JP2010067806A - ディスプレイ用フィルター - Google Patents

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Yoshitaka Obayashi
義隆 大林
Tatsuro Tsuchimoto
達郎 土本
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Abstract

【課題】低コストで生産することができるディスプレイ用フィルターを提供することにある。
【解決手段】基材上に、金属メッシュ部1の周辺の全部もしくは一部に金属ベタ部2を有する導電層を有し、該導電層上に表面機能層を有するディスプレイ用フィルターであって、前記導電層の厚みが0.5μm以上4μm未満で、前記表面機能層の厚みが1μm以上12μm以下で、前記導電層の金属メッシュ部と金属ベタ部の上に表面機能層が積層されていることを特徴とする、ディスプレイ用フィルター。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスプレイ用フィルターに関し、特に低価格化が図られたディスプレイ用フィルターに関する。
有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどのディスプレイは、明瞭なフルカラー表示が可能な表示装置である。ディスプレイには、通常、外光の反射の防止、ディスプレイから発生する電磁波の遮蔽、ディスプレイの保護などを目的とした前面フィルター(ディスプレイ用フィルター)がディスプレイの視認側に配置されている。
従来から一般的に知られているディスプレイ用フィルターとして、プラスチックフィルム等の基材上に、ハードコート層、反射防止層、防眩層等の機能層を有する光学機能性フィルムと、プラスチックフィルム等の基材上に導電層(電磁波遮蔽層)が形成された電磁波遮蔽フィルムとを接着層を介して積層された、2枚の基材からなるフィルター(2枚基材フィルター)がある。
上記の2枚基材フィルターに対して、導電性メッシュ上にハードコート層等の機能層を直接に積層することによって、1枚のみの基材で構成することが可能となり、大幅なコストダウンが図られる。
導電性メッシュ上にハードコート層や反射防止層を直接に塗工形成することは知られている(例えば特許文献1、2、3)。
一方、導電層として、金属メッシュの周辺に額縁状に金属ベタ部を有する導電層が、一般的に用いられている。上記の金属メッシュの周辺に額縁状に金属ベタ部を有する導電層上に、硬化性樹脂を塗工するに際して、金属メッシュ部のみに選択的に硬化性樹脂を塗工し、金属ベタ部には塗工せず、金属ベタ部をアース電極として利用することが、特許文献3に開示されている。
特開2007−140282号公報 特開2007−243158号公報 WO2008/029709号公報 特開2004−39981号公報
上述したように、ディスプレイ用フィルターの基材を1枚のみにするために、導電層上に機能層をプラスチックフィルムや粘着剤層を介在せずに直接に積層することが求められている。また、機能層の性能、原材料コスト、生産性を考慮した場合、機能層の厚みは、1μm以上12μm以下とすることが好ましい。
しかしながら、金属メッシュの周辺に金属ベタ部を有する導電層上に、上記したような比較的厚みの小さい機能層を塗工して積層すると、機能層の均一な塗工面が得られないという問題があった。
上記した特許文献1〜3には、金属メッシュの周辺に金属ベタ部を有する導電層上に機能層を塗工形成することは記載されていない。特許文献4の間欠塗布方式は、通常の連続塗布に比べて塗布速度が劣るために、生産性を向上させるのには不十分であった。
従って、本発明の目的は、低コストで生産することができるディスプレイ用フィルターを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1)基材上に、金属メッシュ部の周辺の全部もしくは一部に金属ベタ部を有する導電層を有し、該導電層上に表面機能層を有するディスプレイ用フィルターであって、
前記導電層の厚みが0.5μm以上4μm未満で、前記表面機能層の厚みが1μm以上12μm以下で、前記導電層の金属メッシュ部と金属ベタ部の上に表面機能層が積層されていることを特徴とする、ディスプレイ用フィルター。
2)前記導電層の金属メッシュ部が、基材上に気相製膜法で形成された金属薄膜をエッチングすることによって形成された金属メッシュである、前記1)に記載のディスプレイ用フィルター。
3)導電層の表面機能層側において、前記金属ベタ部の一部が露出している、前記1)または2)に記載のディスプレイ用フィルター。
本発明によれば、原材料コストが低下し、生産効率が大幅に向上するので、ディスプレイ用フィルターの大幅な低価格化が図られる。
本発明のディスプレイ用フィルターは、金属メッシュ部の周辺の全部もしくは一部に金属ベタ部を有する導電層において、該導電層の金属メッシュ部と金属ベタ部を被覆するように、表面機能層が積層されていることを特徴とする。表面機能層は導電層上に直接に塗工形成されていることが好ましい。
従来から、金属メッシュ部の周辺の全部もしくは一部に金属ベタ部を有する導電層は、一般的に用いられていたが、金属メッシュ部と金属ベタ部の上に表面機能層を直接に積層することは全く行われていなかった。これは、比較的厚みの小さい表面機能層を上記の導電層上に均一に安定的に塗工形成することが難しいという問題、及び前述の特許文献4に記載されているように露出した金属ベタ部をアース電極として利用するという技術背景があるものと考えられる。
特に、前者の表面機能層の塗工性の点では、従来から一般的に用いられている、厚みが10μm程度の銅箔をエッチング加工して形成された導電層の場合、金属メッシュ部と金属ベタ部の上に、厚みが12μm以下の表面機能層を均一に塗工形成することは困難であった。
上記した従来技術に対して、本発明は、厚みが4μm未満の導電層を用いることによって、金属メッシュ部と金属ベタ部の上に、厚みが12μm以下の表面機能層を均一に塗工形成できることを見いだし、これによって、金属メッシュ部と金属ベタ部を有する導電層上に連続的に表面機能層を塗工形成することが可能になり、生産性の大幅な向上が図られた。
本発明は、金属ベタ部上にも表面機能層が積層されるが、金属ベタ部からアース電極を取り出す方法については、後述する。
本発明にかかる導電層は、金属メッシュ部とその周辺の全部もしくは一部に金属ベタ部とを有する。ここで、金属ベタ部とは、金属箔または金属薄膜が平面的に連続して存在する部分を意味する。本発明にかかる金属メッシュ部は、少なくともディスプレイの画像表示領域に相当する領域をカバーするように配置される。
金属ベタ部は、金属メッシュ部の周辺の全部もしくは一部に配置されるが、以下に金属メッシュ部と金属ベタ部の配置関係について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、金属メッシュ部の周辺の全部に金属ベタ部を配置した導電層の平面図である。図1において、導電層4は、中央の金属メッシュ部1の周辺の全域に金属ベタ部2(塗りつぶした部分)が配置された構成になっている。点線7は画像表示領域と非画像表示領域の境界線であり、点線7の内側が画像表示領域となる。金属メッシュ部1は画像表示領域をカバーするように配置されている。
図2、図3は、金属メッシュ部の周辺の一部に金属ベタ部を配置した導電層の平面図である。図2において、導電層4は、中央の金属メッシュ部1の周辺に額縁状に金属ベタ部2(塗りつぶした部分)が配置され、更に金属ベタ部2の周辺に金属メッシュ部1aが配置された構成になっている。
図3において、導電層4は、中央の金属メッシュ部1の周辺に金属ベタ部2(塗りつぶした部分)が不連続に配置された構成になっている。上記のような不連続な金属ベタ部を設ける場合、1辺における金属ベタ部の合計長さは、1辺の長さ100%に対して10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、特に50%以上が好ましい。上記の比率は高い方がアース電極を形成するという観点から好ましい。上限は95%程度である。
金属ベタ部2の幅は、3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。金属ベタ部の幅の上限は30mm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。金属ベタ部の幅とは、図1〜図3の符号Lで示した寸法である。
上記の図1〜図3の態様において、点線7は画像表示領域と非画像表示領域の境界線であり、点線7の内側が画像表示領域となる。金属メッシュ部1は画像表示領域をカバーするように配置されている。また、上記の態様において、金属メッシュ部1と金属ベタ部2の境界線が、画像表示領域と非画像表示領域の境界線(点線7)と一致するように配置してもよい。
本発明の導電層は、厚みが0.5μm以上4μm未満である。更に、導電層の厚みの好ましい範囲は1μm以上3.5μm以下であり、より好ましい範囲は1μm以上3μm以下である。導電層の厚みが0.5μm未満になると、十分な電磁波遮蔽効果が得られない場合がある。導電層の厚みが4μmを越えると、本発明にかかる金属メッシュ部と金属ベタ部からなる導電層上に、厚みが1〜12μmの表面機能層を均一に安定的に塗工形成することが難しくなる。
本発明にかかる導電層の製造方法について説明する。導電層を基材上に形成する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、1)基材上に導電性インキをパターン状に印刷する方法、2)基材上にメッキの触媒核を含むインキでパターン印刷した後にメッキを施す方法、3)基材上に気相製膜法により金属薄膜を形成した後にエッチングする方法、4)基材上に、剥離可能な樹脂で金属メッシュのパターンとは逆パターンの樹脂層を形成し、樹脂層が形成された側の面に、気相製膜法あるいはメッキ法により金属薄膜を形成した後、樹脂層を剥離する方法、5)感光性銀塩を用いる方法、及び76金属薄膜をレーザーアブレーションする方法等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記の導電性メッシュの製造方法について詳細に説明する。
1)透明基材上に導電性インキをパターン状に印刷する方法は、透明基材上に導電性インキを、スクリーン印刷、グラビア印刷等の公知の印刷法によりパターン状に印刷する方法である。
2)メッキの触媒核を含むインキでパターン印刷した後にメッキを施す方法は、例えば、パラジウムコロイド含有ペーストからなる触媒インキを用いてパターン状に印刷し、これを無電解銅メッキ液中に浸漬して無電解銅メッキを施し、続いて電解銅メッキを施し、さらにNi−Sn合金の電解メッキを施して導電性メッシュパターンを形成する方法である。
3)基材上に気相製膜法により金属薄膜を形成した後にエッチングする方法は、基材上に金属薄膜(銅、アルミニウム、銀、金、パラジウム、インジウム、スズ、あるいは銀とそれ以外の金属の合金などからなる金属)を、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の気相製膜法によって形成し、この金属薄膜をフォトリソグラフィー法あるいはスクリーン印刷法などを利用してレジストパターンを作製した後、金属薄膜をエッチングする方法である。上記のレジストパターンを形成する方法としては、フォトリソグラフィー法が好ましく、フォトリソグラフィー法は、金属薄膜上に感光性レジストを塗工又は感光性レジストフィルムをラミネートし、パターンマスクを密着させて露光後、現像液で現像してエッチングレジストパターンを形成し、さらに適当なエッチング液でパターン部以外の金属を溶出させて所望の導電性メッシュを形成する方法である。この方法では、接着剤や粘着剤を介さずに、基材上に金属薄膜を形成することが好ましい。
4)基材上に、剥離可能な樹脂で金属メッシュのパターンとは逆パターンの樹脂層を形成し、樹脂層が形成された側の面に、気相製膜法あるいはメッキ法により金属薄膜を形成した後、樹脂層を剥離する方法は、一般にリフトオフと呼ばれる方法であり、基材上に予め剥離可能な樹脂を用いて金属メッシュとは逆パターンの樹脂層を形成し、基材の樹脂層が形成された側の面に気相製膜法で金属層を積層し、次いで、前記逆パターンの樹脂層を剥離する方法である。前記の逆パターンの樹脂層を剥離するときに、同時に樹脂層上の金属層も一緒に剥離され、樹脂層が存在しない部分の金属層はそのまま基材上に残るために、金属層のメッシュパターンが基材上に形成される。従って、この製造方法では、剥離可能な樹脂層は金属メッシュとは逆パターンに形成する必要がある。
基材上に、予め形成される剥離可能な樹脂層に用いられる樹脂としては、溶剤に可溶な樹脂が好ましく用いられる。かかる樹脂としては、水溶性樹脂、有機溶剤に可溶な樹脂、及びアルカリに可溶な樹脂を用いることができる。これらの樹脂の中でも、作業環境等の観点から、水溶性樹脂が好ましく、特に水溶性の高分子樹脂が好ましく用いられる。
水溶性高分子樹脂としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの部分ケン化物、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、酢酸ビニル−マレイン酸交互共重合体、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられ、これらの水溶性高分子樹脂の1種もしくは2種以上の混合物を用いることができる。有機溶剤に可溶な樹脂としては、例えば、ポリイミドエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリヒダントイン樹脂、ポリパラバン樹脂や溶剤可溶型ポリイミド樹脂などがある。またシリコーングリースや油性インクなどを用いることもできる。アルカリに可溶な樹脂としては一般的なレジストを用いることが可能である。
剥離可能な樹脂を用いて、基材上に金属メッシュとは逆パターンの樹脂層を形成する方法としては、印刷法やフォトリソグラフィー法などを用いることができる。印刷法としては、例えば、スクリーン印刷、インクジェット、凹版印刷、凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷など様々な方法を用いることができる。フォトリソグラフィー法は、上記3)の方法と同様な方法が用いられる。
5)感光性銀塩を用いる方法は、ハロゲン化銀などの銀塩乳剤層を透明基材上にコーティングし、フォトマスク露光あるいはレーザー露光の後、現像処理して銀のメッシュを形成する方法がある。形成された銀メッシュはさらに銅、ニッケルなどの金属でメッキするのが好ましい。この方法は、WO2004/7810号公報、特開2004−221564号公報、特開2006−12935号公報などに記載されており、参照することができる。
6)金属薄膜をレーザーアブレーションする方法は、上記5)と同様の方法で基材上に形成された金属薄膜をレーザーアブレーション方式で、金属薄膜のメッシュパターンを作製する方法である。
レーザーアブレーションとは、レーザー光を吸収する固体表面へエネルギー密度の高いレーザー光を照射した場合、照射された部分の分子間の結合が切断され、蒸発することにより、照射された部分の固体表面が削られる現象である。この現象を利用することで固体表面を加工することが出来る。レーザー光は直進性、集光性が高い為、アブレーションに用いるレーザー光の波長の約3倍程度の微細な面積を選択的に加工することが可能であり、レーザーアブレーション法により高い加工精度を得ることが出来る。
かかるアブレーションに用いるレーザーは金属が吸収する波長のあらゆるレーザーを用いることが出来る。例えばガスレーザー、半導体レーザー、エキシマレーザー、または半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーを用いることが出来る。また、これら固体レーザーと非線形光学結晶を組み合わせることにより得られる第二高調波光源(SHG)、第三高調波光源(THG)、第四高調波光源(FHG)を用いることが出来る。
かかる固体レーザーの中でも、プラスチックフィルムを加工しないという観点から、波長が254nmから533nmの紫外線レーザーを用いることが好ましい。中でも好ましくはNd:YAG(ネオジウム:イットリウム・アルミニウム・ガーネット) などの固体レーザーのSHG(波長533nm)、さらに好ましくはNd:YAG などの固体レーザーのTHG(波長355nm)の紫外線レーザーを用いることが好ましい。
かかるレーザーの発振方式としてはあらゆる方式のレーザーを用いることが出来るが,加工精度の点からパルスレーザーを用い,さらに望ましくはパルス幅がns以下のQスイッチ方式のパルスレーザーを用いることが好ましい。
金属薄膜の上(視認側)に更に0.01〜0.1μmの金属酸化物層を形成した後に、金属薄膜と金属酸化物層とをレーザーアブレーションするのが好ましい。金属酸化物としては銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、クロム、チタン、すずなどの金属酸化物を用いることができるが、価格や膜の安定性などの点から銅酸化物が好ましい。金属酸化物の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレート法、化学蒸着法、無電解および電解めっき法等を用いることができる。
上記した導電層の製造方法の中でも、厚みが4μm未満の金属メッシュを容易に安定的に製造することができ、かつ高い電磁波シールド性を確保できるという観点から、上記3)の方法が好ましく用いられる。
上記3)の製造方法について、更に詳細に説明する。
透明基材上に金属薄膜を形成する方法としては、気相製膜法が用いられるが、かかる気相製膜法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、真空蒸着、化学蒸着等が挙げられるが、これらの中でも、スパッタリング及び真空蒸着が好ましい。金属薄膜を形成するための金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、クロム、チタンなどの金属の内、1種または2種以上を組合せた合金あるいは多層のものを使用することができる。これらの中でも、良好な電磁波シールド性が得られ、メッシュパターン加工が容易で、かつ低価格であるなどの点から、銅が好ましく用いられる。
また、金属薄膜の金属として銅を用いる場合は、基材と銅薄膜との間に、5〜100nmの厚みのニッケル薄膜をさらに用いるのが好ましい。これによって、基材と銅薄膜の接着性が向上する。なお、このような態様における金属メッシュの厚みとは、ニッケル薄膜層及び銅薄膜層の和の厚みを意味するものとする。
金属薄膜上にレジストパターンを形成する方法としては、フォトリソグラフィーが好ましく用いられる。かかるフォトリソグラフィー法は、金属薄膜上に感光性レジスト層を積層し、該レジスト層をメッシュパターン状に露光し、現像してレジストパターンを形成し、次いで、金属薄膜をエッチングしてメッシュパターン化し、メッシュ上のレジスト層を剥離除去する方法である。
感光性レジスト層としては、露光部分が硬化するネガレジスト、あるいは逆に露光部分が現像によって溶解するポジレジストを用いることができる。感光性レジスト層は金属薄膜上に直接に塗工して積層してもよいし、あるいはフォトレジストからなるフィルムを貼り合わせてもよい。フォトレジスト層を露光する方法としては、フォトマスクを介して紫外線等で露光する方法、もしくはレーザーを用いて直接に走査露光する方法を用いることができる。
エッチングする方法としては、ケミカルエッチング法等がある。ケミカルエッチングとは、レジストパターンで保護された金属部分以外の金属をエッチング液で溶解し、除去する方法である。エッチング液としては、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、アルカリエッチング液等がある。
本発明にかかる導電層は、黒化処理が施されていることが好ましい。黒化処理としては、酸化処理、硫化処理、金属酸化物の蒸着、黒印刷等を用いることができる。
本発明にかかる導電層は、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽するための層であり、導電層の面抵抗値は、低い方が好ましい。導電層の面抵抗値としては、5Ω/□以下が好ましく、3Ω/□以下がより好ましく、特に1Ω/□以下が好ましい。また、面抵抗は低いほど電磁波シールド性が向上するために好ましいが、現実的な下限は0.01Ω/□程度と考えられる。導電層の面抵抗値は、4端子法により測定することができる。
本発明にかかる導電層の金属メッシュ部のメッシュパターンとしては、格子状パターン、5角形以上の多角形からなるパターン、円形パターン、あるいはこれらの複合パターンが挙げられ、更にランダムパターンも好ましく用いられる。金属メッシュの線幅は5〜40μmが好ましく、ピッチは50〜500μmの範囲が好ましい。金属メッシュ部のピッチとは、メッシュ構造のある開口部と、この開口部と1辺を共有する隣接する開口部との重心間の距離である。
本発明のディスプレイ用フィルターは、1枚のみの基材で構成されることが好ましい。かかる基材としては、プラスチックフィルムが好ましく用いられる。かかるプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びセルロース樹脂が好ましく、特にポリエステル樹脂が好ましく用いられる。プラスチックフィルムの厚みとしては、50〜300μmの範囲が適当であるが、コストの観点及びディスプレイ用フィルターの剛性を確保するという観点から90〜250μmの範囲が特に好ましい。
本発明に用いられるプラスチックフィルムは、導電層との密着性(接着強度)を強化するための易接着層(プライマー層、下引き層)を設けておくのが好ましい。
本発明において、表面機能層は、本発明のディスプレイ用フィルターをディスプレイに装着したときに視認側(観賞側)の最表面となる機能層であり、導電層上に塗工形成される。
本発明にかかる表面機能層は、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、及び防汚機能の中から選ばれる少なくとも1つの機能を有することが好ましい。表面機能層は、上記の機能の中でも、少なくともハードコート機能を有することが特に好ましい。上記表面機能層は単一層であっても複数層で構成されていてもよく、また複数の機能を併せ持った層であってもよい。
以下に表面機能層を構成する反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、防汚機能を有する層について具体的に説明する。
反射防止機能を有する層(反射防止層)は、ディスプレイの画像表示に影響を与える蛍光灯などの外光の反射や映り込みを防止するものである。反射防止層は、表面の視感反射率が5%以下であることが好ましく、4%以下がより好ましく、特に3%以下であることが好ましい。ここで視感反射率は、分光光度計等を使用して可視領域波長(380〜780nm)の反射率を測定し、CIE1931システムに準じて計算された視感反射率(Y)である。
このような反射防止層としては、高屈折率層と低屈折率層とを低屈折率層が視認側になるように2層以上積層したものを用いることができる。高屈折率層の屈折率は1.5〜1.75の範囲が好ましく、特に1.55〜1.70の範囲が好ましい。低屈折率層の屈折率は1.25〜1.49の範囲が好ましく、特に1.3〜1.45の範囲が好ましい。
高屈折率層を形成する材料としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどを重合硬化させたもの、あるいはシリコーン系、メラミン系、エポキシ系の架橋性樹脂原料を架橋硬化させたもの等の有機系材料、酸化インジウムを主成分としこれに二酸化チタンなどを少量含ませたもの、あるいはAl2 3 、MgO、TiO2 等の無機系材料が挙げられる。これらの中でも、有機系材料が好ましく用いられる。以下に本発明の高屈折率層の好ましい態様を説明する。
本発明において、高屈折率層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂、含リン系樹脂、含スルフィド樹脂、含ハロゲン樹脂などの樹脂成分を単体または混合系で用いることが出来るが、特に、硬度と耐久性などの点から、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂を用いるのが好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点から、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂が好ましい。特に、(メタ)アクリレート系樹脂は、活性エネルギー線照射によって容易にラジカル重合が起こり、形成される膜の耐溶剤性や硬度が向上するので好ましい。
かかる(メタ)アクリレート系樹脂として、例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステルトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
高屈折率層には、更にカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(モノマー)を使用することができる。具体的には、酸性官能基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和カルボン酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のリン酸(メタ)アクリル酸エステル、2−スルホエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合などの極性を持った結合を有する(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。
高屈折率層には、塗布した樹脂成分の硬化を進めるために開始剤を含有させてもよい。該開始剤としては、塗布した樹脂成分を、ラジカル反応、アニオン反応、カチオン反応等による重合および/または架橋反応を開始あるいは促進せしめるものであり、従来から公知の各種光重合開始剤が使用可能である。
かかる光重合開始剤としては、具体的には、ソジウムメチルジチオカーバメイトサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルファイド等のサルファイド類や、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体や、ヒドラゾン、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や、ベンゼンジアゾニウム塩等のジアゾ化合物や、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン等の芳香族カルボニル化合物や、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、D−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピル等のジアルキルアミノ安息香酸エステルや、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物や、9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のアクリジン誘導体や、9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン誘導体や、6,4’,4”−トリメトキシ−2、3−ジフェニルキノキサリン等のキノキサリン誘導体や、2,4,5−トリフェニルイミダゾイル二量体、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,3’−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等が挙げられる。
また、高屈折率層には、上記開始剤の酸素阻害による感度の低下を防止するために、光重合開始剤にアミン化合物を共存させてもよい。このようなアミン化合物としては、例えば、脂肪族アミン化合物や、芳香族アミン化合物等の不揮発性のものであれば、特に限定されないが、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が好ましい。
また、高屈折率層には、屈折率を高めるために金属酸化物微粒子を含有させることが好ましい。また、金属酸化物微粒子を含有させることによって帯電防止効果も得られる。金属酸化物微粒子としては、屈折率が1.6以上のものが好ましく用いられる。係る金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、これらの金属酸化物微粒子は単独で用いても良いし、複数併用しても良い。また、金属酸化物粒子の屈折率の上限は、価格および入手の容易さなどから3以下が好ましい。さらに好ましい範囲としては、1.7以上2.8以下である。
金属酸化物微粒子の平均一次粒子径としては、200nm以下が好ましく、更に好ましい金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は、3〜150nmの範囲である。なお、本発明の平均一次粒子径とは、金属酸化物微粒子が単独で存在した場合の粒子径を示し、最も頻度の高い粒子径を示すものをいう。金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。具体的には、日機装株式会社製「ナノトラック」を用いて測定することができる。
高屈折率層中の金属酸化物粒子の含有量は、樹脂成分100質量%に対して、5〜90質量%の範囲が好ましい。
更に、高屈折率層には、重合禁止剤、硬化触媒、酸化防止剤、分散剤等の各種添加剤を含有することができる。
高屈折率層の厚みは、0.05〜10μmの範囲が好ましく、0.08〜5μmの範囲がより好ましい。
反射防止層を構成する低屈折率層は、含フッ素ポリマー、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル、含フッ素シリコーン等の有機系材料、MgF2 、CaF2 、SiO2 等の無機系材料で構成することができる。以下に低屈折率層の好ましい態様を例示する。
低屈折率層の1つの好ましい態様として、MgF2やSiO2等の薄膜を真空蒸着法やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成する方法、或いはSiO2ゾルを含むゾル液からSiO2ゲル膜を形成する方法等が挙げられる。
低屈折率層の他の好ましい態様として、シリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーを主成分とする構成を採用することができる。なお、ここで言う「結合」とは、シリカ系微粒子のシリカ成分とマトリックスのシロキサンポリマーが反応して均質化している状態を意味する。シリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーは、該シリカ系微粒子の存在下、多官能性シラン化合物を溶剤中、酸触媒により、公知の加水分解反応によって、一旦シラノール化合物を形成し、公知の縮合反応を利用することによって得ることができる。
かかる多官能性シラン化合物としては、多官能性フッ素含有シラン化合物を含むことが低屈折率化、防汚性の点から好ましく、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランなどの3官能性フッ素含有シラン化合物、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシランなどの2官能性フッ素含有シラン化合物などが挙げられ、いずれも好適に用いられるが、表面硬度の観点から、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシランが、より好ましい。
多官能性シラン化合物として多官能性フッ素非含有シラン化合物を用いることができる。かかる多官能性フッ素非含有シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシシプロピルトリメトキシシランなどの3官能性シラン化合物、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシランなどの2官能性シラン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの4官能性シラン化合物などが挙げられ、いずれも好適に用いられるが、表面硬度の観点からビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが、より好ましい。
また、上述のシリカ系微粒子としては、平均粒子径1nm〜200nmのシリカ系微粒子であることが好ましく、特に好ましくは、平均粒子径1nm〜70nmである。平均粒子径が1nmを下回ると、マトリックス材料との結合が不十分となり、硬度が低下することがある。一方、平均粒子径が200nmを越えると、粒子を多く導入して生じる粒子間の空隙の発生が少なくなり、低屈折率化の効果が十分発現しないことがある。さらに、かかるシリカ系微粒子の中でも、内部に空洞を有する構造のものが、屈折率を低下させるために、特に好ましく使用される。
かかる内部に空洞を有するシリカ系微粒子とは、外殻によって包囲された空洞部を有するシリカ系微粒子、多数の空洞部を有する多孔質のシリカ系微粒子等が挙げられ、いずれも好適に用いられる。このような例としては例えば、特許第3272111号公報に開示されている方法によって製造でき、微粒子内部の空洞の占める体積、すなわち微粒子の空隙率としては、5%以上が好ましく、30%以上がさらに好ましい。空隙率は、例えば、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。また、該微粒子自体の屈折率は、1.20〜1.40であるのが好ましく、1.20〜1.35であるのがより好ましい。このようなシリカ系微粒子としては、例えば特開2001−233611号公報に開示されているものや、特許第3272111号公報等の一般に市販されているものを挙げることができる。
低屈折率層の厚みは、0.01〜0.4μmの範囲が好ましく、0.02〜0.2μmの範囲がより好ましい。
防眩機能を有する層(防眩層)は、画像のギラツキを防止するものであり、表面に微小な凹凸を有する膜が好ましく用いられる。防眩層としては、例えば、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂に、平均粒子径が1〜10μm程度の粒子を分散させて支持体上に塗布および硬化させたもの、あるいは、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂を表面に塗布し、所望の表面状態を有する型を押し付けて凹凸を形成した後に硬化させたものなどが用いられる。防眩層は、ヘイズ値(JIS K 7136;2000年)が0.5〜20%であることが好ましい。また、防眩層表面の中心線平均粗さRa値は、100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜700nmの範囲が好ましい。ここで中心線平均粗さRa値は、JIS B0601−1982の方法に基づき、表面粗さ測定器SE―3400((株)小坂研究所製)を用いて測定することができる。
本発明の機能層として、反射防止機能と防眩機能を併せ持つ層を用いることは好ましい態様の1つである。
ハードコート機能を有する層(ハードコート層)は、傷防止のために設けられる。ハードコート層は硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度が、H以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。
ハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂または熱硬化型のアクリル系樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いることができる。
また、反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
また、市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては、三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム(登録商標)”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール(登録商標)”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC(登録商標)”シリーズなど)、東亜合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス(登録商標)”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー(登録商標)”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD(登録商標)”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
ハードコート層形成組成物を構成するアクリル化合物の代表的なものを例示すると、1分子中に3個以上、より好ましくは4個以上、さらに好ましくは5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの少なくとも1種と、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の少なくとも1種とからなる混合物を主たる構成成分とし、活性エネルギー線硬化または熱硬化によって得られるハードコート層が、硬度、耐摩耗性および可撓性に優れている点で好ましく用いられる。(メタ)アクリロイルオキシ基が多すぎる場合には、単量体は高粘度となり取り扱いし難くなり、また、高分子量とならざるを得なくなって塗布液として用いることが困難となるので、1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基は好ましくは10個以下である。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーとしては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。これらの単量体およびプレポリマーは、1種または2種以上を混合して使用することができる。特にこれらの内、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物は、後述するイソシアネートとの併用により、ハードコート層と隣接層との接着性を向上させることができるので特に好ましい。
これらの1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して20〜90質量%が好ましく、より好ましくは30〜80質量%、最も好ましくは30〜70質量%である。
上記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して20質量%未満の場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜を得るという点で不十分な場合がある。また、上記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して90質量%を超える場合は、硬化による収縮が大きく、硬化被膜に歪が残ったり、被膜の可撓性が低下したり、硬化被膜側に大きくカールするなどの不都合を招く場合がある。
また、これらの内、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して10〜80質量%が好ましく、より好ましくは20〜70質量%、最も好ましくは30〜60質量%である。少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して10質量%未満の場合には、ハードコート層とその隣接層との接着性を向上させる効果が小さい場合がある。少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して80質量%を超える場合は、ハードコート層内の架橋密度が低下して、ハードコート層の硬度が低下する傾向がある。
次に、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、ラジカル重合性のある通常の単量体ならば特に限定されずに使用することができる。
また、分子内に2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、下記(a)〜(f)の(メタ)アクリレート等を用いることができる。
すなわち、(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど;
(b)ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど;
(c)多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなど;
(d)ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンなど;
(e)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、さらにアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート類など、および;
(f)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類など。
分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−およびi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。
これらの1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して10〜50質量%が好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して50質量%を超える場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られにくくなる場合がある。また、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して10質量%未満の場合には、被膜の可撓性が低下したり、基材フィルム上に設けた積層膜との接着性が低下する場合がある。
本発明において、ハードコート形成組成物を硬化させる方法としては、例えば、活性エネルギー線として紫外線を照射する方法や高温加熱法等を用いることができる。これらの方法を用いる場合には、前記ハードコート層形成組成物に、光重合開始剤または熱重合開始剤等を加えることが望ましい。
光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。また、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。
光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、ハードコート層形成組成物総量に対して0.01〜10質量%が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。また220℃以上の高温で熱硬化させる場合には、熱重合開始剤の添加は必ずしも必要ではない。
本発明におけるハードコート層形成組成物は、ポリイソシアネート化合物を含有していることが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、水添MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート等の少なくとも2量体以上のものが挙げられる。これらポリイソシアネート化合物は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
これらのポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体は、前記したハードコート層形成組成物に混合されて塗布される。上記ポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体の配合量は、接着性、表面硬度、耐湿熱性および虹彩模様低減の点で、ハードコート層形成組成物総量に対し、好ましくは0.5〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは3〜20質量%である。上記ポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体の配合量が、ハードコート層形成組成物総量に対して0.5質量%未満の場合には、接着性向上効果が不足したり、虹彩模様の低減が不十分な場合があり、またポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体の配合量が、ハードコート層形成組成物総量に対して50質量%を超えると、表面硬度が低下する場合がある。
上記ポリイソシアネートを添加したハードコート層形成組成物は、その硬化効率を高める目的で有機金属系触媒を含有させることも好ましい。
有機金属系触媒は、特に限定されるものではなく、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機4A族元素(チタン、ジルコニウムまたはハフニウム)化合物などが挙げられるが、安全性を考慮した場合、非錫系金属触媒である有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、および、有機チタン化合物から選ばれたものが好ましく適用される。有機錫化合物としては、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウリレートなどのジブチル錫脂肪酸塩、ジオクチル錫ジラウリレートなどのジオクチル錫脂肪酸塩が例示できる。
有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ハフニウム化合物、有機チタン化合物としては、これらの金属のオルトエステルとβ−ケトエステル(βジケトン)の反応生成物が例示され、具体的にはジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、アルミニウムテトラ−n−プロポキシド、アルミニウムテトライソプロポキシド、アルミニウムテトラ−n−ブトキシドなどの金属オルトエステルと、アセチルアセトン、メチルアセテート、エチルアセトアセテート、n−プロピルアセトアセテート、イソプロピルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテートなどのβケトエステル(βジケトン)との反応生成物を挙げることができる。金属オルトエステルとβジケトエステル(βジケトン)の混合モル比率は4:1〜1:4程度が好ましく、より好ましくは2:1〜1:4である。4:1より金属オルトエステルが多い場合は触媒の反応性が高すぎてポットライフが短くなりやすく、1:4よりβジケトエステルが多い場合は触媒活性が低下するため好ましい態様では無い。上記有機金属系触媒の配合量は、ハードコート形成組成物総量100質量%に対して0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.01〜2質量%である。上記有機金属系触媒の配合量が、ハードコート形成組成物総量に対して0.001質量%より少ない場合には触媒添加効果が低く、10質量%より多くすることは経済的見地から好ましくない。
上記したハードコート層形成組成物の好ましい態様としては、ハードコート層形成組成物総量100質量%に対して、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物10〜80質量%、イソシアネート化合物1〜30質量%および必要に応じて有機金属系触媒0.001から10質量%の範囲とするのが望ましい。さらに必要に応じて1〜2個のエチレン性不飽和結合を有する単量体を0質量%以上50質量%以下添加しても良い。
本発明において、ハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などを用いることができる。
シリコーン系レベリング剤としては、ポリジメチルシロキサンを基本骨格とし、ポリオキシアルキレン基が付加されたものが好ましく、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(例えば東レダウコーニング(株)製SH190)が好適である。
またハードコート層上にさらに積層膜を設ける場合には、接着性を阻害しないアクリル系レベリング剤を適用するのが好ましい。このようなレベリング剤としては「ARUFON−UP1000シリーズ、UH2000シリーズ、UC3000シリーズ(商品名):東亜合成化学(株)製)などを好ましく用いることができる。レベリング剤の添加量はハードコート形成組成物総量に対して、0.01〜5質量%の範囲とするのが望ましい。
本発明で用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波が挙げられ、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。またさらに、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
本発明で用いられる熱硬化に必要な熱としては、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターあるいは遠赤外線ヒーターなどを用いて温度を少なくとも140℃以上に加温された空気、不活性ガスを、スリットノズルを用いて基材、塗膜に吹きあてることにより与えられる熱が挙げられ、中でも200℃以上に加温された空気による熱が好ましく、さらに好ましくは200℃以上に加温された窒素による熱であることが、硬化速度が早いので好ましい。
ハードコート層の厚さは、1〜12μmが好ましく、より好ましくは2〜10μmであり、特に好ましくは2〜8μmである。ハードコート層の厚さが1μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために、表面硬度が十分でなく、傷が付きやすくなる傾向にある。一方、ハードコート層の厚みが12μmを超える場合には、折り曲げなどの応力により、硬化膜にクラックが入りやすくなる傾向にある。
ハードコート層には、前述した反射防止層を構成する高屈折率層としての機能を付与することができる。ハードコート層の高屈折率化は、ハードコート層形成用樹脂組成物中に、前述した金属酸化物微粒子を添加することにより、あるいは高屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂を用いることにより図られる。
上記の屈折率を向上させる樹脂に含まれる分子及び原子としては、F以外のハロゲン原子、S、N、Pの原子、芳香族環等が挙げられる。
防汚機能を有する(防汚層)は、ディスプレイ用フィルターに、人が指で触ることによって油脂性物質が付着するのを防止したり、大気中のごみや埃が付着するのを防止したり、あるいはこれらの付着物が付着しても除去しやすくするための層である。かかる防汚層としては、例えば、フッ素系コート剤、シリコーン系コート剤、シリコン・フッ素系コート剤等が用いられる。防汚層の厚さは、1〜10nmの範囲が好ましい。
前述したように本発明の表面機能層は単一層であっても、複数層であってもよい。複数構成の表面機能層としては、a)ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、b)高屈折率ハードコート層/低屈折率層、c)ハードコート層/防眩層、d)ハードコート層/防眩性反射防止層、等が例示される。尚、上記a)〜d)の構成において、右側に記載の層が視認側に配置される。
また、表面機能層が単一層の場合は、複数の機能を併せ持つのが好ましい。かかる単一層の例としては、e)反射防止性ハードコート層(反射防止機能とハードコート機能を有する単一層)、f)防眩性ハードコート層(防眩機能とハードコート機能を有する単一層、g)防眩性反射防止ハードコート層(防眩機能と反射防止機能とハードコート機能を有する単一層)、h)防眩性反射防止層(防眩機能と反射防止機能を有する単一層)、等が例示される。
防汚層は、上記した複数構成あるいは単一構成の表面に、これらの層の機能を阻害しない程度に、薄膜(1〜10nm)で形成することができる。
本発明にかかる表面機能層の厚みは、1〜12μmの範囲である。表面機能層が複数層で構成されている場合は、複数層の合計の厚みが表面機能層の厚みとなる。表面機能層の厚みは、2〜10μmの範囲が好ましく、3〜8μmの範囲がより好ましい。
ここで、表面機能層の厚みは、導電層の金属メッシュ部の開口部上に塗工形成された表面機能層の厚みである。
表面機能層の厚みが、1μm未満の場合は、表面機能層としての機能が十分に得られず、逆に、表面機能層の厚みが12μmを越えると、表面機能層の塗工、乾燥の工程において、塗工速度、乾燥速度、あるいは硬化速度が低下する。また、表面機能層が12μmを越えると、表面機能層としてハードコート層を含む場合は、ハードコート層の重合収縮によりカールが発生しやすくなるという問題、原材料コストが上昇するという問題がある。
表面機能層の良好な塗工性を得るという観点から、導電層の厚みと表面機能層の厚みの関係において、好ましい範囲が存在する。即ち、導電層の厚み100%に対して、表面機能層の厚みは、80%以上が好ましく、100%以上がより好ましく、110%以上が更に好ましく、特に120%以上が好ましい。上限は、500%以下が好ましく、400%以下がより好ましく、特に300%以下が好ましい。
本発明にかかる表面機能層は、導電層上に塗工形成されるが、表面機能層を塗工形成するための塗布方式としては、ディップコーティング法、スピンコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、リーバースコート法、ロッドコート法、バーコート法、スプレー法、ロールコーティング法等の公知のウェットコーティング法を用いることができる。
本発明のディスプレイ用フィルターには、更に近赤外線遮蔽機能、色調調整機能、あるいは可視光透過率調整機能の中から選ばれる少なくとも一つの機能を有する層を付与するのが好ましい。
近赤外線遮蔽機能は、波長800〜1100nmの範囲における光線透過率の最大値が15%以下となるように調整するのが好ましい。近赤外線遮蔽機能は、基材や表面機能層、あるいは後述する接着層に近赤外線吸収剤を混錬、分散することによって付与してもよいし、近赤外線遮蔽層を新たに設けてもよい。近赤外線遮蔽機能は、近赤外線吸収剤を用いることによって、あるいは導電性薄膜のような金属の自由電子によって近赤外線を反射する層を設けることによって付与することができる。本発明においては、近赤外線吸収剤を樹脂バインダー中に分散もしくは溶解した塗料を塗布乾燥して形成した近赤外線遮蔽層を用いること、あるいは表面機能層や接着層に上記近赤外線吸収剤を含有させる態様が好ましく用いられる。近赤外線吸収剤としては、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系化合物、ジイモニウム系化合物等の有機系近赤外線吸収剤、あるいは酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、硫化亜鉛、セシウム含有酸化タングステン等の無機系近赤外線吸収剤を用いることができる。
上記した近赤外線遮蔽層を新たに設ける場合は、基材と導電層との間、もしくは基材に対して導電層とは反対面に、基材に塗工形成して設けることができる。
近赤外線遮蔽機能を基材より視認側に付与する場合は、耐光性に優れる無機系近赤外線吸収剤を用いるのが好ましい。
色調調整機能は、ディスプレイから発光される特定波長の光を吸収して色純度や白色度を向上させるための機能である。特に赤色発光の色純度を低下させるオレンジ光を遮蔽するのが好ましく、波長580〜620nmの範囲に吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。更に、白色度を向上させるために波長480〜500nmに吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。色調調整機能は、上記した波長の光を吸収する色素を含有する層を新たに設けてもよいし、上述の近赤外線遮蔽層、表面機能層あるいは接着層に色素を含有させてもよい。
可視光透過率調整機能は、可視光の透過率を調整するための機能であり、染料や顔料を含有させて調整することができる。可視光透過率調整機能は、基材、近赤外線遮蔽層、表面機能層、あるいは接着層に付与してもよいし、新たに透過率調整層を設けてもよい。
上述した色調調整機能を有する層及び可視光透過率調整機能を有する層をそれぞれ新たに設ける場合、これらの層は基材と導電層との間、もしくは基材に対して導電層とは反対面に設けることができる。
本発明のディスプレイ用フィルターは、画像表示パネルに直接、あるいはガラス板、アクリル板、ポリカーボネート板等の公知の高剛性基板を介して装着することができる。ディスプレイ用フィルターには、画像表示パネルあるいは高剛性基板に貼り付けるための接着層を設けるのが好ましい。本発明のディスプレイ用フィルターは、画像表示パネルに接着層を介して直接に貼り付けることが好ましい。
接着層には、前述したように近赤外線遮蔽機能、色調調整機能、あるいは可視光透過率調整機能を付与することができる。また、接着層に、ディスプレイを衝撃から保護するための衝撃緩和機能を付与することは好ましい態様である。接着層に衝撃緩和機能を付与するには、接着層の厚みを100μm以上にすることが好ましく、300μm以上がより好ましい。上限の厚みは、接着層のコーティング適性を考慮して3000μm以下が好ましい。
接着層には、公知の接着材あるいは粘着材を用いることができる。粘着材としては、アクリル、シリコーン、ウレタン、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニルなどが挙げられる。接着材としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1、2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジエンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート 、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂などが挙げられる。
本発明のディスプレイ用フィルターは、導電層の表面機能層側において、金属ベタ部の一部が露出していることが好ましい。これにより導電層の金属ベタ部からアース電極を取り出すことができるからである。そこで、導電層の金属ベタ部からアース電極を取り出す方法について説明する。その1つの方法は、レーザーを用いて、金属ベタ部上の表面機能層を部分的に除去する方法である。このアース電極の形成方法は、以降、「レーザー電極形成方法」と称す。
レーザー電極形成方法は、表面機能層の表面から、あるいは表面機能層上に表面機能層を保護するためのカバーフィルムが積層されている場合はカバーフィルムの表面から、レーザーを照射して、導電層上に配置された表面機能層、あるいは機能層とカバーフィルムを部分的に、蒸発、燃焼させて除去し、溝状の空隙を形成することによって、導電層の表面機能層側の金属ベタ部を部分的に露出させる方法である。
レーザー電極形成方法は、レーザーを照射することによって導電層上に配置された表面機能層やカバーフィルム等の有機物を蒸発あるいは燃焼させることによって空隙を形成することができるので、物理的に表面機能層やカバーフィルムを剥離除去する方法に比べて、ディスプレイ用フィルターのダメージ(特に導電層の破壊)が大幅に軽減され、生産性も大幅に向上する。また、レーザー電極形成方法は、空隙の幅、深さの制御を精度よく行うことができる。
レーザー電極形成方法に用いられる、レーザーの出力源としては、ヨウ素、YAG、COなどがあるが、特にCOレーザーは、空隙幅及び空隙深さが精度よく制御できること、及び金属からなる導電層は破壊せずに表面機能層やカバーフィルムを蒸発・燃焼させて空隙を形成できる点で好ましい。
導電層を部分的に露出させるための空隙をレーザー照射で形成する場合、空隙の幅及び深さは、レーザーの焦点位置、レーザーの出力、及びレーザーの走査速度(ヘードスピード)を調整することによって制御することができる。
図4は、本発明のディスプレイ用フィルターの一例を示す平面図であり、図5は、図4のA−A模式断面図である。この態様のディスプレイ用フィルターは、基材3の一方の面に、金属メッシュ部1と金属ベタ部2を有する導電層4が設けられ、導電層4の上に表面機能層5が積層されている。基材3の他方の面には、近赤外線遮蔽機能と色調調整機能を併せ持つ粘着剤層6が積層されている。
レーザーを照射することによって、金属ベタ部2の上に積層された表面機能層の一部が除去されて、空隙11が形成されている。空隙11によって金属ベタ部2の一部は露出した状態になっている。この金属ベタ部の露出部分がアース電極となる。
金属ベタ部を露出するための空隙は、図4に示されているようにディスプレイ用フィルターの4辺に形成されることが好ましい。
金属ベタ部を露出するための空隙は、細長い溝状の空隙であることが好ましい。空隙の幅は、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、更に1.5mm以下が好ましい。空隙の幅の下限としては、0.3mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましい。空隙の幅が3mmより大きい空隙を形成するためには、レーザーの操作回数を多くする必要があり、生産性が低下する。一方、空隙の幅が0.3mmより小さくなると、アース電極としての機能が十分に発現しない場合がある。即ち、筐体(外部電極)との導通が不十分になり十分な電磁波遮蔽効果が得られない場合がある。ここで、空隙に幅とは、表面機能層の表面位置における空隙の開口幅である。
ディスプレイ用フィルターの1辺における空隙の長さは、ディスプレイ用フィルターの1辺の長さ100%に対して10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、特に50%以上が好ましい。上限は100%である。上記の比率は高い方が電磁波遮蔽性能の観点から好ましい。本発明における空隙は、直線状に連続した空隙であってもよいし、破線状の不連続な空隙であってもよい。後者の不連続な空隙の場合は合計の長さが上記比率の対象となる。
上述した表面機能層が導電層上に直接に配置された態様においては、導電層上には表面機能層のみしか存在しないので、上記した空隙によって形成された導電層の露出部分は、アース電極として十分なる機能を有する。
上記の金属ベタ部の露出部が、アース電極として十分なる機能を果たすためには、表面機能層の厚みは小さい方が好ましく、表面機能層の厚みを12μm以下とすることは、レーザー電極形成方法を適用する上で極めて有効である。
金属ベタ部上に設けられた空隙に、更に導電性材料を配置することができる。空隙に導電性材料を配置する1つの態様として、空隙に導電性ペーストやはんだ等の流動性の導電性材料を塗布あるいは充填する態様がある。導電性ペーストとしては、銀、金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、あるいは銀とそれ以外の金属の合金などを含有する金属ペーストを用いることができる。
空隙に導電性材料を配置する更に他の態様として、導電性粘着テープを空隙の上から貼り付ける態様がある。導電性粘着テープを貼り付けた後にヒートシーラー等で導電性粘着テープを加熱加圧するのが好ましい。本発明のディスプレイ用フィルターは、フィルター最表面から金属ベタ部表面までの距離が短いため、導電性粘着テープを加熱加圧することで、導電性粘着テープを金属ベタ部と接触させることができる。導電性粘着テープは、金属箔の一方の面に導電性粒子を分散させた粘着層を設けたものであって、この粘着層には、アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤や、エポキシ系、フェノール系樹脂に硬化剤を配合したものを用いることができるが、特に架橋型導電粘着剤であるエチレン−酢酸ビニル系共重合体を主成分とするポリマーとその架橋剤とを含む後架橋型接着層であるものが好ましい。
また、空隙に導電性ペーストやはんだ等の流動性の導電性材料を塗布あるいは充填し、導電性材料が固化あるいは硬化した後、導電性材料の上に導電性粘着テープを貼り付けることも好ましく用いられる。
導電性粘着テープは、空隙のほぼ全域に貼り付けることが好ましい。空隙に導電性材料を配置する場合については、空隙の全域に導電性材料を配置することが好ましく、更に導電性材料の上に導電性粘着テープを貼り付ける場合は、導電性材料のほぼ全面に導電性粘着テープを貼り付けることが好ましい。
上述したレーザー電極形成方法は、表面機能層の上から行ってもよいし、カバーフィルムの上から行ってもよいが、カバーフィルムの上から実施することが好ましい。カバーフィルムの上からレーザーを照射して空隙形成することによって、空隙形成時に発生する有機物の分解物残渣が表面機能層へ再付着するのを防止するという利点がある。
また、空隙に導電性ペーストやはんだ等の流動性の導電性材料を塗布あるいは充填する工程は、カバーフィルムの上から行うことが好ましい。導電性材料の塗布あるいは充填作業において、導電性材料が空隙からはみ出して、空隙周辺の表面機能層を汚染することを防止することができる。
次に、ディスプレイ用フィルター側にはアース電極を設けずに、ディスプレイ用フィルターをディスプレイに装着した後に、ディスプレイ用フィルターと筐体の前面カバーとの間に介在させるガスケットによってアース電極を取り出す方法について説明する。かかる態様は、金属ベタ部上の表面機能層を貫通もしくは擦傷して金属ベタ部と接触することが可能な形状または手段を備えたガスケットを、ディスプレイ用フィルターと前面カバーとの間に介在させる態様である。具体的には、この態様は、ガスケットに設けられた突起等を表面機能層に突き刺して突起と金属ベタ部を接触させてアース電極を取り出す方法である。
図6は、一般的なプラズマディスプレイの主要構成部分の模式断面図である。図6において、ディスプレイ用フィルター100はディスプレイの画像表示パネル21に貼り付けられており、画像表示パネル21の画像表示領域の外周(非画像表示領域)には筐体の前面カバー22がディスプレイ用フィルター100を画像表示パネル21に押圧するように組み立てられている。ディスプレイ用フィルター100と前面カバー22の間にはガスケット23が配置されており、ガスケット23はディスプレイ用フィルター100に形成されたアース電極(図示せず)と前面カバー22の外部電極(図示せず)とを電気的に接続し、アースしている。
ここで、従来から一般的に採用されているガスケットは、弾性体、例えばスポンジやゴム等の弾性部材の周囲を導電性繊維で織った布を巻き付けたものである。
上記の従来のガスケットに代えて、図7に示すような、表面機能層を貫通もしくは擦傷して金属ベタ部と接触することが可能な形状または手段を備えたガスケット(以降、突起付きガスケットと称す)を用いることによって、ディスプレイ用フィルター側にアース電極を形成せずに、ディスプレイ用フィルターの金属ベタ部からアース電極を取り出すことができる。
図7は、突起付きガスケットの例を示す模式断面図である。図7aの突起付きガスケットは導電性金属板41の一方の面に導電性の突起42を有しており、図7bの突起付きガスケットは導電性金属板41の一方の面に導電性の針43を有している。図7cの突起付きガスケットは、導電性金属からなる板バネ44に導電性の突起42が設けられている。
また、上記の突起や針の代わりに連続刃を用いることができる。
上記した突起付きガスケットは、表面機能層を貫通もしくは擦傷することができる形状または手段を有しており、前面カバー22を押圧することによって、ガスケット23の一部が表面機能層を貫通もしくは擦傷して金属ベタ部と接触し、金属ベタ部からアース電極を取ることができるようになる。
上記の突起付きガスケットを用いる態様は、導電層上に厚みが比較的小さい表面機能層が直接に積層されたディスプレイ用フィルターを用いる態様に好適である。即ち、導電層上には、厚みが12μm以下の表面機能層のみしか有しない場合に、突起付きガスケットを用いることによって、金属ベタ部からアース電極を取り出すことが可能となる。
上記の突起付きガスケットを用いる態様は、本出願人が特願2007−241982号で既に提案しており、同出願明細書を参照して、本発明に組み入れることができる。
上記の突起付きガスケットを用いる態様は、ディスプレイ用フィルターに全く電極を形成しない場合に好適に用いられるが、前述したように、レーザー電極形成方法と組み合わせて用いることができる。例えば、ディスプレイ用フィルターの対向する2辺にレーザー電極形成を実施し、残りの対向する2辺には電極を形成せずに、突起付きガスケットを用いる態様が挙げられる。
本発明にかかるディスプレイ用フィルターの製造方法について、その一例を説明する。先ず、長尺状の基材の長手方向に導電層が連続的もしくは断続的に形成される。ここで、導電層が連続的に形成されるとは、金属メッシュ部と金属ベタ部からなる、ディスプレイ用フィルター1枚単位の導電層が、長尺基材の長手方向に隙間なく、数十枚単位〜数千枚単位で形成されることを言い、導電層が断続的に形成されるとは、長尺基材の長手方向に、1枚単位の導電層と隣接する1枚単位の導電層が、数mm〜数cmの間隔で数十枚単位〜数千枚単位形成されることを言う。
ここで、長尺積層体の長手方向の長さは、30〜3000mの範囲が適当であり、50〜2000mの範囲が好ましい。長尺積層体の幅方向の長さは、42インチサイズのディスプレイ用フィルターの短辺側の長さ以上であることが好ましく、従って600mm以上が好ましい。長尺積層体の幅方向長さの上限は、導電性メッシュを有する導電層の製造設備や機能性表面層の塗工装置の許容幅を考慮し、2000mm程度が適当である。また、長尺基材の幅方向に、ディスプレイ用フィルター1枚単位の導電層が2〜3枚形成できるようにすることが、生産効率向上の観点から好ましい。
表面機能層は、導電層が形成された長尺基材の導電層上に連続的に塗工形成される。表面機能層は、導電層の金属メッシュ部と金属ベタ部を被覆するように、直接に塗工されることが好ましい。塗工された表面機能層は、乾燥、及び必要に応じて硬化され、更に必要に応じて表面機能層の上にカバーフィルムが積層され、ロール状に巻き取られる。
次に、導電層及び表面機能層が積層された長尺基材の導電層とは反対面に、近赤外線遮蔽機能、色調調整機能等を併せ持つ粘着剤層が積層されて、ディスプレイ用フィルターのための長尺積層体が製造される。
この長尺積層体は、1枚単位のディスプレイ用フィルターに打ち抜きされ、前述したレーザー電極形成方法により、アース電極が取り出される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本実施例で作製されたディスプレイ用フィルターの各サンプルの評価方法を以下に示す。
(1)導電層の厚み
ミクロトームにてサンプル断面を切り出し、その断面を電解放射型走査電子顕微鏡((株)日立製S―800、加速電圧26kV、観察倍率3000倍)にて観察し、導電層の厚みを計測した。
20cm×20cmサイズのサンプル1枚から任意の5箇所について計測し、その平均値を導電層の厚みとした。尚、小数点以下2桁目を四捨五入した。
(2)表面機能層(ハードコート層)の厚み
サンプルの金属メッシュ部の開口部分をミクロトームにて断面を切り出し、その断面を電解放射型走査電子顕微鏡((株)日立製S―800、加速電圧26kV、観察倍率3000倍)にて観察し、表面機能層(ハードコート層)の厚みを計測した。
20cm×20cmサイズのサンプル1枚から任意の5箇所について計測し、その平均値を表面機能層(ハードコート層)の厚みとした。尚、小数点以下2桁目を四捨五入した。
(3)表面機能層(ハードコート層)の塗工性
表面機能層(ハードコート層)の塗工面を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○;塗布面が均一で良好である。
△;塗布面に薄い塗布スジや塗布ムラがある。
×;塗布面に目立つ塗布スジや塗布ムラがある。
(4)カール性
表面機能層を塗工後のサンプル(カバーフィルム及び接着層なし)を、長辺が964mmで短辺が554mmのサイズに切断し、平面上に放置してカールの状態を目視で評価した。
○;カールがない。
△;カールが僅かにある。
×;カールが大きくある。
(実施例1)
<導電層の形成>
厚み100μmのPETフィルム(東レ(株)製のルミラー;登録商標)の片面に、スパッタリング法によりニッケル層(厚み0.02μm)を形成し、その上に、真空蒸着法により銅層(厚み2.5μm)を形成し、更にその上に、真空蒸着法により酸化銅の層(0.02μm)を形成した。
その後、この酸化銅層側の表面にフォトレジストネガフィルムを貼り付け、金属メッシュ部と金属ベタ部を形成するためのマスクを介してフォトレジストネガフィルムを露光、現像し、次いでエッチング処理を施して、図1の態様の導電層を形成した。
この導電層の金属メッシュ部は、線幅が10μmで線ピッチが200μmの格子状のメッシュパターンからなり、金属ベタ部は幅が15mmの額縁状である。
この導電層のディスプレイ用フィルター1枚単位の寸法は、長辺が964mm、短辺が554mmであり、PETフィルムの長手方向に100枚単位の導電層を連続的に形成した。
<ハードコート層の塗工形成>
上記の導電層が形成されたPETフィルムの導電層上に、下記のハードコート層塗工液を硬化後の膜厚みが8μmとなるようにマイクログラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層を形成した。
<ハードコート層用の塗工液>
市販のハードコート剤(JSR製 オプスター(登録商標)Z7534;固形分濃度60質量%)を、固形分濃度が45質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈し、平均粒子径3μmのアクリル系粒子(綜研化学製 ケミスノー(登録商標)MXシリーズ)を3質量%添加してハードコート層用塗工液を作製した。尚、上記のアクリル系粒子の濃度は、ハードコート層の全固形分(有機溶媒を除く全成分)100質量%に対する濃度である
<接着層の積層>
前記PETフィルムの導電層とは反対面に、近赤外線吸収色素(芳香族ジチオール系金属錯体)とNe光カット色素(テトラアザポルフィリン)を含有するアクリル系熱硬化型粘着剤層(厚み25μm)を積層した。
(実施例2)
ハードコート層の厚みが5μmとなるように塗工する以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。
(実施例3)
ハードコート層の厚みが11μmとなるように塗工する以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。
(比較例1)
以下の導電層に変更する以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。
<導電層の形成>
厚み100μmのPETフィルム(東レ(株)製のルミラー;登録商標)の片面に、厚み10μmの電解銅箔(日本電解(株)製、PBR10A)を、厚み20μmのポリエステル系接着剤(東洋紡績製のバイロンUR1350)を介して貼り合わせた。
次に、銅箔の表面にフォトレジストネガフィルムを貼り付け、金属メッシュ部と金属ベタ部を形成するためのマスクを介してフォトレジストネガフィルムを露光、現像し、次いでエッチング処理を施して、図1の態様の導電層を形成した。
この導電層の金属メッシュ部は、線幅が10μmで線ピッチが200μmの格子状のメッシュパターンからなり、金属ベタ部は幅が15mmの額縁状である。
この導電層のディスプレイ用フィルター1枚単位の寸法は、長辺が964mm、短辺が554mmであり、PETフィルムの長手方向に100枚単位の導電層を連続的に形成した。
(比較例2)
ハードコート層の厚みが11μmとなるように塗工する以外は、比較例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。
(比較例3)
ハードコート層の厚みが18μmとなるように塗工する以外は、比較例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。
(実施例4)
実施例1の導電層上に、下記のハードコート層、高屈折率層、低屈折率層を順次塗工形成する以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。ハードコート層の厚みは6μm、高屈折率層の厚みは0.1μm、低屈折率層の厚みは0.1μmとなるように塗工した。
<ハードコート層>
市販のハードコート剤(JSR(株)製 オプスター(登録商標)Z7534;固形分濃度60質量%)を、固形分濃度が45質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈してハードコート層用塗工液とした。この塗工液をマイクログラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層を形成した。
<高屈折率層>
市販の高屈折率・帯電防止塗料(JSR(株)製 オプスター (登録商標) TU4005)をイソプロピルアルコールで固形分濃度8%に希釈して高屈折率層用塗工液とした。この塗工液を、マイクログラビアコーターで塗布し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層上に屈折率が1.65の高屈折率層を形成した。
<低屈折率層>
市販の低屈折率層用塗料(JSR(株)製 オプスター(登録商標) TU2180)をメチルイソブチルケトンで固形分濃度が3質量%になるように希釈して低屈折率層用塗工液とした。この塗工液をマイクログラビアコーターで塗布し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、高屈折率層上に屈折率が1.37の低屈折率層を形成した。
<評価>
上記のようにして作製したサンプルについて、評価した結果を表1に示す。
Figure 2010067806
表1の結果から、本発明の実施例は、表面機能層(ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層)の塗工性及びカール性が良好であることが分かる。
一方、厚みが10μmの導電層を用いた比較例1、2は、ハードコート層の厚みが12μm以下では、良好な塗工性が得られない。ハードコート層の厚みが17.7μmの比較例3は、カール性が悪化している。
<アース電極の取り出し>
実施例1〜4で作製したディスプレイ用フィルターを、長辺964mm、短辺554mmのシート状に切断して1枚のディスプレイ用フィルターを切り出した。このディスプレイ用フィルターをレーザーカッター(コマックス製のCOレーザーカッター)に装着して、ディスプレイ用フィルターの4辺にそれぞれ端部から10mm内側に直線状にレーザーを照射して、金属ベタ部上に連続した直線状の空隙を形成した。レーザーはハードコート層の表面から照射し、ハードコート層を貫通し、金属ベタ部に達する空隙を形成した。この空隙によって形成された金属ベタ部の露出部がアース電極となる。
上記のようにして形成された空隙の長さは、長辺側で940mm、短辺側で530mmであり、空隙の幅は0.8mmである。
<アース性能の評価>
厚み1mm、幅2cmのアルミ板の一方の面に、スポンジの周辺に導電性繊維で織った布を巻き付けたガスケットを導電性接着材で接合して、簡易的な筐体(外部電極)を作製した。次に厚み3mmのアクリル板の上に、上記で作製したディスプレイ用フィルターを設置した後、ディスプレイ用フィルターの4辺の金属ベタ部の露出部に上記の簡易的筐体を配置しクランプでアクリル板に固定した。アクリル板と簡易的筐体の距離が一定になるようにクランプの締め付けを調整した。次に、マルチ計測器(株)製の抵抗測定器「ポケットマルチメーター」を使用し、簡易的筐体のアルミ板に端針を当てて対向する2辺のアース電極間の導通を確認した。その結果、実施例1〜4のディスプレイ用フィルターはいずれも、導通があり、アースがとれることを確認した。
本発明の導電層の一例の平面図。 本発明の導電層の他の例の平面図。 本発明の導電層の更に他の例の平面図。 本発明のディスプレイ用フィルターの一例を示す平面図。 図4のA−A模式断面図。 一般的なプラズマディスプレイの主要構成部分の模式断面図。 発明に用いられる突起付きガスケットの模式断面図。
符号の説明
1 金属メッシュ部
2 金属ベタ部
3 基材
4 導電層
5 表面機能層
6 粘着剤層
7 画像表示領域
11 空隙
21 画像表示パネル
22 筐体の前面カバー
23 ガスケット
41 導電性金属板
42 導電性の突起
43 導電性の針
44 導電性の板バネ
100 ディスプレイ用フィルター

Claims (3)

  1. 基材上に、金属メッシュ部の周辺の全部もしくは一部に金属ベタ部を有する導電層を有し、該導電層上に表面機能層を有するディスプレイ用フィルターであって、
    前記導電層の厚みが0.5μm以上4μm未満で、前記表面機能層の厚みが1μm以上12μm以下で、前記導電層の金属メッシュ部と金属ベタ部の上に表面機能層が積層されていることを特徴とする、ディスプレイ用フィルター。
  2. 前記導電層の金属メッシュ部が、基材上に気相製膜法で形成された金属薄膜をエッチングすることによって形成された金属メッシュである、請求項1に記載のディスプレイ用フィルター。
  3. 導電層の表面機能層側において、前記金属ベタ部の一部が露出している、請求項1または2に記載のディスプレイ用フィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019110282A (ja) * 2017-12-18 2019-07-04 インクテック カンパニー, リミテッドInktec Co., Ltd. 電磁波遮蔽フィルム、印刷回路基板の製造方法及び電磁波遮蔽フィルムの製造方法

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