混合して均一なB液を得た。このA液とB液とを40:60の質量比で混合した。次いで、離型PETフィルムの上に、A液とB液の混合物をバーコーターにて塗布し、120℃に温度調整したオーブン中を10分間通過させてA液とB液との反応を終了させた。その後60℃に温調したオーブン中で15時間養生し、厚さ0.8mmの耐衝撃層を作製した。
(比較例1)
実施例1における耐衝撃層の用意を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用光学フィルタを得た。
(耐衝撃層の用意)
イソホロンジイソシアネート(東京化成工業株式会社製特級試薬)50部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成株式会社製M−305)250部、及びジブチル錫ラウレート0.1部を混合した。それから室温で30分間保持し、さらに80℃にまで昇温して同温度で5時間保持しウレタンアクリレートを得た。ここで得られたウレタンアクリレート70部、トリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製ライトアクリレート3EG−A)30部、及び光開始剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製イルガキュア184)2部を混合して放射線硬化性組成物を調製した。そして、この放射線硬化性組成物の硬化物からなるからなる耐衝撃層を離型PETフィルムの上に形成して厚み0.8mmの耐衝撃層を作製した。
(比較例2)
実施例1における耐衝撃層の用意を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用光学フィルタを得た。
(耐衝撃層の用意)
エチレン酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル製、酢酸ビニル単位19wt%含有、MFR=2.5g/10分)ペレットを用い、押し出し成形で、幅564mm、厚さ1.6mmサイズのシートを作製する。これの片面に透明粘着層(日東電工製CS−9621、厚み25μm)を貼り合わせて、耐衝撃層を作製した。
(比較例3)
実施例1における耐衝撃層の用意を以下のように行った以外は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用光学フィルタを得た。
(耐衝撃層の用意)
n−ブチルアクリレート:78.4重量%、2−エチルヘキシルアクリレート:19.6重量%およびアクリル酸:2.0重量%を共重合させたアクリル酸エステル共重合体100重量部に対し、金属化合物としてアセチルアセトン亜鉛塩:0.5重量部及びアセチルアセトンアルミ塩:0.7重量部を溶融攪拌した後、厚み0.5mmシート状の硬化物からなるからなる耐衝撃層を離型PETフィルムの上に形成して厚み0.8mmの耐衝撃層を作製した。
[評価]
実施例及び比較例においてそれぞれ得られた光学フィルタについて、耐衝撃性および耐衝撃性試験後の跡残りについて評価を行った。結果を図3に示す。
(耐衝撃性:落球法)
光学フィルタ23を2.8mm厚みのナトリウムソーダガラス19に粘着剤25μmを介して貼り合わせた。これを図2のように設置し、光学フィルタの耐衝撃性を測定した。測定は、図2に示す衝撃試験装置を用いて行い、直径50.8mmの剛球21(質量534g)(JIS B1501 玉軸受用剛球に規定されたもの)を落下させたときの、破壊エネルギーを測定した。
実施例1では、3.2Jでは光学フィルタを貼り合わせたガラスが割れず、3.3Jで割れた。実施例2では、3.1Jでは光学フィルタを貼り合わせたガラスが割れず、3.2Jで割れた。実施例3では、1.8Jでは光学フィルタを貼り合わせたガラスが割れず、1.9Jで割れた。比較例1では、2.8Jでは光学フィルタを貼り合わせたガラスが割れず、2.9Jで割れた。比較例2では、1.4Jで光学フィルタを貼り合わせたガラスが割れた。比較例3では、3.8Jでは光学フィルタを貼り合わせたガラスが割れず、3.9Jで割れた。
上記の耐衝撃性試験において、1.5J以上(上記剛球が高さ約30cmから落下した場合のエネルギー)を、PDPパネルを衝撃から守ることができるレベルと判断した。
(耐衝撃性試験後の跡残り)
上記耐衝撃性試験(1.5Jの時)の後の、跡残りを観察した。実施例1〜3では、跡残りは見られなかったが、比較例1〜3では、変形や白濁が見られた。
本発明の光学フィルタの説明図である。 実施例及び比較例における耐衝撃性試験装置である。 実施例及び比較例についての評価結果である。
符号の説明
1………光学フィルタ
3………透明基材
5………光学機能層
7………耐衝撃層
11………耐衝撃性試験装置
13………試験台
15………土台
17………ガラス板
19………前面ガラス板
21………剛球
23………光学フィルタ

Claims (4)

  1. ポリカプロラクトン構造を有する化合物を構成成分として含有する組成物を硬化させて得られる耐衝撃層を有する光学フィルタ。
  2. 前記組成物が、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートとを反応させて得られる放線線硬化性のウレタン(メタ)アクリレートを構成成分として含有する放射線硬化型組成物であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルタ。
  3. 前記組成物が、ポリジメチルシロキサン系共重合体、ポリカプロラクトン及びポリシロキサンを構成成分として含有する組成物であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルタ。
  4. 前記組成物が、ポリカプロラクトンポリオール及びウレタン架橋剤を含有する組成物であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルタ。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
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