JP2010206062A - 導電性フィルムおよびディスプレイ用フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みが小さく、かつ表面抵抗値及び透過率が良好な導電性フィルムを提供することができる。
【解決手段】基材上に導電性メッシュを有する導電性フィルムであって、該導電性メッシュは、金属層(A)、及び金属化合物層(B)の積層構成であり、基材、金属層(A)、及び金属化合物層(B)をこの順に有し、該導電性メッシュは、合計厚みが1.1μm以上2.5μm未満、金属層(A)の厚みが1.0μm以上2.4μm未満、線幅が15μm以上30μm未満、ピッチが250μm以上400μm未満であり、かつ表面抵抗値が0.3Ω/□未満であることを特徴とする、導電性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、タッチパネルや電磁波シールドフィルム等に用いられる導電性フィルム、及びこの導電性フィルムを用いたディスプレイ用フィルターに関する。
タッチパネルや電磁波シールドフィルム等に用いられる導電性フィルムとして、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム上に導電性メッシュが設けられたものが知られている。
近年、電気製品から発生する電磁波は、各種精密機器、計器、デジタル機器類への電波障害や人体への影響から規制が厳しくなってきている。このため、電磁波放出に関して法的に規制されてきており、例えばVCCI(Voluntary Control Council for Interference by data processing equipment electronic office machine)による規制がある。
特に強度な電磁波が画像表示部分から装置外に放出されるプラズマディスプレイ(PDP)では、導電性フィルム(電磁波シールドフィルム)と反射防止や近赤外線遮蔽などの他の機能を有する機能性フィルムとを貼り合わせたディスプレイ用フィルターを、表示パネルの前面に装着することが行われている。
従来から一般的に用いられている導電性メッシュとして、基材に接着剤を介して貼合された銅箔をエッチング加工して形成された導電性メッシュがよく知られている(例えば特許文献1)。
上記の導電性メッシュの製造には、基材と銅箔を均一に貼合する必要性から通常10μm程度の銅箔が用いられており、これによって製造された導電性メッシュの厚みも10μm程度と比較的厚みの大きいものである。
また、導電性メッシュの金属光沢や色調等による視認性に不都合を解消するために、従来から導電性メッシュを構成する金属層表面を酸化処理して黒化する方法が知られている(例えば特許文献2)。
また更に、金属層上に金属酸化物層や金属窒化物層を積層し、エッチング加工して導電性メッシュを製造することが知られている(例えば特許文献3、4)。
一方、導電性フィルムを用いたディスプレイ用フィルターとして、導電性フィルムと、機能性フィルム(プラスチックフィルムに反射防止層や近赤外線遮蔽層が積層された機能性フィルム)とを粘着剤層で貼合したフィルターが、一般的に知られている。このフィルターは、導電性フィルムの導電性メッシュ側に機能性フィルムが粘着剤層を介して貼合されており、この貼合工程において、導電性メッシュの凹凸部に気泡が残留し、混入するという問題があり、貼合後に、オートクレーブ処理(加熱加圧処理)による長時間の気泡除去工程が必要であった。
近年、ディスプレイの低価格化に伴って、ディスプレイ用フィルターの低価格化が要求されており、それに伴って、1枚のみの基材からなるディスプレイ用フィルター(1枚基材フィルター)が提案されている(例えば特許文献5)。
上記の1枚基材フィルターは、導電性フィルムの導電性メッシュ上に直接に、ハードコート層、反射防止層、防眩層等の機能層が塗工形成されたフィルターである。このフィルターは、導電性メッシュの凹凸面の上に機能層を塗工形成するために、機能層の均一塗工性が課題であった。
特許第3388682号公報 特開2006−191010号公報 特開2000−223886号公報 特開2002−368482号公報 特開2007−243158号公報
特許文献1に記載されているような、銅箔をエッチングして導電性メッシュを製造する方法は、厚みが2.5μm未満という導電性メッシュを安定的に製造することは困難である。
特許文献3、4には、金属層と金属酸化物あるいは金属窒化物からなる層を積層した後、エッチング加工して導電性メッシュを製造する方法が記載されている。上記の金属酸化物あるいは金属窒化物からなる層は、金属層の光沢低減や色調改質を行うための層であり、特許文献2に記載されているような金属層自体の黒化処理(酸化処理)に代わるものである。
従来から一般的に知られている金属層自体の黒化処理(酸化処理)は、本来の目的(金属層の光沢低減や色調改質)を満足させるためには、1μm程度の黒化処理層が必要であり、導電性メッシュの厚みが2.5μm未満と小さい場合、導電性メッシュを構成する金属層の実質的な厚みが目減りすることによって表面抵抗値が高くなり、電磁波シールド性が低下するという問題が生じる。
また、上記の黒化処理層は脆弱であるために脱離しやすく、導電性フィルムを用いた1枚基材フィルターの製造工程において、導電性フィルムの導電性メッシュ上に機能層を塗工する工程で、黒化処理層の一部が脱離して、異物としてディスプレイ用フィルター上に残留したり、ロール等の搬送経路を汚染するという不都合が発生する場合がある。
上記の黒化処理の問題に鑑み、特許文献3、4に記載されているように、金属層上に比較的厚みが小さい金属酸化物あるいは金属窒化物からなる層を積層することは有効である。
一方、導電性メッシュの表面抵抗値の確保には、金属層の厚みのみではなく、メッシュパターンの線幅やピッチが大きく係わってくる。低い表面抵抗値を得るためには、線幅を大きくすることやピッチを小さくすることが有効であるが、逆に透過率が低下するという問題が生じる。
上記した観点において、特許文献3及び4に記載されている導電性メッシュの、厚み、線幅、及びピッチの具体的な構成は、本発明の構成を満足するものではなく、そのため特許文献3や4に記載の導電性フィルムの導電性メッシュ上に、直接に前記機能層を塗工形成するときの均一塗工性が不十分であり、また特許文献3や4に記載の導電性フィルムの導電性メッシュ上に、粘着剤層を介して他の基材を設けた場合は、粘着剤層に多数の気泡が混入する問題があった。
特許文献5には、導電性フィルムの導電性メッシュ上に、機能層を直接に塗工形成した、1枚基材フィルターが記載されている。しかしながら、特許文献5に記載されている導電性メッシュは、本発明の構成を満足するものではなく、機能層の塗工工程における機能層の均一塗工性が十分ではなかった。
そこで、本発明は、上記した問題に鑑み、低コスト化のために導電性メッシュの厚みを小さくした場合であっても、良好な表面抵抗値と透過率が得られる導電性フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、本発明の導電性フィルムを用いることによって、気泡混入の抑制されたディスプレイ用フィルターを提供することにある。更に、他の目的は、本発明の導電性フィルムを用いることによって、導電性メッシュ上に機能層が均一塗工された、1枚基材のディスプレイ用フィルターを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1)基材上に導電性メッシュを有する導電性フィルムであって、
該導電性メッシュは、金属層(A)及び金属化合物層(B)の積層構成であり、基材、金属層(A)、及び金属化合物層(B)をこの順に有し、
該導電性メッシュは、合計厚みが1.1μm以上2.5μm未満、金属層(A)の厚みが1.0μm以上2.4μm未満、線幅が15μm以上30μm未満、ピッチが250μm以上400μm未満であり、
かつ表面抵抗値が0.3Ω/□未満であることを特徴とする、導電性フィルム。
2)導電性フィルムの透過率が75%以上である、前記1)に記載の導電性フィルム。
3)前記金属層(A)の金属が銅であり、前記金属化合物層(B)の金属化合物が、金属酸化物、金属硫化物、及び金属窒化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記1)または2)に記載の導電性フィルム。
4)前記1)から3)のいずれかに記載の導電性フィルムの導電性メッシュ側に、粘着剤層、及び他の基材をこの順に有することを特徴とする、ディスプレイ用フィルター。
5)前記1)から3)に記載の導電性フィルムの導電性メッシュ側に、機能層が積層されていることを特徴とする、ディスプレイ用フィルター。
本発明によれば、厚みが小さく、かつ表面抵抗値及び透過率が良好な導電性フィルムを提供することができる。また、本発明の導電性フィルムを用いることによって、気泡混入の抑制されたディスプレイ用フィルターを提供することができる。更に、本発明の導電性フィルムを用いることによって、導電性メッシュ上に機能層が均一塗工された、1枚基材のディスプレイ用フィルターを提供することができる。
本発明の導電性フィルムは、基材上に導電性メッシュを有する。かかる導電性メッシュは、金属層(A)及び金属化合物層(B)の積層構成であり、基材、金属層(A)、及び金属化合物層(B)をこの順に有し、該導電性メッシュは、合計厚みが1.1μm以上2.5μm未満、金属層(A)の厚みが1.0μm以上2.4μm未満、線幅が15μm以上30μm未満、ピッチが250μm以上400μm未満であり、かつ表面抵抗値が0.3Ω/□未満であることを特徴とする。
本発明の導電性メッシュは、金属層(A)と金属化合物層(B)との積層構成であり、従来の黒化処理を実施せずとも、金属層(A)の金属光沢や色調に起因する視認性低下を軽減することができ、それによって、導電性メッシュの厚みを1.1μm以上2.5μm未満という薄膜化が可能となり、更に、金属層(A)の厚みを1.0μm以上2.4μm未満、線幅を15μm以上30μm未満、ピッチを250μm以上400μm未満とすることによって、厚みが小さいにも係わらず、表面抵抗値が0.3Ω/□未満の導電性メッシュを得ることが可能となった。
(導電性メッシュ)
以下、本発明にかかる導電性メッシュについて、詳細に説明する。
本発明にかかる導電性フィルムは、基材上に導電性メッシュを有し、かかる導電性メッシュは、基材側から順に金属層(A)と、金属化合物層(B)とで構成されている。
金属層(A)を構成する金属としては、導電性が高い金属が好ましく、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、更に、銀、銅、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、特に、銅が好ましい。
金属層(A)は、単一層であってもよいし、2層以上の積層構成であってもよい。金属層(A)が単一層の場合は、銅を用いるのが好ましく、金属層(A)が積層構成の場合は、ニッケル、クロムあるいはニクロムからなる層と銅層を基材側から順に積層された構成が好ましい。基材側にニッケル、クロムあるいはニクロムからなる層を設けることによって、金属層(A)と基材との密着性が向上する。
金属化合物層(B)を構成する金属化合物としては、特に限定されないが、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭化物、及び金属フッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。これらの中でも、金属酸化物、金属窒化物、及び金属硫化物からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、更には、金属酸化物、及び/又は金属窒化物が好ましく用いられる。
上記の金属化合物の金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、コバルト、タンタル、アンチモン、チタン等が挙げられ、これらの中でも、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、錫、インジウムが好ましく、特に銅が好ましく用いられる。
本発明にかかる金属化合物層(B)は、単一層であっても、2層以上の積層構成であってもよい。積層構成の場合は、例えば、金属酸化物層と金属窒化物層を積層する態様、異なる金属の酸化物を積層する態様、異なる金属の窒化物を積層する態様が挙げられる。
本発明にかかる導電性メッシュの合計厚みは、1.1μm以上2.5μm未満である。ここで、導電性メッシュの合計厚みとは、金属層(A)と金属化合物層(B)を含む合計の厚みである。
本発明にかかる導電性メッシュの合計厚みは、2.5μm未満であるが、2.3μm未満が好ましく、2.1μm未満がより好ましく、特に2.0μm未満が好ましい。導電性メッシュの合計厚みが2.5μm以上となると、原材料コスト増や生産速度低下に加えて、ディスプレイ用フィルターに適用したときの、導電性フィルムと他の機能性フィルムとの貼合工程における気泡混入の問題、導電性フィルム上に機能性表面層を塗工する工程における均一塗工性の問題が発生しやすくなる。
一方、本発明にかかる導電性メッシュの合計厚みの下限は、1.1μm以上である。導電性メッシュの厚みが1.1μm未満となると、表面抵抗値が高くなり、0.3Ω/□未満を達成できない場合がある。導電性フィルムの表面抵抗値を、0.3Ω/□未満とすることによって、特にプラズマディスプレイ用フィルターに適用したときに、良好な電磁波シールド性が得られる。
上記の観点から、本発明にかかる導電性メッシュの合計厚みの下限は、好ましくは1.2μm以上であり、より好ましくは1.3μm以上であり、特に1.4μm以上が好ましい。
本発明にかかる導電性メッシュの表面抵抗値は、0.3Ω/□未満であるが、好ましくは、0.2Ω/□未満である。導電性メッシュの表面抵抗値を小さくすることは、上記したようにプラズマディスプレイ用フィルターに適用したときに、良好な電磁波シールド性が得られるので好ましい。本発明にかかる導電性メッシュの表面抵抗値の実質的な下限は、0.01Ω/□程度である。
上記したように、導電性メッシュの表面抵抗値を0.3Ω/□未満にするために、本発明の導電性メッシュは、金属層(A)の厚みを1.0μm以上2.4μm未満の範囲にすることが重要である。金属層(A)の厚みは、1.1μm以上が好ましく、1.2μm以上がより好ましく、特に1.3μm以上が好ましい。上限は、2.2μm未満が好ましく、2.0μm未満がより好ましい。
金属層(A)を積層構成とした場合、金属層(A)の厚みは積層した金属層(A)を構成する全ての層の合計厚みである。金属層(A)を積層構成とする場合は、前述したように、ニッケル、クロムあるいはニクロムからなる層と銅層を積層した構成が好ましいが、この場合の金属層(A)の厚みは、ニッケル、クロムあるいはニクロムからなる層と銅層の合計である。またこの場合、銅層を金属層(A)の主体層とし、ニッケル、クロムあるいはニクロムからなる層は下地層とすることが好ましい。上記下地層の厚みは、0.05〜0.1μmの範囲が好ましく、特に0.05〜0.05μmの範囲が好ましい。
金属化合物層(B)は、金属層(A)の金属光沢の抑制や色調の改質を行うものであり、本発明では、基材に対して金属層(A)より遠い位置に設けられるが、特に導電性メッシュの最表面に配置されることが好ましい。
また、金属化合物層(B)は、基材と金属層(A)との間にも設けることができる。即ち、基材側から順に、金属化合物層(B)、金属層(A)、金属化合物層(B)の積層構成をとることができ、この積層構成の場合でも、合計厚みは2.5μm未満であることが重要である。
金属化合物層(B)の厚みは、0.1μm未満で、上記の目的を十分に達成することができる。また、金属化合物層(B)の厚みが大きくすると、その分だけ金属層(A)の厚みを小さくする必要があり、導電性メッシュの表面抵抗値が低下するので、金属化合物層(B)の厚みは、その目的を達成する範囲で小さい方が好ましく、従って、0.1μm未満が好ましい。金属化合物層(B)の厚みは、0.08μm未満が好ましく、0.06μm未満がより好ましく、0.05μm未満が特に好ましい。金属層(A)の金属光沢の抑制や色調の改質という観点から、金属化合物層(B)の厚みの下限は、0.005μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましい。
本発明にかかる導電性メッシュは、線幅が15μm以上30μm未満であり、ピッチが250μm以上400μm未満である。導電性メッシュの線幅とピッチを上記の範囲にすることによって、合計厚みが2.5μm未満という、従来のものに比べて厚みが非常に薄い導電性メッシュであっても、透過率を低下させずに表面抵抗値0.3Ω/□未満を達成することが可能となる。
本発明にかかる導電性フィルムの透過率は、75%以上が好ましく、77%以上がより好ましい。透過率の上限は95%程度である。この透過率は、導電性メッシュの線幅及びピッチを上記の範囲内で調整することによって得られる。導電性フィルムの透過率は、基材上に導電性メッシュのみが設けられた状態で、導電性メッシュに対して基材側から光を入射させて測定されたものである。
導電性メッシュの線幅が15μm未満の場合は、表面抵抗値0.3Ω/□未満を達成することが難しくなり、一方30μm以上となると透過率が低下する。導電性メッシュのピッチが250μm未満となると透過率が低下し、一方、400μm以上の場合は表面抵抗値0.3Ω/□未満を達成することが難しくなる。また、導電性メッシュのピッチは、導電性メッシュと他の基材とを粘着剤層を介して貼合するときの気泡混入にも影響し、ピッチを250μm以上とすることにより、更に気泡混入が抑制される。
本発明にかかる導電性メッシュの線幅は、好ましくは17μm以上27μm未満であり、より好ましくは19μm以上25μm未満である。
本発明にかかる導電性メッシュのピッチは、好ましくは270μm以上370μm未満であり、より好ましくは290μm以上、350μm未満である。
ここで、導電性メッシュのピッチとは、ある1つの開口部とそれに隣接する全ての開口部の重心間の距離を平均したものである。つまり、導電性メッシュを形成する細線と細線で囲まれた1つの領域(開口部)を選択し、その開口部の重心と、該開口部に隣接する全ての開口部の重心との距離をそれぞれ求め、それを平均したものがピッチである。本発明では、上記の作業を任意に選択した10個の開口部で行うことで個別ピッチを求め、それを平均したものをピッチとする。
導電性メッシュとして、従来から、開口部が正方形の格子状のメッシュパターンが一般的に用いられているが、この導電性メッシュの場合は、上記したようなピッチの測定方法に依らずとも、隣接する細線間の距離(正方形の向かい合う2辺の距離)がピッチとなり、簡単に求めることができる。
本発明にかかる導電性メッシュのメッシュパターンの形状(開口部の形状)は、例えば、正方形、長方形、菱形等の4角形からなる格子状メッシュパターン、三角形、5角形、6角形、8角形、12角形のような多角形からなるメッシュパターン、円形、楕円形からなるメッシュパターン、前記の2以上の形状を複合した複合形状からなるメッシュパターン、及びランダムメッシュパターンが挙げられる。
(導電性メッシュの製造方法)
本発明にかかる導電性メッシュの製造方法について、以下に説明する。
本発明にかかる導電性メッシュは、基材上のほぼ全域に、金属層(a)のベタ膜と金属化合物層(b)のベタ膜を積層形成した後、パターン加工して形成することが好ましい。ここでベタ膜とは、パターン加工する前の連続した膜を意味する。
本発明において、基材上に金属層(a)のベタ膜と金属化合物層(b)のベタ膜とを積層形成する方法として、気相製膜法、メッキ法が挙げられるが、環境上の問題や製膜の安定性の観点から気相製膜法が好ましく用いられる。特に気相製膜法のみで金属層(a)のベタ膜と金属化合物層(b)のベタ膜を積層することが好ましい。
気相製膜法は、基材上に直接に、金属層(A)のベタ膜と金属酸化物層(B)のベタ膜を積層することができるので、後述する1枚基材フィルターの製造に際して、導電性メッシュ上に機能層を直接に積層する場合、機能層の塗工性や密着性の点で極めて有利である。
基材と導電性メッシュの間に、接着剤(基材に銅箔を接着するための接着剤)やゼラチン乳剤層(感光性銀塩を用いた場合)が介在すると、導電性メッシュ上に機能層を直接に積層する場合、機能層の塗工性や密着性が低下する場合がある。そのため本発明にかかる導電性フィルムは、基材と導電性メッシュの間には他の層を介さずに、つまり基材と導電性メッシュが直接に積層された構成であることが好ましい。
基材と導電性メッシュを直接積層した構成とするために、本発明に好ましく用いられる気相製膜法とは、具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着、化学蒸着の中から選ばれる少なくとも1つの方法である。これらの気相製膜法の中でも、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法が好ましく用いられる。
気相製膜法として、複数の方法を組み合わせて用いることもできる。例えば、金属層(a)のベタ膜を真空蒸着法、金属化合物層(b)のベタ膜をスパッタリング法で形成することができる。
前述した導電性メッシュの合計厚みは、上記のようにして基材上に積層される金属層(a)のベタ膜の厚み、及び金属化合物層(b)のベタ膜の厚みを制御することによって調整することができる。基材上に積層された金属層(a)のベタ膜と金属化合物層(b)のベタ膜は、その後にパターン加工されても、ほぼその厚みと同程度の導電性メッシュが形成されるので、導電性メッシュの設計に合わせて金属層(a)のベタ膜と金属化合物層(b)のベタ膜とが製膜される。
金属層(a)のベタ膜と金属化合物層(b)のベタ膜のパターン加工方法については、2つの好ましい加工方法が挙げられるが、それらについて以下に説明する。
以下の説明において、金属層(a)のベタ膜と金属化合物層(b)のベタ膜が積層されたものを、金属積層膜と略記する。
本発明に用いられる好ましい1つのパターン加工方法は、金属積層膜をエッチング法によってメッシュパターン状に加工する方法である。
もう1つの好ましい加工方法は、予め基材上に、溶剤に可溶な樹脂を用いて導電性メッシュのパターンとは逆パターンを形成し、次いで、基材のパターン形成面に金属積層膜を形成し、溶剤にて逆パターンの樹脂とその上の金属積層膜を除去することによって、メッシュパターンの金属積層膜(導電性メッシュ)を形成する方法である。
本発明では、前者のエッチングによるパターン加工方法が特に好ましく用いられる。
前者のパターン加工方法について詳細に説明する。かかる加工方法は、基材上に積層された金属積層膜の上に、フォトリソグラフィー法あるいは印刷法などを利用してメッシュパターン状のレジスト層を形成した後、金属積層膜をエッチングする方法である。
上記のフォトリソグラフィー法は、金属積層膜上のほぼ全面にレジスト層を積層し、該レジスト層をメッシュパターン状に露光し、現像してメッシュパターン状のレジスト層を形成する方法である。レジスト層を露光する方法としては、フォトマスクを介して紫外線等で露光する方法、もしくはレーザーを用いて直接に走査露光する方法を用いることができる。
上記の印刷法は、金属積層膜上にレジスト材料をスクリーン印刷やグラビア印刷でメッシュパターン状に印刷する方法である。
レジスト層を構成するレジスト材料としては、フォトグラフィー法の場合は、感光性レジストを用いることができる。例えば、露光部分が硬化するネガレジスト、あるいは逆に露光部分が現像によって溶解するポジレジストを用いることができる。レジスト層は金属積層膜上に塗工して積層してもよいし、あるいはレジストフィルムを貼り合わせてもよい。
印刷法に用いられるレジスト材料としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂に、架橋剤として、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物等を加えることができる。
フォトグラフィー法及び印刷法に用いられるレジスト材料に、カーボンブラック等の黒顔料を含有させて黒色レジスト層とすることもできる。
次いで、メッシュパターン状のレジスト層が被覆されていない部分の金属積層膜がエッチングされる。
エッチング処理方法としては、ケミカルエッチング法が好ましく用いられる。ケミカルエッチング法とは、レジストパターンで保護された金属部分以外の金属をエッチング液で溶解し、除去する方法である。エッチング液としては、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、アルカリエッチング液等がある。
エッチング後、レジスト層は通常剥離されるが、上記の黒色レジスト層は剥離せずに残しておくことが好ましい。黒色レジスト層を剥離せずに残しておくことによって、さらに導電性メッシュの金属層(A)に由来する金属光沢を低減することができる。
後者のパターン加工方法について詳細に説明する。このパターン加工方法は、一般にリフトオフと呼ばれる方法であり、基材上に予め剥離可能な樹脂を用いて導電性メッシュとは逆パターンの樹脂層を形成し、その上から金属積層膜を積層し、次いで、前記逆パターンの樹脂層を剥離する方法である。前記の逆パターンの樹脂層を剥離するときに、同時に樹脂層上の金属積層膜も一緒に剥離されるため、樹脂層を形成しなかった部分にのみ金属積層膜のパターンが形成される。従って、この加工方法は、剥離可能な樹脂層は導電性メッシュとは逆パターンに形成する必要がある。
基材上に、予め、導電性メッシュパターンとは逆パターンに形成される、剥離可能な樹脂層に用いられる樹脂としては、溶剤に可溶な樹脂が好ましく用いられる。かかる樹脂としては、水溶性樹脂、有機溶剤に可溶な樹脂、及びアルカリに可溶な樹脂を用いることができる。これらの樹脂の中でも、作業環境等の観点から、水溶性樹脂が好ましく、特に水溶性の高分子樹脂が好ましく用いられる。
水溶性高分子樹脂としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの部分ケン化物、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、酢酸ビニル−マレイン酸交互共重合体、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられ、これらの水溶性高分子樹脂の1種もしくは2種以上の混合物を用いることができる。
有機溶剤に可溶な樹脂としては、例えば、ポリイミドエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリヒダントイン樹脂、ポリパラバン樹脂や溶剤可溶型ポリイミド樹脂などがある。またシリコーングリースや油性インクなどを用いることもできる。
アルカリに可溶な樹脂としては一般的なレジストを用いることが可能である。レジストを構成するバインダポリマーとしては、以下に示すものが挙げられる。天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1,3 −ブタジエン、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、ポリ−1,3−ブタジエンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリテトラデシルメタクリレート、ポリ−n−プロピルメタクリレート、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステルを使用することができる。さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合可能なモノマーとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートなども使用できる。
剥離可能な樹脂を用いて、基材上に導電性メッシュとは逆パターンの樹脂層を形成する方法としては、印刷法やフォトリソグラフィー法などを用いることができる。印刷法としては、例えば、スクリーン印刷、インクジェット、凹版印刷、凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷など様々な方法を用いることができる。
フォトリソグラフィー法は、前述のエッチング法によるパターン加工方法で説明したフォトリソグラフィー法を用いることができる。
(導電性フィルム)
本発明にかかる導電性フィルムは、基材上に上述の導電性メッシュが設けられたものである。かかる基材として、プラスチックフィルムが好ましく用いられる。
プラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びセルロース樹脂が好ましく、特にポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
プラスチックフィルムの厚みとしては、50〜300μmの範囲が適当であるが、コストの観点及びディスプレイ用フィルターの剛性を確保するという観点から80〜250μmの範囲が特に好ましい。またプラスチックフィルムとしては、複数の層を積層した積層フィルムを用いることもできる。
本発明に用いられるプラスチックフィルムとしては、導電性メッシュ、後述する機能性表面層や近赤外線遮蔽層との密着性(接着強度)を高めるために、プライマー層(易接着層、下引き層)を有するプラスチックフィルムが好ましい。
(ディスプレイ用フィルター)
本発明の導電性フィルムは、ディスプレイ用フィルターに好ましく適用される。
本発明の導電性フィルムの好ましい適用例の1つとして、導電性フィルムの導電性メッシュ側に、粘着剤層、及び他の基材をこの順に有するディスプレイ用フィルターを挙げることができる。より具体的には、導電性フィルムの導電性メッシュ側と、他の基材、例えば、基材上にハードコート層、反射防止層、防眩層、近赤外線遮蔽層等の機能層が設けられた機能性フィルムの基材側とを、粘着剤層を介して貼合したディスプレイ用フィルターが挙げられる。以下の説明において、上記ディスプレイ用フィルターを複数基材フィルターと言う。
複数基材フィルターを製造する工程において、導電性フィルムの導電性メッシュ側と、他の基材が粘着剤層を介して貼合されるが、厚みが10μm程度の従来の導電性メッシュと、他の基材とを粘着剤層を介して貼合した場合、導電性メッシュの大きな凹凸構造に起因して粘着剤層に微小気泡が混入するという問題が発生する。この微小気泡の混入は、フィルターの透明性を著しく低下させており、微小気泡を除去し透明性を高めるために、オートクレーブでの加熱加圧処理が必須となっていた。
このオートクレーブ処理には、1時間程度以上の時間が必要であり、生産性を低下させる要因となっていた。
上記の従来技術に対して、本発明の導電性メッシュは、厚みが2.5μm未満と小さいために、導電性フィルムと他の基材との貼合において、気泡混入が大幅に低減されるので、オートクレーブ処理の省略もしくは処理時間の短縮が可能となった。
本発明の導電性フィルムの他の好ましい適用例として、導電性フィルムの導電性メッシュ側に、機能層が積層されたディスプレイ用フィルターを挙げることができる。より具体的には、導電性フィルムの導電性メッシュ側に、反射防止層やハードコート層等の機能層を直接に積層した、1枚のみの基材からなるディスプレイ用フィルターが挙げられる。以下の説明において、上記ディスプレイ用フィルターを1枚基材フィルターと言う。
上記の1枚基材フィルターは、導電性フィルムの導電性メッシュ上に直接に、反射防止層、防眩層、ハードコート層等の機能層が塗工により形成される。従来の厚みが10μm程度の導電性メッシュ上に、薄膜の機能層を直接に塗工すると、導電性メッシュの高い凹凸構造によって、塗工性が著しく低下するという問題が発生した。塗工性を確保するために機能層の厚みを大きくすると、機能層の本来の性能が損なわれたり、カールが発生したり、生産性が低下するなどの不都合が生じた。
本発明の導電性メッシュは、厚みが2.5μm未満と小さいために、機能層の厚みを必要以上に大きくしなくとも、均一な塗工性が得られるという利点がある。
(複数基材フィルター)
複数基材フィルターは、導電性フィルムの導電性メッシュ側と他の基材が粘着剤層を介して貼合されたディスプレイ用フィルターである。導電性フィルムの導電性メッシュ側と粘着剤層を介して貼合される他の基材は、該基材上に反射防止層、ハードコート層、防眩層、近赤外線遮蔽層、色調調整層等の機能層が設けられた機能性フィルムの基材であることが好ましい。ここで用いられる粘着剤層は、導電性メッシュの開口部を埋めて、かつ他の基材を接着するだけの厚みが必要であり、従って、少なくとも導電性メッシュの厚みより大きいことが重要である。粘着剤層の厚みは、具体的には5〜50μm程度が適当であり、10〜40μmの範囲が好ましく、特に15〜30μmの範囲が好ましい。
上記機能性フィルムは、基材上に複数の機能層が積層されたものであってもよく、また2以上の機能性フィルムを積層したものであってもよい。例えば、前者の例としては、基材の一方の面にハードコート層と反射防止層が積層され、基材の他方の面に近赤外線遮蔽層が積層されたものが挙げられる。また、後者の例としては、例えば、基材上にハードコート層と反射防止層が積層された機能性フィルムと、基材上に近赤外線遮蔽層が積層された機能性フィルムを積層したものが挙げられる。
導電性フィルムの導電性メッシュ側と粘着剤層を介して貼合される他の基材の貼合面は、基材そのものであってもよいし、上記した機能層の積層面であってもよい。
上記の他の基材としては、プラスチックフィルムが好ましく用いられる。かかるプラスチックフィルムとしては、導電性フィルムの基材と同様のものを用いることができる。
上記の機能性フィルムの構成例の幾つかを以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。尚、下記の構成例の中で、最も左側に記載されている基材もしくは層が導電性フィルムの導電性メッシュ側と粘着剤層を介して貼合される。
イ)基材/ハードコート層/反射防止層
ロ)基材/防眩層
ハ)基材/防眩性ハードコート層/反射防止層
ニ)近赤外線遮蔽層/基材/ハードコート層/反射防止層
ホ)近赤外線遮蔽層/基材/防眩性ハードコート層
ヘ)近赤外線遮蔽層/基材/防眩性ハードコート層/反射防止層
ホ)基材/近赤外線遮蔽層/粘着剤層/基材/ハードコート層/反射防止層
上記の近赤外線遮蔽層は、色調調整層の機能を併せ持つことが好ましい。また、上記のイ)、ロ)、ハ)の機能性フィルムは、導電性フィルムとの貼合に用いられる粘着剤層に、近赤外線遮蔽層の機能及び色調調整層の機能を付与することが好ましい。
(1枚基材フィルター)
1枚基材フィルターは、導電性フィルムの導電性メッシュ上に、反射防止層、防眩層、及びハードコート層の中から選ばれる少なくとも1つの機能層が、粘着剤層を介さずに直接に積層されたものであることが好ましい。粘着剤層を介さずに直接に機能層が積層された態様であれば特に限定されないが、機能層の積層は、塗工によって積層されることが好ましい。機能層は、単一層であっても、複数構成であってもよく、または複数の機能を併せ持つ層であってもよい。
1枚基材フィルターの構成例の幾つかを以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。
a)導電性フィルム/ハードコート層/反射防止層
b)導電性フィルム/防眩層
c)導電性フィルム/防眩性ハードコート層/反射防止層
d)導電性フィルム/近赤外線遮蔽性ハードコート層/反射防止層
上記a)、b)、c)の構成の場合、色調調整層の機能を併せ持つ近赤外線遮蔽層を、導電性フィルムの導電性メッシュとは反対面(導電性フィルムの基材側の面)に積層することができる。また、上記の近赤外線遮蔽層に代えて、近赤外線遮蔽層の機能と色調調整層の機能を付与した粘着剤層を、導電性フィルムの導電性メッシュとは反対面(導電性フィルムの基材側の面)に積層することができる。
導電性フィルムの導電性メッシュ上に積層される機能層の合計厚みは、原材料コストの低減、塗工速度や乾燥速度の向上、及びカールの抑制等の観点から、それぞれの機能が発現する範囲で、小さいことが好ましい。本発明の導電性メッシュの厚みは2.5μmと小さいので、導電性メッシュの凹凸が小さく、機能層の合計厚みが小さくとも均一な塗工性が確保できる。
本発明において、導電性メッシュ上に塗工により積層される機能層の合計厚みは、15μm未満が好ましく、12μm未満がより好ましく、更には10μm未満が好ましく、特に8μm未満が好ましい。機能層の合計厚みの下限は、0.5μm程度であり、1μm以上が好ましく、特に2μm以上が好ましい。
(機能層)
複数基材フィルターに用いられる機能性フィルムを構成する機能層、及び1枚基材フィルターの導電性メッシュ上に積層される機能層について説明する。両者の機能層は、ほぼ同じものであり、断りのない限り、両者に共通するものである。また、本発明で用いられる機能層は、複数の機能を併せ持つものであってもよい。
(反射防止層)
反射防止層は、ディスプレイの画像表示に影響を与える蛍光灯などの外光の反射や映り込みを防止するものである。反射防止層は、表面の視感反射率が4%以下であることが好ましく、3%以下がより好ましく、特に2%以下であることが好ましい。ここで視感反射率は、分光光度計等を使用して可視領域波長(380〜780nm)の反射率を測定し、CIE1931システムに準じて計算された視感反射率(Y)である。
反射防止層としては、低屈折率層のみの単一層であってもよいし、低屈折率層と高屈折率層の積層構成であってもよい。上記積層構成では、高屈折率層が導電性フィルム側に配置される。
低屈折率層の屈折率は1.25〜1.49の範囲が好ましく、特に1.3〜1.45の範囲が好ましい。高屈折率層の屈折率は1.5〜1.75の範囲が好ましく、特に1.55〜1.70の範囲が好ましい。
(低屈折率層)
低屈折率層を形成する方法としては、1)MgF2やSiO2等の薄膜を真空蒸着法やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成する方法、2)シリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーを主成分とした層を熱硬化する方法、3)含フッ素化合物やシリカ系微粒子を含む活性エネルギー線硬化型樹脂層を硬化する方法等が挙げられる。これらの中でも、2)、3)の方法が好ましく、特に3)の方法が好ましい。
上記2)のシリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーを主成分とした層を熱硬化する方法について説明する。
ここで言う「結合」とは、シリカ系微粒子のシリカ成分とマトリックスのシロキサンポリマーが反応して均質化している状態を意味する。シリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーは、該シリカ系微粒子の存在下、多官能性シラン化合物を溶剤中、酸触媒により、公知の加水分解反応によって、一旦シラノール化合物を形成し、公知の縮合反応を利用することによって得ることができる。
かかる多官能性シラン化合物としては、多官能性フッ素含有シラン化合物を含むことが低屈折率化、防汚性の点から好ましく、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランなどの3官能性フッ素含有シラン化合物、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシランなどの2官能性フッ素含有シラン化合物などが挙げられ、いずれも好適に用いられるが、表面硬度の観点から、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシランが、より好ましい。
シリカ系微粒子としては、平均粒子径1nm〜200nmのシリカ系微粒子であることが好ましく、特に好ましくは、平均粒子径1nm〜70nmである。平均粒子径が1nmを下回ると、マトリックス材料との結合が不十分となり、硬度が低下することがある。一方、平均粒子径が200nmを越えると、粒子を多く導入して生じる粒子間の空隙の発生が少なくなり、低屈折率化の効果が十分発現しないことがある。さらに、かかるシリカ系微粒子の中でも、内部に空洞を有する構造のものが、屈折率を低下させるために、特に好ましく使用される。
かかる内部に空洞を有するシリカ系微粒子とは、外殻によって包囲された空洞部を有するシリカ系微粒子、多数の空洞部を有する多孔質のシリカ系微粒子等が挙げられ、いずれも好適に用いられる。このような例としては例えば、特許第3272111号公報に開示されている方法によって製造でき、微粒子内部の空洞の占める体積、すなわち微粒子の空隙率としては、5%以上が好ましく、30%以上がさらに好ましい。空隙率は、例えば、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。また、該微粒子自体の屈折率は、1.20〜1.40であるのが好ましく、1.20〜1.35であるのがより好ましい。このようなシリカ系微粒子としては、例えば特開2001−233611号公報に開示されているものや、特許第3272111号公報等の一般に市販されているものを挙げることができる。
上記3)の含フッ素化合物やシリカ系微粒子を含む活性エネルギー線硬化型樹脂層を硬化する方法について説明する。
含フッ素化合物とシリカ系微粒子はそれぞれ単独で用いてもよいが、組み合わせて用いることが好ましい。
上記の含フッ素化合物としては、含フッ素モノマー、含フッ素高分子化合物が挙げられる。
含フッ素モノマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
含フッ素高分子化合物としては、例えば、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。
シリカ系微粒子としては、上記2)の方法に用いられる内部に空洞を有するシリカ系微粒子が好ましく用いられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、活性エネルギー線の照射によって重合し硬化されて低屈折率層の樹脂層を形成する。ここで、活性エネルギー線とは、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などを指し、実用的には、電子線や紫外線が好ましく、特に紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性エネルギー線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。また、電子線照射方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布液中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
上記の活性エネルギー線硬化型樹脂層に用いられる樹脂成分としては、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。更に(メタ)アクリロイル基を分子内に3個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、特にアクリロイル基を分子内に3〜10個有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。
かかる多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本発明において「・・・(メタ)アクリ・・・」とは、「・・・アクリ・・・または・・・メタアクリ・・・」を略して表示したものである。
上記の多官能(メタ)アクリレート化合物の中でも、(メタ)アクリロイル基を分子内に3個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、特にアクリロイル基を分子内に3〜10個有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。
上記の多官能(メタ)アクリレート化合物の重合、硬化を促進するために、活性エネルギー線硬化型樹脂層に、光重合開始剤を含有させることが好ましい。
かかる光重合開始剤としては、光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
低屈折率層の厚みは、0.01〜0.4μmの範囲が好ましく、0.02〜0.2μmの範囲がより好ましい。
(高屈折率層)
高屈折率層は、金属酸化物微粒子を含む活性エネルギー線硬化型樹脂層を硬化した層であることが好ましい。
金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、これらの金属酸化物微粒子は単独で用いても良いし、複数併用しても良い。
活性エネルギー線硬化型樹脂層については、上記の低屈折率層の項で説明したものと同様のものを用いることができる。
高屈折率層の厚みは、0.05μm以上10μm未満の範囲が好ましく、0.08μm以上5μm未満の範囲がより好ましい。
(防眩層)
防眩層は、画像のギラツキを防止するものであり、表面に微小な凹凸を有する膜が好ましく用いられる。防眩層としては、例えば、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂に、平均粒子径が1〜10μm程度の粒子を分散させて支持体上に塗布および硬化させたもの、あるいは、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂を表面に塗布し、所望の表面状態を有する型を押し付けて凹凸を形成した後に硬化させたものなどが用いられる。防眩層は、ヘイズ値(JISK 7136;2000年)が0.5〜20%であることが好ましい。また、防眩層表面の中心線平均粗さRa値は、100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜700nmの範囲が好ましい。ここで中心線平均粗さRa値は、JIS B0601−1982の方法に基づき、表面粗さ測定器SE―3400((株)小坂研究所製)を用いて測定することができる。
防眩層は、ハードコート機能を併せ持つことが好ましい。防眩層の厚みは0.5μm以上15μm未満の範囲が好ましく、1μm以上12μm未満の範囲がより好ましく、更には2μm以上10μm未満の範囲が好ましく、特に2μm以上8μm未満の範囲が好ましい。
(ハードコート層)
ハードコート機能を有する層(ハードコート層)は、傷防止のために設けられる。ハードコート層は硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度が、H以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。
ハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂または熱硬化型のアクリル系樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いることができる。
また、反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
また、市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては、三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム(登録商標)”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール(登録商標)”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC(登録商標)”シリーズなど)、東亜合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス(登録商標)”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー(登録商標)”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD(登録商標)”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
ハードコート層形成組成物を構成するアクリル化合物の代表的なものを例示すると、1分子中に3個以上、より好ましくは4個以上、さらに好ましくは5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの少なくとも1種と、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の少なくとも1種とからなる混合物を主たる構成成分とし、活性エネルギー線硬化または熱硬化によって得られるハードコート層が、硬度、耐摩耗性および可撓性に優れている点で好ましく用いられる。(メタ)アクリロイルオキシ基が多すぎる場合には、単量体は高粘度となり取り扱いし難くなり、また、高分子量とならざるを得なくなって塗布液として用いることが困難となるので、1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基は好ましくは10個以下である。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーとしては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。これらの単量体およびプレポリマーは、1種または2種以上を混合して使用することができる。特にこれらの内、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物は、後述するイソシアネートとの併用により、ハードコート層と隣接層との接着性を向上させることができるので特に好ましい。
これらの1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して20〜90質量%が好ましく、より好ましくは30〜80質量%、最も好ましくは30〜70質量%である。
上記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して20質量%未満の場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜を得るという点で不十分な場合がある。また、上記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して90質量%を超える場合は、硬化による収縮が大きく、硬化被膜に歪が残ったり、被膜の可撓性が低下したり、硬化被膜側に大きくカールするなどの不都合を招く場合がある。
また、これらの内、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して10〜80質量%が好ましく、より好ましくは20〜70質量%、最も好ましくは30〜60質量%である。少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して10質量%未満の場合には、ハードコート層とその隣接層との接着性を向上させる効果が小さい場合がある。少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して80質量%を超える場合は、ハードコート層内の架橋密度が低下して、ハードコート層の硬度が低下する傾向がある。
次に、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、ラジカル重合性のある通常の単量体ならば特に限定されずに使用することができる。
分子内に2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体が好ましく用いられる。
かかる単量体として、例えば、炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類、ウレタンジ(メタ)アクリレート類、エポキシジ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−およびi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。
これらの1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合は、ハードコート層形成組成物総量100質量%に対して10〜50質量%が好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して50質量%を超える場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られにくくなる場合がある。また、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して10質量%未満の場合には、被膜の可撓性が低下したり、基材フィルム上に設けた積層膜との接着性が低下する場合がある。
本発明において、ハードコート形成組成物を硬化させる方法としては、例えば、活性エネルギー線として紫外線を照射する方法や高温加熱法等を用いることができる。これらの方法を用いる場合には、前記ハードコート層形成組成物に、光重合開始剤または熱重合開始剤等を加えることが望ましい。
光重合開始剤については、上述の低屈折率層に用いることができるものと同様のものを用いることができる。熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。
光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、ハードコート層形成組成物総量100質量%に対して0.01〜10質量%が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。また220℃以上の高温で熱硬化させる場合には、熱重合開始剤の添加は必ずしも必要ではない。
本発明において、ハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などを用いることができる。
本発明で用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波が挙げられ、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。またさらに、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
本発明で用いられる熱硬化に必要な熱としては、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターあるいは遠赤外線ヒーターなどを用いて温度を少なくとも140℃以上に加温された空気、不活性ガスを、スリットノズルを用いて基材、塗膜に吹きあてることにより与えられる熱が挙げられ、中でも200℃以上に加温された空気による熱が好ましく、さらに好ましくは200℃以上に加温された窒素による熱であることが、硬化速度が早いので好ましい。
ハードコート層の厚みは0.5μm以上15μm未満の範囲が好ましく、1μm以上12μm未満の範囲がより好ましく、更には2μm以上10μm未満の範囲が好ましく、特に2μm以上8μm未満の範囲が好ましい。ハードコート層の厚みが0.5μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために、表面硬度が十分でなく、傷が付きやすくなる傾向にある。一方、ハードコート層の厚さが15μm以上の場合には、折り曲げなどの応力により、硬化膜にクラックが入りやすくなる傾向にある。
ハードコート層には、前述した反射防止層を構成する高屈折率層としての機能を付与することができる。ハードコート層の高屈折率化は、ハードコート層形成用樹脂組成物中に、前述した金属酸化物微粒子(高屈折率層に用いられる金属酸化物微粒子と同様のもの)を添加することにより、あるいは高屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂を用いることにより図られる。
上記の屈折率を向上させる樹脂に含まれる分子及び原子としては、F以外のハロゲン原子、S、N、Pの原子、芳香族環等が挙げられる。
また、ハードコート層には、更に着色剤を含有することができる。特に1枚基材フィルに用いられるハードコート層に、着色剤を含有させることが好ましい。ハードコート層に着色剤を含有させることによって、導電性メッシュの金属光沢に起因する視認性に低下を更に改善することができる。
かかる着色剤としては、機能性表面層にニュートラルな色味を付けることができる、顔料、染料、色素などを用いることが好ましい。着色剤としては、黒色系のものが好ましく、例えば、カーボンブラック、黒鉛、黒色クロム、チタンブラック等が好ましく用いられる。また、下記の赤色顔料、緑色顔料、青色顔料を、2種以上混合して用いることもできる。
赤色顔料としてはColor Index No.ピグメントレッド(以下、PRと略す)9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、254等が、緑色顔料としてはColor Index No.ピグメントグリーン(以下、PGと略す)7、36等が、青色顔料としてはColor Index No.ピグメントブルー(以下、PBと略す)15:3、15:4、15:6、21、22、60、64等が挙げられる。
上記した、黒色、赤色、緑色、及び青色の顔料の粒子径としては、平均一次粒子径が5〜400nmの範囲のものが好ましく、10〜200nmの範囲のものがより好ましく、特に10〜100nmの範囲のものが好ましい。ここで、平均一次粒子径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。具体的には、日機装(株)製の「ナノトラック」を用いて測定することができる。
上記の着色剤の含有量は、ハードコート層の全成分100質量%に対して0.01〜10質量%の範囲が適当であり、0.05〜8質量%の範囲が好ましく、特に0.05〜5質量%の範囲が好ましい。
(近赤外線遮蔽層)
近赤外線遮蔽層は、波長800〜1100nmの範囲における光線透過率の最大値が15%以下となるように調整するのが好ましい。近赤外線遮蔽層は、独立した層として設けてもよいし、または近赤外線遮蔽機能を、ハードコート層や粘着剤層に近赤外線吸収剤を混錬、分散することによって付与してもよい。
本発明においては、近赤外線吸収剤を樹脂バインダー中に分散もしくは溶解した塗料を塗布乾燥して形成した近赤外線遮蔽層を用いること、あるいはハードコート層や粘着剤層に上記近赤外線吸収剤を含有させる態様が好ましく用いられる。
近赤外線吸収剤としては、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系化合物、ジイモニウム系化合物等の有機系近赤外線吸収剤、あるいは酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、硫化亜鉛、セシウム含有酸化タングステン等の無機系近赤外線吸収剤を用いることができる。
近赤外線遮蔽層を基材より視認側に付与する場合は、耐光性に優れる無機系近赤外線吸収剤を用いるのが好ましい。
(色調調整層)
色調調整層は、ディスプレイから発光される特定波長の光を吸収して色純度や白色度を向上させるための機能である。特に赤色発光の色純度を低下させるオレンジ光を遮蔽するのが好ましく、波長580〜620nmの範囲に吸収極大を有する色素(例えば、テトラアザポルフィリン)を含有させるのが好ましい。更に、白色度を向上させるために波長480〜500nmに吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。色調調整層は、上記した波長の光を吸収する色素を含有する層を独立に設けてもよいし、近赤外線遮蔽層、ハードコート層あるいは後述する粘着剤層に色素を含有させてもよい。
(粘着剤層)
粘着剤層は、複数基材フィルターにおいて、導電性フィルムと機能性フィルムを貼合する場合、あるいは、ディスプレイ用フィルター(複数基材フィルター及び1枚基材フィルター)をディスプレイに直接、あるいはガラス板、アクリル板、ポリカーボネート板等の高剛性基板を介して装着する場合に用いられる。
上記の高剛性基板は、通常、0.5〜5mmの厚みを有する基板であって、かかる高剛性基板は、本発明のディスプレイ用フィルターを構成する基材には含まれない。
粘着剤層には、前述したように近赤外線遮蔽機能や色調調整機能を付与することができる。また、粘着剤層に、ディスプレイを衝撃から保護するための衝撃緩和機能を付与することができる。粘着剤層に衝撃緩和機能を付与するには、粘着剤層の厚みを100μm以上にすることが好ましく、300μm以上がより好ましい。上限の厚みは、粘着剤層のコーティング適性を考慮して3000μm以下が好ましい。
粘着剤層に用いることができる粘着材としては、アクリル、シリコーン、ウレタン、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニルなどが挙げられる。接着材としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1、2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジエンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本実施例で作製された導電性フィルム及びディスプレイ用フィルターの各サンプルの評価方法を以下に示す。
(1)導電性メッシュの合計厚み、金属層(A)の厚み、金属化合物層(B)の厚みの測定
導電性フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて観察する。サンプル調整は超薄切片法を用いる。1万〜30万倍の倍率で観察し、各々の層の厚みを測定する。測定は、20cm×20cmサイズのサンプル1枚から任意の5箇所について測定し、平均する。
(2)導電性メッシュの線幅及びピッチの測定
(株)キーエンス製デジタルマイクロスコープ(VHX−200)を用いて、倍率450倍で表面観察を行った。その測長機能を用いて、導電性メッシュの線幅とピッチを測長した。20cm×20cmサイズのサンプル1枚から、任意の10箇所について計測し、平均する。
(3)導電性メッシュの表面抵抗値の測定
JIS K 7194に準拠した測定装置である三菱化学(株)製のLoresta-EP(MCP−T360)を用いて、4端子法で測定した。
(4)導電性フィルムの透過率
日本電色工業(株)製の濁度計(NDH2000)を用いて測定した。測定は、導電性メッシュに対して基材側から光を入射させて測定した。
(5)1枚基材フィルターの機能層の合計厚みの測定
サンプルの断面を電解放射型走査電子顕微鏡((株)日立製S―800、加速電圧15kV、観察倍率2000倍)にて観察し、機能層の合計厚みを計測する。20cm×20cmサイズのサンプル1枚から任意の開口部10箇所を選び、導電性メッシュの開口部の重心における基材から機能層表面までの距離を求め平均する。
(6)ディスプレイ用フィルターのヘイズ値の測定
JIS K 7136(2000年)に基づき、スガ試験機製の直読みヘイズコンピューター(NDH 2000)を用いて測定を行った。ここで測定は、複数基材フィルターの機能性フィルム側から光を入射させて測定した。
(実施例1)
以下の要領で導電性フィルムを作製した。
光学用ポリエステルフィルム(東レ(株)製のルミラー(登録商標)QT96、厚み100μm)の片面に、スパッタリング法によりニッケル層(厚み0.01μm)を製膜し、その上に真空蒸着法により銅層(厚み1.5μm)を製膜して、ニッケル層と銅層からなる金属層(a)のベタ膜を形成した。更に金属層(a)の上に、スパッタリング法により窒化銅(厚み0.03μm)を製膜して金属化合物層(b)を形成した。
続いて、上記の金属化合物層(b)の表面にレジスト層を塗工形成し、正方形の格子状メッシュパターンのマスクを介してレジスト層を露光、現像し、次いでエッチング処理を施し、最後に導電性メッシュ上のレジストを剥離除去して、導電性メッシュを作製した。
この導電性メッシュは、合計厚みが1.54μm、金属層(A)の厚み1.51μm、線幅が20μm、ピッチが300μmであった。
(実施例2)
実施例1において、窒化銅を酸化銅に変更する以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを作製した。
(実施例3〜7、及び比較例1〜5)
実施例1において、金属層(A)を構成する銅層の厚み、導電性メッシュの線幅、及びピッチを変更する以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを作製した。それぞれの導電性メッシュの構成を表1に示す
<評価>
上記のようにして作製したそれぞれ導電性フィルムについて、表面抵抗値と透過率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2010206062
表1の結果から、本発明の実施例1〜7の導電性フィルムは、厚みが2.5μm未満の導電性メッシュであっても、高い透過率(75%以上)を維持しながら、表面抵抗値が0.3Ω/□未満を実現している。
一方、比較例1は、導電性メッシュの厚みが1.1μm未満であり、表面抵抗値が0.3Ω/□以上となっている。
比較例2は、導電性メッシュの線幅が15μm未満でピッチが250μm未満であり、表面抵抗値が0.3Ω/□以上となっている。
比較例3は、導電性メッシュの線幅が15μm未満であり、表面抵抗値が0.3Ω/□以上となっている。
比較例4は、導電性メッシュの線幅が30μm以上であり、透過率が大幅に低下している。
比較例5は、導電性メッシュのピッチが400μm以上であり、表面抵抗値が0.3Ω/□以上となっている。
(実施例8)
実施例1の導電性フィルムの導電性メッシュ側と、以下の要領で作成した機能性フィルムとを、機能性フィルムに積層された粘着剤層を介して貼合して、ディスプレイ用フィルター(複数基材フィルター)を作製した。
<機能性フィルムの作製>
光学用両面易接着ポリエステルフィルム(東レ製 ルミラー(登録商標)U46、厚み100μm)の一方の面に、ペルノックス(株)製の帯電防止性ハードコート塗料(XJC−0357;屈折率1.66)を、小径グラビアロールを用いたリバースコート法で塗工し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させ、厚み約2μmの高屈折率ハードコート層を設けた。
次に、この高屈折率ハードコート層上に、下記の低屈折率層形成用塗布液を、小径グラビアロールを用いたリバースコート法で塗工し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させ、厚み約100nmの低屈折率層を形成した。
<低屈折率層用塗布液>
市販の低屈折率塗料(JSR(株)製TU2180:屈折率1.37)に、メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルを1:1の比率で加えて、固形分濃度が3質量%の低屈折率層形成用塗布液を調製した。
<近赤外線遮蔽層の積層>
機能性フィルムの反射防止層(高屈折率ハードコート層/低屈折率層)が積層された面とは反対面に、以下の近赤外線遮蔽層用塗料を乾燥厚みが10μmとなるように塗工した。
<近赤外線遮蔽層用塗料>
近赤外線吸収色素として、日本化薬(株)製 KAYASORB(登録商標) IRG−068を14.5質量部、日本触媒(株)製 イーエクスカラー(登録商標) IR−10Aを8質量部、さらに593nmに主吸収ピークを有するテトラアザポルフィリン系色素として、三井化学(株)製のPD−320を2.9質量部、メチルエチルケトン2000質量部に攪拌混合して溶解させた。この溶液を透明高分子樹脂バインダー溶液として、日本触媒(株)製 ハルスハイブリッド(登録商標) IR−G205(固形分濃度29%溶液)2000質量部と攪拌混合して塗料を作製した。
<粘着剤層の積層>
厚みが25μmのアクリル系粘着剤からなる粘着剤層を上記の近赤外線遮蔽層の上に積層した。
(比較例6)
実施例8の導電性フィルムを、比較例2の導電性フィルムに変更する以外は、実施例8と同様にしてディスプレイ用フィルター(複数基材フィルター)を作製した。
(比較例7)
実施例8の導電性フィルムを以下の導電性フィルムに変更する以外は、実施例8と同様にしてディスプレイ用フィルター(複数基材フィルター)を作製した。
<導電性フィルムの作製>
光学用ポリエステルフィルム(東レ(株)製のルミラー(登録商標)QT96、厚み100μm)の片面に、厚み10μm銅箔をドライラミネート用2液タイプ接着剤(東洋モートン(株)製 主剤AD−76P1/硬化剤CAT−10L)を用いて積層した。
続いて、上記の銅箔の表面にレジスト層を塗工形成し、正方形の格子状メッシュパターンのマスクを介してレジスト層を露光、現像し、次いでエッチング処理を施し、最後に導電性メッシュ上のレジストを剥離除去して、導電性メッシュを作製した。更に導電性メッシュに、酸化処理剤(メルテックス(株)製 エンプレート MB―438A/B/純水=8/13/79の割合で調整)を用いて黒化処理(酸化処理)を施した。
得られた導電性メッシュの合計厚みは10μmで、黒化処理層の厚みは1μmであり、線幅が10μm、ピッチが250μmであった。この導電性メッシュの表面抵抗値は0.04Ω/□、透過率は83%であった。
(比較例8)
実施例8の導電性フィルムを以下の導電性フィルムに変更する以外は、実施例8と同様にしてディスプレイ用フィルター(複数基材フィルター)を作製した。
<導電性フィルムの作製>
光学用ポリエステルフィルム(東レ(株)製のルミラー(登録商標)QT96、厚み100μm)の片面に、ポリビニルアルコールの20質量%水溶液をドット状(導電性メッシュのパターンの逆パターンに相当)に印刷した。ドット1個の大きさは1辺が280μmの正方形でドット間の間隔は20μmであり、ドット配列は正方形の格子状である。
次に、上記のポリエステルフィルムのドット印刷が施された側の面に、真空蒸着法により、厚みが4μmの銅層を積層した。
次に、銅層が積層されたポリエステルフィルムを常温の水に浸漬し、スポンジで擦ることによりドット状のポリビニルアルコール部分を溶解除去し、同時にドット状のポリビニルアルコール部分の上の銅層を除去し、合計厚みが4μm、線幅が20μm、ピッチが300μmの導電性メッシュからなる導電層を作製した。この導電性メッシュの表面抵抗値は0.06Ω/□、透過率は79%であった。
<評価>
実施例8、及び比較例6、7、8のディスプレイ用フィルターについて、ヘイズ値を測定した。その結果、実施例8のヘイズ値は4%であり透明性が良好であるのに対して、比較例6は導電性メッシュのピッチが250μm未満であり、ヘイズ値は9%と高くなっており、比較例7は導電性メッシュの厚みが2.5μm以上であり、ヘイズ値は50%と高くなっており、同様に比較例8も導電性メッシュの厚みが2.5μm以上であり、ヘイズ値は15%とかなり高くなっていた。これによって、比較例6〜8に比べて実施例8は透明性が大幅に向上していた。
(実施例9)
実施例1の導電性フィルムの導電性メッシュ上に、下記の機能層(ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層)を順次塗工して、ディスプレイ用フィルター(1枚基材フィルター)を作製した。
<ハードコート層の塗工>
導電性フィルムの導電性メッシュに、市販のハードコート剤(JSR(株)製 オプスター(登録商標)Z7534;固形分濃度60質量%)を、固形分濃度が45質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈して調製したハードコート層用塗工液をマイクログラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層を形成した。ハードコート層の塗工に際し、乾燥・硬化後の厚みが約5μmとなるように塗工した。
<高屈折率層の塗工>
上記のハードコート層上に、市販の高屈折率・帯電防止塗料(JSR(株)製 オプスター (登録商標) TU4005)をイソプロピルアルコールで固形分濃度8%に希釈して調製した高屈折率層用塗工液を、マイクログラビアコーターで塗布し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、1.65の高屈折率層を形成した。高屈折率層の塗工に際し、乾燥・硬化後の厚みが約0.1μmとなるように塗工した。
<低屈折率層の塗工>
上記の高屈折率層上に、市販の低屈折率層用塗料(JSR(株)製 オプスター(登録商標) TU2180)をメチルイソブチルケトンで固形分濃度が3質量%になるように希釈して調製した低屈折率層用塗工液を、マイクログラビアコーターで塗布し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、屈折率が1.37の低屈折率層を形成した。低屈折率層の塗工に際し、乾燥・硬化後の厚みが約0.1μmとなるように塗工した。
<機能層の合計厚み>
機能層の合計厚みを測定した結果、5.1μmであった。
(比較例9)
実施例9の導電性フィルムを、比較例7の導電性フィルムに変更する以外は、実施例9と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。
(比較例10)
実施例9の導電性フィルムを、比較例8の導電性フィルムに変更する以外は、実施例9と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。
<評価>
機能層の塗工面を目視で観察して、機能層の塗工性を評価した。その結果、実施例9は、塗布ムラや塗布スジはなく、均一な塗工面が得られていた。
一方、比較例9は、導電性メッシュの合計厚みが10μmと大きいために、塗布ムラや塗布スジが目立っており、塗工面も凸凹があり、荒れていた。また、機能層塗工ラインの搬送ローラに導電性メッシュの黒化処理層の脱落した一部が付着し、搬送ローラを汚染していた。
比較例10は、導電性メッシュの厚みが4μmと比較的小さくなっており、比較例9に比べれば、塗工面は良好であったが、導電性メッシュの厚みが2.5μm以上であるので、機能層の塗工面に凹凸が確認された。

Claims (5)

  1. 基材上に導電性メッシュを有する導電性フィルムであって、
    該導電性メッシュは、金属層(A)及び金属化合物層(B)の積層構成であり、基材、金属層(A)、及び金属化合物層(B)をこの順に有し、
    該導電性メッシュは、合計厚みが1.1μm以上2.5μm未満、金属層(A)の厚みが1.0μm以上2.4μm未満、線幅が15μm以上30μm未満、ピッチが250μm以上400μm未満であり、
    かつ表面抵抗値が0.3Ω/□未満であることを特徴とする、導電性フィルム。
  2. 導電性フィルムの透過率が75%以上である、請求項1に記載の導電性フィルム。
  3. 前記金属層(A)の金属が銅であり、前記金属化合物層(B)の金属化合物が、金属酸化物、金属硫化物、及び金属窒化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の導電性フィルム。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の導電性フィルムの導電性メッシュ側に、粘着剤層、及び他の基材をこの順に有することを特徴とする、ディスプレイ用フィルター。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の導電性フィルムの導電性メッシュ側に、機能層が積層されていることを特徴とする、ディスプレイ用フィルター。
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