JP2016191967A - 窒素含有Cu合金膜、積層膜、およびこれらの製造方法、ならびにCu合金スパッタリングターゲット - Google Patents

窒素含有Cu合金膜、積層膜、およびこれらの製造方法、ならびにCu合金スパッタリングターゲット Download PDF

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陽子 志田
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Abstract

【課題】低電気抵抗であって高い導電性を有すると共に、金属薄膜部分からの反射が抑制され視認性の改善された低反射積層膜を提供する。
【解決手段】NiとAlから選択される少なくとも1種のX元素を含み、残部がCuおよび不可避不純物であり、膜の一部が窒化し、かつ、膜厚が50nmである場合の、波長650nmの反射率が45%以下であると共に、波長650nmの光吸収率が40%以上であることを特徴とする窒素含有Cu合金膜。
【選択図】図3

Description

本発明は、窒素含有Cu合金膜、積層膜、およびこれらの製造方法、ならびにCu合金スパッタリングターゲットに関する。
金属材料は高い導電性を示すが、反射率が高い。よって例えばタッチパネルのセンサー電極に、ITO薄膜よりも低抵抗を実現できる材料として金属を、メッシュ状に加工した金属メッシュ配線が提案されている。しかし上述の通り反射率が高いため、該配線のメッシュパターンが可視化するといった課題がある。よって上記電極に金属薄膜を用いた場合、該金属薄膜からの反射を抑制することが求められる。この金属薄膜からの反射が抑制されることを、以下「視認性が改善される」ということがある。この視認性が改善された電極構造として、例えば下記特許文献1〜3の技術が挙げられる。
例えば特許文献1には、基板上に相互離隔される複数の導電性パターンセルを形成し、前記導電性パターンセル上に絶縁層を形成し、前記絶縁層上に黒色の導電材料を用いて前記導電性パターンセルを相互接続するブリッジ電極を形成することを特徴とするタッチパネルの電極パターンの製造方法が示されている。前記ブリッジ電極は、Al、Au、Ag、Sn、Cr、Ni、TiまたはMgの金属を用い、薬品との反応により酸化、窒化、フッ化して、黒色化することが示されている。
上記特許文献1には、金属の黒色化処理によるブリッジ電極の反射率低減化技術は示されているが、電気抵抗率の低減は全く考慮されていない。そのため、上記例示では、金属酸化物により電極が高抵抗化する場合もあり、電極には不適である。また、上記特許文献1には、Ag窒化物やMg酸化物などのように反応性が高く取り扱いが困難であるか、微細加工が困難である金属も含まれており、実用性に欠けると思われる。
特許文献2には、配線部の金属光沢反射光によりタッチパネル下に配置されるディスプレイの視認性を低下することなく、メッシュ状としても2枚のフィルムの貼り合わせのズレが生じない透明導電性フィルムに適用することが可能な積層体が示されている。該積層体として、少なくとも黒化層を2層、基材を1層有する積層体が示されている。また前記黒化層として、窒化銅、酸化銅、窒化ニッケル、及び酸化ニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む層が示されている。また黒化層は好ましくは、層の全体100原子%において、銅およびニッケルの合計含有量(原子数基準)が50原子%以上95原子%以下の層であり、かつ窒素および酸素の合計含有量(原子数基準)が5原子%以上50原子%以下の層であることが示されている。
特許文献3には、経時においても黒化の色調が変化することがなく、タッチパネル下に配置されるディスプレイの視認性を低下することがない透明導電性フィルムに適用することが可能な積層体が示されている。また該積層体は、黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることが示されている。
特開2013−127792号公報 特開2013−129183号公報 特開2013−169712号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高い導電性を示すと共に、金属薄膜からの反射が抑制され視認性の改善された、低反射導電膜または低反射配線として有用な積層膜を提供することにある。
また、例えばサブミクロンパターンの配線等として用いる場合には、ウェットエッチング法による配線加工が一般に施される。特にCu系薄膜の加工には、塩化鉄を含むエッチング液が安価なエッチング液として利用される。この塩化鉄を含むエッチング液を用いた場合であっても配線加工を良好に行えることが求められる場合もある。以下、上記「配線加工を良好に行うことができる」ことを「配線加工性に優れた」ということがある。本発明は、可視光域に高い光吸収率を有し光吸収膜として有用であって、上記の配線加工性にも優れた単層膜として、窒素含有Cu合金膜を提供することも目的とする。更には、該窒素含有Cu合金膜を有し、高い導電性を示すと共に視認性が改善され、かつ配線加工性にも優れた、低反射導電膜または低反射配線として有用な積層膜を提供することも目的とする。
上記課題を解決し得た本発明の窒素含有Cu合金膜は、NiとAlから選択される少なくとも1種のX元素を含み、残部がCuおよび不可避不純物であり、膜の一部が窒化し、かつ膜厚が50nmである場合の、波長650nmの反射率が45%以下であると共に、波長650nmの光吸収率が40%以上であるところに特徴がある。
また上記課題を解決し得た本発明の積層膜は、第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜と、第2層として、膜厚50nmにおける波長650nmの反射率が45%以下であって、波長650nmの光吸収率が40%以上である、膜の一部が窒化したCu膜とを有し、かつ第1層と第2層の2層積層膜の可視光反射率が45%以下であると共に、該2層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であるところに特徴がある。前記可視光反射率とは、後述する実施例に示す通り、波長450nm、550nm、650nmの全ての波長の反射率をいう。以下同じである。
また上記課題を解決し得た本発明の別の積層膜は、第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜と、第2層として、膜厚50nmにおける波長650nmの反射率が45%以下であって、波長650nmの光吸収率が40%以上である、膜の一部が窒化したCu膜と、第3層として、In、Zn、SnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物膜とを有し、かつ前記第1層、第2層および第3層の3層積層膜の可視光反射率が30%以下であると共に、該3層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であるところに特徴がある。
また上記課題を解決し得た本発明の別の積層膜は、第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜と、第2層として、前記窒素含有Cu合金膜とを有し、かつ第1層と第2層の2層積層膜の可視光反射率が45%以下であると共に、該2層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であるところに特徴がある。
また上記課題を解決し得た本発明の別の積層膜は、第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜と、第2層として、前記窒素含有Cu合金膜と、第3層として、In、Zn、SnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物膜とを有し、かつ前記第1層、第2層および第3層の3層積層膜の可視光反射率が30%以下であると共に、該3層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であるところに特徴がある。
前記第1層は、Mn、Ni、Co、Ge、ZnおよびTiよりなる群から選択される少なくとも1種のZ元素を含むCu合金膜であることが好ましい。
前記第3層は、少なくともInを含む酸化物膜であることが好ましい。また、前記第1層の膜厚は40〜400nmであることが好ましい。
本発明は、前記窒素含有Cu合金膜を有する低反射導電膜または低反射配線や、前記積層膜を有する低反射導電膜または低反射配線も包含する。また本発明には、前記低反射導電膜または低反射配線を含む、表示装置、タッチパネルセンサーおよび電磁波シールドも包含する。更に本発明には、前記窒素含有Cu合金膜を形成するためのCu合金スパッタリングターゲットも含まれる。
本発明は更に、前記窒素含有Cu合金膜または積層膜を製造する方法も包含する。該方法は、前記窒素含有Cu合金膜または前記膜の一部が窒化したCu膜を、窒素ガスまたは窒素含有ガスを含む雰囲気下で反応性スパッタリング法により形成するところに特徴を有する。
本発明によれば、高い導電性を示すと共に視認性の改善された、低反射導電膜または低反射配線として有用な積層膜を提供できる。また、可視光域に高い光吸収率を有し光吸収膜として有用であり、かつ配線加工性にも優れた単層膜として窒素含有Cu合金膜を提供できる。更には、前記窒素含有Cu合金膜を有し、高い導電性を示すと共に視認性が改善され、かつ配線加工性にも優れた、低反射導電膜または低反射配線として有用な積層膜を提案できる。本発明の積層膜は、上記の通り配線加工性にも優れているので、ウェットエッチング法にて塩化鉄を含むエッチング液を用いた場合であっても、良好な配線形状、例えばサブミクロンパターンの配線を得ることができる。
図1は、Cu−Ni−N薄膜とCu薄膜からなる2層積層膜の配線加工でサイドエッチング幅が5.0μmとなるときの、Ni添加量と膜厚の比率との関係を示した図である。 図2は、Cu−Al−N薄膜とCu薄膜からなる2層積層膜の配線加工でサイドエッチング幅が5.0μmとなるときの、Al添加量と膜厚の比率との関係を示した図である。 図3は、本発明の積層膜の構造例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図6は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図7は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図8は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図9は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図10は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図11は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図12は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。 図13は、一般的な液晶表示装置の構成を模式的に示す概略断面図である。 図14は、静電容量型のタッチパネルにおける入力装置の一例を示す概略平面図である。 図15は、前記図14の点線A−Aにおける断面構造の一例を示す概略断面図である。 図16は、前記図14の点線A−Aにおける断面構造の別の一例を示す概略断面図である。 図17は、静電容量型のタッチパネルにおける入力装置の別の一例を示す概略平面図である。 図18は、前記図17の点線B−Bにおける断面構造の一例を示す概略断面図である。 図19は、前記図17の点線B−Bにおける断面構造の別の一例を示す概略断面図である。 図20は、実施例におけるサイドエッチングを説明した概略断面図である。 図21は、実施例におけるひさしを説明した概略断面図である。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、まず、低電気抵抗であって高い導電性を有すると共に、金属薄膜部分からの反射が抑制され視認性の改善された、上記先行技術とは異なる低反射積層膜として、下記の積層膜を見出した。即ち、本発明の積層膜は、第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜;と、第2層として、膜厚50nmにおける波長650nmの反射率が45%以下であって、波長650nmの光吸収率が40%以上である、膜の一部が窒化したCu膜;とを有し、かつ第1層と第2層の2層積層膜の可視光反射率が45%以下であると共に、該2層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であることを特徴とする。
本発明には更に、上記第1層、第2層に加え、第3層としてIn、Zn、SnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物膜とを有し、第1層、第2層および第3層の3層積層膜の可視光反射率が30%以下であると共に、該3層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であることを特徴とする積層膜も含まれる。
また規定の合金元素を含み、膜厚50nmの場合の、波長650nmでの反射率が45%以下であると共に、波長650nmでの光吸収率が40%以上である窒素含有Cu合金膜は、配線加工性の向上にも寄与する。本発明には更に、この窒素含有Cu合金膜を前記第2層として含む2層積層膜や3層積層膜が、低電気抵抗を示しかつ視認性が改善されると共に、優れた配線加工性も示し、低反射配線にも適用できることを見出した。
以下、各層について詳しく説明する。
(第1層)
本発明の第1層は、例えば導電膜として用いられる。そのため第1層は、電気抵抗率が10μΩ・cm以下の金属材料であれば利用することができ、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなる材料を用いることができる。この中でも低抵抗かつ安価であるCu膜またはCu合金膜のいずれかを利用することが好ましい。前記第1層の電気抵抗率は、5.0μΩ・cm以下であることが好ましい。この第1層の電気抵抗率は、光吸収層としての役割を担う第2層の電気抵抗率:約1mΩ・cm、光学調整層としての役割を担う第3層の電気抵抗率:約数百μΩ・cmよりも小さいため、電流は主として第1層を経由する。そのため積層膜自体のシート抵抗は導電膜である第1層の電気抵抗率に近い値となる。
第1層は、Mn、Ni、Co、Ge、ZnおよびTiよりなる群から選択される少なくとも1種のZ元素を含むCu合金膜であることが好ましい。前記Z元素を含むことによって、第1層と基板または他の層との密着性を高めることができる。上記第1層におけるCu合金膜として、上記Z元素を含み、残部がCuおよび不可避不純物からなるものが挙げられる。
第1層の膜厚は、積層膜のシート抵抗値:1.0Ω/□以下を達成するため、40nm以上であることが好ましい。第1層の膜厚は、より好ましくは70nm以上である。一方、第1層の膜厚が厚すぎると、成膜にかかる時間が長くなりプロセス時間が長くなる。その結果、材料コストの増加も招く。またウェットエッチング法による加工性や歩留まりが低下する。よって第1層の膜厚は400nm以下であることが好ましく、より好ましくは300nm以下である。
(第2層)
第2層は、導電層である第1層上に積層することで入射光を吸収し、反射光を制御できる。この様な光吸収層としての役割を担う第2層として、膜厚50nmでの波長650nmの反射率が45%以下であって、波長650nmの光吸収率が40%以上である、膜の一部が窒化したCu膜が挙げられる。以下、この膜を「窒素含有Cu膜」または「CuN膜」ということがある。
本発明において、「膜の一部が窒化」とは、上記第2層のCu膜中または後記のCu合金膜中に少なくとも窒素が含有されていれば良く、必ずしも、化学量論組成のCuの窒化物のみから構成される必要はない。すなわち、上記Cuの窒化物をCu−Nyと表した場合、例えばyは0.1at%であってもよい。
上記第2層中の窒素濃度は、第2層内で一定であってもよいし、濃度分布があってもよい。本発明において上記第2層は、基本的に積層構造の光学調整としての役割を担っているのみであり、規定の反射率および光吸収率を有する限り、第2層中の窒素含有量やその分布は問題としない。
上記第2層は、上述の通り光吸収層としての役割を担うべく、膜厚50nmの場合の、波長650nmの反射率が45%以下であると共に、波長650nmの光吸収率が40%以上を満たす必要がある。前記反射率は好ましくは40%以下であり、より好ましくは35%以下である。前記光吸収率は好ましくは45%以上である。
また前述の通り、本発明の積層膜を、特に低反射配線として使用する場合、配線加工性に優れていることも求められる。積層膜の配線加工性は、主に第1層と第2層のエッチングレート差によって決まる。例えば第1層がCu系膜、第2層が窒素含有Cu膜である積層膜の場合、上記第1層よりも上記第2層の方が、エッチングレートが早く、後述する実施例で評価するサイドエッチング幅またはひさし幅が大きくなりやすい。よって、良好な配線形状を得るには第1層と第2層のエッチングレートを近づける必要がある。
本発明者らは、低電気抵抗、低反射であると共に、配線加工性も良好な膜を得るべく鋭意研究を行った。その結果、NiとAlから選択される少なくとも1種のX元素を含み、残部がCuおよび不可避不純物であり、膜の一部が窒化した膜とすれば、優れた配線加工性が得られやすいことを見出した。以下、この膜を窒素含有Cu合金膜ということがある。
上記NiとAlから選択される少なくとも1種のX元素を含むことによって、このX元素を含まない場合よりもエッチングレートを遅くすることができ、その結果、配線加工性を改善することができる。これらの元素は、単独で用いてもよいし2種を併用してもよい。例えば、金属成分が、X元素としてNiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である窒素含有Cu合金膜や、金属成分が、X元素としてAlを含み、残部がCuおよび不可避不純物である窒素含有Cu合金膜が挙げられる。
より好ましくはX元素としてNiとAlの両方を含有させることが好ましい。例えば、金属成分が、X元素としてNiとAlの両方を含み、残部がCuおよび不可避不純物である窒素含有Cu合金膜が好ましく用いられる。
X元素の好ましい含有量は、Niの場合、5原子%以上であることが好ましく、より好ましくは10原子%以上、更に好ましくは20原子%以上である。Niは過剰に含有させても上記配線加工性の改善効果は飽和する。一方、Niは高価であるため、含有量が多い場合、材料コストの増加に繋がる。またNiは磁性を有する元素であるため、含有量が多い場合、この窒素含有Cu合金膜の形成方法として最適なスパッタリング法において、DC放電が困難となり、プロセス時間が増加するといった問題が生じうる。よってNi含有量の上限は70原子%以下であることが好ましく、より好ましくは50原子%以下である。
X元素としてAlを含む場合、Al含有量は3原子%以上であることが好ましく、4.5原子%以上であることがより好ましく、7原子%以上であることが更に好ましく、特に好ましくは15原子%以上である。また例えば上限を40原子%とすることができる。
上記第2層の膜厚は、例えば10nm〜300nmの範囲とすることができる。
(2層含有積層膜)
上記第1層と第2層を含む積層膜は、第1層と第2層の2層積層膜の可視光反射率が45%以下であると共に、該2層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下である。上記積層膜は、低反射導電膜として有用である。
前述の通り、第1層がCu系膜であり、第2層が窒素含有Cu膜である積層膜の場合、上記第2層のサイドエッチング幅が大きくなりやすい。この場合、第1層の膜厚と第2層の膜厚の比率を制御することによって配線加工性を高めることができる。具体的には、第1層膜厚/第2層膜厚を1.4以下とすることが好ましい。より好ましい第1層膜厚/第2層膜厚は1.0以下である。
また前述の通り、第2層として窒素含有Cu合金膜を含む積層膜の場合、NiやAl等の合金元素の添加によりエッチングレートが遅くなるため、配線加工性が改善される。しかしより確実に優れた配線加工性を確保するには、下記の通り積層構造、具体的には第1層の膜厚と第2層の膜厚の比率を制御することが有効である。
例えば、第1層としてCu膜、第2層としてCu−Ni−N膜を用いた積層膜を例に説明する。図1は、後述する実施例の方法で配線加工した際にサイドエッチング幅の絶対値が5.0μmになるときの、Ni量と、第1層の膜厚と第2層の膜厚の比率、即ち、第1層膜厚/第2層膜厚との関係をプロットおよび近似曲線で示している。図1ではNi量をNi添加量と示している。この図1において、近似曲線よりも下側の領域はサイドエッチング幅の絶対値が5.0μm未満となる領域であり、近似曲線の上側の領域はサイドエッチング幅の絶対値が5.0μm超となる領域である。
この図1から、Ni添加量が5原子%よりも低い場合、優れた配線加工性を得る、即ち、サイドエッチング幅の絶対値を5.0μm以下とするには、第1層膜厚/第2層膜厚を1.2以下とする必要があることがわかる。この比率を満たすべく、第1層の膜厚を薄くすると、積層膜の導電性が低下する傾向にあり、一方、第2層の膜厚を厚くすると、成膜時間が長くかかりプロセスコストが増加する傾向にある。これらのことを考慮すると、Ni量は前述の通り5原子%以上であることが好ましい。
次に、第1層としてCu膜、第2層としてCu−Al−N膜を用いた積層膜を例に説明する。図2は、配線加工した際にサイドエッチング幅が5.0μmになるときの、Al量と、第1層の膜厚と第2層の膜厚の比率、即ち、第1層膜厚/第2層膜厚との関係をプロットおよび近似曲線で示している。図2ではAl量をAl添加量と示している。この図2において、近似曲線よりも下側の領域はサイドエッチング幅が5μm未満となる領域であり、近似曲線の上側の領域はサイドエッチング幅が5μm超となる領域である。
この図2から、Al添加量が3原子%よりも低い場合、優れた配線加工性を得る、即ち、サイドエッチング幅の絶対値を5.0μm以下とするには、第1層膜厚/第2層膜厚を1.0以下とする必要がある。この比率を満たすべく、第1層の膜厚を薄くすると、積層膜の導電性が低下する傾向にあり、一方、第2層の膜厚を厚くすると、成膜時間が長くかかりプロセスコストが増加する傾向にある。これらのことからAl量は、前述したとおり3原子%以上であることが好ましい。
尚、上記図1および図2は、第1層と第2層の2層積層膜に関するものである。配線加工性は、第1層と第2層の成分や膜厚によるため、該第1層と第2層に更に第3層や後述する密着層等の他の層が積層された積層膜についても、上記図1および図2と同様の結果が得られる。よってこの第3層等を更に含む積層膜の、第1層膜厚/第2層膜厚の好ましい範囲、Ni量の好ましい下限、およびAl量の好ましい下限は、上述した2層積層膜の場合と同じである。
(第3層)
本発明の第3層は、例えば光学調整層として用いられ、前述した第2層と共に、低反射率の実現に寄与する。この第3層は、In、Zn、SnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物膜である。好ましくは少なくともInを含む酸化物膜である。該酸化物膜として、In−Sn−OであるITO、In−Zn−OであるIZO、ZnO、Zn−Sn−OであるZTO、Zn−Al−OであるZAOなどが好ましく用いられる。
上記第3層の膜厚は、例えば10nm〜300nmの範囲とすることができる。該第3層の膜厚、材料組成、該第3層形成に用いる例えば蒸着法の条件などを最適化することによって、前述した第1層と第2層からの反射光の位相を調整し、積層膜の可視光反射率を低減し、またウェットエッチング法による配線加工性を高めることができる。
(3層含有積層膜)
本発明の積層膜は、上記第1層と第2層を必須とし、必要に応じて更に上記第3層を有する。また本発明の積層膜は、更に他の層を有していてもよい。例えば密着層として一般的なMo、Ni、Ti、Crまたはこれらを基とする合金からなる膜、好ましくはMo膜が形成されていてもよい。例えば前記第2層の少なくとも一方の面にMo膜を形成することができる。上記密着層を形成する場合、該密着層の厚さを例えば5〜30nmとすることができる。
これら第1層、第2層および第3層を含む本発明の3層含有積層膜は、前記第1層、第2層および第3層からなる3層積層膜の可視光反射率が30%以下を示すと共に、該3層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下を示すものである。この3層含有積層膜は、低反射導電膜または低反射配線として有用である。
次に、本発明の積層膜のとり得る積層形態について、図面を用いて説明する。
(2層含有積層膜の積層形態)
まずは、第1層と第2層を含む2層含有積層膜の積層形態について説明する。
図3は、本発明の積層膜の構造例を示す概略断面図である。この図3に示すように、透明基板である基板64上に第1層61、第2層62が順に積層された構造が挙げられる。上記透明基板は、本発明の技術分野に通常用いられ、透明性を有するものであれば特に限定されず、ガラス基板や樹脂基板を使用することができる。また、フラットパネルディスプレイに利用する場合、例えば、カラーフィルタ基板やカバーガラスを構成するガラス基板、フィルム基板、プラスチック基板、石英基板などが挙げられる。上記透明基板を、以下、単に「基板」ということがある。
また図4は、本発明の積層膜の別の構造例を示す図である。この図4に示す通り、前記図3とは逆の構造パターン、即ち、基板64上に、第2層62、第1層61が順に積層された構造でもよい。光吸収層として設ける第2層62の位置は、金属薄膜である第1層61の反射制御を目的とするため、第1層61に光が入射する側に第2層62が形成されていればよい。
また、図5〜図7は本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。これらの図に示す通り、第1層61の少なくとも一方の面に例えば密着層65が形成されていてもよい。密着層65の材料は、密着層として一般的なMo、Ni、Ti、Crまたはこれらを基とする合金からなる膜が挙げられ、好ましくはMo膜である。詳細には図5〜図7に示す通り基板64と第1層61の間や、第1層61と第2層62の間に、密着層65を設けることができる。
(3層含有積層膜の積層形態)
次に、第1層、第2層および第3層を含む3層含有積層膜の積層形態について説明する。尚、基板64、第1層61、第2層62、密着層65については、上記2層含有積層膜と同じであり、これら各層の詳細な説明を省略する。
図8は、本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。この図8に示す通り、基板64上に第1層61、第2層62、および第3層63が順に積層された構造でもよい。また図9は本発明の積層膜の別の構造例を示す概略断面図である。この図9に示す通り、前記図8とは逆の構造パターン、即ち、基板64上に第3層63、第2層62、第1層61が順に積層された構造でもよい。光吸収層として設ける第2層62の位置は、金属薄膜である第1層61の反射制御を目的とするため、第1層61に光が入射する側に第2層62が形成されていればよい。
また、図10〜図12は本発明の積層膜の別の構造例を示す図である。これらの図に示す通り、第1層61の少なくとも一方の面に例えば密着層65が形成されていてもよい。詳細には図10〜図12に示す通り基板64と第1層61の間や、第1層61と第2層62の間に、密着層65を設けることができる。
本発明の3層含有積層膜は、積層膜の可視光反射率が30%以下であると共に、積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下である。該特性を確保するには、例えば第1層の膜厚を上述の通り制御すること等が推奨される。
以上、本発明の各層の成分や特性、および積層形態について説明した。
本発明の窒素含有Cu合金膜や積層膜は、低反射導電膜または低反射配線として有用である。また本発明の窒素含有Cu合金膜や積層膜は、表示装置や、タッチパネルセンサーを含む入力装置の他、電磁波シールドにも適用することができる。以下では、例えばタッチパネルの配線電極に、本発明の積層膜を利用する場合の具体的な構造を説明する。
まずタッチパネル構造における液晶表示装置部分について説明する。以下では表示装置として液晶表示装置を例に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば有機EL表示装置等の他の表示装置にも適用できる。
図13は、一般的な液晶表示装置の構成を模式的に示す概略断面図である。図13に示す液晶表示装置1は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと呼ぶ)基板2を有している。TFT基板2は、例えば、TFTアレイ基板である。TFT基板2には、対向基板3が対向して配置されている。図13において矢印は視認方向を示している。対向基板3は、例えばカラーフィルタ(CF、Color Filter)基板4であり、視認される側に配置される。対向基板3には、緑色、青色、赤色のカラーフィルタ5A、5B、5C、ブラックマトリックス(Black Matrix、BM)6、カラーフィルタ基板4が形成される。TFT基板2と対向基板3との間には液晶が導入された液晶層7が狭持され、液晶層7は液晶封止材8により封止される。更に、対向基板3の外側の面には、図示しないが偏光板及び位相差板等が設けられる。また、液晶表示パネルの反視認側、即ち、図13におけるTFT基板2の下方には、図示しないがバックライトユニット等が配設される。
本発明の電極を含む入力装置、特にタッチパネルセンサーは、上記液晶表示装置1のカラーフィルタ基板4の上方、即ち、操作面側に配置される。
以下、上記入力装置のパターンを例示しながら、本発明の好ましい実施態様について説明する。本発明の積層膜を用いうる電極を、透明導電膜などと区別するために、「金属電極」と記載することがある。
(1)入力装置例その1
図14は、静電容量型のタッチパネルにおける入力装置の一例を示す概略平面図である。図14に示す入力装置10は、配線が格子形状となっている。詳細には、透明基板の一種であるカラーフィルタ基板4の上部に、行ごとにX方向に配置される駆動用の複数の金属電極11と;列ごとにY方向に配置される検出用の複数の金属電極12と;が設けられる。駆動用電極11と検出用電極12とは、それぞれ異なる層に設けられており、絶縁層13により互いに絶縁される。
前記図14の構成では、電極に電圧が印加されており、ユーザが入力装置表面にタッチすることにより、駆動用電極11と検出用電極12との間の静電容量が変化して電流を生じる。この電流を駆動用電極11と検出用電極12で検知することによりユーザのタッチ位置が検出される。
本構成は、抵抗の小さい金属電極を駆動用電極11および検出用電極12として用いることから、それぞれの電極を幅の狭い配線として形成することが可能である。そのためアクティブエリアの透過率を十分高くすることができる特徴を有する。本構成では、電極として電気抵抗の低い積層膜を用いるので、駆動用電極11および検出用電極12を幅の狭い配線で構成できるとともに、高い検出感度と光透過率性を同時に確保できる。
前出の図14の点線A−Aにおける断面構造の例を図15および図16に示す。図15と図16は、図14の入力装置10を、図13に示す液晶表示装置1のカラーフィルタ基板4に搭載した構造の一例を示す概略断面図である。図15および図16において、太矢印は外光入射方向を示す。
図15および図16に示されるように、カラーフィルタ基板4の上部には、行ごとにX方向に配置される複数の第1の金属電極11が、同一の層に配置される。さらに列ごとにY方向に配置される複数の第2の金属電極12が、第1の金属電極11とは異なる層に配置される。この複数の第1の金属電極11と第2の金属電極12は、表示装置の視認性を低下させないために、図示していないがブラックマトリックスの直上に配置することが好ましい。複数の第1の金属電極11の間、複数の第2の金属電極12の間、および、第1の金属電極11と第2の金属電極12との間には、第1の絶縁層13A、第2の絶縁層13Bが配置される。第1の絶縁層13Aと第2の絶縁層13Bには、例えば公知の透光性絶縁樹脂などを用いることができる。そして第2の絶縁層13Bが設けられた面を覆うように、カバーガラス14が設けられる。尚、図15と図16における15はバックライトを示す。
図15および図16の第1の金属電極11や第2の金属電極12において、外光が入射する側から順に第2層62、第1層61を設けた前記図3〜図7のいずれかの2層含有積層膜、または、外光が入射する側から順に第3層63、第2層62、第1層61を設けた前記図8〜図12のいずれかの3層含有積層膜を用いることによって、導電性に優れ、かつ低反射率な金属電極を提案できる。
(2)入力装置例その2
図17は、静電容量型のタッチパネルにおける入力装置の別の一例を示す概略平面図である。図17の入力装置30では電極がダイヤ形状の透明電極となっている。詳細には、透明基板33と、透明基板33の上部に、行ごとにX方向に配置されるダイヤ形状を有する複数の第1の電極パターン31Aと、第1の透明電極31A間を接続する第1のブリッジ電極31Bと、列ごとにY方向に配置されるダイヤ形状を有する複数の第2の電極パターン32Aと、第2の透明電極32A間を接続する第2のブリッジ電極32Bが設けられる。第1の電極パターン31Aおよびブリッジ電極31Bからなる第1の透明電極と、第2の電極パターン32Aおよびブリッジ電極32Bからなる第2の透明電極とは、図示しない絶縁層により互いに絶縁される。それぞれの電極パターンは、外周配線31Cや32Cを介して、図示しない制御部に接続される。
図17の構成では、スクリーンへ指などが接触した際に、第1の電極パターン31Aと第2の電極パターン32Aとの間の静電容量が変化して電流が発生し、これをX方向の電極とY方向の電極で検知することにより、ユーザのタッチ位置が検出される。
第1の電極パターン31Aおよび第2の電極パターン32Aには、一般的に透明導電性材料が用いられる。具体的には例えば、In−Sn−OであるITOや、In−Zn−OであるIZOなどの金属酸化物が挙げられる。
本構成のタッチパネルの、それぞれの電極パターン間を接続するブリッジ電極31B、32Bや入力装置の外周配線31C、32Cに、本発明の積層膜を用いることにより、検出感度の高い入力装置を作製することができる。
本構成は、カバーガラス、タッチパネル、液晶セルを個別に作製・接着するタイプの入力装置外付型、すなわちアウトセル構造型の液晶表示装置に適用できる。アウトセル型構造は製造方法がシンプルであり、液晶表示装置に広範に使用されている。
前出の図17の点線B−Bにおける断面構造の例を図18および図19に示した。この図18および図19における太矢印は視認方向を示す。図18の断面構造50に示すように、第1の透明基板であるカラーフィルタ基板4上には、X方向に平行して配置される第1の透明電極52Aと、Y方向に平行して配置される第2の透明電極53が設けられる。第1の透明電極52A間、および第2の透明電極53間、第1の透明電極52Aと第2の透明電極53の間は、それぞれが接触しないよう、絶縁層54により分離される。図19の断面構造51では、第2の透明基板、即ちカバーガラス41の裏面側に、透明電極52Aや53、絶縁層54、および第1のブリッジ電極52Bとして金属電極が設けられており、この点が前記図18と異なる。ユーザのタッチ位置は、静電容量の変化により発生した電流を検知することにより検出される。図18および図19において、第1のブリッジ電極52Bは、第1の透明電極52A間を電気的に接続している。図18および図19の接着層44は、カバーガラス41と、カラーフィルタ基板4と、それぞれの透明電極およびブリッジ電極等とを接合する層である。接着層は、OCA(Optically Clear Adhesive、透明粘着シート)やOCR(Optical Clear Resin、光学透明樹脂)などの透明粘着層であり、アクリル系粘着材などが用いられる。
前記図18や前記図19における第1のブリッジ電極52Bとして、本発明の積層膜を好適に用いることができる。ブリッジ電極52Bにおいて、外光が入射する側から順に第2層62、第1層61を設けた前記図3〜図7のいずれかの2層含有積層膜、または、外光が入射する側から順に第3層63、第2層62、第1層61を設けた前記図8〜図12のいずれかの3層含有積層膜を用いることによって、導電性に優れ、かつ低反射率な金属電極を提案できる。
以上、本発明をタッチパネルのセンサー電極に利用するための具体例について詳述した。
上述したように本発明の積層膜は、低いシート抵抗と低い反射率を兼ね備えている。よって、入力装置の入力領域に用いられる電極のみならず、当該電極を延長してパネル外周部の配線にも適用可能であり、製造プロセスを簡素化できるというメリットがある。
前述した入力装置例その1では、第1層および第2層を有する2層含有積層膜または第1層、第2層および第3層を有する3層含有積層膜を配線加工し、金属電極として含む入力装置を、液晶のカラーフィルタとカバーガラスの間に形成する、いわゆるオンセル型構造に適用する例を示したが、本発明はこれに限定されない。
また前述した入力装置例その2では、タッチパネルのセンサー電極を透明導電膜とし、前記透明導電膜間のブリッジ配線を金属電極により形成する入力装置を、液晶セルとは別に形成する、いわゆるアウトセル型構造に適用する例を示したが、本発明はこれに限定されない。
本発明の積層膜は、例えば液晶表示装置内、例えばTFT基板とカラーフィルタ基板の間に入力装置の電極を組み込んだ液晶表示装置、いわゆるインセル型構造に適用することも可能である。このように本発明は前記実施の態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
また本発明の積層膜を用いた電極が適用される入力装置には、タッチパネルなどのように表示装置に入力手段を備えた入力装置や、タッチパッドのような表示装置を有さない入力装置の両方が含まれる。具体的には上記各種表示装置と位置入力手段を組み合わせ、画面上の表示を押すことで機器を操作する入力装置や、位置入力手段上の入力位置に対応して別途設置されている、表示装置操作用の入力装置の電極にも本発明の積層膜を用いることができる。
本発明の窒素含有Cu合金膜や積層膜を得るには、細線化や膜内の合金成分の均一性、さらには添加元素量の制御の容易さ、製造時のスループットの高さなどから、スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法で成膜することが好ましい。
特に本発明の積層膜における第2層、即ち窒素含有Cu膜または窒素含有Cu合金膜を成膜する方法として、例えば、純Cuスパッタリングターゲット、または所望の合金組成を有するCu合金スパッタリングターゲットを用い、窒素ガスまたは窒素含有ガスを含む雰囲気下で反応性スパッタリング法により形成する方法が挙げられる。または、前記合金スパッタリングターゲットの代わりに、組成の異なる二つ以上の純金属ターゲットや合金ターゲットを用い、これらを同時に放電させて第2層を成膜してもよい。この場合、スパッタリングターゲット自体がCuの窒素化合物またはCu合金の窒素化合物を含有した材料であってもよい。
上記第2層を成膜するための反応性スパッタリング法の条件は、膜厚、膜質、導入したい窒素濃度に応じて適切に制御すればよい。例えば、規定の可視光反射率や光吸収率を満たす第2層を得るには、成膜時のガス圧を制御すること等が挙げられる。
スパッタリングターゲットの形状は特に限定されず、スパッタリング装置の形状や構造に応じて任意の形状、例えば角型プレート状、円形プレート状、ドーナツプレート状、円筒状などに加工したものを用いることができる。
本発明の窒素含有Cu合金膜または積層膜の製造方法は、特に上記第2層の成膜条件に特徴がある。上記第2層以外の各層、即ち第1層、第3層、必要に応じて含まれる密着層等その他の層の成膜方法は、本発明の技術分野において通常用いられる方法を適宜採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(1)サンプルの作製
透明基板として、板厚0.7mm、直径4インチの無アルカリ硝子板を用意し、この無アルカリ硝子板上に、DCマグネトロンスパッタリング法により、表1〜5に示す各層を成膜した。詳細には表1では、表2〜5の第1層として示す純金属膜または合金膜を、上記アルカリ硝子板上に形成したサンプルを用意した。表2および表3では、上記アルカリ硝子板上に、第1層としてCu膜、Al膜またはAg膜、第2層として表2または表3に示すCuN膜またはCu−X−N膜を順に形成したサンプルを用意した。尚、第2層としてIZO膜、即ちIn−Zn−O膜を形成したサンプルも比較例として用意した。表4および表5では上記アルカリ硝子板上に、第1層として表4または表5に示すCu膜、Cu合金膜、Al膜またはAg膜、第2層として表4または表5に示すCuN膜またはCu−X−N膜、第3層として表4または表5に示す酸化物膜を形成したサンプルを用意した。尚、表4および表5において、IZOはIn-Zn-O、ITOはIn−Sn−O、ZTOはZn−Sn−O、ZAOはZn−Al−Oである。
更に第2層の分光特性を評価するため、上記アルカリ硝子板上に、表2〜5に示す第2層のCuN膜またはCu−X−N膜を膜厚50nm形成したサンプルも用意した。
成膜にあたっては、成膜前にチャンバー内の雰囲気を一旦、到達真空度:3×10-6Torrに調整してから、直径4インチの円盤型スパッタリングターゲットを用い、下記に示す通り、各層をスパッタリング法で形成してサンプルを得た。
第1層の成膜
第1層の成膜は、表1〜5に示す各第1層と同じ成分組成の純金属または合金のスパッタリングターゲットを用い、下記の条件で行った。
スパッタリング条件
成膜方法:スパッタリング法
成膜装置:ULVAC社製 CS−200
基板温度:室温
成膜ガス:Arガス
ガス圧:2mTorr
スパッタパワー:10W〜500W
真空到達度:1×10-6Torr以下
第2層の成膜
第2層としてCuN膜を成膜する場合は、純Cuターゲットを用い、ArガスとN2ガスの混合ガスを用いた反応性スパッタリング法でCuN膜を成膜した。第2層としてCu−X−N膜を成膜する場合は、X元素を含むスパッタリングターゲットを複数用いて、所望の組成になるよう成膜パワーを調整し、コスパッタ法で成膜した。いずれの場合も、スパッタリング条件は以下の通りである。
スパッタリング条件
成膜方法:スパッタリング法
成膜装置:ULVAC社製 CS−200
基板温度:室温
成膜ガス:ArガスとN2ガスの混合ガス
ガス圧:1mTorr〜5mTorr
スパッタパワー:所望の組成を有する1ターゲットを用いて成膜の場合は500Wとした。コスパッタ法で成膜の場合は、所望の組成になるよう各ターゲットを任意のパワーに設定した。
真空到達度:1×10-6Torr以下
第3層の成膜
第3層は、表4または表5に示す酸化物膜と同じ成分組成の酸化物ターゲットを用い、ArガスとO2ガスの混合ガスを用いた反応性スパッタリング法で成膜した。上記酸化物ターゲットの詳細とスパッタリング条件を下記に示す。
酸化物ターゲットの組成
IZOターゲット:In23−ZnO、質量比率はIn23:ZnO=90:10
ITOターゲット:In23−SnO2、質量比率はIn23:SnO=95:5
ZnOターゲット:ZnO
ZTOターゲット:ZnO−SnO2、質量比率はZnO:SnO2=90:10
ZAOターゲット:ZnO−Al23、質量比率はZnO:Al23=90:10
スパッタリング条件
成膜方法:スパッタリング法
成膜装置:ULVAC社製 CS−200
基板温度:室温
成膜ガス:ArガスとO2ガスの混合ガス
ガス圧:2mTorr
スパッタパワー:150W
真空到達度:1×10-6Torr以下
(2)抵抗の測定
(2−1)第1層の電気抵抗率の測定
本発明において積層膜の第1層として用いるCu膜、Cu合金膜、Al膜およびAg膜の電気抵抗率を、次の通り測定した。即ち、上記基板に上記方法で第1層のみを成膜したサンプルを用い、4端子法で電気抵抗率を測定した。そして本実施例では、電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下のものを第1層に適した材料として合格とし、電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cmを超えるものを不合格とした。その結果を表1に示す。尚、表1において、例えばNo.1の「3.0E−06」は、3.0×10-6を意味する。以下、後記の表2〜5に示された電気抵抗率についても同じである。
この表1から本実施例で第1層として使用したCu膜、Cu合金膜、Al膜およびAg膜は、いずれも電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下であった。
(2−2)第2層の電気抵抗率の測定
第2層として形成したCuN膜またはCu−X−N膜の電気抵抗率を次の通り測定した。即ち、上記基板に上記方法で第2層のみを成膜した試料を用い、4端子法にて電気抵抗率を測定した。その結果を表2〜5に示す。
(2−3)積層膜のシート抵抗の測定
第1層と第2層を積層させた表2および表3の2層積層膜と、第1層、第2層および第3層を積層させた表4および表5の3層積層膜の、シート抵抗を次の通り測定した。即ち、上記方法で測定したサンプルを用い、4端子法にてシート抵抗を測定した。そして本実施例では、シート抵抗が1.0Ω/□以下のものを合格として表2〜5において「A」と示し、特に0.5Ω/□以下のものをより優れているとして表2〜5において「AA」と示した。一方、前記シート抵抗が1.0Ω/□超のものを不合格と評価し、表2〜5において「B」と示した。
(3)分光特性の測定
(3−1)第2層の分光特性の測定
この測定の目的は、第2層が光吸収層として適した分光特性を有するかを評価することにある。
第2層として形成したCuN膜またはCu−X−N膜を膜厚50nm形成したサンプルを用いて、日本分光社製分光光度計:V−570にて反射率および光吸収率を測定した。そして本実施例では、波長650nmの反射率が45%以下であって、波長650nmの光吸収率が40%以上であるものを、光吸収層として適していると評価した。
(3−2)2層積層膜の可視光反射率の測定
この測定の目的は、第1層と第2層を積層した2層積層膜が、低反射導電膜または低反射配線として適した分光特性を有するかを評価することにある。
表2および表3に示す各積層膜を成膜したサンプルを用い、日本分光社製分光光度計:V−570にて、第2層側から光を入射して反射率を測定した。そして本実施例では、波長450nm、550nm、650nmの全ての波長の反射率が45%以下であるものを、低反射率を示し、低反射導電膜または低反射配線に適した材料であると評価し、表2および表3では「A」と示した。一方、波長450nm、550nm、650nmの少なくともいずれかの波長の反射率が45%超であるものを、低反射率を示さず不合格と評価し、表2および表3では「B」と示した。
(3−3)3層積層膜の可視光反射率の測定
この測定の目的は、第1層、第2層および第3層を積層した3層積層膜が、低反射導電膜または低反射配線として適した分光特性を有するかを評価することにある。
表4および表5に示す各積層膜を成膜したサンプルを用い、日本分光社製分光光度計:V−570にて、第3層側から光を入射して反射率を測定した。そして本実施例では、波長450nm、550nm、650nmの全ての波長の反射率が30%以下であるものを、低反射率を示し、低反射導電膜または低反射配線に適した材料であると評価し、表4および表5では「A」と示した。一方、波長450nm、550nm、650nmの少なくともいずれかの波長の反射率が30%超であるものを、低反射率を示さず不合格と評価し、表4および表5では「B」と示した。
尚、本実施例では、第1層と第2層の2層積層膜の可視光反射率とシート抵抗、または、第1層、第2層および第3層の3層積層膜の可視光反射率とシート抵抗を測定したが、上記積層構造に限らず、基板と第1層の間、第1層と第2層の間、または第2層と第3層の間に、密着層等の他の層を有する場合であっても、可視光反射率とシート抵抗は上記合格基準を満たすことを別途確認している。
(4)積層膜の配線加工性の評価
積層膜の配線加工性を次の通り評価した。即ち、上記2層積層膜または3層積層膜のサンプルを用い、塩化鉄を含む林純薬工業株式会社製Pure etch F108を純水で10倍希釈したエッチング液を用い、ウェットエッチング加工を行った。
上記エッチング加工を行った試料について、日立パワーソリューションズ社製 電子顕微鏡:S−4000を用いて、その断面形状および平面形状の観察を行った。そして断面観察像において、図20に模式的に示す通り、第2層の端部67よりも第1層の端部66が長いものを「サイドエッチング」と判断した。また図21に模式的に示す通り、第2層の端部67よりも第1層の端部66が短いものを「ひさし」と判断した。そして平面観察像から、サイドエッチング幅とひさし幅を測定し、サイドエッチング幅を負数、ひさし幅を正数として求めた。その結果を表2〜5の「配線加工性」の欄に示した。
そして本実施例では、前記サイドエッチング幅またはひさし幅の絶対値が5.0μm以下のものを、積層膜の配線加工性に優れており合格であるとして、表2〜5では「A」と示した。一方、上記絶対値が5.0μm超の場合を積層膜の配線加工性に劣り不合格であるとして、表2〜5では「B」と示した。
まず表2および表3から次のことがわかる。表2および表3には、第1層、および該第1層の光が入射する側に第2層を形成した2層積層膜の特性を示している。
表2のNo.1は、第2層として、波長650nmの反射率は45%以下であるが、波長650nmの吸収率が40%を著しく下回るIZO膜を積層した例である。このIZO膜を含む積層膜の可視光反射率も高くなった。この様にNo.1の積層膜は、十分な分光特性を有しておらず、低反射導電膜や低反射配線として適さない。
表2のNo.2は、第2層として、波長650nmの反射率が45%超であってかつ波長650nmの吸収率が40%を下回るCuN膜を積層した例である。このNo.2では、第2層がCuN膜であるが十分な分光特性を示さないため、このCuN膜を含む積層膜は可視光反射率が高くなり、低反射導電膜や低反射配線として適さない。
表2のNo.3〜7は、第2層として、波長650nmの反射率が45%以下であって吸収率が40%以上のCuN膜を積層した例である。この様に十分な分光特性を有する第2層を含むNo.3〜7の積層膜は、いずれも可視光反射率が低く、かつシート抵抗も小さく、低反射導電膜として適している。尚、No.2とNo.4は、第2層の成分と膜厚が同じで光学特性が異なっているが、これは、第2層の形成時のガス圧が両者で異なっているためである。
上記No.3〜7のうち、No.3および4とNo.5〜7との対比から、優れた配線加工性も兼備し、低反射配線としても有用な積層膜を得るには、第1層膜厚/第2層膜厚も制御するのがよく、具体的には、該第1層膜厚/第2層膜厚を1.4以下とすることが好ましく、より好ましくは1.0以下であることがわかる。
表2のNo.8〜16は、第2層として、波長650nmの反射率が45%以下であって吸収率が40%以上のCu−Ni−N膜を積層した例である。この様に十分な分光特性を有する第2層を含むNo.8〜16の積層膜は、いずれも可視光反射率が低く、かつシート抵抗も小さく、低反射導電膜として適している。
上記No.8〜16のうち、No.8、10、12および14と、No.9、11、13および15との対比から、優れた配線加工性も兼備し低反射配線としても有用な積層膜を得るには、第1層膜厚/第2層膜厚または成分組成を制御するのがよいことがわかる。即ち、前述の図1と上記対比から、優れた配線加工性を確保するには、第1層膜厚/第2層膜厚を、Ni量が5.0原子%の場合は1.4以下とするのがよく、Ni量が7.0原子%の場合は1.4以下、Ni量が10.0原子%の場合は1.8以下、Ni量が20.0原子%の場合は3.6以下とするのがよいことがわかる。尚、第1層と第2層の膜厚許容範囲を広げる観点から、Ni量は5原子%以上であることが好ましく、より好ましくは10原子%以上である。
表3のNo.17〜25は、第2層として、波長650nmの反射率が45%以下であって吸収率が40%以上のCu−Al−N膜を積層した例である。この様に十分な分光特性を有する第2層を含むNo.17〜25の積層膜は、いずれも可視光反射率が低く、かつシート抵抗も小さく、低反射導電膜として適している。
上記No.17〜25のうち、No.17、19および21と、No.18、20および22との対比から、優れた配線加工性も兼備し低反射配線としても有用な積層膜を得るには、第1層膜厚/第2層膜厚または成分組成を制御するのがよいことがわかる。即ち、前述の図2と上記対比から、優れた配線加工性を確保するには、第1層膜厚/第2層膜厚を、Al量が7.2原子%の場合は2.0以下とするのがよく、Al量が11.7原子%の場合は3.0以下、Al量が16.4原子%の場合は3.6以下とするのがよいことがわかる。尚、第1層と第2層の膜厚許容範囲を広げる観点から、Al量は3原子%以上とすることが好ましく、より好ましくは7原子%以上、さらに好ましくは15原子%以上である。
表3のNo.26〜34は、第2層として、波長650nmの反射率が45%以下であって吸収率が40%以上のCu−Ni−Al−N膜を積層した例である。この様に十分な分光特性を有する第2層を含むNo.26〜34の積層膜は、いずれも可視光反射率が低く、かつシート抵抗も小さく、低反射導電膜として適している。またNo.26〜34の積層膜は、配線加工性にも優れており、低反射配線としても有用である。上記の通りNiとAlを共に含有させることによってエッチングレートが遅くなり、配線加工性が改善したものと考えられる。
表3のNo.35および36は、第1層にAl膜またはAg膜を用いた例を示している。第2層が本発明で規定の膜であれば、第1層にAl膜またはAg膜を用いても、得られる積層膜は低反射導電膜として求められる特性を満たすことがわかる。
次に表4および表5について考察する。表4および表5には、第1層、および該第1層の光が入射する側に第2層、第3層を順に形成した3層積層膜の特性を示している。
表4のNo.1は、第2層として、波長650nmの反射率が45%超であってかつ波長650nmの吸収率が40%を下回るCuN膜を積層した例である。このNo.1では、第2層がCuN膜であるが十分な分光特性を示さないため、このCuN膜を含む積層膜は可視光反射率が高くなり、低反射導電膜や低反射配線として適さない。
表4のNo.2〜7は、第2層として、波長650nmの反射率が45%以下であって吸収率が40%以上のCuN膜を積層した例である。この様に十分な分光特性を有する第2層を含むNo.2〜6の積層膜は、いずれも可視光反射率が低くかつシート抵抗も小さく低反射導電膜として適している。No.7は第1層の膜厚が薄いため、シート抵抗が高くなった。尚、積層膜のシート抵抗を十分小さくするには、第1層の膜厚を例えば70nm以上とすることが挙げられる。
表4のNo.2〜6のうち、No.2〜4とNo.5、6との対比から、優れた配線加工性も兼備し、低反射配線としても有用な積層膜を得るには、第1層膜厚/第2層膜厚も制御するのがよく、具体的には、該第1層膜厚/第2層膜厚を1.3以下とすることが好ましく、より好ましくは1.0以下であることがわかる。
表4のNo.8〜16は、第2層として、波長650nmの反射率が45%以下であって吸収率が40%以上のCu−Al−N膜を積層した例である。この様に十分な分光特性を有する第2層を含むNo.8〜16の積層膜は、いずれも可視光反射率が低く、かつシート抵抗も小さく、低反射導電膜として適している。
上記No.8〜16のうち、No.8、10、12および14と、No.9、11、13および15との対比から、優れた配線加工性も兼備し低反射配線としても有用な積層膜を得るには、第1層膜厚/第2層膜厚または成分組成を制御するのがよいことがわかる。即ち、上記対比から、優れた配線加工性を確保するには、第1層膜厚/第2層膜厚を、Ni量が5.0原子%の場合は1.2以下とするのがよく、Ni量が7.0原子%の場合は1.6以下、Ni量が10.0原子%の場合は2.0以下、Ni量が20.0原子%の場合は3.6以下とするのがよいことがわかる。尚、第1層と第2層の膜厚許容範囲を広げる観点から、Ni量は5原子%以上であることが好ましく、より好ましくは10原子%以上である。
表4のNo.17〜25は、第2層として、波長650nmの反射率が45%以下であって吸収率が40%以上のCu−Al−N膜を積層した例である。この様に十分な分光特性を有する第2層を含むNo.17〜25の積層膜は、いずれも可視光反射率が低く、かつシート抵抗も小さく、低反射導電膜として適している。
上記No.17〜25のうち、No.17、19および21と、No.18、20および22との対比から、優れた配線加工性も兼備し低反射配線としても有用な積層膜を得るには、第1層膜厚/第2層膜厚または成分組成を制御するのがよいことがわかる。即ち、上記対比から、優れた配線加工性を確保するには、第1層膜厚/第2層膜厚を、Al量が7.2原子%の場合は約1.8以下とするのがよく、Al量が11.7原子%の場合は2.8以下、Al量が16.4原子%の場合は3.6以下とするのがよいことがわかる。尚、第1層と第2層の膜厚許容範囲を十分に広げる観点から、Al量は7原子%以上とすることが好ましく、より好ましくは15原子%以上である。
表5のNo.26〜34は、第2層として、波長650nmの反射率が45%以下であって吸収率が40%以上のCu−Ni−Al−N膜を積層した例である。この様に十分な分光特性を有する第2層を含むNo.26〜34の積層膜は、いずれも可視光反射率が低く、かつシート抵抗も小さく、低反射導電膜として適している。またNo.26〜34の積層膜は、配線加工性にも優れており、低反射配線としても有用である。前述の通りNiとAlを共に含有させることによってエッチングレートが遅くなり、配線加工性が改善したものと考えられる。
表5のNo.35〜46は、第1層に種々のCu合金膜を用いた例を示している。第2層として本発明で規定の膜を積層させることにより、第1層として表5に示すいずれの合金組成のCu合金膜を用いても、積層膜に要求される、優れた光学特性、低いシート抵抗および優れた配線加工性の全てを満足することがわかる。
表5のNo.47および48は、第1層にAl膜またはAg膜を用いた例を示している。第2層が本発明で規定の膜であれば、第1層にAl膜またはAg膜を用いても、得られる積層膜は低反射導電膜として要求される特性を満たすことがわかる。
表5のNo.49〜52は、光学調整層として作用する第3層を、ITO膜、ZnO膜、ZTO膜、またはZAO膜とした例である。このNo.49〜52の結果から、上記いずれの酸化物膜を積層させた場合であっても、積層膜に要求される、優れた光学特性、低いシート抵抗および優れた配線加工性の全てを満足することがわかる。
1 液晶表示装置
2 TFT基板
3 対向基板
4 カラーフィルタ基板
5A、5B、5C カラーフィルタ
6 ブラックマトリックス
7 液晶層
8 液晶封止材
10 入力装置
11 第1の金属電極、駆動用電極
12 第2の金属電極、検出用電極
13 絶縁層
13A 第1の絶縁層
13B 第2の絶縁層
14 カバーガラス
15 バックライト
30 入力装置
31A 第1の電極パターン
31B 第1のブリッジ電極
31C 第1の電極の外周配線
32A 第2の電極パターン
32B 第2のブリッジ電極
32C 第2の電極の外周配線
33 透明基板
41 カバーガラス
44 接着層
50、51 断面構造
52A 第1の透明電極
52B 第1のブリッジ電極
53 第2の透明電極
54 絶縁層
61 第1層
62 第2層
63 第3層
64 基板
65 密着層
66 第1層の端部
67 第2層の端部

Claims (15)

  1. NiとAlから選択される少なくとも1種のX元素を含み、残部がCuおよび不可避不純物であり、膜の一部が窒化し、かつ
    膜厚が50nmである場合の、波長650nmの反射率が45%以下であると共に、波長650nmの光吸収率が40%以上であることを特徴とする窒素含有Cu合金膜。
  2. 第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜と、
    第2層として、膜厚50nmにおける波長650nmの反射率が45%以下であって、波長650nmの光吸収率が40%以上である、膜の一部が窒化したCu膜とを有し、かつ
    第1層と第2層の2層積層膜の可視光反射率が45%以下であると共に、該2層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であることを特徴とする積層膜。
  3. 第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜と、
    第2層として、膜厚50nmにおける波長650nmの反射率が45%以下であって、波長650nmの光吸収率が40%以上である、膜の一部が窒化したCu膜と、
    第3層として、In、Zn、SnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物膜とを有し、かつ
    前記第1層、第2層および第3層の3層積層膜の可視光反射率が30%以下であると共に、該3層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であることを特徴とする積層膜。
  4. 第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜と、
    第2層として、請求項1に記載の窒素含有Cu合金膜とを有し、かつ
    第1層と第2層の2層積層膜の可視光反射率が45%以下であると共に、該2層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であることを特徴とする積層膜。
  5. 第1層として、Ag、Al、Cu、またはこれらを基とする合金のいずれかからなり、かつ電気抵抗率が1.0×10-5Ω・cm以下である膜と、
    第2層として、請求項1に記載の窒素含有Cu合金膜と、
    第3層として、In、Zn、SnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物膜とを有し、かつ
    前記第1層、第2層および第3層の3層積層膜の可視光反射率が30%以下であると共に、該3層積層膜のシート抵抗が1.0Ω/□以下であることを特徴とする積層膜。
  6. 前記第1層は、Mn、Ni、Co、Ge、ZnおよびTiよりなる群から選択される少なくとも1種のZ元素を含むCu合金膜である請求項2〜5のいずれかに記載の積層膜。
  7. 前記第3層は、少なくともInを含む酸化物膜である請求項3、5および6のいずれかに記載の積層膜。
  8. 前記第1層の膜厚は40〜400nmである請求項2〜7のいずれかに記載の積層膜。
  9. 請求項1に記載の窒素含有Cu合金膜を有する低反射導電膜または低反射配線。
  10. 請求項2〜8のいずれかに記載の積層膜を有する低反射導電膜または低反射配線。
  11. 請求項9または10に記載の低反射導電膜または低反射配線を含む表示装置。
  12. 請求項9または10に記載の低反射導電膜または低反射配線を含むタッチパネルセンサー。
  13. 請求項9または10に記載の低反射導電膜または低反射配線を含む電磁波シールド。
  14. 請求項1に記載の窒素含有Cu合金膜を形成するためのCu合金スパッタリングターゲット。
  15. 請求項1〜8のいずれかに記載の窒素含有Cu合金膜または積層膜を製造する方法であって、前記窒素含有Cu合金膜または前記膜の一部が窒化したCu膜を、窒素ガスまたは窒素含有ガスを含む雰囲気下で反応性スパッタリング法により形成することを特徴とする窒素含有Cu合金膜または積層膜の製造方法。
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