JP2017146456A - 光学積層体、これを用いた偏光板及びインセル型タッチパネル付き液晶表示装置 - Google Patents

光学積層体、これを用いた偏光板及びインセル型タッチパネル付き液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電防止性、透過性、濡れ性を兼ね備えた光学積層体、これを用いた偏光板及びインセル型タッチパネル付き液晶表示装置を提供する。【解決手段】透明基材10の少なくとも一方の面に導電性を有するハードコート層11が形成された光学積層体15であって、ハードコート層11の表面抵抗値が1×108〜9×109Ω/□であり、ハードコート層11の飽和帯電圧が0.05kV以下、かつ、半減期が0.10s以下であり、全光線透過が90%以上であり、ハードコート層11表面に対する純水の接触角が85°以下であり、ハードコート層11の表面張力が30mN/m以上である、光学積層体。【選択図】図2

Description

本発明は、インセル型タッチパネル付き液晶表示装置に好適な光学積層体に関する。
近年、タッチパネルを備えた液晶表示装置として、液晶セル内にタッチパネル機能を内蔵したインセル型の液晶表示装置が種々の電子機器に利用されている。インセル型の液晶表示装置は、その構造上、光の透過率向上による高輝度化、薄型化、軽量化を図ることができる点で利点がある。ただし、インセル型の液晶表示装置では、ユーザによってタッチされる液晶表示装置の表面から深い位置に導電材があるため、指でタッチした際に生じた静電気を逃がし切れず、画面が白濁するという問題がある。
特許文献1には、インセルタッチパネル液晶素子の前面用の光学積層体として、位相差板及び偏光膜を含む光学積層体形成部材に導電層を設け、導電層の表面をアースした構成とすることによって、液晶画面の白濁を防止できることが記載されている。また、特許文献1では、当該導電層の表面抵抗率を1.0×10〜2.0×10Ω/□とすることが記載されている。
特開2014−89269号公報
高い帯電防止特性を発現するためには、導電層として機能させる樹脂層に導電剤を多量に添加する必要がある。ただし、導電剤として金属微粒子や金属酸化物を多量に用いた場合、高い透過性を得ることが困難である。また、導電層の表面にカバーガラスを貼り合わせる場合、導電層の濡れ性が悪いと、カバーガラス貼合時に粘着層との密着性が低下し、カバーガラスの浮きが生じるという問題がある。
それ故に、本発明は、帯電防止性、透過性、濡れ性を兼ね備えた光学積層体、これを用いた偏光板及びインセル型タッチパネル付き液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、透明基材の少なくとも一方の面に導電性を有するハードコート層が形成された光学積層体に関するものである。本発明に係る光学積層体は、ハードコート層の表面抵抗値が1×10〜9×10Ω/□であり、ハードコート層の飽和帯電圧が0.05kV以下、かつ、半減期が0.10s以下であり、全光線透過率が90%以上であり、ハードコート層表面に対する純水の接触角が85°以下であり、ハードコート層の表面張力が30mN/m以上である。
本発明に係る偏光板及びインセル型タッチパネル付き液晶表示装置は、上記の光学積層体を備えるものである。
本発明によれば、帯電防止性、透過性、濡れ性を兼ね備えた光学積層体、これを用いた偏光板及びインセル型タッチパネル付き液晶表示装置を提供できる。
実施形態に係るインセル型タッチパネル付き液晶表示装置の概略構成を示す断面図 実施形態に係る偏光板の断面図
図1は、実施形態に係るインセル型タッチパネル付き液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
インセル型タッチパネル付き液晶表示装置1は、背面側から順に、バックライト2と、偏光板3aと、インセル型タッチパネル付き液晶パネル4と、偏光板3bと、接着層6を介して偏光板3bに貼り合わされたカバーガラス7とを備える。尚、図1における上側が画像表示装置1の前面側(視認される側)に対応し、図1における下側が画像表示装置1の背面側に対応する。インセル型タッチパネル付き液晶パネル4は、タッチパネル機能を液晶セル内に内蔵したものである。接着層6は、例えば、透明光学粘着フィルム(OCA;Optical Clear Adhesiveフィルム)により構成される。
図2は、実施形態に係る偏光板の断面図であって、図1に示した偏光板3a及び3bの詳細構成を示す図である。
偏光板3a及び3bは、透明基材10の一方面にハードコート層11を積層した光学積層体15と、透明基材10の他方面に貼り合わされた偏光フィルム12とを備える。
る。
偏光フィルム12は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)をヨウ素等で染色して延伸して形成される。PVAフィルムからなる偏光フィルム12を透明基材10に貼り合わせる際には、接着剤としてPVA水溶液が用いられるが、透明基材10に接着性を発現させるために、透明基材10の表面にはアルカリによる鹸化処理が施される。
以下、光学積層体15について詳細を説明する。
透明基材10は、光学積層体15の基体となるフィルムである。透明基材10は、透明性及び可視光線の透過性に優れた材料で形成されるフィルムであれば、特に限定されないが、例えば、セルローストリアセテート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、アクリルポリマー、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ポリカーボネートからなるフィルムを使用できる。透明基材10の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmとすることが好ましい。
ハードコート層11は、バインダー樹脂となるアクリレートモノマーと、光重合開始剤と、導電剤とを少なくとも含有するハードコート層形成用塗工液を塗布し、塗膜を光重合により硬化させることによって形成することができる。アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート、グリセリントリアクリレート等のトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート等の3官能のアクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等の3官能以上の多官能アクリレート化合物や、これらアクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能アクリレート化合物等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。
導電剤は、ハードコート層11に導電性を付与するために添加される。本発明では、導電剤として、4級アンモニウム塩を含有し、分子量が1000〜100000のアクリルポリマーを使用する。この4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩や、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライド塩等の4級アンモニウム塩含有モノマーを他のモノマーと共重合させたものである。4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーは、親水基(4級アンモニウム塩部分)が空気中の水分を吸収することによって帯電防止機能を発現する。4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーの分子量が1000未満の場合、4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーの分子が短くなるため、ハードコート層11に形成される導電パスが細切れになりやすく、導電性が低下する。また、4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーの分子量が1000未満の場合、ハードコート層11の鉛筆硬度が低下し、光学積層体15がハードコートフィルムとして適さなくなる。4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーの分子量が100000を超える程度まで大きくなった場合、ハードコート層形成用塗液の粘度が高くなり過ぎ、スジ状の面性不良が発生し、均一な塗膜が形成できなくなる。また、4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーの分子量が100000を超える程度まで大きくなった場合、ハードコート層11表面への4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーの浮き上がりが阻害され、表面抵抗値の悪化に繋がる。
また、ハードコート層形成用塗液には、必要に応じて、防汚剤、表面調製剤、レベリング剤、屈折率調製剤、光増感剤等の他の添加剤を加えても良い。
また、ハードコート層形成用組成物には、適宜溶剤を添加しても良い。溶剤の例としては、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。
本実施形態に係る光学積層体15は、ロール・ツー・ロールで、透明基材10の少なくとも一方面に、上述したハードコート層形成用組成物の塗液をウェットコーティング法により塗布し、塗膜に電子線や紫外線等の活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させることによって形成することができる。ウェットコーティング法としては、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等の公知の方法を採用できる。また、紫外線照射により塗膜を硬化させる場合、紫外線照射の場合、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、フュージョンランプ等を使用することができる。紫外線照射量は、通常100〜800mJ/cm程度である。
本実施形態に係る光学積層体15は、以下の特性を有する。
[導電特性]
<鹸化処理前>
・ハードコート層11の表面抵抗値:1×10〜9×10Ω/□
・飽和帯電圧:0.05kV以下
・半減期:0.10s以下
<鹸化処理後>
・ハードコート層11の表面抵抗値:1×10〜9×10Ω/□
・飽和帯電圧:0.1kV以下
・半減期:0.15s以下
ここで、飽和帯電圧とは、帯電圧が飽和値に達したときの電圧をいい、半減期とは、飽和帯電圧が半分の値まで減衰するのに要する時間をいう。飽和帯電圧が低く、半減期が短いほど、静電気の拡散性が高く、帯電防止性能が良好であると言える。光学積層体15が上記の導電特性を満たさない場合、インセル型タッチパネルの帯電防止フィルムとして用いても、静電気を十分に逃がしきれず、画面の白濁を生じる可能性がある。
光学積層体15と偏光フィルム12とを貼り合わせる場合、光学積層体をアルカリで鹸化処理する必要があるが、本実施形態に係る光学積層体15は、鹸化処理前後のいずれにおいても高い導電特性を有する。
[光学特性]
・全光透過率:90%以上
光学積層体15の全光透過率が90%以上未満の場合、液晶表示装置の輝度を低下させるため、偏光板や液晶表示装置の用途には適さなくなる。
[表面特性]
<鹸化処理前>
・ハードコート層11の表面に対する純水の接触角:85°以下
・ハードコート層11の表面張力:30mN/m以上
<鹸化処理後>
・ハードコート層11の表面に対する純水の接触角:65°以下
・ハードコート層11の表面張力:34mN/m以上
図1に示したように、光学積層体15のハードコート層11上にカバーガラス7を貼り合わせる場合、カバーガラス貼合用の接着剤との密着性が必要となる。本実施形態に係る光学積層体15は、ハードコート層11の表面に適度な濡れ性があるため、カバーガラス貼合用の接着剤との高い密着性を得ることができる。
また、本実施形態に係る光学積層体15において、ハードコート層11中の塩素濃度が1000ppm以上である。ハードコート層11に含まれる塩素原子は、導電剤の4級アンモニウム塩由来のものである。導電剤以外に塩素を含有する材料を使用していない場合、塩素濃度と4級アンモニウム塩濃度とは一致する。すなわち、ハードコート層11中の4級アンモニウム塩濃度を1000ppm以上とすることによって、上述した導電特性を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る光学積層体15では、導電剤として4級アンモニウム塩を使用しているため、導電剤として金属微粒子や金属酸化物微粒子を用いた場合と同様に低抵抗を実現しつつ、導電剤として金属微粒子や金属酸化物微粒子を用いた場合と比べて、高い透過性を得ることができる。
また、本実施形態に係る光学積層体15では、4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーを使用しているため、バインダー樹脂(アクリレートモノマー)との親和性が高く、鹸化処理における導電剤の喪失が抑制される。したがって、本実施形態に係る光学積層体15では、鹸化処理後においても表面抵抗値の低下を抑制することができる。また、分子量が1000〜100000の4級アンモニウム塩含有アクリルポリマーを使用することにより、良好な導電特性とハードコート層11に必要な硬度とを得ることができる。
更に、ハードコート層11の表面に適度な塗れ性があるため、カバーガラス貼合用の接着剤との密着性に優れる。
本実施形態に係る光学積層体15は、帯電防止性、透過性、濡れ性を兼ね備えるため、タッチパネルに使用する帯電防止ハードコートフィルムとして好適に利用でき、タッチパネル機能を液晶セル内に内蔵したインセル型タッチパネル付き液晶表示装置に特に適している。
尚、上述した光学積層体15には、ハードコート層11の他に、必要に応じて、高屈折率層、低屈折率層、防汚層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等の少なくとも1層を設けても良い。
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。
(実施例1、2、比較例1、2)
厚さ25μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムの一方面に、以下の材料を表1に記載の配合比で配合したハードコート層形成用塗液を塗布し、乾燥させた。その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量200mJ/cmで紫外線照射を行うことにより塗膜を硬化させて、ハードコート層を形成し、光学積層体を作製した。
[ハードコート層形成用塗液の使用材料]
・バインダー樹脂:ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー(UA−306H、共栄社化学株式会社)
・導電剤:4級アンモニウム塩含有ポリマー(1SX、大成ファインケミカル株式会社)
・光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(Irgacure(登録商標)184、BASF社)
・レベリング剤:アクリルポリマー(TEGO(登録商標) Flow 370、Evonik社)
・溶剤1:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
・溶剤2:メチルイソブチルケトン(MIBK)
Figure 2017146456
(比較例3)
導電剤として、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)微粒子(ELCOM V3501、日揮触媒化成株式会社)を用い、表1に示す配合比で各材料を配合したハードコート層形成用塗液を用い、実施例1と同様に光学積層体を作製した。
実施例及び比較例に係る光学積層体について、表面抵抗値、飽和耐電圧、半減期、全光線透過率、表面張力、接触角及び鉛筆硬度を測定した。測定方法は以下の通りである。
<表面抵抗値>
サンプルを23℃、50%RHの環境下で24時間静置した後、JIS K 6911に準拠して、抵抗率計 ハイレスタUP MCP−HT450(株式会社三菱化学アナリテック製)を用いてハードコート層の表面抵抗値を測定した。
<飽和帯電圧、半減期>
サンプルを23℃、50%RHの環境下で24時間静置した後、JIS L 1094に準拠して、帯電電荷減衰度測定器 STATIC HONESTMETER H−0110−S4(シシド静電気株式会社製)を用いて飽和耐電圧及び半減期を測定した。測定条件は、印可電圧500V、印可時間10秒とした。
<全光線透過率>
全光線透過率は、JIS K 7105に準拠し、ヘーズメーター(NDH2000、日本電色工業株式会社)を用いて測定した。
<表面張力(表面自由エネルギー)>
表面張力は、表面張力値評価用テストペン(ダインペン、Arcotest社製)を用い、ハードコート層の表面に3cmの長さにインクを塗布した後、5秒間目視にて観察した。インクの弾きが生じない限界の表面張力を評価値とした。
<接触角>
接触角は、JIS R 3257に準拠し、純水1μlを測定面に接触、着滴させ、着滴から1.5秒後の液滴と測定面のなす角度を接触角計(LSE−B100、株式会社ニック)を用いて測定した。
<鉛筆硬度>
JIS K5600−5−4に準拠し、三菱ユニ鉛筆(三菱鉛筆株式会社製)及びクレメンス型引掻き試験機(HA−301、テスター産業株式会社製)を用いて、ハードコート層表面の鉛筆硬度を測定した。鉛筆の硬度を変えながら繰り返し試験を行って、キズによる外観の変化を目視で観察し、キズが観察されない最大の硬度を評価値とした。
上記評価は、鉛筆硬度を除き、鹸化処理前の光学積層体及び鹸化処理後の光学積層体の両方に対して行った。光学積層体の鹸化処理方法は、次の通りである。
<鹸化処理方法>
サンプルを25℃の8重量%水酸化ナトリウム水溶液に120秒間浸漬させた後、35℃の0.1N硫酸水溶液に35秒間浸漬し、水酸化ナトリウムを中和させた。その後、サンプルを、純水槽1、2、3で順にそれぞれ60秒間、30秒間、60秒間洗浄した。水分を拭き取った後、90℃のオーブンで30秒間サンプルを加熱した。
表2に実施例及び比較例に係る光学積層体の評価結果を示す。
Figure 2017146456
表2に示すように、実施例1及び2に係る光学積層体は、導電性及び透明性に優れ、鹸化処理後における導電性も維持されている。また、実施例1及び2に係る光学積層体は、カバーガラスの貼り合わせに必要な適度な濡れ性も備えていた。
これに対して、比較例1に係る光学積層体は、4級アンモニウム塩含有ポリマーの配合量が少ないため(塩素濃度が1000ppm未満)、インセル型タッチパネル付き液晶表示装置に要求される表面抵抗値が得られなかった。
比較例2に係る光学積層体は、分子量が低い(1000未満)の4級アンモニウム塩含有ポリマーを使用したため、実施例1及び2と比べて、表面抵抗値が高くなり、静電気拡散性も低下した。この導電性の悪化は、4級アンモニウム塩含有ポリマーの分子が短く、導電パスが細切れに形成されたことに起因すると考えられる。また、比較例2に係る光学積層体は、鉛筆硬度がHBであり、ハードコートフィルムに必要な硬度が得られなかった。また、比較例2に係る光学積層体は、鹸化処理後における導電特性の低下も大きかった。
比較例3に係る光学積層体は、導電剤として金属酸化物微粒子を多量に配合したため、液晶表示装置用の部材として必要な透過性が得られなかった。また、実施例1及び2と比べて、表面抵抗値が高くなり、静電気拡散性も低下した。
以上の結果より、本発明に係る光学積層体は、導電性及び透過性に優れ、適度な濡れ性を有することが確認された。
本発明は、帯電防止ハードコートフィルムとしてタッチパネル等に利用できる。
1 画像表示装置
2 バックライト
3a、3b 偏光板
4 インセル型タッチパネル付き液晶パネル
6 接着層
7 カバーガラス
10 透明基材
11 ハードコート層
12 偏光フィルム
15 光学積層体

Claims (8)

  1. 透明基材の少なくとも一方の面に導電性を有するハードコート層が形成された光学積層体であって、
    前記ハードコート層の表面抵抗値が1×10〜9×10Ω/□であり、
    前記ハードコート層の飽和帯電圧が0.05kV以下、かつ、半減期が0.10s以下であり、
    全光線透過率が90%以上であり、
    前記ハードコート層表面に対する純水の接触角が85°以下であり、
    前記ハードコート層の表面張力が30mN/m以上であることを特徴とする、光学積層体。
  2. 鹸化処理後の前記光学積層体において、
    前記ハードコート層の表面抵抗値が1×10〜9×10Ω/□であり、
    飽和帯電圧0.1kV以下、かつ、半減期が0.15s以下であり、
    全光線透過率が90%以上であり、
    前記ハードコート層に対する純水の接触角が65°以下であり、
    前記ハードコート層の表面張力が34mN/m以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記ハードコート層中に導電剤を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の光学積層体。
  4. 前記導電剤が4級アンモニウム塩を含有する材料であることを特徴とする、請求項3に記載の光学積層体。
  5. 前記ハードコート層中の塩素濃度が1,000ppm以上であり、
    前記導電剤が、4級アンモニウム塩を含有する分子量1,000〜100,000のアクリルポリマーであることを特徴とする、請求項4に記載の光学積層体。
  6. 前記透明基材が、セルローストリアセテート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、アクリルポリマー、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ポリカーボネートのいずれかのフィルムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の光学積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学積層体と、
    偏光フィルムとを備える、偏光板。
  8. 請求項7記載の偏光板を備える、インセル型タッチパネル付き液晶表示装置。
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