JP2020017381A - 導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搬送適性に優れ、かつ、膜剥がれも生じにくく、得られる導電性フィルムの導電性に優れる、導電性フィルムの製造方法を提供。【解決手段】 ハロゲン化銀とゼラチンとゼラチンとは異なる高分子とを含み、ハロゲン化銀由来の銀の質量に対するゼラチンの質量の比が0.05以上であり、ゼラチンの質量に対する上記高分子の質量の比が0.30以下である、ハロゲン化銀含有感光性層を支持体上に形成する工程Aと、ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程Bと、露光されたハロゲン化銀含有感光性層に現像処理を施して、金属銀とゼラチンと上記高分子とを含む銀含有層を形成する工程Cと、銀含有層中のゼラチンの一部を除去する工程Dと、工程Dで得られた銀含有層に加熱処理を施す工程Eと、工程Eで得られた銀含有層中のゼラチンを除去して、金属銀および上記高分子を含む導電層を形成する工程Fと、を有する、導電性フィルムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性フィルムの製造方法に関する。
導電層を有する導電性フィルムは、タッチパネル、太陽電池、および、EL(エレクトロルミネッセンス)素子など種々の用途に幅広く利用されている。特に、近年、携帯電話および携帯ゲーム機器へのタッチパネルの搭載率が上昇しており、多点検出が可能な静電容量方式のタッチパネル用の導電性フィルムの需要が急速に拡大している。
導電性フィルムの製造方法としては、特許文献1において、ハロゲン化銀を含む感光性層に、露光処理、および、現像処理などを順次実施して、金属銀を含む導電層を形成する方法が開示されている。
特開2014−112512号公報
一方で、近年、導電性フィルムに関しては、その製造適性のより一層の向上が求められている。より具体的には、導電性フィルムを製造する際に、現像工程、または、定着工程などでのフィルムの搬送時の耐傷性のより一層の向上が求められている。以後、この搬送時の耐傷性のことを搬送適性といい、搬送時の耐傷性が優れることを搬送適性に優れるともいう。
特許文献1に開示される方法では、従来の搬送適性の要求レベルは満たすものの、昨今求められる搬送適性の要求レベルを満たさない場合があり、更なる改良が必要であった。
なお、導電性フィルムの製造方法においては、上記搬送適性のみならず、導電性フィルムの製造時に膜剥がれが生じないこと(特に、ゼラチンを除去する際に支持体から膜剥がれが生じないこと)、および、得られる導電性フィルムの導電性に優れることも求められる。
本発明は、上記実情に鑑みて、搬送適性に優れ、かつ、膜剥がれも生じにくく、得られる導電性フィルムの導電性に優れる、導電性フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) ハロゲン化銀とゼラチンとゼラチンとは異なる高分子とを含み、ハロゲン化銀由来の銀の質量に対するゼラチンの質量の比が0.05以上であり、ゼラチンの質量に対する高分子の質量の比が0.30以下である、ハロゲン化銀含有感光性層を支持体上に形成する工程Aと、
ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程Bと、
露光されたハロゲン化銀含有感光性層に現像処理を施して、金属銀とゼラチンと高分子とを含む銀含有層を形成する工程Cと、
銀含有層中のゼラチンの一部を除去する工程Dと、
工程Dで得られた銀含有層に加熱処理を施す工程Eと、
工程Eで得られた銀含有層中のゼラチンを除去して、金属銀および高分子を含む導電層を形成する工程Fと、を有する、導電性フィルムの製造方法。
(2) ハロゲン化銀含有感光性層が、2種以上の重量平均分子量が異なるゼラチンを含む、(1)に記載の導電性フィルムの製造方法。
(3) ハロゲン化銀含有感光性層が、重量平均分子量が100000以上のゼラチンと、重量平均分子量が100000未満のゼラチンとを含む、(1)または(2)に記載の導電性フィルムの製造方法。
(4) ゼラチンの全質量に対する、重量平均分子量が100000未満のゼラチンの質量の割合が、5質量%以上である、(3)に記載の導電性フィルムの製造方法。
(5) 工程Dが、銀含有層と30℃以上の水とを接触させて、銀含有層中のゼラチンの一部を除去する工程である、(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性フィルムの製造方法。
(6) 水の温度が40℃以上である、(5)に記載の導電性フィルムの製造方法。
(7) 工程Dにおいて、銀含有層中のゼラチンの全質量に対する、除去されるゼラチンの質量の割合が1〜30質量%である、(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性フィルムの製造方法。
(8) 工程Eが、工程Dで得られた銀含有層と過熱蒸気とを接触させる工程である、(1)〜(7)のいずれかに記載の導電性フィルムの製造方法。
(9) 高分子が、工程Aにおいて粒子状である、(1)〜(8)のいずれかに記載の導電性フィルムの製造方法。
(10) 工程Fの後に、工程Fで得られた導電層を平滑化する工程Gをさらに有する、(1)〜(9)のいずれかに記載の導電性フィルムの製造方法。
(11) 工程Gの後に、工程Gで得られた導電層に加熱処理を施す工程Hをさらに有する、(10)に記載の導電性フィルムの製造方法。
本発明によれば、搬送適性に優れ、かつ、膜剥がれも生じにくく、得られる導電性フィルムの導電性に優れる、導電性フィルムの製造方法を提供できる。
導電性フィルムの導電層の一形態を示す一部平面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の従来技術と比較した特徴点としては、ハロゲン化銀由来の銀の質量に対するゼラチンの質量の比(ゼラチンの質量/ハロゲン化銀由来の銀の質量)(以下、「比A」ともいう。)を調整し、ハロゲン化銀含有感光性層中におけるゼラチンの質量に対するゼラチンとは異なる高分子(以下、「特定高分子」ともいう。)の質量の比(特定高分子の質量/ゼラチンの質量)(以下、「比B」ともいう。)を調整し、かつ、銀含有層中のゼラチンの一部を除去する工程Dを設けた点が挙げられる。
本発明者らは、比Aを所定値以上にすることにより搬送適性が向上することを見出している。一方で、比Aが所定値以上の場合、銀含有層からゼラチンを除去する際に膜剥がれが生じやすいことを知見している。これは比Aを大きくしたためゼラチンの量が多くなり、銀含有層に対して加熱処理を施しても特定高分子間での融着が進行しづらく、結果として膜剥がれが生じやすかった。そこで、銀含有層からゼラチンを一部除去する工程Dを設けた後に、銀含有層に対して加熱処理を施すことにより、特定高分子間の融着が進行しやすくなり、膜剥がれが抑制された。さらに、比Bを所定値以下にすることにより、最終的に得られる導電性フィルム中の導電層における金属銀の含有割合が向上し、導電性に優れる導電性フィルムが得られる。
本発明の導電性フィルムの製造方法は、後述する工程A〜工程Fをこの順に有する。
以下、各工程について詳述する。
<工程A>
工程Aは、ハロゲン化銀とゼラチンとゼラチンとは異なる高分子(特定高分子)とを含み、ハロゲン化銀由来の銀の質量に対するゼラチンの質量の比(比A)が0.05以上であり、ゼラチンの質量に対する特定高分子の質量の比(比B)が0.30以下である、ハロゲン化銀含有感光性層(以下、「感光性層」ともいう。)を支持体上に形成する工程である。本工程により、後述する露光処理が施される感光性層付き支持体が製造される。
まず、工程Aで使用される材料および部材について詳述し、その後、工程Aの手順について詳述する。
(支持体)
支持体は感光性層を支持できれば、その種類は特に制限されず、プラスチックフィルムが好ましい。
支持体の厚みは特に制限されず、25〜500μmの場合が多い。なお、導電性フィルムをタッチパネルに応用する際に、支持体表面をタッチ面として用いる場合は、支持体の厚みは500μmを超えていてもよい。
支持体を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)(258℃)、ポリシクロオレフィン(134℃)、ポリカーボネート(250℃)、アクリルフィルム(128℃)、ポリエチレンナフタレート(269℃)、ポリエチレン(135℃)、ポリプロピレン(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)、および、トリアセチルセルロース(290℃)などの融点が約290℃以下である樹脂が好ましく、PET、ポリシクロオレフィン、および、ポリカーボネートがより好ましい。
支持体の全光線透過率は、85〜100%が好ましい。
支持体の表面上には、下塗り層が配置されていてもよい。
下塗り層は、後述する特定高分子を含むことが好ましい。この下塗り層を用いると、後述する導電層の支持体に対する密着性がより向上する。
下塗り層の形成方法は特に制限されず、例えば、特定高分子を含む下塗り層形成用組成物を支持体上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。下塗り層形成用組成物には、必要に応じて、溶媒が含まれていてもよい。溶媒の種類は特に制限されず、後述する感光性層形成用組成物で使用される溶媒が例示される。また、特定高分子を含む下塗り層形成用組成物として、特定高分子の粒子を含むラテックスを使用してもよい。
下塗り層の厚みは特に制限されず、導電層の支持体に対する密着性がより優れる点で、0.02〜0.3μmが好ましく、0.03〜0.2μmがより好ましい。
(ハロゲン化銀)
ハロゲン化銀に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびフッ素原子のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、塩化銀、臭化銀、または、ヨウ化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく、塩化銀または臭化銀を主体としたハロゲン化銀がより好ましい。なお、塩臭化銀、ヨウ塩臭化銀、または、ヨウ臭化銀も、好ましく用いられる。
ここで、例えば、「塩化銀を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める塩化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。この塩化銀を主体としたハロゲン化銀は、塩化物イオンのほかに、臭化物イオンおよび/またはヨウ化物イオンを含んでいてもよい。
ハロゲン化銀は、通常、固体粒子状であり、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nmが好ましく、0.1〜300nmがより好ましく、1〜200nmがさらに好ましい。
なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、同じ体積を有する球形粒子の直径である。
ハロゲン化銀の粒子の形状は特に制限されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、および、14面体状などの形状が挙げられる。
(ゼラチン)
ゼラチンの種類は特に制限されず、例えば、石灰処理ゼラチン、および、酸処理ゼラチンが挙げられる。また、ゼラチンの加水分解物、ゼラチンの酵素分解物、並びに、アミノ基および/またはカルボキシル基で修飾されたゼラチン(フタル化ゼラチン、および、アセチル化ゼラチン)などを用いてもよい。
感光性層は、膜剥がれがより抑制される点で、2種以上の重量平均分子量が異なるゼラチンを含むことが好ましい。なお、重量平均分子量が異なるとは、後述する重量平均分子量の測定において求められる値が異なることを意味する。
なお、重量平均分子量の測定は、下記条件で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて行う。
装置:東ソー社製 HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製 TSK−GEL G3000PWXL
カラム温度:35℃
流速:0.5mL/min
検量線:創和科学社製 POLY SODIUM ACRYLATE STANDARD
溶離液:リン酸二水素ナトリウム12水和物/リン酸水素二ナトリウム2水和物(34.5g/46.2g)の混合物を純水にて5000gに希釈した溶液。
感光性層が2種以上の重量平均分子量が異なるゼラチンを含む場合、膜剥がれがより抑制される点で、重量平均分子量が100000以上のゼラチンと、重量平均分子量が100000未満のゼラチンとを含むことが好ましい。
また、感光性層が、重量平均分子量が100000以上のゼラチンと重量平均分子量が100000未満のゼラチンとを含む場合、両者の混合割合は特に制限されず、膜剥がれがより抑制される点で、ゼラチンの全質量に対する、重量平均分子量が100000未満のゼラチンの質量の割合が、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されず、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
(ゼラチンとは異なる高分子)
感光性層には、ゼラチンと異なる高分子が含まれる。この特定高分子が感光性層に含まれることにより、感光性層より形成される導電層の強度がより優れる。
特定高分子の種類はゼラチンと異なれば特に制限されず、後述するゼラチンを分解する、タンパク質分解酵素または酸化剤で分解しない高分子が好ましい。
特定高分子としては、疎水性高分子(非水溶性高分子)が挙げられ、より具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体、および、キトサン系重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体などが挙げられる。
また、特定高分子は、後述する架橋剤と反応する反応性基を有することが好ましい。
特定高分子は、粒子状であることが好ましい。つまり、感光性層は、特定高分子の粒子を含むことが好ましい。
特定高分子としては、以下の一般式(1)で表される高分子(共重合体)が好ましい。
一般式(1): −(A)x−(B)y−(C)z−(D)w−
なお、一般式(1)中、A、B、C、およびDはそれぞれ、下記一般式(A)〜(D)で表される繰り返し単位を表す。
1は、メチル基またはハロゲン原子を表し、メチル基、塩素原子、または、臭素原子が好ましい。pは0〜2の整数を表し、0または1が好ましく、0がより好ましい。
2は、メチル基またはエチル基を表し、メチル基が好ましい。
3は、水素原子またはメチル基を表し、水素原子が好ましい。Lは、2価の連結基を表し、下記一般式(2)で表される基が好ましい。
一般式(2):−(CO−X1)r−X2
一般式(2)中、X1は、酸素原子または−NR30−を表す。ここでR30は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、アシル基を表し、それぞれ置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、および、ヒドロキシル基)を有してもよい。R30としては、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、および、n−オクチル基)、または、アシル基(例えば、アセチル基、および、ベンゾイル基)が好ましい。X1としては、酸素原子または−NH−が好ましい。
2は、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、または、アルキレンアリーレンアルキレン基を表し、これらの基には−O−、−S−、−CO−、−COO−、−NH−、−SO2−、−N(R31)−、または、−N(R31)SO2−などが途中に挿入されてもよい。R31は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を表す。X2としては、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、−CH2CH2OCOCH2CH2−、または、−CH2CH2OCO(C64)−が好ましい。
rは0または1を表す。
qは0または1を表し、0が好ましい。
4は、アルキル基、アルケニル基、または、アルキニル基を表し、炭素数5〜50のアルキル基が好ましく、炭素数5〜30のアルキル基がより好ましく、炭素数5〜20のアルキル基がさらに好ましい。
5は、水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、または、−CH2COOR6を表し、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、または、−CH2COOR6が好ましく、水素原子、メチル基、または、−CH2COOR6がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
6は、水素原子または炭素数1〜80のアルキル基を表し、R4と同じでも異なってもよく、R6の炭素数は1〜70が好ましく、1〜60がより好ましい。
一般式(1)中、x、y、z、およびwは各繰り返し単位のモル比率を表す。
xは、3〜60モル%であり、3〜50モル%が好ましく、3〜40モル%がより好ましい。
yは、30〜96モル%であり、35〜95モル%が好ましく、40〜90モル%がより好ましい。
zは、0.5〜25モル%であり、0.5〜20モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましい。
wは、0.5〜40モル%であり、0.5〜30モル%が好ましい。
一般式(1)において、xは3〜40モル%、yは40〜90モル%、zは0.5〜20モル%、wは0.5〜10モル%の場合が好ましい。
一般式(1)で表される高分子としては、下記一般式(2)で表される高分子が好ましい。
一般式(2)中、x、y、zおよびwは、上記の定義の通りである。
一般式(1)で表される高分子は、上記一般式(A)〜(D)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を含んでもよい。
他の繰り返し単位を形成するためのモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、オレフィン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アクリルアミド類、不飽和カルボン酸類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル類、および、不飽和ニトリル類が挙げられる。これらのモノマーとしては、特許第3754745号公報の段落0010〜0022にも記載されている。疎水性の観点から、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類が好ましく、ヒドロキシアルキルメタクリレートまたはヒドロキシアルキルアクリレートがより好ましい。
一般式(1)で表される高分子は、一般式(E)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
上記式中、LEはアルキレン基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がさらに好ましい。
一般式(1)で表される高分子としては、下記一般式(3)で表される高分子が特に好ましい。
上記式中、a1、b1、c1、d1、およびe1は各繰り返し単位のモル比率を表し、a1は3〜60(モル%)、b1は30〜95(モル%)、c1は0.5〜25(モル%)、d1は0.5〜40(モル%)、e1は1〜10(モル%)を表す。
a1の好ましい範囲は上記xの好ましい範囲と同じであり、b1の好ましい範囲は上記yの好ましい範囲と同じであり、c1の好ましい範囲は上記zの好ましい範囲と同じであり、d1の好ましい範囲は上記wの好ましい範囲と同じである。
e1は、1〜10モル%であり、2〜9モル%が好ましく、2〜8モル%がより好ましい。
特定高分子は、例えば、特許第3305459号公報および特許第3754745号公報などを参照して合成できる。
特定高分子の重量平均分子量は特に制限されず、1000〜1000000が好ましく、2000〜750000がより好ましく、3000〜500000がさらに好ましい。
感光性層には、必要に応じて、上述した材料以外の他の材料が含まれていてもよい。
例えば、ハロゲン化銀の安定化および高感度化のために用いられるロジウム化合物およびイリジウム化合物などの8族および9族に属する金属化合物が挙げられる。または、特開2009−004348号公報の段落0220〜0241に記載されるような、帯電防止剤、造核促進剤、分光増感色素、界面活性剤、カブリ防止剤、硬膜剤、黒ポツ防止剤、レドックス化合物、モノメチン化合物、および、ジヒドロキシベンゼン類も挙げられる。さらには、感光性層には、物理現像核が含まれていてもよい。
また、感光性層には、上記特定高分子同士を架橋するために使用される架橋剤が含まれていてもよい。架橋剤が含まれることにより、特定高分子同士間での架橋が進行し、ゼラチンが分解除去された際にも導電層中の金属銀同士の連結が保たれる。
(工程Aの手順)
工程Aにおいて上記成分を含む感光性層を形成する方法は特に制限されないが、生産性の点から、ハロゲン化銀とゼラチンと特定高分子とを含む感光性層形成用組成物を支持体上に接触させ、支持体上に感光性層を形成する方法が好ましい。
以下に、この方法で使用される感光性層形成用組成物の態様について詳述し、その後、工程の手順について詳述する。
(感光性層形成用組成物に含まれる材料)
感光性層形成用組成物には、上述したハロゲン化銀とゼラチンと特定高分子とが含まれる。なお、必要に応じて、特定高分子は粒子状の形態で感光性層形成用組成物中に含まれていてもよい。
感光性層形成用組成物には、必要に応じて、溶媒が含まれていてもよい。
溶媒としては、水、有機溶媒(例えば、アルコール類、ケトン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、および、エーテル類)、イオン性液体、および、これらの混合溶媒が挙げられる。
感光性層形成用組成物と支持体とを接触させる方法は特に制限されず、例えば、感光性層形成用組成物を支持体上に塗布する方法、および、感光性層形成用組成物中に支持体を浸漬する方法などが挙げられる。
なお、上記処理後、必要に応じて、乾燥処理を実施してもよい。
(ハロゲン化銀含有感光性層)
上記手順により形成された感光性層中には、ハロゲン化銀とゼラチンと特定高分子とが含まれる。
感光性層中において、比A(ゼラチンの質量/ハロゲン化銀由来の銀の質量)は0.05以上であり、搬送適性がより優れる点で、0.07以上が好ましく、0.09以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、0.30以下が好ましく、0.15以下がより好ましい。
なお、上記ハロゲン化銀由来の銀の質量とは、感光性層中に含まれるハロゲン化銀が全て還元されて生成される銀の質量を意味する。
感光性層中において、比B(特定高分子の質量/ゼラチンの質量)が0.30以下であり、導電性フィルムの導電性がより優れる点で、0.28以下が好ましく、0.25以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、0.05以上が好ましく、0.15以上がより好ましい。
感光性層中におけるハロゲン化銀の含有量は特に制限されず、導電性フィルムの導電性がより優れる点で、銀換算で3.0〜20.0g/m2が好ましく、5.0〜15.0g/m2がより好ましい。
銀換算とは、ハロゲン化銀が全て還元されて生成される銀の質量に換算したことを意味する。
感光性層中における特定高分子の含有量は特に制限されず、導電性フィルムの導電性がより優れる点で、0.04〜2.0g/m2が好ましく、0.08〜0.40g/m2がより好ましく、0.10〜0.40g/m2がさらに好ましい。
<工程B>
工程Bは、ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程である。本工程を実施することにより、露光領域において潜像が形成される。なお、露光はパターン状に実施してもよく、例えば、後述する導電性細線からなるメッシュパターンを得るためには、メッシュ状の開口パターンを有するマスクを介して、露光する方法が挙げられる。
露光の際に使用される光の種類は特に制限されず、ハロゲン化銀に潜像を形成できるものであればよく、例えば、可視光線、紫外線、および、X線が挙げられる。
パターン露光を行う方法は特に制限されず、例えば、フォトマスクを利用した面露光、および、レーザービームによる走査露光が挙げられる。
<工程C>
工程Cは、露光されたハロゲン化銀含有感光性層に現像処理を施して、金属銀とゼラチンと特定高分子とを含む銀含有層を形成する工程である。本工程を実施することにより、露光領域(潜像が形成された領域)では、金属銀が析出する。
現像処理の方法は特に制限されず、例えば、銀塩写真フィルム、印画紙、印刷製版用フィルム、および、フォトマスク用エマルジョンマスクに用いられる公知の方法が挙げられる。
現像処理では、通常、現像液を用いる。現像液の種類は特に制限されず、例えば、PQ(phenidone hydroquinone)現像液、MQ(Metol hydroquinone)現像液、および、MAA(メトール・アスコルビン酸)現像液が挙げられる。
本工程は、未露光部分のハロゲン化銀を除去して安定化させる目的で行われる定着処理をさらに有していてもよい。
定着処理は、現像と同時および/または現像の後に実施される。定着処理の方法は特に制限されず、例えば、銀塩写真フィルム、印画紙、印刷製版用フィルム、および、フォトマスク用エマルジョンマスクに用いられる方法が挙げられる。
定着処理では、通常、定着液を用いる。定着液の種類は特に制限されず、例えば、「写真の化学」(笹井著、写真工業出版社(株))p321記載の定着液が挙げられる。
<工程D>
工程Dは、工程Cで得られた銀含有層中のゼラチンの一部を除去する工程である。本工程を実施することにより、銀含有層中におけるゼラチンの含有量が低下して、相対的に特定高分子の含有量が増加し、結果として、後述する工程Eにおいて特定高分子同士が融着しやすくなる。
ゼラチンを除去する方法は特に制限されず、例えば、銀含有層と30℃以上の水とを接触させる方法(以下、「方法1」ともいう。)、タンパク質分解酵素を用いる方法(以下、「方法2」ともいう。)、および、所定の酸化剤を用いてゼラチンを分解除去する方法(以下、「方法3」ともいう。)が挙げられ、ゼラチンの除去率の制御がしやすい点で、方法1が好ましい。
方法1においては、30℃以上の水(水温が30℃以上の水)が用いられる。温度が30℃以上の水であれば、ゼラチンを溶解させることができ、銀含有層からゼラチンを除去できる。温度が30℃未満の水の場合、ゼラチンを溶解させることができず、銀含有層からゼラチンを除去できない。
上記水の温度(水温)は、30℃以上であり、膜剥がれがより抑制される点で、40℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、ゼラチンの除去率が制御しやすい点で、80℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
銀含有層と30℃以上の水との接触時間は特に制限されず、ゼラチンの除去性および生産性のバランスの点から、30秒間以上が好ましく、60〜600秒間がより好ましく、90〜300秒間がさらに好ましい。
銀含有層と30℃以上の水とを接触させる方法は特に制限されず、銀含有層を30℃以上の水中に浸漬させる方法、および、銀含有層上に30℃以上の水を塗布する方法が挙げられる。
方法2において用いられるタンパク質分解酵素としては、ゼラチンなどのタンパク質を加水分解できる植物性または動物性酵素で公知の酵素が挙げられる。
タンパク質分解酵素としては、例えば、ペプシン、レンニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、フィシン、トロンビン、レニン、コラゲナーゼ、ブロメライン、および、細菌プロテアーゼが挙げられ、トリプシン、パパイン、フィシン、および、細菌プロテアーゼが好ましい。
方法2における手順としては、銀含有層と上記タンパク質分解酵素とを接触させる方法であればよく、銀含有層とタンパク質分解酵素を含む処理液(以下、「酵素液」ともいう。)とを接触させる方法が挙げられる。接触方法としては、銀含有層を酵素液中に浸漬させる方法、および、銀含有層上に酵素液を塗布する方法が挙げられる。
酵素液中におけるタンパク質分解酵素の含有量は特に制限されず、ゼラチンの分解除去の程度が制御しやすい点で、酵素液全量に対して、0.05〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
酵素液には、上記タンパク質分解酵素に加え、通常、水が含まれる。
酵素液には、必要に応じて、他の添加剤(例えば、pH緩衝剤、抗菌性化合物、湿潤剤、および、保恒剤)が含まれていてもよい。
酵素液のpHは、酵素の働きが最大限得られるように選ばれるが、一般的には、5〜9が好ましい。
酵素液の温度は、酵素の働きが高まる温度、具体的には25〜45℃が好ましい。
なお、必要に応じて、酵素液での処理後に、得られた銀含有層を温水にて洗浄する洗浄処理を実施してもよい。
洗浄方法は特に制限されず、銀含有層と温水とを接触させる方法が好ましく、例えば、温水中に銀含有層を浸漬する方法、および、銀含有層上に温水を塗布する方法が挙げられる。
温水の温度は使用されるタンパク質分解酵素の種類に応じて適宜最適な温度が選択され、生産性の点から、20〜80℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
温水と銀含有層との接触時間(洗浄時間)は特に制限されず、生産性の点から、1〜600秒間が好ましく、30〜360秒間がより好ましい。
方法3としては、例えば、特開2014−112512号公報の段落0064〜0066に記載の方法が挙げられる。
本工程においては、銀含有層中のゼラチンの一部が除去される。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、銀含有層中のゼラチンの全質量に対する、除去されるゼラチンの質量の割合(除去率)は1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
なお、上記除去率が20質量%以下であると、ゼラチンを一部除去した後の銀含有層の強度がより優れる。
上記ゼラチンの除去率の測定方法は、後述する実施例欄において詳述する。
<工程E>
工程Eは、工程Dで得られた銀含有層に加熱処理を施す工程である。本工程を実施することにより、銀含有層中の特定高分子間での融着が進行し、銀含有層の強度が向上する。
加熱処理の方法は特に制限されず、銀含有層と過熱蒸気とを接触させる方法、および、温調装置(例えば、ヒーター)で銀含有層を加熱する方法が挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、銀含有層と過熱蒸気とを接触させる方法が好ましい。
過熱蒸気としては、過熱水蒸気でもよいし、過熱水蒸気に他のガスを混合させたものでもよい。
過熱蒸気と銀含有層との接触時間は特に制限されず、10〜70秒間が好ましい。
過熱蒸気の供給量は、500〜600g/m3が好ましく、過熱蒸気の温度は、1気圧で100〜160℃(好ましくは100〜120℃)が好ましい。
温調装置で銀含有層を加熱する方法における加熱条件としては、100〜200℃(好ましくは100〜150℃)で1〜240分間(好ましくは60〜150分間)加熱する条件が好ましい。
<工程F>
工程Fは、工程Eで得られた銀含有層中のゼラチンを除去して、金属銀および特定高分子を含む導電層を形成する工程である。本工程を実施することにより、銀含有層から残存するゼラチンが除去され、結果として金属銀の含有量が相対的に高まり、優れた導電性が実現される。
銀含有層中の残存するゼラチンを除去する方法は特に制限されず、工程Dで述べた方法1〜方法3が挙げられ、方法2が好ましい。
なお、本工程後、ゼラチンの一部が導電層中に残存していてもよい。
<その他の工程>
本発明の導電性フィルムの製造方法は、本発明の効果を奏する範囲内において、さらに他の工程を有していてもよい。
<工程G>
本発明の導電性フィルムの製造方法は、工程Fの後に、導電層を平滑化する工程を有していてもよい。本工程を実施することにより、導電性フィルムの導電性がより優れる。
平滑化処理の方法は特に制限されず、例えば、導電性フィルムを、少なくとも一対のロール間を加圧下で通過させるカレンダー処理工程が好ましい。以下、カレンダーロールを用いた平滑化処理をカレンダー処理と記す。
カレンダー処理に用いられるロールとしては、プラスチックロール、および、金属ロールが挙げられ、シワ防止の点から、プラスチックロールが好ましい。
ロール間の圧力は特に制限されず、2MPa以上が好ましく、4MPa以上がより好ましく、120MPa以下が好ましい。なお、ロール間の圧力は、富士フイルム株式会社製プレスケール(高圧用)を用いて測定できる。
平滑化処理の温度は特に制限されず、10〜100℃が好ましく、10〜50℃がより好ましい。
<工程H>
本発明の導電性フィルムの製造方法は、工程Gの後に、さらに、工程Gで得られた導電層に加熱処理を施す工程Hを有していてもよい。本工程を実施することにより、導電性フィルムの導電性がより優れる。
導電層に加熱処理を施す方法は特に制限されず、工程Eで述べた方法が挙げられる。
<工程I>
本発明の導電性フィルムの製造方法は、工程Aの前に、支持体上にゼラチンおよび特定高分子を含むハロゲン化銀不含有層を形成する工程Iを有していてもよい。本工程を実施することにより、支持体とハロゲン化銀含有感光性層との間にハロゲン化銀不含有層が形成される。このハロゲン化銀不含有層は、いわゆるアンチハレーション層の役割を果たすと共に、導電層と支持体との密着性向上に寄与する。
ハロゲン化銀不含有層には、上述したゼラチンと特定高分子とが含まれる。一方、ハロゲン化銀不含有層には、ハロゲン化銀が含まれない。
ハロゲン化銀不含有層中における、ゼラチンの質量に対する、特定高分子の質量の比(特定高分子の質量/ゼラチンの質量)は特に制限されず、0.1〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましい。
ハロゲン化銀不含有層中の特定高分子の含有量は特に制限されず、0.03〜1.63g/m2が好ましく、0.32〜0.97g/m2がより好ましい。
ハロゲン化銀不含有層の形成方法は特に制限されず、例えば、ゼラチンと特定高分子とを含有する層形成用組成物を支持体上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。
層形成用組成物には、必要に応じて溶媒が含まれていてもよい。溶媒の種類は、上述した感光性層形成用組成物で使用される溶媒が例示される。
ハロゲン化銀不含有層の厚みは特に制限されず、0.05〜2.0μmが好ましく、0.65〜1.5μmがより好ましい。
<工程J>
本発明の導電性フィルムの製造方法は、工程Aの後で工程Bの前に、ハロゲン化銀含有感光性層上にゼラチンと特定高分子とを含む保護層を形成する工程Jを有していてもよい。保護層を設けることにより、感光性層の擦り傷防止および力学特性を改良できる。
保護層中における、ゼラチンの質量に対する、特定高分子の質量の比(特定高分子の質量/ゼラチンの質量)は特に制限されず、0超2.0以下が好ましく、0超1.0以下がより好ましい。
また、保護層中の特定高分子の含有量は特に制限されず、0g/m2超0.3g/m2以下が好ましく、0.005〜0.1g/m2がより好ましい。
保護層の形成方法は特に制限されず、例えば、ゼラチンと特定高分子とを含む保護層形成用組成物をハロゲン化銀含有感光性層上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。
保護層形成用組成物には、必要に応じて溶媒が含まれていてもよい。溶媒の種類は、上述した感光性層形成用組成物で使用される溶媒が例示される。
保護層の厚みは特に制限されず、0.03〜0.3μmが好ましく、0.075〜0.20μmがより好ましい。
<導電性フィルム>
以下に、本発明の導電性フィルムの製造方法により得られる導電性フィルムの構造について説明する。
導電性フィルムは、支持体と、支持体上に配置された導電層とを有する。導電層には、金属銀および特定高分子が含まれる。
導電層は、支持体の全面に配置されていても、パターン状に配置されていてもよい。
導電層の厚みは特に制限されず、薄型化と導電特性のバランスの点で、200μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、0.1〜5μmであることが特に好ましい。
導電層のパターンは特に制限されず、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などを組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、これらの幾何学図形からなるメッシュ状であることがさらに好ましい。つまり、導電層は、導電性細線より構成されるメッシュ状の層であることが好ましい。
メッシュ状とは、図1に示すように、交差する導電性細線10により構成される複数の正方形状の格子12を含んでいる形状を意図する。
導電性細線10の線幅は特に制限されず、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、9μm以下が特に好ましく、7μm以下が最も好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。上記範囲であれば、低抵抗の電極を比較的容易に形成できる。
格子12の一辺の長さPaは特に制限されず、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下がさらに好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上がさらに好ましい。開口部の辺の長さが上記範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、導電性フィルムを表示装置の前面にとりつけた際に、違和感なく表示を視認することができる。
可視光透過率の点から、導電性細線より形成される導電層の開口率は85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。開口率とは、導電層がある領域を除いた支持体上の領域が全体に占める割合に相当する。
<用途>
上記のようにして得られた導電性フィルムは、種々の用途に適用でき、タッチパネル(または、タッチパネルセンサー)、半導体チップ、各種電気配線板、FPC(Flexible Printed Circuits)、COF(Chip on Film)、TAB(Tape Automated Bonding)、アンテナ、多層配線基板、および、マザーボードなどの種々の用途に適用できる。なかでも、本発明の導電性フィルムは、タッチパネル(静電容量式タッチパネル)に用いることが好ましい。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液および3液の各々90%に相当する量を、1液を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて、得られた溶液に下記4液および5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、核粒子を0.21μmまで成長させた。さらに、得られた溶液にヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し、粒子形成を終了した。
なお、以下のゼラチン1は重量平均分子量20万であり、ゼラチン2は重量平均分子量2万であった。
1液:
水 750ml
ゼラチン1 7.2g
ゼラチン2 1.8g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法に従ってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、上記で得られた溶液の温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、得られた溶液から上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。次に、上澄み液を除去した溶液に、3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、得られた溶液から上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返して(第三水洗)、水洗および脱塩工程を終了した。水洗および脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、ゼラチン1を2g、ゼラチン2を0.5g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgおよび塩化金酸10mgを加え、55℃にて最適感度を得るように化学増感を施した。その後、さらに、得られた乳剤に、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、および、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.20μm、変動係数9%の塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
(感光性層形成用組成物の調製)
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン(1.2×10-4モル/モルAg)、ハイドロキノン(1.2×10-2モル/モルAg)、クエン酸(3.0×10-4モル/モルAg)、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩(0.90g/モルAg)、および、微量の硬膜剤を添加し、組成物を得た。次に、クエン酸を用いて組成物のpHを5.6に調整した。
上記組成物に、下記(P−1)で表される高分子(以下、「高分子1」ともいう。)とジアルキルフェニルPEO(PEOはポリエチレンオキシドの略号である。)硫酸エステルからなる分散剤と水とを含有するポリマーラテックス(高分子1の質量に対する分散剤の質量の比(分散剤の質量/高分子1の質量、単位はg/g)が0.02であって、固形分含有量が22質量%である。)を、組成物中のゼラチンの合計質量(ゼラチン1とゼラチン2との合計質量)に対する、高分子1の質量の比(高分子1の質量/ゼラチンの質量、単位g/g)が0.25/1となるように添加して、ポリマーラテックス含有組成物を得た。ここで、ポリマーラテックス含有組成物において、ハロゲン化銀由来の銀の質量に対するゼラチンの質量の比(ゼラチンの質量/ハロゲン化銀由来の銀の質量、単位はg/gである。)は0.11であった。
さらに、架橋剤としてEPOXY RESIN DY 022(商品名:ナガセケムテックス社製)を添加した。なお、架橋剤の添加量は、後述するハロゲン化銀含有感光性層中における架橋剤の量が0.09g/m2となるように調整した。
以上のようにして感光性層形成用組成物を調製した。
なお、高分子1は、特許第3305459号公報および特許第3754745号公報を参照して合成した。
40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(「富士フイルム社製ロール状の長尺フィルム」)に上記ポリマーラテックスを塗布して、厚み0.05μmの下塗り層を設けた。この処理はロール・トゥ・ロールで行い、以下の各処理(工程)もこれと同様にロール・トゥ・ロールで行った。なお、このときのロール幅は1m、長さは2000mであった。
(工程I1)
次に、下塗り層上に、上記ポリマーラテックスとゼラチンとを混合したハロゲン化銀不含有層形成用組成物を塗布して、厚み1.0μmのハロゲン化銀不含有層を設けた。なお、高分子1とゼラチンとの混合質量比(高分子1/ゼラチン)は2/1であり、高分子1の含有量は0.65g/m2であった。
(工程A1)
次に、ハロゲン化銀不含有層上に、上記感光性層形成用組成物を塗布し、厚み2.5μmのハロゲン化銀含有感光性層を設けた。なお、ハロゲン化銀含有感光性層中の高分子1とゼラチンとの混合質量比(高分子1/ゼラチン)は0.25/1であり、高分子1の含有量は0.19g/m2であった。
(工程J1)
次に、ハロゲン化銀含有感光性層上に、上記ポリマーラテックスとゼラチンとを混合した保護層形成用組成物を塗布して、厚み0.15μmの保護層を設けた。なお、高分子1とゼラチンとの混合質量比(高分子1/ゼラチン)は0.1/1であり、高分子1の含有量は0.015g/m2であった。
(工程B1)
上記で作製した感光性層に、格子状のフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。フォトマスクとしては図1のパターン形成用のマスクを用いており、格子を形成する単位正方格子の線幅は3.7μm、格子(開口部)の一辺の長さPaは300μmになるようにした。
(工程C1)
露光後、得られたサンプルに対して、後述する現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、25℃の純水でリンスし、その後乾燥して、金属銀がメッシュパターン状に形成された銀含有層を有するサンプルAを得た。ロール状のサンプルAにおいて、21.0cm×29.7cmの大きさの同じ導電性メッシュパターン領域を、幅方向に2個、長手方向に50個となるように100個形成した。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
(工程D1)
上記で得られたサンプルAを、50℃の温水中に180秒間浸漬させた。この後、エアシャワーで水を切り、自然乾燥させた。
(工程E1)
工程D1で得られたサンプルAを、110℃の過熱水蒸気処理槽に搬入し、30秒間静置して、過熱水蒸気処理を行った。なお、このときの蒸気流量は100kg/hであった。
(工程F1)
工程E1で得られたサンプルAを、タンパク質分解酵素水溶液(40℃)に120秒間浸漬した。サンプルAをタンパク質分解酵素水溶液から取り出し、サンプルAを温水(液温:50℃)に120秒間浸漬して、洗浄した。この後、エアシャワーで水を切り、自然乾燥させた。
なお、使用したタンパク質分解酵素水溶液は、以下の手順に従って調製した。
タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼ30L)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%)に、トリエタノールアミン、硫酸を加えてpHを8.5に調製した。
(工程G1)
工程F1で得られたサンプルAに対して、金属ローラと樹脂製のローラとの組み合わせによるカレンダー装置を使用して、30kNの圧力でカレンダー処理した。カレンダー処理は室温で行った。
(工程H1)
工程G1で得られたサンプルAに対して、110℃の過熱水蒸気処理槽に搬入し、30秒間静置して、過熱水蒸気処理を行い、21.0cm×29.7cmの大きさの同じ導電性メッシュパターン領域を、幅方向に2個、長手方向に50個となるように100個形成した。なお、このときの蒸気流量は100kg/hであった。得られた導電性メッシュパターン領域は、図1に示すような、導電性細線より形成されるメッシュ状の層であった。導電性細線の線幅は3.7μm、導電性細線の厚みは3.0μmであった。なお、線幅および厚みは走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察した。
<実施例2〜8、比較例1〜7>
後述する表1に示すように、各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、導電性フィルムを得た。
なお、後述するように、比較例2〜5では工程D1は実施していない。
<評価>
(搬送適性)
工程C1終了後の導電性メッシュパターン領域100個に対し、搬送時の擦れによる配線の断線の有無を光学顕微鏡を用いて観察し、断線発生するサンプルの頻度を算出した。評価は以下の基準に従って行い、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5がさらに好ましい。
なお、以下の断線発生率は、以下の式より求めた。
断線発生率(%)={(断線が発生している導電性メッシュパターン領域の数)/100}×100
5:断線発生率が0%である。
4:断線発生率が1%である。
3:断線発生率が2〜3%である。
2:断線発生率が4〜10%である。
1:断線発生率が11%以上である。
(膜剥がれ)
工程F1終了直後のサンプルAを、乾燥する前に2.0m/min、0.04MPaの条件で純水によるシャワーを1分間あて、100個の導電性メッシュパターン領域のうち、膜剥がれが発生する領域数を目視で観察し、以下の基準に従って、膜剥がれとして評価した。評価としては、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5がさらに好ましい。
なお、以下の膜剥がれ発生率は、以下の式より求めた。
膜剥がれ発生率(%)={(膜剥がれが発生している導電性メッシュパターン領域の数)/100}×100
5:膜剥がれ発生率が0%である。
4:膜剥がれ発生率が1%である。
3:膜剥がれ発生率が2〜3%である。
2:膜剥がれ発生率が4〜10%である。
1:膜剥がれ発生率が11%以上である。
(導電性)
工程H1終了直後の導電性メッシュパターン領域の表面抵抗値を測定した。測定はCONDUCTANCE MONITOR MODEL717B(DELCOM INSTRUMENTS社製)を用いて測定し、100個のサンプルの表面抵抗値を算出し、その平均表面抵抗値を算出して、以下の基準に従って、導電性として評価した。表面抵抗値が小さい場合、導電性が高く、優れた性能を有する。評価としては、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5がさらに好ましい。
5:表面抵抗値が30Ω/sq.未満である。
4:表面抵抗値が30Ω/sq.以上、35Ω/sq.未満である。
3:表面抵抗値が35Ω/sq.以上、40Ω/sq.未満である。
2:表面抵抗値が40Ω/sq.以上、100Ω/sq.未満である。
1:表面抵抗値が100Ω/sq.以上である。
なお、Ω/sq.はohms per square(Ω毎スクエア)を表す。
(ショート率)
工程B1において、フォトマスクを変更し、同じく21.0cm×29.7cmの領域全体に、長軸方向に線幅10μmの直線パターンが線幅間のスペースが10μmになるようにしきつめたパターンに変更した以外は、上記工程と同様にしてショート率測定用サンプルを得た。
このパターン領域100個に対し、光学顕微鏡を用いて観察し、10μmの配線間につながってしまっている箇所があればショート発生とし、後述するショート率を算出した。結果を以下の基準により評価した。
なお、以下のショート率は、以下の式より求めた。
ショート率(%)={(ショートが発生しているパターン領域の数)/100}×100
5:ショート率が0%である。
4:ショート率が1%である。
3:ショート率が2〜3%ある。
2:ショート率が4〜10%である。
1:ショート率が11%以上である。
(ゼラチン除去率)
銀含有層中におけるゼラチン含有量は、BCA法(ビシコニン酸法)を用いて測定した。
まず、検量線用ゼラチン液を作製するため、上記ゼラチン1とイオン交換水とを用いて、ゼラチン濃度が100質量ppm、40質量ppm、20質量ppm、10質量ppm、5質量ppm、および、2.5質量ppmになるよう調整し、それぞれ試験管に2.5cc測りとった。
次に、Thermo SCIENTIFIC社製Micro BCA Protein Assay Kit液の試薬A、試薬B、および、試薬Cをそれぞれ25:24:1の体積比で混合した定量試験薬を用意し、上記検量線用ゼラチン液が入った各試験管にそれぞれ定量試験薬を2.5ccずついれ、栓をして、攪拌した。次に、恒温振とう槽を使用して、60℃にて1時間、振とう速度160往復/minの条件で発色させ、室温に冷却して10分後、(株)日立製作所製U−3300にてすみやかに波長562nmの吸光度を測定した。
得られた検量線用ゼラチン液の吸光度から、ゼラチン量と吸光度の検量線を作成した。
次に、上記(工程J1)を経て作製したサンプルに対して、上記(工程B1)を実施せずに、上記(工程C1)および上記(工程D1)を実施して得られたサンプルを乾燥させた後、導電性メッシュパターン領域部分を1cm×1cmに裁断して試験管に入れ、イオン交換水を2.5ccずつ入れた。
上記と同様に、各試験管に定量試験薬を2.5ccずついれ、栓をして、攪拌した。次に、恒温振とう槽を使用して、60℃にて1時間、振とう速度160往復/minの条件で発色させ、室温に冷却して10分後、(株)日立製作所製U−3300にてすみやかに波長562nmの吸光度を測定した。
作成した検量線から求めたゼラチン量が、(工程D1)後の銀含有層中のゼラチンの含有量に相当する。
同様に、露光せずに、現像処理、および、定着処理を施したサンプルについてもゼラチン量を算出し、これが膜中に含まれる総ゼラチン含有量に相当する。
上記2つのパラメーター(工程D1後のゼラチン含有量、総ゼラチン含有量)を用いることで、工程D1でのゼラチン除去率が求められる。(総ゼラチン含有量−工程D1後のゼラチン含有量)÷総ゼラチン含有量。
表1中、「銀含有量(g/m2)」欄は、感光性層中におけるハロゲン化銀由来の銀量(g/m2)を表す。
「比(ゼラチン/銀)」欄は、感光性層中におけるハロゲン化銀由来の銀の質量に対するゼラチンの質量の比を表す。
「ゼラチン1含有量(質量%)」欄は、感光性層中におけるゼラチン全質量に対する、ゼラチン1の含有量(質量%)を表す。
「ゼラチン2含有量(質量%)」欄は、感光性層中におけるゼラチン全質量に対する、ゼラチン2の含有量(質量%)を表す。
「比(特定高分子/ゼラチン)」欄は、感光性層中におけるゼラチンの質量に対する高分子の質量の比を表す。
「液温度(℃)」は、工程D1で用いた水の温度(℃)を表す。
「ゼラチン除去率(%)」は、上述した方法にて測定される、工程D1における銀含有層中のゼラチンの全質量に対する、除去されるゼラチンの質量の割合(質量%)を表す。
なお、表1中の「工程D1」欄の「−」は、工程D1を実施していないことを意味する。
表1に示すように、本発明の製造方法によれば、所望の効果が得られることが確認された。
なお、各実施例においては、搬送適性、膜剥がれ性、および、導電性の評価において、全てが「4」以上であることが各性能のバランスの点から好ましい。
なかでも、実施例1と4との比較より、ハロゲン化銀含有感光性層が、2種以上の重量平均分子量が異なるゼラチンを含む場合、より効果が優れることが確認された。
また、実施例1と5と8との比較より、工程D1の水の温度が40℃以上の場合、より効果が優れることが確認された。
また、実施例1と6との比較より、比(ゼラチン/銀)が0.07以上の場合、より効果が優れることが確認された。
また、実施例1と7との比較より、比(特定高分子/ゼラチン)が0.28以下の場合、より効果が優れることが確認された。
10 導電性細線
12 格子

Claims (11)

  1. ハロゲン化銀とゼラチンと前記ゼラチンとは異なる高分子とを含み、前記ハロゲン化銀由来の銀の質量に対する前記ゼラチンの質量の比が0.05以上であり、前記ゼラチンの質量に対する前記高分子の質量の比が0.30以下である、ハロゲン化銀含有感光性層を支持体上に形成する工程Aと、
    前記ハロゲン化銀含有感光性層を露光する工程Bと、
    露光された前記ハロゲン化銀含有感光性層に現像処理を施して、金属銀と前記ゼラチンと前記高分子とを含む銀含有層を形成する工程Cと、
    前記銀含有層中の前記ゼラチンの一部を除去する工程Dと、
    前記工程Dで得られた前記銀含有層に加熱処理を施す工程Eと、
    前記工程Eで得られた前記銀含有層中の前記ゼラチンを除去して、金属銀および前記高分子を含む導電層を形成する工程Fと、を有する、導電性フィルムの製造方法。
  2. 前記ハロゲン化銀含有感光性層が、2種以上の重量平均分子量が異なるゼラチンを含む、請求項1に記載の導電性フィルムの製造方法。
  3. 前記ハロゲン化銀含有感光性層が、重量平均分子量が100000以上のゼラチンと、重量平均分子量が100000未満のゼラチンとを含む、請求項1または2に記載の導電性フィルムの製造方法。
  4. 前記ゼラチンの全質量に対する、前記重量平均分子量が100000未満のゼラチンの質量の割合が、5質量%以上である、請求項3に記載の導電性フィルムの製造方法。
  5. 前記工程Dが、前記銀含有層と30℃以上の水とを接触させて、前記銀含有層中の前記ゼラチンの一部を除去する工程である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
  6. 前記水の温度が40℃以上である、請求項5に記載の導電性フィルムの製造方法。
  7. 前記工程Dにおいて、前記銀含有層中の前記ゼラチンの全質量に対する、除去される前記ゼラチンの質量の割合が1〜30質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
  8. 前記工程Eが、前記工程Dで得られた前記銀含有層と過熱蒸気とを接触させる工程である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
  9. 前記高分子が、前記工程Aにおいて粒子状である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
  10. 前記工程Fの後に、工程Fで得られた導電層を平滑化する工程Gをさらに有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
  11. 前記工程Gの後に、工程Gで得られた導電層に加熱処理を施す工程Hをさらに有する、請求項10に記載の導電性フィルムの製造方法。
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