JP2012054522A - 透明導電性基板及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド基板 - Google Patents

透明導電性基板及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド基板 Download PDF

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Abstract

【課題】透明導電性基板は、金属微粒子と樹脂とで構成された層(透明導電層)からなり、このような構成とすることで、平滑性に優れ、さらには、透明性、耐モアレ性および導電性に優れた透明導電性基板を提供する。
【解決手段】金属微粒子と樹脂層からなる層を有する導電性基板であり、金属微粒子は、網目状のラインを構成し、網目状のラインは、透明導電層の少なくとも一方の表層に存在し、面AのRa値が400nm以下である透明導電性基板。
【選択図】図2

Description

本発明は、導電性、透明性および平滑性に優れた透明導電性基板に関するものである。
透明導電性基板は、回路材料として様々な機器に用いられており、電磁波シールド基板やタッチパネル、有機薄膜太陽電池用途の透明電極として用いられている。
電磁波シールド基板は家電用品、携帯電話、パソコン、テレビをはじめとした電子機器から放射された多種多様な電磁波を抑制する目的に用いられている。特に伸長著しいデジタル家電の中で、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイからも、強力な電磁波が放出されており、人体への影響も懸念されている。これらディスプレイは、比較的近い距離で、かつ場合によっては長時間にわたり画像を観察するため、これら電磁波を抑制する電磁波シールド基板が必要とされ、鋭意検討されている。
一般に、ディスプレイパネルに用いられる電磁波シールド基板には、透明な導電性基板が用いられており、現行用いられている電磁波シールド基板用の導電性基板の製造方法には、各種の方法が採用されている。例えば特許文献1、2では、パターン化した導電層を設けた導電性基板の製造方法として、導電層を格子状もしくは網目状のパターン状に印刷することで、透明性の高い導電性フィルムを作成している。
:特開1999−170420号公報(第1頁、請求項など) :特開2000−196286号公報(第1頁、請求項など)
しかし、前述した従来の技術には次のような問題点がある。
特許文献1に記載のスクリーン印刷により導電層を設ける方法は、導電性、透明性に優れたパターン形状を得るには適した方法であるが、パターン形成後に、導電層の線部分と開口部分で段差が生じ平滑性が劣る。そのため、他材料と張り合わせるために、一般的に粘着剤が使用されるが、その際に、電磁波シールド基板が平滑でないため、オートクレーブによる気泡抜きを十分行う必要性がある。
また、この基板は、格子状の導電層が規則的な構造を有しているため、モアレ現象が発生するという問題を有しているものでもあった。
ここで、モアレ現象とは、「点または線が幾何学的に規則正しく分布したものを重ね合せた時に生ずる縞状の斑紋」であり、また広辞苑によれば、「点または線が幾何学的に規制正しく分布したものを重ね合わせた時に生ずる縞模様の斑紋。網版印刷物を原稿として網版を複製する時などに起こりやすい」との記載があり、プラズマディスプレイで言えば、画面上に縞模様状の模様が発生する。これは、ディスプレイの前面に設けられる電磁波シールド基板に格子状などの規則的なパターンが設けられている場合、ディスプレイ背面版の、RGB各色の画素を仕切る規則正しい格子状の隔壁などとの相互作用により、該モアレ現象が生じるものである。また、電磁波シールド基板に格子状などの規則的なパターンが設けられている場合、この格子の線幅が太いほど、このモアレ現象が発生しやすいという問題があったものである。
特許文献2に記載の方法は、オフセット印刷により導電層を設ける方法であり、この方法もまた、導電性、透明性に優れたパターン形状を得るには適した方法であるが、パターン形成後に、導電層の線部分と開口部分で段差が生じ平滑性が劣る。
本発明は、平滑性に優れ、さらには、透明性、耐モアレ性および導電性に優れた透明導電性基板及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド基板を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用するものである。
1) 金属微粒子と樹脂とで構成された層(以下、透明導電層という)を含む透明導電性基板であり、
該金属微粒子は、網目状のラインを構成し、
該網目状のラインは、透明導電層の少なくとも一方の表面(以下、網目状のラインが存在する面を面Aという)に存在し、
面AのRa値が400nm以下である透明導電性基板。
2) 前記透明導電層が、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、前記1)に記載の透明導電性基板。
3) 前記透明導電層が、ハードコート性を有することを特徴とする、前記1)または2)に記載の透明導電性基板。
4) 前記透明導電層を構成する樹脂が、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることを特徴とする、前記1)〜3)に記載の透明導電性基板。
5) 前記面Aの表面比抵抗が、20Ω/□以下であることを特徴とする、前記1)〜4)のいずれかに記載の透明導電性基板。
6) 前記透明導電層が、網目状のラインが存在しない面(以下、面Bという)を有し、
該面B上に、さらに補助層を積層した、前記1)〜5)のいずれかに記載の透明導電性基板。
7) 前記補助層が有機層または無機層であることを特徴とした、前記6)に記載の透明導電性基板。
8) 前記有機層が樹脂層であって、該樹脂層の主成分である樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする、前記7)に記載の透明導電性基板。
9) 以下の工程1、工程2をこの順に有することで、金属微粒子の網目状のラインを構成したことを特徴とする、金属微粒子と樹脂とで構成された層(以下、透明導電層という)を含む透明導電性基板の製造方法。
工程1:基板上に金属微粒子の網目状のラインを有する積層体(以下、網目状金属微粒子積層基板という)の、網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布、硬化する工程。
工程2:基板と金属微粒子からなる網目状のラインとを剥離する工程。
10) 前記網目状金属微粒子積層基板が、基板上に金属微粒子を含有する溶液(以下、金属微粒子溶液という)を塗布することで、金属微粒子からなる網目状のラインを構成したことを特徴とする、前記9)に記載の透明導電性基板の製造方法。
11) 前記1)〜8)のいずれかに記載の透明導電性基板、又は、前記9)若しくは10)の製造方法により得られる透明導電性基板を有するプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド基板。
本発明によれば、透明性および平滑性のいずれにも優れ、生産性に優れた透明導電性基板を得ることができる。また、本発明の透明導電性基板は、透明性と高いレベルの導電性を有し、耐モアレ性にも優れるので、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いることができる。また、導電性と優れた平滑性を有するため、有機薄膜太陽電池などの透明電極に好適に用いることができる。
本発明の透明導電性基板(透明導電層)の一例の断面図 (不規則な)網目状のラインの構成の一例の上面図 面Bを有さない態様(両面とも面A)である透明導電層の一例の断面図 透明導電層の面B上に補助層(樹脂層)が積層された透明導電性基板の一例の断面図 網目状金属微粒子積層基板の一例の断面図 転写法を用いた本発明の透明導電性基板の製造方法の一例
本発明は、前記課題を解決した透明導電性基板、つまり平滑性に優れ、さらには、透明性、耐モアレ性および導電性に優れた透明導電性基板であり、より具体的には、金属微粒子と樹脂とで構成された層(以下、この層を透明導電層という)を含む透明導電性基板であり、該金属微粒子は、網目状のラインを構成し、該網目状のラインは、透明導電層の少なくとも一方の表面(以下、網目状のラインが存在する面を面Aという)に存在し、面AのRa値が400nm以下である透明導電性基板であり、このような構成にしてみたところ、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の透明導電性基板(透明導電層)の断面構成の一例を図1に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、図1の透明導電性基板は、透明導電層のみからなる透明導電性基板である。
本発明の透明導電性基板は、金属微粒子と樹脂とで構成された層(以下、透明導電層という)を含む。このような構成とすることで導電性と平滑性に優れた透明導電層にすることが可能であり、該透明導電層を含む透明導電性基板の導電性と平滑性を優れたものにすることができる。なお本発明の透明導電性基板は、前述の透明導電層を有しさえすれば、その他の層、例えば、反射防止層、ハードコート層、紫外線遮断層、赤外線遮断層、防汚層、ガスバリア層などの機能層をさらに有する態様も含む。
該透明導電層中の金属微粒子と樹脂との合計の含有量は、特に限定されないが、透明導電層の全成分100質量%において、50質量%以上100質量%以下が金属微粒子と樹脂の合計量であることが好ましい。
また本発明の透明導電性基板の透明導電層は、金属微粒子と樹脂とを含有すれば、その他に各種の添加剤等を含有することも可能である。また、金属微粒子と樹脂との含有比率は特に限定されず、各用途に応じて必要十分な表面比抵抗となるだけの金属微粒子の比率を適宜選択すればよい。
また本発明の透明導電性基板の透明導電層は、該透明導電層中で金属微粒子が網目状のラインを構成することが重要である。この金属微粒子が構成する網目状のラインは、金属微粒子同士が連続的に連なった構造であり、この構造に由来して導電性を示す。このように網目状のラインを構成させることで、透明導電性基板の透明性と導電性を優れたものにすることができる。ここで網目状とは、いくつかの点を何本かの線分で結んだ構造のことをいい、例えば図2に、金属微粒子により構成された網目状のラインを示す。つまり本発明における網目状とは、金属微粒子で構成される複数の線分が、複数の点で結ばれた構造を意味する。
さらに、透明導電層が有する網目状のラインは、格子状などの規則性のある網目状のラインでも構わないが、不規則な網目状のラインを構成していることが好ましい。透明導電層が有する網目状のラインを不規則な網目状のラインにすることで、該透明導電層を有する本発明の透明導電性基板をプラズマディスプレイに張り合わせて使用した場合、モアレの発生を抑えることができるからである。また、ここでいう不規則な網目状のラインとは、かかる網目状の構造が、その形状において、空隙部分の形状や大きさが不揃いである状態、網目部分すなわち線状の部分の形状も直線ではなく線太さが不揃いである状態のものである。
ここでいう空隙部分とは、透明導電層中の網目状のラインと同一平面中の網目状のラインで囲まれている部分を意味する。すなわち透明導電層を構成する樹脂が紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂である場合には、網目状のラインと同一平面中の網目状のラインで囲まれている紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂部分のことである。不規則な網目状のラインを形成する構造の一例を図2に示すが、これに限定されるものではない。
また、透明導電層が有する、金属微微粒子で構成された網目状のラインは、金属微粒子を含むのは当然として、その他の成分を有してもよい。その他の成分としては、各種添加剤を挙げることができる。なお、本発明の透明導電性基板(透明導電層)の表面比抵抗を低くすることを考慮すると、金属微粒子で構成された網目状のラインは、金属微粒子以外の成分の含有量が少ないことが好ましく、特に好ましくは金属微粒子のみで構成されることである。
本発明の透明導電性基板の透明導電層は、前述の網目状のラインが、透明導電層の少なくとも一方の表面に存在することが重要である。このように網目状のラインが透明導電層の少なくとも一方の表面に存在する、すなわち透明導電層の少なくとも一方の表面に導電部分が存在することで、透明導電層の表面から導通を取ることができ、そのような表面から導通させることが必要な用途にも使用できる可能性がある。なお以下の説明では、透明導電層の網目状のラインが存在する面のことを、面Aといい、透明導電層の網目状のラインが存在しない面(面Aとは異なる面)を、面Bという。そのため、本発明の透明導電性基板の透明導電層は、両面ともに面Aである態様(面Bを有さない態様)も含みえるが、透明導電層の強度の点からは、好ましくは面Aと面Bが存在しうる透明導電層の形態である。また、面Bを有さない態様である透明導電層の一例の断面図を図3に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、図3の透明導電性基板は、透明導電層のみからなる透明導電性基板である。
本発明の透明導電性基板の透明導電層の面AのRa値は、400nm以下であることが重要である。好ましくは300nm以下であり、より好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。
面AのRa値が400nmより大きくなってしまうと、網目状のライン部分と空隙部分とで段差が生じてしまい、平滑性が劣るため、他部材と張り合わせた場合に、気泡が入ってしまう可能性があるために問題となる。また面AのRa値が400nmより大きい場合、透明電極として使用した場合、段差により電極の導通がとれなくなる可能性があるため問題である。
また、面AのRa値は小さい程好ましく、透明導電層である金属微粒子からなる網目状のラインや、樹脂の表面粗さを考慮すると、透明導電層の面AのRa値は、2nmが下限と考えられ、そのため本発明の透明導電性基板の面AのRa値の下限は2nmと思われる。
本発明の透明導電性基板の透明導電層の面Aにおける網目状のラインと透明導電層の樹脂部分(空隙部分)との界面に生じる段差(面A中の網目状のラインとラインがない部分(空隙部分)との段差)は、500nm以下であることが好ましく、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは100nm以下であり、最も好ましくは50nm以下である。該段差(面A中の網目状のラインとラインがない部分(空隙部分)との段差)が500nmより大きくなると、面AのRa値が400nmより大きい場合と同様に、平滑性が劣るため、他部材と貼り合わせた場合に、気泡が入ってしまう可能性や、電極の導通がとれなくなる可能性があるため、問題となる。
また、面Aにおける網目状のラインと透明導電層の樹脂部分との界面に生じる段差は小さい程好ましく、透明導電層の金属微粒子からなる網目状のラインや、樹脂の表面粗さ、空隙部分を埋める樹脂のレベリング性を考慮すると、該段差は2nmが下限と考えられるため、本発明の透明導電層の面Aにおける段差の下限は2nmと思われる。
本発明の透明導電性基板の透明導電層を構成する金属微粒子に使用される金属としては特に限定されず、白金、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ビスマス、コバルト、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫などが挙げられる。これらの金属は1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の透明導電性基板の透明導電層を構成する金属微粒子でいう微粒子とは、比較的粒子径の小さい粒子であれば特に限定されないが、数平均粒子径0.001〜0.3μmの金属微粒子が好適に使用され、また粒子径は最大でも1.0μm未満となるものが好適に使用される。金属微粒子の数平均粒子径、最大粒子径がこの範囲を超えると金属微粒子を網目状のラインに形成させ、透明性、導電性に優れた透明導電性基板を得ることが困難となる場合がある。また、金属微粒子の粒子径分布は大きくても、小さくてもよく、粒子が不揃いであっても、均一であってもよいが、粒子が均一であって、粒子径分布が小さい方が、金属微粒子を網目状のラインに形成させやすいため、好ましい。
本発明の透明導電性基板中の透明導電層は、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことが好ましい(このような化合物を、金属密着改良剤という。)。前記化合物は、透明導電層中に含有されさえすれば構わないが、透明導電層中の金属微粒子と樹脂との密着性を向上させるという観点では、金属微粒子で構成された網目状のラインと樹脂との界面に存在しているが好ましい。また前記化合物(金属密着改良剤)としては、リン酸エステルが最も好ましい。透明導電層が、前記化合物(金属密着改良剤)を少なくとも1つ含むことにより、後述する転写法によって本発明の透明導電性基板を得る際に、網目状のラインを簡便に転写することが可能となる。
透明導電層を製造する際に用いる前記化合物(金属密着改良剤)は、透明導電層を得るために使用する紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部である事が好ましい。
本発明の透明導電性基板の透明導電層を構成する樹脂は、特に限定されないが、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることが好ましい。紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物としては、特に限定されるものではないが、3官能以上の多官能アクリレートを用いることが好ましい。
3官能以上の多官能アクリレートの具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの3官能以上の多官能アクリレートは、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、市販されている3官能以上の多官能アクリレートを含む紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物としては三菱レーヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC”など)、東亞合成化学工業株式会社;(“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズなど)、ダイセル・サイテック株式会社;(商品名“Ebecryl”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
また、3官能以上の多官能アクリレート以外に、以下のような紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を本発明の効果を阻害しない範囲内で、低粘度化などの目的で使用することができる。
アリルエステルモノマ−:オルソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、コハク酸ジアリル。
アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマー:メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、フェノールEO付加物アクリレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2,6−ジブロム−4−tert−ブチルフェニルアクリレート、各種のウレタンアクリレート、エポキシアクリレート。
本発明において、上記の紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を硬化させる方法としては、例えば、活性線として紫外線を照射する方法や高温加熱法等を用いることができ、これらの方法を用いる場合には、上記の紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物に、光重合開始剤または熱重合開始剤等を加えることが望ましい。
光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。また、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。
光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、使用する紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物100質量部に対して、0.01〜10質量部が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。また200℃以上の高温で熱硬化させる場合には熱重合開始剤の添加は必ずしも必要ではない。
本発明の透明導電性基板中の透明導電層は、ハードコート性を有していることが好ましい。該透明導電層がハードコート性を有することで、層の硬度が向上し、膜強度や耐擦傷性を向上することができるため、透明導電層の導電性悪化を抑制することができる。
ここでいうハードコート性とは、表面特性試験機ヘイドン(新東科学(株)製 MODEL:HEIDON−14D)を用いて、各種硬度の鉛筆の芯を円筒状にした鉛筆(MITSU−BISHI製)を角度45度に設置、鉛筆の芯を透明導電層表面に当て、荷重500gで速度30mm/minで引っ掻き試験を行ったときの、透明導電層表面の鉛筆硬度がB以上であることを示す。
透明導電層がハードコート性を有する場合には、網目状のラインが断線しにくく、導電性を保持することが可能となるため、好ましい。透明導電層のハードコート性は、透明導電層を製造する際に用いる紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物として、硬化後にハードコート性を有することとなる化合物を選択することにより付与することができる。
また、透明導電層は、反射防止性を有していることも好ましい。透明導電層に反射防止性を付与するためには、透明導電層を製造する際に用いる紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物として、硬化後に適切な屈折率を有する事となる化合物を選択することにより可能である。
また前述の通り、かかる樹脂成分に、透明導電層の金属微粒子と樹脂との密着性を向上させるために、リン酸エステルなどの金属密着改良剤を加えることが好ましい。金属密着改良剤の使用量は、透明導電層を得るために使用する紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部が適当である。
本発明の透明導電性基板の導電性に関しては、面Aの表面比抵抗が20Ω/□以下であることが好ましい。ここで、面Aの表面比抵抗は、ランダムに少なくとも3箇所測定した時の平均値を意味する。かかる表面比抵抗は、より好ましくは15Ω/□以下であり、さらに好ましくは10Ω/□以下であり、特に好ましくは5Ω/□以下である。また、面Aの表面比抵抗の最大値は、表面比抵抗の平均値の1.2倍以下の値であることが好ましく、より好ましくは平均値の1.1倍以下、さらに好ましくは1.05倍以下である。かかる表面比抵抗が20Ω/□以下であると、透明導電性基板を通電して用いる際に、抵抗による負荷が小さくなるため、発熱が抑えられることや、低電圧で用いることができるので好ましい。また、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなど、フラットパネルディスプレイの電磁波シールド基板用の透明導電性基板として用いた場合には、電磁波シールド性が良好となるため、好ましい。透明導電性基板の表面比抵抗は、低い方が好ましいものの、現実的に0.1Ω/□未満とすることは困難と考えられ、そのため透明導電性基板の表面比抵抗は0.1Ω/□が下限と考えられる。
本発明の透明導電性基板の全光線透過率に関しては、全光線透過率70%以上であることが重要であり、好ましくは75%以上であり、より好ましくは77%以上である。全光線透過率が70%より小さいと、透明導電性基板の透明性の点で問題が生じる場合がある。
また、透明導電性基板の全光線透過率は高い程好ましく、その上限は特に限定されないが、透明導電性基板表面の光反射を考慮すると、透明導電性基板の全光線透過率を92%より高くすることは困難と考えられるので、全光線透過率92%が透明導電性基板の全光線透過率の物理的限界値(上限)と思われる。
透明導電性基板の全光線透過率を70%以上に制御する方法としては、透明導電層の面Aに存在する網目状のラインの部分(すなわち線状の部分)と、樹脂部分(すなわち空隙部分)との面積比率を、線状の部分/樹脂部分で40/60以上にすることが好ましい。
本発明の透明導電性基板は、前述の透明導電層が面Aを1面のみ有する際に、つまり、透明導電層が網目状のラインが存在しない面である面Bを有する際に、該面B上にさらに補助層を積層した積層構成の透明導電性基板として用いることもできる。該補助層には、有機層または無機層を用いることが重要であるが、該補助層には、有機−無機ハイブリッド層を用いても良い。
該補助層に有機層を用いる場合、該有機層は樹脂層であることが好ましく、該樹脂層を構成する主成分となる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。該樹脂層は、透明導電層の面Bに対して直接積層しても、粘着剤や接着剤で貼り合わせて積層しても良い。また、該面Bと該樹脂層の密着力を向上させるために、コロナ放電処理、プライマー処理、短波長紫外線照射処理などの処理方法を用いてから、前述の直接積層や貼り合わせによる積層を行っても良い。また、該面Bを構成する樹脂を網目状金属微粒子積層基板に塗布、該樹脂層を積層した後に、紫外線照射や高温加熱法等を用いて透明導電層の樹脂を硬化させても良い。このような該面B上にさらに樹脂層などの有機層を積層した積層構成の透明導電性基板とすることで、柔軟性を維持したまま、透明導電性基板自体の強度を強くし、透明導電性基板の後加工などをする際に作業性、生産性の点で優れる。
また、該有機層上に、反射防止性、紫外線遮断性、赤外線遮断性、ハードコート性、導電性、防汚性、ガスバリア性などの機能を有する機能層をさらに積層しても良い。機能層は、1層でも良く、2種以上を組み合わせて積層しても良い。
また、該補助層に無機層を用いる場合、透明性の観点から無機層としてはガラスが好ましいが、透明性を有していれば、特に限定されない。該無機層の厚みは特に限定されず、透明性を損なわない範囲において、用途や作業性にあわせて、適宜選択することができる。また、該無機層は、透明導電層の面Bに対して直接積層しても、粘着剤や接着剤で貼り合わせて積層しても良い。また、該面Bとの密着性向上のためにコロナ放電処理、プライマー処理、短波長紫外線照射処理、シランカップリング処理などの処理方法を用いてから、前述の直接積層や貼り合わせによる積層を行っても良い。また、該面Bを構成する樹脂を網目状金属微粒子積層基板に塗布、該無機層を積層した後に、紫外線照射や高温加熱法等を用いて透明導電層の樹脂を硬化させても良い。該面B状に無機層を積層した積層構成の透明導電性基板とすることで、有機層では得られない機械的強度や耐熱性、ガスバリア性などの機能を付与することができる。
また、該無機層上に、反射防止性、紫外線遮断性、赤外線遮断性、ハードコート性、導電性、防汚性などの機能を有する機能層をさらに積層しても良く、機能層は1層でも良く、2種以上を組み合わせて積層しても良い。
該補助層には、有機−無機ハイブリッド層を用いても良い。ここで、有機−無機ハイブリッド層とは、有機材料と無機材料を組み合わせて形成される層であることを示す。該ハイブリッド層は、有機層または無機層単独では得られない特性、例えば、柔軟性を有し、かつ機械的強度や耐熱性に優れた特性を示すことができる。該有機−無機ハイブリッド層は、有機層や無機層を積層する場合と同様の方法を用いて積層させることができる。
また、該有機−無機ハイブリッド層上にも、前述の各種機能層を1層、または2種以上組み合わせて積層しても良い。
本発明の透明導電性基板は、前述の透明導電層の面A上に、金属酸化物や導電性高分子の薄膜を設けることもできる。金属酸化物としては、酸化インジウムスズ(ITO)やフッ素ドープ酸化スズ(FTO)などを用いることができる。導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリアニリンなどを用いることができる。
透明導電層が網目状のラインが存在しない面である面Bを有する際に、該面B上にさらに補助層(樹脂層)を積層した透明導電性基板の断面構造の一例を図4に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の透明導電性基板が、透明導電層の面B上に樹脂層を積層した構成の場合において、該樹脂層の主成分である樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。ここで主成分とは、樹脂層の全成分100質量%において、50質量%以上100質量%以下が熱可塑性樹脂であることを意味する。そして樹脂層の主成分である樹脂が熱可塑性樹脂である態様としては、該樹脂層として各種の熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。ここでいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではないが、代表的なものとして、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを用いることができる。
これら熱可塑性樹脂フィルムは、ホモポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。これらのうち、機械的特性、寸法安定性、透明性などの点で、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルムなどが好ましく、更に、機械的強度、汎用性などの点で、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
かかるポリエステルフィルムにおいて、ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを好ましく用いることができる。これら構成成分は、1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断すると、エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステル、すなわち、ポリエチレンテレフタレートを用いることが特に好ましい。また、基板に熱や収縮応力などが作用する場合には、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートが更に好ましい。これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
かかるポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適である。
また、本発明の透明導電性基板が、透明導電層の面B上に樹脂層を積層した構成の場合において、該樹脂層中には、つまり熱可塑性樹脂フィルム中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
かかる樹脂層である熱可塑性樹脂フィルム、たとえばポリエステルフィルムは、二軸配向されたものであるのが好ましい。かかる二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了したものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
かかる樹脂層である熱可塑性樹脂フィルム、たとえばポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは38〜250μm、最も好ましくは75〜150μmである。また、たとえば基板としてポリエステルフィルムを用いる場合は、共押出による複合フィルムであってもよい。一方、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたものも用いることができる。
かかる樹脂層である熱可塑性樹脂フィルムの、前述の透明導電層の面Bと接する面の表面には、易接着層が積層されていても良い。かかる易接着層としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂、メタクリレート系樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコール類、澱粉類、セルロース誘導体、ゼラチン等の天然樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアニリン、各種シリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂などからなる層を用いることができる。
本発明の透明導電性基板は、基板上に金属微粒子からなる網目状のラインを有する積層体(以下、この積層体を網目状金属微粒子積層基板という)を用いることにより、好適に透明導電層を得ることができ、その結果好適に本発明の透明導電性基板を得ることができる。以下、網目状金属微粒子積層基板を用いた本発明の透明導電性基板の製造方法について説明する。
本発明の透明導電性基板(透明導電層)は、かかる網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを有する面上に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布・硬化する工程1と、続く(網目状金属微粒子積層基板を構成する)基板と金属微粒子からなる網目状のラインとを剥離する工程2とによる転写法や、網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを有する面上に、網目状のラインが表面に出るように紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂をオーバーコートするオーバーコート法等を用いて得ることができる。
前述の転写法を図6に示すが、本発明の透明導電性基板(透明導電層)は、網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布、硬化して、紫外線硬化性化合物や熱硬化性化合物を樹脂に変換して(工程1)、続いて金属微粒子からなる網目状のラインと基板とを剥離(紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂と基板とを剥離)し(工程2)、網目状金属微粒子積層基板上の金属微粒子からなる網目状のラインを、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂側に転写させることで、透明導電層の一方の面に金属微粒子の網目状のラインを構成することができ、その結果、該透明導電層を含む透明導電性基板を得ることができる。
かかる転写法を用いることで、比較的簡単に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂に、網目状のラインを転写させることが可能であり、また転写法により得られる透明導電層は、面A側の平滑性および導電性に優れた透明導電層とすることができる利点を有する。
オーバーコート法を用いる場合は、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物のレベリング性の問題により、網目状金属微粒子積層基板の空隙部分を均一に埋めることが難しく、また、オーバーコート層が導電部分である網目状のラインを覆うなど、網目状のラインと樹脂とを均一な面にするのが極めて難しいため、面AのRa値を400nm以下に制御することは可能であるが、オーバーコート法によってRa値を200nm以下にするのは容易ではない。それに対し、転写法を用いる場合、面AのRa値を400nm以下とすることはもちろんのこと、Ra値を200nm以下に制御することも可能であり、面AのRaの小さな透明導電層及び本発明の透明導電性基板の製造の際には、転写法を用いることが好ましい。かかる転写法を用いた透明導電性基板の製造方法の一例を図6に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
かかる転写法の工程1において、網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布する方法としては、各種の塗布方法が適用でき、特に限定されないが、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法などを用いることができる。
かかる網目状金属微粒子積層基板は、基板上の少なくとも片面に、金属微粒子を含有する溶液(以下、金属微粒子溶液という)を印刷、または塗布することで、金属微粒子からなる網目状のラインを構成することによって得ることができる。該網目状金属微粒子積層基板では、金属微粒子からなる網目状のラインと、該網目状のラインで囲まれた空隙部分が存在し、網目状のラインの基板表面からの高さ、つまり網目状のライン自体の高さはミクロンオーダーであるため、微視的な観察では、凹凸構造となっている。つまり、網目状のラインとラインのない部分(空隙部分)との段差が大きく、2〜3μm程度である。一方、本発明における透明導電層では、網目状のラインに囲まれた空隙部分には樹脂が存在しているため、該網目状のラインと樹脂との境界(界面)部分での段差(面A中の網目状のラインとラインがない部分(空隙部分)との段差)は500nm以下に制御することが可能である。
かかる金属微粒子溶液として、不規則な網目状のラインを構成することができるという点から、自己組織化する金属微粒子溶液を好ましく用いることができる。ここで、「自己組織化する金属微粒子溶液」とは、基板上に一面に塗布して放置しておくと、自然に基板上に網目状のラインを形成する分散液を意味するものである。このような金属微粒子溶液としては、例えばCima NanoTech社製CE103−7を用いることができる。網目状金属微粒子積層基板の構成の一例を図5に示すが、これに限定されるものではない。
かかる金属微粒子溶液を基板に塗布する前に、基板の表面にアンカーコート剤やプライマー層をコーティングし、親水性処理を行ったり、コロナ放電処理、プラズマ処理などを行ってもよい。
かかる金属微粒子溶液を基板上に塗布する方法として、ダイコート法、アプリケーター法、コンマコート法、ディッピング法等を用いることが好ましい。
かかる網目状金属微粒子積層基板の基板には、本発明の透明導電性基板が透明導電層の面B上に樹脂層を積層した構成の場合における、前述の樹脂層に適用可能な各種の熱可塑性樹脂フィルムと同様の熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。つまりここでいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではないが、代表的なものとして、ポリエステルフィルムなどを用いることができる。
本発明の透明導電性基板(透明導電層)の面Aの表面比抵抗を20Ω/□以下とするためには、転写法の工程1で使用する網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを、導電化処理して、網目状金属微粒子積層基板中の金属微粒子の網目状のラインの表面比抵抗を20Ω/□以下としておく方法により達成できる。網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインに対して導電化処理を行うことで、それを用いた転写法により得られる透明導電性基板(透明導電層)の面Aの表面比抵抗を、20Ω/□以下にすることができ、優れた導電性を有した透明導電性基板とすることが可能となる。
かかる導電化処理の方法は、自己組織化する金属微粒子溶液を用いて得た網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを熱処理する方法を挙げることができる。かかる網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインの熱処理温度は、好ましくは100℃以上200℃未満、より好ましくは120℃以上180℃以下、さらに好ましくは140℃以上160℃以下である。すなわち、網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを200℃以上の高温で長時間の熱処理を行うと、フィルムの変形などの問題が生じる場合があり好ましくない。
また、上記のように自己組織化する金属微粒子溶液を用いて得た網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを熱処理後、続いて網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを有機溶媒や、酸で処理することにより、網目状金属微粒子積層基板を優れた導電性を有する基板とすることができる。
かかる網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを有機溶媒や酸で処理した後に、網目状金属微粒子積層基板を乾燥したり、熱処理したり、紫外線照射処理などをしてもよい。
かかる自己組織化する金属微粒子溶液を用いて得た網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを熱処理後、続いて網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを酸で処理する前に、網目状のラインを有機溶媒で処理することで、さらに優れた導電性を有する基板とすることができる。
かかる自己組織化する金属微粒子溶液を用いて得た網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを有機溶媒で処理する方法は特に限定されず、例えば、有機溶媒の溶液の中に網目状金属微粒子積層基板ごと浸したり、有機溶媒を網目状のライン上に塗布したり、有機溶媒の蒸気を網目状のラインにあてたりする方法が用いられる。これらの中でも、有機溶媒の中に網目状金属微粒子積層基板ごと浸したり、有機溶媒を網目状のライン上に塗布したりする方法が、導電性向上効果に優れるため好ましい。
かかる自己組織化する金属微粒子溶液を用いて得た網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを酸で処理する方法は、穏和な処理条件で金属微粒子の導電性を高めることができるため、かかる緩和な処理条件を選択すれば、熱可塑性樹脂など、耐熱性や耐光性に劣る材料を網目状金属微粒子積層基板の基板として用いた場合でも、好適に酸処理することができる。また、複雑な装置や工程を必要としない方法のため、生産性の点でも好ましい。
かかる酸とは、特に限定されず、種々の有機酸、無機酸から選択することができる。 かかる酸で処理する具体的な方法としては、特に限定されず、例えば、酸や、酸の溶液の中に網目状金属微粒子積層基板ごと浸したり、酸や、酸の溶液を網目状のライン上に塗布したり、酸や、酸の溶液の蒸気を網目状のラインにあてたりする方法が用いられる。
以下、本発明の透明導電性基板をより具体的に例示して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、基板である二軸延伸ポリエステルフィルムに、自己組織化する金属微粒子溶液を塗布し、金属微粒子の網目状のラインを有する積層体(網目状金属微粒子積層基板)とする。その後、網目状金属微粒子積層基板を150℃で2分間、熱処理を行い、アセトンで30秒処理し、1Nの塩酸に入れ、1分間放置する。その後、網目状金属微粒子積層基板を取り出して、水洗し、乾燥することで導電化処理した網目状金属微粒子積層基板が得られる。
続いて、得られた網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面に、光開始剤を添加した紫外線硬化性化合物をワイヤーバーによって塗布し、90℃で1分間、熱処理を行い、紫外線照射して、紫外線硬化性化合物を硬化して樹脂とし、最後に二軸延伸ポリエステルフィルムと金属微粒子からなる網目状のラインとを剥離することで、好適に透明導電性基板(透明導電層)が得られる。上記の方法を用いて本発明の透明導電性基板を製造することにより、透明性および平滑性のいずれにも優れ、生産性に優れた透明導電性基板を得ることができる。また、本発明の透明導電性基板は、透明性と高いレベルの導電性を有し、耐モアレ性にも優れるので、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いることができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
各実施例・比較例で作成した透明導電性基板(透明導電層)の特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)表面粗さRa値
透明導電性基板(透明導電層)の金属微粒子の網目状のラインを有する面の表面を、レーザー顕微鏡(KEYENCE製、型番VK−9710)にて、50倍の対物レンズで、200μm×300μmの面積の表面粗さRa値を測定した。この時のRa値のカットオフ値は0.8μmに設定した。測定は、ランダムに3箇所測定し、それを平均することで表面粗さRa値とした。
表面粗さは、測定したRa値の平均値が400nm以下であれば平滑性は良好である。
(2)段差
透明導電性基板(透明導電層)の金属微粒子の網目状のラインを有する面の表面を、レーザー顕微鏡(KEYENCE製、型番VK−9710)にて、50倍の対物レンズで測定することで、段差を求めた。
測定は、網目状のラインの幅方向に対して平行な直線方向に段差を観察した。そして、測定部分の網目状のラインの幅よりも両側に10μm長い距離を設定して、樹脂部分(空隙部分)からライン部分を通ってさらに反対側の樹脂部分(空隙部分)までを測定した。この時得られた高さの最大値(ライン部分)と最小値(樹脂部分(空隙部分))との差を段差として、ランダムに測定した3箇所の段差の平均値を該段差の値とした。
網目状のラインと樹脂部分との界面に生じる段差は、平均値が500nm以下であれば良好である。
(3)発熱性評価
透明導電性基板を15cm×15cmのサイズにカットし、該導電性基板の面Aの両端部5mm部分に銅テープを貼付して、1対の電極を設け、1Aの電流を通電した。
電流を通電してから、3分後の基板表面温度(発熱温度)を放射型温度センサー(KEYENCE製、型番FT−H20)でランダムに3箇所測定した。測定した該基板表面温度のバラツキが、5℃以内であれば、平滑性が良好のため、電流を通電する電極端子を取ったときの導通性が優れているため「○」、5℃より大きい場合は、平滑性不良により、導通性が劣るため「×」とした。
(4)表面観察(形状観察)
透明導電性基板の金属微粒子のラインを有する面の表面を微分干渉顕微鏡(LEICA DMLM ライカマイクロシステムズ(株)製)にて倍率100倍で観察し、網目の有無及び形状を観察した。
(5)表面比抵抗
透明導電性基板(透明導電層)の金属微粒子の網目状のラインを有する面の表面比抵抗は、透明導電性基板(透明導電層)を常態(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下で、JIS−K−7194(1994)に準拠した形で、ロレスタ−EP(三菱化学株式会社製、型番:MCP−T360)を用いて測定した。単位は、Ω/□である。なお、本測定器は1×10Ω/□以下が測定可能である。
表面比抵抗は、ランダムに3箇所測定した表面比抵抗の平均値が20Ω/□以下であれば導電性は良好である。
(6)全光線透過率
全光線透過率は、常態(23℃、相対湿度65%)において、透明導電性基板を2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を用いて、光源が透明導電性基板(透明導電層)の面Aに垂直にあたるように置いて測定した。測定は、ランダムに3点行い、その平均値を全光線透過率とした。
全光線透過率は、測定した全光線透過率の平均値が70%以上であれば透明性は良好である。
(7)耐モアレ性
耐モアレ現象は、画像が映し出されているプラズマディスプレイとして、松下電器産業株式会社製VIERA TH−42PX50を用いて、画面の前で、画面と透明導電性基板が概ね平行になるようにして基板を持ち、画面とフィルム面が概ね平行の状態を保ちながら基板を360°回転させ、回転中にモアレ現象が発現するか否かを目視で観察することで評価した。
モアレが観察されないものを「○」、モアレが部分的にでも観察されるものを「△」とした。目視観察が「○」であればモアレ現象は良好とした。
なお、透明導電層の網目状のラインが存在しない面すなわち面Bが存在する場合、透明導電層の面B側がディスプレイ画面に対向するように透明導電性基板を持った。
(8)ハードコート性の有無の評価
ハードコート性は、表面特性試験機ヘイドン(新東科学(株)製 MODEL:HEIDON−14D)を用いて、各種硬度の鉛筆の芯を円筒状にした鉛筆(MITSU−BISHI製)を角度45度に設置、鉛筆の芯を透明導電層表面に当て、荷重500gで速度30mm/minで引っ掻き試験を行ったときの、透明導電層表面の鉛筆硬度がB以上の場合、ハードコート性が有ることを示す「○」、透明導電層表面の鉛筆硬度がB未満の場合、ハードコート性を示さない「×」とした。
(9)ハードコート性の効果評価
ハードコート性を有することでの効果は、前記「(8)ハードコート性の有無の評価」前後で、透明導電層の表面比抵抗を測定して行った。具体的には、前記「(8)ハードコート性の有無の評価」前後で、表面比抵抗の変化値が1.2倍以下である場合を良好の「○」、1.2倍より大きい場合を不良な「×」とした。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。
(金属微粒子溶液1)
金属微粒子溶液1として、銀微粒子分散液であるCima NanoTech社製CE103−7を用いた。
(金属微粒子溶液2)
金属微粒子溶液2として、銀微粒子溶液である藤倉化成株式会社製XA-9053を用いた。
(紫外線硬化性化合物1)
紫外線硬化性化合物1として、下記紫外線硬化性化合物Aと紫外線硬化性化合物Bの混合比が60/40(wt/wt)である紫外線硬化性化合物1を用いた。
紫外線硬化性化合物A:4官能ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製 Ebecryl(登録商標)8405)
紫外線硬化性化合物B:ノニルフェノールEO変性アクリレート(東亞合成(株)製
アロニックス(登録商標)M111)
(紫外線硬化性化合物2)
紫外線硬化性化合物であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製 KAYARAD(登録商標) DPHA)を紫外線硬化性化合物2とした。
(紫外線硬化性化合物3)
紫外線硬化性化合物であるウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業(株)製 紫光UV−7600B)を紫外線硬化性化合物3とした。
(実施例1)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46、表面ぬれ張力47mN/m)の片面にプライマーを塗布し、親水性処理を行った。親水性処理を行ったフィルムの表面ぬれ張力は、73mN/mであった。続いて、金属微粒子溶液1をWET厚み30μmになるようにフィルムの親水性処理を行った面上にダイコート法を用いて塗布し、金属微粒子の網目状のラインを有する積層体(網目状金属微粒子積層基板)を得た。
次に、この網目状金属微粒子積層基板の導電化処理として、150℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間、熱処理を行った。続いて、この網目状金属微粒子積層基板ごと25℃のアセトン(佐々木化学薬品(株)製)に30秒間浸け(アセトン処理)、網目状金属微粒子積層基板を取り出し、25℃で3分間乾燥させた。次に、この網目状金属微粒子積層基板の網目状のラインを酸処理するために、1Nの塩酸(ナカライテスク(株)製 1N−塩酸)に1分間浸けた。その後、網目状金属微粒子積層基板を取り出し、水洗した後、水分を飛ばすために網目状金属微粒子積層基板を150℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間乾燥を行い、網目状金属微粒子積層基板の導電化処理を行った。
続いて、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものを網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、WET厚み12μmになるように基板にバーコート法を用いて塗布した。
次に、この基板を90℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、乾燥させたのち、コンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂が積層した基板を得た。続いて、この網目状金属微粒子積層の基板と金属微粒子のラインとを剥離した。剥離して得られた透明導電層には、金属微粒子の網目状のラインが転写されており、透明導電層すなわち透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は4.8Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例2)
網目状金属微粒子積層基板の導電化処理を、170℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間、熱処理を行い、続いて、この網目状金属微粒子積層基板ごと25℃のアセトン(佐々木化学薬品(株)製)に30秒間浸け(アセトン処理)、網目状金属微粒子積層基板を取り出し、25℃で3分間乾燥させ、170℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は9.7Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例3)
網目状金属微粒子積層基板の導電化処理を、150℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間、熱処理を行い、続いて、この網目状金属微粒子積層基板ごと25℃のアセトン(佐々木化学薬品(株)製)に30秒間浸け(アセトン処理)、網目状金属微粒子積層基板を取り出し、25℃で3分間乾燥させ、150℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は14.6Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例4)
実施例1と同様にして得られた網目状金属微粒子積層基板を実施例1同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものをWET厚み12μmになるように基板にバーコート法を用いて塗布した。
続いて、塗布した基板に樹脂層として、ウレタン系易接着層を積層したポリエステルフィルムをウレタン系易接着層が積層された面側と透明導電層の面Bとが接するように張り合わせラミネートした。次に、この基板をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂と樹脂層が積層した基板を得た。続いて、この網目状金属微粒子積層基板の基板と金属微粒子のラインとを剥離した。剥離して得られた樹脂層が積層した透明導電層には、金属微粒子の網目状のラインが転写されており、透明導電層の網目状のラインが存在しない面である面B上に、樹脂層が積層された透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は4.8Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例5)
実施例1と同様にして得られた網目状金属微粒子積層基板を、実施例1同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものを、メチルエチルケトン(ナカライテスク(株)製)にて固形分濃度30質量%まで希釈したものを、WET厚み12μmになるようにバーコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した基板に樹脂層として、ウレタン系易接着層を積層したポリエステルフィルムをウレタン系易接着層が積層した面側と透明導電層の面Bとが接するように張り合わせラミネートした。
次に、この基板をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂と樹脂層が積層した基板を得た。続いて、この網目状金属微粒子積層基板の基板と金属微粒子のラインとを剥離した。剥離して得られた樹脂層が積層した透明導電層には、金属微粒子の網目状のラインが転写されており、透明導電層の網目状のラインが存在しない面B上に、樹脂層が積層された透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、10nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は30nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は4.8Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例6)
実施例1と同様にして得られた網目状金属微粒子積層基板を、実施例1同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものを、メチルエチルケトン(ナカライテスク(株)製)にて固形分濃度50質量%まで希釈したものを、WET厚み12μmになるようにバーコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した基板に樹脂層として、ウレタン系易接着層を積層したポリエステルフィルムをウレタン系易接着層が積層した面側と透明導電層の面Bとが接するように張り合わせラミネートした。
次に、この基板をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂と樹脂層が積層した基板を得た。続いて、この網目状金属微粒子積層基板の基板と金属微粒子のラインとを剥離した。剥離して得られた樹脂層が積層した透明導電層には、金属微粒子の網目状のラインが転写されており、透明導電層の網目状のラインが存在しない面B上に、樹脂層が積層された透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、20nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は50nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は4.8Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例7)
実施例1と同様にして得られた網目状金属微粒子積層基板を、実施例1同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、紫外線硬化性化合物2をメチルエチルケトン(ナカライテスク(株)製)にて固形分濃度40質量%まで希釈したものをWET厚み7μmになるように基板にバーコート法を用いて塗布した。
次に、この基板を200℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間熱処理し、透明導電層からなる透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、220nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は300nmであり、平滑性が良好な基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は3.8Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は79%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例8)
実施例1と同様にして得られた網目状金属微粒子積層基板を、実施例1同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に紫外線硬化性化合物3を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部を添加し、メチルエチルケトン(ナカライテスク(株)製)にて固形分濃度40質量%まで希釈したものをWET厚み7μmになるように基板にバーコート法を用いて塗布した。
次に、この基板を90℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間熱処理し、続いて、この基板をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、透明導電層からなる透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、300nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は400nmであり、平滑性が良好な基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は4.8Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は79%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例9)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラー(登録商標)T60)の片面に、金属微粒子溶液2を、スクリーン印刷により、線厚み2μm、線幅35μm、ピッチ300μmの網目状のラインが格子状になるように印刷し、金属微粒子の網目状のラインを有する積層体(網目状金属微粒子積層基板)を得た。次に、この網目状金属微粒子積層基板の導電化処理として、得られた網目状金属微粒子積層基板を150℃で2分間熱処理し、続いて、網目状のラインを酸で処理するために、積層基板ごと1Nの塩酸(ナカライテスク(株)製 1N-塩酸)に1分間浸けた。その後、網目状金属微粒子積層基板を取り出し、水洗した後、水分を飛ばすために150℃で1分間乾燥して網目状金属微粒子積層基板の導電化処理を行った。
続いて、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものを網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、WET厚み12μmになるように基板にバーコート法を用いて塗布した。
次に、この基板を90℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、乾燥させたのち、コンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂が積層した基板を得た。続いて、この網目状金属微粒子積層基板の基板と金属微粒子のラインとを剥離した。剥離して得られた透明導電層には、金属微粒子の網目状のラインが転写されており、透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は9.7Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は75%であったが、耐モアレ性の点で、モアレが部分的に発生してしまい「△」であった。
(実施例10)
実施例1と同様にして得られた網目状金属微粒子積層基板を、実施例1同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものをWET厚み12μmになるように基板にバーコート法を用いて塗布した。
続いて、塗布した基板に無機層として、シランカップリング処理面を有するガラス層をシランカップリング処理面側と透明導電層の面Bとが接するように貼り合わせラミネートした。次に、この基板をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂とガラス層が積層した基板を得た。
続いて、この網目状金属微粒子積層基板の基板と金属微粒子のラインとを剥離した。剥離して得られたガラス層が積層した透明導電層には、金属微粒子の網目状のラインが転写されており、透明導電層の網目状のラインが存在しない面である面B上に、ガラス層が積層された透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は4.8Ω/□であり、導電性も良好であった。また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
(実施例11)
実施例9と同様にして得られた、網目状金属微粒子積層基板を、実施例9同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、紫外線硬化性化合物1を100質量部として、それに対して、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものをWET厚み12μmになるように基板にバーコート法を用いて塗布した。
続いて、塗布した基板に無機層として、シランカップリング処理面を有するガラス層をシランカップリング処理面側と透明導電層の面Bとが接するように貼り合わせてラミネートした。次に、この基板をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂とガラス層が積層した基板を得た。
続いて、この網目状金属微粒子積層基板の基板と金属微粒子のラインとを剥離した。剥離して得られたガラス層が積層した透明導電層には、金属微粒子の網目状のラインが転写されており、透明導電層の網目状のラインが存在しない面である面B上に、ガラス層が積層された透明導電性基板を得た。
得られた透明導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は100nmであり、平滑性に優れた基板のため、発熱性は良好な「○」であり、面Aの表面比抵抗は9.7Ω/□であり、導電性も良好であった。
また、得られた透明導電性基板は、金属微粒子の網目状のラインを一方の表面に有し、全光線透過率は75%であったが、耐モアレ性の点で、モアレが部分的に発生してしまい「△」であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られた、網目状金属微粒子積層基板の導電化処理として、170℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間、熱処理を行い、続いて、この積層基板ごと25℃のアセトン(佐々木化学薬品(株)製)に30秒間浸け(アセトン処理)、積層基板を取り出し、25℃で3分間乾燥させ、170℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間熱処理を行い、導電化処理された網目状金属微粒子積層基板を得た。
得られた網目状金属微粒子積層基板は、網目状であり、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。網目状のラインの表面比抵抗は9.8Ω/□であり、導電性も良好であったが、網目状のラインを有する面の表面のRa値が480nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は2500nmであり、平滑性が不足しており、発熱性は劣る「×」であった。
(比較例2)
実施例1と同様にして得られた網目状金属微粒子積層基板を、実施例1同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に続いて、得られた網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、水性ウレタン樹脂分散液(大日本インキ化学工業(株)製HYDRAN(登録商標)AP−201)を水で固形分濃度3質量%まで希釈したものをWet7μmになるようにバーコート法によって塗布した。
次に、得られた基板を170℃で2分間乾燥させて樹脂層を形成させ、導電性基板を得た。
得られた導電性基板は、網目状のラインを有し、全光線透過率は79%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。面Aの表面の表面比抵抗は9.7Ω/□であり、導電性も良好であったが、面Aの表面のRa値が440nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は1500nmであり、平滑性が不足しており、発熱性は劣る「×」であった。
(比較例3)
実施例1と同様にして得られた網目状金属微粒子積層基板を、実施例1同様に導電化処理を行い、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子を積層した面上に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部添加したものをWET厚み12μmになるようにバーコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した基板に樹脂層として、ウレタン系易接着層を積層したポリエステルフィルムをウレタン系易接着層が積層した面側と透明導電層の面Bとが接するように張り合わせラミネートした。
次に、この基板をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂と樹脂層が積層した基板を得た。続いて、この網目状金属微粒子積層基板の基板と金属微粒子のラインとを剥離した。剥離して得られた樹脂層が積層した透明導電層には、金属微粒子の網目状のラインが部分的には転写されていたが、網目状金属微粒子積層基板上に金属微粒子の網目状のラインの大半が残存していた。得られた透明導電性基板の面Aの表面抵抗値は1×10Ω/□以上であり、導電性を示さなかった。
実施例1〜10、比較例1〜3の特性評価結果を表1に示す。
Figure 2012054522
本発明の透明導電性基板は、透明性および平滑性のいずれにも優れ、生産性に優れた透明導電性基板であり、さらには、高いレベルの導電性を有し、耐モアレ性にも優れるので、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いることができる。
1 金属微粒子からなる網目状のライン
2 樹脂
3 面Aと面Bを有する様態の透明導電層(透明導電性基板)
4 両面ともに面Aである様態の透明導電層(透明導電性基板)
5 樹脂層
6 透明導電層の面B上に樹脂層を積層した様態の透明導電性基板
7 基板
8 網目状金属微粒子積層基板

Claims (11)

  1. 金属微粒子と樹脂とで構成された層(以下、透明導電層という)を含む透明導電性基板であり、
    該金属微粒子は、網目状のラインを構成し、
    該網目状のラインは、透明導電層の少なくとも一方の表面(以下、網目状のラインが存在する面を面Aという)に存在し、
    面AのRa値が400nm以下である透明導電性基板。
  2. 前記透明導電層が、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電性基板。
  3. 前記透明導電層が、ハードコート性を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の透明導電性基板。
  4. 前記透明導電層を構成する樹脂が、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性基板。
  5. 前記面Aの表面比抵抗が、20Ω/□以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の透明導電性基板。
  6. 前記透明導電層が、網目状のラインが存在しない面(以下、面Bという)を有し、
    該面B上に、さらに補助層を積層した、請求項1から5のいずれかに記載の透明導電性基板。
  7. 前記補助層が有機層または無機層であることを特徴とした、請求項6に記載の透明導電性基板。
  8. 前記有機層が樹脂層であって、該樹脂層の主成分である樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする、請求項7に記載の透明導電性基板。
  9. 以下の工程1、工程2をこの順に有することで、金属微粒子の網目状のラインを構成したことを特徴とする、金属微粒子と樹脂とで構成された層(以下、透明導電層という)を含む透明導電性基板の製造方法。
    工程1:基板上に金属微粒子の網目状のラインを有する積層体(以下、網目状金属微粒子積層基板という)の、網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布、硬化する工程。
    工程2:基板と金属微粒子からなる網目状のラインとを剥離する工程。
  10. 前記網目状金属微粒子積層基板が、基板上に金属微粒子を含有する溶液(以下、金属微粒子溶液という)を塗布することで、金属微粒子からなる網目状のラインを構成したことを特徴とする、請求項9に記載の透明導電性基板の製造方法。
  11. 請求項1から8のいずれかに記載の透明導電性基板、又は、請求項9若しくは10の製造方法により得られる透明導電性基板を有するプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド基板。
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