JP2002297042A - プラスチック積層体および画像表示保護部材 - Google Patents

プラスチック積層体および画像表示保護部材

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JP2002297042A
JP2002297042A JP2001099314A JP2001099314A JP2002297042A JP 2002297042 A JP2002297042 A JP 2002297042A JP 2001099314 A JP2001099314 A JP 2001099314A JP 2001099314 A JP2001099314 A JP 2001099314A JP 2002297042 A JP2002297042 A JP 2002297042A
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meth
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layer
plastic laminate
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JP2001099314A
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English (en)
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Kiyoshige Maeda
清成 前田
Kiyohiko Ito
喜代彦 伊藤
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Toyo Metallizing Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toyo Metallizing Co Ltd
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面硬度、耐引っ掻き性、耐摩耗性および反射
防止性を有するプラスチック積層体であって、各種画像
表示装置の画像表示保護フイルムとして好適に用いられ
るプラスチック積層体と画像表示保護部材を提供する。 【解決手段】プラスチック基材の少なくとも片方の面に
ハードコート層と反射防止層が順次積層されているプラ
スッチク積層体であって、そのハードコート層の中心線
平均粗さが、0.05〜1.00nmであるプラスチッ
ク積層体および画像表示保護部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面硬度、耐摩耗
性および耐引っ掻き性に優れたプラスチック積層体に関
するものであり、具体的には、本発明は、デイスプレイ
表示部や計器表示部などの保護フイルム、シートキーボ
ード、銘板あるいはタッチパネルなどに好適に用いられ
るプラスチック積層体と画像表示保護部材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック基材シートに耐摩耗
性と反射防止性を付与する方法として、例えば、特開平
9−281301号公報、特開平9−85875号公報
および特開平10−728号公報に、プラスチック基材
シートの上に活性線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などのハ
ードコート層を形成させ、さらにそのハードコート層上
に反射防止層を形成させ、プラスチック積層体とする方
法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
プラスチック積層体では、次のような問題点を有してい
ることがわかった。すなわち、上記の従来のプラスチッ
ク積層体では、ハードコート層と反射防止層の密着性が
不十分で、特に反射防止フイルムをCRTなどの画像表
示画面の表面に貼る際、あるいはそれを貼った画像表示
装置をディスプレイや計器などの装置に組み立てる際、
爪などの接触等によりキズが入ったり、剥がれるなどの
問題を生じた。
【0004】また、上記のプラスチック積層体では、高
湿度の雰囲気下で長時間さらされると反射防止層が剥が
れるなどの欠点を生じた。
【0005】本発明の目的は、表面硬度と耐摩耗性を有
し、カールが少なく、反射防止層貼り付けや組立でクラ
ックが発生せず、各層の密着性が良好なプラスチック積
層体を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、上記プラスチック積
層体からなる画像表示保護部材、およびかかるプラスチ
ック積層体または画像表示保護部材を用いてなる画像表
示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討の
結果、本発明の目的は下記の構成を有する本発明によっ
て工業的に有利に達成された。
【0008】[1]プラスチック基材の少なくとも片方
の面にハードコート層と反射防止層が積層されているプ
ラスチック積層体において、該ハードコート層の反射防
止層面側のハードコート表面の中心線平均粗さRaが
0.05〜1.00nmであることを特徴とするプラス
チック積層体。
【0009】[2]ハードコート層が、1分子中に2個
以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)
アクリレートと、末端に共重合可能な不飽和二重結合を
有する高分子量モノマー及び/またはアクリル系重合体
とを重合および/または反応せしめてなる樹脂を含有す
ることを特徴とする上記[1]記載のプラススチック積
層体。
【0010】[3] 末端に共重合可能な不飽和二重結
合を有する高分子量モノマーが、末端に(メタ)アクリ
ロイル基を有する数平均分子量が1,000〜10,0
00の高分子量化合物であり、かつ重合および/または
反応後の含有量が、ハードコート層の樹脂組成物の固形
分中5〜50重量%であることを特徴とする上記[1]
または[2]記載のプラスチック積層体。
【0011】[4] アクリル系重合体が(メタ)アク
リル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須
成分として共重合体させてなる(メタ)アクリル酸/
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、または
スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸/(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル共重合体とを必須成分として
共重合させてなるスチレン/アクリル系共重合体であっ
て、その重量平均分子量が5,000〜100,000
で、かつ重合および/または反応後の含有量が、ハード
コート層の樹脂組成物の固形分中5〜50重量%である
ことを特徴とする上記[1]または[2]記載のプラス
チック積層体。
【0012】[5] プラスチック基材が、ポリエステ
ル系樹脂またはポリアセテート系樹脂またはポリアクリ
レート系樹脂からなることを特徴とする上記[1]〜
[4]のいずれかに記載のプラスチック積層体。
【0013】[6] 反射防止層が金属酸化物の多層積
層体からなり、かつ480〜650nmでの光線反射率
が2%以下であることを特徴とする上記[6]に記載の
プラスチック積層体。
【0014】[7] 上記[1]〜[6]のいずれかに
記載のプラスチック積層体からなる画像表示保護部材。
【0015】[8] 上記[1]〜[7]のいずれかに
記載のプラスチック積層体を、粘着層または接着剤層を
介して、画像表示面および/またはその前面板の表面に
貼着してなる画像表示装置。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック積層体は、
プラスチック基材とハードコート層と反射防止層からな
る基本積層構造を有している。
【0017】本発明に使用するプラスチック基材は、公
知のプラスチック基材シートの中から適宜選択して用い
ることができる。このようなプラスチック基材シートを
構成するプラスチックとしては、例えば、ポリエステル
系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ジアセテート
系、トリアセテート系、ポリスチレン系、ポリカーボネ
ート系、ポリメチルペンテン系、ポリスルフォン系、ポ
リエーテルエチルケトン系、ポリイミド系、フッ素系、
ナイロン系、アクリレート系などの樹脂が挙げられる。
これらの樹脂の中で、ポリエステル系、アセテート系
およびアクリレート系樹脂が、光学的および強度的な観
点から、また均一性に優れたものが得られやすいことか
らより好ましく用いられる。
【0018】特に、透明性に優れ、光学的に異方性がな
い点で、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセ
ルロースあるいはポリメチルメタクリレート樹脂が好ま
しく用いられる。
【0019】上記プラスチック基材はシート状であるこ
とが好ましく、また、400〜800nmでの光線透過
率が40%以上、ヘイズが5%以下のものが好ましい。
光線透過率が40%に満たない場合は、あるいはヘイズ
が5%より大きい場合には、画像表示部材として用いた
とき、鮮明性に欠ける傾向がある。また、このような効
果を発揮する点で光線透過率の上限値は99.5%、ま
たヘイズの下限値は0.1%程度までが実用的な範囲で
ある。上記プラスチック基材は、未着色でもよいし、着
色されているものであってもよい。
【0020】本発明で用いられる上記プラスチック基材
に、ハードコート層を設ける前に、各種表面処理(例え
ば、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、エッ
チング処理、粗面化処理など)や、接着促進のための表
面コーテイング(ポリウレタン系、ポリエステル系、ポ
リエステルアクリレート系、ポリウレタンアクリレート
系、ポリエポキシアクリレート系あるいはチタネート系
化合物など)を行なってもよい。特に、親水基含有ポリ
エステル樹脂にアクリル系化合物をグラフト化させた共
重合体と架橋結合剤からなる組成物を下塗りしたプラス
チック基材は、接着性を向上し、耐湿熱性および耐沸水
性などの耐久性に優れたプラスチック基材として好まし
く用いられる。
【0021】プラスチック基材にこれらの組成物を下塗
り層とする場合の層の厚みは、通常0.01〜2g/m
2 、より好ましくは0.1〜1g/m2 で、下塗り層の
厚みが0.01g/m2 より薄いと均一に塗布すること
が難しく、また下塗り層の厚みが2g/m2 を超える
と、この上に積層するハードコート層の表面硬度および
耐摩耗性の優れた積層体を得ることが難しく好ましくな
い。
【0022】本発明で用いられるプラスチック基材の厚
みは、機械的強度と熱伝導性の点から、通常5〜500
0μm、好ましくは10〜3,000μmである。また、
2枚以上のプラスチックシートを公知の方法で貼り合わ
せ、更に厚いプラスチック基材とすることもできる。
【0023】本発明では、プラスチック基材の上にハー
ドコート層が形成される。本発明におけるハードコート
層を構成する成分としては、アクリル、エポキシ、ポリ
エステル、ポリウレタンまたはポリシロキサンなどの熱
硬化樹脂、多官能のアクリル、ウレタン、ポリエステル
またはエポキシなどの単量体、プレポリマーまたはポリ
マーを電子線、紫外線あるいは放射線などで架橋させて
得られる活性線硬化型樹脂が挙げられる。
【0024】特に電子線、紫外線あるいは放射線などで
架橋させてなる活性線硬化型樹脂が好ましく用いられ、
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基(但し、
本発明で「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイ
ル基およびメタアクリロイル基とを略して表示したもの
である)を有する多官能(メタ)アクリレート化合物を
用いることができる。この中で、1分子中に2個以上の
(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリ
レート化合物、末端に共重合可能な不飽和二重結合を有
する高分子量モノマーおよび/またはアクリル系重合体
とを重合および/または反応せしめてなる樹脂が表面硬
度、耐摩耗性に優れ、カールが小さく、クラックが生じ
にくいなどの点でより好ましく用いられる。
【0025】1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイ
ル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物として
は、1分子中に2個以上のアルコール性水酸基を有する
多価アルコールの該水酸基が2個以上の(メタ)アクリ
ル酸のエステル化物となっている化合物などを用いるこ
とができる。
【0026】具体的には、(a)炭素数2〜12のアル
キレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ル(メタ)アクリレートなど、(b)ポリオキシアルキ
レングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル
類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレートなど、(c)多価アル
コールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリ
スリトールジ(メタ)アクリレートなど、(d)ビスフ
ェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチ
レンオキシド及びプロピレンオキシド付加物の(メタ)
アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリ
ロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス
(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンな
ど、(e)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコ
ール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端
イソシアネート基含有化合物に、更にアルコール性水酸
基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子
内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する
ウレタン(メタ)アクリレート類など、および(f)分
子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル
酸又はメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個
以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ
(メタ)アクリレート類など、が挙げられる。
【0027】特に、1分子中に3個以上の(メタ)アク
リロイル基を有する単量体の少なくとも1種を含むハー
ドコート層は、硬度および硬化性はもちろん、耐摩耗性
と可撓性に優れているので好ましく用いられる。
【0028】1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイ
ル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物として
は、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する
多価アルコールの該水酸基が3個以上の(メタ)アクリ
ル酸のエステル化物となっている化合物が挙げられる。
【0029】具体的な例としては、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量
体は、1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0030】これらの1分子中に3個以上の(メタ)ア
クリロイル基を有する単量体の使用割合は、樹脂固形分
総量に対して50〜95重量%が望ましい。上記単量体
の使用割合が50重量%未満の場合には、十分な耐摩耗
性を有する硬化被膜が得られ難い。また、その量が95
重量%を超える場合は、重合による収縮が大きく、硬化
被膜に歪みが残ったり、被膜の可撓性が低下し、さらに
硬化被膜側に大きくカールする問題がある。
【0031】さらに、本発明においては、分子内に1個
のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物も含んでい
ても良い。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、n−およびi−プロピル(メ
タ)アクリレート、n−、sec−、及びt−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アク
リレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニ
ルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N
−ビニル−5−メチルピロリドンなどが挙げられる。特
に、プラスチック基材との密着性を良くするために、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、N−ビニルピロリドンなどが好ましい。これらの単
量体は、1種または2種以上混合して使用しても良い。
【0032】本発明におけるハードコート層には、末端
に共重合可能な不飽和二重結合を有する高分子量モノマ
ーを用いることができる。例えば、末端に(メタ)アク
リロイル基を有する高分子化合物で、数平均分子量が好
ましくは1,000〜10,000、より好ましくは
2,000〜6、000程度の高分子化合物である。高
分子部分は主成分が、例えば、メチルメタクリレート重
合体、スチレン重合体、スチレン/アクリロニトリル重
合体、ブチルアクリレート重合体あるいはシリコーン重
合体などからなるものが挙げられる。このような末端に
(メタ)アクリロイル基を有する高分子化合物として
は、例えば、マクロモノマー(AS−6、AN−6、A
B−6、AK−32など:東亞合成(株)製)を挙げる
ことができる。これら高分子量モノマーの使用割合は、
樹脂固形分総量に対して5〜50重量%であることが望
ましい。より好ましくは5〜30重量%である。
【0033】本発明で用いられるアクリル系重合体とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸とそのアルキルエス
テルを必須成分として共重合させてなる(メタ)アクリ
ル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体
や、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸及び/ま
たはそのアルキルエステルとを必須成分として共重合さ
せてなるスチレン/アクリル系共重合体などが挙げら
れ、その重量平均分子量は5,000以上100,00
0以下であることが好ましい。これらアクリル系重合体
の使用割合は、樹脂固形分総量に対して好ましくは5〜
50重量%である。
【0034】なお、末端に共重合可能な不飽和二重結合
を有する高分子量モノマーとアクリル共重合体を併用す
るときは、両者の総量が樹脂固形分総量に対して5〜5
0重量%となるように配合することが望ましい。
【0035】本発明において、ハードコート層の化合物
組成を重合および/または反応させる方法として紫外線
を照射する方法が挙げられるが、この場合には前記組成
物に光重合開始剤を加えることが望ましい。
【0036】光重合開始剤の具体的な例としては、アセ
トフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−
ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオ
フェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノ
ン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス
ジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベン
ジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−
α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイ
ソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラム
モノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチ
ルチオキサントンなどの硫黄化合物、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のパーオキ
サイド化合物が挙げられる。これらの光重合開始剤は単
独で使用してもよいし、2種以上組み合わせてもよい。
光重合開始剤の使用量は樹脂固形分中、0.01〜10
重量部が適当である。
【0037】また、他の方法として電子線または放射線
を重合および/または反応手段として用いることができ
る。電子線またはガンマ線を用いる場合は、必ずしも重
合開始剤を添加する必要はない。
【0038】本発明で用いられるハードコート層の化合
物組成には、製造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止す
るために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチル
エーテルあるいは2,5−t−ブチルハイドロキノンな
どの公知の熱重合防止剤を加えることが望ましい。熱重
合防止剤の好ましい添加量は、樹脂固形分中、0.00
5〜0.05重量%である。
【0039】本発明で用いられるハードコート層の化合
物組成には、また塗工時の作業性の向上、塗工膜厚のコ
ントロールを目的として、本発明の目的を損なわない範
囲において、有機溶剤を配合することができる。
【0040】有機溶剤としては、塗工時の作業性、硬化
前後の乾燥性の点から、沸点が50〜150℃の有機溶
剤が用い易い。具体的な例としては、メタノール、エタ
ノールまたはイソプロピルアルコールなどのアルコール
系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルまたは酢酸ブチルなど
の酢酸エステル系溶剤、アセトンやメチルエチルケトン
などのケトン系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤ある
いはジオキサンなどの環状エーテル系溶剤などを挙げる
ことができる。これらの溶剤は、単独であるいは2種以
上を混合して用いることもできる。
【0041】本発明で用いられるハードコート層の化合
物組成には、また本発明の目的を損なわない範囲で、各
種の添加剤を必要に応じて配合することができる。この
ような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、レベリン
グ剤および帯電防止剤などが挙げられる。
【0042】本発明で用いられるハードコート層の化合
物組成の重合および/または反応のために、紫外線、電
子線または放射線(α線、β線、γ線など)などを用い
ることができるが、紫外線を用いることが簡便でありよ
り好ましく用いられる。紫外線源としては、紫外線蛍光
灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン
灯および炭素アーク灯などが挙げられる。また、電子線
または放射線方式は、装置が高価で不活性気体下での操
作が必要ではあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感
剤など含有させなくてもよい点から有利である。
【0043】さらに、ハードコート層を構成する組成物
に、顔料や染料などの着色剤を配合して用いることもで
きる。着色剤を含有している場合、上記プラスチック積
層体として波長550nmでの光線透過率が40〜80
%であることが望ましい。
【0044】ハードコート層の厚さは用途に応じて適宜
選択されるが、通常3μm〜50μm、より好ましくは5
μm〜30μmである。ハードコート層の厚さが、3μm
未満では、表面硬度が不十分で傷が付き易くなる。また
ハードコート層の厚さが50μmを超える場合は、硬化
膜が脆くなり、ハードコート層を設けたプラスチック基
材を折り曲げたときに硬化膜にクラックが入りやすくな
る。
【0045】本発明におけるハードコート層の表面粗さ
は、中心線平均粗さ(Ra)が0.05〜1.00n
m、好ましくは0.1〜0.8nm、さらに好ましくは
0.2〜0.4μmの範囲にあることが必要である。R
aが0.05未満では、ハードコート層表面の滑りが悪
くなりフイルムの走行が不安定になり好ましくない。ま
た、Raが1.0を超えるとハードコート層表面に、例
えば、反射防止層を積層させたとき、反射防止層の密着
性が低下する。特に、耐久性試験(湿熱負荷)後の密着
性が低下し好ましくない。
【0046】本発明においては、シート状のプラスチッ
ク基材の上に形成されたハードコート層の上に、さらに
金属酸化物よりなる反射防止層を形成する。反射防止層
には、高屈折率化合物と低屈折率化合物の積層やフッ化
マグネシウムや酸化ケイ素などの無機物を用いることが
できる。特に、光反射防止膜の構成としては種々のもの
があるが、少なくとも誘電体層、導電体層を含む次のよ
うな多層構成で、蒸着やスパッタリングなどの真空薄膜
膜形成技術を用いて形成することもできる。
【0047】高屈折率膜材料としては、TiO2、Zr
2、ITO、SnO2、Y23 およびZnOなどが挙
げられる。低屈折率膜材料としては、SiO2やMgF2
などが挙げられる。また、ITO、SnO2およびNi
Oxなどは、導電性膜としての役目と高屈折率膜として
の役目を併せ持たせることができる。
【0048】本発明では、TiNx、Au、Ag、Ni
Oxなどの光吸収膜を、構成要素として介在挿入させる
ことも可能であり、種々の膜構成が考えられる。
【0049】本発明のプラスチック積層体においては、
可視光線の広い領域、具体的には少なくとも波長480
nmから650nmの範囲内で、反射率が0〜2%であ
ることが外光の映り込みを減少させ、視認性を向上させ
るので好ましい。特に反射率1%以下が人の目や精神の
疲労を最小限に抑えるため特に好ましい。この結果、プ
ラスチック積層体をディスプレイなどの文字、表示部材
部品の表面に貼ることにより、部品に入射してきた光の
反射光を低減させることができる。
【0050】本発明のプラスチック積層体の好ましい態
様としては、反射防止層の上に、さらに好ましくは厚み
1〜20nmの範囲の、水の接触角が90deg以上で
ある撥水・撥油層の透明層を設けることができる。撥水
層を設ける目的は、反射防止層を保護し、かつ防汚染性
能を高めるものであり、要求性能を満たすものであれば
良い。撥水層の材料としては、疎水基を有する化合物が
良く、例えば、パーフルオロシラン、フルオロカーボン
などが挙げられる。撥水層の形成方法としては、材料に
応じて、蒸着やスパッタリングなどの物理的気相析出法
およびCVDなどの化学気相析出法を用いることができ
る。
【0051】本発明のプラスチック積層体には、プラス
チック基材のハードコート層を有する面の反対面に粘着
層を設けることができる。粘着層としては、2つの物体
をその粘着作用により接着させるものであれば特に限定
されない。粘着層を形成する粘着剤としては、ゴム系、
ビニル重合系、縮合重合系、熱硬化性樹脂系およびシリ
コーン系などを用いることができる。この中で、ゴム系
の粘着剤としては、ブタジェン−スチレン共重合体系
(SBR)、ブタジェン−アクリロニトリル共重合体系
(NBR)、クロロプレン重合体系、イソブチレン−イ
ソプレン共重合体系(ブチルゴム)などを挙げることが
できる。ビニル重合系の粘着剤としては、アクリル樹脂
系、スチレン樹脂系、酢酸ビニル−エチレン共重合体系
および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系などを挙げる
ことができる。縮合重合系の粘着剤としては、ポリエス
テル樹脂系を挙げることができる。熱硬化樹脂系の粘着
剤としては、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ホルマ
リン樹脂系などを挙げることができる。これらの樹脂は
単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用して
も良い。
【0052】さらに、粘着剤は、溶剤型粘着剤と無溶剤
型粘着剤のいずれでも使用することができる。粘着層の
形成は、上記のような粘着剤を用いて、塗布等通常行な
われている技術を用いて実施される。さらに、粘着層に
着色剤を含有させても良い。これは、粘着剤に、例え
ば、顔料や染料などの着色剤を混合して用いることによ
って容易に達成される。着色剤を含有している場合、プ
ラスチック積層体として550nmでの光線透過率が4
0〜80%の範囲内であることが望ましい。
【0053】次に、本発明のプラスチック積層体の製造
方法について説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0054】本発明のプラスチック積層体は、プラスチ
ック基材にハードコート層を塗布、重合および/または
反応させ、さらにその上に反射防止層膜を形成させるこ
とにより製造される。
【0055】ハードコート層の塗布手段としては、刷毛
塗り、浸漬塗り、ナイフ塗り、スプレー塗り、流し塗り
および回転塗り(スピンナーなど)などの通常行われて
いる塗布方法を用いることができる。本発明の目的を達
成するためにハードコート層を均一に塗工する手段とし
て、ロールコーター、ダイコーター、フローコーター、
スピンナーなどが好ましく用いられる。特にハードコー
ト層の表面粗さを均一にするための塗工手段として、ロ
ールコーター、ダイコーターなどが特に好ましく用いら
れる。
【0056】ハードコート層を形成する化合物組成の重
合および/または反応方法としては、スチーム、ガスあ
るいは電気などの熱源を利用する方法や、紫外線や電子
線などの活性エネルギー線を照射する方法が挙げられ
る。
【0057】本発明のプラスチック積層体は、表面硬度
が高く、耐摩耗性を有しているため、広範な用途に使用
することができる。例えば、本発明のプラスチック積層
体は、ブラウン管(CRT)用フイルター、メンブレン
スイッチ、ディスプレイ、銘板や計器のカバーなどの分
野において用いることができる。
【0058】特に画像表示部材としては、液晶表示板
(LCD)、テレビ・コンピュターなどのブラウン管
(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、ガラス
などが挙げられ、この画像表示面および/またはその前
面板に装着することにより画像表示装置とすることがで
きる。
【0059】前記のようにして作成されたプラスチック
積層体と画像表示面および/またはその前面板の表面と
を密着させる手段は特に限定されないが、例えば、表示
部材もしくはプラスチック基材に粘着層を塗布乾燥さ
せ、積層体のハードコート層および反射防止層が表層に
なるように圧着ローラーなどで貼り合わせ、粘着材層を
介して表示部材とプラスチック基材とを接着させること
により、プラスチック積層体からなる画像表示保護フイ
ルムを装着した画像表示装置を得ることができる。
【0060】このようにプラスチック基材の片方の面
に、ハードコート層を積層させることにより、表面のキ
ズが付きにくいプラスチック積層体および画像表示保護
フイルムが得られる。
【0061】本発明における特性の測定方法および効果
の評価方法は、次のとおりである。
【0062】(1)中心線平均粗さ 万能表面形状測定装置(小坂研究所製)を用いて、JI
S B−0601に準じて測定した。
【0063】(2)耐摩耗性 スチールウール#0000でフイルム表面を摩擦し、傷
のつき具合いを次の基準で評価した。 ○:強く摩擦してもほとんど傷がつかない。 △:かなり強く摩擦すると少し傷がつく。 ×:弱い摩擦でも傷がつく。
【0064】(3)鉛筆硬度 HEIDON(新東科学(株)製)を用いてJIS K
−5400に従って測定した。
【0065】(4)耐引っ掻き性 タッチペンを用いて、1kgの荷重でフイルム表面を擦
り、そのキズのつき具合いを次の基準で評価した。 ○:傷がつかない。 △:やや薄い傷がつく。 ×:はっきり見える傷がつく。
【0066】(5)カール 10×10cmの大きさに切ったフイルムをハードコー
ト層を上に平らなところに置いて、両端の浮き上がり状
態を観察し、平面からの高さを測定した。
【0067】(6)クラック発生曲率 10×2cmの大きさに切ったフイルムをハードコート
層を上にして曲率のある円柱に巻き付け、表面クラック
の発生有無の状態を観察した。
【0068】(7)密着性 ハードコート層上に反射防止層を積層させたフイルムに
ついて、エチルアルコールをしみ込ませた脱脂綿を用い
て、反射防止層面を荷重1kgで20回擦り表面状態を
調べた。 ○ : 変化なし △ : 部分的に剥離が認められる × : 全面に剥離が認められる (8)耐久性 ハードコート層上に反射防止層を積層させたフイルムに
ついて、20×5cmの大きさに切ったフイルムを反射
防止層を上にして、40℃90%RHの恒温恒湿槽に2
4時間放置した後、密着性を評価した。
【0069】(9)反射率 分光光度計((株)日立製作所)用いて550nmでの
反射率を測定した。
【0070】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0071】[実施例1]厚さ188μmのポリエチレ
ンテレフタレートフイルム(東レ株式会社製”ルミラ
ー”)の片面に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(日本化薬(株)製)75重量部、マクロモノマ
ーAN−6S(東亞合成(株)社製、固形分50重量
%、数平均分子量6,000)10重量部、光開始剤1
−ヒドロキシフェニルケトン(チバ・スペシャリテイ・
ケミカルズ(株)社製)5重量部、トルエン50重量
部、メチルエチルケトン50重量部を攪拌混合した組成
物を、3本リバースロールコーターを用いて硬化後の膜
厚が10μmになるように塗布し、得られたフイルムの
塗膜層を80℃の熱風で30秒間乾燥して、溶媒を揮発
後、該塗膜面に高さ12cmの高さからセットした80
W/cmの強度を有する高圧水銀灯の下を3m/分の速
度で通過させ、塗膜を完全に硬化させた。得られたハー
ドコート層の上に、反射防止膜を、下記構成の反射防止
膜になるように真空蒸着装置を用いて製膜した。
【0072】 次に、このようにして形成させた反射防止層の上に、パ
ーフロロトリメトキシシランをCVD法により2nmの
厚みになるように形成させフイルムを得た。得られた塗
膜の性能評価試験結果を表1に示す。
【0073】[実施例2]厚さ188μmのポリエチレ
ンテレフタレートフイルム(東レ株式会社製”ルミラ
ー”)の片面に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート75重量部、マクロモノマーAA−6(東亞合成
(株)社製、固形分40重量%、数平均分子量6,00
0)12.5重量部、光開始剤1−ヒドロキシフェニル
ケトン(チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ(株)社
製)5重量部、トルエン50重量部、メチルエチルケト
ン50重量部を攪拌混合した組成物を実施例1と同様の
方法で、硬化後の膜厚が10μmになるようにハードコ
ート塗膜を得た。得られたハードコート層の上に、実施
例1と同様の方法で反射防止層と撥水層を設けたフイル
ムを得た。得られた塗膜の性能評価試験結果を表1に示
す。
【0074】[実施例3]厚さ188μmのポリエチレ
ンテレフタレートフイルム(東レ株式会社製”ルミラ
ー”)の片面に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート66重量部、マクロモノマーAN−6S(東亞合
成(株)社製、固形分50重量%、数平均分子量6,0
00)10重量部、スチレン−アクリル共重合体(固形
分60%、重量平均分子量17,790)15重量部、
1−ヒドロキシフェニルケトン 5重量部、トルエン5
0重量部、メチルエチルケトン50重量部を攪拌混合し
た組成物を実施例1と同様の方法で、硬化後の膜厚が1
0μmになるようにハードコート塗膜を得た。得られた
ハードコート層の上に、実施例1と同様の方法で反射防
止層と撥水層を設けたフイルムを得た。得られた塗膜の
性能評価試験結果を表1に示す。
【0075】[比較例1]ハードコート層を、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)
製)75重量部、マクロモノマーAN−6S(東亞合成
(株)社製、固形分50重量%、数平均分子量6,00
0)10重量部、シリカ微粉末(サイリシア310粒子
径1.4μm富士シリシア化学(株)製)、光開始剤1
−ヒドロキシフェニルケトン(チバ・スペシャリテイ・
ケミカルズ(株)社製)5重量部、トルエン50重量
部、メチルエチルケトン50重量部を攪拌混合した組成
物にした他は、実施例1と同様の方法でハードコート
層、反射防止層および撥水層を製膜した。得られた塗膜
の性能評価試験結果を表1に示す。
【0076】[比較例2]ハードコート層を、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)
製)75重量部、マクロモノマーAN−6S(東亞合成
(株)社製、固形分50重量%、数平均分子量6,00
0)10重量部、コロイダルシリカ(オルガノゾル粒子
径0.01〜0.015μm、日産化学(株)製)、光
開始剤1−ヒドロキシフェニルケトン(チバ・スペシャ
リテイ・ケミカルズ(株)社製)5重量部、トルエン5
0重量部、メチルエチルケトン50重量部を攪拌混合し
た組成物にした他は、実施例1と同様の方法でハードコ
ート層、反射防止層および撥水層を製膜した。得られた
塗膜の性能評価試験結果を表1に示す。
【0077】[比較例3]厚さ188μmのポリエチレ
ンテレフタレートフイルム(東レ株式会社製”ルミラ
ー”)の片面に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(日本化薬(株)製)75重量部、マクロモノマ
ーAN−6S(東亞合成(株)社製、固形分50重量
%、数平均分子量6,000)10重量部、光開始剤1
−ヒドロキシフェニルケトン(チバ・スペシャリテイ・
ケミカルズ(株)社製)5重量部、トルエン50重量
部、メチルエチルケトン50重量部を攪拌混合した組成
物をバーコータを用いて硬化後の膜厚が10μmになる
ように塗布し、塗膜層を設けたフイルムを作成した。得
られたフイルムの塗膜層を熱風乾燥機で30秒間放置
し、溶媒を揮発後、その未硬化層に厚み25μmのポリ
エチレンテレフタレートフイルム(東レ(株)製”ルミ
ラー”Sタイプ)を積層させて、高さ12cmの高さか
らセットした80W/cmの強度を有する高圧水銀灯の
下を3m/分の速度で通過させた後、25μmのポリエ
ステルフイルムを剥離除去してハードコート層を得た。
得られたハードコート層の上に、実施例1と同様の方法
で反射防止層と撥水層を製膜した。得られた塗膜の性能
評価試験結果を表1に示す。
【0078】[実施例6]実施例1で得られたプラスチ
ック積層体をガラスに貼り合わせるために、反射防止層
を施していない面に、粘着剤としてAGR−100(日
本化薬(株)製)を用いて、ガラスと貼り合わせた後、
1,000mj/cm2の紫外線照射量で硬化させた。
試験結果を表1に示す。
【0079】
【表1】 実施例1〜4は、評価項目すべてにおいて良好であっ
た。
【0080】これに対し、比較例1〜3は、中心線平均
粗さRaが大きいため、反射防止層との密着性が不十分
で、特に耐久性試験後の密着性は低下した。
【0081】[実施例7〜9]実施例6のガラスに代え
て、17インチテレビブラウン管(CRT)、液晶表示
板(LCD)およびプラズマディスプレイ(PDP)の
表示画面前面に、実施例1で得られたプラスチック積層
体を、実施例6と同じようにして装着し画像表示装置を
得た。耐摩耗性、耐引っ掻き性はいずれもキズが付か
ず、反射率も0.6%で表示部材として評価項目すべて
において良好であった。
【0082】
【発明の効果】本発明の優れた効果は、プラスチック基
材の上に、中心線平均粗さRaの範囲を適正化し、その
上に反射防止層を形成させたことにより生起されたもの
である。すなわち、本発明によれば、反射防止層側から
の表面硬度、鉛筆硬度、耐引っ掻き性および耐摩耗性が
良好で、特にハードコート層の中心線平均粗さRaが
0.05〜1.00nmの範囲で反射防止層との密着性
が良いとの著しい効果を奏するプラスチック積層体が得
られる。そして、このプラスチック積層体は、各種画像
表示装置の画像表示保護フイルムとして好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 4/06 C09D 4/06 G02B 1/11 C08L 101:00 1/10 G02B 1/10 A // C08L 101:00 Z (72)発明者 伊藤 喜代彦 滋賀県大津市園山1丁目1番1号東レ株式 会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 2K009 AA07 AA15 BB14 BB24 BB28 CC03 CC06 CC24 CC33 CC34 CC35 CC42 DD02 DD03 DD05 DD06 DD08 DD17 EE05 4F006 AA20 AA22 AA35 AB16 AB24 AB43 AB64 BA02 CA05 DA04 4F100 AA17C AA21C AA27C AA33C AK01A AK12B AK12J AK22A AK25A AK25B AK25J AK41A AL01B BA03 BA07 BA10A BA10C CC00B DD07B GB90 JA07B JK09 JK12 JK12B JK14 JN06C YY00C 4J038 CC062 CG032 CG142 CH012 CJ032 CJ132 DL102 FA121 FA141 FA151 FA161 FA232 FA242 FA251 FA281 MA14 NA11 PA17 PC08 5G435 AA08 GG11 HH03 KK07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基材の少なくとも片方の面
    に、ハードコート層と反射防止層が積層されているプラ
    スチック積層体において、該ハードコート層の反射防止
    層面側のハードコート層表面の中心線平均粗さRaが
    0.05〜1.00nmであることを特徴とするプラス
    チック積層体。
  2. 【請求項2】 ハードコート層が、1分子中に2個以上
    の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アク
    リレートと、末端に共重合可能な不飽和二重結合を有す
    る高分子量モノマーおよび/またはアクリル系重合体と
    を重合および/または反応せしめてなる樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のプラススチック積層
    体。
  3. 【請求項3】 末端に共重合可能な不飽和二重結合を有
    する高分子量モノマーが、末端に(メタ)アクリロイル
    基を有する数平均分子量が1,000〜10,000の
    高分子量化合物であり、かつ重合および/または反応後
    の含有量が、ハードコート層の樹脂組成物の固形分中5
    〜50重量%であることを特徴とする請求項2記載のプ
    ラスチック積層体。
  4. 【請求項4】 アクリル系重合体が、(メタ)アクリル
    酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須成分
    として共重合体させてなる(メタ)アクリル酸/(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、またはスチ
    レン系モノマーと(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリ
    ル酸アルキルエステル共重合体とを必須成分として共重
    合させてなるスチレン/アクリル系共重合体であって、
    その重量平均分子量が5,000〜100,000で、
    かつ重合および/または反応後の含有量が、ハードコー
    ト層の樹脂組成物の固形分中5〜50重量%であること
    を特徴とする請求項2または3記載のプラスチック積層
    体。
  5. 【請求項5】 プラスチック基材が、ポリエステル系樹
    脂またはポリアセテート系樹脂またはポリアクリレート
    系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載のプラスチック積層体。
  6. 【請求項6】 反射防止層が金属酸化物の多層積層体か
    らなり、かつ480〜650nmでの光線反射率が2%
    以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載のプラスチック積層体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のプラス
    チック積層体からなる画像表示保護部材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のプラス
    チック積層体を、粘着層または接着剤層を介して、画像
    表示面および/またはその前面板の表面に貼着してなる
    画像表示装置。
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