JP6772564B2 - 光学積層体の水接触角制御方法、および保護フィルム付き光学積層体 - Google Patents
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Description
まず、図1(A)に示されるように、光透過性基材11と、光透過性基材11の少なくとも片面側に形成されたハードコート層12とを備える光学積層体を用意する。
光透過性基材11としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、セルロースアシレート基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリカーボネート基材、アクリル基材、ポリエステル基材、またはガラス基材が挙げられる。
ハードコート層12は、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有する層である。鉛筆硬度を「H」以上とすることにより、光学積層体が硬くなり、耐久性を向上させることができる。なお、ハードコート層の靱性およびカールの防止の観点から、ハードコート層12の表面の鉛筆硬度の上限は4H程度程とすることが好ましい。
樹脂としては、特に限定されないが、重合性化合物の重合物(硬化物、架橋物)を含むものが挙げられる。樹脂は、重合性化合物の重合物の他、溶剤乾燥型樹脂を含んでいてもよい。重合性化合物としては、電離放射線重合性化合物の重合物(架橋物)および/または熱重合性化合物が挙げられる。
電離放射線重合性モノマーとしては、電離放射線重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーが好ましい。本明細書において、「重量平均分子量」は、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解して、従来公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得られる値である。
光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性プレポリマーの重量平均分子量としては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光学積層体の外観が悪化するおそれがある。上記多官能プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
レベリング剤とは、ハードコート層の表面張力が不均一となることによって生じる、ハジキ、凹み、ピンホール、ユズハダ等の欠陥を防止し、表面を滑らかにする添加剤を意味する。レベリング剤は、特に限定されないが、ポリエーテル基、ポリウレタン基、エポキシ基、カルボキシル基、アクリレート基、メタクリレート基、カルビノール基又は水酸基を有する化合物である。上記レベリング剤は、ポリエーテル基、ポリウレタン基、エポキシ基、カルボキシル基、アクリレート基、メタクリレート基、カルビノール基又は水酸基を主鎖の末端(片末端、両末端)に有していてもよく、側鎖に有していてもよく、主鎖の末端及び側鎖に有していてもよい。レベリング剤としては、ポリエーテル基、ポリウレタン基、エポキシ基、カルボキシル基、アクリレート基、メタクリレート基、カルビノール基又は水酸基を有する化合物であれば、特に限定されず、例えば、シリコーン系、フッ素系、シリコーン/フッ素混合系、アクリル系、メタクリル系、芳香族系のレベリング剤を挙げることができる。
粒子は、無機粒子、有機粒子、またはこれらの混合物であってもよい。無機粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、酸化スズ粒子、アンチモンドープ酸化スズ(略称:ATO)粒子、酸化亜鉛粒子等の無機酸化物粒子が挙げられる。
水接触角低下材は、ハードコート層の表面における水に対する接触角を低下させるための材料である。水接触角低下材は、親水性を有すれば、特に限定されないが、水接触角低下材としては、親水基を有する材料が挙げられる。親水基としては、例えば、第4級アンモニウム塩基、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アミド基、カルボニル基、ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられる。水接触角低下材の中でも、水接触角低下材の表面に析出しやすい観点から帯電防止剤が好ましい。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤を使用することが可能である。帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩基、ピリジニウム塩基や第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有するカチオン型帯電防止剤;スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン型帯電防止剤;アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性イオン型帯電防止剤;アミノアルコールおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体等のノニオン型帯電防止剤;導電性ポリマー;アルカリ金属塩;イオン性液体等が挙げられる。このような帯電防止剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
溶剤としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘプタノン、ジエチルケトン等)、エーテル類(1,4−ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテルジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、またはこれらの混合物が挙げられる。
重合開始剤は、光または熱により分解されて、ラジカルやイオン種を発生させて重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。
基材フィルム15は、光透過性であってもよいが、表示パネルに光学積層体を組み込む際には、保護フィルム13は剥離されるので、光透過性でなくともよい。基材フィルム15としては、特に限定されないが、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム)、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム、セルロースジアセテートフィルム)、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリメタクリル酸メチルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム等が挙げられる。これらの中でも、透明性や張り合わせ時のハンドリング性能の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
粘着層16は、保護フィルムを剥離することによりハードコート層12の表面12Aの水に対する接触角を増大させる水接触角増大材を含むものである。粘着層16がハードコート層12の表面12Aの水に対する接触角を増大させる水接触角増大材を含むことにより、保護フィルム13の剥離の際に、水接触角増大材がハードコート層12の表面12Aに移行し、またはハードコート層の表面に存在する帯電防止剤が粘着層側に移行して、これによりハードコート層12の表面12Aの水に対する接触角を増大させることができる。
水接触角増大材は、保護フィルムの剥離後におけるハードコート層の表面の水に対する接触角を、保護フィルムを貼り付ける前のハードコート層の表面の水に対する接触角よりも大きくする材料である。本明細書においては、保護フィルムの剥離後におけるハードコート層の表面の水に対する接触角が保護フィルムを貼り付ける前のハードコート層の表面の水に対する接触角よりも大きければ、保護フィルムの粘着層が水接触角増大材を含んでいると判断する。
アクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、上記アクリル酸エステルの中でも、アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルが、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、透明性に優れる点において好ましい。他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−tert−ブチルアミノエチル、メタクリル酸−n−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタン系粘着剤としては、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン樹脂からなるものが挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
ゴム系粘着剤としては、主成分として、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
図3に示されるように、タッチパネル付き画像表示装置20は、主に、画像を表示するための表示パネル30と、表示パネル20の背面側に配置されたバックライト装置40と、表示パネル30よりも観察者側に配置されたタッチパネル50と、表示パネル30とタッチパネル50との間に介在した光透過性接着層60とを備えている。本実施形態においては、表示パネル30が液晶表示パネルであるので、タッチパネル付き表示装置20がバックライト装置40を備えているが、表示パネル(表示素子)の種類によってはバックライト装置40を備えていなくともよい。
表示パネル30は、図3に示されるように、バックライト装置40側から観察者側に向けて、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)等の保護フィルム31、偏光素子32、位相差フィルム33、透明粘着層34、表示素子35、透明粘着層36、位相差フィルム37、偏光素子38、光学積層体10の順に積層された構造を有している。表示パネル30は、表示素子35と、表示素子35よりも観察者側に配置された光学積層体10とを備えていればよく、保護フィルム31等は備えていなくともよい。
バックライト装置40は、表示パネル30の背面側から表示パネル30を照明するものである。バックライト装置40としては、公知のバックライト装置を用いることができ、またバックライト装置40はエッジライト型や直下型のバックライト装置のいずれであってもよい。
タッチパネル50は、センサ部70と、センサ部70より観察者側に配置されたカバーガラス80と、センサ部70とカバーガラス80とを固定するための透明粘着層81と、を備えている。タッチパネル50は、センサ部70を備えていればよく、カバーガラス80、透明粘着層81を備えていなくともよい。
センサ部70は、タッチパネル50のセンサとして機能する部分である。センサ部70としては、特に限定されないが、例えば、投影型静電容量方式に用いられるセンサが挙げられる。図3に示されるセンサ部70は、パターニングされた導電層72が設けられた基材フィルム71と、パターニングされた導電層73が設けられた基材フィルム71とを、透明粘着層74を介して積層した構造となっている。
図3に示される基材フィルム71は、光透過性基材75と、光透過性基材75の一方の面上に設けられたハードコート層76と、ハードコート層76上に設けられた高屈折率層77と、高屈折率層77上に設けられた低屈折率層78と、透明基材75の他方の面上に積層されたハードコート層79とを備えている。
導電層72、73の形状は特に限定されないが、例えば、正方形状やストライプ状が挙げられる。導電層72、73は取出パターン(図示せず)を介して端子部(図示せず)に接続されている。導電層72、73は、透明導電材料から構成された例を示しているが、導電層はメッシュ状の導線から構成することが可能である。透明導電材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛、酸化インジウム(In2O3)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ、酸化亜鉛−酸化スズ系、酸化インジウム−酸化スズ系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物等が挙げられる。導線の材料としては、銀、銅、アルミニウム、またはこれらの合金等の遮光性のある金属材料が挙げられる。
光透過性接着層60は、表示パネル30とタッチパネル50との間に介在し、かつ表示パネル30とタッチパネル50の両方に接着されている。これにより、表示パネル30とタッチパネル50とが固定されている。光透過性接着層60は、硬化性樹脂前駆体を含む液状の硬化性接着層用組成物(例えば、OCR:optically clear resin)の硬化物から構成されている。
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、ハードコート層用組成物等を得た。
(ハードコート層用組成物1)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(製品名「KAYARAD DPHA」、日本化薬社製):100質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):4質量部
・レベリング剤(製品名「フタージェント212M」、ネオス社製):0.5質量部(固形分100%換算値)
・メチルイソブチルケトン(MIBK)およびメチルエチルケトン(MEK)の混合物(MIBK/MEK=50/50):156.8質量部
下記に示す組成となるように各成分を配合して、粘着層用組成物等を得た。
(粘着層用組成物1)
・アクリル酸エステル共重合樹脂(製品名「アロンタックSCL−200」、東亜合成化学社製、固形分40%):10質量部
・シリコーン系レベリング剤(製品名「10−28」、大日精化工業社製):0.15質量部
・トルエン:10質量部
・酢酸エチル:10質量部
・アクリル酸エステル共重合樹脂(製品名「アロンタックSCL−200」、東亜合成化学社製、固形分40%):10質量部
・フッ素系界面活性剤(製品名「フタージェント601ADH2」、ネオス社製):0.15質量部
・トルエン:10質量部
・酢酸エチル:10質量部
・アクリル酸エステル共重合樹脂(製品名「アロンタックSCL−200」、東亜合成化学社製、固形分40%):10質量部
・フッ素シリコーン系材料(製品名「KP−911」、信越シリコーン社製):0.15質量部
・トルエン:10質量部
・酢酸エチル:10質量部
粘着層用組成物4として、溶剤型ゴム系粘着剤(製品名「オリバインBPS3757−1」、東洋インキ社製)を用いた。
・アクリル酸エステル共重合樹脂(製品名「アロンタックSCL−200」、東亜合成化学社製、固形分40%):10質量部
・トルエン:10質量部
・酢酸エチル:10質量部
粘着層用組成物6として、ウレタン系粘着剤(製品名「オリバインSH−101」、東洋インキ社製)を用いた。
まず、光透過性基材としての厚さ60μmのトリアセチルセルロースフィルム(製品名「TD60UL」、富士フイルム社製)を準備し、トリアセチルセルロースフィルムの片面に、ハードコート層組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、ハードコート層としての5μm厚み(硬化時)のハードコート層を形成した。
実施例2においては、粘着層用組成物1の代わりに粘着層用組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を作製した。
実施例3においては、粘着層用組成物1の代わりに粘着層用組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を作製した。
実施例4においては、粘着層用組成物1の代わりに粘着層用組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を作製した。
実施例5においては、粘着層用組成物1の代わりに粘着層用組成物5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を作製した。
比較例1においては、粘着層用組成物1の代わりに粘着層用組成物6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を作製した。
実施例および比較例で得られた光学積層体において、以下のようにして、水に対する接触角を測定した。具体的には、保護フィルムを貼り付け前の光学積層体と、保護フィルムを剥離した後の光学積層体において、接触角測定装置(製品名「Drop Master500」、協和界面化学株式会社製)を用い、それぞれ1μLの水をハードコート層の表面に滴下した後、10秒後の接触角を1秒間隔で10点測定し、それらの平均値を算出した。同一の操作を、位置を変えて3回行い、平均値により水に対する接触角を算出した。
実施例および比較例で得られた光学積層体において、ヘイズ値を測定し、保護フィルムを剥離した後の光学積層体が保護フィルムを貼り付ける前の光学積層体に比べてヘイズ値が変化しているか否か、また保護フィルムを剥離した後の光学積層体におけるハードコート層の表面の様子を目視により観察し、評価した。評価基準は以下の通りとした。ヘイズ値は、JIS K7136:2000に従って、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて測定し、保護フィルムを剥離した後の光学積層体のヘイズ値(%)が保護フィルムを貼り付ける前の光学積層体のヘイズ値(%)の±0.5%未満であれば、ヘイズ値の変化が確認されなかったとし、保護フィルムを剥離した後の光学積層体のヘイズ値(%)が保護フィルムを貼り付ける前の光学積層体のヘイズ値(%)の±0.5%以上変化していれば、ヘイズ値の変化が確認されたとした。
○:ヘイズ値の変化および外観汚れ等の欠陥が確認されず、またはヘイズ値の変化や外観汚れ等の欠陥が若干確認されたが、実用上問題のないレベルであった。
×:ヘイズ値の変化や外観汚れ等の欠陥が明確に確認された。
実施例および比較例で得られた光学積層体において、保護フィルムの剥離後におけるハードコート層の表面の防汚性を評価した。防汚性評価は、10人の被験者が、ハードコート層の表面に10秒間、各々自己の親指指紋を密着させ、その後、ワイパー(製品名「アズピュアプロプレアII、アズワン社製)で拭き取り、各々自己の指紋が拭き取れたか否かを確認することにより行った。評価基準は以下の通りとした。
○:指紋が拭き取れたと評価した被験者が7人以上であった。
×:指紋が拭き取れたと評価した被験者が6人以下であった。
11…光透過性基材
12…ハードコート層
13…保護フィルム
14…保護フィルム付き光学積層体
15…基材フィルム
16…粘着層
20…タッチパネル付き画像表示装置
30…表示パネル
35…表示素子
40…バックライト装置
50…タッチパネル
60…光透過性接着層
Claims (6)
- 光透過性基材と、前記光透過性基材の少なくとも片面側に設けられたハードコート層とを備える光学積層体の水に対する接触角を制御する光学積層体の水接触角制御方法であって、
光透過性基材の少なくとも片面側に形成されたハードコート層の表面に、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面に設けられ、かつ前記ハードコート層の表面の水に対する接触角を増大させる水接触角増大材を含む粘着層とを備える保護フィルムを前記粘着層によって剥離可能に貼り付ける工程と、
前記ハードコート層から前記保護フィルムを剥離して、前記保護フィルムの剥離後における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角を前記保護フィルムの貼り付け前における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角よりも大きくして、前記保護フィルムの剥離後における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角を65°以上95°以下とする工程と
を備える、光学積層体の水接触角制御方法。 - 前記保護フィルムの剥離後における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角が前記保護フィルムの貼り付け前における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角より5°以上大きい、請求項1に記載の光学積層体の水接触角制御方法。
- 前記水接触角増大材が、シリコーン系材料、フッ素系材料、およびフッ素シリコーン系材料からなる群から選択される1以上の材料である、請求項1に記載の光学積層体の水接触角制御方法。
- 光学積層体と、前記光学積層体に剥離可能に貼り付けられた保護フィルムとを備える保護フィルム付き光学積層体であって、
前記光学積層体が、光透過性基材と、前記光透過性基材の少なくとも片面側に設けられたハードコート層とを備え、
前記保護フィルムが、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面に設けられ、前記ハードコート層の表面の水に対する接触角を増大させる水接触角増大材を含み、かつ前記ハードコート層の表面に貼り付いた粘着層とを備え、
前記保護フィルムを前記光学積層体から剥離したときに、前記保護フィルムの剥離後における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角が、前記保護フィルムの貼り付け前における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角より大きく、かつ前記保護フィルムの剥離後における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角が65°以上95°以下となる、保護フィルム付き光学積層体。 - 前記保護フィルムの剥離後における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角が前記保護フィルムの貼り付け前における前記ハードコート層の表面の水に対する接触角より5°以上大きい、請求項4に記載の保護フィルム付き光学積層体。
- 前記水接触角増大材が、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤、およびフッ素シリコーン系粘着剤からなる群から選択される1以上の材料である、請求項4に記載の保護フィルム付き光学積層体。
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