JP2012156436A - 透明導電性基板 - Google Patents

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純平 大橋
Junji Michizoe
純二 道添
Hagumu Takada
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Abstract

【課題】透明性および導電性に優れ、さらには電磁波シールド性にも優れた透明導電性基板を得る。また、導電層を両面に設け、両面から電極を取れる透明導電性基板を得る。
【解決手段】透明導電性基板3は、基板2、及び金属微粒子を含有する網目状のライン1を有する透明導電性基板であり、前記網目状のライン1、基板2、前記網目状のライン1がこの順に積層したことを特徴とする。すなわち基板の両面に導電層を有する透明導電性基板である。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明性、導電性および電磁波シールド性に優れ、さらに平滑性に優れる透明導電性基板に関するものである。
透明導電性基板は、回路材料として様々な機器に用いられており、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプディスプレ等の各種ディスプレイ用電磁波シールド基板やタッチパネル、有機薄膜太陽電池や電子ペーパーなどの透明電極用途として用いられている。
電磁波シールド基板は家電用品、携帯電話、パソコン、テレビをはじめとした電子機器から放射された多種多様な電磁波を抑制する目的に用いられている。特に伸長著しいデジタル家電の中で、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイからも、強力な電磁波が放出されており、人体への影響も懸念されている。これらディスプレイは、比較的近い距離で、かつ場合によっては長時間にわたり画像を観察するため、これら電磁波を抑制する電磁波シールド基板が必要とされ、鋭意検討されている。
一般に、ディスプレイパネルに用いられる電磁波シールド基板には、透明な導電性基板が用いられており、現行用いられている電磁波シールド用基板の導電性基板の製造方法には、各種の方法が採用されている。例えば特許文献1、2では、パターン化した導電層を設けた導電性基板の製造方法として、導電層を格子状もしくは網目状のパターン状に印刷することで、透明性の高い導電性フィルムを作成している。
:特開平11−170420号公報(第1頁、請求項など) :特開2000−196286号公報(第1頁、請求項など)
しかし、前述した従来の技術には次のような問題点がある。
特許文献1に記載のスクリーン印刷により導電層を設ける方法は、導電性、透明性に優れたパターン形状を得るには適した方法であるが、導電層が一方の面にしかなく、電磁波シール基板として使用することは可能であるが、導電層で有しない面から電極を取ることができない。そのため、電極を取るために、他材料を貼り合わせる必要があり、他材料、粘着剤など材料費により、コストが上がる可能性がある。
特許文献2に記載の方法は、オフセット印刷により導電層を設ける方法であり、この方法もまた、導電性、透明性に優れたパターン形状を得るには適した方法であるが、導電層が一方の面にしかなく、電磁波シール基板として使用することは可能であるが、導電層で有しない面から電極を取ることができない。
本発明は、透明性および導電性に優れ、さらには電磁波シールド性にも優れた透明導電性基板を得ることができる。さらに、本発明の透明導電性基板は、網目状のライン、基板、網目状のラインの構成、すなわち基板の両面に導電層を有する透明導電性基板を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用するものである。
1) 基板、及び金属微粒子を含有する網目状のラインを有する透明導電性基板であり、
前記網目状のライン、基板、前記網目状のラインがこの順に積層したことを特徴とする、透明導電性基板。
2) 金属微粒子と樹脂とで構成された層を、透明導電層とした際に、
該透明導電層は、その一方の面に前記網目状のラインを有し(以下、透明導電層において、網目状のラインが存在する側の面を、面Aという。)、
前記面Aは、Raが400nm以下であり、
該透明導電層を有することを特徴とする、前記1)に記載の透明導電性基板。
3) 前記透明導電層、基板、前記透明導電層が、この順に直接積層したことを特徴とする、前記2)に記載の透明導電性基板。
4) 前記透明導電層が、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、前記2)又は3)に記載の透明導電性基板。
5) 前記透明導電層を構成する樹脂が、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることを特徴とする、前記2)〜4)のいずれかに記載の透明導電性基板。
6) 前記透明導電層が、ハードコート性を有することを特徴とする、前記2)〜5)のいずれかに記載の透明導電性基板。
本発明によれば、透明性および導電性に優れ、さらには電磁波シールド性にも優れた透明導電性基板を得ることができる。さらに、本発明の透明導電性基板は、網目状のライン、基板、網目状のラインの構成にすることで、一方の面を電磁波シールド機能、もう一方を透明電極と、一枚の基板で二つの機能を持たせることが可能であり、さらに、コスト削減することができ、生産性も優れる。さらには、導電層を基板の両面に有するため、両面とも電極として使用することも可能である。本発明の透明導電性基板は、上記の特性の持たせることでタッチパネル、有機薄膜太陽電池や電子ペーパーなどに好適に用いることができる。
本発明の透明導電性基板の構成の一例の断面図 面Aを有した透明導電性基板の構成の一例の断面図 (不規則な)網目状のラインの構造の一例の上面図 網目状金属微粒子積層体の構成の一例の断面図
本発明は、前記課題を解決した透明導電性基板、つまり導電性、透明性に優れ、さらには、電磁波シールド性に優れた透明導電性基板である。より、具体的には、以下である。
基板、及び金属微粒子を含有する網目状のラインを有する透明導電性基板であり、前記網目状のライン、基板、前記網目状のラインがこの順に積層したことを特徴とする、透明導電性基板。
このような構成にしてみたところ、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の透明導電性基板の構成の一例の断面図を図1に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の透明導電性基板は、基板、及び金属微粒子を含有する網目状のラインを有する透明導電性基板であり、前記網目状のライン、基板、前記網目状のラインがこの順に積層することが重要である。このような構成にすることで、電磁波シールド性と電極、両方を必要とする用途に使用することが可能となる。
さらには、金属微粒子と樹脂とで構成された層を透明導電層とした際に、該透明導電層の一方の面に前記網目状のライン有し(以下、透明導電層のラインが存在する側の面を、面Aという。)、前記面Aの表面Ra値を400nm以下にすることが好ましい。該面Aの表面Ra値を400nm以下にすることによって、平滑性を付与することが可能となり、そのまま透明電極などの用途に使用することが可能となる。面Aを有した透明導電性基板の構成の一例の断面図を図2に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の透明導電性基板は、金属微粒子が網目状のラインを構成することが重要である。この金属微粒子を含有する網目状のラインは、金属微粒子同士が連続的に連なった構造であり、この構造に由来して導電性を示す。このように網目状のラインを構成することで、透明導電性基板の透明性と導電性を優れたものにすることができる。
ここで網目状とは、いくつかの点を何本かの線分で結んだ構造のことをいい、その一例を図3に示す。つまり本発明における網目状とは、金属微粒子で構成される複数の線分が、複数の点で結ばれた構造を意味する。
さらに、該網目状のラインは、格子状などの規則性のある網目状のラインでも構わないが、不規則な網目状のラインを構成していることが好ましい。該網目状のラインを不規則な網目状のラインにすることで、本発明の透明導電性基板をプラズマディスプレイに貼り合わせて使用した場合、モアレの発生を抑えることができるからである。
ここでいう不規則な網目状のラインとは、かかる網目状の構造が、その形状において、空隙部分の形状や大きさが不揃いである状態、網目部分すなわち線状の部分の形状も直線ではなく線太さが不揃いである状態のものである。
ここでいう空隙部分とは、網目状のラインと同一平面中の網目状のラインで囲まれている部分を意味する。不規則な網目状のラインを形成する構造の一例を図3に示すが、これに限定されるものではない。
また、金属微微粒子を含有する網目状のラインは、金属微粒子を含むのは当然として、その他の成分を有してもよい。その他の成分としては、各種添加剤を挙げることができる。なお、本発明の透明導電層の表面比抵抗を低くすることを考慮すると、金属微粒子を含有する網目状のラインは、金属微粒子以外の成分の含有量が少ないことが好ましく、特に好ましくは金属微粒子のみで構成されることである。
本発明の透明導電性基板の透明導電層は、該面AのRa値が400nm以下であることが好ましい。より好ましくは、300nm以下であり、さらに好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。このように、透明導電性基板の面AのRa値を400nm以下にすることで、平滑性を付与することが可能となり、透明電極などの用途に使用することが可能となる。なお、透明導電層において、網目状のラインが存在する側の面を、面Aという。また透明導電性基板は、両面ともに透明導電層である(基板の両面に面Aが存在する)態様も含む。
本発明の透明導電性基板は、前記透明導電層、基板、前記透明導電層が、この順に直接積層した態様であることが好ましい。
ここで直接積層とは、前記透明導電層、基板、前記透明導電層が、粘着層などの別の層を介さずに積層されている態様である。このような透明導電性基板を好ましい態様(透明導電層、基板、及び透明導電層が、この順に直接積層した態様)にすることで、部材や生産工程を少なくすることが可能となり、生産性に優れる。
該透明導電層中の金属微粒子と樹脂との合計の含有量は、特に限定されないが、透明導電層の全成分100質量%において、金属微粒子と樹脂との合計が50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
また、透明導電層は、金属微粒子と樹脂とを含有すれば、その他に各種の添加剤等を含有することも可能である。また、透明導電層中の金属微粒子と樹脂との含有比率は特に限定されず、各用途に応じて必要十分な表面比抵抗となるだけの金属微粒子の比率を適宜選択すればよい。
該透明導電層の面AのRa値400nm以下でない場合、透明導電層に存在する網目状のラインにおけるライン部分と空隙部分とで段差が生じてしまい、平滑性が劣ることになるため、そのような面に他部材を貼り合わせた際に、気泡が入ってしまう可能性や、塗布による積層が困難な可能性がある。さらには、透明電極として使用した場合、段差により電極の導通がとれなくなる可能性がある。
前記導電層の表面のRa値は2nmが下限と考えられる。
透明導電層における、網目状のラインと樹脂部分(空隙部分)との界面に生じる段差は、500nm以下であることが好ましく、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは100nm以下であり、最も好ましくは50nm以下である。該段差が500nmより大きくなると、平滑性が劣るため、他部材と貼り合わせた場合に、気泡が入ってしまう可能性や、塗布による積層が困難な可能性、また、電極の導通がとれなくなる可能性があるため好ましくない。
また、本発明の透明導電性基板の透明導電層の網目状のラインと樹脂部分との界面に生じる段差は小さい程好ましく、透明導電層の金属微粒子を含有する網目状のラインや、樹脂の表面粗さ、空隙部分を埋める樹脂のレベリング性を考慮すると、該段差は2nmが下限と考えられる。
本発明の透明導電性基板の金属微粒子に使用される金属としては特に限定されず、白金、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ビスマス、コバルト、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫などが挙げられる。これらの金属は1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の透明導電性基板の金属微粒子でいう微粒子とは、比較的粒子径の小さい粒子であれば特に限定されないが、数平均粒子径0.001〜0.3μmの金属微粒子が好適に使用され、また粒子径は最大でも1.0μm未満となるものが好適に使用される。金属微粒子の数平均粒子径、最大粒子径がこの範囲を超えると金属微粒子を網目状のラインに形成させ、透明性、導電性に優れた透明導電性基板を得ることが困難となる場合がある。また、金属微粒子の粒子径分布は大きくても、小さくてもよく、粒子が不揃いであっても、均一であってもよいが、粒子が均一であって、粒子径分布が小さい方が、金属微粒子を網目状のラインに形成させやすいため、好ましい。
本発明の透明導電性基板の透明導電層を構成する樹脂は、特に限定されないが、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることが好ましい。紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物としては、特に限定されるものではないが、3官能以上の多官能アクリレートを用いることが好ましい。
3官能以上の多官能アクリレートの具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの3官能以上の多官能アクリレートは、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、市販されている3官能以上の多官能アクリレートを含む紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物としては三菱レーヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC”など)、東亞合成化学工業株式会社;(“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズなど)、ダイセル・サイテック株式会社;(商品名“Ebecryl”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
また、3官能以上の多官能アクリレート以外に、以下のような紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を本発明の効果を阻害しない範囲内で、低粘度化などの目的で使用することができる。
アリルエステルモノマ−:オルソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、コハク酸ジアリル。
アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマー:メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、フェノールEO付加物アクリレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2,6−ジブロム−4−tert−ブチルフェニルアクリレート、各種のウレタンアクリレート、エポキシアクリレート。
本発明において、上記の紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を硬化させる方法としては、例えば、活性線として紫外線を照射する方法や高温加熱法等を用いることができ、これらの方法を用いる場合には、上記の紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物に、光重合開始剤または熱重合開始剤等を加えることが望ましい。
光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。また、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。
光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、使用する紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物100質量部に対して、0.01〜10質量部が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。また200℃以上の高温で熱硬化させる場合には熱重合開始剤の添加は必ずしも必要ではない。
本発明の透明導電性基板中の透明導電層は、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことが好ましい(このような化合物を、金属密着改良剤という。)。前記化合物は、透明導電層中に含有されさえすれば構わないが、透明導電層中の金属微粒子と樹脂との密着性を向上させるという観点では、金属微粒子を含有する網目状のラインと樹脂との界面に存在しているが好ましい。また前記化合物(金属密着改良剤)としては、リン酸エステルが最も好ましい。透明導電層が、前記化合物(金属密着改良剤)を少なくとも1つ含むことにより、後述する転写法によって本発明の透明導電性基板を得る際に、網目状のラインを簡便に転写することが可能となる。
透明導電層を製造する際に用いる前記化合物(金属密着改良剤)は、層Aを得るために使用する紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部である事が好ましい。さらに、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒を加えてもよく、その使用量は、透明導電層を得るために使用する紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部が適当である。
本発明の透明導電性基板中の透明導電層は、ハードコート性を有していることが好ましい。該透明導電層がハードコート性を有することで、層の硬度が向上し、膜強度や耐擦傷性を向上することができるため、導電層の導電性悪化を抑制することができる。
ここでいう透明導電層のハードコート性とは、表面特性試験機ヘイドン(新東科学(株)製 MODEL:HEIDON−14D)を用いて、各種硬度の鉛筆の芯を円筒状にした鉛筆(MITSU−BISHI製)を角度45度に設置、鉛筆の芯を透明導電層の面Aに当て、荷重500gで速度30mm/minで引っ掻き試験を行ったときの、面Aの鉛筆硬度がB以上であることを示す。
透明導電層がハードコート性を有する場合には、金属微粒子を含有する網目状のラインが断線しにくく、導電性を保持することが可能となるため、好ましい。透明導電層の面Aの鉛筆硬度がB未満の場合には、網目状のラインが断線しやすくなり、導電性が悪化する可能性があるため、好ましくない。
該透明導電層のハードコート性は、透明導電層を製造する際に用いる紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物として、硬化後にハードコート性を有することとなる化合物を選択することにより付与することができる。
また、透明導電層は、反射防止性を有していることも好ましい。透明導電層に反射防止性を付与するためには、透明導電層を製造する際に用いる紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物として、硬化後に適切な屈折率を有する事となる化合物を選択することにより可能である。
本発明の透明導電基板の導電性に関しては、表面比抵抗が20Ω/□以下であることが好ましい。ここで、表面比抵抗は、ランダムに少なくとも3箇所測定した時の平均値を意味する。かかる表面比抵抗は、より好ましくは15Ω/□以下であり、さらに好ましくは10Ω/□以下であり、特に好ましくは5Ω/□以下である。また、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなど、フラットパネルディスプレイの電磁波シールド基板用の透明導電性基板として用いた場合には、電磁波シールド性が良好となるため、好ましい。透明導電性基板の表面比抵抗は、低い方が好ましいものの、現実的に0.1Ω/□未満とすることは困難と考えられ、そのため透明導電性基板の表面比抵抗は0.1Ω/□が下限と考えられる。
本発明の透明導電性基板の電磁波シールド性に関しては、0.1〜1000MHzまでの周波数範囲での電磁波シールド性(電界シールド性)を評価し、上記範囲での電界強度の減衰が30dB以上であることが好ましい。かかる電磁波シールド性は、より好ましくは35dB以上であり、さらに好ましく40dB以上である。電磁波シールド性が30dB未満であると電磁波シールド性を良好に発現しない可能性がある。
本発明の透明導電性基板の全光線透過率に関しては、全光線透過率60%以上であることが重要であり、好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。全光線透過率が60%より小さいと、透明導電性基板の透明性の点で問題が生じる場合がある。
また、透明導電性基板の全光線透過率は高い程好ましく、その上限は特に限定されないが、透明導電性基板表面の光反射を考慮すると、透明導電性基板の全光線透過率を92%より高くすることは困難と考えられるので、全光線透過率92%が透明導電性基板の全光線透過率の物理的限界値(上限)と思われる。
透明導電性基板の全光線透過率を60%以上に制御する方法としては、片面の金属微粒子を含有する網目状のラインの部分(すなわち線状の部分)と、空隙部分との面積比率を、線状の部分/空隙部分で40/60以上にすることが好ましい。
本発明の透明導電性基板は、基板を有することが重要である。ここで基板には、有機層、無機層、有機−無機ハイブリッド層を用いることができる。
該基板に有機層を用いる場合、該有機層は樹脂層であることが好ましく、該樹脂層を構成する主成分となる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。該樹脂層は、金属微粒子を含有する網目状のラインや透明導電層に対して直接積層しても、粘着剤や接着剤で貼り合わせて積層しても良い。また、金属微粒子や該透明導電層と該樹脂層の密着力を向上させるために、該樹脂層に、易接着層を設けたり、コロナ放電処理、プライマー処理、短波長紫外線照射処理などの処理方法を用いてから、前述の直接積層や貼り合わせによる積層を行っても良い。また、該透明導電層を構成する樹脂を網目状金属微粒子積層体に塗布、該樹脂層を積層した後に、紫外線照射や高温加熱法等を用いて透明導電層の樹脂を硬化させても良い。このような透明導電層上にさらに樹脂層などの有機層を積層した積層構成の透明導電性基板とすることで、柔軟性を維持したまま、透明導電性基板自体の強度を強くし、透明導電性基板の後加工などをする際に作業性、生産性の点で優れる。
また、該基板に無機層を用いる場合、透明性の観点から無機層としてはガラスが好ましいが、透明性を有していれば、特に限定されない。該無機層の厚みは特に限定されず、透明性を損なわない範囲において、用途や作業性にあわせて、適宜選択することができる。また、該無機層は、金属微粒子を含有する網目状のラインや透明導電層に対して直接積層しても、粘着剤や接着剤で貼り合わせて積層しても良い。また、金属微粒子や該透明導電層との密着性向上のために、該無機層にコロナ放電処理、プライマー処理、短波長紫外線照射処理、シランカップリング処理などの処理方法を用いてから、前述の直接積層や貼り合わせによる積層を行っても良い。また、該透明導電層を構成する樹脂を網目状金属微粒子積層体に塗布、該無機層を積層した後に、紫外線照射や高温加熱法等を用いて導電層の樹脂を硬化させても良い。該導電層上に無機層を積層した積層構成の透明導電性基板とすることで、有機層では得られない機械的強度や耐熱性、ガスバリア性などの機能を付与することができる。
該基板には、有機−無機ハイブリッド層を用いても良い。ここで、有機−無機ハイブリッド層とは、有機材料と無機材料を組み合わせて形成される層であることを示す。該ハイブリッド層は、有機層または無機層単独では得られない特性、例えば、柔軟性を有し、かつ機械的強度や耐熱性に優れた特性を示すことができる。該有機−無機ハイブリッド層は、有機層や無機層を積層する場合と同様の方法を用いて積層させることができる。
本発明の透明導電性基板の基板として樹脂層を積層した構成の場合において、該樹脂層の主成分である樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。ここで主成分とは、樹脂層の全成分100質量%において、50質量%以上100質量%以下が熱可塑性樹脂であることを意味する。そして樹脂層の主成分である樹脂が熱可塑性樹脂である態様としては、該樹脂層として各種の熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。ここでいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではないが、代表的なものとして、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを用いることができる。
これら熱可塑性樹脂フィルムは、ホモポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。これらのうち、機械的特性、寸法安定性、透明性などの点で、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルムなどが好ましく、更に、機械的強度、汎用性などの点で、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
かかるポリエステルフィルムにおいて、ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを好ましく用いることができる。これら構成成分は、1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断すると、エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステル、すなわち、ポリエチレンテレフタレートを用いることが特に好ましい。また、基板に熱や収縮応力などが作用する場合には、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートが更に好ましい。これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
かかるポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適である。
また、本発明の透明導電性基板の基板として樹脂層を積層した構成の場合において、該樹脂層中には、つまり熱可塑性樹脂フィルム中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
かかる樹脂層である熱可塑性樹脂フィルム、たとえばポリエステルフィルムは、二軸配向されたものであるのが好ましい。かかる二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了したものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
かかる樹脂層である熱可塑性樹脂フィルム、たとえばポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは38〜250μm、最も好ましくは75〜150μmである。また、たとえば基板としてポリエステルフィルムを用いる場合は、共押出による複合フィルムであってもよい。一方、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたものも用いることができる。
かかる樹脂層である熱可塑性樹脂フィルムは、易接着層が積層されていても良い。かかる易接着層としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂、メタクリレート系樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコール類、澱粉類、セルロース誘導体、ゼラチン等の天然樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアニリン、各種シリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂などからなる層を用いることができる。
以下、網目状金属微粒子積層体を用いた本発明の透明導電性基板の製造方法について説明する。なお基材とは、前述の基板と同様に、熱可塑性樹脂フィルムなどを用いることができる。
本発明の透明導電性基板は、片面に金属微粒子を網目状のラインに積層した網目状金属微粒子積層体の網目状のラインを有する面上に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布する工程1と、続く、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を硬化した後に基板を貼り合わせ、網目状金属微粒子積体中の基材と金属微粒子を含有する網目状のラインとを剥離し、に転写する、または、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布した面と基板とを貼り合わせ、硬化し、網目状金属微粒子積層体中の基材と金属微粒子からなる網目状のラインとを剥離し、基板に転写する工程2とによる転写法や、網目状金属微粒子積層体の網目状のラインを有する面上に、網目状のラインが表面に出るように紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂をオーバーコートするオーバーコート法等を用いて得ることができる。
また、このようにして得た透明導電層と基板の積層体の基板の透明導電層を有さない面に、さらに金属微粒子を網目状のラインに積層することで、本発明の透明導電性基板を得ることができる。さらに、上述の転写法による透明導電層と基板の積層体の製造方法において、基板の透明導電層を転写させない面に金属微粒子を網目状のラインに積層した後、透明導電層を積層することで、本発明の透明導電性基板を得ることができる。
かかる転写法を用いることで、比較的簡単に、金属微粒子を網目状のラインに積層した基板に、透明導電層を転写させることが可能であり、平滑性および導電性に優れた透明導電性基板とすることができる利点を有する。
オーバーコート法を用いる場合は、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物のレベリング性の問題により、網目状金属微粒子積層体の空隙部分を均一に埋めることが難しく、また、オーバーコート層が導電部分である網目状のラインを覆うなど、網目状のラインと樹脂とを均一な面にするのが極めて難しいため、透明導電層の面AのRa値を400nm以下に制御するのは容易ではない。それに対し、転写法を用いる場合、面AのRa値を400nm以下に制御することが容易に可能であることから、面AのRaの小さな透明導電層及び本発明の透明導電性基板の製造の際には、転写法を用いることが好ましい。
かかる転写法の工程1において、網目状金属微粒子積層体の網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布する方法としては、各種の塗布方法が適用でき、特に限定されないが、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法などを用いることができる。
かかる網目状金属微粒子積層体は、公知の方法で得られる、基材上に金属微粒子を含む金属微粒子溶液を塗布または、印刷することにより、金属微粒子を網目状のラインに積層した積層体を用いることができる。
かかる網目状金属微粒子積層体の構成の一例を図4に示すが、これに限定されるものではない。
以下、本発明の透明導電性基板をより具体的に例示して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、公知の方法で得られる網目状金属微粒子積層体の金属微粒子を積層した面に、光開始剤を添加した紫外線硬化性化合物をワイヤーバーによって塗布し、次いで、紫外線硬化性化合物を塗布した面に、異なる網目状金属微粒子積層体の金属微粒子を網目状のラインに積層した面と反対の面を貼り合わせ、150℃で2分間、熱処理を行い、紫外線照射して、紫外線硬化性化合物を硬化して樹脂とし、網目状金属微粒子積層体の網目状のラインを基材から剥離させ基板側に転写することで、好適に透明導電性基板が得られる。上記の方法を用いて本発明の透明導電性基板を製造することにより、透明性および導電性のいずれにも優れ、電磁波シールド性に優れ、さらに、平滑性を付与した透明導電性基板を得ることができる。また、本発明の透明導電性基板は、透明性と高いレベルの導電性を有し、耐モアレ性にも優れるので、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いることができる。さらには、導電性と優れた平滑性を有することも可能なため、有機薄膜太陽電池や電子ペーパーなどの透明電極に好適に用いることができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
各実施例・比較例で作成した透明導電性基板(透明導電層)の特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)表面粗さRa値
透明導電性基板に存在する透明導電層の表面を、レーザー顕微鏡(KEYENCE製、型番VK−9710)にて、50倍の対物レンズで、200μm×300μmの面積の表面粗さRa値を測定した。この時のRa値のカットオフ値は0.8μmに設定した。測定は、ランダムに3箇所測定し、それを平均することで表面粗さRa値とした。
(2)段差
透明導電性基板に存在する透明導電層の表面を、レーザー顕微鏡(KEYENCE製、型番VK−9710)にて、50倍の対物レンズで測定することで、段差を求めた。
測定は、透明導電層中の網目状のラインの幅方向に対して平行な直線方向に段差を観察した。そして、測定部分の網目状のラインの幅よりも両側に10μm長い距離を設定して、樹脂部分(空隙部分)からライン部分を通ってさらに反対側の樹脂部分(空隙部分)までを測定した。この時得られた高さの最大値(ライン部分)と最小値(樹脂部分(空隙部分))との差を段差として、ランダムに測定した3箇所の段差の平均値を該段差の値とした。
網目状のラインと樹脂部分との界面に生じる段差は、平均値が500nm以下であれば良好である。
(3)表面観察(形状観察)
透明導電性基板の両面の表面を微分干渉顕微鏡(LEICA DMLM ライカマイクロシステムズ(株)製)にて倍率100倍で観察し、網目の有無及び形状を観察した。
(4)表面比抵抗
透明導電性基板の両面の表面比抵抗は、透明導電性基板(透明導電層)を常態(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下で、JIS−K−7194(1994)に準拠した形で、ロレスタ−EP(三菱化学株式会社製、型番:MCP−T360)を用いて測定した。単位は、Ω/□である。なお、本測定器は1×10Ω/□以下が測定可能である。
表面比抵抗は、両面それぞれランダムに3箇所測定した表面比抵抗の平均値が両面ともに20Ω/□以下であれば導電性は良好である。
(5)電磁波シールド性
電磁波シールド性は、透明導電性基板をKEC法により、0.1〜1000MHzの周波数範囲での電界強度の減衰率を測定した。
電磁波シールド性は、測定した電界強度の減衰率が30dB以上であれば、電磁波シールド性は良好である。
(6)全光線透過率
全光線透過率は、常態(23℃、相対湿度65%)において、透明導電性基板を2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を用いて、光源が透明導電性基板に垂直にあたるように置いて測定した。測定は、ランダムに3点行い、その平均値を全光線透過率とした。
全光線透過率は、測定した全光線透過率の平均値が60%以上であれば透明性は良好である。
(7)透明導電層のハードコート性
透明導電層のハードコート性は、表面特性試験機ヘイドン(新東科学(株)製 MODEL:HEIDON−14D)を用いて、各種硬度の鉛筆の芯を円筒状にした鉛筆(MITSU−BISHI製)を角度45度に設置、鉛筆の芯を透明導電層表面に当て、荷重500gで速度30mm/minで引っ掻き試験を行ったときの、透明導電層表面の鉛筆硬度がB以上の場合、ハードコート性が有ることを示す「○」、透明導電層の鉛筆硬度がB未満の場合、ハードコート性が劣るため、「△」とした。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。
(網目状金属微粒子積層体1)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラー(登録商標)T60)の片面に、藤倉化成株式会社製の金属微粒子溶液XA−9053を、スクリーン印刷により、網目状のラインに印刷し、金属微粒子の網目状のラインを有する積層体を得た。次に、この積層体の導電化処理として、150℃で2分間熱処理し、続いて、網目状のラインを酸で処理するために、積層基板ごと1Nの塩酸(ナカライテスク(株)製 1N-塩酸)に1分間浸けた。その後、網目状金属微粒子積層基板を取り出し、水洗した後、水分を飛ばすために150℃で1分間乾燥することで、表面比抵抗値5Ω/□の網目状金属微粒子積層体1を得た。
(網目状金属微粒子積層体2)
網目状金属微粒子積層体1と同じものを網目状金属微粒子積層体2とした。
(網目状金属微粒子積層体3)
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状のラインを有する表面比抵抗値10Ω/□の透明導電性基板(東レフィルム加工(株)製 ナノ銀透明導電フィルムTCC−010を網目状金属微粒子積層体3として使用した。
(網目状金属微粒子積層体4)
網目状金属微粒子積層体3と同じものを網目状金属微粒子積層体4とした。
(紫外線硬化性化合物1)
紫外線硬化性化合物1として、下記紫外線硬化性化合物Aと紫外線硬化性化合物Bの混合比が60/40(wt/wt)である紫外線硬化性化合物1を用いた。
紫外線硬化性化合物A:4官能ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製 Ebecryl(登録商標)8405)
紫外線硬化性化合物B:ノニルフェノールEO変性アクリレート(東亞合成(株)製
アロニックス(登録商標)M111)
(紫外線硬化性化合物2)
紫外線硬化性化合物1をメチルエチルケトン(ナカライテスク(株)製)にて、固形分濃度30質量%まで希釈したものを紫外線硬化性化合物2とした。
(実施例1)
網目状金属微粒子積層体1の網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものをWET厚み12μmになるようにバーコート法を用いて塗布した。続いて、紫外線硬化性化合物を塗布した面と別に準備しておいた網目状金属微粒子積層体2の網目状のラインが積層されてない面とが接するように貼り合わせラミネートした。
次に、この積層体をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、続いて、この積層体から網目状金属微粒子積層体1の基材と金属微粒子を含有する網目状のラインと樹脂とで構成された層(透明導電層)とを剥離した。剥離して得られた透明導電層には、金属微粒子を含有する網目状のラインが転写されており、網目状のライン、基板、網目状のラインの順に積層した透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板は、金属微粒子を含有する網目状のラインを基板の両方の表面に有し、一方の面は透明導電層であった。さらに、透明導電性基板の透明導電層の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板であった。また、得られた透明導電性基板の両方の表面の表面比抵抗は5Ω/□であり、導電性も良好であり、電磁波シールド性は、40dBであった。さらに、全光線透過率は70%で、透明導電層は、ハードコート性を有する「○」であった。
(実施例2)
紫外線硬化性化合物2を使用した以外は、実施例1と同様にして透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板は、金属微粒子を含有する網目状のラインを基板の両方の表面に有し、一方の面は透明導電層であった。さらに、透明導電性基板の透明導電層の面Aの表面のRa値は、10nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は30nmであり、平滑性に優れた基板であった。また、得られた透明導電性基板の両方の表面の表面比抵抗は5Ω/□であり、導電性も良好であり、電磁波シールド性は、40dBであった。さらに、全光線透過率は70%で、透明導電層は、ハードコート性を有する「○」であった。
(実施例3)
網目状金属微粒子積層体1を網目状金属微粒子積層体3にした以外は、実施例1と同様にして透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを基板の両方の表面に有し、一方の面は透明導電層であった。さらに、透明導電性基板の透明導電層の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板であった。また、得られた透明導電性基板の表面比抵抗は、面Aが10Ω/□で、もう一方の面が5Ω/□であり、導電性も良好であり、電磁波シールド性は、35dBであった。さらに、全光線透過率は70%で、透明導電層は、ハードコート性を有する「○」であった。
(実施例4)
網目状金属微粒子積層体1を網目状金属微粒子積層基板3、網目状金属微粒子積層体2を網目状金属微粒子積層体4にした以外は、実施例1と同様にして透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを基板の両方の表面に有し、一方の面は透明導電層であった。さらに、透明導電性基板の透明導電層の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板であった。また、得られた透明導電性基板の両方の表面の表面比抵抗は10Ω/□であり、導電性も良好であり、電磁波シールド性は、30dBであった。さらに、全光線透過率は70%で、透明導電層は、ハードコート性を有する「○」であった。
(実施例5)
網目状金属微粒子積層体1の網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものをWET厚み12μmになるようにバーコート法を用いて塗布し、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46)と貼り合わせラミネートした。
次に、この積層体をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、続いて、この積層体から網目状金属微粒子積層体1の基材と金属微粒子を含有する網目状のラインと樹脂とで構成された層(透明導電層)とを剥離した。剥離して得られた透明導電層には、金属微粒子を含有する網目状のラインが転写され、基板に透明導電層が積層した導電性基板を得た。
次に、網目状金属微粒子積層体2の網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものをWET厚み12μmになるようにバーコート法を用いて塗布した。続いて、上記で得られた導電性基板の透明導電層が積層されてない面とが接するように貼り合わせラミネートした。
次に、この積層体をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、続いて、この積層体から網目状金属微粒子積層体2の基板と金属微粒子を含有する網目状のラインと樹脂と構成された層(透明導電層)とを剥離した。剥離して得られた透明導電層には、金属微粒子を含有する網目状のラインが転写されており、網目状のライン、基板、網目状のラインの順に積層した透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板は、基板の両面に透明導電層を有し、さらに、透明導電性基板の透明導電層の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板であった。また、得られた透明導電性基板の両方の表面の表面比抵抗は5Ω/□であり、導電性も良好であり、電磁波シールド性は、40dBであった。さらに、全光線透過率は70%で、透明導電層は、ハードコート性を有する「○」であった。
(比較例1)
網目状金属微粒子積層体1の金属微粒子の網目状のラインを有する面上に水性ウレタン樹脂分散液(大日本インキ化学工業(株)製HYDRAN AP−201)を水で固形分濃度3質量%まで希釈したものをWet7μmになるようにバーコート法によって塗布し、170℃で2分間乾燥させて透明導電層を形成させた透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板は、全光線透過率は80%であり、網目状のラインの表面比抵抗は5Ω/□であった。透明導電層のハードコート性も「○」であったが、透明導電層の面Aの表面のRaは、440nmであり、平滑性が不足し、電磁波シールド性は、25dBであった。また、網目状ラインは基板の片面にしか存在してなかった。
実施例1〜5、比較例1の特性評価結果を表1に示す。
Figure 2012156436
本発明の透明導電性基板は、透明性および導電性に優れ、さらには電磁波シールド性にも優れた透明導電性基板を得ることができる。さらに、本発明の透明導電性基板は、網目状のライン、基板、網目状のラインの構成にすることで、一方の面を電磁波シールド機能、もう一方を透明電極と、一枚の基板で二つの機能を持たせることができ、コスト削減することができ、生産性のも優れる。さらには、導電層が基板の両面に有するため、両面とも電極として使用することが可能である。本発明の透明導電性基板は、上記の特性の持たせることでタッチパネル、有機薄膜太陽電池や電子ペーパーなどに好適に用いることができる。
1 金属微粒子からなる網目状のライン
2 基板
3 透明導電性基板
4 樹脂
5 透明導電層
6 基材
7 網目状金属微粒子積層体

Claims (6)

  1. 基板、及び金属微粒子を含有する網目状のラインを有する透明導電性基板であり、
    前記網目状のライン、基板、前記網目状のラインがこの順に積層したことを特徴とする、透明導電性基板。
  2. 金属微粒子と樹脂とで構成された層を、透明導電層とした際に、
    該透明導電層は、その一方の面に前記網目状のラインを有し(以下、透明導電層において、網目状のラインが存在する側の面を、面Aという。)、
    前記面Aは、Raが400nm以下であり、
    該透明導電層を有することを特徴とする、請求項1に記載の透明導電性基板。
  3. 前記透明導電層、基板、前記透明導電層が、この順に直接積層したことを特徴とする、請求項2に記載の透明導電性基板。
  4. 前記透明導電層が、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の透明導電性基板。
  5. 前記透明導電層を構成する樹脂が、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の透明導電性基板。
  6. 前記透明導電層が、ハードコート性を有することを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の透明導電性基板。
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