JP2017141444A - 電離放射線硬化性樹脂組成物、これを用いた光学積層体、前面板、及び画像表示装置 - Google Patents

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佳奈 山本
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Abstract

【課題】シクロオレフィンポリマーフィルムに対し優れた密着性を有する透明導電層を形成しうる電離放射線硬化性樹脂組成物、これを用いた光学積層体、前面板、及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】[1]分子内に脂環式炭化水素構造を有する電離放射線硬化性樹脂(A)及び導電性粒子を含む、シクロオレフィンポリマーフィルムに透明導電層を形成するための電離放射線硬化性樹脂組成物、[2]基材フィルム、透明導電層、及び表面保護層を順に有する光学積層体であって、該基材フィルムがシクロオレフィンポリマーフィルムであり、該透明導電層が上記[1]に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である光学積層体、並びに、[3]該光学積層体を有する前面板及び画像表示装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、シクロオレフィンポリマーフィルム上に透明導電層を形成するための電離放射線硬化性樹脂組成物、これを用いた光学積層体、前面板、及び画像表示装置に関する。
近年、スマートフォン、タブレット端末を代表する携帯型液晶端末には、タッチパネル機能が搭載されている。タッチパネルの方式には、静電容量式、光学式、超音波式、電磁誘導式、抵抗膜式などが知られている。その中でも、指先と導電層との間での静電容量の変化を捉えて入力する静電容量式のタッチパネルは、抵抗膜式と並び、現在のタッチパネルの主流となってきている。
このようなタッチパネル機能を搭載した液晶表示装置は、従来は液晶表示装置上にタッチパネルを取り付けた外付け型が主流であった。外付け型は、液晶表示装置とタッチパネルとを別々に製造した後に一体化するため、いずれか一方に不良があっても片方は利用可能であり、歩留まりに優れるものであるが、厚みや重さが増えるという問題があった。
このような問題を解消するものとして、液晶表示装置の液晶表示素子と偏光板との間にタッチパネルを組み込んだ、いわゆるオンセル型のタッチパネル搭載液晶表示装置が登場している。そして、さらに近年では、オンセル型よりもさらに厚みや重さを低減するものとして、タッチ機能を液晶表示素子の中に組み込んだ、いわゆるインセル型のタッチパネルを搭載した液晶表示装置(インセルタッチパネル搭載液晶表示装置)が開発され始めている。
インセルタッチパネル搭載液晶表示装置は、タッチ機能を組み込んだ液晶表示素子上に、種々の機能を有するフィルム等を接着層を介して貼り合わせた光学積層体を設置した構成からなっている。種々の機能を有するフィルム等とは、例えば、位相差板、偏光子、偏光子の保護フィルム、カバーガラス等が挙げられる。
インセルタッチパネル搭載液晶表示装置を軽量化、薄型化するために、表示素子上に設けられる光学積層体を工夫する試みがなされている。その方法として、光学積層体を特定の層構成にして該光学積層体を構成する部材を削減することや、該光学積層体を構成するフィルムの厚みを薄くすることなどが挙げられる。
また、各方式のタッチパネルの中でも、静電容量式のタッチパネルでは、安定した動作性を発現する観点から、タッチパネルセンサー部の電位が安定していることが特に重要である。静電容量式タッチパネルの安定した動作性を確保するためには等電位面が必要であり、かつ、該等電位面が環境変化による影響を受けず、経時安定性を有することがより好ましい。そのために、表示素子上に設けられる前記光学積層体を特定の層構成とすることが検討されている。
例えば特許文献1,2には、特定の層構成及び厚みを有するインセルタッチパネル液晶表示素子の前面用の光学積層体が開示されている。液晶表示素子よりも操作者側に位置する光学積層体の任意の箇所にタッチパネルセンサーとは異なる2種類の導電層を設けることで、タッチパネル表面を低導電率で且つ導電性の経時変化が少ないものとすることができる。
またタッチパネルを搭載した液晶表示装置においては、従来の外付け型やオンセル型では、液晶表示素子より操作者側に位置していたタッチパネルが導電性部材として働いていたが、インセル型への切り替えにより、液晶表示素子よりも操作者側に導電性部材が存在しなくなる。これによりインセル型のタッチパネルを搭載した液晶表示装置は、タッチパネルを指でタッチした際に液晶画面が部分的に白濁するという問題が生じていた。この白濁は、タッチパネル表面で発生した静電気を逃がすことができないために起こるものである。しかしながら、特許文献1,2にでは、液晶表示素子よりも操作者側に位置する光学積層体の任意の箇所に導電層を設けることで、該表面で生じた静電気を逃がし、上記白濁も防止できることも見出されている。
さらにタッチパネル搭載液晶表示装置においては、偏光サングラスを通しての視認性を改良する検討も行われている。当該視認性の改良とは、表示素子よりも視認者側に光学積層体を配置した際に、偏光サングラスを通して見た表示画面に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」ともいう)が観察される場合があり、これを改良するものである。当該視認性の改良方法としては、偏光子よりも視認者側となる位置に直線偏光を乱す光学異方性を有する層を設ける方法が知られている。
例えば前述の特許文献1には、位相差板、偏光子及び透明基材をこの順に有し、さらに導電層を有してなり、該透明基材として前記偏光子から出射される直線偏光を乱す光学異方性を有するものを用いた、特定の層構成及び厚みを有するインセルタッチパネル液晶表示素子の前面用の光学積層体が開示されている。特許文献2には、位相差板、偏光子及び表面保護フィルムをこの順に有し、さらに導電層を有してなり、該表面保護フィルムとして前記偏光子から出射される直線偏光を乱す光学異方性を有するものを用いた、特定の厚みを有するインセルタッチパネル液晶表示素子の前面用の光学積層体が開示されている。
上記直線偏光を乱す光学異方性を有する透明基材又は表面保護フィルムとしては、1/4波長位相差のプラスチックフィルム等が挙げられる。通常、該プラスチックフィルムは延伸フィルムである。しかしながら、一般的な延伸処理を施した延伸フィルムの光軸の向きは、その幅方向に対して、平行方向あるいは直交方向であるため、直線偏光子の透過軸と1/4波長位相差のプラスチックフィルムの光軸を合わせるように貼り合わせるためには、該フィルムを斜め枚葉に裁断する必要がある。そのため製造工程が煩雑になる上、斜めに裁断するため、無駄になるフィルムが多いという問題があった。また、タッチパネルの製造にあたりロールトゥロールで製造することができず、連続的製造が困難であるという問題もある。
特許文献3には、ロールトゥロールなどによる連続的な製造が可能で、光学的にも好適な静電容量式タッチパネルセンサーとして、斜め延伸フィルムの少なくとも一方の面上に直接または間接的に導電層を有する静電容量式タッチパネルセンサーが開示されている。該斜め延伸フィルムを用いることでロールトゥロールによる連続的な製造が可能になる。また該斜め延伸フィルムに使用される材料としては、シクロオレフィンポリマーが特に好ましいものとして挙げられている。
国際公開第2014/069377号 国際公開第2014/069378号 特開2013−242692号公報
シクロオレフィンポリマーフィルムは低極性であることから、樹脂成分からなる層との密着性が低いことが一般に知られている。したがって、該フィルムに樹脂成分からなる層を直接設ける場合には、コロナ処理などによる表面処理を行わなければ、密着性を付与することが非常に困難である。特許文献3には、静電容量式タッチパネルセンサーの導電層をコーティング法などにより製膜することが記載されているが、導電層形成用の樹脂組成物を用いてシクロオレフィンポリマーフィルム上に直接導電層を形成した際には、該フィルムと導電層との間で層間剥離が生じることが懸念される。特に、導電層の形成に使用する樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂組成物である場合には、該組成物の硬化収縮の影響などによりフィルムへの密着性がさらに低下するおそれがある。しかしながら特許文献3には、導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物の開示もない。
また、特許文献3に開示されている導電層はタッチパネルセンサーであり、上記特許文献1及び2に開示されている、タッチパネルの動作安定性を確保し、かつタッチパネル表面で生じた静電気を逃がすために設けられる導電層とは機能が全く異なるものである。タッチパネルセンサーとしての導電層にはより高い導電性が必要とされ、その表面抵抗率は好ましくは100〜1000Ω/□である(特許文献3の段落0027参照)。通常、タッチパネルセンサーとしての導電層を形成するには、絶縁性の高い樹脂成分を多く含む樹脂組成物を用いることは一般的ではなく、例えば特許文献3の実施例に記載されているようにインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタリングにより製膜する方法などが用いられる。
本発明は、シクロオレフィンポリマーフィルムに対し優れた密着性を有する透明導電層を形成しうる電離放射線硬化性樹脂組成物、これを用いた光学積層体、前面板、及び画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の電離放射線硬化性樹脂及び導電性粒子を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[5]に関する。
[1]分子内に脂環式炭化水素構造を有する電離放射線硬化性樹脂(A)及び導電性粒子を含む、シクロオレフィンポリマーフィルムに透明導電層を形成するための電離放射線硬化性樹脂組成物。
[2]基材フィルム、透明導電層、及び表面保護層を順に有する光学積層体であって、該基材フィルムがシクロオレフィンポリマーフィルムであり、該透明導電層が上記[1]に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である光学積層体。
[3]上記[2]に記載の光学積層体、偏光子及び位相差板を順に有する前面板。
[4]前記光学積層体と前記偏光子とをロールトゥロールで貼り合わせる工程を有する、上記[3]に記載の前面板の製造方法。
[5]表示素子の視認者側に、上記[2]に記載の光学積層体又は上記[3]に記載の前面板が設けられた画像表示装置。
本発明の電離放射線硬化性樹脂組成物によれば、シクロオレフィンポリマーフィルム上に、該フィルムへの密着性に優れる透明導電層を容易に形成することができる。基材フィルムであるシクロオレフィンポリマーフィルム、該透明導電層、及び表面保護層を順に有する光学積層体は、その表面で生じた静電気を逃がすことができる程度の適度な導電性を有し、特に静電容量式のインセルタッチパネルを搭載した画像表示装置を構成する部材として好適に用いられる。光学積層体を構成するシクロオレフィンポリマーフィルムとして斜め延伸された1/4波長位相差フィルムを用いた場合には、該画像表示装置は、偏光サングラスを通しての視認性が良好であり、かつロールトゥロール法による連続的な製造も可能である。
本発明の光学積層体の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明の前面板の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明の画像表示装置の一実施形態を示す断面模式図である。 実施例5において、シクロオレフィンポリマー上に形成した透明導電層を採取し、透過法で測定した赤外分光(IR)スペクトルである。 実施例5で使用した電離放射線硬化性樹脂(A)単独の硬化物のIRスペクトルである。 実施例5で使用した電離放射線硬化性樹脂(B)単独の硬化物のIRスペクトルである。
[電離放射線硬化性樹脂組成物]
本発明の電離放射線硬化性樹脂組成物(以下「本発明の樹脂組成物」ともいう)は、シクロオレフィンポリマーフィルムに透明導電層を形成するための樹脂組成物であり、分子内に脂環式炭化水素構造を有する電離放射線硬化性樹脂(A)、及び導電性粒子を含むことを特徴とする。
本発明において電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電離放射線を照射することにより硬化する樹脂組成物である。電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も用いられる。
本発明の樹脂組成物を用いることで、シクロオレフィンポリマーフィルム上にコロナ処理やプライマー層形成などの煩雑な表面処理を行わなくても、該フィルムへの密着性に優れる透明導電層を容易に形成することができる。
本発明の樹脂組成物により上記効果が得られる理由は定かではないが、電離放射線硬化性樹脂(A)は分子内にシクロオレフィンポリマーと類似する低極性構造を有していること、及び、硬化収縮の発生が少ないことから、シクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性に優れると考えられる。本発明の光学積層体は透明導電層の上に表面保護層を有する構成であるが、後述するように、当該表面保護層は画像表示装置に設けられる表面保護部材よりも内側に位置することを想定したものである。したがって当該表面保護層及びその下に位置する透明導電層は、画像表示装置の最表面において該表示装置の傷つきを防止するためのハードコートと同等の硬度を有する必要はなく、前面板あるいは画像表示装置の製造工程中に傷がつかない程度の硬度を有していればよい。通常、高硬度のハードコートを形成するための電離放射線硬化性樹脂組成物としては架橋率が高いものを使用するが、該樹脂組成物は硬化収縮も増大する。しかしながら本発明における透明導電層の形成には架橋率の高い樹脂組成物を使用する必要がないため、より硬化収縮の影響を低減することができ、シクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性も向上すると考えられる。
また、上記電離放射線硬化性樹脂組成物を用いて形成された透明導電層は、表面抵抗率の面内均一性及び経時安定性にも優れるものとなる。この理由は、電離放射線硬化性樹脂(A)を含む樹脂組成物は硬化収縮の発生が少ないことから収縮応力の発生などによる変形が少なく、さらに低極性であることから低吸湿性であり、経時安定性が良好になると考えられる。
<分子内に脂環式炭化水素構造を有する電離放射線硬化性樹脂(A)>
本発明の樹脂組成物は、シクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性に優れる透明導電層を形成する観点から、分子内に脂環式炭化水素構造を有する電離放射線硬化性樹脂(A)(以下、単に「電離放射線硬化性樹脂(A)」ともいう)を含む。ここで、脂環式炭化水素構造とは、脂環式炭化水素化合物から誘導される環を意味する。該脂環式炭化水素化合物は、飽和であっても不飽和であってもよく、単環であっても、2以上の単環から構成される多環であってもよい。また、当該脂環式炭化水素構造は置換基を有していてもよい。
前記脂環式炭化水素構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等のシクロアルカン環;シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環等のシクロアルケン環;ジシクロペンタン環、ノルボルナン環、デカヒドロナフタレン環、ジシクロペンテン環、ノルボルネン環等のビシクロ環;テトラヒドロジシクロペンタジエン環、ジヒドロジシクロペンタジエン環、アダマンタン環等のトリシクロ環;などが例示されるが、これらに限定されるわけではない。
これらの中でも、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化収縮を抑制してシクロオレフィンポリマーへの密着性を向上させる観点から、前記脂環式炭化水素構造は2以上の単環から構成される多環構造を含むことが好ましく、ビシクロ環又はトリシクロ環を含むことがより好ましい。当該単環の環員数は、好ましくは4〜7、より好ましくは5〜6である。また、該環構造は、同一環員数を有する2以上の単環から構成される構成単位を含むものがより好ましい。電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化時、あるいは硬化後に収縮応力が生じたとしても歪の方向が偏らないため、形成される透明導電層のシクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性、表面抵抗率の面内均一性及びその経時安定性が良好になるからである。
特に好ましい脂環式炭化水素構造としては、下記式(1)で示されるテトラヒドロジシクロペンタジエン環及び下記式(2)で示されるジヒドロジシクロペンタジエン環から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
電離放射線硬化性樹脂(A)は、分子内に電離放射線硬化性官能基を少なくとも1つ有する。該電離放射線硬化性官能基としては特に制限されないが、硬化性及び硬化物の硬度の観点からラジカル重合性官能基であることが好ましい。ラジカル重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合含有基が挙げられる。なかでも、硬化性の観点からは(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂(A)の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート;ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールルジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−1,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−2,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−3,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−メチル−4−イソプロピル−5,6−ジメチロールジ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、硬化収縮が過度に発生し、また硬化物の柔軟性が低下してシクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性が低下するのを防止する観点から、単官能又は2官能(メタ)アクリレートが好ましく、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
市販品の電離放射線硬化性樹脂(A)としては、FA−511AS、FA−512AS、FA−513AS、FA−512M、FA−513M、FA−512MT(いずれも商品名、日立化成(株)製)、ライトエステルDCP−A、DCP−M(いずれも商品名、共栄社化学(株)製)、A−DCP、DCP(いずれも商品名、新中村化学工業(株)製)などが挙げられる。これらは、前記式(1)で示されるテトラヒドロジシクロペンタジエン環又は前記式(2)で示されるジヒドロジシクロペンタジエン環を有する電離放射線硬化性樹脂である。
電離放射線硬化性樹脂(A)の分子量は特に制限されないが、シクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性の観点から、分子量が350以下のものが好ましく、150〜350のものがより好ましく、150〜300のものがさらに好ましく、150〜230のものがよりさらに好ましい。電離放射線硬化性樹脂(A)の分子量が350以下であると、分子量が高い樹脂よりもシクロオレフィンポリマーフィルムに湿潤しやすい。このため、該フィルム上に本発明の樹脂組成物を塗布した際に該フィルム側に電離放射線硬化性樹脂(A)が選択的に移動して湿潤し、その状態で電離放射線により硬化するので、形成される透明導電層の該フィルムへの密着性がさらに向上するものと考えられる。加えて、電離放射線硬化性樹脂(A)の分子量が350以下であると、電離放射線硬化性官能基に対する脂環式炭化水素構造部分の体積割合が高いため硬化収縮をより抑制することができることから、シクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性が向上すると考えられる。
<電離放射線硬化性樹脂(B)>
本発明の樹脂組成物は、前記電離放射線硬化性樹脂(A)以外の電離放射線硬化性樹脂(B)を含んでもよい。本発明の樹脂組成物においては、電離放射線硬化性樹脂(A)に電離放射線硬化性樹脂(B)を組み合わせて用いることで、樹脂組成物の硬化性及び塗工性、並びに、形成される透明導電層の硬度、耐候性などを向上させることができる点で好ましい。
電離放射線硬化性樹脂(B)は、慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーのうち、前記電離放射線硬化性樹脂(A)以外のものを適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート単量体が好適であり、なかでも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4官能以上の(メタ)アクリレート;上記した多官能性(メタ)アクリレートモノマーのエチレンオキシド変性品、プロピレンオキシド変性品、カプロラクトン変性品、プロピオン酸変性品などが好ましく挙げられる。これらのなかでも、優れた硬度が得られる観点から、トリ(メタ)アクリレートよりも多官能の、すなわち3官能以上の(メタ)アクリレートが好ましい。これらの多官能性(メタ)アクリレートモノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性官能基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーなどが好ましく挙げられる。さらに、重合性オリゴマーとしては、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマーなども好ましく挙げられる。これらのオリゴマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性オリゴマーは、重量平均分子量(GPC法で測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量)が1,000〜20,000であることが好ましく、1,000〜15,000であることがより好ましい。
また、重合性オリゴマーは、好ましくは2官能以上であり、より好ましくは3〜12官能、さらに好ましくは3〜10官能である。官能基数が上記範囲内であると、優れた硬度の透明導電層が得られる。
上記電離放射線硬化性樹脂(B)のなかでも、重量平均分子量が1,000以上の重合性オリゴマーを用いることが好ましく、重量平均分子量は1,000〜20,000がより好ましく、2,000〜15,000がさらに好ましい。形成される透明導電層に硬度を付与しつつ、架橋率が高すぎることによる硬化収縮の増大を抑え、シクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性を維持できるからである。また、初期密着性だけでなく、紫外線等の環境因子を考慮した際の経時的な密着性(以下、「耐久密着性」ともいう。)を良好にすることができる。特に本発明の樹脂組成物において分子量350以下の電離放射線硬化性樹脂(A)を用いた場合に、シクロオレフィンポリマーフィルムに塗布した際に低分子量の(A)成分と高分子量の(B)成分とが相分離しやすくなり、(A)成分が該フィルム側に選択的に移動して該フィルムに湿潤することで、形成される透明導電層の密着性がより向上する。また分子量350以下の電離放射線硬化性樹脂(A)を用いると樹脂組成物の粘度が低くなる場合があるため、(B)成分として重量平均分子量が1,000以上の重合性オリゴマーを使用して塗工性を向上させることが好ましい。
透明導電層に関して、上記のように電離放射線硬化性樹脂(A)がシクロオレフィンポリマーフィルム側に選択的に移動し、該フィルムに湿潤していることについては、赤外分光(IR)スペクトルなどにより確認することができる。例えば、シクロオレフィンポリマーフィルム上に透明導電層を形成した後、該透明導電層を採取して透過法で測定したIRスペクトルと、電離放射線硬化性樹脂(A)、(B)についてそれぞれ単独で測定したIRスペクトルとを比較する。この場合、透明導電層を採取して測定したIRスペクトルにおいて、電離放射線硬化性樹脂(A)に由来する吸収の割合が該(A)成分の実際の配合割合に比べて低くなっていれば、電離放射線硬化性樹脂(A)がシクロオレフィンポリマーフィルム側に選択的に移動して該フィルムに湿潤していると予測できる。
本発明の樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂(A)の含有量は、該樹脂組成物を構成する樹脂成分の合計量に対し、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは20〜90質量%、さらに好ましくは25〜80質量%、よりさらに好ましくは30〜70質量%である。電離放射線硬化性樹脂(A)が本発明の樹脂組成物を構成する樹脂成分の合計量に対し20質量%以上であれば、シクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性に優れ、表面抵抗率の面内均一性及びその経時安定性にも優れる透明導電層を形成できる。
また本発明の樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂(B)の含有量は、該樹脂組成物を構成する樹脂成分の合計量に対し、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは20〜75質量%、よりさらに好ましくは30〜70質量%である。
<導電性粒子>
導電性粒子は、本発明の樹脂組成物を用いて形成される透明導電層において、透明性を損なわずに導電性を付与するために用いられる。したがって当該導電性粒子は、透明導電層の厚みを薄くしても十分な導電性を付与することができ、着色が少なく、透明性が良好であり、耐候性に優れ、導電性の経時的変化が少ないものが好ましい。
このような導電性粒子としては、金属粒子、金属酸化物粒子、及び、コア粒子の表面に導電性被覆層を形成したコーティング粒子などが好適に用いられる。
金属粒子を構成する金属としては、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、Pd、Ptなどが挙げられる。金属酸化物粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、酸化錫(SnO)、酸化アンチモン(Sb)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、フッ素化酸化スズ(FTO)、ZnOなどが挙げられる。
コーティング粒子としては、例えば、コア粒子の表面に導電性被覆層が形成された構成の粒子が挙げられる。コア粒子としては特に限定されず、例えば、コロイダルシリカ粒子、酸化ケイ素粒子等の無機粒子、フッ素樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等のポリマー粒子、及び、有機質無機質複合体粒子などが挙げられる。また、導電性被覆層を構成する材料としては、例えば、上述した金属又はこれらの合金や、上述した金属酸化物などが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なかでも、長期保管、耐熱性、耐湿熱性、耐候性が良好であるという観点から、導電性粒子は金属微粒子及び金属酸化物微粒子から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アンチモン錫酸化物(ATO)粒子がより好ましい。
導電性粒子は、平均一次粒子径が5〜40nmであることが好ましい。5nm以上とすることにより、導電性粒子同士が透明導電層中で接触しやすくなるため、十分な導電性を付与するための導電性粒子の添加量を抑えることができる。また、40nm以下とすることにより、透明性やその他の層との間の密着性が損なわれることを防止することができる。導電性粒子の平均一次粒子径のより好ましい下限は6nm、より好ましい上限は20nmである。
ここで、導電性粒子の平均一次粒子径は、以下の(1)〜(3)の作業により算出できる。
(1)本発明の樹脂組成物を用いて形成した透明導電層の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型透過電子顕微鏡(STEM)で撮像する。TEM又はSTEMの加速電圧は10kV〜30kV、倍率は5万〜30万倍とすることが好ましい。
(2)観察画像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均一次粒子径とする。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる透明導電層は、厚みを薄くしても十分な導電性を付与することができ、着色が少なく、透明性が良好であり、耐候性に優れ、導電性の経時的変化が少ないことが好ましい。したがって本発明の樹脂組成物中の導電性粒子の含有量は、上記性能を付与できる範囲であれば特に制限はない。
例えば、静電容量式のインセルタッチパネルを搭載した液晶表示装置において、液晶表示素子の視認者側に設けられる透明導電層においては、タッチパネルを安定して動作させる観点、及び、指でタッチした際などに、タッチパネル表面で発生した静電気に起因する液晶画面の白濁を防止する観点から、表面抵抗率を1.0×10Ω/□以上、1.0×1010Ω/□以下にすることが好ましい。この観点から、本発明の樹脂組成物中の導電性粒子の含有量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対し、好ましくは100〜400質量部、より好ましくは150〜350質量部、さらに好ましくは200〜300質量部である。導電性粒子の含有量を電離放射線硬化性樹脂100質量部に対し100質量部以上にすることにより、形成される透明導電層の表面抵抗率を1.0×1010Ω/□以下にしやすく、400質量部以下とすることにより、透明導電層の表面抵抗率を1.0×10Ω/□以上にしやすい上、透明導電層が脆くならず、硬度を維持できるためである。
上記表面抵抗率はJIS K6911:1995に準拠して、抵抗率計、及びプローブとしてURSプローブを使用し、温度25±4℃、湿度50±10%の環境下で500Vの印加電圧にて測定する。該表面抵抗率は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合には、本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサントン類等が挙げられる。また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合障害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。
上記光重合開始剤、光重合促進剤は、それぞれ、1種を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂組成物が光重合開始剤を含む場合、その含有量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは1〜8質量部である。
また本発明の樹脂組成物は、必要に応じその他の成分、例えば、屈折率調整剤、防眩剤、防汚剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、易滑剤などの添加剤をさらに含有することができる。
さらに、本発明の樹脂組成物は、溶剤を含有することができる。当該溶剤としては、樹脂組成物に含まれる各成分を溶解する溶剤であれば特に制限なく用いることができるが、ケトン類、エーテル類、アルコール類、あるいはエステル類が好ましい。上記溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂組成物中の溶剤の含有量は、通常20〜99質量%であり、好ましくは30〜99質量%、より好ましくは70〜99質量%である。溶剤の含有量が上記範囲内であると、シクロオレフィンポリマーフィルムへの塗工性に優れる。
本発明の樹脂組成物の製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法及び装置を用いて製造することができる。例えば、前記電離放射線硬化性樹脂、導電性粒子、並びに必要に応じ各種添加剤、溶剤を添加して混合することにより製造できる。導電性粒子は、予め溶剤に分散して調製した分散液を用いてもよい。
[光学積層体]
本発明の光学積層体は、基材フィルム、透明導電層、及び表面保護層を順に有しており、該基材フィルムがシクロオレフィンポリマーフィルムであり、該透明導電層が前記本発明の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。なお本発明の光学積層体は、画像表示装置の最表面ではなく、画像表示装置に設けられるカバーガラスなどの表面保護部材よりも内側に配置することを想定したものである(後述する図3を参照)。
以下、本発明の光学積層体を構成する各層について説明する。
<基材フィルム>
本発明の光学積層体には、基材フィルムとしてシクロオレフィンポリマーフィルムを用いる。シクロオレフィンポリマーフィルムは、透明性、低吸湿性、耐熱性に優れる。なかでも、当該シクロオレフィンポリマーフィルムは、斜め延伸された1/4波長位相差フィルムであることが好ましい。シクロオレフィンポリマーフィルムが1/4波長位相差フィルムであると、液晶画面等の表示画面を偏光サングラスで観察した際に、表示画面に色の異なるムラ(ニジムラ)が生じることを防止できるため、視認性が良好である。またシクロオレフィンポリマーフィルムが斜め延伸されたフィルムであると、本発明の光学積層体と画像表示装置の前面板を構成する偏光子とを両者の光軸を合わせるように貼り合わせる際にも、本発明の光学積層体を斜め枚葉に裁断する必要がない。そのため、ロールトゥロールによる連続的な製造が可能になるとともに、斜め枚葉に裁断することによる無駄が少なくなるという効果を奏する。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、及び、これらの水素化物などを挙げることができる。なかでも、透明性及び成形性の観点から、ノルボルネン系樹脂が好ましい。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体もしくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体又はそれらの水素化物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体もしくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体又はそれらの水素化物;などを挙げることができる。
本発明に用いるシクロオレフィンポリマーフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、着色剤などの添加剤を含有することができる。なかでも、シクロオレフィンポリマーフィルムは紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。シクロオレフィンポリマーフィルムが紫外線吸収剤を含有することにより、外光紫外線による劣化を防止する効果があるためである。
当該紫外線吸収剤としては特に制限はなく、公知の紫外線吸収剤を用いることができる。例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾオキサジン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物等が挙げられる。なかでも、耐候性、色味の観点から、ベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。上記紫外線吸収剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シクロオレフィンポリマーフィルム中の紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲であれば、波長380nmにおける光学積層体の透過率を30%以下に抑えることができ、かつ紫外線吸収剤を含有することによる黄色味を抑えることができる。
斜め延伸フィルムの配向角は、フィルムの幅方向に対して、好ましくは20〜70°、より好ましくは30〜60°、さらに好ましくは40〜50°であり、45°が特に好ましい。斜め延伸フィルムの配向角が45°であると完全な円偏光になるためである。また、本発明の光学積層体を偏光子の光軸と合わせるように貼り合わせる際にも斜め枚葉に裁断する必要がなく、ロールトゥロールによる連続的な製造が可能になる。
上記シクロオレフィンポリマーフィルムは、シクロオレフィンポリマーを製膜、延伸する際に、延伸倍率や延伸温度、膜厚を適宜調整することにより得ることができる。市販のシクロオレフィンポリマーとしては、「Topas」(商品名、Ticona社製)、「アートン」(商品名、JSR(株)製)、「ゼオノア」及び「ゼオネックス」(いずれも商品名、日本ゼオン(株)製))、「アペル」(三井化学(株)製)などが挙げられる。
また、市販のシクロオレフィンポリマーフィルムを用いることもできる。当該フィルムとしては、「ゼオノアフィルム」(商品名、日本ゼオン(株)製)、「アートンフィルム」(商品名、JSR(株)製)などが挙げられる。
本発明に用いるシクロオレフィンポリマーフィルムの全光線透過率は通常70%以上であり、好ましくは85%以上である。なお、全光線透過率は、紫外可視分光光度計を用いて測定することができる。
また、シクロオレフィンポリマーフィルムの厚みは、強度、加工適性、及び本発明の光学積層体を用いる前面板及び画像表示装置の薄型化の観点から、4〜200μmの範囲が好ましく、4〜170μmがより好ましく、4〜135μmがさらに好ましく、4〜100μmがよりさらに好ましい。
<透明導電層>
本発明の光学積層体が有する透明導電層は、前述した本発明の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である。したがって当該透明導電層は基材フィルムであるシクロオレフィンポリマーフィルムへの密着性に優れる。また、厚みを薄くしても十分な導電性を付与することができ、着色が少なく、透明性が良好であり、耐候性に優れ、導電性の経時的変化が少ないものである。
さらにインセルタッチパネルにおいて、透明導電層は、従来の外付け型やオンセル型において導電性部材として働いていたタッチパネルの代替的役割を有する。インセルタッチパネルを搭載した液晶表示素子の前面に上記透明導電層を有する光学積層体を用いると、該透明導電層は液晶表示素子より操作者側に位置することになるので、タッチパネル表面で発生した静電気を逃がすことができ、該静電気により液晶画面が部分的に白濁することを防止できる。
透明導電層は前記導電性粒子を含む。導電性粒子は、該透明導電層中で非凝集粒子、凝集粒子のいずれの状態で存在していてもよい。透明導電層中の導電性粒子の平均一次粒子径は、本発明の樹脂組成物中の場合と同様の方法で測定できる。
透明導電層の厚みは、透明性を損なわずに所望の導電性を付与する点から、0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることがより好ましく、0.3〜3μmであることがさらに好ましい。
透明導電層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。STEMの加速電圧は10kV〜30kVとすることが好ましく、STEMの観察倍率は1000〜7000倍とすることが好ましい。
<表面保護層>
本発明の光学積層体は、前面板あるいは画像表示装置の製造工程上の傷つきを防止する観点から、表面保護層を有する。
後述する本発明の画像表示装置(図3)に例示されるように、当該表面保護層は画像表示装置の最表面に設けられる表面保護部材よりも内側に位置することを想定したものである。したがって当該表面保護層は、画像表示装置の最表面の傷つきを防止するためのハードコートとは異なり、前面板あるいは画像表示装置の製造工程中に傷がつかない程度の硬度を有していればよい。
表面保護層は、前面板あるいは画像表示装置の製造工程上の傷つきを防止する観点から、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂は、慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができ、硬化性及び表面保護層の硬度を向上させる観点から、重合性モノマーであることが好ましい。
重合性モノマーとしては、分子内にラジカル重合性官能基を有する(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能(メタ)アクリレート系モノマーが好ましい。多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、前述の透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物において例示したものと同様のものが挙げられる。多官能(メタ)アクリレート系モノマーの分子量は、表面保護層の硬度を向上させる観点から、1,000未満が好ましく、200〜800がより好ましい。
多官能(メタ)アクリレート系モノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能(メタ)アクリレート系モノマーの官能基数は2以上であれば特に制限はないが、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化性及び表面保護層の硬度を向上させる観点から、2〜8が好ましく、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜6である。
電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化性、及び表面保護層の硬度を向上させる観点から、電離放射線硬化性樹脂中の多官能(メタ)アクリレート系モノマーの含有量は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60〜100質量%がさらに好ましい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化性、及び表面保護層の硬度を向上させる観点から、上記重合性モノマーのみで構成されることが好ましいが、重合性オリゴマーを併用してもよい。重合性オリゴマーとしては、前述の透明導電層形成用樹脂組成物において例示したものと同様のものが挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、さらに熱可塑性樹脂を含むこともできる。熱可塑性樹脂を併用することにより、透明導電層との接着性の向上や塗布膜の欠陥を有効に防止できるためである。
該熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルエーテル樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂の単体及び共重合体、あるいは、これらの混合樹脂を好ましく挙げられる。これらの樹脂は、非結晶性であり、かつ溶剤に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性などの観点から、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂などが好ましく、(メタ)アクリル樹脂がより好ましく、ポリメチルメタクリレートがさらに好ましい。
これらの熱可塑性樹脂は、分子中に反応性官能基を有さないことが好ましい。分子中に反応性官能基を有すると、硬化収縮量が大きくなり、表面保護層の透明導電層への接着性が低下するおそれがあるが、これを回避できるためである。また、熱可塑性樹脂が分子中に反応性官能基を有さないものであると、得られる光学積層体の表面抵抗率の制御が容易になる。なお、反応性基としては、アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有する官能基、エポキシ環、オキセタン環等の環状エーテル基、ラクトン環等の開環重合基、ウレタンを形成するイソシアネート基等が挙げられる。なお、これらの反応性官能基は、表面保護層の透明導電層への接着性や表面抵抗率に影響しない程度であれば含まれていてもよい。
電離放射線硬化性樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含む場合には、その含有量は、電離放射線硬化性樹脂組成物中の樹脂成分中、好ましくは10質量%以上である。また、得られる表面保護層の耐擦傷性の観点から、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。なお、ここでいう「電離放射線硬化性樹脂組成物中の樹脂成分」には、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及びその他の樹脂を含むものである。
電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合には、表面保護層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤を含むことが好ましい。光重合開始剤、光重合促進剤は、前述の透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物において例示したものと同様のものが挙げられ、それぞれ、1種を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤を用いる場合には、電離放射線硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは1〜8質量部である。
表面保護層は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。本発明の光学積層体を画像表示装置に適用した際に、表面保護層よりも内側(表示素子側)に位置する透明導電層及び基材フィルム、及び光学積層体よりも内側(表示素子側)に位置する偏光子、位相差板、表示素子などの部材に対する、外光紫外線による劣化を防止するためである。
表面保護層に用いられる紫外線吸収剤には特に制限はなく、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾオキサジン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びこれらの重合体などが挙げられる。なかでも、紫外線吸収性の観点から、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物及びこれらの重合体から選ばれる1種以上が好ましく、紫外線吸収性、電離放射線硬化性樹脂組成物への溶解性の観点から、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物及びこれらの重合体から選ばれる1種以上がより好ましい。
これらは1種を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
表面保護層中の紫外線吸収剤の含有量は、該表面保護層を構成する電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂100質量部に対し、好ましくは0.2〜60質量部、より好ましくは0.2〜30質量部、さらに好ましくは0.2〜20質量部である。紫外線吸収剤の含有量が電離放射線硬化性樹脂100質量部に対し0.2質量部以上であれば外光紫外線による劣化防止効果が十分であり、60質量部以下であれば、前面板あるいは画像表示装置の製造工程上の傷つきを防止するだけの十分な硬度を保持しながら、紫外線吸収剤に由来する着色の少ない表面保護層とすることができる。
表面保護層は、さらに通電粒子を含むことが好ましい。通電粒子とは、該通電粒子を含む表面保護層と、透明導電層との間の導通を取る役割を果たす粒子をいう。すなわち、通電粒子を含む表面保護層(以下、「導通性表面保護層」ともいう)は、基材フィルムと表面保護層との間に透明導電層を有する場合に好ましく設けられる。
表面保護層が導通性表面保護層であると、本発明の光学積層体、偏光子及び位相差板を順に積層した前面板とした際に、導通性表面保護層及び透明導電層が最表面に位置することから、導通性表面保護層又は透明導電層表面へのアース処理を容易に行うことができる。また、本発明の光学積層体が透明導電層と導通性表面保護層とを有することにより、透明導電層の導電性が低くても表面抵抗率の面内均一性が良好であり、かつ、表面抵抗率が経時的にも安定しやすくなる。
本発明の光学積層体は、好ましい表面抵抗率が1.0×10Ω/□以上、1.0×1010Ω/□以下であり、タッチパネルセンサー(電極)用の透明導電層と比較すると導電性は非常に低いものである。このような低導電性範囲で面内均一性を実現するのは困難である。しかしながら透明導電層と導通性表面保護層とを組み合わせることにより、表面抵抗率について高い面内均一性を達成することが容易になる。
通電粒子としては特に限定されず、前述の導電性粒子と同様の金属粒子、金属酸化物粒子、及び、コア粒子の表面に導電性被覆層を形成したコーティング粒子等が挙げられる。なお、透明導電層からの導通を良好にする観点から、通電粒子は金メッキ粒子であることが好ましい。
通電粒子の平均一次粒子径は、表面保護層の厚みに応じて適宜選択することができる。具体的には、通電粒子の平均一次粒子径は、表面保護層の厚みに対し50%超、150%以下であることが好ましく、70%超、120%以下であることがより好ましく、85%超、115%以下であることがさらに好ましい。表面保護層の厚みに対する通電粒子の平均一次粒子径を上記とすることにより、透明導電層からの導通を良好にすることができ、かつ通電粒子が表面保護層から脱落することを防止できる。
表面保護層中の通電粒子の平均一次粒子径は、以下の(1)〜(3)の作業により算出できる。
(1)光学顕微鏡にて光学積層体の透過観察画像を撮像する。倍率は500〜2000倍が好ましい。
(2)観察画像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均一次粒子径とする。
表面保護層中の通電粒子の含有量は、該表面保護層を構成する電離放射線硬化性樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、0.5〜4.0質量部であることが好ましく、0.5〜3.0質量部であることがより好ましい。通電粒子の含有量を0.5質量部以上とすることにより、透明導電層からの導通を良好にすることができる。また、該含有量を4.0質量部以下とすることにより表面保護層の被膜性及び硬度の低下を防止できる。
表面保護層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物には、その他の各種添加成分として、耐摩耗剤、艶消剤、耐傷フィラー等の充填剤、離型剤、分散剤、レベリング剤、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)等を含有させることができる。
さらに、表面保護層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物は、溶剤を含有することができる。当該溶剤としては、樹脂組成物に含まれる各成分を溶解する溶剤であれば特に制限なく用いることができるが、ケトン類、あるいはエステル類が好ましく、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。上記溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の溶剤の含有量は、通常20〜90質量%であり、好ましくは30〜85質量%、より好ましくは40〜80質量%である。
表面保護層の厚みは、光学積層体の用途や要求特性に応じて適宜選択できるが、硬度、加工適性、及び本発明の光学積層体を用いる表示装置の薄型化の観点からは、1〜30μmが好ましく、2〜20μmがより好ましく、2〜10μmがさらに好ましい。表面保護層の厚みは、透明導電層と同様の方法で測定することができる。
本発明の光学積層体は、前述の基材フィルム、透明導電層、及び表面保護層を順に有していればよく、必要に応じその他の層を有してもよい。
例えば、基材フィルムとは反対側の面に、さらに機能層を有していてもよい。機能層としては、反射防止層、屈折率調整層、防眩層、耐指紋層、防汚層、耐擦傷性層、抗菌層等が挙げられる。また、これら機能層は、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物から形成されてなるものが好ましく、電離放射線硬化性樹脂組成物から形成されてなるものがより好ましい。
また該機能層として、上記以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、着色剤などの添加剤を含有する層を設けることもできる。さらに、液晶表示装置に適用する光学積層体である場合、偏光サングラスを着用して液晶表示画面を見た時に生じる見えにくさや着色ムラを防止する目的で、高リタデーション層を設けることもできる。但し、1/4波長位相差機能を有する層が存在する場合は、該高リタデーション層は不要である。
機能層の厚みは、光学積層体の用途や要求特性に応じて適宜選択できるが、硬度、加工適性、及び光学積層体を用いる表示装置の薄型化の観点からは、0.05〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましく、0.5〜10μmがさらに好ましい。機能層が前述した高リタデーション層の場合は、厚みはこの限りではなく、好ましいリタデーションが得られる厚みであってよい。該機能層の厚みは、前記透明導電層と同様の方法で測定することができる。
また本発明の光学積層体の基材フィルム側の面には、製造工程用フィルムとして裏面フィルムを有していてもよい。これにより、基材フィルムがコシのないシクロオレフィンポリマーフィルムであっても、光学積層体の製造時及び加工時に平面性を維持し、表面抵抗率の面内均一性を保つことができる。当該裏面フィルムとしては特に制限はなく、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルムなどを用いることができる。保護性能の点からは弾性率の高いフィルムが好ましく、ポリエステル系樹脂フィルムがより好ましい。
裏面フィルムの厚みは、光学積層体の製造時及び加工時の平面性維持の観点から、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20〜200μmである。
裏面フィルムは、例えば粘着層を介して、光学積層体の基材フィルム側の面と積層される。なお裏面フィルムは製造工程用フィルムであるため、例えば光学積層体を後述する偏光子と貼り合わせる際などに剥離される。
<光学積層体の製造方法>
本発明の光学積層体の製造方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、基材フィルム、透明導電層、及び表面保護層を順に有する3層構成の光学積層体であれば、基材フィルムであるシクロオレフィンポリマー上に本発明の透明導電層を形成するための樹脂組成物を用いて透明導電層を形成し、この上に表面保護層を形成することにより製造できる。基材フィルムには、透明導電層形成面と反対側の面に予め裏面フィルムを積層しておいてもよい。
まず、本発明の透明導電層を形成するための電離放射線硬化性樹脂組成物を前述の方法で調製した後、硬化後に所望の厚みとなるように基材フィルム上に塗布する。塗布方法としては特に制限はなく、ダイコート、バーコート、ロールコート、スリットコート、スリットリバースコート、リバースロールコート、グラビアコートなどが挙げられる。さらに、必要に応じて乾燥させて、基材フィルム上に未硬化樹脂層を形成する。
次いで、該未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させ、透明導電層を形成する。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、通常波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
表面保護層は、前述の表面保護層形成用電離放射線硬化性樹脂組成物を用いて形成することが好ましい。例えば、前記の電離放射線硬化性樹脂、及び必要に応じ用いられる紫外線吸収剤、通電粒子、その他の各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗工液を調製する。このようにして調製された塗工液を、透明導電層上により塗布し、必要に応じて乾燥させた後硬化させて、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層を形成することができる。樹脂組成物の塗布方法及び硬化方法は、前述の透明導電層の形成方法と同様である。
<光学積層体の構成及び特性>
ここで、本発明の光学積層体について、図1を用いて説明する。図1は本発明の光学積層体の実施形態の一例を示す断面模式図である。図1に示す光学積層体1は、基材フィルム2、透明導電層3、及び表面保護層4を順に有している。透明導電層3は本発明の樹脂組成物の硬化物である。また、図1に示す表面保護層4は通電粒子41を含む導通性表面保護層である。
図1の構成を有する光学積層体は、表面抵抗率の面内均一性が良好であることから、静電容量式のタッチパネルに用いると該タッチパネルに安定した動作性を付与でき、特にインセル型のタッチパネルを搭載した画像表示装置において好適に用いられる。前述のように、インセルタッチパネル搭載液晶表示装置では、タッチパネル表面で発生する静電気により液晶画面が白濁するという現象が起こる。そこで、インセルタッチパネル搭載液晶表示素子の前面に図1の光学積層体を用いれば、帯電防止機能が付与されるので静電気を逃がすことができ、上記白濁を防止することができる。
特に、表面保護層4が導通性表面保護層であることが好ましい。導通性表面保護層中の通電粒子41が、導通性表面保護層の表面と透明導電層3との間の導通を取り、透明導電層に達した静電気をさらに厚み方向に流して、表面保護層の表面側(操作者側)に所望の表面抵抗率を付与することができる。さらには、表面抵抗率の面内均一性及び経時安定性が良好になり、静電容量式タッチパネルの動作性が安定して発現する。
透明導電層は面方向(X方向、Y方向)及び厚み方向(z方向)への導電性を有しているのに対して、導通性表面保護層は、厚み方向の導電性を有していれば足りる。したがって、導通性表面保護層は面方向の導電性は必ずしも必要ないという点で役割が相違する。
本発明の光学積層体は、表面抵抗率が1.0×10Ω/□以上、1.0×1010Ω/□以下の範囲であることが好ましい。表面抵抗率が1.0×10Ω/□以上であると、本発明の光学積層体を適用した静電容量式のタッチパネルの動作性が安定する。また、表面抵抗率が1.0×1010Ω/□以下であれば、前述した液晶画面の白濁も効果的に防止できる。当該表面抵抗率は、上記観点から、好ましくは1.0×10Ω/□以上であり、好ましくは2.0×10Ω/□以下、より好ましくは1.5×10Ω/□以下、さらに好ましくは1.0×10Ω/□以下の範囲である。
本発明の光学積層体は、画像表示装置に適用した場合の視認性の点から、波長400nmにおける透過率が60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましい。
また本発明の光学積層体は、波長200〜380nmの紫外光領域において波長380nmにおける透過率が最大であり、かつ波長380nmにおける透過率が30%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。波長380nmにおける透過率が30%以下であれば外光紫外線による劣化防止効果が良好である。
光学積層体の透過率は、紫外可視分光光度計等により測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
[前面板]
本発明の前面板は、前述した本発明の光学積層体、偏光子及び位相差板を順に有する。本発明の前面板は、後述する画像表示装置に適用する際には、画像表示装置の視認者側から、前述した本発明の光学積層体、偏光子及び位相差板を順に有し、該光学積層体が該視認者側から前記ハードコート層、前記透明導電層、及び前記基材フィルムを順に有する構成となるよう設けられる。
図2は本発明の前面板10の一例の断面図であり、光学積層体1、偏光子5、及び位相差板6を順に有する。このような構成を有することで、画像表示装置に用いる前面板としての必要機能を付与しつつ、薄型化を図ることができる。
図2に示す構成では、本発明の光学積層体1は偏光子5の表面保護フィルムとしても機能する。したがって、光学積層体1を当該前面板に用いることで、従来偏光子の表面保護フィルムとして用いていたTACフィルム、及びこれを他の層と貼り合わせるのに用いていた粘着層を削減することができ、前面板及び画像表示装置を薄型化することが可能となる。
<偏光子>
偏光子としては、特定の振動方向をもつ光のみを透過する機能を有する偏光子であれば如何なるものでもよく、例えばPVA系フィルムなどを延伸し、ヨウ素や二色性染料などで染色したPVA系偏光子、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などのポリエン系偏光子、コレステリック液晶を用いた反射型偏光子、薄膜結晶フィルム系偏光子等が挙げられる。これらの中でも、水により接着性を発現し、別途接着層を設けることなく、位相差板や光学積層体を接着することができる、PVA系偏光子が好適である。
PVA系偏光子としては、例えば、PVA系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸したものが挙げられる。これらの中でも、接着性の観点から、PVA系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適に用いられる。
PVA系フィルムを構成するPVA系樹脂は、ポリ酢酸ビニルをケン化してなるものである。
偏光子の厚みは、2〜30μmが好ましく、3〜30μmがより好ましい。
<位相差板>
位相差板は、少なくとも位相差層を有する構成からなる。位相差層としては、延伸ポリカーボネートフィルム、延伸ポリエステルフィルム、延伸環状オレフィンフィルム等の延伸フィルムの態様、屈折率異方性材料を含有する層の態様が挙げられる。前者と後者の態様では、リタデーションの制御及び薄型化の観点から、後者の態様が好ましい。
屈折率異方性材料を含有する層(以下、「異方性材料含有層」という場合もある)は、当該層の単独で位相差板を構成するものであっても、樹脂フィルム上に異方性材料含有層を有する構成であってもよい。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、シクロオレフィンポリマー、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、寸法安定性及び光学的安定性の観点から、シクロオレフィンポリマーが好ましい。
屈折率異方性材料としては、棒状化合物、円盤状化合物及び液晶分子等が挙げられる。
屈折率異方性材料を用いる場合、屈折率異方性材料の配向方向により、種々のタイプの位相差板とすることができる。
例えば、屈折率異方性材料の光軸が異方性材料含有層の法線方向を向くとともに常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を異方性材料含有層の法線方向に有する、いわゆる正のCプレートが挙げられる。
また別の態様では、屈折率異方性材料の光軸が異方性材料含有層と並行するとともに常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を異方性材料含有層の面内方向に有する、いわゆる正のAプレートであってもよい。
またさらには、液晶分子の光軸を異方性材料含有層と並行として、法線方向に螺旋構造をとったコレステリック配向とすることにより、異方性材料含有層全体として常光線屈折率よりも小さな異常光線屈折率を位相差層の法線方向とした、いわゆる負のCプレートであってもよい。
さらには、負の複屈折異方性を有するディスコティック液晶を、その光軸を異方性材料含有層の面内方向に有する、負のAプレートとすることも可能である。
またさらに異方性材料含有層は、該層に対して斜めであってもよく、またはその角度が層に垂直な方向で変化しているハイブリッド配向プレートであってもよい。
このような種々のタイプの位相差板は、例えば、特開2009−053371号公報に記載の方法により製造することができる。
位相差板は、上述した正もしくは負のCプレートやAプレート、またはハイブリッド配向プレートのいずれか一つのプレートからなるものであってもよいが、これらの1種又は2種以上を組み合わせた二以上のプレートからなるものであってもよい。例えば、インセルタッチパネルの液晶素子がVA方式の場合、正のAプレートと負のCプレートを組み合わせて用いることが好ましく、IPS方式の場合、正のCプレートと正のAプレートや2軸プレートを組み合わせて用いることが好ましいが、視野角を補償できるものであればどの組み合わせでもよく、様々な組み合わせが考えられ、適宜選択することができる。
なお、位相差板を二以上のプレートからなるものとする場合、薄型化の観点から、一つのプレートを延伸フィルムとして、当該延伸フィルム上に異方性材料含有層(他のプレート)を積層する態様が好ましい。
位相差板の厚みは、25〜60μmが好ましく、25〜30μmがより好ましい。なお、位相差板を二以上のプレートからなるものとする場合、一つのプレートを延伸フィルムとして、当該延伸フィルム上に異方性材料含有層(他のプレート)を積層する態様とすることにより、上記厚み範囲内にしやすくできる。
本発明の前面板10は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記以外のフィルムや層を有していてもよい。ただし、薄型化や透明性の観点からは、位相差板、偏光子及び光学積層体は、他の層を介さず積層されていることが好ましい。なお、ここでいう「他の層を介さず積層」とは、完全に他の層の介在を排除する趣旨ではない。例えば、基材フィルムに予め設けられている易接着層のようなごく薄い層までを排除する趣旨ではない。
本発明の前面板の厚みは、用いられる表示装置や層構成により適宜選択できる。当該前面板をインセルタッチパネル搭載画像表示装置に用いる場合は、当該前面板の厚みは90〜800μmであることが好ましく、90〜500μmであることがより好ましく、90〜350μmであることがさらに好ましい。
[前面板の製造方法]
本発明の前面板の製造方法には特に制限はなく、該前面板を構成する部材を公知の方法で貼り合わせることにより製造できる。貼り合わせの方式は枚葉方式、連続方式のいずれでもよいが、製造効率の点からは連続方式を用いることが好ましい。
特に、本発明の前面板の製造方法は、光学積層体と偏光子とをロールトゥロールで貼り合わせる工程を有することが好ましい。前述したように、本発明の光学積層体は基材フィルムとしてシクロオレフィンポリマーを用いるため、該シクロオレフィンポリマーフィルムが斜め延伸されたフィルムであると、本発明の光学積層体と偏光子とを両者の光軸を合わせるように貼り合わせる際にも、本発明の光学積層体を斜め枚葉に裁断する必要がない。そのため、ロールトゥロールによる連続的な製造が可能であり、斜め枚葉に裁断することによる無駄も少ないため製造コストの点からも好ましい。
例えば、前述した本発明の光学積層体の基材フィルム側の面と偏光子とを貼り合わせた後、該偏光子と位相差板とをロールトゥロールで貼り合わせる方法;偏光子と位相差板とを貼り合わせた後、該偏光子と本発明の光学積層体の基材フィルム側の面とをロールトゥロールで貼り合わせる方法;が挙げられる。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、表示素子の視認者側に、上述した本発明の光学積層体又は前面板が設けられたものである。当該光学積層体又は前面板は、該光学積層体が有する導電層面が視認者側を向くように配置されることが好ましい。
画像表示装置を構成する表示素子としては、液晶表示素子、プラズマ表示素子、無機EL表示素子、有機EL表示素子等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を奏する観点からは、液晶表示素子又は有機EL表示素子が好ましく、液晶表示素子がより好ましい。
表示素子の具体的な構成は特に制限されない。例えば液晶表示素子の場合、下部ガラス基板、下部透明電極、液晶層、上部透明電極、カラーフィルター及び上部ガラス基板を順に有する基本構成からなり、超高精細の液晶表示素子では、該下部透明電極及び上部透明電極が高密度にパターニングされている。
本発明の効果の点からは、前記表示素子がインセルタッチパネル搭載液晶表示素子であることがより好ましい。インセルタッチパネル搭載液晶表示素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶表示素子の内部にタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル搭載液晶表示素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。
インセルタッチパネル搭載液晶表示素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
タッチパネルとしては、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、光学式タッチパネル、超音波式タッチパネル及び電磁誘導式タッチパネル等が挙げられる。本発明の効果の点からは、静電容量式タッチパネルが好ましい。
抵抗膜式タッチパネルは、導電膜を有する上下一対の透明基板の導電膜同士が対向するようにスペーサーを介して配置されてなる構成を基本構成として、該基本構成に回路が接続されてなるものである。
静電容量式タッチパネルは、表面型及び投影型等が挙げられ、投影型が多く用いられている。投影型の静電容量式タッチパネルは、X軸電極と、該X軸電極と直交するY軸電極とを絶縁体を介して配置した基本構成に、回路が接続されてなるものである。該基本構成をより具体的に説明すると、(1)1枚の透明基板上の別々の面にX軸電極及びY軸電極を形成する態様、(2)透明基板上にX軸電極、絶縁体層、Y軸電極をこの順で形成する態様、(3)透明基板上にX軸電極を形成し、別の透明基板上にY軸電極を形成し、接着剤層等を介して積層する態様等が挙げられる。また、これら基本態様に、さらに別の透明基板を積層する態様が挙げられる。
その他、タッチパネルを搭載した画像表示装置としては、表示素子上にタッチパネルを有するものも挙げられる。この場合、本発明の光学積層体は、タッチパネルの構成部材として設けられてもよく、タッチパネルの上又は下に設けられてもよい。
図3は、本発明の画像表示装置の好ましい実施形態である、インセルタッチパネル搭載画像表示装置の一実施形態を示す断面模式図である。図3において、インセルタッチパネル搭載画像表示装置100は、視認者側から、表面保護部材7、本発明の光学積層体1、偏光子5、位相差板6及びインセルタッチパネル搭載液晶表示素子8を順に有する。光学積層体1、偏光子5、及び位相差板6は前面板10に対応する。また光学積層体1は視認者側となる表面保護部材7側から、表面保護層4、透明導電層3、及び基材フィルム2を順に有する。
表面保護部材7はインセルタッチパネル搭載画像表示装置の表面を保護する目的で設けられ、例えばカバーガラスや、珪素含有膜を有する表面保護フィルムなどを用いることができる。
インセルタッチパネル搭載液晶表示素子と、前面板とは、例えば、接着層を介して貼り合わせることができる。接着層は、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、酢酸ビニル系、塩ビ・酢ビ共重合物、セルロース系等の接着剤を使用することができる。接着層の厚みは10〜25μm程度である。
このような本発明のインセルタッチパネル搭載液晶表示装置は、本発明の光学積層体を有することで、安定した動作性を発現するとともに、前述したような偏光サングラスにより観察した際のニジムラの防止、静電気発生による液晶表示画面の白濁の防止、及び前面板の構成部材である偏光子の保護及び外光紫外線による劣化防止、等の各種機能を満たしつつ、全体の薄型化が可能であるという点で、極めて有用なものである。なお、インセルタッチパネル搭載液晶表示装置内において、光学積層体の透明導電層表面からアース処理がなされていることが好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。実施例において、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
なお、実施例及び比較例における各評価は以下のようにして行った。
[透明導電層及び表面保護層の厚み]
透明導電層及び表面保護層の厚みは、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出した。
[透明導電層及び表面保護層の密着性]
(初期密着性)
実施例及び比較例で作製した光学積層体の表面保護層側の面に1mm角碁盤目カットを100マス入れ、ニチバン製セロテープ(登録商標)No.405(産業用24mm)を貼り、ヘラで擦って密着させ90度方向に3回急速剥離を行った。剥離作業は、温度25±4℃、湿度50±10%の環境下で行った。残っている升目を目視確認し、表2に%表示した。
(耐久密着性)
耐久密着性評価には、キセノンウェザーメーター「アトラス・ウエザオメータCi4000」((株)東洋精機製作所製)を用いた。実施例及び比較例で作製した光学積層体の表面保護層側の面に対し、温度63℃、50%RH条件下で、照度60mW/cm2の条件でキセノン光(波長300〜400nm)を150時間照射した後、上記と同様の方法で密着性を評価した。
[光学積層体の透過率]
実施例及び比較例で作製した光学積層体の波長400nm及び380nmにおける透過率を紫外可視分光光度計「UVPC−2450」((株)島津製作所製)を用いて測定した。測定は、温度25±4℃、湿度50±10%の環境下で行い、光入射面は基材フィルム側とした。
[表面抵抗率]
JIS K6911:1995に準拠して、製造直後の光学積層体の表面保護層面の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。高抵抗率計ハイレスターUP MCP−HT450(三菱化学(株)製)を用い、プローブにはURSプローブ MCP−HTP14(三菱化学(株)製)を使用、温度25±4℃、湿度50±10%の環境下で500Vの印加電圧にて表面抵抗率(Ω/□)の測定を実施した。
[視認性]
ソニーエリクソン社製「エクスペリアP」に組み込まれている、静電容量式のインセルタッチパネル搭載液晶表示素子上に、実施例及び比較例で得られた光学積層体を、厚み20μmの接着層(大日本印刷(株)製の両面接着シート「ノンキャリア FC25K3E46」の接着層を転写したもの)を介して貼り合わせた。画面を白表示もしくは略白表示にして、市販の偏光サングラス越しに、もしくは偏光板越しに様々な角度から目視でニジムラ(虹模様)が視認できるかどうかを評価した。
A:ニジ模様は視認できない
C:ニジ模様が視認される
[液晶画面の白濁]
ソニーエリクソン社製「エクスペリアP」に組み込まれている、静電容量式のインセルタッチパネル搭載液晶表示素子上に、実施例及び比較例の光学積層体を、厚み20μmの接着層(大日本印刷(株)製の両面接着シート「ノンキャリア FC25K3E46」の接着層を転写したもの)を介して貼り合わせた後、光学積層体の透明導電層に固着した導線を導電性部材に接続した。次いで、光学積層体の最表面の上にさらに保護フィルム(PETフィルム)を貼合した。次いで、貼合した保護フィルムを除去してすぐに液晶表示装置を駆動して手でタッチした際に白濁現象が発生するかどうかを目視により評価した。
A:白濁は視認できない
B:僅かに白濁が視認される場合もあるが、極めて微視的である
C:白濁が目立って視認される
実施例1(透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物Aの調製)
電離放射線硬化性樹脂(A)であるジシクロペンテニルアクリレート(日立化成(株)製「FA−511AS」)50質量部、電離放射線硬化性樹脂(B)であるペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製「KAYARAD PET−30」)50質量部、導電性粒子であるアンチモン錫酸化物粒子(日揮触媒化成(株)製「V3560」、ATO分散液、ATO平均一次粒子径8nm)300質量部、光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製「イルガキュア(Irg)184」)5質量部、及び溶剤(メチルイソブチルケトン)4000質量部を添加して攪拌し、固形分濃度10質量%の電離放射線硬化性樹脂組成物Aを調製した。
実施例2〜4、比較例1(透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物B〜Eの調製)
電離放射線硬化性樹脂組成物の配合を表1に示すとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物を調製した。
なお、表1に示す各成分は下記のとおりである。表1に示す質量部は、固形分換算での質量部である。
・電離放射線硬化性樹脂(A)
ジシクロペンテニルアクリレート;日立化成(株)製「FA−511AS」
ジシクロペンタニルメタクリレート;日立化成(株)製「FA−513M」
ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート;共栄社化学(株)製「ライトアクリレートDCP−A」
・電離放射線硬化性樹脂(B)
ペンタエリスリトールトリアクリレート;日本化薬(株)製「PET−30」、3〜4官能の重合性モノマー、重量平均分子量298
ウレタンアクリレート;日本化薬(株)製「UX−5000」、6官能の重合性オリゴマー、重量平均分子量1500
・導電性粒子
アンチモン錫酸化物粒子(日揮触媒化成(株)製「V3560」、ATO分散液、ATO平均一次粒子径8nm)
・光重合開始剤
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン;BASF社製「イルガキュア(Irg)184」
・溶剤(メチルイソブチルケトン)
実施例5(光学積層体の作製)
[表面保護層形成用電離放射線硬化性樹脂組成物Aの調製]
電離放射線硬化性樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製「PET−30」)100質量部と、トリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製「Tinuvin460」)10質量部とを、固形分濃度が40質量%となるようにメチルイソブチルケトン中に添加して攪拌し、溶液aを得た。
次いで、溶液aの固形分100質量部に対して、光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア(Irg)184」)7質量部、光重合開始剤(BASF社製「ルシリンTPO」)1.5質量部を添加して攪拌し溶解させて、最終固形分濃度が40質量%の溶液bを調製した。
次いで、溶液bの固形分100質量部に対し、レベリング剤(DIC株式会社製「メガファックRS71」)を固形分比で0.4質量部添加して撹拌した。さらに、この溶液の固形分100質量部に対し、通電粒子として金メッキ粒子の分散液(DNPファインケミカル株式会社製、ブライト分散液、金メッキ粒子の平均一次粒子径4.6μm、固形分濃度25質量%)を固形分で2.5質量部添加して攪拌を行い、表面保護層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物Aを調製した。
[透明導電層の形成]
基材フィルムとして厚み100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン株式会社製「ZF14」、1/4波長位相差フィルム)を用いて、該フィルム上に、前述した透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物Aを乾燥後の厚みが1.0μmとなるようスリットリバースコート法により塗布して未硬化樹脂層を形成した。得られた未硬化樹脂層を80℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射量300mJ/cmで紫外線を照射して硬化させ、厚み1μmの透明導電層を形成した。
[表面保護層の形成]
前記透明導電層上に、前述の表面保護層形成用電離放射線硬化性樹脂組成物Aをスリットリバースコートにより、乾燥後の厚みが4.5μmとなるよう塗布して未硬化樹脂層を形成した。得られた未硬化樹脂層を80℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射量300mJ/cmで紫外線を照射して硬化させ、厚み4.5μmの表面保護層を形成し、光学積層体を得た。
得られた光学積層体について、前記評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例6〜8、比較例2
透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物の種類を表2に示すとおりに変更したこと以外は、実施例5と同様にして光学積層体を作製し、前記評価を行った。評価結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の透明導電層形成用電離放射線硬化性樹脂組成物を用いた光学積層体は、いずれもシクロオレフィンポリマーフィルムと透明導電層及び表面保護層との密着性が良好であり、インセルタッチパネルに適した導電性を有し、かつ偏光サングラスを通しての視認性も良好であった。
[参考例;赤外分光スペクトルの測定]
実施例5で使用したシクロオレフィンポリマーフィルム及び透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物Aを用いた。実施例5で使用したシクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン(株)製「ZF14」)上に、透明導電層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物Aを乾燥後の厚みが1.0μmとなるようスリットリバースコート法により塗布して未硬化樹脂層を形成した。得られた未硬化樹脂層を80℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射量300mJ/cmで紫外線を照射して硬化させた。得られた硬化層をメスにより採取し、赤外分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製「NICOLET 6700」)で、透過法によりIRスペクトルを測定した(図4)。
一方、透明導電層形成用電離放射線樹脂組成物Aに含まれる電離放射線硬化性樹脂(A)(FA−511AS)100質量部に対し、光重合開始剤である「イルガキュア184」5質量部を添加した電離放射線硬化性樹脂組成物A1の硬化物、電離放射線硬化性樹脂(B)(PET−30)100質量部に対し、光重合開始剤である「イルガキュア184」5質量部を添加した電離放射線硬化性樹脂組成物B1の硬化物をそれぞれ作製し、同様の方法で硬化層を作製、採取して、透過法によりIRスペクトルを測定した(図5、6)。
図4〜6から判るように、透明導電層を採取して測定したIRスペクトル(図4)においては、図5に示される、電離放射線硬化性樹脂(A)中の脂環式構造に由来する3000cm−1前後の吸収がほとんど認められないことがわかる。このことから、電離放射線硬化性樹脂(A)はシクロオレフィンポリマーフィルム側に選択的に移動し、湿潤していると予測できる。
本発明の電離放射線硬化性樹脂組成物によれば、シクロオレフィンポリマーフィルム上に、該フィルムへの密着性に優れる透明導電層を容易に形成することができる。基材フィルムであるシクロオレフィンポリマーフィルム、該透明導電層、及び表面保護層を順に有する光学積層体は、その表面で生じた静電気を逃がすことができる程度の適度な導電性を有し、特に静電容量式のインセルタッチパネルを搭載した画像表示装置を構成する部材として好適に用いられる。光学積層体を構成するシクロオレフィンポリマーフィルムとして斜め延伸された1/4波長位相差フィルムを用いた場合には、該画像表示装置は、偏光サングラスを通しての視認性が良好であり、かつロールトゥロール法による連続的な製造も可能である。
1 光学積層体
2 基材フィルム
3 透明導電層
4 表面保護層
41 通電粒子
5 偏光子
6 位相差板
7 表面保護部材
8 インセルタッチパネル搭載液晶表示素子
10 前面板
100 インセルタッチパネル搭載画像表示装置

Claims (17)

  1. 分子内に脂環式炭化水素構造を有する電離放射線硬化性樹脂(A)及び導電性粒子を含む、シクロオレフィンポリマーフィルムに透明導電層を形成するための電離放射線硬化性樹脂組成物。
  2. 前記脂環式炭化水素構造が2以上の単環から構成される環構造を含む、請求項1に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記環構造が同一環員数を有する2以上の単環から構成される構成単位を含む、請求項2に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記脂環式炭化水素構造が下記式(1)で示されるテトラヒドロジシクロペンタジエン環及び下記式(2)で示されるジヒドロジシクロペンタジエン環から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記電離放射線硬化性樹脂(A)の分子量が350以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物。
  6. 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が前記電離放射線硬化性樹脂(A)以外の電離放射線硬化性樹脂(B)を含み、該電離放射線硬化性樹脂(B)の重量平均分子量が1,000以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物。
  7. 前記導電性粒子がアンチモン錫酸化物粒子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物。
  8. 前記電離放射線硬化性樹脂組成物中の前記導電性粒子の含有量が、電離放射線硬化性樹脂の合計量100質量部に対し100〜400質量部である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物。
  9. 基材フィルム、透明導電層、及び表面保護層を順に有する光学積層体であって、該基材フィルムがシクロオレフィンポリマーフィルムであり、該透明導電層が請求項1〜8のいずれか1項に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である光学積層体。
  10. 前記表面保護層が紫外線吸収剤を含む、請求項9に記載の光学積層体。
  11. 前記表面保護層がさらに該表面保護層の厚みに対し50%超、150%以下の平均一次粒子径を有する通電粒子を含む、請求項9又は10に記載の光学積層体。
  12. 前記透明導電層の厚みが0.1〜10μmである、請求項9〜11のいずれか1項に記載の光学積層体。
  13. 波長400nmにおける透過率が60%以上である、請求項9〜12のいずれか1項に記載の光学積層体。
  14. 請求項9〜13のいずれか1項に記載の光学積層体、偏光子及び位相差板を順に有する前面板。
  15. 前記光学積層体と前記偏光子とをロールトゥロールで貼り合わせる工程を有する、請求項14に記載の前面板の製造方法。
  16. 表示素子の視認者側に、請求項9〜13のいずれか1項に記載の光学積層体又は請求項14に記載の前面板が設けられた画像表示装置。
  17. 前記表示素子がインセルタッチパネル搭載液晶表示素子である、請求項16に記載の画像表示装置。
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