JP6236200B2 - 積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム - Google Patents

積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6236200B2
JP6236200B2 JP2012267517A JP2012267517A JP6236200B2 JP 6236200 B2 JP6236200 B2 JP 6236200B2 JP 2012267517 A JP2012267517 A JP 2012267517A JP 2012267517 A JP2012267517 A JP 2012267517A JP 6236200 B2 JP6236200 B2 JP 6236200B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
hard coat
transparent conductive
coat layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012267517A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014113705A (ja
Inventor
祥一 松田
祥一 松田
彩美 中藤
彩美 中藤
武本 博之
博之 武本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2012267517A priority Critical patent/JP6236200B2/ja
Priority to PCT/JP2013/082673 priority patent/WO2014088058A1/ja
Priority to US14/649,016 priority patent/US20160196894A1/en
Priority to TW102144957A priority patent/TWI529063B/zh
Publication of JP2014113705A publication Critical patent/JP2014113705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6236200B2 publication Critical patent/JP6236200B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B3/00Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties
    • H01B3/18Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances
    • H01B3/30Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances plastics; resins; waxes
    • H01B3/307Other macromolecular compounds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/30Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers
    • B32B27/308Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers comprising acrylic (co)polymers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B3/00Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties
    • H01B3/18Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances
    • H01B3/30Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances plastics; resins; waxes
    • H01B3/44Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances plastics; resins; waxes vinyl resins; acrylic resins
    • H01B3/447Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances plastics; resins; waxes vinyl resins; acrylic resins from acrylic compounds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/20Properties of the layers or laminate having particular electrical or magnetic properties, e.g. piezoelectric
    • B32B2307/202Conductive
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2457/00Electrical equipment
    • B32B2457/20Displays, e.g. liquid crystal displays, plasma displays

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Position Input By Displaying (AREA)

Description

本発明は、積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルムに関する。
従来、タッチパネル等の電極、電子機器の誤作動の原因となる電磁波を遮断する電磁波シールド等の基板として、樹脂フィルムが使用されている。樹脂フィルムは、一般に、耐衝撃性に優れ、軽量であり、かつ柔軟性に優れるという特徴を有し、電子機器の軽量・薄型に寄与し得る。しかし、一方で、樹脂フィルムは、寸法安定性が低い。特に、高温高湿下においては、寸法変化は顕著となる。そのため、樹脂フィルムは、加工条件が制約されるという問題が生じる。また、製品(例えば、電子機器)に組み込まれた樹脂フィルムは、製品使用時に寸法変化してしまうおそれがあり、使用条件が制約されるという問題が生じる。
特開2008−107510号公報
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、樹脂フィルムから構成されながらも、高温高湿下での寸法安定性に優れる積層体を提供することにある。
本発明の積層体は、熱可塑性樹脂を含むベース層と、該ベース層上に形成された硬化性樹脂を含むハードコート層とを備えるハードコート層付樹脂フィルムが、複数枚積層されている。
好ましい実施形態においては、上記積層体は、積層構成が、厚み方向の中心線に対して上下対称である。
好ましい実施形態においては、上記ハードコート層付樹脂フィルムの枚数が2枚である。
好ましい実施形態においては、複数のハードコート層付樹脂フィルムが、接着剤層または粘着剤層を介して、貼り合わされている。
好ましい実施形態においては、2枚のハードコート層付樹脂フィルムのそれぞれのベース層が、上記接着剤層または上記粘着剤層を介して貼り合わされている。
好ましい実施形態においては、2枚のハードコート層付樹脂フィルムのそれぞれのハードコート層が、上記接着剤層または上記粘着剤層を介して貼り合わされている。
好ましい実施形態においては、上記積層体は、2枚のハードコート層付樹脂フィルムを有し、一方のハードコート層付樹脂フィルムのベース層と、他方のハードコート層付樹脂フィルムのハードコート層とが、上記接着剤層または上記粘着剤層を介して貼り合わされている。
好ましい実施形態においては、上記積層体は、全光線透過率が、80%以上である。
好ましい実施形態においては、上記ベース層に含まれる熱可塑性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂である。
本発明の別の局面によれば、透明導電性フィルムが提供される。この透明導電性フィルムは、上記積層体と、該積層体上に形成された透明導電性層とを備える。
好ましい実施形態においては、上記透明導電性層が、金属ナノワイヤから構成される。
好ましい実施形態においては、上記透明導電性層が、金属メッシュから構成される。
好ましい実施形態においては、上記透明導電性層が、ポリチオフェン系ポリマーから構成される。
本発明によれば、樹脂層上にハードコート層が形成されているハードコート層付樹脂フィルムが複数枚積層されていることにより、高温高湿下での寸法安定性に優れる積層体を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態による積層体の概略断面図である。 本発明の別の好ましい実施形態による積層体の概略図である。 本発明のさらに別の好ましい実施形態による積層体の概略断面図である。
A.積層体の全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による積層体の概略断面図である。積層体100は、ハードコート層付樹脂フィルム10が複数枚(図示例では2枚)積層されて構成される。ハードコート層付樹脂フィルム10は、熱可塑性樹脂を含むベース層1と、ベース層1上に形成されたハードコート層2を含む。ハードコート層2は、硬化性樹脂を含む。好ましくは、2枚のハードコート層付樹脂フィルム10は、接着剤層20を介して貼り合わされる。図1に示す実施形態においては、2枚のハードコート層付樹脂フィルム10のそれぞれのベース層1が(すなわち、一方のハードコート層付樹脂フィルム10のベース層1と、他方のハードコート層付樹脂フィルム10のベース層1とが)、接着剤層20を介して、貼り合わされている。なお、接着剤層20に代えて粘着剤層を配置し、該粘着剤層を介して、2枚のハードコート層付樹脂フィルム10を貼り合わせてもよい。
図2は、本発明の別の好ましい実施形態による積層体の概略図である。積層体200は、2枚のハードコート層付樹脂フィルム10のそれぞれのハードコート層2が(すなわち、一方のハードコート層付樹脂フィルム10のハードコート層2と、他方のハードコート層付樹脂フィルム10のハードコート層2とが)、接着剤層30を介して、貼り合わされている。
図3は、本発明のさらに別の好ましい実施形態による積層体の概略断面図である。積層体300は、一方のハードコート層付樹脂フィルム10のベース層1と、他方のハードコート層付樹脂フィルム10のハードコート層2とが、接着剤層30を介して、貼り合わされている。
図1から図3においては、2枚のハードコート層付樹脂フィルム10が積層された積層体を示したが、さらにハードコート層付樹脂フィルム10を積層して、3枚以上のハードコート層付樹脂フィルム10が積層された積層体としてもよい。複数のハードコート層付樹脂フィルムは、接着剤層または粘着剤層を介して、貼り合わされ得る。ハードコート層付樹脂フィルムの枚数は、好ましくは2枚〜10枚であり、より好ましくは2枚〜6枚であり、さらに好ましくは2枚〜4枚である。また、ハードコート層付樹脂フィルムの枚数は偶数であることが好ましい。
本発明の積層体は、上記のように、複枚のハードコート層付樹脂フィルムを備えることにより、高温高湿下での寸法安定性に優れる。また、ハードコート層を、ベース層、接着剤層または粘着剤層を介して複数層配置することにより、高温高湿下での寸法安定性が非常に高い積層体を得ることができる。該積層体の寸法安定性は、単にハードコート層とベース層(樹脂層)とからなる2層構成を有し厚みが該積層体と同等であるフィルムと比較して、格段に高い。
本発明の積層体は、その構成が、厚み方向の中心線に対して上下対称であることが好ましい。このような構成の積層体としては、例えば、図1または図2に示すように2枚のハードコート層付樹脂フィルムが上下対称となるよう配置され、2つのベース層の厚みおよび構成材料が同等であり、かつ、2つのハードコート層の厚みおよび構成材料が同等である積層体が挙げられる。厚み方向の中心線に対して上下対称とすることにより、カール(反り)の少ない積層体を得ることができる。
本発明の積層体の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。このような範囲の全光線透過率を有する積層体は、例えば、透明電極用の基板や電磁波シールドとして有用である。
上記ハードコート層付樹脂フィルムを120℃下に90分置いた際の寸法変化率(面積収縮率)は、好ましくは3%以下であり、より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは0.1%〜1.5%である。
上記ハードコート層付樹脂フィルムを85℃の温水に30分浸した際の寸法変化率(面積収縮率)は、好ましくは3%以下であり、より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは0.1%〜1.5%である。
B.ハードコート層付樹脂フィルム
ハードコート層付樹脂フィルムは、上記のとおり、ベース層とハードコート層とを備える。
上記ハードコート層付樹脂フィルムの厚みは、好ましくは30μm〜200μmであり、より好ましくは40μm〜180μmであり、さらに好ましくは45μm〜160μmである。
B−1.ベース層
上記ベース層の厚みは、好ましくは20μm〜200μmであり、より好ましくは30μm〜150μmである。
上記ベース層は、厚み方向の位相差および面内位相差が小さいことが好ましい。ベース層の厚み方向の位相差および面内位相差が小さければ、本発明の積層体を画像表示装置に(例えば、タッチパネルの電極用基板として)用いた場合に、表示特性への悪影響が低減される。例えば、低位相差のベース層を備える積層体を液晶ディスプレイに組合せて用いた場合、虹状の斑模様(以下、虹斑ともいう)の発生が防止される。このような効果は、ベース層を透過する光が楕円偏光の場合により顕著となる。
上記ベース層の厚み方向の位相差Rthの絶対値は、100nm以下であり、好ましくは75nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、特に好ましくは10nm以下であり、最も好ましくは5nm以下である。なお、本明細書において厚み方向の位相差Rthは23℃、波長590nmにおける厚み方向の位相差値をいう。Rthは、面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率をnxとし、厚み方向の屈折率をnzとし、ベース層の厚みをd(nm)としたとき、Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
上記ベース層の面内位相差Reは、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下であり、さらに好ましくは0nm〜2nmである。なお、本明細書において面内位相差Reは23℃、波長590nmにおける面内位相差値をいう。Reは、面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率をnxとし、面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率をnyとし、ベース層の厚みをd(nm)としたとき、Re=(nx−ny)×dによって求められる。
上記ベース層の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
上記ベース層は熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;低位相差ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。なかでも好ましくは、シクロオレフィン系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂である。これらの樹脂を用いれば、位相差の小さいベース層を得ることができる。また、これらの樹脂は、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れる。より好ましくは、上記熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリル系樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂を用いれば、ベース層とハードコート層との密着性に優れ、より寸法安定性の高い積層体を得ることができる。上記熱可塑性樹脂は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記ポリノルボルネンとは、出発原料(モノマー)の一部または全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られるポリマーまたはコポリマーをいう。上記ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等、およびハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体、シクロペンタジエンの3〜4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等が挙げられる。
上記ポリノルボルネンとしては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR社製の商品名「アートン(Arton)」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学社製の商品名「APEL」が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位((メタ)アクリル酸エステル単位)および/または(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位((メタ)アクリル酸単位)を有する樹脂をいう。上記(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の誘導体に由来する構成単位を有していてもよい。
上記(メタ)アクリル系樹脂において、上記(メタ)アクリル酸エステル単位、(メタ)アクリル酸単位、および(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の誘導体に由来する構成単位の合計含有割合は、該アクリル系樹脂を構成する全構成単位に対して、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは60重量%〜100重量%であり、特に好ましくは70重量%〜90重量%である。このような範囲であれば、低位相差のベース層を得ることができる。
上記(メタ)アクリル系樹脂は、主鎖に環構造を有していてもよい。環構造を有することにより、(メタ)アクリル系樹脂の位相差の上昇を抑制しつつ、ガラス転移温度を向上させることができる。環構造としては、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、N−置換マレイミド構造、無水マレイン酸構造等が挙げられる。
上記ラクトン環構造は、任意の適切な構造をとり得る。上記ラクトン環構造は、好ましくは4〜8員環であり、より好ましくは5員環または6員環であり、さらに好ましくは6員環である。6員環のラクトン環構造としては、例えば、下記一般式(1)で表されるラクトン環構造が挙げられる。
Figure 0006236200


上記一般式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数が1〜20の不飽和脂肪族炭化水素基、または炭素数が1〜20の芳香族炭化水素基である。上記アルキル基、不飽和脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基は、水酸基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基等の置換基を有していてもよい。
上記無水グルタル酸構造としては、例えば、下記一般式(2)で表される無水グルタル酸構造が挙げられる。無水グルタル酸構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体を、分子内で脱アルコール環化縮合させて得ることができる。
Figure 0006236200

上記一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。
上記グルタルイミド構造としては、例えば、下記一般式(3)で表されるグルタルイミド構造が挙げられる。グルタルイミド構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体をメチルアミンなどのイミド化剤によりイミド化して得ることができる。
Figure 0006236200

上記一般式(3)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数が1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、好ましくは水素原子またはメチル基である。Rは、水素原子、炭素数が1〜18の直鎖アルキル基、炭素数が3〜12のシクロアルキル基または炭素数が6〜10のアリール基であり、好ましくは炭素数が1〜6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
1つの実施形態においては、上記(メタ)アクリル系樹脂は、下記一般式(4)で表されるグルタルイミド構造と、メタクリル酸メチル単位とを有する。
Figure 0006236200

上記一般式(4)中、R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数が1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。R13は炭素数が1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数が3〜12のシクロアルキル基、または炭素数が6〜10のアリール基である。
上記N−置換マレイミド構造としては、例えば、下記一般式(5)で表されるN−置換マレイミド構造が挙げられる。N−置換マレイミド構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂は、例えば、N−置換マレイミドと(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して得ることができる。
Figure 0006236200

上記一般式(5)中、R14およびR15は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、R16は、水素原子、炭素数が1〜6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
上記無水マレイン酸構造としては、例えば、下記一般式(6)で表される無水マレイン酸構造が挙げられる。無水マレイン酸構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂は、例えば、無水マレイン酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して得ることができる。
Figure 0006236200

上記一般式(6)中、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。
上記(メタ)アクリル系樹脂は、その他の構成単位を有し得る。その他の構成単位としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、メタリルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸等などの単量体に由来する構成単位が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂の具体例としては、上記で例示した(メタ)アクリル系樹脂の他、特開2004−168882号公報、特開2007−261265号公報、特開2007−262399号公報、特開2007−297615号公報、特開2009−039935号公報、特開2009−052021号公報、特開2010−284840号公報に記載の(メタ)アクリル系樹脂も挙げられる。
上記ベース層を構成する材料のガラス転移温度は、好ましくは100℃〜200℃であり、より好ましくは110℃〜150℃であり、特に好ましくは110℃〜140℃である。このような範囲であれば、耐熱性に優れ、高温での寸法安定性に優れる積層体を得ることができる。
上記ベース層は、必要に応じて任意の適切な添加剤をさらに含み得る。添加剤の具体例としては、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類および量は、目的に応じて適宜設定され得る。
上記ベース層を得る方法としては、任意の適切な成形加工法が用いられ、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、およびソルベントキャスティング法等から適宜、適切なものが選択され得る。これらの製法の中でも好ましくは、押出成形法またはソルベントキャスティング法が用いられる。得られるベース層の平滑性を高め、良好な光学的均一性を得ることができるからである。成形条件は、使用される樹脂の組成や種類等に応じて適宜設定され得る。
必要に応じて、上記ベース層に対して各種表面処理を行ってもよい。表面処理は目的に応じて任意の適切な方法が採用される。例えば、低圧プラズマ処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理が挙げられる。1つの実施形態においては、ベース層を表面処理して、ベース層表面を親水化させる。ベース層を親水化させれば、水系溶媒により調製された透明導電性層形成用組成物(後述)を塗工する際の加工性が優れる。また、ベース層とハードコート層との密着性、およびベース層と透明導電性層(後述)との密着性に優れる積層体を得ることができる。
B−2.ハードコート層
本発明において、ハードコート層は、積層体に耐薬品性、耐擦傷性および表面平滑性を付与させる機能を有する他、積層体の高温高湿下での寸法安定性を向上させる機能を有する。寸法安定性に優れる積層体は、高温高湿下においても、上記ベース層の特性が劣化し難く、例えば、ベース層の位相差の増大が防止される。
上記ハードコート層の厚みは、好ましくは1μm〜50μmであり、より好ましくは2μm〜40μmであり、さらに好ましくは3μm〜30μmである。ハードコート層の厚みがこのような範囲であれば、寸法安定性により優れ、かつ、位相差が小さい積層体を得ることができる。
上記ハードコート層の25℃における引張弾性率は、好ましくは2.5GPa〜20GPaであり、より好ましくは3GPa〜15GPaであり、さらに好ましくは3.5GPa〜10GPaである。ハードコート層の引張弾性率がこのような範囲であれば、寸法安定性に優れる積層体を得ることができる。なお、引張弾性率は、JIS K7161に準じて測定することができる。
上記ハードコート層の50℃〜250℃における線熱膨張係数は、好ましくは0/℃〜100×10−6/℃であり、より好ましくは0/℃〜50×10−6/℃である。ハードコート層の線熱膨張係数がこのような範囲であれば、高温下での寸法安定性に優れる積層体を得ることができる。なお、ハードコート層の線膨張係数は、ベース層の線膨張係数より高いことが好ましい。
上記ハードコート層の吸水率は、好ましくは0%〜1%であり、より好ましくは0%〜0.5%である。ハードコート層の吸水率がこのような範囲であれば、高湿下での寸法安定性に優れる積層体を得ることができる。なお、吸水率は、JIS K7209に準じて測定することができる。
上記ハードコート層は硬化性樹脂を含む。上記ハードコート層を構成する材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂またはこれらの混合物が用いられる。
上記ハードコート層を構成する樹脂のガラス転移温度は、好ましくは120℃〜300℃であり、より好ましくは130℃〜250℃である。このような範囲であれば、高温下での寸法安定性に優れる積層体を得ることができる。なお、荷重たわみ温度は、JIS
K6240−01に準じて測定することができる。
ハードコート層は、ベース層上にハードコート層形成用組成物を塗布し、その後、該組成物を硬化して形成される。
好ましくは、上記ハードコート層形成用組成物は、主成分となる硬化性化合物として、多官能モノマー、多官能モノマー由来のオリゴマーおよび/または多官能モノマー由来のプレポリマーを含む。多官能モノマーとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパントテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。多官能モノマーは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記多官能モノマーは、好ましくは水酸基を有する。水酸基を有する多官能モノマーを含むハードコート層形成用組成物を用いれば、ベース層とハードコート層との密着性が向上し、寸法安定性に優れる積層体を得ることができる。また、透明導電性層(後述)との密着性に優れる積層体を得ることができる。水酸基を有する多官能モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
上記多官能モノマー、多官能モノマー由来のオリゴマーおよび多官能モノマー由来のプレポリマーの含有割合は、ハードコート層形成用組成物中のモノマー、オリゴマーおよびプレポリマーの合計量に対して、好ましくは30重量%〜100重量%であり、より好ましくは40重量%〜95重量%であり、特に好ましくは50重量%〜95重量%である。このような範囲であれば、ベース層とハードコート層との密着性が向上し、寸法安定性に優れる積層体を得ることができる。また、ハードコート層の硬化収縮を有効に防止できる。
上記ハードコート層形成用組成物は、単官能モノマーを含んでいてもよい。単官能モノマーを含んでいれば、ハードコート層形成用組成物の一部がベース層に浸透して、ベース層とハードコート層との密着性を向上させることができる。上記ハードコート層形成用組成物が単官能モノマーを含む場合、単官能モノマーの含有割合は、ハードコート層形成用組成物中のモノマー、オリゴマーおよびプレポリマーの合計量に対して、好ましくは40重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下である。単官能モノマーの含有割合が40重量%より多い場合、所望の硬度および耐擦傷性が得られないおそれがある。
上記単官能モノマーの重量平均分子量は、好ましくは500以下である。このような単官能モノマーとしては、例えば、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソホロニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシアクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。
上記単官能モノマーは、好ましくは水酸基を有する。水酸基を有する単官能モノマーを含むハードコート層形成用組成物を用いれば、ベース層とハードコート層との密着性が向上し、寸法安定性に優れる積層体を得ることができる。また、透明導電性層(後述)との密着性に優れる積層体を得ることができる。水酸基を有する単官能モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシアクリレート、1,4−シクロヘキサンメタノールモノアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のN−(2−ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なかでも好ましくは、4−ヒドロキシブチルアクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドである。
ハードコート層形成用組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートおよび/またはウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーを含んでいてもよい。ハードコート層形成用組成物がウレタン(メタ)アクリレートおよび/またはウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーを含んでいれば、柔軟性およびベース層に対する密着性に優れるハードコート層を形成することができる。上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルとポリオールとから得られるヒドロキシ(メタ)アクリレートを、ジイソシアネートと反応させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートおよびウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、トリシクロデカンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類等が挙げられる。
上記ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族、脂肪族または脂環族の各種のジイソシアネート類を使用することができる。上記ジイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの水添物等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートおよびウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーの合計含有割合は、ハードコート層形成用組成物中のモノマー、オリゴマーおよびプレポリマーの合計量に対して、好ましくは5重量%〜70重量%であり、さらに好ましくは5重量%〜50重量%であり、特に好ましくは5重量%〜30重量%である。このような範囲であれば、硬度、柔軟性および密着性のバランスに優れるハードコート層を形成することができる。
ハードコート層形成用組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリル系プレポリマーを含んでいてもよい。ハードコート層形成用組成物が水酸基を有する(メタ)アクリル系プレポリマーを含んでいれば、硬化収縮を低減することができる。水酸基を有する(メタ)アクリル系プレポリマーは、好ましくは、炭素原子数1〜10の直鎖状または分枝状アルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから重合されるポリマーである。水酸基を有する(メタ)アクリル系プレポリマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーから重合されたポリマーが挙げられる。水酸基を有する(メタ)アクリル系プレポリマーは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル系プレポリマーの含有割合は、ハードコート層形成用組成物中のモノマー、オリゴマーおよびプレポリマーの合計量に対して、好ましくは5重量%〜50重量%であり、より好ましくは10重量%〜30重量%である。このような範囲であれば、塗工性に優れたハードコート層形成用組成物が得られる。また、形成されたハードコート層の硬化収縮を有効に防止できる。
上記ハードコート層形成用組成物は、好ましくは、任意の適切な光重合開始剤を含む。光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、チオキサントン系化合物等が挙げられる。
上記ハードコート層形成用組成物は、溶媒を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記ハードコート層形成用組成物は、任意の適切な添加剤をさらに含み得る。添加剤としては、例えば、レベリング剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
ハードコート層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、コンマコート法が挙げられる。
ハードコート層形成用組成物の硬化方法としては、任意の適切な硬化処理が採用され得る。代表的には、硬化処理は紫外線照射により行われる。紫外線照射の積算光量は、好ましくは200mJ〜400mJである。
上記ハードコート層形成用組成物を硬化する前に、ハードコート層形成用組成物により形成された塗布層を加熱してもよい。加熱することにより、ベース層とハードコート層との密着性を向上させることができる。加熱温度は、好ましくは90℃〜140℃であり、より好ましくは100℃〜130℃であり、さらに好ましくは105℃〜120℃である。
C.接着剤層
上記接着剤層を構成する接着剤としては、任意の適切な接着剤が用いられ得る。具体的には、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、スチレン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、エポキシ系接着剤等が挙げられる。接着剤として、紫外線硬化型の接着剤が好ましく用いられる。加熱を要せず硬化するので、ハードコート層付樹脂フィルムへの悪影響を抑制することができるからである。
上記接着剤層の厚みは、好ましくは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.5μm〜8μmである。
D.粘着剤層
上記粘着剤層を構成する接着剤としては、任意の適切な粘着剤が用いられ得る。具体的には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、スチレン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、フェノール系粘着剤、エポキシ系粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤層の厚みは、好ましくは15μm〜50μmであり、より好ましくは20μm〜35μmである。
E.透明導電性フィルム
本発明によれば、上記積層体上に透明導電性層を形成して、透明導電性フィルムを提供することができる。本発明の積層体は寸法安定性に優れるので、該積層体を用いて得られた透明導電性フィルムは、透明導電性層の損傷(例えば、導電パターンの断線、抵抗値の増大)が防止され得る。
上記透明導電性フィルムの全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。後述のように金属ナノワイヤを含む透明導電性層を備えることにより、全光線透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。また、本発明の透明導電性フィルムは、位相差の小さいベース層を備え、かつ、寸法安定性に優れる積層体から構成されるので、透過率が高くても、すなわち、透明導電性フィルムから出射する光量が多くても、虹斑を抑制し得る。
上記透明導電性フィルムの表面抵抗値は、好ましくは0.1Ω/□〜1000Ω/□であり、より好ましくは0.5Ω/□〜500Ω/□であり、特に好ましくは1Ω/□〜250Ω/□である。
E−1.透明導電性層
上記透明導電性層は、例えば、金属ナノワイヤ、金属メッシュまたは導電性ポリマーから構成される。
上記透明導電性フィルムがタッチパネル等の電極に用いられる場合は、上記透明導電性層は所定のパターンにパターン化され得る。透明導電性層のパターンの形状はタッチパネル(例えば、静電容量方式タッチパネル)として良好に動作するパターンであれば特に限定はされないが、例えば、特表2011−511357号公報、特開2010−164938号公報、特開2008−310550号公報、特表2003−511799号公報、特表2010−541109号公報に記載のパターンが挙げられる。透明導電性層は上記積層体上に形成された後、公知の方法を用いてパターン化することができる。
(金属ナノワイヤ)
金属ナノワイヤとは、材質が金属であり、形状が針状または糸状であり、径がナノメートルサイズの導電性物質をいう。金属ナノワイヤは直線状であってもよく、曲線状であってもよい。金属ナノワイヤで構成された透明導電性層を用いれば、金属ナノワイヤが網の目状となることにより、少量の金属ナノワイヤであっても良好な電気伝導経路を形成することができ、電気抵抗の小さい透明導電性フィルムを得ることができる。さらに、金属ワイヤが網の目状となることにより、網の目の隙間に開口部を形成して、光透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤの太さdと長さLとの比(アスペクト比:L/d)は、好ましくは10〜100,000であり、より好ましくは50〜100,000であり、特に好ましくは100〜10,000である。このようにアスペクト比の大きい金属ナノワイヤを用いれば、金属ナノワイヤが良好に交差して、少量の金属ナノワイヤにより高い導電性を発現させることができる。その結果、光透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。なお、本明細書において、「金属ナノワイヤの太さ」とは、金属ナノワイヤの断面が円状である場合はその直径を意味し、楕円状である場合はその短径を意味し、多角形である場合は最も長い対角線を意味する。金属ナノワイヤの太さおよび長さは、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡によって確認することができる。
上記金属ナノワイヤの太さは、好ましくは500nm未満であり、より好ましくは200nm未満であり、特に好ましくは10nm〜100nmであり、最も好ましくは10nm〜50nmである。このような範囲であれば、光透過率の高い透明導電性層を形成することができる。
上記金属ナノワイヤの長さは、好ましくは2.5μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜500μmであり、特に好ましくは20μm〜100μmである。このような範囲であれば、導電性の高い透明導電性フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤを構成する金属としては、導電性の高い金属である限り、任意の適切な金属が用いられ得る。上記金属ナノワイヤを構成する金属としては、例えば、銀、金、銅、ニッケル等が挙げられる。また、これらの金属にメッキ処理(例えば、金メッキ処理)を行った材料を用いてもよい。なかでも好ましくは、導電性の観点から、銀、銅または金であり、より好ましくは銀である。
上記金属ナノワイヤの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば溶液中で硝酸銀を還元する方法、前駆体表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤを引き出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する方法等が挙げられる。溶液中で硝酸銀を還元する方法においては、エチレングリコール等のポリオール、およびポリビニルピロリドンの存在下で、硝酸銀等の銀塩の液相還元することにより、銀ナノワイヤが合成され得る。均一サイズの銀ナノワイヤは、例えば、Xia,Y.etal.,Chem.Mater.(2002)、14、4736−4745 、Xia, Y.etal., Nano letters(2003)3(7)、955−960 に記載される方法に準じて、大量生産が可能である。
上記透明導電性層は、上記積層体上に、上記金属ナノワイヤを含む透明導電性層形成用組成物を塗工することにより形成することができる。より具体的には、溶媒中に上記金属ナノワイヤを分散させた分散液(透明導電性層形成用組成物)を、上記積層体上に塗布した後、塗布層を乾燥させて、透明導電性層を形成することができる。
上記溶媒としては、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等が挙げられる。環境負荷低減の観点から、水を用いることが好ましい。
上記金属ナノワイヤを含む透明導電性層形成用組成物中の金属ナノワイヤの分散濃度は、好ましくは0.1重量%〜1重量%である。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電性層を形成することができる。
上記金属ナノワイヤを含む透明導電性層形成用組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、金属ナノワイヤの腐食を防止する腐食防止材、金属ナノワイヤの凝集を防止する界面活性剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。また、透明導電性層形成用組成物は、本発明の効果が得られる限り、必要に応じて、任意の適切なバインダー樹脂を含み得る。
上記金属ナノワイヤを含む透明導電性層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。塗布方法としては、例えば、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布層の乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用され得る。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は代表的には100℃〜200℃であり、乾燥時間は代表的には1〜10分である。
上記透明導電性層が金属ナノワイヤから構成される場合、該透明導電性層の厚みは、好ましくは0.01μm〜10μmであり、より好ましくは0.05μm〜3μmであり、特に好ましくは0.1μm〜1μmである。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
上記透明導電性層が金属ナノワイヤから構成される場合、該透明導電性層の全光線透過率は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
上記透明導電性層における金属ナノワイヤの含有割合は、透明導電性層の全重量に対して、好ましくは80重量%〜100重量%であり、より好ましくは85重量%〜99重量%である。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤが銀ナノワイヤである場合、透明導電性層の密度は、好ましくは1.3g/cm〜10.5g/cmであり、より好ましくは1.5g/cm〜3.0g/cmである。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
(金属メッシュ)
金属メッシュから構成される透明導電性層は、上記積層体上に、金属細線が格子状のパターンに形成されてなる。金属メッシュから構成される透明導電性層は、任意の適切な方法により形成させることができる。該透明導電性層は、例えば、銀塩を含む感光性組成物を上記積層体上に塗布し、その後、露光処理および現像処理を行い、金属細線を所定のパターンに形成することにより得ることができる。また、該透明導電性層は、金属微粒子を含むペーストを所定のパターンに印刷して得ることもできる。このような透明導電性層およびその形成方法の詳細は、例えば、特開2012−18634号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。また、金属メッシュから構成される透明導電性層およびその形成方法の別の例としては、特開2003−331654号公報に記載の透明導電性層およびその形成方法が挙げられる。
上記透明導電性層が金属メッシュから構成される場合、該透明導電性層の厚みは、好ましくは0.1μm〜30μmであり、より好ましくは0.1μm〜9μmであり、さらに好ましくは1μm〜3μmである。
上記透明導電性層が金属メッシュから構成される場合、該透明導電性層の透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
(導電性ポリマー)
導電性ポリマーから構成される透明導電性層は、上記積層体上に、導電性ポリマーを含む導電性組成物を塗工することにより形成させることができる。
上記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアセチレン系ポリマー、ポリチオフェン系ポリマー、ポリフェニレン系ポリマー、ポリピロール系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、アクリル系ポリマーで変性されたポリエステル系ポリマー等が挙げられる。これらの導電性ポリマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、上記導電性ポリマーとしてポリチオフェン系ポリマーが用いられる。ポリチオフェン系ポリマーを用いれば、透明性および化学的安定性に優れる透明導電性層を形成することができる。ポリチオフェン系ポリマーの具体例としては、ポリチオフェン;ポリ(3−ヘキシルチオフェン)等のポリ(3−C1−8アルキル−チオフェン);ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ[3,4−(1,2−シクロヘキシレン)ジオキシチオフェン]等のポリ(3,4−(シクロ)アルキレンジオキシチオフェン);ポリチエニレンビニレン等が挙げられる。
好ましくは、上記導電性ポリマーは、アニオン性ポリマーの存在下で重合される。例えば、ポリチオフェン系ポリマーは、アニオン性重合体の存在下で酸化重合させることが好ましい。アニオン性ポリマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基および/またはその塩を有する重合体が挙げられる。好ましくは、ポリスチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有するアニオン性ポリマーが用いられる。
上記導電性ポリマー、該導電性ポリマーから構成される透明導電性層、および該透明導電性層の形成方法は、例えば、特開2011−175601号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。
上記透明導電性層が導電性ポリマーから構成される場合、該透明導電性層の厚みは、好ましくは0.01μm〜1μmであり、より好ましくは0.01μm〜0.5μmであり、さらに好ましくは0.03μm〜0.3μmである。
上記透明導電性層が導電性ポリマーから構成される場合、該透明導電性層の透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
E−2.その他の層
上記透明導電性フィルムは、必要に応じて、任意の適切なその他の層を備え得る。上記その他の層としては、例えば、帯電防止層、アンチグレア層、反射防止層、カラーフィルター層等が挙げられる。
E−3.用途
上記透明導電性フィルムは、表示素子等の電子機器に用いられ得る。より具体的には、透明導電性フィルムは、例えば、タッチパネル等に用いられる電極;電子機器の誤作動の原因となる電磁波を遮断する電磁波シールド等として用いられ得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。なお、厚みは尾崎製作所製ピーコック精密測定機器 デジタルゲージコードレスタイプ「DG−205」を使用して測定した。
(1)寸法安定性1
得られた積層体(100mm×100mm)を、120℃下に90分置き、該積層体の寸法変化率(面積収縮率)を、ミツトヨ社製の大型CNC画像測定機(商品名:QV ACCEL808)を用いて測定した。
(2)寸法安定性2
得られた積層体(100mm×100mm)を、85℃の温水に30分浸し、該積層体の寸法変化率(面積収縮率)を、ミツトヨ社製の大型CNC画像測定機(商品名:QV ACCEL808)を用いて測定した。
(3)全光線透過率
得られた積層体の全光線透過率を、村上色彩研究所製の商品名「HR−100」を用いて、室温にて測定した。繰り返し回数3回の平均値を、測定値とした。
(4)積層体のカール
上記(1)および(2)の評価をした後の積層体(100mm×100mm)を、水平な台の上に静置する。そして、試片の4隅の台からの浮き上がり高さ(mm)を測定する。このとき、試片の中央部が浮き上がっている場合には試片を反転させて測定し、測定値は負の値とする。4隅の測定値の平均値をカール値とし、カール値の絶対値が0〜10mmの場合を○、10〜30mmの場合を△、30mm以上あるいは筒状となり4隅の測定ができない場合を×とした。
(5)表面抵抗
得られた導電性フィルムの表面抵抗をナプソン社製の非接触抵抗測定器(商品名:EC−80)を用いて測定した。測定は23℃で行った。
<製造例1>積層体の作製
(ベース層の作製)
特開2010−284840号公報の製造例1に記載のイミド化MS樹脂100重量部およびトリアジン系紫外線吸収剤(アデカ社製、商品名:T−712)0.62重量部を、2軸混練機にて220℃にて混合し、樹脂ペレットを作製した。得られた樹脂ペレットを、100.5kPa、100℃で12時間乾燥させ、単軸の押出機にてダイス温度270℃でTダイから押出してフィルム状に成形した(厚み160μm)。さらに当該フィルムを、その搬送方向に150℃の雰囲気下に延伸し(厚み80μm)、次いでフィルム搬送方向と直交する方向に150℃の雰囲気下に延伸して、厚み40μmのベース層((メタ)アクリル系樹脂フィルム)を得た。面内位相差Reは0.4nm、厚み方向位相差Rthは0.78nmであった。位相差値は、王子計測機器社製の商品名「KOBRA21−ADH」を用いて、波長590nm、23℃で測定した。
(ハードコート層形成用組成物の調製)
ペンタエリスリトール系アクリレートと水添キシレンジイソシアネートとから得られるウレタンアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシエチル基および2、3−ジヒドロキシプロピル基を有する(メタ)アクリルポリマー、および光反応開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア184;BASF社製、商品名:ルシリンTPO)を含む紫外線硬化型樹脂(DIC社製、商品名:PC1070、固形分:66%、溶媒:酢酸エチル、酢酸ブチル)100部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#300)15部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA)(大阪有機化学工業社製)15部、レベリング剤(DIC社製、商品名:GRANDIC PC−4100)5部、および光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア907)3部を混合し、固形分濃度が50%となるように、メチルイソブチルケトンで希釈して、ハードコート層形成用組成物を調製した。なお、上記紫外線硬化型樹脂(PC1070)の組成は以下のとおりである。
ペンタエリスリトール系アクリレートと水添キシレンジイソシアネートとから得られるウレタンアクリレート 100部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 49部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 41部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 24部、
2−ヒドロキシエチル基および2、3−ジヒドロキシプロピル基を有する(メタ)アクリルポリマー 58部
(ハードコート層付樹脂フィルムの作製)
上記ベース層上に、上記ハードコート層形成用組成物を塗布して塗布層を形成し、当該塗布層を90℃で1分間加熱した。加熱後の塗布層に高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させて、ベース層(厚み:40μm)およびハードコート層(厚み:5μm)を有するハードコート層付樹脂フィルムを作製した。
[実施例1]
製造例1で得られたハードコート層付樹脂フィルムを2枚準備した。該ハードコート層付樹脂フィルムのベース層同士を粘着剤を介して貼り合わせて積層体(ハードコート層/ベース層/粘着剤層(厚み:20μm)/ベース層/ハードコート層)を作製した。
粘着剤は、アクリル酸ブチルとアクリル酸と酢酸ビニルとの重量比が100:2:5のアクリル系共重合体100部に、イソシアネート系架橋剤を1部配合してなるものであり、弾性係数10N/cmの透明な粘着剤を用いた。
得られた積層体を、上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例2]
製造例1で得られたハードコート層付樹脂フィルムを2枚準備した。該ハードコート層付樹脂フィルムのハードコート層同士を実施例1と同様の粘着剤を介して貼り合わせて積層体(ベース層/ハードコート層/粘着剤層(厚み:20μm)/ハードコート層/ベース層)を作製した。
得られた積層体を、上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例3]
製造例1で得られたハードコート層付樹脂フィルムを2枚準備した。一方のハードコート層付樹脂フィルムのベース層と他方のハードコート層付樹脂フィルムのハードコート層とを実施例1と同様の粘着剤を介して貼り合わせて積層体(ベース層/ハードコート層/粘着剤層(厚み:20μm)/ベース層/ハードコート層)を作製した。
得られた積層体を、上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
製造例1で作製したベース層を、実施例1と同様の粘着剤を介して貼り合わせて積層体(ベース層/粘着剤層(厚み:20μm)/ベース層)を作製した。
得られた積層体を、上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例2]
製造例1で作製したハードコート層付樹脂フィルム(ベース層/ハードコート層)を上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 0006236200
<製造例2>金属ナノワイヤの合成および透明導電性層形成用組成物の調製
攪拌装置を備えた反応容器中、160℃下で、無水エチレングリコール5ml、PtClの無水エチレングリコール溶液(濃度:1.5×10−4mol/L)0.5mlを加えた。4分経過後、得られた溶液に、AgNOの無水エチレングリコール溶液(濃度:0.12mol/l)2.5mlと、ポリビニルピロリドン(MW:5500)の無水エチレングリコール溶液(濃度:0.36mol/l)5mlとを同時に、6分かけて滴下して、銀ナノワイヤを生成した。この滴下は、160℃下で、AgNOが完全に還元されるまで行った。次いで、上記のようにして得られた銀ナノワイヤを含む反応混合物に、該反応混合物の体積が5倍になるまでアセトンを加えた後、該反応混合物を遠心分離して(2000rpm、20分)、銀ナノワイヤを得た。
得られた銀ナノワイヤは、短径が30nm〜40nmであり、長径が30nm〜50nmであり、長さは20μm〜50μmであった。
純水中に、該銀ナノワイヤ(濃度:0.2重量%)、およびドデシル−ペンタエチレングリコール(濃度:0.1重量%)を分散させ、透明導電性層形成用組成物を調製した。
[実施例4]
実施例1で作製した積層体上に、バーコーター(第一理科株式会社製 製品名「バーコーター No.10」)を用いて製造例2で調製した透明導電性層形成用組成物を塗布し、その後、送風乾燥機内において、120℃で2分間乾燥させて、積層体上に透明導電性層(厚み:0.1μm)が形成された透明導電性フィルムを得た。乾燥の際、顕著な熱収縮は生じなかった。また、得られた透明導電性フィルムの表面抵抗値は、43.7Ω/□であった。
[実施例5]
透明導電性層形成用組成物として、PEDOT/PSS分散液(ヘレウス株式会社製、商品名「Clevios FE−T」;ポリエチレンジオキシチオフェンおよびポリスチレンスルホン酸から構成される導電性ポリマーの分散液)を用いたこと以外は実施例4と同様の方法で透明導電フィルムを作製した。乾燥の際、顕著な熱収縮は生じなかった。また、得られた透明導電性フィルムの表面抵抗値は、93.2Ω/□であった。
[実施例6]
実施例1で作製した積層体上に、銀ペースト(トーヨーケム株式会社製、商品名「RA FS 039」)を用いてスクリーン印刷法にて金属メッシュを形成し(線幅:100μm)、120℃で10分間焼結した。乾燥の際、顕著な熱収縮は生じなかった。また、得られた透明導電性フィルムの表面抵抗値は、19.1Ω/□であった。
本発明の積層体は、透明導電性フィルムの基材として好適に用いられ得る。該透明導電性フィルムは、表示素子等の電子機器に用いられ得る。より具体的には、透明導電性フィルムは、例えば、タッチパネル等に用いられる電極;電磁波シールドとして用いられ得る。
1 ベース層
2 ハードコート層
10 ハードコート層付樹脂フィルム
20 接着剤層

Claims (15)

  1. 熱可塑性樹脂を含むベース層と、該ベース層上に形成された硬化性樹脂を含むハードコート層とを備えるハードコート層付樹脂フィルムが、複数枚積層されている、積層体であって、
    該硬化性樹脂が、アクリル系樹脂であり、
    該アクリル系樹脂が、水酸基を有する多官能モノマー由来の構成単位を有する、
    積層体。
  2. 積層構成が、厚み方向の中心線に対して上下対称である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記ハードコート層付樹脂フィルムの枚数が2枚である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 複数のハードコート層付樹脂フィルムが、接着剤層または粘着剤層を介して、貼り合わされている、請求項1から3のいずれかに記載の積層体。
  5. 2枚のハードコート層付樹脂フィルムのそれぞれのベース層が、前記接着剤層または前記粘着剤層を介して貼り合わされている、請求項2から4のいずれかに記載の積層体。
  6. 2枚のハードコート層付樹脂フィルムのそれぞれのハードコート層が、前記接着剤層または前記粘着剤層を介して貼り合わされている、請求項2から4のいずれかに記載の積層体。
  7. 2枚のハードコート層付樹脂フィルムを有し、一方のハードコート層付樹脂フィルムのベース層と、他方のハードコート層付樹脂フィルムのハードコート層とが、前記接着剤層または前記粘着剤層を介して貼り合わされている、請求項1に記載の積層体。
  8. 全光線透過率が、80%以上である、請求項1から7のいずれかに記載の積層体。
  9. 前記ベース層に含まれる熱可塑性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂である、請求項1から8のいずれかに記載の積層体。
  10. 前記ベース層の厚み方向の位相差Rthの絶対値が、100nm以下である、請求項1から9のいずれかに記載の積層体。
  11. 前記ベース層の面内位相差Reが、10nm以下である、請求項1から10のいずれかに記載の積層体。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の積層体と、該積層体上に形成された透明導電性層とを備える、透明導電性フィルム。
  13. 前記透明導電性層が、金属ナノワイヤから構成される、請求項12に記載の透明導電性フィルム。
  14. 前記透明導電性層が、金属メッシュから構成される、請求項12に記載の透明導電性フィルム。
  15. 前記透明導電性層が、ポリチオフェン系ポリマーから構成される、請求項12に記載の透明導電性フィルム。
JP2012267517A 2012-12-06 2012-12-06 積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム Active JP6236200B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012267517A JP6236200B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム
PCT/JP2013/082673 WO2014088058A1 (ja) 2012-12-06 2013-12-05 積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム
US14/649,016 US20160196894A1 (en) 2012-12-06 2013-12-05 Laminate and transparent conductive film using the laminate
TW102144957A TWI529063B (zh) 2012-12-06 2013-12-06 A laminated body and a transparent conductive film using the layered product

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012267517A JP6236200B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014113705A JP2014113705A (ja) 2014-06-26
JP6236200B2 true JP6236200B2 (ja) 2017-11-22

Family

ID=50883470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012267517A Active JP6236200B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20160196894A1 (ja)
JP (1) JP6236200B2 (ja)
TW (1) TWI529063B (ja)
WO (1) WO2014088058A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103109391B (zh) 2010-09-24 2016-07-20 加利福尼亚大学董事会 纳米线-聚合物复合材料电极
KR101686644B1 (ko) * 2013-11-19 2016-12-14 주식회사 엘지화학 플라스틱 필름 적층체
JP6350546B2 (ja) * 2013-12-09 2018-07-04 王子ホールディングス株式会社 高硬度フィルム
JP6476788B2 (ja) * 2014-11-21 2019-03-06 大日本印刷株式会社 タッチパネル、積層体及び積層体の製造方法
TWI675744B (zh) * 2015-01-22 2019-11-01 美商柯達公司 具有保護性聚合物塗層之導電物件、提供其之方法及包含其之電子裝置
CN110023084B (zh) 2016-12-05 2021-03-09 富士胶片株式会社 光学膜以及具有该光学膜的图像显示装置的前面板、图像显示装置、带图像显示功能的反射镜、电阻膜式触摸面板及静电电容式触摸面板
CN106738624B (zh) * 2017-01-16 2019-04-09 业成科技(成都)有限公司 低应力纹工件的结构及其一体成型制作方法
JP6843962B2 (ja) 2017-03-03 2021-03-17 富士フイルム株式会社 光学フィルムならびにこれを有する画像表示装置の前面板、画像表示装置、画像表示機能付きミラ−、抵抗膜式タッチパネルおよび静電容量式タッチパネル
JPWO2019078196A1 (ja) 2017-10-16 2020-11-26 富士フイルム株式会社 光学フィルムならびにこれを有する画像表示装置の前面板、画像表示装置、画像表示機能付きミラー、抵抗膜式タッチパネルおよび静電容量式タッチパネル
JP7373337B2 (ja) * 2018-10-24 2023-11-02 日東電工株式会社 粘着テープ
WO2020085157A1 (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 日東電工株式会社 粘着テープ
JP6945586B2 (ja) * 2019-04-17 2021-10-06 住友化学株式会社 積層体、及び画像表示装置
KR102154502B1 (ko) * 2020-03-04 2020-09-10 성치헌 하드코팅 필름
US10902974B1 (en) * 2020-07-31 2021-01-26 Cambrios Film Solutions Corporation Transparent conductive film

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0727134B2 (ja) * 1987-08-20 1995-03-29 藤森工業株式会社 液晶表示パネル用電極基板およびその製造法
JPH07128649A (ja) * 1993-11-05 1995-05-19 Fujimori Kogyo Kk 光等方性積層体
JPH08136905A (ja) * 1994-11-09 1996-05-31 Sekisui Chem Co Ltd 液晶表示パネル用基板及びその製造方法
JPH08148036A (ja) * 1994-11-18 1996-06-07 Nitto Denko Corp 透明導電性フィルム
JP2001223472A (ja) * 1999-11-30 2001-08-17 Sanyo Chem Ind Ltd 銅回路との接着性良好な多層基板用絶縁材料
JP2005144816A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Tomoegawa Paper Co Ltd フレキシブル金属積層体
JP2006056117A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Sony Corp 透明導電性積層体及びこれを用いたタッチパネル
JP2006249318A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Tosoh Corp ディスプレイ用光学フィルム
JP5542492B2 (ja) * 2010-03-24 2014-07-09 三菱化学株式会社 表面保護パネル及び液晶画像表示装置
JP2012009239A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 導電膜の製造方法及び導電膜
JP2012066477A (ja) * 2010-09-24 2012-04-05 Nippon Zeon Co Ltd ハードコート層を有する積層フィルム、タッチパネル用積層フィルム
JP2013151156A (ja) * 2011-12-28 2013-08-08 Nippon Paper Industries Co Ltd ハードコートフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
TWI529063B (zh) 2016-04-11
US20160196894A1 (en) 2016-07-07
WO2014088058A1 (ja) 2014-06-12
JP2014113705A (ja) 2014-06-26
TW201434633A (zh) 2014-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6236200B2 (ja) 積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム
WO2014069624A1 (ja) 透明導電性フィルム
JP6576020B2 (ja) 画像表示装置
EP2873693B1 (en) Laminated hard coating film
WO2015190428A1 (ja) 積層体および画像表示装置
WO2015005332A1 (ja) 透明導電性フィルムおよび透明導電性フィルムの製造方法
KR101757057B1 (ko) 편광판 및 이를 포함하는 화상표시장치
WO2015033882A1 (ja) 透明導電性フィルム
WO2014129171A1 (ja) 透明導電性フィルム及びこれを備えたタッチパネル並びに表示デバイス
JP2015214053A (ja) 積層体
JP6442869B2 (ja) ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法
JP6649725B2 (ja) 導電性シート
KR101888142B1 (ko) 다층 필름
KR102338420B1 (ko) 점착 필름, 이를 포함하는 광학 부재 및 이를 포함하는 광학표시장치
WO2016047478A1 (ja) 導電性シート
WO2023112700A1 (ja) センサー積層体
JP2016160338A (ja) 共重合体、シクロオレフィン系樹脂組成物、シクロオレフィン系樹脂フィルム、導電性フィルム、及びタッチパネル
JP2022073593A (ja) 導電性光学積層体
KR20200012644A (ko) 광학 적층체 및 디스플레이 장치
JP2015098580A (ja) 樹脂シート、及びその用途
KR20200012646A (ko) 광학 적층체 및 디스플레이 장치
KR20200012645A (ko) 광학 적층체 및 디스플레이 장치
CN114651197A (zh) 防眩性膜、防眩性膜的设计方法、防眩性膜的制造方法、光学构件及影像显示设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6236200

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250