JP6285904B2 - 導電シートの製造方法、および、タッチパネル - Google Patents

導電シートの製造方法、および、タッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、導電シートの製造方法、および、タッチパネルに関する。
支持体上に導電性細線が形成された導電シートは、太陽電池、無機EL(エレクトロルミネッセンス)素子、有機EL素子などの各種電子デバイスの電極、各種表示装置の電磁波シールド、タッチパネル、透明面状発熱体などに幅広く利用されている。特に、近年、携帯電話や携帯ゲーム機器等へのタッチパネルの搭載率が上昇しており、タッチパネル用センサーとして用いられる導電シートの需要が急速に拡大している。
このような導電シートとして、例えば、特許文献1においては、ハロゲン化銀含有感光性層を用いて形成される、銀を含む導電性細線を有する導電シートが開示されている。なお、特許文献1においては、導電シートを得る際に、ゼラチンを分解するタンパク質分解酵素を用いてゼラチンを分解除去する工程が実施される。
特開2014−209332号公報
一方、工業的な生産性の点を考慮すれば、導電シートをいわゆるロール・ツー・ロールで製造できることが好ましい。
本発明者らは、特許文献1に記載される、タンパク質分解酵素による処理が施された導電シートをロール状に巻き取る作業を実施して、導電シートをロール状に巻き取った後、ロール状に巻き取られた導電シートの巻き出してその特性を評価したところ、巻き取り処理を実施する前と比較して、導電性細線が視認しやすくなる場合があることを知見した。特に、導電性細線をタッチパネルの検出電極(センサー電極)に適用するために、導電性細線からなるメッシュパターンを作製した際には、上記巻き取り作業によって、より金属特有の外光の反射率が増大し、メッシュパターンが見えやすくなってしまった。
本発明は、上記実情に鑑みて、巻き取り作業を実施した後であっても、導電性細線が視認しがたい導電シートの製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記製造方法より得られる導電シートを含むタッチパネルも提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、導電シートの巻き取り時の巻き取り面圧を制御することにより、所望の効果が得られることを見出した。
つまり、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) 長尺状の支持体の両面上に、ハロゲン化銀とゼラチンとゼラチンとは異なる高分子とを含み、ゼラチンの質量X1に対する高分子の質量Y1の質量比R1が0.1以上であるハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を接触させ、ハロゲン化銀含有感光性層を形成する工程Aと、
ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程Bと、
露光後のハロゲン化銀含有感光性層を現像して、金属銀を含有する導電性細線を形成し、導電性細線付き支持体を得る工程Cと、
導電性細線付き支持体を搬送しながら、導電性細線付き支持体中のゼラチンを除去して導電シートを得て、導電シートをロール状に巻き取る工程Dと、を有し、
工程Dにおいて、導電シートの巻き取り時の巻き取り面圧が0.3MPa以下である、導電シートの製造方法。なお、質量比R1は、質量Y1/質量X1を表す。
(2) 工程Dにおける巻き取り面圧が0.2MPa未満である、(1)に記載の導電シートの製造方法。
(3) 工程Dが、導電シートを被覆層付き巻芯にロール状に巻き取る工程であり、
被覆層付き巻芯が、巻芯と、巻芯の外周面上に配置された25%圧縮応力が275KPa以下である被覆層とを有する、(1)または(2)に記載の導電シートの製造方法。
(4) 工程Cと工程Dとの間に、導電性細線付き支持体を搬送しながら、導電性細線付き支持体に加熱処理を施し、導電性細線付き支持体をロール状に巻き取る工程Eをさらに有し、
工程Dにおいて、導電性細線付き支持体の巻き取り時の巻き取り面圧が0.3MPa以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の導電シートの製造方法。
(5) 工程Eにおける巻き取り面圧が0.2MPa以下である、(4)に記載の導電シートの製造方法。
(6) 工程Eが、導電性細線付き支持体を被覆層付き巻芯にロール状に巻き取る工程であり、
被覆層付き巻芯が、巻芯と、巻芯の外周面上に配置された25%圧縮応力が275KPa以下である被覆層とを有する、(4)または(5)に記載の導電シートの製造方法。
(7) 工程Dの後に、導電シートをロール状に巻回してなる導電シートロールから導電シートを巻き出して搬送し、導電シートに加熱処理を施し、導電シートをロール状に巻き取る工程Fをさらに有し、
工程Fにおいて、導電シートの巻き取り時の巻き取り面圧が0.3MPa以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載の導電シートの製造方法。
(8) 工程Fにおける巻き取り面圧が0.2MPa以下である、(7)に記載の導電シートの製造方法。
(9) 工程Fが、導電シートを被覆層付き巻芯にロール状に巻き取る工程であり、
被覆層付き巻芯が、巻芯と、巻芯の外周面上に配置された25%圧縮応力が275KPa以下である被覆層とを有する、(7)または(8)に記載の導電シートの製造方法。
(10) 工程Dの後に、導電シートをロール状に巻回してなる導電シートロールから導電シートを巻き出して搬送し、導電シートに含まれる高分子を架橋させる架橋処理を施し、導電シートをロール状に巻き取る工程Gをさらに有し、
工程Fにおいて、導電シートの巻き取り時の巻き取り面圧が0.3MPa以下である、(1)〜(9)のいずれかに記載の導電シートの製造方法。
(11) 工程Gにおける巻き取り面圧が0.2MPa以下である、(10)に記載の導電シートの製造方法。
(12) 工程Gが、導電シートを被覆層付き巻芯にロール状に巻き取る工程であり、
被覆層付き巻芯が、巻芯と、巻芯の外周面上に配置された25%圧縮応力が275KPa以下である被覆層とを有する、(10)または(11)に記載の導電シートの製造方法。
(13) 工程Dにおいて、導電シートをロール状に巻き取る前に、導電性細線に平滑化処理を施す、(1)〜(12)のいずれかに記載の導電シートの製造方法。
(14) (1)〜(13)のいずれかに記載の導電シートの製造方法より製造された導電シートを含むタッチパネル。
本発明によれば、巻き取り作業を実施した後であっても、導電性細線が視認しがたい導電シートの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記製造方法より得られる導電シートを含むタッチパネルも提供することができる。
本発明の導電シートの製造方法の好適態様の製造工程を示すフローチャートである。 工程Aの好適態様の流れを示す模式図である。 工程Bの好適態様の流れを示す模式図である。 工程Dの好適態様の流れを示す模式図である。 工程Cの好適態様の流れを示す模式図である。 工程Fの好適態様の流れを示す模式図である。 工程Gの好適態様の流れを示す模式図である。 導電性細線により形成されるメッシュパターンの一実施態様を示す平面図である。 実施例にて実施したカレンダ処理の態様を説明する概略図である。
以下に、本発明の導電性シートの製造方法の好適態様について説明する。
まず、本発明の特徴点としては、導電性細線付き支持体からゼラチンを除去した後、得られた導電性シートを巻き取る際に、巻き取り時の面圧が所定値以下(0.3MPa以下)であるように調整している点が挙げられる。
上述したように、本発明者らは、導電シートをロール状に巻き取った後、ロール状に巻き取られた導電シートの巻き出してその特性を評価したところ、巻き取り処理を実施する前と比較して、導電性細線が視認しやすくなっていることを知見した。上記の原因について、検討を行ったところ、両面に導電性細線が配置される導電シートをロール状に巻き取る際、ロール状態において一方の面上に配置される導電性細線と他方の面上に配置される導電性細線とが巻き取り時に接触して、巻き取り面圧によって両者の表面同士が押圧されて導電性細線表面が平坦化され、結果としてより外光を反射しやすくなり、導電性細線が視認しやすくなっていた。特に、導電性細線からゼラチンが除去された後は、導電性細線自体の機械的強度が低下するため、上記問題が顕著に発生しやすくなっていた。
本発明は、上記原因に基づいて、導電シートをロール状に巻き取る際に、巻き取り面圧が所定値以下となるように調整することにより、導電シートのロールにおいて導電性細線同士が接触しても、両者の表面が平坦化されないようにしている。
図1は、本発明の導電シートの製造方法の第1実施態様における製造工程を示すフローチャートである。
図1に示すように、導電シートの製造方法は、支持体上に所定のハロゲン化銀含有感光性層を形成する工程A(ハロゲン化銀含有感光性層形成工程A)(S102)、ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程B(露光工程B)(S104)、ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程C(現像工程C)(S106)、加熱処理を行う工程E(第1加熱工程E)(S108)、ゼラチンの除去を行う工程D(ゼラチン除去工程D)(S110)、加熱処理を行う工程F(第2加熱工程F)(S112)、および、高分子同士の架橋処理を行う工程G(架橋処理工程G)(S114)を備える。
なお、上記第1実施態様においては、第1加熱工程E、第2加熱工程F、および、架橋処理工程Gが含まれるが、これらは任意の工程であり、実施しなくてもよい。つまり、本発明の導電シートの製造方法は、ハロゲン化銀含有感光性層形成工程A、露光工程B、現像工程C、および、ゼラチン除去工程Dが含まれていればよい。
また、後段においては、工程A、工程B、工程C、工程Dのそれぞれの工程においてロール・ツー・ロール方式(RtoR方式)で処理を行う態様を述べているが、この態様に関わらず、工程A〜工程Dまでを一つの搬送ラインでRtoR方式にて実施してもよい。また、各工程を組み合わせて実施してもよく、例えば、工程A〜工程Cを一つの搬送ラインでRtoR方式にて実施して、工程Dを別の搬送ラインでRtoR方式にて実施してもよい。さらに、工程AをRtoR方式にて実施して、工程B〜工程Dを一つの搬送ラインでRtoR方式にて実施してもよい。
以下に、各工程で使用される材料およびその手順について詳述する。
<工程A(ハロゲン化銀含有感光性層形成工程A)>
工程Aは、長尺状の支持体の両面上に、ハロゲン化銀とゼラチンとゼラチンとは異なる高分子(以後、単に「高分子」とも称する)とを含むハロゲン化銀含有感光性層(以後、単に「感光性層」とも称する)形成用組成物を塗布して、ハロゲン化銀含有感光性層を形成する工程である。なお、ゼラチンの質量X1に対する高分子の質量Y1の質量比R1が0.1以上である。本工程を実施することにより、長尺状の支持体の両面上に、ハロゲン化銀(例えば臭化銀粒子、塩臭化銀粒子や沃臭化銀粒子)とゼラチンとゼラチンとは異なる高分子とを含む感光性層が形成される。
まず、本工程Aで使用される材料・部材について詳述し、その後工程Aの手順について詳述する。
(支持体)
支持体は、後述する導電性細線を支持でき、かつ、長尺状であれば特にその種類は制限されず、透明支持体であることが好ましく、特にプラスチックフィルムが好ましい。
なお、長尺状の支持体とは長手方向に延びる支持体であり、具体的には、長手方向の長さが10m以上の支持体を意図し、生産性の点から、500m以上が好ましい。なお、長手方向の長さは特に制限されず、5000m以下の場合が多い。
支持体の幅は特に制限されないが、150〜1000mmの場合が多く、300〜500mmが好ましい。
支持体の厚みは特に制限されないが、タッチパネルや電磁波シールドなどの用途への応用の点からは、通常、25〜500μmの範囲で任意に選択することができる。なお、透明導電フィルムの支持体の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
支持体を構成する材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)(258℃)、ポリシクロオレフィン(134℃)、ポリカーボネート(250℃)、アクリルフィルム(128℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN)(269℃)、ポリエチレン(PE)(135℃)、ポリプロピレン(PP)(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)やトリアセチルセルロース(TAC)(290℃)などの融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、特に、PET、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネートが好ましい。( )内の数値は融点である。支持体の全光線透過率は、85%〜100%であることが好ましい。
支持体の好適態様の一つとしては、大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理、および紫外線照射処理からなる群から選択される少なくとも一つの表面処理が施された処理済支持体が挙げられる。上記処理が施されることにより、処理済支持体表面にはOH基などの親水性基が導入され、後述する導電性細線の密着性がより向上する。
上記処理の中でも、導電性細線の密着性がより向上する点で、大気圧プラズマ処理が好ましい。
支持体の他の好適態様としては、その表面上に後述するゼラチンとは異なる高分子を含む下塗り層を有することが好ましい。この下塗り層上に感光性層が形成されることにより、後述する導電性細線の密着性がより向上する。
下塗り層の形成方法は特に制限されないが、例えば、高分子を含む下塗り層形成用組成物を支持体上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。下塗り層形成用組成物には、必要に応じて、溶媒が含まれていてもよい。溶媒の種類は特に制限されず、後述するハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物で使用される溶媒が例示される。また、高分子を含む下塗り層形成用組成物として、高分子微粒子を含むラテックスを使用してもよい。
下塗り層の厚みは特に制限されないが、導電性細線の密着性がより優れる点で、0.02〜0.3μmが好ましく、0.03〜0.2μmがより好ましい。
(ハロゲン化銀)
ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、沃素およびフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、塩化銀、臭化銀、沃化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらに臭化銀や塩化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。
なお、ここで、「臭化銀を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。この臭化銀を主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
ハロゲン化銀は固体粒子状であり、露光、現像処理後に形成される導電性細線のパターン性の観点からは、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜100nmであることがより好ましく、1〜50nmであることがさらに好ましい。
なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、同じ体積を有する球形粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状が挙げられる。
また、ハロゲン化銀の安定化や高感化のために用いられるロジウム化合物、イリジウム化合物などの8族、9族に属する金属化合物、パラジウム化合物の利用については、特開2009−188360号の段落0039〜段落0042の記載を参照することができる。さらに化学増感については、特開2009−188360号の段落0043の技術記載を参照することができる。
(ゼラチン)
ゼラチンの種類は特に制限されず、例えば、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチンの加水分解物、ゼラチン酵素分解物、その他アミノ基、カルボキシル基を修飾したゼラチン(フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン)を使用することもできる。
(高分子)
使用される高分子の種類はゼラチンと異なれば特に制限されないが、後述するゼラチンを分解する酸化剤で分解しない高分子が好ましい。高分子としては、例えば、疎水性高分子(疎水性樹脂)などが挙げられ、より具体的には、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体およびキトサン系重合体、からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体などが挙げられる。
また、高分子には、後述する架橋剤と反応する反応性基が含まれることが好ましい。
さらに、高分子の他の好適態様としては、水分の浸入をより防止できる点より、以下の一般式(1)で表されるポリマー(共重合体)が挙げられる。
一般式(1): −(A)x−(B)y−(C)z−(D)w−
なお、一般式(1)中、A、B、C、およびDはそれぞれ、下記繰り返し単位を表す。
1は、メチル基またはハロゲン原子を表し、好ましくはメチル基、塩素原子、臭素原子を表す。pは0〜2の整数を表し、0または1が好ましく、0がより好ましい。
2は、メチル基またはエチル基を表し、好ましくはメチル基を表す。
3は、水素原子またはメチル基を表し、好ましくは水素原子を表す。Lは、2価の連結基を表し、好ましくは下記一般式(2)で表される基である。
一般式(2):−(CO−X1)r−X2
一般式(2)中X1は、酸素原子または−NR30−を表す。ここでR30は、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアシル基を表し、それぞれ置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基など)を有してもよい。R30は、好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基など)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基など)である。X1として特に好ましいのは、酸素原子または−NH−である。
2は、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、またはアルキレンアリーレンアルキレン基を表し、これらの基には−O−、−S−、−OCO−、−CO−、−COO−、−NH−、−SO2−、−N(R31)−、−N(R31)SO2−などが途中に挿入されてもよい。ここでR31は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、イソプロピル基などがある。X2の好ましい例としては、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、−CH2CH2OCOCH2CH2−、−CH2CH2OCO(C64)−が挙げられる。
rは0または1を表す。
qは0または1を表し、0が好ましい。
4は、炭素数5〜80のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表し、好ましくは炭素数5〜50のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜30のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数5〜20のアルキル基である。
5は、水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、または−CH2COOR6を表し、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、−CH2COOR6が好ましく、水素原子、メチル基、−CH2COOR6がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
6は、水素原子または炭素数1〜80のアルキル基を表し、R4と同じでも異なってもよく、R6の炭素数は1〜70が好ましく、1〜60がさらに好ましい。
一般式(1)中、x、y、z、およびwは各繰り返し単位のモル比率を表す。
xとしては、3〜60モル%、好ましくは3〜50モル%、より好ましくは3〜40モル%である。
yとしては、30〜96モル%、好ましくは35〜95モル%、より好ましくは40〜90モル%である。
また、zとしては、0.5〜25モル%、好ましくは0.5〜20モル%、より好ましくは1〜20モル%である。
wとしては、0.5〜40モル%、好ましくは0.5〜30モル%である。
一般式(1)において、xは3〜40モル%、yは40〜90モル%、zは0.5〜20モル%、wは0.5〜10モル%の場合が特に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーとしては、下記一般式(2)で表されるポリマーが好ましい。
一般式(2)中、x、y、zおよびwは、上記の定義の通りである。
一般式(1)で表されるポリマーは、一般式(A)、(B)、(C)および(D)以外の他の繰り返し単位を含んでもよい。他の繰り返し単位を形成するためのモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、オレフィン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アクリルアミド類、不飽和カルボン酸類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類などが挙げられる。これらのモノマーとしては特許第3754745号公報の[0010]〜[0022]にも記載されている。
疎水性の観点からアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類が好ましく、ヒドロキシエチルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルメタクリレートまたはヒドロキシアルキルアクリレートがより好ましい。一般式(1)で表されるポリマーは、上記一般式(A)、(B)、(C)および(D)以外に下記一般式(E)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
上記式中、LEはアルキレン基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がさらに好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーとしては、下記一般式(3)で表されるポリマーが特に好ましい。
上記式中、a1、b1、c1、d1、およびe1は各繰り返し単位のモル比率を表し、a1は3〜60(モル%)、b1は30〜95(モル%)、c1は0.5〜25(モル%)、d1は0.5〜40(モル%)、e1は1〜10(モル%)を表す。
a1の好ましい範囲は上記xの好ましい範囲と同じであり、b1の好ましい範囲は上記yの好ましい範囲と同じであり、c1の好ましい範囲は上記zの好ましい範囲と同じであり、d1の好ましい範囲は上記wの好ましい範囲と同じである。
e1は1〜10モル%であり、好ましくは2〜9モル%であり、より好ましくは2〜8モル%である。
一般式(1)で表されるポリマーの重量平均分子量は、1000〜100万が好ましく、2000〜75万がより好ましく、3000〜50万がさらに好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーは、例えば、特許第3305459号および特許第3754745号公報などを参照して合成することができる。
(その他)
ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物には、必要に応じて、上述した材料以外の他の材料が含まれていてもよい。例えば、ハロゲン化銀の安定化および高感度化のために用いられるロジウム化合物、イリジウム化合物などの8族、9族に属する金属化合物が挙げられる。または、特開2009−004348号公報の段落[0220]〜[0241]に記載されるような、帯電防止剤、造核促進剤、分光増感色素、界面活性剤、カブリ防止剤、硬膜剤、黒ポツ防止剤、レドックス化合物、モノメチン化合物、ジヒドロキシベンゼン類などが挙げられる。さらには、物理現像核が含まれていてもよい。
なかでも、ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物には、上記高分子同士を架橋するために使用される架橋剤が含まれることが好ましい。架橋剤が含まれることにより、高分子同士間での架橋が進行し、後述する工程Cにおいてゼラチンが分解除去された際にも導電性細線中の金属銀同士の連結が保たれ、結果として導電特性により優れた導電性細線が得られる。
ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物には、必要に応じて、溶媒が含有される。
使用される溶媒としては、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、またはこれらの混合溶媒を挙げることができる。
使用される溶媒の含有量は特に制限されないが、組成物全質量に対して、30〜90質量%の範囲が好ましく、50〜80質量%の範囲がより好ましい。
ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物中において、ゼラチンの質量X1と高分子の質量Y1との質量比R1(Y1/X1)が0.1以上である。なかでも、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、0.2以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、通常、2.0以下の場合が多い。
(工程Aの手順)
工程Aにおいて、支持体の両面上に、上記成分を含むハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を接触させる方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を支持体上に塗布する方法や、ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物中に支持体を浸漬する方法などが挙げられる。
なお、上記処理後、必要に応じて、乾燥処理を実施してもよい。
形成されたハロゲン化銀含有感光性層中におけるハロゲン化銀の含有量は特に制限されないが、導電性細線の導電特性がより優れる点で、銀換算で3.0〜20.0g/m2が好ましく、5.0〜15.0g/m2がより好ましい。
また、ハロゲン化銀含有感光性層中の高分子の含有量は特に制限されないが、導電性細線の密着性がより優れる点で、0.04〜2.0g/m2が好ましく、0.8〜0.4g/m2がより好ましく、0.1〜0.4g/m2がさらに好ましい。
なお、上記工程Aの前に、支持体上にゼラチンとゼラチンとは異なる高分子とを含むハロゲン化銀不含有層を形成する工程をさらに有していてもよい。なお、この工程の手順に関しては、特開2014−112512号公報の段落0068〜0070の手順を参照することができる。
また、上記工程Aの後で後述する工程Bの前に、ハロゲン化銀含有感光性層上にゼラチンとゼラチンとは異なる高分子とを含む保護層を形成する工程をさらに有していてもよい。なお、この工程の手順に関しては、特開2014−112512号公報の段落0071〜0072の手順を参照することができる。
(工程Aの好適態様)
工程Aにおいては、生産性の点から、いわゆるロール・ツー・ロール方式で実施することが好ましい。つまり、工程Aは、長尺状の支持体をロール状に巻回してなる支持体ロールから支持体を巻き出して(送り出して)長手方向に搬送しつつ、支持体の両面に上記成分を含むハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を接触させてハロゲン化銀含有感光性層を形成し、その後、ハロゲン化銀含有感光性層を有する支持体(以後、感光性層付き支持体とも称する)をロール状に巻き取る工程であることが好ましい。
以下、図2は、工程Aの好適態様の流れを示す模式図である。図2に示すように、まず、長尺状の支持体をロール状に巻回してなる支持体ロール10を送り出しローラ12Aに装着し、支持体ロール10から長尺状の支持体S1を巻き出し、長手方向(図2中の矢印の方向)に長尺状の支持体S1を連続的に搬送する。長尺状の支持体S1は塗布装置14に搬送されて、長尺状の支持体S1の両面にハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物が連続的に塗布されて、ハロゲン化銀含有感光性層が形成される。その後、塗布装置14を通過したハロゲン化銀含有感光性層を有する支持体は、再び、巻き取りローラ16Aによってロール状に巻き取られる。なお、図2において、巻き取りローラ16Aには、図示しない巻芯(巻き芯部)が装着され、その巻芯(巻き芯部)にハロゲン化銀含有感光性層を有する支持体が巻きつけられる。上記巻芯としては、後段で詳述する被覆層付き巻芯を使用してもよい。
なお、送り出しローラ12Aおよび巻き取りローラ16Aは、それぞれ図示しない駆動源(例えば、モーター)によって、図中、反時計回りに回転する。
また、塗布装置14は、上述したハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を支持体に塗布できる装置であればその種類は特制限されず、例えば、バー塗布装置、ロール塗布装置、グラビア塗布装置などが挙げられる。
必要に応じて、塗布装置14の搬送方向下流側に、ハロゲン化銀含有感光性層を有する支持体に乾燥処理を施す乾燥装置を設置して、ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を支持体に塗布した後、乾燥処理を施してもよい。
<工程B(露光工程B)>
工程Bは、ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程である。本工程を実施することにより、露光部分において、ハロゲン化銀が潜像を形成する。なお、露光はパターン状に実施してもよく、例えば、後述する導電性細線からなるメッシュパターンを得るためには、メッシュ状の開口パターンを有するマスクを介して、露光する方法が挙げられる。
以下では、本工程で実施される露光処理について詳述する。
(露光処理)
露光処理は、感光性層に露光を行う処理である。感光性層に対してパターン状の露光を施すことにより、露光領域における感光性層中のハロゲン化銀が潜像を形成する。この潜像が形成された領域は、後述する現像処理によって導電部を形成する。
露光の際に使用される光源は特に制限されず、可視光線、紫外線などの光、または、X線などの放射線などが挙げられる。
パターン露光を行う方法は特に制限されず、例えば、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。なお、パターンの形状は特に制限されず、形成したい導電性細線のパターンに合わせて適宜調整される。
(工程Bの好適態様)
工程Bにおいては、生産性の点から、いわゆるロール・ツー・ロール方式で実施することが好ましい。つまり、工程Bは、感光性層付き支持体をロール状に巻回してなる感光性層付き支持体ロールから感光性層付き支持体を巻き出して(送り出して)長手方向に搬送しつつ、支持体の両面に配置されたハロゲン化銀含有感光性層を露光した後、露光が施されたハロゲン化銀含有感光性層を有する支持体(以後、露光処理済み支持体とも称する)をロール状に巻き取る工程であることが好ましい。
以下、図3は、工程Bの好適態様の流れを示す模式図である。図3に示すように、まず、感光性層付き支持体をロール状に巻回してなる感光性層付き支持体ロール18を送り出しローラ12Bに装着し、感光性層付き支持体ロール18から感光性層付き支持体S2を巻き出し、長手方向(図3中の矢印の方向)に感光性層付き支持体S2を連続的に搬送する。感光性層付き支持体S2は露光装置20に搬送されて、感光性層付き支持体S2中の感光性層に連続的に露光処理が施される。その後、露光装置20を通過した露光処理済み支持体は、巻き取りローラ16Bによってロール状に巻き取られる。なお、図3において、巻き取りローラ16Bには、図示しない巻芯(巻き芯部)が装着され、その巻芯(巻き芯部)に露光処理済み支持体が巻きつけられる。
送り出しローラ12Bおよび巻き取りローラ16Bは、それぞれ図示しない駆動源(例えば、モーター)によって、図中、反時計回りに回転する。
また、露光装置20は、上述した感光性層に露光を行う装置であり、公知の露光装置が使用される。
露光処理済み支持体をロール状に巻き取る際の巻き取り面圧は特に制限されないが、導電性細線がより視認しがたい点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、0.3MPa以下が好ましく、0.25MPa以下がより好ましく、0.2MPa以下がさらに好ましく、0.15MPa以下が特に好ましく、1.0MPa以下が最も好ましい。下限は特に制限されないが、0.01MPa以上が好ましく、巻きズレが生じにくい点で、0.03MPa以上がより好ましい。
なお、巻き取り面圧とは、長尺状の基板(工程Bでは、露光処理済み支持体。後述する工程Eでは、導電性細線付き支持体。後述する工程Dでは、導電シート。後述する工程Fでは、導電シート。後述する工程Gでは、導電シート。)をロール状に巻き取った際に、重なって配置される基板にかかる面圧を意図する。つまり、長尺状の基板を巻き取る際の巻き絞める力(張力)によって、ロール状にまとめられた基板の面を押す(圧縮する)方向にかかる押圧力に該当する。言い換えれば、ロール径方向の圧縮応力に該当する。上記の場合、露光処理済み支持体をロール状に巻き取った際に、重なって配置される露光処理済み支持体にかかる面圧(ロール径方向圧縮応力)に該当する。
上記のような巻き取り面圧の測定には、圧力測定フィルム(圧力センサー)である富士フイルム株式会社製プレスケール(極超低圧用(LLLW)または超低圧用(LLW))を用いる。具体的には、巻芯(巻き芯部)の幅方向全域にわたり上記圧力測定フィルム(圧力センサー)(富士フイルム株式会社製プレスケール)を巻きつけ、次に、巻芯(巻き芯部)に測定対象である露光処理済み支持体の長さ方向の端面を固定して、露光処理済み支持体(幅:500mm)を巻き取り長さ10m以上(例えば、200m)に渡って巻きつけて、ロールサンプルを作製する。ロールサンプル作製直後、ロールを巻きほぐして、巻芯(巻き芯部)上の発色したプレスケールの色を目視で観察して、着色の度合いを確認し、プレスケールにかかった巻き取り面圧(ロール径方向圧縮応力)を換算する。なお、巻き取り面圧が0.5MPa以上の場合には、プレスケール(超低圧用(LLW))を使用する。
なお、上記巻芯として、後段で詳述する被覆層付き巻芯を使用する場合も同様の手順によって巻き取り面圧を測定できる。
巻き取り面圧を制御する方法は特に制限されず、例えば、送り出しローラや巻き取りローラの回転方向・回転速度を制御する方法が挙げられる。例えば、支持体を送り出す方向と反対の方向に送り出しローラを付勢することで、支持体にバックテンションを与え、支持体に係るテンションを調整し、巻き取り面圧を調整する方法が挙げられる。
工程Bにおいては、上述したように、通常、巻芯に露光処理済み支持体を巻きつけて巻き取る。巻芯は、通常、円筒状である。
巻芯の材質は特に制限されず、例えば、紙またはプラスチックが挙げられる。プラスチックの種類は特に制限されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合)樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、繊維強化プラスチックが挙げられる。
工程Bにおいては、露光処理済み支持体を巻き取る際に、被覆層付き巻芯(被覆層付き巻き芯部)を用いてもよい。被覆層付き巻芯とは、巻芯と、巻芯の外周面上に外周面を覆うように配置された被覆層とを有し、被覆層は25%圧縮応力が所定の値以下である弾性層である。このような被覆層が巻芯上に配置されることにより、巻き取りの際に露光処理済み支持体が受ける応力を緩和することできる。通常、巻芯を用いて露光処理済み支持体を巻き取ると、露光処理済み支持体の巻き始め端部と、その上に巻き重ねられる部分との間に段差が生じやすいが、上記のような被覆層付き巻芯を用いると上記段差が解消されやすく、結果として、最終的に得られる導電シートの巻き始め初期の部分において導電性細線をより視認しがたくすることができる。
被覆層は、本発明の効果がより優れる点で、JIS K6767:1999に準じて測定した25%ひずみ時の圧縮応力(以下、「25%圧縮応力」という。)が275kPa以下であるのが好ましい。上記範囲内であれば、導電シート等の巻き取りの際にテンションがかかっても被覆層が十分に歪み、緩衝性が得られ、本発明の効果がより優れる。25%圧縮応力の下限は特に制限されず、均一で安定した巻き取りを行える点で、30kPa以上が好ましい。
被覆層の材質は特に限定されず、例えば、合成ゴムシートまたは樹脂発泡シートが挙げられる。
合成ゴムシートの種類は特に制限されず、例えば、スチレンブタジエンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。
樹脂発泡シートの種類は特に制限されず、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリ塩化ビニールフォーム、ビスコーススポンジ、ゴムフォーム、EVAフォーム、ABSフォーム、ナイロンフォーム、アクリル樹脂フォーム、ポリウレタンフォーム、フェルトフォーム、尿素樹脂フォーム、シリコン樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォームなどが挙げられる。
被覆層の形成方法は、特に制限されず、例えば、円筒状の巻芯表面に合成ゴムシートまたは樹脂発泡シートシート状をらせん状に巻きつけて接着固定する方法が挙げられる。
<工程C(現像工程C)>
工程Cは、工程Bで得られた露光されたハロゲン化銀含有感光性層を現像して、金属銀を含有する導電性細線を形成し、導電性細線付き支持体を得る工程である。本工程を実施することにより、露光領域(潜像が形成された領域)では導電性細線が形成される。一方、露光がなされなかった未露光領域では、現像処理の際にハロゲン化銀が溶解して感光性層から流出し、透明な膜(非導電部)が得られる。
以下では、本工程で実施される現像処理について詳述する。
(現像処理)
現像処理の方法は特に制限されないが、例えば、銀塩写真フイルム、印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。
現像処理の際に使用される現像液の種類は特に制限されないが、例えば、PQ(phenidone hydroquinone)現像液、MQ(Metol hydroquinone)現像液、MAA(メトール・アスコルビン酸)現像液等を用いることもできる。
現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。定着処理は、銀塩写真フイルム、印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がより好ましい。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、7秒〜50秒がより好ましい。
現像、定着処理を施した感光性層は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。
(工程Cの好適態様)
工程Cにおいては、生産性の点から、いわゆるロール・ツー・ロール方式で実施することが好ましい。つまり、工程Cは、露光処理済み支持体をロール状に巻回してなる露光処理済み支持体ロールから露光処理済み支持体を巻き出して(送り出して)長手方向に搬送しつつ、支持体の両面に配置されたハロゲン化銀含有感光性層を現像して、金属銀を含有する導電性細線を形成し、その後、再度、導電性細線を有する支持体(以後、導電性細線付き支持体とも称する)をロール状に巻き取る工程であることが好ましい。
以下、図4は、工程Bの好適態様の流れを示す模式図である。図4に示すように、まず、露光処理済み支持体をロール状に巻回してなる露光処理済み支持体ロール22を送り出しローラ12Cに装着し、露光処理済み支持体ロール22から露光処理済み支持体S3を巻き出し、長手方向(図4中の矢印の方向)に露光処理済み支持体S3を連続的に搬送する。露光処理済み支持体S3は現像装置24に搬送されて、露光処理済み支持体S3中の感光性層に連続的に露光処理が施される。その後、現像装置24を通過した導電性細線を有する支持体は、巻き取りローラ16Cによってロール状に巻き取られる。なお、図4において、巻き取りローラ16Cには、図示しない巻芯(巻き芯部)が装着され、その巻芯(巻き芯部)に導電性細線付き支持体が巻きつけられる。
なお、図4に示すように、現像装置24を通過した支持体100上の両面には、所定のパターン状の導電性細線102が配置された導電性細線付き支持体104が得られる。
巻芯(巻き芯部)としては、上述した被覆層付き巻芯を用いてもよく、導電シートの巻き始め初期の部分において導電性細線をより視認しがたくすることができる点で、被覆層付き巻芯を用いることが好ましい。
送り出しローラ12Cおよび巻き取りローラ16Cは、それぞれ図示しない駆動源(例えば、モーター)によって、図中、反時計回りに回転する。
また、現像装置24は、現像処理を行う装置であり、公知の現像装置が使用される。
必要に応じて、現像装置24の搬送方向下流側に、導電性細線付き支持体に乾燥処理を施す乾燥装置を設置して、現像処理後に導電性細線付き支持体に乾燥処理を施してもよい。
導電性細線付き支持体をロール状に巻き取る際の巻き取り面圧は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.3MPa以下が好ましく、0.25MPa以下がより好ましく、0.2MPa以下がさらに好ましく、0.15MPa以下が特に好ましく、1.0MPa以下が最も好ましい。下限は特に制限されないが、0.01MPa以上が好ましく、巻きズレが生じにくい点で、0.03MPa以上がより好ましい。
巻き取り面圧の定義、測定方法、および、制御方法は、上記(工程Bの好適態様)で述べた通りであり、測定対象として導電性細線付き支持基板が使用される。
<工程E(第1加熱工程E)>
工程Eは、工程Cで得られた導電性細線付き支持体に対して加熱処理を施す工程である。本工程を実施することにより、導電性細線中のゼラチンとは異なる高分子同士が融着し、より強固な層を構成する。より具体的には、ゼラチンとは異なる高分子同士粒子が融着しあい、均一なフィルムを形成する。このような均一な膜を形成するとゼラチン除去後も膜強度を維持でき、ヘイズ値の上昇を防ぐことができる。
なお、上述したように、本工程は任意の工程である。
加熱処理の条件は、使用されるゼラチンとは異なる高分子の種類に応じて適宜最適な条件が選択されるが、ゼラチンとは異なる高分子のガラス転移点以上の加熱条件が好ましい。
加熱処理の方法の一つとしては、導電性細線付き支持体を過熱蒸気に接触させる処理(以下、「過熱蒸気処理」とも称する)が挙げられる。過熱蒸気としては、過熱水蒸気でよいし、過熱水蒸気に他のガスを混合させたものでもよい。
過熱蒸気は、供給時間10秒以上70秒以下の範囲で導電性細線に接触させることが好ましい。供給時間が10秒以上であると、導電率の向上の効果が大きい。また、70秒あたりから導電性の向上が飽和状態となるため、70秒よりの長い時間の設定は経済性の点から好ましくない。
また、過熱蒸気は、供給量が500g/m3〜600g/m3の範囲で導電性細線に接触させることがよく、過熱蒸気の温度は、1気圧で100〜160℃(好ましくは100〜120℃)に制御されることが好ましい。
加熱処理の他の方法としては、100〜200℃(好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜130℃)で1〜240分間(好ましくは60〜150分間、より好ましくは90〜120分間)加熱処理を施す方法が挙げられる。
(工程Eの好適態様)
工程Eにおいては、生産性の点から、いわゆるロール・ツー・ロール方式で実施することが好ましい。つまり、工程Eは、導電性細線付き支持体をロール状に巻回してなる導電性細線付き支持体ロールから導電性細線付き支持体を巻き出して(送り出して)長手方向に搬送しつつ、導電性細線付き支持体に加熱処理を施し、その後、導電性細線付き支持体をロール状に巻き取る工程であることが好ましい。
以下、図5は、工程Eの好適態様の流れを示す模式図である。図5に示すように、まず、導電性細線付き支持体をロール状に巻回してなる導電性細線付き支持体ロール26を送り出しローラ12Dに装着し、導電性細線付き支持体ロール26から導電性細線付き支持体S4を巻き出し、長手方向(図5中の矢印の方向)に導電性細線付き支持体S4を連続的に搬送する。導電性細線付き支持体S4は加熱装置28に搬送されて、導電性細線付き支持体S4に連続的に加熱処理が施される。その後、加熱装置28を通過した導電性細線付き支持体は、巻き取りローラ16Dによって再びロール状に巻き取られる。なお、図5において、巻き取りローラ16Dには、図示しない巻芯(巻き芯部)が装着され、その巻芯(巻き芯部)に導電性細線付き支持体が巻きつけられる。
巻芯(巻き芯部)としては、上述した被覆層付き巻芯を用いてもよく、導電シートの巻き始め初期の部分において導電性細線をより視認しがたくすることができる点で、被覆層付き巻芯を用いることが好ましい。
なお、送り出しローラ12Dおよび巻き取りローラ16Dは、それぞれ図示しない駆動源(例えば、モーター)によって、図中、反時計回りに回転する。
また、加熱装置28は、上述した加熱(例えば、過熱蒸気処理)を行う装置であり、公知の加熱装置が使用される。
導電性細線付き支持体を再びロール状に巻き取る際の巻き取り面圧は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.3MPa以下が好ましく、0.25MPa以下がより好ましく、0.2MPa以下がさらに好ましく、0.15MPa以下が特に好ましく、1.0MPa以下が最も好ましい。下限は特に制限されないが、0.01MPa以上が好ましく、巻きズレが生じにくい点で、0.03MPa以上がより好ましい。
巻き取り面圧の定義、測定方法、および、制御方法は、上記(工程Bの好適態様)で述べた通りであり、測定対象として上記加熱処理が施された導電性細線付き支持体が使用される。
<工程D(ゼラチン除去工程D)>
工程Dは、導電性細線付き支持体を搬送しながら、導電性細線付き支持体中のゼラチンを除去して導電シートを得て、導電シートをロール状に巻き取る工程である。本工程を実施することにより、工程Eで得られた導電性細線付き支持体からゼラチンが分解・除去され、導電性細線間のイオンマイグレーションがより抑制される。
以下、図6は、工程Dの好適態様の流れを示す模式図である。図6に示すように、まず、導電性細線付き支持体をロール状に巻回してなる導電性細線付き支持体ロール30を送り出しローラ12Eに装着し、導電性細線付き支持体ロール30から導電性細線付き支持体S5を巻き出し、長手方向(図6中の矢印の方向)に導電性細線付き支持体S5を連続的に搬送する。導電性細線付き支持体S5はゼラチン除去装置32に搬送されて、導電性細線付き支持体中のゼラチンを除去する処理が連続的に実施される。その後、ゼラチン除去装置32を通過したゼラチンを除去する処理が施された導電性細線付き支持体(導電シートに該当)は、巻き取りローラ16Eによってロール状に巻き取られる。なお、図6において、巻き取りローラ16Eには、図示しない巻芯(巻き芯部)が装着され、その巻芯(巻き芯部)に導電シートが巻きつけられる。
巻芯(巻き芯部)としては、上述した被覆層付き巻芯を用いてもよく、導電シートの巻き始め初期の部分において導電性細線をより視認しがたくすることができる点で、被覆層付き巻芯を用いることが好ましい。
なお、送り出しローラ12Eおよび巻き取りローラ16Eは、それぞれ図示しない駆動源(例えば、モーター)によって、図中、反時計回りに回転する。
ゼラチン除去装置32は、導電性細線付き支持体からゼラチンを除去する処理を実施する装置である。
ゼラチンの除去の方法は特に制限されず、例えば、タンパク質分解酵素を用いてゼラチンを分解除去する方法(方法A)や、所定の酸化剤を用いてゼラチンを分解除去する方法(方法B)が挙げられる。
方法Aで使用されるタンパク質分解酵素(以降、酵素とも称す)としては、例えば、特開2014−209332号公報の段落0085に記載の酵素が挙げられる。
方法Aを実施する場合は、ゼラチン除去装置には上記酵素を含む処理液(酵素液)で満たされた槽が設けられ、この槽に導電性細線付き支持体を浸漬させるように搬送する態様が好ましい。この態様以外に、ゼラチン除去装置では、導電性細線付き支持体に上記処理液を塗布する態様でもよい。
処理液中における酵素含有量は特に指定はなく、ゼラチンの分解除去の程度が制御しやすい点で、処理液全量に対して酵素の含有量が0.05〜20質量%程度が適当であり、より好ましくは5〜10質量%である。
処理液のpHは、酵素の働きが最大限得られるように実験により選ばれるが、一般的には、5〜7であることが好ましい。また処理液の温度も酵素の働きが高まる温度、具体的には25〜45℃であることが好ましい。
方法Bで使用される酸化剤としては、例えば、特開2014−112512号公報の段落0065に記載の酸化剤が挙げられる。
方法Bを実施する場合は、ゼラチン除去装置には上記酸化剤を含む処理液で満たされた槽が設けられ、この槽に導電性細線付き支持体を浸漬させるように搬送する態様が好ましい。
導電シートをロール状に巻き取る際の巻き取り面圧は0.3MPa以下であり、本発明の効果がより優れる点で、0.2MPa未満が好ましく、0.15MPa以下がより好ましく、1.0MPa以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、0.01MPa以上が好ましく、巻きズレが生じにくい点で、0.03MPa以上がより好ましい。
巻き取り面圧の定義、測定方法、および、制御方法は、上記(工程Bの好適態様)で述べた通りであり、測定対象として上記導電シートが使用される。
なお、必要に応じて、ゼラチン除去装置の搬送方向下流側に、導電シートの導電性細線に対して平滑化処理を施す平滑化処理装置を設置して、導電シートに平滑化処理(例えば、カレンダ処理)を施してもよい。
平滑化処理の方法としては、特開2014−112512号公報の段落0077〜0079に記載の方法が挙げられる。
<工程F(第2加熱工程F)>
工程Fは、工程Dで得られた導電シートに対して加熱処理を施す工程である。本工程を実施することにより、導電性細線中のゼラチンとは異なる高分子同士が融着し、より強固な層を構成する。
なお、上述したように、本工程は任意の工程である。
加熱処理の方法および条件は、上述した工程E(第1加熱工程E)にて述べた加熱処理の方法および条件が挙げられる。
(工程Fの好適態様)
工程Fにおいては、生産性の点から、いわゆるロール・ツー・ロール方式で実施することが好ましい。つまり、工程Fは、導電シートをロール状に巻回してなる導電シートロールから導電シートを巻き出して(送り出して)長手方向に搬送しつつ、導電シートに加熱処理を施し、その後、再度、導電シートを再びロール状に巻き取る工程であることが好ましい。巻き取る際には、巻芯を用いてもよい。なお、巻芯(巻き芯部)としては、上述した被覆層付き巻芯を用いてもよく、導電シートの巻き始め初期の部分において導電性細線をより視認しがたくすることができる点で、被覆層付き巻芯を用いることが好ましい。
上記工程Fの好適態様は、導電性細線付き支持体の代わりに導電シートを使用する点以外は、上述した工程Eの好適態様と同じである。なお、工程Fでの巻き取り面圧の好適条件も、工程Eと同じである。
<工程G(架橋処理工程G)>
工程Gは、導電シートをロール状に巻回してなる導電シートロールから導電シートを巻き出して(送り出して)搬送し、導電シートに含まれる高分子を架橋させる架橋処理を施し、導電シートをロール状に巻き取る工程である。
なお、本実施態様では、工程Gは工程Fの後に実施されるが、工程Fが実施されない場合は、工程Dの後に工程Gを実施してもよい。
以下、図7は、工程Gの好適態様の流れを示す模式図である。図7に示すように、まず、導電シートをロール状に巻回してなる導電シートロール34を送り出しローラ12Fに装着し、導電シートロール34から導電シートS6を巻き出し、長手方向(図7中の矢印の方向)に導電シートS6を連続的に搬送する。導電シートS6は架橋処理装置36に搬送されて、導電シートS6に含まれる高分子を架橋させる架橋処理が連続的に施される。その後、架橋処理装置36を通過した導電シートは、巻き取りローラ16Fによって再びロール状に巻き取られる。なお、図7において、巻き取りローラ16Fには、図示しない巻芯(巻き芯部)が装着され、その巻芯(巻き芯部)に導電シートが巻きつけられる。
巻芯(巻き芯部)としては、上述した被覆層付き巻芯を用いてもよく、導電シートの巻き始め初期の部分において導電性細線をより視認しがたくすることができる点で、被覆層付き巻芯を用いることが好ましい。
なお、送り出しローラ12Fおよび巻き取りローラ16Fは、それぞれ図示しない駆動源(例えば、モーター)によって、図中、反時計回りに回転する。
架橋処理装置は、導電シートに含まれる高分子を架橋させる架橋処理を実施する装置である。
高分子を架橋させる方法は特に制限されないが、架橋剤を使用する方法が好ましい。
架橋剤を使用する場合、架橋処理装置には架橋剤を含む処理液で満たされた槽が設けられ、この槽に導電シートを浸漬させるように搬送する態様が好ましく挙げられる。
なお、使用される架橋剤の種類は特に制限されず、使用される高分子の構造に応じて適宜最適な架橋剤が選択される。
なお、導電シートと架橋剤との接触時間は特に制限されず、使用される架橋剤の種類などにより適宜最適な条件が選択されるが、通常、1〜300秒が好ましい。
導電シートをロール状に巻き取る際の巻き取り面圧は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.3MPa以下が好ましく、0.25MPa以下がより好ましく、0.2MPa以下がさらに好ましく、0.15MPa以下が特に好ましく、1.0MPa以下が最も好ましい。下限は特に制限されないが、0.01MPa以上が好ましく、巻きズレが生じにくい点で、0.03MPa以上がより好ましい。
巻き取り面圧の定義、測定方法、および、制御方法は、上記(工程Bの好適態様)で述べた通りであり、測定対象として上記導電シートが使用される。
なお、必要に応じて、架橋処理装置の搬送方向下流側に、導電シートに水洗処理を施す水洗処理装置を設置して、導電シートに水洗処理を施してもよい。
<導電シート>
上記工程を経て得られた導電シートは、少なくとも支持体と導電性細線とを有する。
導電性細線の線幅は特に制限されないが、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、9μm以下が特に好ましく、7μm以下が最も好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。上記範囲であれば、低抵抗の電極を比較的容易に形成できる。
導電性細線の厚みは特に制限されないが、0.001μm〜0.2mmが好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、0.01〜9μmが特に好ましく、0.05〜5μmが最も好ましい。上記範囲であれば、低抵抗の電極で、耐久性に優れた電極を比較的容易に形成できる。
導電性細線は所定のパターンを形成していてもよく、例えば、そのパターンは特に制限されず、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などを組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、メッシュ状(メッシュパターン)であることがより好ましい。メッシュ状とは、図8に示すように、交差する導電性細線102により構成される複数の正方形状の開口部(格子)106を含んでいる形状を意図する。
開口部106の一辺の長さPaは特に制限されないが、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下であることがさらに好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上がさらに好ましい。開口部の辺の長さが上記範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、導電シートを表示装置の前面にとりつけた際に、違和感なく表示を視認することができる。
可視光透過率の点から、導電性細線より形成されるメッシュパターンの開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、支持体全体に占める、導電性細線を領域の割合に相当する。
通常、上記露光はパターン状に実施され、未露光部は非導電部を形成する。未露光部に含まれていたハロゲン化銀およびゼラチンは工程Cおよび工程Dにより除去され、結果として、工程Dを経た後、非導電部には高分子が含まれる。つまり、非導電部には、主成分として高分子が含まれる。
非導電部における透過率は、支持体の光吸収および反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、97%以上がさらに好ましく、98%以上が特に好ましく、99%以上が最も好ましい。
導電シートは、種々の用途に用いることができる。例えば、各種電極(例えばタッチパネル用電極、無機EL素子用電極、有機EL素子用電極または太陽電池用電極)、発熱シート、またはプリント配線基板として使用することができる。なかでも、導電シートは、タッチパネルに用いられることが好ましく、静電容量方式のタッチパネルに用いられることが特に好ましい。
また、他の用途としては、導電シートは、パーソナルコンピュータやワークステーション等から発生する電波またはマイクロ波(極超短波)等の電磁波を遮断し、かつ静電気を防止する電磁波シールドとして用いることもできる。なお、パソコン本体に使用される電磁波シールド以外にも、映像撮影機器や電子医療機器などで使用される電磁波シールドとしても用いることができる。
さらには、導電シートは、透明発熱体としても用いることができる。
上述したように、導電シート中の導電性細線は、図8に示すようなメッシュパターンを形成してもよい。
従来、このようなメッシュパターンの見えやすさを評価する際には、観察者による官能評価に頼らざる得ない状況であったが、本発明においては後段で詳述する画像処理ソフトImageJより得られるGlay値を使用することで「メッシュパターンの見えやすさ」を定量化できることを知見し、Glay値が所定の範囲である場合においてメッシュパターンが見えづらい(視認しづらい)ことを知見している。
なお、「ImageJ」はアメリカ国立衛生研究所(NIH)で開発されたオープンソースでパブリックドメインの画像処理ソフトウェアである。
より具体的には、支持体と、支持体の一方の表面上に配置された導電性細線からなる第1メッシュパターンと、支持体の他方の表面上に配置された導電性細線からなる第2メッシュパターンとを有する導電シートにおいて、導電シートの第1メッシュパターン側から第1メッシュパターンを撮影した観察図を画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理ソフトImageJより算出されるGlay値をGlayA値、導電シートの第2メッシュパターン側から第2メッシュパターンを撮影した観察図を画像処理ソフトImageJに取り込み、画像処理ソフトImageJより算出されるGlay値をGlayB値とした場合、以下の式(1)〜式(4)の関係を満たす導電シートが、メッシュパターンが見えづらい導電シートとして挙げられる。
式(1) GlayA値<−55
式(2) GlayB値<−55
式(3) |GlayA値−GlayB値|<20
式(4) GlayB値 < GlayA値
上記Glay値とは、ImageJによって得られる「輝度値」であり、その値が大きいほど白く、その値が小さいほど黒く視認される。
導電性細線がより見えづらい点で、式(1)の好適範囲としては、以下の式(1−1)の範囲が挙げられる。
式(1−1) −80<GlayA値<−60
導電性細線がより見えづらい点で、式(2)の好適範囲としては、以下の式(2−1)の範囲が挙げられる。
式(2−1) −80<GlayB値<−70
導電性細線がより見えづらい点で、式(3)の好適範囲としては、以下の式(3−1)の範囲が挙げられる。
式(3−1) |GlayA値−GlayB値|<10
上記式(1)〜式(4)の関係を満たす導電シートであれば、導電性細線(または、メッシュパターン)が見えづらい。そのため、大量に製造された導電シート中の導電性細線のみえづらさに関して、上記式(1)〜式(4)を満たすか否かを評価して、満たしている場合は導電性細線が見えづらく、満たしていない場合は導電性細線が見えやすい、という評価方法を採用することもできる。
上記Glay値の算出方法に関しては、後段の実施例欄において詳述するが、所定の装置によりメッシュパターンを撮影して、得られた撮影画像を画像処理ソフトImageJに取り込み、所定の操作を実施することにより、Glay値を算出することができる。
なお、メッシュパターンを撮影する装置としては、KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ(VHX−2000(レンズ;VHZ−100R))(レンズ倍率×500倍、照明輝度70%)を使用する。
なお、上記式(1)〜式(4)中のGlay値は平均値(平均Glay値:平均GlayA値、平均GlayB値)であり、1画像について3回測定を行い、得られた値(Glay値)を平均したものである。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液および3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.12μmの核粒子を形成した。続いて下記4液および5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
1液:
水 750ml
ゼラチン 8.6g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法にしたがってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第1水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第2水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返して(第3水洗)、水洗・脱塩工程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、ゼラチン2.5g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
(ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物の調製)
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
上記塗布液に、含有するゼラチンに対して、下記(P−1)で表されるポリマーとジアルキルフェニルPEO硫酸エステルからなる分散剤を含有するポリマーラテックス(分散剤/ポリマーの質量比が2.0/100=0.02)とをポリマー/ゼラチン(質量比)=0.5/1になるように添加した。
さらに、架橋剤としてビニルスルホン系架橋剤を添加した。なお、架橋剤の添加量は、後述するハロゲン化銀含有感光性層中における架橋剤の量が0.03g/m2となるように調整した。
以上のようにしてハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を調製した。
なお、上記で例示した(P−1)で表されるポリマーは、特許第3305459号および特許第3754745号を参照して合成した。
(ハロゲン化銀含有感光性層形成工程)
幅500mm、長さ200m、厚み38μmの長尺状のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのロールを用意して、図2に示すように、送り出しローラを用いてPETフィルムを巻き出して搬送し、その両面に上記ポリマーラテックスを塗布して、厚み0.05μmの下塗り層を設けた。
次に、下塗り層上に、上記ポリマーラテックスとゼラチンとを混合したハロゲン化銀不含有層形成用組成物を両面に塗布して、厚み1.0μmのハロゲン化銀不含有層を設けた。なお、ポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は2/1であり、ポリマーの含有量は0.65g/m2であった。
次に、ハロゲン化銀不含有層上に、上記ハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を塗布し、厚み2.5μmのハロゲン化銀含有感光性層を設けた。なお、ハロゲン化銀含有感光性層中のポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は0.5/1であり、ポリマーの含有量は0.22g/m2であり、銀の含有量は6.0g/m2であった。
次に、ハロゲン化銀含有感光性層上に、上記ポリマーラテックスとゼラチンとを混合した保護層形成用組成物を塗布して、厚み0.15μmの保護層を設けた。なお、ポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は0.1/1であり、ポリマーの含有量は0.015g/m2であった。
その後、巻き取りローラを用いて、各層が配置されたPETフィルムをロール状に巻き取った。なお、巻き取りの際には、巻芯C1(外径6インチ、幅19.7インチ、FRP(Fiber Reinforced Plastics)製、被覆層なし、巻芯自体の25%圧縮応力は118MPa)を、巻き取りローラに装着して巻き取りを実施した。
(露光・現像工程)
次に、図3に示すように、送り出しローラを用いて、ロール状に巻き取られたPETフィルムを巻き出して搬送し、搬送中のPETフィルムの両面に、導電性細線(線幅)/非導電部(図8中のPaに該当)が3.5μm/297μmの導電パターンを与える格子状のフォトマスク(幅500mm、長さ600mm)を介して、高圧水銀ランプを光源とした平行光を露光した。その後、露光処理が施された搬送中のPETフィルムを、巻き取りローラを用いてロール状に巻き取った。なお、巻き取り時の面圧は0.1MPaであった。なお、巻き取りの際には、巻芯C1を、巻き取りローラに装着して巻き取りを実施した。
次に、図4に示すように、送り出しローラを用いて、ロール状に巻き取られたPETフィルムを巻き出して搬送し、自動現像機を使用して搬送中のPETフィルムの両面に対して、以下の現像液を用いた現像処理、定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士フイルム社製)を用いた定着処理、純水でのリンス処理、および、乾燥処理をこの順で実施して、導電性細線/非導電部が3.5μm/297μmメッシュパターン電極を有するPETフィルムを製造した。得られたPETフィルムは、巻き取りローラを用いて、ロール状に巻き取った。なお、巻き取り時の面圧は0.1MPaであった。また、上記支持体上の導電性細線間には、上記ポリマーを含むバインダー部があった。なお、巻き取りの際には、巻芯C1を、巻き取りローラに装着して巻き取りを実施した。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
(第1加熱処理(第1加熱工程E))
次に、図5に示すように、送り出しローラを用いて、上記(露光・現像工程)にて得られたロール状のPETフィルムを巻き出して搬送し、PETフィルムを過熱蒸気装置中の過熱蒸気槽(温度:120℃)を20秒間通過させて加熱処理を行い、その後、巻き取りローラを用いて、PETフィルムをロール状に巻き取った。なお、巻き取り時の面圧は0.3MPaであった。なお、巻き取りの際には、巻芯C1を、巻き取りローラに装着して巻き取りを実施した。
(ゼラチン除去処理(ゼラチン除去工程D))
次に、送り出しローラを用いて、上記(第1加熱処理)にて得られたロール状のPETフィルムを巻き出して搬送し、PETフィルムを後述するタンパク質分解酵素水溶液(40℃)で満たされたタンパク質分解酵素水溶液処理槽に浸漬時間が120秒となるように浸漬し、その後、PETフィルムを温水(50℃)で満たされた温水処理槽に浸漬時間が120秒となるように浸漬し、その後、PETフィルムに乾燥処理を施し、さらに、後述するカレンダ処理を施した後、巻き取りローラを用いて、PETフィルム(導電シートに該当)をロール状に巻き取った。なお、巻き取り時の面圧は0.3MPaであった。なお、巻き取りの際には、巻芯C1を、巻き取りローラに装着して巻き取りを実施した。
(カレンダ処理)
カレンダ処理は、図9に示すように、表面42Aに凹凸を有するマット部材42と、対向して配置された一対のカレンダローラ(第1カレンダローラ44Aおよび第2カレンダローラ44B)とを使用した。具体的には、図9(A)に示すように、(上記乾燥処理まで実施された)PETフィルム40とマット部材42とを、マット部材42の凹凸がPETフィルム40に接触するように積層するように共搬送し、図9(B)に示すように、一対のカレンダローラの間を搬送させた。なお、第1カレンダローラ44Aは金属ロール、第2カレンダローラ44Bはポリイミド製の樹脂ロールを使用し、面圧5MPaで処理を実施した。
なお、マット部材側のメッシュパターンを第一センサー電極、樹脂ロール側のメッシュパターンを第二センサー電極と定義した。
(タンパク質分解酵素水溶液の調製)
タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼ30L)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%)に、トリエタノールアミン、硫酸を加えてpHを8.5に調整して、タンパク質分解酵素水溶液を調製した。
(第2加熱処理(第2加熱工程F))
次に、図5に示すように、送り出しローラを用いて、上記(ゼラチン除去処理およびカレンダ処理)にて得られたロール状のPETフィルムを巻き出して搬送し、PETフィルムを過熱蒸気装置中の過熱蒸気槽(温度:120℃)を20秒間通過させて加熱処理を行い、その後、巻き取りローラを用いて、PETフィルムをロール状に巻き取った。なお、巻き取り時の面圧は0.3MPaであった。なお、巻き取りの際には、巻芯C1を、巻き取りローラに装着して巻き取りを実施した。
(架橋処理(架橋処理工程G))
次に、図7に示すように、送り出しローラを用いて、上記(第2加熱処理)にて得られたロール状のPETフィルムを巻き出して搬送し、PETフィルムをカルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡社製)1質量%水溶液で満たされた槽に浸漬時間が30秒となるように浸漬し、その後、PETフィルムを純水(室温)で満たされた洗浄処理槽に浸漬時間が60秒となるように浸漬し、その後、PETフィルムに乾燥処理を施した後、巻き取りローラを用いて、PETフィルムをロール状に巻き取った。なお、巻き取り時の面圧は0.3MPaであった。なお、巻き取りの際には、巻芯C1を、巻き取りローラに装着して巻き取りを実施した。
<実施例2〜6、比較例1〜2>
表1に示すように各工程の巻き取り時の面圧(巻き取り面圧)を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電シートを製造した。
なお、巻き取り面圧の変更方法としては、巻き取りテンションを変えることにより変更した。巻き取り面圧の測定方法は、上述したように、富士フイルム株式会社製プレスケール(極超低圧用(LLLW)または超低圧用(LLW))を使用した方法を実施した。
<実施例7>
各工程の巻き取り時に巻芯C1の代わりに被覆層付き巻芯C2(巻芯:外径6インチ、幅19.7インチ、FRP製、被覆層:ポリエチレンフォーム、25%圧縮応力は275kPa)を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電シートを製造した。
<実施例8〜9>
各工程の巻き取り時に巻芯C1の代わりに被覆層付き巻芯C3(巻芯:外径6インチ、幅19.7インチ、FRP製、被覆層:ポリエチレンフォーム、25%圧縮応力は63kPa)を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電シートを製造した。
<各種評価>
(Glay値評価)
導電シートの一方の表面(第一センサー電極側)上に透明光学粘着フィルム(3M社製、8146−2)を貼り合わせて、さらに、貼り合わされた透明光学粘着フィルムの一方の面上にさらに白板ガラスを貼り合わせた。また、導電性フィルムの他方(第二センサー電極側)の表面上に透明光学粘着フィルムを貼り合わせて、さらに、貼り合わされた透明光学粘着フィルムの一方の面上にさらに100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを貼り合わせて、白板ガラスおよびPETフィルムで導電性細線からなるメッシュパターン電極が挟まれた評価サンプルを作製した。
次に、KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ(VHX−2000(レンズ;VHZ−100R))を用いて、レンズ倍率×500倍、照明輝度70%にて、以下のように、評価サンプルの反射光で観察、撮影した。
色板ガラスを上(視認側)にして評価サンプルを台上に置き、ホワイトバランスを調整した後、白板ガラス側に配置される導電シート中のメッシュパターン電極(第一センサー電極)のメッシュ部にピントを合わせ、BGR表示機能にてメッシュ部がない部分の輝度が225±5になるように光量調整した。撮影した画像はjpeg形式で保存した。画像サイズは標準[1600×1200]を選択した。画像処理ソフトImageJを起動し、撮影した画像を、以下の通り取り込んだ。
(1)ツールバーより「*straight*」を選択する。
(2)カーソルをメッシュ部中心に置き、ドラックしてメッシュ部上に20μmに相当するラインを引く。
(3)Analyze−Measure Ctrl+M で値を読み込む。
(4)隣接するメッシュ部ではない箇所にカーソルを合わせ、ドラックしてメッシュ部ではない部分に20μmに相当するラインを引き、(3)と同様の手順で読みこむ。
(5)Resultsウィンドウを右クリックし、「SelectALL」→「Copy」を選択してExcelファイルに取り込み、下記のとおりGlayA値を算出した。
GlayA値=メッシュ部での値−メッシュ部ではない箇所での値
(6)上記(1)〜(5)について、1画像につき、3回おこなった平均値をGlayA値とした。
次に、同様に第一センサー電極側を上にして評価サンプルを台上に置き、ホワイトバランスを調整した後、PETフィルム側に配置される導電シート中のメッシュパターン電極(第二センサー電極)のメッシュ部にピントを合わせ、BGR表示機撮影した画像はjpeg形式で保存した。画像サイズは標準[1600×1200]を選択した。画像処理ソフトImageJを起動し、撮影した画像を、以下の通り取り込んだ。
(7)ツールバーより「*straight*」を選択する。
(8)カーソルをメッシュ部中心に置き、ドラックしてメッシュ部上に20μmに相当するラインを引く。
(9)Analyze−Measure Ctrl+Mで値を読み込む。
(10)隣接するメッシュ部ではない箇所にカーソルを合わせ、ドラックしてメッシュ部ではない部分に20μmに相当するラインを引き、(9)と同様の手順で読みこむ。
(11)Resultsウィンドウを右クリックし、「SelectALL」→「Copy」を選択してExcelファイルに取り込み、下記のとおりGlayB値を算出した。
GlayB値=メッシュ部での値−メッシュ部ではない箇所での値
(12)上記(7)〜(11)について、1画像につき、3回おこなった平均値をGlayB値とした。
なお、上記Glay値の測定で使用した導電シートは、後述する(メッシュ見え評価)で作製した導電シート片Aを用いた。
(メッシュ見え評価)
ロール状に巻き取られた導電シートを送り出しローラに装着し、導電シートを送り出し、長尺状導電シート中の2箇所から導電シート片を切り出し、サンプルを得た。具体的には、巻芯から20mの位置(約41周長部分)から切り出した導電シート片A、巻芯(または、被覆層付き巻芯)と接触する位置(1周長部分)から切り出した導電シート片Bをそれぞれ得た。切り出した導電シート片を用いて上記(Glay値評価)にて記載した方法で評価サンプルを作製した。作製した評価サンプルを白板ガラス面が上となるように、LCD(液晶ディスプレイ)上に置き、蛍光灯下および太陽光下において、光の当たる向きとパターンを観察する向きを変えて、総合的にパターンの見え難さを評価した。
「A」:メッシュパターンを視認しづらく、実用上まったく問題のない場合
「B」:強い光源(太陽光下)の下で、角度によっては全部または一部のメッシュパターンが目立つことがあり、屋外での使用が制限される場合
「C」:弱い光源(蛍光灯下)の下でも、角度によっては全部または一部のメッシュパターンが目立つことがあり、使用範囲が限られる場合
「D」:全部または一部のメッシュパターンが目立ち、実害を生じるため、使用できない場合
(巻きズレ)
巻き取り時のズレの評価は型取りゲージ(山野製作所)を用いて、ロール側面のズレ量を測定した。
「A」:ズレ量が2mm未満の場合
「B」:ズレ量が2mm以上5mm未満の場合
「C」:ズレ量が5mm以上の場合
表1中、「A値」はGlayA値を、「B値」はGlayB値を意図する。
上記表1に示すように、本発明の製造方法より得られる導電シートにおいては、導電性細線が視認しづらかった。特に、実施例4〜6に示すように、工程Cの巻き取り面圧が0.2PMa未満の場合は、その効果がより優れていた。
また、25%圧縮応力が275kPa以下の被覆層を有する被覆層付き巻芯を使った実施例7〜9では、巻芯と接触する位置から切り出した導電シートにおいてよりメッシュ見えが抑制されることが確認された。
一方、巻き取り面圧が大きい比較例1および2では、所望の効果が得られなかった。
10 支持体ロール
12A,12B,12C,12D,12E,12F 送り出しローラ
14 塗布装置
16A,16B,16C,16D,16E,16F 巻き取りローラ
18 感光性層付き支持体ロール
20 露光装置
22 露光処理済み支持体ロール
24 現像装置
26,30 導電性細線付き支持体ロール
28 加熱装置
32 ゼラチン除去装置
34 導電シートロール
36 架橋処理装置
40 PETフィルム
42 マット部材
44A 第1カレンダロール
44B 第2カレンダロール
100 支持体
102 導電性細線
104 導電性細線付き支持体
106 開口部

Claims (13)

  1. 長尺状の支持体の両面上に、ハロゲン化銀とゼラチンと前記ゼラチンとは異なる高分子とを含み、前記ゼラチンの質量X1に対する前記高分子の質量Y1の質量比R1が0.1以上であるハロゲン化銀含有感光性層形成用組成物を接触させ、ハロゲン化銀含有感光性層を形成する工程Aと、
    前記ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程Bと、
    前記露光後の前記ハロゲン化銀含有感光性層を現像して、金属銀を含有する導電性細線を形成し、導電性細線付き支持体を得る工程Cと、
    前記導電性細線付き支持体を搬送しながら、前記導電性細線付き支持体中の前記ゼラチンを除去して導電シートを得て、前記導電シートをロール状に巻き取る工程Dと、を有し、
    前記工程Dにおいて、前記導電シートの巻き取り時の巻き取り面圧が0.3MPa以下である、導電シートの製造方法。なお、前記質量比R1は、質量Y1/質量X1を表す。
  2. 前記工程Dにおける前記巻き取り面圧が0.2MPa未満である、請求項1に記載の導電シートの製造方法。
  3. 前記工程Dが、前記導電シートを被覆層付き巻芯にロール状に巻き取る工程であり、
    前記被覆層付き巻芯が、巻芯と、前記巻芯の外周面上に配置された25%圧縮応力が275KPa以下である被覆層とを有する、請求項1または2に記載の導電シートの製造方法。
  4. 前記工程Cと前記工程Dとの間に、前記導電性細線付き支持体を搬送しながら、前記導電性細線付き支持体に加熱処理を施し、前記導電性細線付き支持体をロール状に巻き取る工程Eをさらに有し、
    前記工程Eにおいて、前記導電性細線付き支持体の巻き取り時の巻き取り面圧が0.3MPa以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電シートの製造方法。
  5. 前記工程Eにおける前記巻き取り面圧が0.2MPa以下である、請求項4に記載の導電シートの製造方法。
  6. 前記工程Eが、前記導電性細線付き支持体を被覆層付き巻芯にロール状に巻き取る工程であり、
    前記被覆層付き巻芯が、巻芯と、前記巻芯の外周面上に配置された25%圧縮応力が275KPa以下である被覆層とを有する、請求項4または5に記載の導電シートの製造方法。
  7. 前記工程Dの後に、導電シートをロール状に巻回してなる導電シートロールから前記導電シートを巻き出して搬送し、前記導電シートに加熱処理を施し、前記導電シートをロール状に巻き取る工程Fをさらに有し、
    前記工程Fにおいて、前記導電シートの巻き取り時の巻き取り面圧が0.3MPa以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電シートの製造方法。
  8. 前記工程Fにおける前記巻き取り面圧が0.2MPa以下である、請求項7に記載の導電シートの製造方法。
  9. 前記工程Fが、前記導電シートを被覆層付き巻芯にロール状に巻き取る工程であり、
    前記被覆層付き巻芯が、巻芯と、前記巻芯の外周面上に配置された25%圧縮応力が275KPa以下である被覆層とを有する、請求項7または8に記載の導電シートの製造方法。
  10. 前記工程Dの後に、導電シートをロール状に巻回してなる導電シートロールから前記導電シートを巻き出して搬送し、前記導電シートに含まれる前記高分子を架橋させる架橋処理を施し、前記導電シートをロール状に巻き取る工程Gをさらに有し、
    前記工程Gにおいて、前記導電シートの巻き取り時の巻き取り面圧が0.3MPa以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電シートの製造方法。
  11. 前記工程Gにおける前記巻き取り面圧が0.2MPa以下である、請求項10に記載の導電シートの製造方法。
  12. 前記工程Gが、前記導電シートを被覆層付き巻芯にロール状に巻き取る工程であり、
    前記被覆層付き巻芯が、巻芯と、前記巻芯の外周面上に配置された25%圧縮応力が275KPa以下である被覆層とを有する、請求項10または11に記載の導電シートの製造方法。
  13. 前記工程Dにおいて、前記導電シートをロール状に巻き取る前に、前記導電性細線に平滑化処理を施す、請求項1〜12のいずれか1項に記載の導電シートの製造方法。
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