JP6442869B2 - ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法 - Google Patents

ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6442869B2
JP6442869B2 JP2014105247A JP2014105247A JP6442869B2 JP 6442869 B2 JP6442869 B2 JP 6442869B2 JP 2014105247 A JP2014105247 A JP 2014105247A JP 2014105247 A JP2014105247 A JP 2014105247A JP 6442869 B2 JP6442869 B2 JP 6442869B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coat
layer
thermoplastic resin
film
coat layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014105247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015217654A (ja
Inventor
迅希 岩崎
迅希 岩崎
恒川 雅行
雅行 恒川
佳奈 山本
佳奈 山本
剛志 黒田
剛志 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2014105247A priority Critical patent/JP6442869B2/ja
Publication of JP2015217654A publication Critical patent/JP2015217654A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6442869B2 publication Critical patent/JP6442869B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法に関する。
近年、液晶表示装置(LCD)の用途が拡大しており、屋外で用いられるスマートフォンなどにも利用が広がっており、近年、益々小型化や薄型化への要求が高まっている。
このようなLCDは液晶セルを2枚の偏光板で挟みこんだ液晶パネルに、外光や、フロントライト、バックライトなどの光源により発生した光を透過/遮蔽することによって表示を行う。このような構造のため、偏光サングラスを掛けた状態でLCDを観察した場合、観察者は、LCDから出射した直線偏光を、偏光サングラスを通して視認することとなる。この時、LCDの観測者側の偏光板吸収軸と、偏光サングラスの吸収軸とのなす角度によっては、画面が見えなくなってしまう(視認性が低下する)という問題がある。
この視認性低下の問題を解決するために、特許文献1のように、シクロオレフィンポリマーを用いたλ/4位相差フィルムを用いる技術が提案されている。また、特許文献2のように、リタデーションが高いポリエステル樹脂を用いた技術も提案されている。
しかし、特許文献1で用いているシクロオレフィンポリマーは元々脆く靭性に欠けるものであるが、薄型化した場合に該問題が深刻化してしまう。
一方、特許文献2で用いているポリエステル樹脂は靭性や剛性等の物理的強度に関しては問題ないが、高いリタデーションと薄膜化との両立が困難であった。
特開2011−113018号公報 特開2011−107198号公報
本発明者らは、偏光サングラス対応ができ、かつ、薄型化の要求に答えるため、20μm以下でも使用に耐え得る物理強度を有する材料に関して検討を行った。
具体的には、延伸ポリエステルフィルム(PET、PEN等)を用いて鋭意研究を行った。延伸ポリエステルフィルムは、異方性が大きいため、1/4波長を確保しつつ、厚み4〜12μmという薄型化を可能とするものであり、さらに耐溶剤性や柔軟性に優れ、加工適性にも優れるものである。
その一方、厚みが4〜12μmの延伸ポリエステルフィルムは剛性や硬度が十分ではない。このため、本発明者らは、該ポリエステルフィルム上にハードコート層を設ける検討を行った。
しかしながら、該ポリエステルフィルム上にハードコート層を設けた場合、プライマー層を有する場合であっても、該ポリエステルフィルム上の塗膜(ハードコート層等)が剥離する現象が生じた。
本発明者らは、厚み4〜12μmの延伸ポリエステルフィルム上の塗膜が剥離する原因について検討を行った。その結果、まず、該ポリエステルフィルム上にプライマー層及びハードコート層を有する積層体の剥離界面が、該ポリエステルフィルムとプライマー層との間の界面であることを見出した。そして、本来密着性に優れ耐剥離性が良好と考えられる界面(該ポリエステルフィルムとプライマー層との界面)で剥離が生じていることは、厚み4〜12μmの延伸ポリエステルフィルム上にハードコート層を形成する場合においては、通常以上の耐剥離性が求められることを見出した。
そしてさらに研究を重ねた結果、厚い基材ではハードコート層が硬化収縮する際に生じる応力を基材が緩和していたものの、薄い基材では該応力を殆ど緩和できず、その結果、基材と塗膜界面にかかる応力が大きくなったことが、ハードコート層のみならず基材上の塗膜全体が剥離する結果につながる原因であることを見出した。
以上のように、偏光サングラス対応、薄型化及び塗膜の耐剥離性を同時に満足するハードコートフィルムの開発は困難を極める中で、本発明者らはこれを解決するに至った。
すなわち、本発明のハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法は以下の[1]〜[15]のとおりである。
[1]厚みが4〜12μm、配向度が2.0以下である延伸ポリエステルフィルム上に、ハードコート層を含む一以上の樹脂層を有してなり、前記ハードコート層は電離放射線硬化性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成されてなり、前記一以上の樹脂層が下記条件で測定するカール値が14mm以下であり、かつ、[延伸ポリエステルフィルムの厚み]/[ハードコート層の厚み]の比が0.7〜4.0である、ハードコートフィルム。
(カール値)
前記一以上の樹脂層を構成する各層を形成する組成物を、厚み25μm、配向度1.5の延伸ポリエステルフィルム上に、塗布、乾燥、電離放射線照射して各層を順に形成し、5分間放置後に10cm四方にサンプルを切り出した後、水平な台上に、ポリエステルフィルム側が台の側を向くようにしてサンプルを置く。サンプルの四隅が台から浮いている高さを測定し、四隅の平均値を該サンプルのカール値とする。
[2]前記一以上の樹脂層として、前記ハードコート層より前記延伸ポリエステルフィルム側にプライマー層を有し、該プライマー層が、電離放射線硬化性樹脂Bを含むプライマー層形成組成物から形成されてなる、上記[1]に記載のハードコートフィルム。
[3]前記電離放射線硬化性樹脂Bが、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリエステル(メタ)アクリレートモノマーを含む、上記[2]に記載のハードコートフィルム。
[4]前記ハードコート層が、電離放射線硬化性樹脂A及び熱可塑性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成されてなる、上記[1]〜[3]の何れかに記載のハードコートフィルム。
[5]前記熱可塑性樹脂Aが、分子中に反応性官能基を有さない熱可塑性樹脂である、上記[4]に記載のハードコートフィルム。
[6]前記熱可塑性樹脂Aが、ポリメチルメタクリレートである、上記[4]又は[5]に記載のハードコートフィルム。
[7]前記ハードコート層形成組成物中における電離放射線硬化性樹脂Aと熱可塑性樹脂Aとの質量比が、5:5〜9:1である上記[4]〜[6]の何れかに記載のハードコートフィルム。
[8]前記一以上の樹脂層として、前記ハードコート層より前記延伸ポリエステルフィルム側に熱可塑性樹脂層を有してなる、上記[1]〜[7]の何れかに記載のハードコートフィルム。
[9]前記一以上の樹脂層として、前記延伸ポリエステルフィルム側から、前記プライマー層、熱可塑性樹脂層及びハードコート層をこの順に有する、上記[8]に記載のハードコートフィルム。
[10]前記熱可塑性樹脂層が熱可塑性樹脂Bを含有してなり、該熱可塑性樹脂層Bは分子中に反応性官能基を有さない熱可塑性樹脂である、上記[8]又は[9]に記載のハードコートフィルム。
[11]前記熱可塑性樹脂層が導電剤を含有し、前記ハードコート層が導通微粒子を含有し、前記熱可塑性樹脂層と前記ハードコート層表面とが導通してなる、上記[8]〜[10]の何れかに記載のハードコートフィルム。
[12]前記ハードコート層表面からアース処理がされてなる、上記[11]に記載のハードコートフィルム。
[13]偏光板と、上記[1]〜[12]の何れかに記載のハードコートフィルムとを貼り合わせてなる、表示素子の前面板。
[14]表示素子の前面に、上記[1]〜[12]の何れかに記載のハードコートフィルムを有してなる、表示装置。
[15]厚みが4〜12μm、配向度が2.0以下である延伸ポリエステルフィルム上に、ハードコート層を含む一以上の樹脂層を有してなり、前記ハードコート層は電離放射線硬化性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成されてなるハードコートフィルムを作製する際に、前記ハードコート層を電離放射線硬化性樹脂を含むハードコート層形成組成物から形成し、前記一以上の樹脂層として下記条件で測定するカール値が14mm以下となるものを選択し、かつ、[延伸ポリエステルフィルムの厚み]/[ハードコート層の厚み]の比を0.7〜4.0とする、薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法。
[カール値]
前記一以上の樹脂層を構成する各層を形成する組成物を、厚み25μm、配向度1.5の延伸ポリエステルフィルム上に、塗布、乾燥、電離放射線照射して各層を順に形成し、5分間放置後に10cm四方にサンプルを切り出した後、水平な台上に、ポリエステルフィルム側が台の側を向くようにしてサンプルを置く。サンプルの四隅が台から浮いている高さを測定し、四隅の平均値を該サンプルのカール値とする。
本発明のハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜密着性の改良方法は、偏光サングラスによる視認性、薄型化、塗膜の耐剥離性を同時に満足することができる。
[ハードコートフィルム]
本発明のハードコートフィルムは、厚みが4〜12μm、配向度が2.0以下である延伸ポリエステルフィルム上に、ハードコート層を含む一以上の樹脂層(以下、単に「樹脂層」と称する場合もある)を有してなり、前記ハードコート層は電離放射線硬化性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成されてなり、前記一以上の樹脂層が下記条件で測定するカール値が14mm以下であり、かつ、[延伸ポリエステルフィルムの厚み]/[ハードコート層の厚み]の比が0.7〜4.0であるものである。
(カール値)
前記一以上の樹脂層を構成する各層を形成する組成物を、厚み25μm、配向度1.5の延伸ポリエステルフィルム上に、塗布、乾燥、電離放射線照射して各層を順に形成し、5分間放置後に10cm四方にサンプルを切り出した後、水平な台上に、ポリエステルフィルム側が台の側を向くようにしてサンプルを置く。サンプルの四隅が台から浮いている高さを測定し、四隅の平均値を該サンプルのカール値とする。
本発明のハードコートフィルムは、通常のハードコートフィルムのようにディスプレイの最表面で用いてもよいが、偏光サングラスによる視認性、薄型化及び塗膜の耐剥離性という課題を考慮すると、必ずしも最表面で用いる必要はない。例えば液晶ディスプレイの場合、液晶素子のバックライトとは反対側であれば、どの場所で用いてもよい。また、後述のように、偏光板の保護フィルムとして本発明のハードコートフィルムを用いれば、ディスプレイ全体をより薄型化しながら、偏光サングラスによる視認性を向上することができる。
本発明のハードコートフィルムは、上述のように用いられることから、通常のハードコートフィルムに求められる性能である硬度はそれほど重要視されない。なお、工程上の不都合をなくすために、剛性及び靭性は良好にすることが好ましい。
<延伸ポリエステルフィルム>
延伸ポリエステルフィルムとしては、厚みが4〜12μm、配向度が2.0以下のものを用いる。
厚みが4〜12μmの延伸ポリエステルフィルムは、550nmの位相差が80〜170nm程度の略1/4波長位相差フィルムとなり、偏光サングラスによる視認性の低下を防止することができる。延伸ポリエステルフィルムの厚みは、5〜12μmであることが好ましい。
このような薄い延伸ポリエステルフィルム上にハードコート層等の樹脂層を形成した場合、上述のように、延伸ポリエステルフィルムがハードコート層の収縮による応力を緩和することができず、該フィルム上に形成したハードコート層等の樹脂層が全て剥離してしまう。しかし、樹脂層が後述のカール値の条件を満たすことにより、耐剥離性を良好にすることができる。
なお、シクロオレフィンポリマー及びポリカーボネートを用いた場合でも、厚みが4〜12μmであり、550nmの位相差が80〜170nm程度の略1/4波長位相差フィルムを得ることができる。しかし、シクロオレフィンポリマーは極めて脆いため使用に耐えず、ポリカーボネートは耐溶剤性に劣るため、基材厚みが薄すぎると樹脂層を塗工する際に、溶剤及び張力によって基材が破断する可能性があり使用に耐えない。
また、延伸ポリエステルフィルムの配向度を2.0以下とすることにより、耐剥離性を良好にできる。
配向度とは、延伸ポリエステルフィルムの表面配向パラメータYの最大値をYmax、最小値をYminとしたとき、Ymax/Yminで表される値である。表面配向パラメータYは、配向パラメータとして、延伸ポリエステルフィルム表面を10°ごとに面内回転させて測定したFTIR−S偏光ATR法の1回反射スペクトル上で、1340cm-1における吸収強度(I1340)と1410cm-1における吸収強度(I1410)との比[I1340/I1410]により求めることができる。より具体的には実施例に記載の方法で求めることができる。
上述した延伸ポリエステルフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを一軸や二軸等で延伸処理することにより形成することができる。延伸ポリエステルフィルムは、耐溶剤性、加工適性等の観点から、二軸延伸してなるものが好ましい。
延伸ポリエステルフィルムの配向度は、縦延伸(配向軸方向の延伸)と横延伸の倍率差に相関する。すなわち、縦延伸及び横延伸の倍率差を小さくすると配向度を小さくでき、縦延伸及び横延伸の倍率差を大きくすると配向度を大きくできる。
また、延伸ポリエステルフィルムの550nmの位相差は、延伸倍率を上げたり、縦延伸と横延伸との倍率差を大きくすること等により大きくすることができ、延伸倍率を下げたり、縦延伸と横延伸との倍率差を小さくすること等により小さくすることができる。
延伸ポリエステルフィルム中には紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤は特に限定されず、有機系又は無機系の紫外線吸収剤を用いることができる。なかでも、透明性に優れる有機系の紫外線吸収剤が好適に用いられる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等を使用することができる。
紫外線吸収剤の含有量は、延伸ポリエステルフィルム中の3〜15質量%程度である。
延伸ポリエステルフィルムは、樹脂層の耐剥離性やハンドリング性を向上させるために、樹脂層を有する面とは反対側の面に、剥離可能な基材を積層しておくことが好ましい。
延伸ポリエステルフィルムに剥離可能な基材を積層するタイミングは、ハードコート層等の樹脂層を形成する前であってもよいし、形成する後であってもよいが、樹脂層の耐剥離性の観点からは、樹脂層を形成する前が好ましい。
剥離可能な基材は、樹脂層の形成後、あるいはハードコートフィルムを所定の幅にスリット後、あるいはハードコートフィルムを所定の大きさに断裁した後、あるいはハードコートフィルムを偏光板等の被着体に貼り合わせた後に、延伸ポリエステルフィルムから剥離すればよい。
<一以上の樹脂層>
厚みが4〜12μm以下、配向度が2.0以下の延伸ポリエステルフィルムは、偏光サングラスによる視認性を良好にするとともに、薄型化を図ることができるものの、ハードコート層等の樹脂層を設けた場合に、樹脂層が剥離するという問題がある。そこで、本発明は、ハードコート層を含む一以上の樹脂層が所定の条件を満たすものとして、樹脂層の剥離を防止している。
具体的には、本発明では、ハードコート層を含む一以上の樹脂層が、下記条件で測定するカール値が14mm以下であるものである。該カール値は10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。
(カール値)
前記一以上の樹脂層を構成する各層を形成する組成物を、厚み25μm、配向度1.5の延伸ポリエステルフィルム上に、塗布、乾燥、電離放射線照射して各層を順に形成し、5分間放置後に10cm四方にサンプルを切り出した後、水平な台上に、ポリエステルフィルム側が台の側を向くようにしてサンプルを置く。サンプルの四隅が台から浮いている高さを測定し、四隅の平均値を該サンプルのカール値とする。
上記カール値の測定において、厚み25μm、配向度1.5の延伸ポリエステルフィルム上に設ける一以上の樹脂層の乾燥条件は、各層、60〜80℃で30〜60秒とする。
また、上記カール値の測定において、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂層に対しては、該樹脂層を硬化するのに必要な量の電離放射線を照射すればよい。電離放射線硬化性樹脂を含む層が複数存在する場合、個々の層を形成した直後(別の層を形成する前)に硬化に必要な量の電離放射線を照射する。通常50〜200mJ/cm2の照射量であれば、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂層を硬化できる。
また、カール値の算出する際は、10個のサンプルのカール値を測定し、その平均をカール値とする。
一以上の樹脂層は、少なくともハードコート層を含む。また、一以上の樹脂層として、ハードコート層の他に、後述するプライマー層及び/又は熱可塑性樹脂層を含むことが好ましい。プライマー層及び熱可塑性樹脂層は、延伸ポリエステルフィルムとハードコート層との間に位置する。また、プライマー層及び熱可塑性樹脂層を同時に有する場合、延伸ポリエステルフィルム上に、プライマー層、熱可塑性樹脂層及びハードコート層をこの順に有することが好ましい。
(ハードコート層)
上述のように、本発明のハードコートフィルムは必ずしも最表面で用いるものではない。したがって、本発明におけるハードコート層は通常のハードコート層とは異なる性能が重要視される。具体的には、ハードコートフィルムの耐剥離性が良好になるようにハードコート層を構成することが最重視される。また、ハードコートフィルムの耐剥離性を良好にしつつ、剛性及び靭性が良好となるようにハードコート層を構成することが好ましく、さらに必要に応じて硬度が良好になるようにハードコート層を形成することがより好ましいい。このようなハードコート層は、電離放射線硬化性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成することができる。
電離放射線硬化性樹脂Aは、電離放射線の照射により硬化物を形成するものであり、重合性モノマーや重合性オリゴマー等を用いることができる。
重合性モノマーは、ハードコートフィルムの硬度及び剛性を向上する傾向がある。一方、重合性オリゴマーは、ハードコートフィルムの耐剥離性及び靭性を損なわない傾向がある。したがって、本発明のハードコートフィルムで最重要視する耐剥離性の観点からは、重合性オリゴマーを用いることが好ましく、さらに硬度及び剛性を付与する観点からは、重合性オリゴマー及び重合性モノマーを併用することが好ましい。
重合性モノマー又はオリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーが挙げられる。
重合性(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のモノマー又はオリゴマーが挙げられる。これら重合性モノマー又はオリゴマーは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記重合性(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーのうち、重合性ウレタン(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーは、ハードコートフィルムに硬度及び剛性を付与しつつ、ウレタン結合の弾性の影響により、耐剥離性及び靭性を良好にできる点で好適である。
重合性ウレタン(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーは、例えば、(a)水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマーと、(b)イソシアネート系化合物とを原料として、これらの反応により得ることができる。
(a)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、(a)水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマーとして、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等のような低官能の(メタ)アクリレートモノマーを用いることにより、耐剥離性及び靭性をより良好にすることができる。また、(a)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとして、多官能と、低官能とを併用することにより、硬度及び剛性と、耐剥離性及び靭性とのバランスを良好にできる点で好適である。その際、水酸基を有する多官能の(メタ)アクリレートモノマーと、水酸基を有する低官能の(メタ)アクリレートモノマーとを、8:2〜6:4の質量割合で併用することが好適である。
(b)イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
なお、上記(a)及び(b)に加えて、(c)イソシアネート系化合物と反応可能な他の化合物を併用しても良い。(c)の他の化合物としては、カルボン酸、アミン等の活性水素を含有する化合物が挙げられる。(c)の他の化合物としてアミンを用いた場合、ウレタン結合とは別に、(b)と(c)との反応によりウレア結合が形成され、(c)の化合物としてカルボン酸を用いた場合、(b)と(c)との反応によりカルボン酸無水物が形成される。(a)及び(b)に加えて、(c)の他の化合物を用いることにより、さらに強固な結合を形成できる点で好適である。
上記重合性(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドによる変性、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等の環状骨格による変性がなされたものも使用することができる。環状骨格を有する重合性(メタ)アクリレートモノマー及びオリゴマーは、電離放射線で硬化する際の収縮を低減することができ、ハードコートフィルムの硬度及び剛性と、耐剥離性及び靭性のバランスを図りやすい点で好適である。環状骨格を有する重合性(メタ)アクリレートモノマー及びオリゴマーとしては、例えば、特開2009−203428号公報、特開2008−24724号公報、特開2007−284650号公報に記載のものを用いることができる。
重合性(メタ)アクリレートモノマー又はオリゴマーの官能基数は特に制限されない。官能基数を3以上の多官能とした場合、ハードコートフィルムの硬度及び剛性を良好にすることができる。硬度及び剛性の観点からは、官能基数は3〜8が好ましく、3〜6がより好ましい。一方、官能基数2の低官能とした場合、ハードコートフィルムの耐剥離性及び靭性を損なわない傾向がある。したがって、本発明のハードコートフィルムで最重要視する耐剥離性の観点からは、低官能の(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、さらに硬度及び剛性を付与する観点からは、多官能の(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、硬度や組成物の粘度調整等のために、さらに単官能(メタ)アクリレートモノマーを用いてもよい。単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、グリシジルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート等が挙げられる。
重合性(メタ)アクリレートモノマーの分子量は、ハードコートフィルムの硬度を向上させる観点から、1,000未満が好ましく、200〜800がより好ましい。
また、重合性(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)は、1,000〜20,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましく、1,100〜3,000であることがさらに好ましい。
電離放射線硬化性樹脂Aが紫外線硬化性化合物である場合には、ハードコート層形成組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合障害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。
ハードコート層形成組成物の全樹脂成分中における電離放射線硬化性樹脂の含有割合は、ハードコート層の硬度及び剛性の観点から、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
ハードコート層形成組成物中には、熱可塑性樹脂Aを含有していてもよい。熱可塑性樹脂Aを含有することにより、ハードコートフィルムが後述の熱可塑性樹脂層を有する場合、該層とハードコート層との密着性を向上することができる。また、ハードコート層が後述する導通微粒子を含有する場合、熱可塑性樹脂Aは、ハードコート層形成組成物中において導通微粒子の分散性を良好にするとともに、ハードコート層の変形(硬化収縮)を抑えることにより、表面抵抗率の経時安定性を良好にし、さらに耐剥離性を良好にしやすくできる点で好適である。
熱可塑性樹脂Aは、分子中に反応性官能基を有さないことが好ましい。分子中に反応性官能基を有すると、該反応性官能基が反応してハードコート層に硬化収縮が生じ、経時的に表面抵抗率等の物性が変化したり、耐剥離性が低下する場合がある。なお、反応性基としては、アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有する官能基、エポキシ環、オキセタン環等の環状エーテル基、ラクトン環等の開環重合基、ウレタンを形成するイソシアネート基等が挙げられる。これらの反応性官能基は、ハードコート層に硬化収縮による表面抵抗率の変化を起こさせない程度の量であれば含まれていてもよい。
熱可塑性樹脂Aは、側鎖を有するものであることが好ましい。側鎖を有する熱可塑性樹脂は、該側鎖が立体障害となってハードコート層中で他の成分が動き難くなり、表面抵抗率等の物性の経時安定性を優れたものとすることができる。側鎖は、任意の構造を有するものでよいが、分子中に上述した反応性官能基を有さないことが好ましい。
熱可塑性樹脂Aは、上述の効果を発揮しやすくするために、ガラス転移温度が80〜120℃であることが好ましく、90〜110℃であることがより好ましい。また、ハードコート層の強度及び塗工適性の観点から、熱可塑性樹脂の重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)は2万〜20万であることが好ましく、5万〜10万であることがより好適である。
熱可塑性樹脂Aとしては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン及びABS樹脂等を用いることができる。これらの中でも、上述した効果を発揮しやすいアクリル系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂の中でもポリメチルメタクリレートが好適である。
なお、ハードコートフィルムが後述の熱可塑性樹脂層を有する場合、ハードコート層中の熱可塑性樹脂は、密着性の観点から、熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂と同種のものとすることが好ましい。
ハードコート層形成組成物中に電離放射線硬化性樹脂Aに加えて熱可塑性樹脂Aを含有する場合、ハードコート層形成組成物中における電離放射線硬化性樹脂Aと熱可塑性樹脂Aとの質量比は、上述の熱可塑性樹脂Aを含有することによる効果と、ハードコートフィルムの硬度及び剛性とのバランスの観点から、5:5〜9:1であることが好ましく、6:4〜8:2であることがより好ましい。
ハードコート層中には、導通微粒子を含有していてもよい。ハードコート層中に導通微粒子を含有させることにより、後述の熱可塑性樹脂層に導電性を付与した際に、熱可塑性樹脂層とハードコート層の表面とを導通させることができ、人体が接触する際等に発生する静電気を逃がすことができる。また、導電性を付与した熱可塑性樹脂層上にハードコート層を有さない場合、熱可塑性樹脂層の強度不足により、表面抵抗率の経時安定性を図ることが困難となるが、導電性を付与した熱可塑性樹脂層上に、導通微粒子を含有するハードコート層を有することにより、表面抵抗率の経時安定性を良好にすることができる。
なお、以下、導電性を付与した熱可塑性樹脂層上に、導通微粒子を含有するハードコート層を有するハードコートフィルムを、「導電性ハードコートフィルム」と称する場合もある。また、導電性を付与した熱可塑性樹脂層を「第一導電層」、導通微粒子を含有するハードコート層を「第二導電層」と称する場合もある。
導電性ハードコートフィルムを各種の表示素子上に設置することにより、表示装置の静電気による障害を防止することができる。表示素子としては、液晶表示素子、EL表示素子、プラズマ表示素子等が挙げられる。表示装置の静電気による障害としては、液晶表示素子が白濁する現象が挙げられる。液晶表示素子上に導電性ハードコートフィルムを設置した場合、白濁を防止できる点で好適である。
また、タッチパネル付きの液晶表示装置においては、人体が接触する機会が多い。従来のタッチパネルは、液晶表示素子上にタッチパネルを設置してなり、タッチパネルの構成部材が導電性を有していたため、操作時の液晶表示素子の白濁の問題はなかった。しかし、近年登場したインセルタッチパネルは液晶表示素子中にタッチパネル機能を組み込んでいるため、液晶表示素子上で生じた静電気を逃がすことができず、白濁の問題がある。ここで、導電性ハードコートフィルムをインセルタッチパネル液晶素子上に設置することにより、白濁を防止できる点で好適である。
導通微粒子を含有するハードコート層(第二導電層)は、導電性を付与した熱可塑性樹脂層(第一導電層)に到達した静電気を、さらに厚み方向に流して、後述するアースを可能とする役割を有するものである。したがって、第一導電層が面方向(X方向、Y方向)及び厚み方向(z方向)への導電性を有しているのに対して、第二導電層は、厚み方向の導電性を有していれば足り、面方向の導電性は必ずしも必要ないという点で、第二導電層は第一導電層と役割が相違している。
導通微粒子としては特に限定されず、例えば、コア微粒子の表面に導電性被覆層を形成したコーティング微粒子が好適に用いられる。
コア微粒子としては特に限定されず、例えば、コロイダルシリカ微粒子、酸化ケイ素微粒子等の無機微粒子、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等のポリマー微粒子、有機質無機質複合体粒子等の微粒子が挙げられる。また、導電性被覆層を構成する材料としては特に限定されず、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、Pd、Pt等の金属又はこれらの合金、酸化錫(SnO2)、酸化アンチモン(Sb25)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、フッ素化酸化スズ(FTO)、ZnO等の金属酸化物が挙げられる。
このような導通微粒子の中でも、第一導電層からの導通を良好にする観点から、コア粒子を金で被覆した金メッキ微粒子が好適である。
導通微粒子の平均粒子径は、所定の表面抵抗率とするため、ハードコート層の厚みと同等か、超える大きさであることが好ましい。具体的には、導通微粒子の平均粒子径は、ハードコート層の厚みに対して、0.4〜2.0倍であることが好ましく、0.5〜1.6倍であることがより好ましい。0.4倍以上とすることにより、熱可塑性樹脂層からの導通を良好にすることができ、2.0倍以下とすることにより、導通微粒子がハードコート層から脱落することを防止できる。なお、導通微粒子の平均粒子径は、TEM観察を行い、10個の電子伝導型導電剤の粒子径を測定し、得られた値を平均化した値である。
導通微粒子の含有量としては、ハードコート層の全樹脂成分100質量部に対して、0.5〜2.0質量部であることが好ましく、0.5〜1.5質量部であることがより好ましい。0.5質量部以上とすることにより、熱可塑性樹脂層からの導通を良好にすることができ、2.0質量部以下とすることにより、ハードコート層の被膜性及び硬度の低下を防止できる。導通微粒子の含有量のより好ましい上限は1.5質量部である。
導電性ハードコートフィルムのハードコート層(第二導電層)表面の表面抵抗率は、液晶画面の白濁等の表示装置の不具合を効果的に防止しつつ、タッチパネルが静電容量式である場合の動作性の観点から、1.0×108〜2.0×109Ω/□であることが好ましい。
この場合、熱可塑性樹脂層(第一導電層)上の表面抵抗率は、1.0×108〜2.0×109Ω/□であることが好ましい。熱可塑性樹脂層(第一導電層)の表面抵抗率が1.0×108Ω/□未満であると、仮にハードコート層(第二導電層)を積層した状態での表面抵抗率が1.0×108Ω/□以上であったとしても、静電容量式タッチパネルの動作性に悪影響が生じやすくなる。また、熱可塑性樹脂層の表面抵抗率が2.0×109Ω/□を超えると、ハードコート層を積層した状態での表面抵抗率を2.0×109Ω/□以下とすることができず、液晶画面の白濁を効果的に防止できなくなる。
本発明においては、[延伸ポリエステルフィルムの厚み]/[ハードコート層の厚み]の比を0.7〜4.0とする。当該比を0.7以上とすることにより、カール値を本発明の範囲に調整しやすく、耐剥離性を良好にすることができ、当該比を4.0以下とすることにより、ハードコート層が必要以上に薄くなることによる強度不足を防止できる。なお、当該比は1.0〜2.5であることが好ましく、1.3〜2.0であることがより好ましい。
ハードコート層の厚みは、上記比率を満たす範囲であれば特に制限されないが、2〜10μmであることが好ましい。
ハードコート層の表面のJIS K5600−5−4(1999)の鉛筆硬度は2H以上であることが好ましい。鉛筆硬度を2H以上とすることにより、ハードコートフィルムの硬度及び剛性を良好にしやすくできる。なお、ハードコート層の表面の鉛筆硬度の上限は、硬度を抑えて靭性を良好にする観点、及びハードコート層上に他の層(例えば、後述のように偏光板と積層するための接着層を形成する場合)を形成する際の密着性の観点から、3H程度とすることが好ましい。タッチパネルは繰り返し押圧され高度な密着性及び靭性が要求されることから、ハードコート層の鉛筆硬度の上限を3Hとすることにより、本発明のハードコートフィルムをタッチパネルの構成部材や、タッチパネル上に設置される光学部材の構成部材に使用する場合に顕著な効果を発揮できる。なお、ハードコートフィルムをタッチパネルの構成部材や、タッチパネル上に設置される光学部材の構成部材として用いる場合、ハードコートフィルムは、これら構成部材の最表面以外の箇所で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂層)
本発明のハードコートフィルムは、ハードコート層より延伸ポリエステルフィルム側に熱可塑性樹脂層を有することが好ましい。熱可塑性樹脂層は、ハードコート層と密着し、また、ハードコートフィルムが後述のプライマー層を有する場合はプライマー層とも密着することによって、耐剥離性を良好にし得るものである。また、上述したように、熱可塑性樹脂層に導電性を付与して第一導電層とした場合、第二導電層との相乗作用で、ハードコートフィルムの強度を十分にしつつ、導電性を付与することができる。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂Bを含む熱可塑性樹脂層形成組成物から形成することができる。
熱可塑性樹脂層で用いる熱可塑性樹脂Bは、ハードコート層に含有する熱可塑性樹脂Aとして例示したものと同様のものを用いることができる。熱可塑性樹脂Bの好適な態様は、熱可塑性樹脂Aの好適な態様と同様である。
例えば、熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂Bは、分子中に反応性官能基を有さないことが好ましく、また、側鎖を有するものであることが好ましい。分子中に反応性官能基を有さないことにより、該反応性官能基が反応して熱可塑性樹脂層に硬化収縮が生じることによって、経時的に表面抵抗率等の物性が変化したり、耐剥離性の低下を防止することができる。また、側鎖を有することにより、該側鎖が立体障害となって熱可塑性樹脂層中で他の成分が動き難くなり、表面抵抗率等の物性の経時安定性を優れたものとすることができる。
熱可塑性樹脂層形成組成物の全樹脂成分中における熱可塑性樹脂Bの含有割合は、密着性及び物性の経時的安定性の観点から、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂層形成組成物中には、電離放射線硬化性樹脂Cを含有していてもよい。電離放射線硬化性樹脂Cを含有することにより、熱可塑性樹脂層が極端に柔らかくなることによるハードコート層の硬度の低下を防止できる。しかし、その一方、熱可塑性樹脂層形成組成物に電離放射線硬化性樹脂Cを含有すると、樹脂層の耐剥離性や表面抵抗率等の物性の経時的安定性が損なわれる傾向がある。このため、熱可塑性樹脂層形成組成物中に電離放射線硬化性樹脂Cを含有させる場合、電離放射線硬化性樹脂として、分子中にラジカル重合性不飽和基を2以上有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることにより、表面抵抗率の経時的安定性や耐剥離性が悪化することを抑えつつ、ハードコート層の硬度が低下することを防止できる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、電離放射線硬化性樹脂Aで例示したものを用いることができる。
熱可塑性樹脂層形成組成物に電離放射線硬化性樹脂Cを含む場合、表面抵抗率等の物性の経時安定性(電離放射線硬化性樹脂Cの反応による導電剤の間隔の変化による表面抵抗率が変化しないこと等)と、樹脂層の耐剥離性のバランスの観点から、熱可塑性樹脂Bを100質量部に対して、電離放射線硬化性樹脂Cを50質量部以下とすることが好ましく、10〜30質量部とすることがより好ましい。
熱可塑性樹脂層に導電性を付与して第一導電層とする場合、熱可塑性樹脂層形成組成物に導電剤を含有させればよい。
導電剤としては、第4級アンモニウム塩、リチウム塩等のイオン伝導型導電剤、金属微粒子、金属酸化物微粒子、カーボンナノチューブ、コーティング微粒子、ポリエチレンジオキシチオフェン系粒子等の電子伝導型導電剤が挙げられ、湿度による影響を受けにくい電子伝導型導電剤が好適に使用される。また、電子伝導型導電剤の中でも、長期保管、耐熱性、耐湿熱性、耐光性が良好である、という観点から金属酸化物微粒子が好ましい。
金属微粒子を構成する金属としては特に限定されず、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、Pd、Pt等が挙げられる。
金属酸化物微粒子を構成する金属酸化物としては特に限定されず、例えば、酸化錫(SnO2)、酸化アンチモン(Sb25)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、フッ素化酸化スズ(FTO)、ZnO等が挙げられる。
コーティング微粒子としては特に限定されず、例えば、コア微粒子の表面に導電性被覆層が形成された構成の従来公知の微粒子が挙げられる。コア微粒子としては特に限定されず、例えば、コロイダルシリカ微粒子、酸化ケイ素微粒子等の無機微粒子、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等のポリマー微粒子、有機質無機質複合体粒子等の微粒子が挙げられる。また、導電性被覆層を構成する材料としては特に限定されず、例えば、上述した金属又はこれらの合金や、上述した金属酸化物等が挙げられる。
電子伝導型導電剤は、平均粒子径が6〜40nmであることが好ましい。6nm以上とすることにより、電子伝導型導電剤どうしが第一導電層中で接触しやすくなるため、十分な導電性を付与するための導電剤の添加量を抑えることができ、40nm以下とすることにより、透明性やその他の層との間の密着性が損なわれることを防止することができる。電子伝導型導電剤の平均粒子径のより好ましい下限は7nm、より好ましい上限は20nmである。なお、電子伝導型導電剤の平均粒子径は、TEM観察を行い、10個の電子伝導型導電剤の粒子径を測定し、得られた値を平均化した値である。
電子伝導型導電剤は、鎖状又は針状であることが好ましい。このような形状の電子伝導型導電剤は、第一導電層に変形(硬化収縮あるいは温湿度による伸縮)が多少生じた場合であっても、表面抵抗率の変動を少なくすることができる。
第一導電層における電子伝導型導電剤の含有量としては、使用する電子伝導型導電剤の種類、形状及び大きさ等に応じて適宜調整されるが、例えば、樹脂成分100質量部に対して、100〜300質量部であることが好ましく、150〜250質量部とすることがより好ましい。100質量部以上とすることにより、第一導電層の表面抵抗率を2.0×109Ω/□以下にしやすくでき、300質量部以下とすることにより、第一導電層の表面抵抗率を1.0×108Ω/□以上にしやすくできる。
熱可塑性樹脂層の厚みは、ハードコート層の硬度の低下を防止するために、ハードコート層の厚みより薄いことが好ましい。また、ハードコート層の硬度と表面抵抗率等の物性の経時安定性の観点から、[ハードコート層の厚み]/[熱可塑性樹脂層の厚み]の比が、1.5〜50であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、5〜15であることがさらに好ましく、10〜13であることがよりさらに好ましい。
なお、ハードコート層及び熱可塑性樹脂層の厚みは、断面を電子顕微鏡(例えば、SEM、TEM、STEM等)を用いて観測し、測定した値である。
(プライマー層)
本発明のハードコートフィルムは、ハードコート層よりも延伸ポリエステルフィルム側にプライマー層を有することが好ましい。プライマー層は、延伸ポリエステルフィルムに接して形成されていることが好ましい。
プライマー層を設ける場合、電離放射線硬化性樹脂Bを含むプライマー層形成組成物から形成することが好適である。通常、プライマー層としては、密着性や塗膜の収縮によるカール防止の観点から、熱可塑性樹脂を用いることが多い(例えば、特開平5−186621号公報、特開平11−42751号公報、特開平11−300918号公報、特開平11−300928号公報)。特に、本発明のように基材の厚みが薄い場合、カールが発生しやすいことから、硬化性樹脂(特に電離放射線硬化性樹脂)の使用は避けられる傾向にある。しかし、本発明者らは、あえて電離放射線硬化性樹脂を用いることによって、ポリエステルフィルムからの樹脂層の剥離を防止しやすくすることができることを見出した。この理由は、プライマー層に電離放射線硬化性樹脂を用いた場合、プライマー層の架橋性が良好となり、プライマー層上に他の層を形成する際のリコート性を良好にできるためと考えられる。
また、本発明では、電離放射線硬化性樹脂Bを含むプライマー層形成組成物からプライマー層を形成することにより、導電性ハードコートフィルムの導電性を良好にすることができる。これは、プライマー層が電離放射線によって十分に架橋することにより、第一導電層がプライマー層と混ざり合うことが防止されるためと考えられる。
電離放射線硬化性樹脂Bとしては、電離放射線硬化性樹脂Aで例示した汎用の重合性モノマーや重合性オリゴマー等を用いることができる。なお、耐剥離性、密着性及び強度の観点からは、電離放射線硬化性樹脂Bとして、ウレタン(メタ)アクリレートモノマーあるいはオリゴマーと、ポリエステル(メタ)アクリレートモノマーあるいはオリゴマーとを併用することが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、ポリエステル(メタ)アクリレートモノマーとを併用することがより好ましく、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、多官能ポリエステル(メタ)アクリレートモノマーとを併用することがさらに好ましい。また、その際、ウレタン(メタ)アクリレートモノマーあるいはオリゴマーと、ポリエステル(メタ)アクリレートモノマーあるいはオリゴマーとは、質量比で1:10〜10:1とすることが好ましい。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、上述のように、例えば、水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマーと、イソシアネート系化合物とを原料として、これらの反応により得ることができる。多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)が1,000〜20,000であることが好ましく、2,000〜15,000であることがより好ましい。
多官能ポリエステル(メタ)アクリレートモノマーとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。多官能ポリエステル(メタ)アクリレートモノマーの分子量は、1,000未満が好ましく、200〜800がより好ましい。
プライマー層形成組成物の全樹脂成分における電離放射線硬化性樹脂Bの含有割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることがよりさらに好ましい。
プライマー層の厚みは、ハードコート層の硬化収縮による応力緩和、密着性向上及びハードコートフィルムの薄膜化のバランスの観点から、0.05〜0.50μmであることが好ましく、0.20〜0.30μmであることがより好ましい。また、前記観点から、[ハードコート層の厚み]/[プライマー層の厚み]の比は、5〜50であることが好ましく、10〜40であることがより好ましく、20〜35であることがさらに好ましく、25〜30であることがよりさらに好ましい。なお、ハードコート層及びプライマー層の厚みは、断面を電子顕微鏡(例えば、SEM、TEM、STEM等)を用いて観測し、測定した値である。
<アース処理>
導電性ハードコートフィルムは、表示装置の不具合を適切に防止するために、第二導電層表面からアース処理を行うことが好ましい。
導電性ハードコートフィルムを各種表示素子上に設置する場合、他の部材(偏光板等)と貼り合わせて用いることがあり、その際、第二導電層が表面に露出しなくなる場合がある。したがって、表示素子上に設置する前に、第二導電層表面からアース処理を行うことが好ましい。
アース処理は、第二導電層の表面を他の導電性部材に接続する手法が挙げられる。この際、導電層の表面と、他の導電性部材とは、導線を介して接続されていることが好ましい。また、導線は、銀ペースト、カーボンテープ、金属テープ等の導電性接着材料により第二導電層表面に固着されていることが好ましい。
アース処理は、第二導電層の表面の1箇所であってもよいし、複数個所であってもよい。また、他の導電性部材は、光学特性に影響を与えない観点から、ハードコートフィルムの有効面積外(画像を視認できる範囲外)の場所となる、第二導電層の外縁や、ハードコートフィルムの系外に設置することが好ましい。
第二導電層上の導電性接着材料の面積は1mm2〜1cm2とすることが好ましい。該面積を1mm2以上とすることにより、第二導電層中の複数の導通微粒子が導電性接着材料に接触し、アース処理をより有効なものとすることができ、該面積を1cm2以下とすることにより、外側からアース部分を視認出来ないようにできる。
第二導電層の表面と接続又は密着する他の導電性部材は、アース処理をより効果的にする観点から、体積抵抗率が1.0×106Ωm以下であることが好ましく、1.0×103Ωm以下であることがより好ましく、1.0Ωm以下であることがさらに好ましく、1.0×10-3Ωm以下であることが特に好ましい。
このような他の導電性部材としては、ケイ素、炭素、鉄、アルミニウム、銅、金、銀や、ニクロム等の合金等が挙げられる。
(ハードコートフィルムの層構成)
本発明のハードコートフィルムの層構成は、例えば、以下(1)〜(8)のものが挙げられる。なお、「/」は層の界面を示す。
(1)延伸ポリエステルフィルム/プライマー層/熱可塑性樹脂層(非導電性)/ハードコート層(導通微粒子非含有)
(2)延伸ポリエステルフィルム/プライマー層/ハードコート層(導通微粒子非含有)
(3)延伸ポリエステルフィルム/熱可塑性樹脂層(非導電性)/ハードコート層(導通微粒子非含有)
(4)延伸ポリエステルフィルム/プライマー層/熱可塑性樹脂層(第一導電層)/ハードコート層(第二導電層)
(5)剥離可能なフィルム/接着剤層/延伸ポリエステルフィルム/プライマー層/熱可塑性樹脂層(非導電性)/ハードコート層(導通微粒子非含有)
(6)剥離可能なフィルム/接着剤層/延伸ポリエステルフィルム/プライマー層/ハードコート層(導通微粒子非含有)
(7)剥離可能なフィルム/接着剤層/延伸ポリエステルフィルム/熱可塑性樹脂層(非導電性)/ハードコート層(導通微粒子非含有)
(8)剥離可能なフィルム/接着剤層/延伸ポリエステルフィルム/プライマー層/熱可塑性樹脂層(第一導電層)/ハードコート層(第二導電層)
本発明のハードコートフィルムは、偏光板、位相差板等の他の光学部材とともに、液晶表示素子、インセルタッチパネル液晶表示素子、EL表示素子、プラズマ表示素子等の各種表示素子の前面板用部材や、タッチパネルの構成部材等として用いることができる。本発明のハードコートフィルムを表示素子の前面板用部材や、タッチパネルの構成部材等として用いることにより、偏光サングラスによる視認性を良好にしつつ、表示素子やタッチパネルを薄型化することができ、さらに基材上の樹脂層が剥離することもない。また、その際導電性ハードコートフィルムを用いることにより、表示装置の静電気による不具合を防止することができる。
なお、各種表示素子の前面板用部材や、タッチパネルの構成部材等として本発明のハードコートフィルムを用いる場合、取り扱い性の観点から、偏光板、位相差板等の他の部材と貼り合わせて用いることが好ましい。例えば、液晶表示素子の前面板に用いる場合、本発明のハードコートフィルムと偏光板とを貼り合わせることが好ましい。偏光板と本発明のハードコートフィルムとを貼り合わせることにより、本発明のハードコートフィルムを偏光板保護フィルムとして作用させることができ、表示装置をより一層薄型化することができる。本発明のハードコートフィルムを偏光板等の他の部材に貼り合わせる際の向きは特に限定されないが、導電性ハードコートフィルムの場合、導電性の経時的安定性の観点から、ハードコートフィルムのハードコート層側を偏光板等の他の部材と貼り合わせることがより好ましい。
[表示装置]
本発明の表示装置は、表示素子の前面に、本発明のハードコートフィルムを有してなるものである。
表示素子としては、液晶表示素子、インセルタッチパネル液晶表示素子、EL表示素子、プラズマ表示素子等が挙げられる。
インセルタッチパネル液晶素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶素子の内部に、抵抗膜式、静電容量式、光学式等のタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル液晶素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。
インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
表示素子上には、例えば以下(1)〜(3)の順で各部材を設置することができる。なお、「/」は各部材の界面を示す。
(1)表示素子/ハードコートフィルム/位相差板/偏光板
(2)表示素子/位相差板/偏光板/ハードコートフィルム
(3)表示素子/位相差板/ハードコートフィルム/偏光板
上記(1)〜(3)の態様において、最表面には、ガラス板やプラスチック板等の表面保護板を設置することが好適である。各部材間は接着剤等で接着されていることが好ましい。
[薄型ハードコートフィルムの塗膜密着性の改良方法]
本発明の薄型ハードコートフィルムの塗膜密着性の改良方法は、厚みが4〜12μm、配向度が2.0以下である延伸ポリエステルフィルム上に、ハードコート層を含む一以上の樹脂層を有するハードコートフィルムを作製する際に、前記ハードコート層を電離放射線硬化性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成し、前記一以上の樹脂層として下記条件で測定するカール値が14mm以下となるものを選択し、かつ、[延伸ポリエステルフィルムの厚み]/[ハードコート層の厚み]の比を0.7〜4.0とするものである。
[カール値]
前記一以上の樹脂層を構成する各層を形成する組成物を、厚み25μm、配向度1.5の延伸ポリエステルフィルム上に、塗布、乾燥、電離放射線照射して各層を順に形成し、5分間放置後に10cm四方にサンプルを切り出した後、水平な台上に、ポリエステルフィルム側が台の側を向くようにしてサンプルを置く。サンプルの四隅が台から浮いている高さを測定し、四隅の平均値を該サンプルのカール値とする。
本発明の薄型ハードコートフィルムの塗膜密着性の改良方法によれば、ハードコートフィルムの製造時や経時的に樹脂層が剥離することを防止できる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例において、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
<配向度の測定>
実施例及び比較例で用いた二軸延伸ポリエステルフィルムA〜Cの配向度を、UVIR FTS600(Bio−Rad社製、FT−IR)を用いて、下記の方法で測定した。
二軸延伸ポリエステルフィルムの配向度は、配向パラメータYより定義し、配向パラメータYの測定は、FTIR−S偏光ATR法の1回反射における赤外線吸収スペクトル解析により行った。
すなわち、二軸延伸ポリエステルフィルムの測定面を1回反射ATR付属装置にセットし、1回反射のスペクトルを測定し、ベースラインを適正化した後に1340cm-1における吸収強度(I1340) と1410cm-1における吸収強度(I1410)とを数値化する。ここで、1340cm-1の吸収バンドは、ωCH2縦揺れ振動で、トランス体の存在を示し、その強度はトランス体の濃度、すなわちポリエステル分子が伸張された、配向の強い状態を定量的に示すものである。1410cm-1の吸収バンドは、C=C伸縮振動で、面内回転での吸収強度が一定となるために、基準バンドとして吸収強度の規格化を実施するためのものである。また、配向パラメータYは式で表され、配向分布は、二軸延伸ポリエステルフィルムの配向軸方向を起点として、10°毎に面内回転させ、0°〜170°の範囲でそれぞれ同様に測定する。二軸延伸ポリエステルフィルムの配向軸の方向は、光源の上に、偏光板iと偏光板iiとがクロスニコル状態となるように設置し、さらに偏光板iとiiとの間に二軸延伸ポリエステルフィルムを設置し、該ポリエステルフィルムを回転させて最も輝度が低くなった時の偏光板iiの吸収軸と平行な方向を該ポリエステルフィルムの配向軸方向とした。
Y=I1340/I1410
このようにして測定した18点の配向パラメータYの中での最大値をYmax、最小値をYminとして、Ymax/Yminを二軸延伸ポリエステルフィルムの配向度とした。
<カール値の測定>
各実施例及び比較例の一以上の樹脂層について、カール値を測定した。
厚み25μm、配向度1.5の二軸延伸ポリエステルフィルム上に、各実施例及び比較例と同様の条件で一以上の樹脂層を構成する各層を形成し、5分間放置後に10cm四方にサンプルを切り出した後、水平な台上に、ポリエステルフィルム側が台の側を向くようにしてサンプルを置く。サンプルの四隅が台から浮いている高さを測定し、四隅の平均値を該サンプルのカール値とする。10個のサンプルのカール値を測定し、その平均をカール値とした。
<塗膜の剥離>
実施例及び比較例のハードコートフィルムの一以上の樹脂層の基材からの剥離の程度を目視で評価した。樹脂層の80%以上の面積が基材から剥離せず密着しているものを◎、50%以上80%未満の面積が剥離せず密着しているものを〇、剥離せず密着している面積が50%未満のものを×とした。
<偏光サングラスによる視認性>
液晶素子上に、実施例及び比較例のハードコートフィルムを、厚み20μmの接着層(b)を介して貼り合わせ、画面を白表示もしくは略白表示にして、市販の偏光サングラス越しに、もしくは偏光板越しに様々な角度から目視で虹模様のムラが視認できるかどうかを評価した。
○:虹模様が視認できない
×:虹模様が視認される
<鉛筆硬度>
ハードコート層表面を、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS S−6006に規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度評価方法に従い、4.9Nの荷重にて、ハードコート層表面の鉛筆硬度を測定した。
<表面抵抗率>
JIS K6911に基づき、ハードコートフィルム(実施例5のハードコートフィルムは除く)製造直後のハードコート層の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。高抵抗率計ハイレスターUP MCP−HT450(三菱化学社製)を用い、プローブにはURSプローブ MCP−HTP14(三菱化学社製)を使用、温度25±4℃、湿度50±10%の環境下で500Vの印加電圧にて表面抵抗率(Ω/□)の測定を実施した。
<表面抵抗率の経時安定性>
ハードコートフィルム(実施例5のハードコートフィルムは除く)を80℃で100時間保持した後のハードコート層の表面抵抗率(Ω/□)を測定し、(80℃100時間保持後の表面抵抗率)/(製造直後の表面抵抗率)の比を算出した。また、ハードコート層の表面を100gの荷重をかけたスチールウール(No.0000)で10往復(ストローク100mm)擦り、ハードコート層表面に擦傷痕が視認されるか否かについて目視で確認した。その結果、前記比が0.5以上3未満でかつ擦傷痕が観察されないものを「◎」、前記比が0.5以上3未満であるが擦傷痕が観察されたものを「〇」とした。
<二軸延伸ポリエステルフィルム>
以下の二軸延伸ポリエステルフィルムを準備した。
・二軸延伸ポリエステルフィルム1(厚み10μm、配向度1.1、波長589.3nmの位相差110nm)
・二軸延伸ポリエステルフィルム2(厚み5μm、配向度0.8、波長589.3nmの位相差185nm)
・二軸延伸ポリエステルフィルム3(厚み38μm、配向度2.1、波長589.3nmの位相差1275nm)
<ウレタンアクリレートオリゴマーの合成>
温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート(ダイセルヒュルス社製、IPDI)10.6部、溶剤としてN−メチルピロリドン10.0部、酢酸エチル20.0部を加え、40℃以下に保ちながら滴下ロートよりN,N´−ジメチルアミノプロピルアミン1.1部を20分かけて滴下した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート300)38.3部及び触媒としてオクチル酸スズ0.0001部を加え80℃に昇温し、2時間保温しウレタン化反応を続け、ウレア変性されたウレタンアクリレートオリゴマーA1を得た(重量平均分子量1,300、平均官能基数6)。
[実施例1]
(1)プライマー層の形成
二軸延伸ポリエステルフィルム1上に、下記の処方からなるプライマー層形成組成物Xを、スリットリバースコートにより、乾燥塗布厚みが0.25μmとなるように塗布し、60℃で2分乾燥し、照射量150mJ/cm2で紫外線照射し、プライマー層を形成した。
<プライマー層形成組成物X>
多官能ウレタンアクリレートオリゴマー、ペンタエリスリトールトリアクリレート、及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(日本合成化学工業株式会社製、UV5501)5部を、トルエン47.5部、メチルエチルケトン47.5部で希釈したもの。
(2)熱可塑性樹脂層の形成
DNPファインケミカル社製のHRAGアクリル(25)MIBK(熱可塑性樹脂、重量平均分子量7万、ガラス転移温度100℃)をプロピレングリコールモノメチルエーテル中に溶解させ、さらに日揮触媒化成社製のV3560(ATO分散液、ATO平均粒子径8nm)を添加して攪拌し、最終固形分8%、熱可塑性樹脂:ATOの比率が100:200(質量比)となるよう調整し、熱可塑性樹脂層形成用組成物Yを得た。
プライマー層上に、熱可塑性樹脂層形成用組成物Xを、スリットリバースコートにより、乾燥塗布厚みが0.6μmとなるように塗布し、60℃で2分乾燥し、熱可塑性樹脂層(第一導電層)を形成した。
(3)ハードコート層の形成
次いで、熱可塑性樹脂層(第一導電層)上に、下記手法によりハードコート層(第2導電層)を形成した。
(ハードコート層の形成)
ウレタンアクリレートオリゴマーA1と、DNPファインケミカル社製のHRAGアクリル(25)MIBK(熱可塑性樹脂)とを、前記2成分の固形分が順に70部、30部となるように、メチルエチルケトン(MEK)/イソプロパノール(IPA)の混合溶剤中に添加して攪拌し溶解させて、溶液aを得た。
次いで、溶液aの固形分100部に対して、光重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184)を4質量部、レベリング剤(大日精化工業社製、10−301(TL))を0.2部添加し攪拌し、溶液bを調製した。
次いで、溶液bの樹脂成分100部に、導通微粒子分散液(DNPファインケミカル社製、ブライト分散液、導通微粒子の平均粒子径4.6μm、固形分25%)を有効成分が0.83部となるように添加して攪拌を行い、最後に紫外線吸収剤(BASFジャパン社製、TINUVI477)を溶液bの固形分100部に対して6部となるよう添加して攪拌し、総固形分25%のハードコート層形成組成物Zを得た。
このハードコート層形成組成物Zを先に形成した熱可塑性樹脂層(第1導電層)上にスリットリバースコートにより、乾燥後の塗布厚みが7μmとなるように塗布して塗膜を形成した。得られた塗膜を70℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射量80mJ/cm2で紫外線を照射して塗膜を硬化させ、厚み7μmのハードコート層(第2導電層)を形成し、ハードコートフィルムを得た。
[実施例2]
二軸延伸ポリエステルフィルム1を二軸延伸ポリエステルフィルム2に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
[実施例3]
ハードコート層形成組成物Z中のウレタンアクリレートオリゴマーA1を、多官能ポリエステルアクリレートオリゴマー(東亞合成社製:M−9050、重量平均分子量418、平均官能基数3)に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
[実施例4]
熱可塑性樹脂層を形成せず、プライマー層上に直接、下記処方のハードコート層形成組成物を用いてハードコート層を形成した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
<実施例4のハードコート層形成組成物>
ハードコート層形成組成物Zに導通微粒子分散液を含有させなかったもの。
[実施例5]
ハードコート層の厚みを2.5μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
[実施例6]
ハードコート層の厚みを10μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
[比較例1]
二軸延伸ポリエステルフィルム1を二軸延伸ポリエステルフィルム3に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
[比較例2]
ハードコート層形成組成物Z中のウレタンアクリレートオリゴマーA1を、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製:KAYARAD PET−30)に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
[比較例3]
ハードコート層形成組成物Z中のウレタンアクリレートオリゴマーA1を、ジペンタエリスリトールヘキサクリレート(日本化薬社製:KAYARAD DPHA)に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
[比較例4]
プライマー層形成組成物Xを以下のものに変更し、プライマー層の形成過程で紫外線を照射しなかった以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
<比較例5のプライマー層形成組成物>
・ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン200) 5部
・メチルエチルケトン 66部
・トルエン 33部
[比較例5]
プライマー層形成組成物Xを以下のものに変更し、プライマー層の形成過程で紫外線を照射しなかった以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
<比較例5のプライマー層形成組成物>
・ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン290) 5部
・メチルエチルケトン 66部
・トルエン 33部
[比較例6]
ハードコート層の厚みを1μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
[比較例7]
ハードコート層の厚みを15μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
Figure 0006442869
表1の結果から、実施例1〜6のハードコートフィルムは、偏光サングラスによる視認性、薄型化及び塗膜の耐剥離性を同時に満足することができることが分かる。
また、実施例1〜3、5〜6のハードコートフィルムのハードコート層(第2導電層)の表面からアース処理を行い、該アース処理されたハードコートフィルムを表示装置上に配置することにより、静電気による表示装置の白化等の不具合を防止することができた。

Claims (15)

  1. 厚みが4〜12μm、配向度が2.0以下であり、550nmの位相差が80〜170nmである延伸ポリエステルフィルム上に、ハードコート層を含む一以上の樹脂層を有してなり、前記ハードコート層は電離放射線硬化性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成されてなり、前記一以上の樹脂層が下記条件で測定するカール値が14mm以下であり、かつ、[延伸ポリエステルフィルムの厚み]/[ハードコート層の厚み]の比が0.7〜4.0である、ハードコートフィルム。
    (カール値)
    前記一以上の樹脂層を構成する各層を形成する組成物を、厚み25μm、配向度1.5の延伸ポリエステルフィルム上に、塗布、乾燥、電離放射線照射して各層を順に形成し、5分間放置後に10cm四方にサンプルを切り出した後、水平な台上に、ポリエステルフィルム側が台の側を向くようにしてサンプルを置く。サンプルの四隅が台から浮いている高さを測定し、四隅の平均値を該サンプルのカール値とする。
  2. 前記一以上の樹脂層として、前記ハードコート層より前記延伸ポリエステルフィルム側にプライマー層を有し、該プライマー層が、電離放射線硬化性樹脂Bを含むプライマー層形成組成物から形成されてなる、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記電離放射線硬化性樹脂Bが、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリエステル(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記ハードコート層が、電離放射線硬化性樹脂A及び熱可塑性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成されてなる、請求項1〜3の何れかに記載のハードコートフィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂Aが、分子中に反応性官能基を有さない熱可塑性樹脂である、請求項4に記載のハードコートフィルム。
  6. 前記熱可塑性樹脂Aが、ポリメチルメタクリレートである、請求項4又は5に記載のハードコートフィルム。
  7. 前記ハードコート層形成組成物中における電離放射線硬化性樹脂Aと熱可塑性樹脂Aとの質量比が、5:5〜9:1である、請求項4〜6の何れかに記載のハードコートフィルム。
  8. 前記一以上の樹脂層として、前記ハードコート層より前記延伸ポリエステルフィルム側に熱可塑性樹脂層を有してなる、請求項1〜7の何れかに記載のハードコートフィルム。
  9. 前記一以上の樹脂層として、前記延伸ポリエステルフィルム側から、前記プライマー層、熱可塑性樹脂層及びハードコート層をこの順に有する、請求項8に記載のハードコートフィルム。
  10. 前記熱可塑性樹脂層が熱可塑性樹脂Bを含有してなり、該熱可塑性樹脂Bは分子中に反応性官能基を有さない熱可塑性樹脂である、請求項8又は9に記載のハードコートフィルム。
  11. 前記熱可塑性樹脂層が導電剤を含有し、前記ハードコート層が導通微粒子を含有し、前記熱可塑性樹脂層と前記ハードコート層表面とが導通してなる、請求項8〜10の何れかに記載のハードコートフィルム。
  12. 前記ハードコート層表面からアース処理がされてなる、請求項11に記載のハードコートフィルム。
  13. 偏光板と、請求項1〜12の何れかに記載のハードコートフィルムとを貼り合わせてなる、表示素子の前面板。
  14. 表示素子の前面に、請求項1〜12の何れかに記載のハードコートフィルムを有してなる、表示装置。
  15. 厚みが4〜12μm、配向度が2.0以下であり、550nmの位相差が80〜170nmである延伸ポリエステルフィルム上に、ハードコート層を含む一以上の樹脂層を有してなり、前記ハードコート層は電離放射線硬化性樹脂Aを含むハードコート層形成組成物から形成されてなるハードコートフィルムを作製する際に、前記一以上の樹脂層として下記条件で測定するカール値が14mm以下となるものを選択し、かつ、[延伸ポリエステルフィルムの厚み]/[ハードコート層の厚み]の比を0.7〜4.0とする、薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法。
    [カール値]
    前記一以上の樹脂層を構成する各層を形成する組成物を、厚み25μm、配向度1.5の延伸ポリエステルフィルム上に、塗布、乾燥、電離放射線照射して各層を順に形成し、5分間放置後に10cm四方にサンプルを切り出した後、水平な台上に、ポリエステルフィルム側が台の側を向くようにしてサンプルを置く。サンプルの四隅が台から浮いている高さを測定し、四隅の平均値を該サンプルのカール値とする。
JP2014105247A 2014-05-21 2014-05-21 ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法 Active JP6442869B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014105247A JP6442869B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014105247A JP6442869B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015217654A JP2015217654A (ja) 2015-12-07
JP6442869B2 true JP6442869B2 (ja) 2018-12-26

Family

ID=54777461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014105247A Active JP6442869B2 (ja) 2014-05-21 2014-05-21 ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6442869B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102502398B1 (ko) * 2015-12-14 2023-02-21 동우 화인켐 주식회사 하드코팅 형성용 조성물 및 이를 이용한 하드코팅 필름
JP2017146456A (ja) * 2016-02-17 2017-08-24 株式会社トッパンTomoegawaオプティカルフィルム 光学積層体、これを用いた偏光板及びインセル型タッチパネル付き液晶表示装置
JP6507116B2 (ja) * 2016-03-24 2019-04-24 富士フイルム株式会社 光学フィルム、偏光板、液晶表示装置、及び光学フィルムの製造方法
JP6566133B2 (ja) * 2016-05-31 2019-08-28 大日本印刷株式会社 電池用包装材料、その製造方法、電池、及びポリエステルフィルム
CN111433933B (zh) * 2017-12-06 2022-07-08 大日本印刷株式会社 电池用包装材料、电池、它们的制造方法和聚酯膜

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5544269B2 (ja) * 2010-10-13 2014-07-09 富士フイルム株式会社 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置
WO2013133064A1 (ja) * 2012-03-07 2013-09-12 東レ株式会社 光学位相差板用ポリエステルフィルムロールおよびその製造方法
WO2013151169A1 (ja) * 2012-04-06 2013-10-10 三菱レイヨン株式会社 ハードコート層を有する積層体及びその製造方法
JP2014089269A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Dainippon Printing Co Ltd インセルタッチパネル液晶素子の前面用の光学積層体及びインセルタッチパネル液晶表示装置、並びにそれらの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015217654A (ja) 2015-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI713693B (zh) 光學積層體及其製造方法、前面板、及圖像顯示裝置
JP5201369B2 (ja) ハードコートフィルム
JP6442869B2 (ja) ハードコートフィルム、並びにこれを用いた表示素子の前面板及び表示装置、並びに薄型ハードコートフィルムの塗膜の耐剥離性の改良方法
US9523880B2 (en) Transparent conductive film, and touch panel and display device having the same
JP7039671B2 (ja) ハードコートフィルムおよびこれを含むウィンドウおよび画像表示装置
JP2008305829A (ja) 光干渉縞防止光透過型電磁波シールド材料
JP4866768B2 (ja) 帯電防止性ハードコートフィルム及びその製造方法
KR20180089070A (ko) 투명 적층체
JP2017141444A (ja) 電離放射線硬化性樹脂組成物、これを用いた光学積層体、前面板、及び画像表示装置
JP5227778B2 (ja) ハードコートフィルム、ハードコートフィルムの製造方法、透明導電性積層体、光学素子および電子機器
JP6649725B2 (ja) 導電性シート
TWI813468B (zh) 防眩薄膜以及其製造方法及用途
JP2017054141A (ja) インセルタッチパネル液晶素子の前面用の光学積層体及びインセルタッチパネル液晶表示装置、並びにそれらの製造方法
JP2014089269A (ja) インセルタッチパネル液晶素子の前面用の光学積層体及びインセルタッチパネル液晶表示装置、並びにそれらの製造方法
WO2016047478A1 (ja) 導電性シート
JP2021056513A (ja) ハードコートフィルムおよびこれを含むウィンドウおよび画像表示装置
US20210094266A1 (en) Hard coating film and window and image display device using same
JP7039669B2 (ja) ハードコートフィルムおよびこれを含むウィンドウおよび画像表示装置
WO2022092254A1 (ja) 導電性光学積層体
WO2023112700A1 (ja) センサー積層体
TWI502227B (zh) 光學級抗靜電黏著塗層、光學級抗靜電黏著塗料的製備方法以及光學級抗靜電黏著塗層的製作方法
JP2010269569A (ja) 転写用導電性フィルム、その製造法及び導電性物体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6442869

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150