JP2014189022A - 透明導電性積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1枚の透明導電性フィルムを含む2枚の透明フィルムを、接着剤層または粘着剤層を介して、金属ロールの駆動ロールと金属ロールの従動ロールの一対のラミネートロール間を通過することにより圧着して透明導電性積層体を製造する。
【選択図】図1
Description
本発明では、少なくとも2枚の透明フィルムを用いる。透明フィルムとしては、特に制限されないが、透明性を有する各種のプラスチックフィルムが用いられる。当該プラスチックフィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリシクロオレフィン、ポリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン等が挙げられる。
本発明の製造方法は透明導電性積層体の製造方法に係り、前記少なくとも2枚の透明フィルムとして、少なくとも1枚の透明導電性フィルムを用いる。透明導電性フィルムは、前記透明フィルムの片面に透明導電層を有する。当該透明導電性フィルムは、透明導電層の側がロール側になるよう配置される。また、図1、図2において、第1の透明フィルムまたは第2の透明フィルムのいずれか一方にのみ透明導電性フィルムを用いる場合には、マイクロスリップを効果的に生じさせない観点から、駆動ロール(金属ロール)R1の側に透明導電性フィルムを適用するのが好ましい。
前記透明導電層の構成材料としては、特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物が用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、または酸化インジウム−酸化亜鉛複合酸化物などが好ましく用いられ、ITOが特に好ましく用いられる。また、前記第1の透明導電層の構成材料としては、アルミニウム亜鉛酸化物、ガリウム亜鉛酸化物、フッ素亜鉛酸化物、フッ素インジウム酸化物、アンチモンスズ酸化物、フッ素スズ酸化物、リンスズ酸化物等を用いることができる。その他、前記第1の透明導電層の構成材料としては、ポリチオフェンなどの導電性高分子、カーボンナノチューブなどを使用することができる。
前記透明導電性フィルムは、第1、第2の透明フィルムに、アンダーコート層を介して透明導電層を設けることができる。アンダーコート層は、1層または複数層設けることができる。アンダーコート層は、無機物、有機物または無機物と有機物との混合物により形成することができる。
前記接着剤層または粘着剤層は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型の各種形態のものが用いられる。本発明の透明導電性積層体を製造する場合には、透明硬化型接着剤層が好適である。
透明硬化型接着剤層に形成には、例えば、ラジカル硬化型接着剤が好適に用いられる。ラジカル硬化型接着剤としては、電子線硬化型、紫外線硬化型等の活性エネルギー線硬化型の接着剤を例示できる。特に短時間で硬化可能な、活性エネルギー線硬化型が好ましく、さらには低エネルギーで硬化可能な紫外線硬化型接着剤が好ましい。
<第1の透明フィルム:透明導電性フィルム>
酸化インジウム97%、酸化スズ3%のインジウムスズ酸化物の焼結体ターゲットを備えたスパッタ装置を用いて、ポリエンレンテレフタレートフィルムの片面にインジウムスズ酸化物(ITO)層を形成した。ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さは25μmであり、インジウムスズ酸化物層の厚さは22nmであった。
ヒドロキシエチルアクリルアミド30部、メチルアクリレート30部、アロニックスM−220(東亞合成社製)40部、IRGACURE907(チバ・ジャパン社製)1.5部を混合して50℃で1時間撹拌し活性エネルギー線硬化型接着剤を得た。
次に、上記透明導電性フィルムのITO層を形成していない面に、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物をMCDコーター(富士機械社製)(セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/inch、回転速度140%/対ライン速)を用いて、厚み1μmになるように塗布した。次いで、前記活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第2の透明フィルム)を貼り合わせた。その後、第2の透明フィルム側から、高圧水銀ランプの紫外線(波長365nm)を照射して、接着剤を硬化させて、第1の透明フィルムの片面に透明導電層を有する透明導電性積層体を得た。膜厚は膜厚計(Peacock社製デジタルダイアルゲージDG-205)を用いて測定した。紫外線の積算光量600mJ/cm2とした。
上記の貼り合わせに際しては、下記の駆動ロールと従動ロールを組み合わせた一対のラミネートロール用いた。
駆動ロール:直径200mmのSUS製のロール。
従動ロール:直径200mmのSUS製のロール。
図1に示す態様で、駆動ロールの側から第1の透明フィルム(透明導電性フィルム)を、従動ロールの側から第2の透明フィルムを搬送した。ライン速度は、いずれも15m/minとして、ラミネート圧は3.5MPaとした。
実施例1の<ラミネートロール>において、ラミネート圧、ライン速度を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を製造した。
実施例1の<ラミネートロール>において、従動ロールとして、弾性層(厚み3mm,ゴム硬度80のシリコンゴム)を有する直径200mmのゴムロールを用い、ラミネート圧、ライン速度を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を製造した。
<第1および第2の透明フィルム:透明導電性フィルム>
実施例1で調製した、透明導電性フィルムと同様にして調製したものを用いた。
次に、上記2枚の透明導電性フィルム(第1および第2の透明フィルム)のITO層を形成していない面に、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物をMCDコーター(富士機械社製)(セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/inch、回転速度140%/対ライン速)を用いて、厚み1μmになるように塗布して、接着剤付き透明導電性フィルムを得た。次いで、図2に示す態様で、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第3の透明フィルム)の両面より、前記接着剤付き透明導電性フィルムを実施例1と同様のラミネートロールを用いて貼り合わせた。駆動ロールの側から第1の透明フィルム(透明導電性フィルム)を、従動ロールの側から第2の透明フィルム(透明導電性フィルム)を搬送した。ライン速度は、いずれも15m/minとして、ラミネート圧は3.0MPaとした。その後、両面から、高圧水銀ランプの紫外線(波長365nm)を照射して、接着剤を硬化させて、両面に透明導電層を有する透明導電性積層体を得た。膜厚は膜厚計(Peacock社製デジタルダイアルゲージDG-205)を用いて測定した。紫外線の積算光量600mJ/cm2とした。
実施例4の<ラミネートロール>において、ラミネート圧、ライン速度を表2に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を製造した。
実施例4の<ラミネートロール>において、従動ロールとして、弾性層(厚み3mm,ゴム硬度80のシリコンゴム)を有する直径200mmのゴムロールを用い、ラミネート圧、ライン速度を表2に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を製造した。
駆動ロールと従動ロールの回転速度の差(%)は、オムロン(株)製ロータリーエンコーダインクリメンタル形E6A2−Cでの測定値により算出した。前記回転速度の差は1%以下であることが好ましく、さらには0.5%以下、さらには0.3%以下であるのが好ましい。
得られた透明導電性積層体に、暗室内でLEDライトを照射して、透過および反射によって観察されたキズを下記の基準により目視で評価した。
○:キズなし
△:最大長1mm未満のキズが1m2中に5個以下。
×:最大長1mm以上のキズが1m2中に5個を超える。
得られた透明導電性積層体を顕微鏡(10倍)で観察された気泡を下記の基準により評価した。
○:気泡なし。
△:最大長30μm未満の気泡が25cm2中に5個以下。
×:最大長30μm未満の気泡が25cm2中に5個を超える。
A2 第2の透明フィルム
B 第3の透明フィルム
R1 駆動ロール(金属ロール)
R2 従動ロール(金属ロール)
L 透明導電性積層体
Claims (4)
- 少なくとも1枚の透明導電性フィルムを含む、少なくとも2枚の透明フィルムを、接着剤層または粘着剤層を介して、金属ロールの駆動ロールと金属ロールの従動ロールの一対のラミネートロール間を通過することにより圧着することを特徴とする透明導電性積層体の製造方法。
- 前記駆動ロールと前記従動ロール間のラミネート圧力が0.05MPa以上5MPa以下であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性積層体の製造方法。
- 前記駆動ロールと前記従動ロールの回転速度の差が1%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の透明導電性積層体の製造方法。
- 前記金属ロールが鉄ロールまたはステンレスロールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性積層体の製造方法。
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