JP6040081B2 - 透明導電性積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

少なくとも1枚の透明導電性フィルムを含む、少なくとも2枚の透明フィルムを、接着剤層または粘着剤層を介して、駆動ロールと従動ロールの一対のラミネートロール間を通過することにより圧着する透明導電性積層体の製造方法に関する。
前記透明導電性フィルムは、透明フィルムの片面に透明導電層を有するものであり、本発明の製造方法により得られる透明導電性積層体における透明導電層は、適宜加工処理がなされた後に、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイなどのディスプレイ方式やタッチパネルなどにおける透明電極に用いられる。その他、前記透明導電性積層体、透明物品の帯電防止や電磁波遮断、液晶調光ガラス、透明ヒーターなどに用いられる。
従来、少なくとも2枚の透明フィルムをラミネートして、多層積層フィルムを製造するにあたっては、通常、接着剤または粘着剤が用いられている。また多層積層フィルムの製造にあたっては、駆動ロールと従動ロールの一対のラミネートロールが用いられる。
しかし、上記多層積層フィルムの製造方法において、ラミネート時に発生するフィルム表面のキズやラミネート時に混入する気泡が生産効率を大きく低下させてしまう要因となっている。上記ラミネート時におけるキズ発生を抑制する方法として、例えば、ラミネートロールとして金属ロールと弾性ロールを組み合わせる方法(特許文献1)やラミネート時の押し込み量をコッターで調整する方法が提案されている。また、ラミネート時の気泡混入を抑制する方法として、置換ガスパージによるラミネート時の同伴空気を抑制する方法(特許文献2)する方法が提案されている。
特開2008−037092号公報 特開2010−125702号公報
しかし、多層積層フィルムとして、透明導電性フィルムを含む透明導電性積層体を製造する場合に、ラミネート時に発生するフィルム表面のキズとラミネート時に混入する気泡の両方を抑制することができる方法は知られていなかった。
本発明は、透明導電性フィルムを含む透明導電性積層体の製造方法であって、ラミネート時に発生するフィルム表面のキズとラミネート時に混入する気泡の両方を抑制することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の製造方法より前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、少なくとも1枚の透明導電性フィルムを含む、少なくとも2枚の透明フィルムを、接着剤層または粘着剤層を介して、金属ロールの駆動ロールと金属ロールの従動ロールの一対のラミネートロール間を通過することにより圧着することを特徴とする透明導電性積層体の製造方法、に関する。
前記透明導電性積層体の製造方法において、前記駆動ロールと前記従動ロール間のラミネート圧力が0.05MPa以上5MPa以下であることが好ましい。
前記透明導電性積層体の製造方法において、前記駆動ロールと前記従動ロールの回転速度の差が1%以下であることが好ましい。
前記透明導電性積層体の製造方法において、前記金属ロールとしては、鉄ロールまたはステンレスロールが好適に用いられる。
従来の透明導電性積層体の製造方法では、例えば、弾性ロールと金属ロールを組み合わせたラミネートロールが用いられていた。弾性ロール(従動ロール)についてはゴム硬度の最適化などが行われている。しかし、ラミネート時には、駆動ロール(金属ロール)の速度と従動ロール(弾性ロール)の材質の相違から、各ロールの回転速度が一致しないために、フィルム表面と各ロールとのマイクロスリップが起こり、そのために得られる透明導電性積層体の表面にキズが発生していた。
上記本発明の透明導電性積層体の製造方法では、少なくとも1枚の透明導電性フィルムを含む、少なくとも2枚の透明フィルムのラミネートに、金属ロールである駆動ロールと、金属ロールである従動ロールの一対のラミネートロールを用いている。このように、本発明のラミネートロールは、駆動ロール(金属ロール)と従動ロール(金属ロール)の最表面がいずれも金属であり、各ロールの回転速度差が小さいために、フィルム表面と各ロールとのマイクロスリップが生じにくく、得られる透明導電性積層体の表面のキズの発生を抑制することができる。
また、ラミネート時に混入する気泡を抑制するには、駆動ロールからの押し込み量を大きくして、一定値以上の線圧をかけることが有効であることがわかっている。しかし、従来の透明導電性積層体の製造方法に用いていたラミネートロールにおいて、一定値以上の線圧をかけると、マイクロスリップの発生が顕著になりフィルム表面のキズの発生が増大する。一方、フィルム表面のキズの発生を抑制するためラミネート時の押し込み量を小さく調整して線圧を低下させていくと、フィルム表面に発生するキズはなくなるが、気泡の混入が顕著になる。
上記本発明のラミネートロールに用いる従動ロール(金属ロール)は、柔軟性または弾力性を有していない。そのため、本発明のラミネートロールによれば、線圧を高く設定でき、ラミネート時に発生するフィルム表面のキズとラミネート時に混入する気泡の両方を抑制することができる。従動ロールとして、最表面がゴムの弾性ロールを用いる場合には、ニップによる線圧で、最表面が変形し潰れてしまうために、ロール全体の長さが変化し、マイクロスリップが発生し、フィルム表面にキズが入る。一方、従動ロールとして、金属ロールを用いる場合には、最表面が金属であるために、ゴムの様にニップによる線圧で最表面が変形し潰れることがなく、ロール全体の長さが変化しない。そのため、駆動ロール(金属ロール)と従動ロール(金属ロール)が回転を同期するためにマイクロスリップを抑制することができる。
本発明の透明導電性積層体の製造方法の概略図の一例である。 本発明の透明導電性積層体の製造方法の概略図の一例である。
以下に本発明の透明導電性積層体の製造方法を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の透明導電性積層体の製造方法の一例を示すものであり、第1の透明フィルムA1と第2の透明フィルムA2が、駆動ロール(金属ロール)R1と従動ロール(金属ロール)R2の一対のラミネートロール間を通過することにより圧着して、透明導電性積層体Lを形成している。
図2は、本発明の他の透明導電性積層体の製造方法の一例を示すものであり、図1において、第3の透明フィルムBの両面に第1の透明フィルムA1と第2の透明フィルムA2が、駆動ロール(金属ロール)R1と従動ロール(金属ロール)R2の一対のラミネートロール間を通過することにより圧着して透明導電性積層体Lを形成している。
本発明では、少なくとも1枚の透明導電性フィルムを含む、少なくとも2枚の透明フィルムを、駆動ロール(金属ロール)R1と従動ロール(金属ロール)R2の一対のラミネートロールの間を通過することにより圧着させる。前記少なくとも2枚の透明フィルムのなかの、少なくとも1枚は透明導電性フィルムであり、図1、2では、少なくとも第1の透明フィルムA1および第2の透明フィルムA2のいずれか一方は透明導電性フィルムである。図1、2では、駆動ロール(金属ロール)R1の側から第1の透明フィルムA1が、従動ロール(金属ロール)R2の側からは第2の透明フィルムA2がそれぞれ搬送される。図1、図2に示す、駆動ロール(金属ロール)R1と従動ロール(金属ロール)R2のニップ点pでは、駆動ロール(金属ロール)R1の側からの押し込みによって、従動ロール(金属ロール)R2は弾性変形することができる。
前記駆動ロールR1、第1従動ロールR2は、いずれも金属ロールールR1であり、その材料としては、例えば、鉄、ステンレス、チタン、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。金属ロールの材料としては、費用対効果および耐食性の点から、鉄ロールまたはステンレスロールが好適である。
なお、図1の場合には、駆動ロール(金属ロール)R1と従動ロール(金属ロール)R2の一対のラミネートロール間では、第1の透明フィルムA1および第2の透明フィルムA2を接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わせる。また、図2の場合には、第3の透明フィルムBの両面において第1の透明フィルムA1と第2の透明フィルムA2を接着剤層または粘着剤層(図示せず)を介して貼り合わせる。前記接着剤層または粘着剤層は、第1の透明フィルムA1または第2の透明フィルムA2に設けていてもよく、両者の側に設けられていれてもよい。第3の透明フィルムBを用いる場合には、第3の透明フィルムBの片面または両面に接着剤層または粘着剤層を設けることができる。なお、接着剤層または粘着剤層は、濃度や粘度を調整した接着剤(溶液)または粘着剤(溶液)とともに、駆動ロール(金属ロール)R1と従動ロール(金属ロール)の一対のロール間を通すことにより圧着することもできる。また接着剤層および粘着剤層は、固形状態での貼り合わせを行うこともできる。
前記駆動ロール(金属ロール)R1と従動ロール(金属ロール)R2の各ロール径、貼り合わせるときのフィルムの搬送速度等は適宜に調整され、また接着剤層または粘着剤層の厚さは適宜調整することができる。
前記各ロールの直径としては、直径が小さいほど、各フィルムと接触する面積が小さくなるため、相対的にフィルム面に加えられる圧力が高くなる。そのため、各ロールの直径としては、300mm以下のものを用いることが好ましく、さらには250mm以下のものを用いることがより好ましい。ただし、この直径が小さくなりすぎると、ロールの耐久性が弱くなるために、十分な力を加えられなくなるため、50mm以上のロールを用いることが好ましく、100mm以上のロールを用いることがより好ましい。
また、貼り合わせるときの搬送速度は、特に制限されるものではなく、通常、2m/分〜50m/分程度で調整するのが好ましい。
また、貼り合わせるときのラミネートロール間のラミネート圧力は、特に制限されず適宜設定される。ラミネート圧力はフィルム表面のキズとラミネート時に混入する気泡を抑制する観点、生産性の点から、0.05MPa以上5MPa以下程度であるのが好ましく、0.1MPa以上4MPa以下がより好ましく、さらには0.5MPa以上3MPa以下が好ましい。ラミネート圧力が0.05MPaより小さいと十分な押圧ができないためフィルム間に気泡が発生する。またラミネート圧力が5MPaより大きいとフィルム表面のキズの発生しやすくなる。ラミネート圧力の測定は、富士フイルム社製の感圧紙「プレスケール」を用いて、当該感圧紙の色変化をコンピュータ画像処理により二値化し、その発色面積と濃度について、作製された圧力標準線の近似式から求められる。
<透明フィルム>
本発明では、少なくとも2枚の透明フィルムを用いる。透明フィルムとしては、特に制限されないが、透明性を有する各種のプラスチックフィルムが用いられる。当該プラスチックフィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリシクロオレフィン、ポリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン等が挙げられる。
前記透明フィルムの厚みは特に制限されないが、例えば、15〜300μmであり、15〜200μmであることが好ましく、20〜150μmであることがより好ましい。また、各透明フィルムの厚みは、同じであってもよく、異なっていてもよい、例えば、透明フィルムを薄型フィルムとする場合には、一方の透明フィルムの厚みを15〜75μm、さらには20〜75μm、さらには23〜50μmの範囲に設置することができる。
前記透明フィルムには、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、プラズマ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施すことができる。また、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などにより除塵、清浄化してもよい。また、前記透明フィルムには、接着剤層または粘着剤層による貼り合わせ面に易接着剤層を設けることができる。
<透明導電性フィルム>
本発明の製造方法は透明導電性積層体の製造方法に係り、前記少なくとも2枚の透明フィルムとして、少なくとも1枚の透明導電性フィルムを用いる。透明導電性フィルムは、前記透明フィルムの片面に透明導電層を有する。当該透明導電性フィルムは、透明導電層の側がロール側になるよう配置される。また、図1、図2において、第1の透明フィルムまたは第2の透明フィルムのいずれか一方にのみ透明導電性フィルムを用いる場合には、マイクロスリップを効果的に生じさせない観点から、駆動ロール(金属ロール)R1の側に透明導電性フィルムを適用するのが好ましい。
<透明導電層>
前記透明導電層の構成材料としては、特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物が用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、または酸化インジウム−酸化亜鉛複合酸化物などが好ましく用いられ、ITOが特に好ましく用いられる。また、前記第1の透明導電層の構成材料としては、アルミニウム亜鉛酸化物、ガリウム亜鉛酸化物、フッ素亜鉛酸化物、フッ素インジウム酸化物、アンチモンスズ酸化物、フッ素スズ酸化物、リンスズ酸化物等を用いることができる。その他、前記第1の透明導電層の構成材料としては、ポリチオフェンなどの導電性高分子、カーボンナノチューブなどを使用することができる。
前記透明導電層の厚みは特に制限されないが、その表面抵抗を1×103Ω/□以下の良好な導電性を有する連続被膜とするには、厚さ10nm以上とするのが好ましい。前記厚みは、10〜300nmであることがより好ましく、15〜100nmであることがさらに好ましい。膜厚が、厚くなりすぎると透明性の低下などをきたすため、15〜35nmであることが好ましく、より好ましくは20〜30nmの範囲内である。
透明導電層の形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、コーティング法等による透明導電層の形成方法を例示できる。また、必要とする膜厚に応じて適宜の方法を採用することもできる。
<アンダーコート層>
前記透明導電性フィルムは、第1、第2の透明フィルムに、アンダーコート層を介して透明導電層を設けることができる。アンダーコート層は、1層または複数層設けることができる。アンダーコート層は、無機物、有機物または無機物と有機物との混合物により形成することができる。
アンダーコート層の厚さは、特に制限されるものではないが、光学設計、前記第1の透明フィルムからのオリゴマー発生防止効果の点から、通常、1〜300nm程度であり、好ましくは5〜300nmである。なお、アンダーコート層を2層以上設ける場合、各層の厚さは、5〜250nm程度であり、好ましくは10〜250nmである。
<接着剤層または粘着剤層>
前記接着剤層または粘着剤層は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型の各種形態のものが用いられる。本発明の透明導電性積層体を製造する場合には、透明硬化型接着剤層が好適である。
<透明硬化型接着剤層>
透明硬化型接着剤層に形成には、例えば、ラジカル硬化型接着剤が好適に用いられる。ラジカル硬化型接着剤としては、電子線硬化型、紫外線硬化型等の活性エネルギー線硬化型の接着剤を例示できる。特に短時間で硬化可能な、活性エネルギー線硬化型が好ましく、さらには低エネルギーで硬化可能な紫外線硬化型接着剤が好ましい。
紫外線硬化型接着剤としては、大きくラジカル重合硬化型接着剤とカチオン重合型接着剤に区分出来る。その他、ラジカル重合硬化型接着剤は熱硬化型接着剤として用いることができる。
ラジカル重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物が挙げられる。これら硬化性成分は、単官能または二官能以上のいずれも用いることができる。またこれら硬化性成分は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適である。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、3−ペンチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸(炭素数1−20)アルキルエステル類が挙げられる。
また、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、シクロアルキル(メタ)アクリレート(例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレートなど)、アラルキル(メタ)アクリレート(例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど)、多環式(メタ)アクリレート(例えば、2−イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、5−ノルボルネン−2−イル−メチル(メタ)アクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチル(メタ)アクリレートなど)、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメチル−ブチル(メタ)メタクリレートなど)、アルコキシ基またはフェノキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類(2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシメトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなど)、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなど)、ハロゲン含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなど)、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど)等が挙げられる。
また、前記以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド(SP値22.9)、N−エトキシメチルアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー等が挙げられる。また、アクリロイルモルホリン等の窒素含有モノマー等が挙げられる。
また、前記ラジカル重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性二重結合を複数個有する化合物を例示することができ、当該化合物は、架橋成分として接着剤成分に混合することもできる。かかる架橋成分になる硬化性成分としては、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート、アロニックスM−220(東亞合成社製)、ライトアクリレート1,9ND−A(共栄社化学社製)、ライトアクリレートDGE−4A(共栄社化学社製)、ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学社製)、SR−531(Sartomer社製)、CD−536(Sartomer社製)等が挙げられる。また必要に応じて、各種のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートや、各種の(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。
ラジカル重合硬化型接着剤は、前記硬化性成分を含むが、前記成分に加えて、硬化のタイプに応じて、ラジカル重合開始剤を添加する。前記接着剤を電子線硬化型で用いる場合には、前記接着剤にはラジカル重合開始剤を含有させることは特に必要ではないが、紫外線硬化型、熱硬化型で用いる場合には、ラジカル重合開始剤が用いられる。ラジカル重合開始剤の使用量は硬化性成分100重量部あたり、通常0.1〜10重量部程度、好ましくは、0.5〜3重量部である。また、ラジカル重合硬化型接着剤には、必要に応じて、カルボニル化合物などで代表される電子線による硬化速度や感度を上がる光増感剤を添加することもできる。光増感剤の使用量は硬化性成分100重量部あたり、通常0.001〜10重量部程度、好ましくは、0.01〜3重量部である。
カチオン重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、エポキシ基やオキセタニル基を有する化合物が挙げられる。エポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されず、一般に知られている各種の硬化性エポキシ化合物を用いることができる。好ましいエポキシ化合物として、分子内に少なくとも2個のエポキシ基と少なくとも1個の芳香環を有する化合物や、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有し、そのうちの少なくとも1個は脂環式環を構成する隣り合う2個の炭素原子との間で形成されている化合物等が例として挙げられる。
また、透明硬化型接着剤層を形成には、水系の硬化型接着剤として、例えば、ビニルポリマー系、ゼラチン系、ビニル系ラテックス系、ポリウレタン系、イソシアネート系、ポリエステル系、エポキシ系等を例示できる。このような水系接着剤からなる接着剤層は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その水溶液の調製に際しては、必要に応じて、架橋剤や他の添加剤、酸等の触媒も配合することができる。
前記水系接着剤としては、ビニルポリマーを含有する接着剤などを用いることが好ましく、ビニルポリマーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。またポリビニルアルコール系樹脂としては、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤が耐久性を向上させる点からより好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂に配合できる架橋剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物が好ましく使用できる。例えば、ホウ酸やホウ砂、カルボン酸化合物、アルキルジアミン類;イソシアネート類;エポキシ類;モノアルデヒド類;ジアルデヒド類;アミノ−ホルムアルデヒド樹脂;さらに二価金属、または三価金属の塩およびその酸化物が挙げられる。
前記硬化型接着剤層を形成する接着剤は、必要であれば適宜添加剤を含むものであっても良い。添加剤の例としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシドで代表される接着促進剤、透明フィルムとの濡れ性を向上させる添加剤、アクリロキシ基化合物や炭化水素系(天然、合成樹脂)などに代表され、機械的強度や加工性などを向上させる添加剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤(金属化合物フィラー以外)、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止割、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等の安定剤等が挙げられる。
接着剤の塗工方式は、接着剤の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーター等が挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。
また、前記透明硬化型接着剤層の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜5μm、さらに好ましくは0.3〜4μmである。
前記粘着剤層は、粘着剤から形成される。粘着剤としては各種の粘着剤を用いることができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などが挙げられる。前記粘着剤の種類に応じて粘着性のベースポリマーが選択される。前記粘着剤のなかでも、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れる点から、アクリル系粘着剤が好ましく使用される。
上記のように、上記ラミネートロールにより、第1の透明フィルムおよび第2の透明フィルムを、接着剤層または粘着剤層を介して圧着して貼り合わせ後には、適宜に、硬化処理、乾燥工程がされる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、各例中、部、%はいずれも重量基準である。
実施例1
<第1の透明フィルム:透明導電性フィルム>
酸化インジウム97%、酸化スズ3%のインジウムスズ酸化物の焼結体ターゲットを備えたスパッタ装置を用いて、ポリエンレンテレフタレートフィルムの片面にインジウムスズ酸化物(ITO)層を形成した。ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さは25μmであり、インジウムスズ酸化物層の厚さは22nmであった。
<活性エネルギー線硬化型接着剤の調製>
ヒドロキシエチルアクリルアミド30部、メチルアクリレート30部、アロニックスM−220(東亞合成社製)40部、IRGACURE907(チバ・ジャパン社製)1.5部を混合して50℃で1時間撹拌し活性エネルギー線硬化型接着剤を得た。
<透明導電性積層体の製造>
次に、上記透明導電性フィルムのITO層を形成していない面に、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物をMCDコーター(富士機械社製)(セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/inch、回転速度140%/対ライン速)を用いて、厚み1μmになるように塗布した。次いで、前記活性エネルギー線硬化型接着剤を介して、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第2の透明フィルム)を貼り合わせた。その後、第2の透明フィルム側から、高圧水銀ランプの紫外線(波長365nm)を照射して、接着剤を硬化させて、第1の透明フィルムの片面に透明導電層を有する透明導電性積層体を得た。膜厚は膜厚計(Peacock社製デジタルダイアルゲージDG-205)を用いて測定した。紫外線の積算光量600mJ/cm2とした。
<ラミネートロール>
上記の貼り合わせに際しては、下記の駆動ロールと従動ロールを組み合わせた一対のラミネートロール用いた。
駆動ロール:直径200mmのSUS製のロール。
従動ロール:直径200mmのSUS製のロール。
図1に示す態様で、駆動ロールの側から第1の透明フィルム(透明導電性フィルム)を、従動ロールの側から第2の透明フィルムを搬送した。ライン速度は、いずれも15m/minとして、ラミネート圧は3.5MPaとした。
実施例2〜3
実施例1の<ラミネートロール>において、ラミネート圧、ライン速度を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を製造した。
比較例1〜3
実施例1の<ラミネートロール>において、従動ロールとして、弾性層(厚み3mm,ゴム硬度80のシリコンゴム)を有する直径200mmのゴムロールを用い、ラミネート圧、ライン速度を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を製造した。
実施例4
<第1および第2の透明フィルム:透明導電性フィルム>
実施例1で調製した、透明導電性フィルムと同様にして調製したものを用いた。
<透明導電性積層体の製造>
次に、上記2枚の透明導電性フィルム(第1および第2の透明フィルム)のITO層を形成していない面に、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物をMCDコーター(富士機械社製)(セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/inch、回転速度140%/対ライン速)を用いて、厚み1μmになるように塗布して、接着剤付き透明導電性フィルムを得た。次いで、図2に示す態様で、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第3の透明フィルム)の両面より、前記接着剤付き透明導電性フィルムを実施例1と同様のラミネートロールを用いて貼り合わせた。駆動ロールの側から第1の透明フィルム(透明導電性フィルム)を、従動ロールの側から第2の透明フィルム(透明導電性フィルム)を搬送した。ライン速度は、いずれも15m/minとして、ラミネート圧は3.0MPaとした。その後、両面から、高圧水銀ランプの紫外線(波長365nm)を照射して、接着剤を硬化させて、両面に透明導電層を有する透明導電性積層体を得た。膜厚は膜厚計(Peacock社製デジタルダイアルゲージDG-205)を用いて測定した。紫外線の積算光量600mJ/cm2とした。
実施例5〜6
実施例4の<ラミネートロール>において、ラミネート圧、ライン速度を表2に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を製造した。
比較例4〜6
実施例4の<ラミネートロール>において、従動ロールとして、弾性層(厚み3mm,ゴム硬度80のシリコンゴム)を有する直径200mmのゴムロールを用い、ラミネート圧、ライン速度を表2に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を製造した。
上記透明導電性積層体について以下の評価を行った。結果を表1および表2に示す。
<駆動ロールと従動ロールの回転速度の差>
駆動ロールと従動ロールの回転速度の差(%)は、オムロン(株)製ロータリーエンコーダインクリメンタル形E6A2−Cでの測定値により算出した。前記回転速度の差は1%以下であることが好ましく、さらには0.5%以下、さらには0.3%以下であるのが好ましい。
<キズ>
得られた透明導電性積層体に、暗室内でLEDライトを照射して、透過および反射によって観察されたキズを下記の基準により目視で評価した。
○:キズなし
△:最大長1mm未満のキズが1m中に5個以下。
×:最大長1mm以上のキズが1m中に5個を超える。
<気泡>
得られた透明導電性積層体を顕微鏡(10倍)で観察された気泡を下記の基準により評価した。
○:気泡なし。
△:最大長30μm未満の気泡が25cm中に5個以下。
×:最大長30μm未満の気泡が25cm中に5個を超える。
Figure 0006040081
Figure 0006040081
実施例では、駆動ロールと従動ロールがいずれも金属ロールである一対のラミネートロール間を用いているため、駆動ロールと従動ロールの回転速度の差を小さく制御することができ、また、キズおよび気泡を抑制して透明導電性積層体を製造することができる。一方、比較例1乃至6では、金属ロールと弾性ロール(ゴムロール)を組み合わせた一対のラミネートロール間を用いているため、駆動ロールと従動ロールの回転速度の差を小さく制御することができていない。そのため、比較例1乃至6では、ラミネート圧が比較的に小さくても、キズが生じている。また、比較例2、3では、比較例1に比べて、比較例5,6は比較例4に比べてライン速度がアップしているため、気泡が悪化する傾向がある。
A1 第1の透明フィルム
A2 第2の透明フィルム
B 第3の透明フィルム
R1 駆動ロール(金属ロール)
R2 従動ロール(金属ロール)
L 透明導電性積層体

Claims (4)

  1. 少なくとも1枚の透明導電性フィルムを含む、少なくとも2枚の透明フィルムを、接着剤層または粘着剤層を介して、金属ロールの駆動ロールと金属ロールの従動ロールの一対のラミネートロール間を通過することにより圧着することを特徴とする透明導電性積層体の製造方法。
  2. 前記駆動ロールと前記従動ロール間のラミネート圧力が0.05MPa以上5MPa以下であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性積層体の製造方法。
  3. 前記駆動ロールと前記従動ロールの回転速度の差が1%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の透明導電性積層体の製造方法。
  4. 前記金属ロールが鉄ロールまたはステンレスロールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性積層体の製造方法。
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