JP6476788B2 - タッチパネル、積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来のハードコートフィルムは、ハードコート層の硬度が充分なものであっても、その塗膜厚みが薄いことに起因して、下地の基材フィルムが変形した場合に、それに応じてハードコート層も変形し、ハードコートフィルム全体としての硬度は低下してしまい、充分に満足できるものではなかった。
例えば、基材フィルムとして広く利用されているポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、紫外線硬化型塗料を上記の厚みで塗工したハードコートフィルムにおいては、鉛筆硬度で3Hレベルが一般的であり、ガラスの鉛筆硬度である9H以上には全く及ばないものであった。
このようなハードコートフィルムとして、例えば、特許文献1には、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、厚み3〜15μmの緩衝層を介して厚み3〜15μmのハードコート層を形成し、鉛筆硬度4H〜8Hを有するハードコートフィルムが開示されている。
更に、ガラス代替材料として、例えば、新日鐵住金化学社より、シルプラス(登録商標)、昭和電工社より、ショウレイアル(登録商標)、日本合成化学社より、オルガ(登録商標)、名阪真空工業社より、レガリア等が市販されている。
特に、近年、薄くて曲げられるフレキシブルタイプの有機ELディスプレイが開発されており、また、スマートフォンや腕時計型端末などの携帯端末、自動車内部の表示装置、腕時計などに使用するフレキシブルパネルへの注目も集まってきている。
ところが、特許文献1に記載の従来のハードコートフィルムや、新日鐵住金化学社のシルプラス(登録商標)は、ハードコート性能としての硬度についての検討が中心としてなされているが、可撓性についての検討は殆どされておらず、曲面対応が一切できないものであった。
しかしながら、特許文献2に記載の積層体は、鉛筆硬度が5H程度でガラス代替材料としては充分とは言えず、また、可撓性についても直径80mmの円筒に巻き付けたときにクラックや剥離が生じない程度であり、充分とは到底言えるものではなく、ロール状態での加工ができず、また、巻取りも不可能であった。
上記ハードコート層の表面の水に対する接触角が100〜120°であることが好ましい。
また、上記積層体は、上記樹脂硬化層側面が、偏光子又は偏光板上に粘着剤層又は接着剤層を介して貼着されることが好ましい。
また、上記樹脂硬化層は、単官能モノマーの硬化層であることが好ましい。
また、上記単官能モノマーは、単官能アクリルモノマーであることが好ましい。
また、上記単官能アクリルモノマーは、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、及び、アダマンチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記積層体は、上記樹脂硬化層の基材フィルムと反対側表面に、更に別の基材フィルムを有することが好ましい。
また、本発明は、基材フィルムの一方の面上に、ハードコート層用組成物を用いてハードコート層を形成する工程、及び、上記基材フィルムの他方の面上に硬化層用組成物を用いて樹脂硬化層を、ロール・トゥ・ロール方式で形成する工程を有し、上記基材フィルムの厚みが40〜125μmであり、上記基材フィルムの一方の面上に、ハードコート層用組成物を用いてハードコート層を形成する工程、及び、上記基材フィルムの他方の面上に硬化層用組成物を用いて樹脂硬化層を、ロール・トゥ・ロール方式で形成する工程を経て得られた積層体は、直径20mmの円柱に巻き付けた際にクラックが生じないものであり、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験(荷重750g)において、6H以上であることを特徴とする積層体の製造方法でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
上記積層体が、直径20mmの円柱に巻き付けたときにクラックが生じる場合、可撓性が不充分となり、上記積層体をフレキシブルパネル等の曲面に対応させたり、ロール・トゥ・ロール方式で製造したりすることができないことがある。なお、上記円柱への巻き付けは、本発明の積層体のハードコート層側が外側となるようにして行う。
また、上記鉛筆硬度が6H未満であると、上記積層体をガラス代替材料として用いることができないことがある。
上記積層体は、直径16mmの円柱に巻き付けた際にクラックが生じないものであることがより好ましく、上記鉛筆硬度は、8H以上であることがより好ましい。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記ハードコート層が微粒子を含有することで、該ハードコート層のJIS K 5400に規定する鉛筆硬度を向上させることができ、その結果、上記積層体の硬度が優れたものとなり、ガラス代替材料として好適に用いることが可能となる。
上記微粒子としては、例えば、無機微粒子又は有機微粒子が挙げられる。
上記無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物微粒子、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等の金属フッ化物微粒子等が挙げられる。また、上記微粒子としては、金属微粒子、金属硫化物微粒子、金属窒化物微粒子等を用いてもよい。
特に、上記積層体の鉛筆硬度を向上させるためには、上記微粒子としては、シリカ又はアルミナが好ましい。
また、上記微粒子は、その表面に紫外線(UV)硬化性の反応基を有することが好ましく、具体的には、反応性シリカが好ましい。上記UV硬化性の反応基としては、例えば、メタクリレート基又はアクリレート基が好適に挙げられる。
更に、上記微粒子の形状としては、ハードコート層の硬度の面から異型であることが好ましく、このような微粒子としては、例えば、異型シリカが好適に用いられる。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、特に言及しない限り、モノマー、オリゴマー、ポリマー等も包含する概念である。
なかでも、上記電離放射線硬化型樹脂としては、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)デカアクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)オクタアクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)ノナアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、又は、ジトリメチロールプロパンヘキサメタアクリレートが最も好ましい。
更に、上記電離放射線硬化型樹脂としては、ウレタンアクリレートも使用でき、4官能以上のウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、特に6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、硬度の点で好適であるが更に靭性があるため、上記積層体をフレキシブルパネル等の曲面に対応させる場合に好適である。更に、上記ウレタン(メタ)アクリレートを有することで、上記積層体のカールやクラックの防止性にも優れるだけでなく、上記積層体製造後の後工程(貼合加工、抜き加工)で、上記ハードコート層にクラック等が発生しにくくなる。
上記電離放射線硬化型樹脂と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
すなわち、上記防汚剤が反応性官能基を有することで、上記ハードコート層を形成した際に該ハードコート層に含まれるバインダー樹脂と上記防汚剤とが反応した状態となる。そして、上記積層体を製造した後、通常、ハードコート層にはケン化処理が施されるが、上記ハードコート層の防汚剤がバインダー樹脂と反応した状態で含まれていることで、上記ケン化処理により上記防汚剤は殆ど脱落することがなく、その結果、上記ハードコート層の表面の水に対する接触角が大きな状態を維持することができる。
また、上記防汚剤が反応性官能基を有することで、耐久性(熱試験、湿熱試験、耐光試験、低温試験及びヒートサイクル試験等に対する耐久性)があり、本発明のタッチパネルを繰返し使用(タッチ)しても性能が維持される。更に、上記防汚剤が反応性官能基を有することで、上記ハードコート層の表面を薬品で拭いたりした場合でも、性能が維持される。
これらの結果、上記積層体のハードコート層の表面の水に対する接触角が、上記下ハードコート層の表面の水に対する接触角よりも大きいものとすることができる。
一方、後述する下ハードコート層は、該下ハードコート層を形成する際の組成物の塗布性向上のため、該組成物に、レベリング剤が添加されるが、該レベリング剤としては非反応性のものが好適に用いられる。このため、上記下ハードコート層にケン化処理が施されると、上記非反応性のレベリング剤が脱落し、その結果、下ハードコート層の表面の水に対する接触角が小さなものとなる。なお、後述する下ハードコート層は、ケン化処理を施さない場合であっても、水に対する接触角度は小さなものであることが好ましい。これは、上記下ハードコート層は、偏光板に直接貼ったり、粘着フィルムを貼って偏光板やOLET等に貼ったりするため、水に対する接触角が小さい方が、接着の面で効果的となる。更に、下ハードコート層には、加飾印刷(黒色、白色、他の色等)をする場合があり、下ハードコート層の表面の水に対する接触角が大きい場合、加飾印刷インキが、はじいたりして、外観上、きれいにならない場合がある。
上記反応性官能基を有する防汚剤の含有量のより好ましい下限は0.1質量部、より好ましい上限は3質量部である。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記レベリング剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤等が、ハードコート層がベナードセル構造となることを回避することから好ましい。溶剤を含む樹脂組成物を塗工し、乾燥する場合、塗膜内において塗膜表面と内面とに表面張力差等を生じ、それによって塗膜内に多数の対流が引き起こされる。この対流により生じる構造はベナードセル構造と呼ばれ、形成するハードコート層にゆず肌や塗工欠陥といった問題の原因となる。
また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
なお、上記ハードコート層の厚さは、断面顕微鏡観察により測定することができる。
本発明において、上記樹脂硬化層は、単官能モノマーの硬化層(以下、単に硬化層ともいう)であることが好ましく、このような硬化層を有する積層体は、ガラス代替材料として硬度が極めて優れたものにすることができることに加え、可撓性にも優れたものとすることができる。
上記樹脂硬化層の厚さとしては、1〜25μmであることが好ましい。1μm未満であると、上記積層体の硬度及び上記基材フィルムとの接着性が不充分となることがあり、25μmを超えると、樹脂硬化層の薄膜化を図れないだけでなく、カールが大きくなることもある。割れやすくもなる。上記樹脂硬化層の厚さのより好ましい範囲は、3〜20μmであり、更に好ましくは、4〜15μmである。
なお、上記樹脂硬化層の厚さは、断面顕微鏡観察により測定することができる。
上記単官能アクリルモノマーとしては、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、及び、アダマンチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、なかでも、アクリロイルモルホリンであることがより好ましい。このような硬化層を有することで、上記積層体の硬度及び可撓性を充分に優れたものとすることが可能となる。
上記硬化層用組成物における溶剤としては、上述したハードコート層用組成物で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、上記硬化層用組成物は、上記ハードコート層用組成物と同様に、光重合開始剤、分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤等を添加していてもよい。
上記別の基材フィルムとしては、上述した基材フィルムと同様のものが挙げられる。
なお、上記別の基材フィルムを有する場合、上述した基材フィルムと別の基材フィルムとは、同じ材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。更に、上記別の基材フィルムと上述した基材フィルムとは、同一又は異なる厚みを有するものであってよい。
また、上記積層体は、上記ハードコート層の基材フィルムと反対側面上に、従来公知の任意の光学機能層(低屈折率層、高屈折率層、防汚層、帯電防止層、防眩層等)が形成されていてもよい。これらの光学機能層は、有機物、無機物、有機物と無機物とが混合されたものいずれでもよく、従来の公知の構成及び方法で形成できる。なお、例えば、有機バインダーに中空シリカなどを混合した組成物を塗布、硬化し、低屈折率層を積層したり、あるいは、SiOx(x=1から2)等の無機薄膜をスパッタすることで低屈折率層を積層したりするなど、上記ハードコート層上に何かしら機能層を一層以上設けると、本発明の積層体のナノインデンテーションによる押し込み硬度は、ハードコート層だけの場合よりも2倍から3倍高硬度(上限が約4GPa)まで向上させることができる。これは、最表面の硬度が向上している状態であるため、耐擦傷性も非常によくなる。
上記下ハードコート層の厚み、材料及び形成方法としては、上述したハードコート層と同様の方法が挙げられる。
上記下ハードコート層の別の基材フィルム側と反対側に設ける層との接着の観点からは、上記水の接触角も重要であるが、ヘキサデカンの接触角も重要である。上記下ハードコート層の表面のヘキサデカンの接触角は、1〜30°であることが好ましい。なお、上述したハードコート層の表面(又は上記積層体の最表面)のヘキサデカンの接触角は40°以上が好ましい。
また、上記下ハードコート層側は、ケン化処理を施したり、コロナ処理等の処理を行ったりする場合があり、その場合、処理後の上記下ハードコート層の表面の水に対する接触角は、30〜90°であることが好ましい。
ただし、ケン化処理を施す場合、ケン化条件が厳しい(アルカリ水溶液濃度が高い、ケン化処理時間長い)場合、水に対する接触角度を下げることができるが、基材フィルムや、表面側の層へのダメージが強くなり、目的とする硬度が悪くなることがある。
また、上記下ハードコート層の表面には、本発明のタッチパネルの意匠性等により、印刷が施されることがあるが、上記下ハードコート層の表面の水に対する接触角をより小さなものとすることで、該下ハードコート層の表面の印刷性をより向上させることができる。
上記シリコーン系やフッ素系のレベリング剤である場合、水に対する接触角を下げるために、親水性の化学結合(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、PO変性部位、EO変性部位、カプロラクトン変性部位、イソシアヌル酸変性部位)を持ったものが好ましい。フッ素原子、シリコーン原子の含有割合も少ないものが好まれる。
なかでも、非フッ素非シリコーン系(アクリル系)では、ビックケミー社製のBYK 350、BYK 354、BYK 381、BYK 392、BYK 394、BYK 3441、日産化学製のOD002、OD007、OD012等が好適に用いられる。
また、シリコーン系では、ビックケミー社製のポリエーテル変性のBYK 300、BYK 302、BYK 306、BYK 307、BYK 310、BYK 320、BYK 325、BYK 330、BYK 333、BYK 342BYK 347、BYK 348、BYK 349、BYK 378、BYK 3455や、ビックケミー社製の水酸基含有のBYK 370、BYK 377等が好適に用いられる。
また、フッ素系では、ネオス社製のポリエーテル変性のフタージェント251、212M、215M、250、209F、222F、245F、208G、240G、212P、220P、228P、FTX218、DFX18、DIC社製 F477、F445等が好適に用いられる。
上記非反応性レベリング剤の含有量としては、上記下ハードコート層中のバインダー樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。0.01質量部未満であると、上記下ハードコート層を形成するための組成物を均一に塗布できないことがあり、また、形成した下ハードコート層の表面の水に対する接触角が大きくなり、印刷性が低下することがある。5質量部を超えると、裏移りが発生することがある。上記非反応性レベリング剤の含有量のより好ましい下限は0.05質量部、より好ましい上限は3質量部である。
このような本発明のタッチパネルに用いられる積層体、及び、その製造方法もまた、本発明の一つである。
すなわち、本発明の積層体の製造方法は、基材フィルムの一方の面上に、ハードコート層用組成物を用いてハードコート層を形成する工程、及び、上記基材フィルムの他方の面上に硬化層用組成物を用いて樹脂硬化層を、ロール・トゥ・ロール方式で形成する工程を有することを特徴とする。
なお、このようなハードコート層及び下ハードコート層を有する本発明の積層体の製造方法としては、例えば、基材フィルムの一方の面上に、ハードコート層用組成物を用いてハードコート層を形成する工程、及び、上記基材フィルムの他方の面上に下ハードコート層用組成物を用いて下ハードコート層を、ロール・トゥ・ロール方式で形成する工程を有し、上記ハードコート層用組成物は、反応性官能基を有する防汚剤を含有し、上記下ハードコート層は、非反応性レベリング剤を含有することを特徴とする方法が挙げられる。
上記別の基材フィルムとしては、上述した基材フィルムと同様のものが挙げられる。
なお、上記別の基材フィルムを有する場合、上述した基材フィルムと別の基材フィルムとは、同じ材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。更に、上記別の基材フィルムと上述した基材フィルムとは、同一又は異なる厚みを有するものであってよい。
また、上記積層体は、上記ハードコート層の基材フィルムと反対側面上に、従来公知の任意の光学機能層(低屈折率層、高屈折率層、防汚層、帯電防止層、防眩層等)が形成されていてもよい。これらの光学機能層は、有機物、無機物、有機物と無機物とが混合されたものいずれでもよく、従来の公知の構成及び方法で形成できる。なお、例えば、有機バインダーに中空シリカなどを混合した組成物を塗布、硬化し、低屈折率層を積層したり、あるいは、SiOx(x=1から2)等の無機薄膜をスパッタすることで低屈折率層を積層したりするなど、上記ハードコート層上に何かしら機能層を一層以上設けると、上記積層体の鉛筆硬度は、ハードコート層だけの場合よりも2倍から3倍高硬度(上限が9H)まで向上させることができる。これは、最表面の硬度が向上している状態であるため、耐擦傷性も非常によくなる。
具体的には、上述した構成とすることで上記積層体は、20mm円柱に巻きつけても大丈夫なフレキシビリティーがありつつ、荷重750gにおける鉛筆硬度が6H以上を達成できる。
このような積層体を有する本発明のタッチパネルとしては特に限定されないが、例えば、従来公知のインセル方式のタッチパネルであることが好ましい。
また、上記積層体は、上記樹脂硬化層側面が、偏光子又は偏光板上に粘着剤層又は接着剤層を介して貼着されることが好ましい。上記偏光子又は偏光板としては特に限定されず、例えば、従来公知のものが挙げられ、また、上記粘着剤及び接着剤も特に限定されず、従来公知の材料からなるものを用いることができる。
なお、上述した基材フィルムの一方の面上にハードコート層と該基材フィルムの他方の面上に上記樹脂硬化層を有し、上記樹脂硬化層の上記基材フィルムの反対側面上に下ハードコート層を介して別の基材フィルムを有する積層体は、上述のように極めて優れた硬度を有するものであるが、上記各層の硬度は、下記不等式を満たす関係を有することが好ましい。
ハードコート層及び下ハードコート層>樹脂硬化層>基材フィルム及び別の基材フィルム
ここで、上記各層の硬度とは、上記構成の上記積層体を厚み方向に切断して現れた各層の断面について、該断面方向のナノインデンテーション法により圧子を押込んで測定される硬度を意味する。
上記ナノインデンテーション法による硬度測定は、HYSITRON(ハイジトロン)社製の「TI950 TriboIndenter」を用いて行った。すなわち、Berkovich圧子(三角錐)を、上記積層体のハードコート層等の表面から500nm押し込み、一定保持して残留応力の緩和を行った後、除荷させて、緩和後のmax荷重を計測し、該max荷重(Pmax(μN))と深さ500nmのくぼみ面積(A(nm2))とを用い、Pmax/Aにより、インデンテーション硬度を算出する。
すなわち、後述する実施例1に係る積層体の各層を用いて具体的に説明すると、厚み15μmの実施例1に係るハードコート層を厚み80μmのトリアセチルセルロース基材上に形成した場合、該ハードコート層表面の鉛筆硬度(1)は7Hとなり、アクリロイルモルホリンを用いた厚み10μmの実施例1に係る樹脂硬化層を厚み80μmのトリアセチルセルロース基材上に形成した場合、該樹脂硬化層表面の鉛筆硬度(2)はBとなり、厚み80μmのトリアセチルセルロース基材表面の鉛筆硬度(3)は3Bとなる。これらの好ましい硬度の関係性は、上記断面のナノインデンテーション法による硬度と等しい。
なお、下ハードコート層中の非反応性レベリング剤が、ハードコート層側の別の基材フィルム面に転移しなければ、上記基材フィルムと別の基材フィルムとが樹脂硬化層を介して貼り付けられた後、下ハードコート層を形成し、その後、ハードコート層を形成してもよい。
また、基材フィルム及び/又は別の基材フィルムには、UV吸収剤を含有している場合が多いが、上記積層体において、上記基材フィルム及び/又は別の基材フィルムは、上記樹脂硬化層と充分に接着していれば、UV吸収剤が含有されていてもいいし、含有されていなくてもよい。なお、上記基材フィルム及び別の基材フィルムにUV吸収剤が含有されている場合、上記塗膜の硬化の際には、紫外線をしっかり照射する必要がある。
上記基材フィルム及び別の基材フィルムと樹脂硬化層との接着が不充分な場合、上記積層体に剥がれが起こることがあり、鉛筆硬度の面でも悪いので好ましくない。
なお、上記基材フィルム及び別の基材フィルムと樹脂硬化層との接着力は、幅25mmで、剥離速度300mm/min、室温(23℃)で180°剥離強度を測定したときに、10N/25mm以上であることが好ましい。10N/25mm未満であると、上記基材フィルム及び別の基材フィルムと樹脂硬化層との剥離が容易に生じ、また、高い硬度と優れた可撓性とを有し、ガラス代替材料として有用なものであるという本発明の優れた効果を充分に得ることができないことがある。上記基材フィルム及び別の基材フィルムと樹脂硬化層との接着力は、幅25mmで、剥離速度300mm/min、室温(23℃)で180°剥離強度を測定したときに、15N/25mm以上であることがより好ましく、25N/25mmであることが更に好ましい。
しかしながら、上記黒枠印刷等で意匠性を高める場合、該黒枠印刷や白枠印刷等を、例えば、5〜20μm程度とかなり厚くしなければ光の透過が生じてしまい、意匠性が損なわれるという問題があった。このため、例えば、従来のハードコートフィルムに黒枠印刷を行って意匠性を高めた場合、充填した粘着剤と黒枠印刷部分との間で段差が生じやすく、偏光板やガラス板などに貼り付けることが困難となる問題があった。
このような問題に対し、例えば、上記従来のハードコートフィルムの粘着剤を充填した面上に別の基材フィルムを更に設け、該別の基材フィルムを偏光板やガラス板などに貼り付けることで、上記段差の問題を解消でき偏光板やガラス板などへの貼り付けの問題を解消することができる。
しかしながら、上記粘着剤は粘度が高いため、上記黒枠印刷を行った基材フィルムの面上に充填した際、空気が混入してしまうことがあり、また、粘着剤を介して上記基材フィルムと別の基材フィルムとの貼り付けを行ったハードコートフィルムは、硬度が不充分になるという問題もあった。
このような構成の本発明の積層体は、例えば、上記基材フィルムのハードコート層を設けた側と反対側面上に上記黒枠印刷等を施し、該黒枠印刷等した面上に上述した硬化層用組成物を塗布し形成した塗膜を乾燥後、上記別の基材フィルムとを貼り付け硬化させることで製造できる。なお、上記黒枠印刷等を別の基材フィルムの一方の面上に施し、該別の基材フィルムの黒枠印刷等を施した面上に上記硬化層用組成物を塗布し形成した塗膜を乾燥させ、該塗膜を介してハードコート層を形成した基材フィルムに貼り付けることでも製造することができる。
いずれの方法で製造する場合であっても、上記硬化層用組成物は上述した従来の粘着剤と比較して粘度が充分に低いため、空気を混入させることなく上記黒枠印刷等をした面上に塗布させることが容易である。
そして、上記積層体は、上述のように基材フィルムの一方の面上にハードコート層を他方の面上に所定の樹脂硬化層を有する構成であるため、高い硬度と優れた可撓性とを兼ね備えたものとなる。
なお、上述したように本発明において、上記積層体が下ハードコート層を有し、該下ハードコート層の表面の水に対する接触角が制御されている場合、該下ハードコート層の表面の印刷性が向上されており、上記積層体の意匠性が高められている。
上記積層体は、ガラス代替材料としてタッチパネル用途として好適に用いられる。
また、上記積層体は、薄くて曲げられるフレキシブルタイプの有機ELディスプレイや、スマートフォンや腕時計型端末などの携帯端末、自動車内部の表示装置、腕時計などに使用するフレキシブルパネル等に、更には、液晶表示装置等の画像表示装置等に好適に用いることもできる。
基材フィルムとして、厚さ80μmのトリアセチルセルロース基材(富士フイルム社製、TD80ULN)を準備し、該基材フィルムの一方の面上に、下記組成のハードコート層用組成物(1)を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、70℃の乾燥空気を45秒間流通させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が200mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、15μm厚み(硬化時)のハードコート層を形成した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(信越化学工業社製、X71−1203M) 0.5質量部
その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が600mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、10μm厚み(硬化時)の樹脂硬化層を形成し、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
レベリング剤(DIC社製、F477) 0.1質量部
ハードコート層の厚みが12μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が102μmの積層体を製造した。
ハードコート層の厚みが20μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が110μmの積層体を製造した。
ハードコート層の厚みが25μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が115μmの積層体を製造した。
硬化樹脂層の厚みが15μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が110μmの積層体を製造した。
基材フィルムとして、厚さ60μmのトリアセチルセルロース基材(富士フィルム社製、TD60ULP)を用い、ハードコート層及び樹脂硬化層の厚みが22μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が104μmの積層体を製造した。
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ウレタンアクリレート(日本化薬社製 DPHA40H) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(信越化学工業社製、X71−1203M) 0.5質量部
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
ウレタンアクリレート(日本化薬社製 DPHA40H) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(信越化学工業社製、X71−1203M) 0.5質量部
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
中実シリカ(日産化学社製、MIBKSDL) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(信越化学工業社製、X71−1203M) 0.5質量部
硬化層用組成物(1)に代えて、下記組成の硬化層用組成物(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
レベリング剤(ビックケミー社製、BYK302) 0.1質量部
硬化層用組成物(1)に代えて、下記組成の硬化層用組成物(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ウレタンアクリレート(日本化薬社製 DPHA40H) 100質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
レベリング剤(DIC社製、F477) 0.1質量部
硬化層用組成物(1)に代えて、下記組成の硬化層用組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製、PET30) 50質量部
PMMA(DNPファインケミカル社製、HRAGアクリル) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
レベリング剤(DIC社製、F477) 0.05質量部
実施例1と同様にして、基材フィルムの一方の面上にハードコート層を形成し、該基材フィルムのハードコート層を形成した側と反対側面に、硬化層用組成物(1)に代えて、下記組成の硬化層用組成物(5)を用いて塗膜を形成し、該塗膜中の溶剤を蒸発させた。
アクリロイルモルホリン(興人フィルムケミカルズ社製、ACMO) 100質量部
MIBK 10質量部
レベリング剤(DIC社製、F477) 0.1質量部
その後、別の基材フィルム側から、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が600mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、10μm厚み(硬化時)の樹脂硬化層を形成し、総厚が185μmの積層体を製造した。
基材フィルム及び別の基材フィルムとして、厚さ40μmのトリアセチルセルロース基材(コニカミノルタ社製、KC4UA)を用いた以外は、実施例13と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(ビックケミー社製、BYK−UV3500) 0.5質量部
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(信越化学工業社製、X71−1203M) 3質量部
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(7)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(信越化学工業社製、X71−1203M) 0.1質量部
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(8)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(DIC社製、メガファックRS74) 0.1質量部
基材フィルムとして、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材(東レ株式会社製、東レU48)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚125μmの積層体を製造した。
ハードコート層の厚みが5μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が95μmの積層体を製造した。
ハードコート層の厚みが30μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が120μmの積層体を製造した。
樹脂硬化層の厚みが1μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、総厚が96μmの積層体を製造した。
基材フィルムとして、厚さ40μmのトリアセチルセルロース基材(コニカミノルタ社製、KC4UA)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が65μmの積層体を製造した。
硬化層用組成物(1)に代えて、ハードコート層用組成物(1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ハードコート層及び樹脂硬化層の厚みが22μmとなるようにし、基材フィルムとして、厚さ25μmのトリアセチルセルロース基材(コニカミノルタ社製、KC2UA)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が69μmの積層体を製造した。
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
レベリング剤(DIC社製、F477) 0.6質量部
ハードコート層用組成物(1)に代えて、下記組成のハードコート層用組成物(10)を用いた以外は、実施例1と同様にして、総厚が105μmの積層体を製造した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製 DPHA) 50質量部
反応性異形シリカ(日揮触媒化成社製、ELCOM V8803) 50質量部
イルガキュア184(BASFジャパン社製) 4質量部
MIBK 60質量部
MEK 60質量部
防汚剤(信越化学工業社製、X71−1203M) 0.01質量部
実施例、比較例及び参考例で得られた積層体の水に対する表面接触角は、接触角測定装置(協和界面化学株式会社製、型番:CA−X)を用い、積層体の最表面であるハードコート層の表面に純水を一定量滴下し、10秒経過した後に光学顕微鏡又はCCDカメラ等で水滴形状を観察して測定した。
実施例、比較例及び参考例で得られた積層体の水に対する裏面接触角は、接触角測定装置(協和界面化学株式会社製、型番:CA−X)を用い、下ハードコート層の表面に純水を一定量滴下し、10秒経過した後に光学顕微鏡又はCCDカメラ等で水滴形状を観察して測定した。
実施例、比較例及び参考例で得られた積層体の製造過程において、基材フィルム上に上ハードコート層を形成したものをサンプルとして別途用意し、該サンプルの鉛筆硬度(1)と、実施例、比較例及び参考例に係る積層体の鉛筆硬度(2)とをそれぞれ、JIS K5600−5−4(1999)に基づいて測定した。
実施例、比較例及び参考例に係る積層体を100mm×150mmのサンプルとし、ハードコート層側が外側となるようにして円柱に巻き付け、クラックの発生しない限界の円柱の直径を求めた。その結果、円柱の直径が20mm以下である場合、可撓性に優れると評価した。
実施例、比較例及び参考例に係る積層体の表面に指紋を付着させて、その後、ティッシュで拭き取った。拭き取った後の表面の様子を目視で観察し、下記の基準にて評価した。
○:完全に拭き取れた
×:完全には拭き取れず、指紋跡が残る
一方、比較例1、3、4及び6に係る積層体は、硬度に劣り、比較例2に係る積層体は、可撓性に劣り、参考例Aに係る積層体は、裏面の水に対する接触角が大きかった。参考例1、2に係る積層体は、硬度、可撓性に優れるが、ハードコート層中に防汚剤が含まれないか含有量が少なかったため、防汚性能が劣っていた。
Claims (10)
- 基材フィルムの一方の面上にハードコート層を有し、前記基材フィルムの他方の面上に樹脂硬化層を有する積層体を備えたタッチパネルであって、
前記基材フィルムの厚みが40〜125μmであり、
前記ハードコート層の厚みが10〜25μmであり、
前記積層体の総厚が100〜220μmであり、
前記樹脂硬化層の厚みが1〜25μmであり、
前記積層体は、直径20mmの円柱に巻き付けた際にクラックが生じないものであり、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験(荷重750g)において、6H以上である
ことを特徴とするタッチパネル。 - ハードコート層は、反応性官能基を有する防汚剤を含有する請求項1記載のタッチパネル。
- ハードコート層の表面の水に対する接触角が100〜120°である請求項2記載のタッチパネル。
- 積層体は、樹脂硬化層側面が、偏光子又は偏光板上に粘着剤層又は接着剤層を介して貼着される請求項1、2又は3記載のタッチパネル。
- 樹脂硬化層は、単官能モノマーの硬化層である請求項1、2、3又は4記載のタッチパネル。
- 単官能モノマーは、単官能アクリルモノマーである請求項5記載のタッチパネル。
- 単官能アクリルモノマーは、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、及び、アダマンチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項6記載のタッチパネル。
- 樹脂硬化層の基材フィルムと反対側表面に、更に別の基材フィルムを有する請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のタッチパネル。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のタッチパネルに用いられることを特徴とする積層体。
- 基材フィルムの一方の面上に、ハードコート層用組成物を用いてハードコート層を形成する工程、及び、
前記基材フィルムの他方の面上に硬化層用組成物を用いて樹脂硬化層を、ロール・トゥ・ロール方式で形成する工程を有し、
前記基材フィルムの厚みが40〜125μmであり、
前記基材フィルムの一方の面上に、ハードコート層用組成物を用いてハードコート層を形成する工程、及び、前記基材フィルムの他方の面上に硬化層用組成物を用いて樹脂硬化層を、ロール・トゥ・ロール方式で形成する工程を経て得られた積層体は、直径20mmの円柱に巻き付けた際にクラックが生じないものであり、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験(荷重750g)において、6H以上である
ことを特徴とする積層体の製造方法。
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