JP2016190405A - 積層体 - Google Patents

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和希 南
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尚吾 冨永
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雄一郎 多湖
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Abstract

【課題】透明な基材と、基材に積層されて電極形成する金属層とを有し、電極用として金属を用いながら外部からの光の反射を有効に低減することができ、タッチパネルセンサを構成した場合において、表示部に対する視認性を高く確保することができる、製造が容易で且つ安価な積層体を提供する。
【解決手段】(a)透明な基材12と、(b)基材12に積層されて電極形成する金属層14と、(c)非反応性のスパッタリングガスを用いたスパッタリングによって、金属層14の基材12とは反対側の面又は金属層14と基材12との間に積層された、波長360〜830nmにおける消衰係数が0.001〜2.0の化合物層16と、を少なくとも有するように積層体10A,20Aを構成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は透明な基材と、これに積層されて電極形成する金属層とを有する積層体に関し、詳しくはタッチパネルにおけるタッチ操作検出用のセンサ(タッチパネルセンサ)に好適に使用可能な積層体に関する。
タッチパネルは、液晶パネルで代表される表示装置(ディスプレイ装置)の上面にタッチ操作検出用のセンサ(タッチパネルセンサ)を重ねて、表示と入力の2つの機能を融合した装置である。
このタッチパネルでは、操作者が画面上の表示をタッチ操作すると、操作された位置の情報が外部に信号として出力され、そして外部装置が操作位置の位置情報に基づいて操作者が望む適切な動作を行う。
タッチパネルは、操作が直感的に理解し易くて扱い易く、またキーボードレスで入力装置と表示装置とを一体化でき、小型化できる等の利点から、銀行のATMや駅の切符販売機,図書館の情報端末,コピー機,カーナビ,携帯電話,携帯情報端末,携帯ゲーム機,ファックス等に広く用いられている。
タッチパネルにおけるタッチ操作の検出方式には抵抗膜方式,静電容量方式等があり、また静電容量方式にも表面型静電容量方式,投影型静電容量方式があるなど様々であるが、マルチタッチやジェスチャー操作が可能な投影型静電容量方式が携帯電話やタブレットPC等に広く用いられている。
この投影型静電容量式のタッチパネルセンサにあっては、使用者が画面タッチすると電極と電極との間の静電容量の変化を検知してタッチ位置を検出する。
ここでタッチパネルセンサは、X軸方向の電極(以下X側電極とすることがある)とY軸方向の電極(以下Y側電極とすることがある)とを有しており、X側電極でX方向の位置を、Y側電極でこれと直交するY方向の位置を検出する。そしてそれらX側電極とY側電極とによって2次元のタッチ位置を特定する。
従来のタッチパネルセンサにおいては、電極として透明なITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)電極が用いられているが、この電極は抵抗値が高く、大型パネルには不向きであるといった問題がある。
またITO電極の場合、コストが高いといった問題点も有している。
そこで近年、極細の金属線を格子状に並べて成る金属電極が注目されている。この金属電極にあっては、抵抗値が小さく、高感度であることから大型パネルに適用でき、また消費電力も小さく電池の持ちも良くなる他、コスト的にも安価である等の様々な利点を有している。
しかしながら一方で、この金属線を用いた金属電極の場合、金属線が不透明で金属光沢を有することから、外部からの光がこの金属線に当って反射し、その反射光によって表示部に対する視認性が低下する問題を有している。
従来、その対策として以下のようなことが考えられ、また提案されている。
例えば、下記特許文献1には「タッチパネルセンサ」についての発明が示され、そこにおいて透明基材の表面上に形成される金属電極を、銅などの金属配線部と、カーボンブラック等の微粒子を含む低反射層とで構成し、金属配線部及び低反射層をインクジェット法により形成する点が開示されている。
しかしながらインクジェット法にて低反射層を形成する場合、線幅を細くすることは難しく、線幅が太くなることによって表示部に対する視認性が低下する恐れがある。
またこの特許文献1に記載のものでは、透明基材と金属電極とを積層して成る積層体を表裏逆向きにした場合であっても、視認側からの外部からの光の反射を低減できる構造のものが示されていない。
一方下記特許文献2には「積層体」についての発明が示され、そこにおいて、透明な基材に導電性金属層を積層して成る積層体を、視認側から黒化層、金属層、基材、黒化層、金属層の順で構成するとともに、黒化層として最初から酸化した状態の窒化銅を反応性スパッタリングにより形成する点が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載のもののように、黒化層として窒化銅を反応性スパッタリングで形成するものについては、形成させた膜の組成がばらつき易く反射率抑制効果を安定的に得ることが難しい。また反応性ガスとして窒素ガスにて装置のチャンバ内をガス置換してスパッタリングを行わなければならず、製造工程が複雑で面倒であるとともに膜の生成速度も遅くて生産性が低く、生産コストも高くなってしまう。
この特許文献2に記載のものでは、電極形成する金属層の、基材とは反対側の面に黒化層を設ける場合と、基材と金属層との間に黒化層を設ける場合との2通りが示されているが、何れにしても特定の一方向の反射だけを防ぐようにしたもので、積層体を表裏逆向きにした場合においても、視認側からの外部からの光の反射を低減できる構造のものとはなっていない。
特開2013−235315号公報 特開2013−169712号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、透明な基材と、基材に積層されて電極形成する金属層とを有し、電極用として金属を用いながら外部からの光の反射を有効に低減することができ、タッチパネルセンサを構成した場合において、表示部に対する視認性を高く確保することができる、製造が容易で且つ安価な積層体を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、(a)透明な基材と、(b)該基材に積層されて電極形成する金属層と、(c)非反応性のスパッタリングガスを用いたスパッタリングによって、前記金属層の前記基材とは反対側の面又は該金属層と該基材との間に積層された、波長360〜830nmにおける消衰係数が0.001〜2.0の化合物層と、を少なくとも有し、該化合物層の側から前記金属層に向かう入射光に対する反射率が20%以下であることを特徴とする。
ここで消衰係数とは、光が物質内に進入したときに物質が吸収するエネルギーの度合いを示す指標であり、化合物層の消衰係数が小さいほど光を透過しやすく、消衰係数が大きいほど光を透過しにくくなる。
請求項2のものは、請求項1において、前記金属層の前記基材とは反対側の面及び該金属層と該基材との間の両方に、該基材を介することなく該金属層を挟むようにして前記化合物層が積層されていることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記化合物層が、Cu,Fe,Ni,Snからなる群の何れか1種の金属を含む金属酸化物で構成されていることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項3において、前記化合物層は、Cu,Fe,Ni,Snからなる群の何れか1種の金属を含む金属酸化物から成るターゲット材を用いてスパッタリングにより形成されていることを特徴とする。
以上のように本発明は、透明な基材と、電極形成する金属層とを備えて積層体を構成するに際して、金属層の基材とは反対側の面に、即ち基材を下側とし金属層を上側としたときに、その金属層の上面に、又は金属層と基材との間に、波長360〜830nmにおける消衰係数が0.001〜2.0の化合物層を非反応性のスパッタリングガスを用いたスパッタリングによって積層形成したものである。
本発明の作用効果を図8に基づいて説明する。
図8において、102は金属層、104はその上面に積層形成された化合物層である。本発明では低反射膜として設けた化合物層104の内部を光が透過可能なように、化合物層104の可視光領域での消衰係数を0.001〜2.0とする。
同図で示すように外部より金属層102に向かって入射する光の一部は化合物層104の表面で反射する一方、化合物層104の消衰係数を0.001〜2.0に規定しているため、残りの光は化合物層104内を通過し、金属層102の表面(化合物層104と金属層102との界面)で反射する。
このようにして本発明では外部からの入射光に対して2つの反射光を発生させる。
この2つの反射光の間には、化合物層104の厚みに基づく位相差が生じており、本発明では金属層102の表面からの反射光と、化合物層104の表面からの反射光とを干渉させることで、外部からの光の入射に対する反射を低く抑えることができる。
尚、消衰係数が2.0超では、入射した光が化合物層内で必要以上に吸収され金属層の表面での反射光が生じないか、生じても極めて弱くなってしまい、化合物層の表面で反射した光との干渉作用が発揮されず、化合物層表面で反射した光の強度を弱めることができなくなってしまう。このため本発明では消衰係数の上限を2.0とする。
特に波長400〜760nmにおける消衰係数が0.01〜1.5であれば反射率の低減により有効である。
尚、上記の金属層の表面で反射した光と化合物層の表面で反射した光との干渉は、これら2つの反射光の位相差に基づいて互いに強めあったり、弱めあったりする。
このため光の干渉作用により反射光を低く抑えるのに有効な位相差が得られるよう化合物層の厚みは、用いる化合物層の組成毎に適宜決定することがより好ましい。
本発明に従って金属層の上面に化合物層を積層形成した場合には、金属層の側から基材の側に向って入射する光の、金属層からの反射光を低く抑えることができる。
従って積層体をタッチパネルセンサに適用した場合において、金属電極により表示部に対する視認性が悪化するのを実質的に防いで、良好な視認性を確保することが可能となる。
また、金属層と基材との間に化合物層を積層した場合にあっては、基材を上側とし、金属層を下側とする向きに積層体を配置した場合において、基材の側から金属層の側に向って外部からの光が入射した場合、金属層による光の反射を抑制して良好な視認性を確保することが可能となる。
本発明では、化合物層を非反応性のスパッタリングによって形成する点を1つの特徴としている。
上述のように2つの反射光を生じさせて、それらの干渉により光の反射を抑えるためには、金属層の表面が露出することないよう化合物層を形成すること、更にその化合物層の厚みが均一であることが求められる。このため本発明では化合物層をスパッタリングによって形成する。
その際、反応性のスパッタリングによって化合物層を積層形成することも考えられるが、反応性のスパッタリングでは形成される膜(化合物層)の組成にばらつきが生じやすく消衰係数を一定の範囲に制御することが難しい。
また、反応性のスパッタリングによって化合物層を積層形成する場合、前述したようにスパッタリング装置のチャンバ内を反応性ガスでガス置換することが必要となり、また反応性ガスを用いたスパッタリングでは膜形成が遅く、生産性も低くなり、生産コストも高くなる問題がある。
しかるに本発明に従って非反応性のスパッタリングにより化合物層を形成する場合には、ターゲット材として使用した化合物の組成をほぼそのまま保ったまま膜を形成することができるため、消衰係数を一定の範囲に制御することが容易となる。
加えて非反応性のスパッタリングでは反応性ガスによるガス置換が必要なく、積層体を製造する際の工程が簡単で製造が容易であるとともに、膜形成速度も速くて生産性が高く、生産コストを安価となすことができる。
また積層体をタッチパネルセンサに適用するに際して、スパッタリングによって形成した膜は、余分となる部分を除去して細線化するに際し、十分にこれを細くすることができ、電極を構成する金属線が太くなることによる視認性低下の問題を解決できる。
本発明では、金属層の基材とは反対側の面及び金属層と基材との間の両方に、基材を介することなく金属層を挟むようにして化合物層を上記非反応性のスパッタリングによって積層形成しておくことができる(請求項2)。
積層体の積層構造をこのような構造としておくことで、かかる積層体を用いてタッチパネルセンサを構成する際、金属層が上側となり、基材が下側となる向きで積層体を配置した場合であっても、或いはその逆に基材の側が上側となり、金属層が下側となる向きで積層体を配置した場合であっても、上側から下側に向う外部からの光の入射に対し、良好にその反射を低く抑えることができ、電極形成する金属層が表示部に対する視認性を害するのを実質的に防いで、視認性を高く確保することが可能である。
本発明では、波長360〜830nmにおける消衰係数が0.001〜2.0の化合物層を、Cu,Fe,Ni,Snからなる群の何れか1種の金属を含む金属酸化物で構成することができる(請求項3)。
上記金属酸化物の化合物層を形成するにあたっては、Cu,Fe,Ni,Snからなる群の何れか1種の金属を含む金属酸化物から成るターゲット材を用いてスパッタリングにより形成することができる(請求項4)。
特に消衰係数のばらつきを抑える観点から、単一の化合物(酸化物)からなるターゲット材を使用するのが好ましい。
Cuを含む金属酸化物を例とした場合、酸化銅(II)(CuO)からなるターゲット材を使用するのが好ましい。但し、波長360〜830nmにおける消衰係数が0.001〜2.0であれば酸化銅(II)(CuO)と酸化銅(I)(CuO)とが混合するものであっても良い。またCuとO以外の他の元素を含むものであっても良い。
以上のような本発明によれば、電極用として金属を用いながら外部からの光の反射を有効に低減することができ、タッチパネルセンサを構成した場合において、表示部に対する視認性を高く確保することのできる、製造が容易で且つ安価な積層体を提供することができる。
本発明の実施形態の積層体を示した図である。 同積層体の他の形態例を示した図である。 図1(A)の積層体10の製造手順を示す説明図である。 図1(B),図2(C)の積層体20,22の製造手順を示す説明図である。 タッチパネルセンサの要部の積層構造例を示した図である。 図5とは異なる積層構造例を示した図である。 ターゲット材として用いるCuO及びCuの消衰係数を示すグラフである。 本発明の作用効果を説明するための図である。
次に本発明の実施形態を以下に詳しく説明する。
図1において、10Aは本発明の積層体の一例を示している。
図において12は透明な基材で、この基材12の一方の面(図中の上面)に、電極形成する金属層14が基材12全面に亘って膜状に積層されている。そしてこの金属層14の、基材12とは反対側の面即ち図中上面に、金属層14における反射を抑制するための化合物層16が積層形成されている。
この化合物層16もまた、金属層14の全面に亘って膜状に積層形成されている。
透明な基材12はソーダライムガラスなどのガラスであっても良く、またポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン(PP),ポリスチレン(PS),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリカーボネート(PC),ポリメチルメタクリレート(PMMA),ポリイミド(PI)などの樹脂材料であっても良い。樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
また基材12の厚みは10μm〜10mmの範囲内とするのが望ましい。より好ましい範囲は100μm〜1mmである。
電極形成する金属層14は、スパッタリングによって基材12の上面に積層形成されている。
金属層14は電気比抵抗が8.0μΩ・cm以下の導電性の高いものであるのが良く、そのような材料としてCu合金を用いることができる。またCu合金としてはB,Mg,Al,Ca,Ti,Crの群から選ばれた少なくとも1種とZnとを含有し、残部Cu及び不可避的不純物の組成のものを好適に用いることができる。
B,Mg,Al,Ca,Ti,Crの群から選ばれた元素(以下M元素とすることがある)をZnとともに含有したCu合金では、所定温度(50〜320℃,好ましくは100〜200℃)で熱処理することでM元素が基材の界面近傍に濃化するとともに、それ単独では濃化し難いZnもまたその界面近傍に濃化し、そして酸素との親和力の高いZnが界面に濃化することによって、Cu合金と透明の基材12との密着性が高くなる。特に基材12としてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を用いたときにその効果が高い。
そのために基材12と金属層14との間に、別途密着層を介在させるのを省くことが可能となる。
尚密着性を十分に高める上で、上記Cu合金は、Znを0.1〜10at%で含有し、またM元素即ちB,Mg,Al,Ca,Ti,Crの群から選ばれた少なくとも1種を合計で0.1〜6at%含有するように合金化することが望ましい。
尚基材12との間及び化合物層16との間で密着層を省く上で、金属層14は基材12及び化合物層16に対する密着性が、JIS K5600−5−6で規定される分類0〜3であることが望ましい。
尚厚みに関しては、金属層14は10nm〜1μmの厚みで積層しておくことが望ましい。より好ましくは50nm〜500nmである。
上記化合物層16もまた、スパッタリングによって金属層14の図中上面に積層形成されている。ここで化合物層16は所定組成のターゲット材料を用い、スパッタリングガスとしてターゲット材料とは非反応性のガスを用いた非反応性スパッタリングによって形成されている。
そのためスパッタリングに際して装置のチャンバ内を反応性ガスで置換する必要がなく、スパッタリング操業に際しての面倒が無く、また膜生成も速いために、生産性高くスパッタリングによる膜形成即ち積層体10Aを製造することができる。
本実施形態において化合物層16は、波長360〜830nmにおける消衰係数を0.001〜2.0の範囲とし、可視光領域の光が化合物層16の内部を透過することができるようにされている。
このため外部から金属層14に向かって入射する光は、化合物層16の表面でその一部が反射する一方、残りの光は化合物層16内を通過し金属層14の表面(化合物層16と金属層14との界面)で反射する。
そして本実施形態では、外部からの光の入射に対して発生した2つの反射光、即ち金属層14の表面(化合物層16と金属層14との界面)からの反射光と化合物層16の表面からの反射光とを相互に干渉させることで、外部からの光の入射に対する反射光の反射率を20%以下に抑えることができる。
ここで反射率20%以下としているのは、反射率20%を境として、それ以下であれば後述する金属の極細線による光反射をほとんど感じなくすることができ、タッチパネルの表示部に対する良好な視認性を確保できることによる。
化合物層16形成のためのターゲット材料は、波長360〜830nmにおける消衰係数が0.001〜2.0の金属酸化物や金属炭化物等の化合物を用いることができる。金属酸化物としてはCu,Fe,Ni,Snからなる群の何れか1種の金属を含む金属酸化物を好適に用いることができる。
尚、反射光を低く抑えるための最適な化合物層16の厚みは、化合物層16の組成によっても異なる場合があり、化合物層16の厚みは採用するターゲット材料ごとに最適化することが望ましい。
また、化合物層16は、透明な基材12又は/及び金属層14との密着性がJIS K5600−5−6で規定される分類0〜3であることが望ましい。
積層体10Aは、実際にはこれを加工してタッチパネルセンサの要素として用いる。
10はその加工後の積層体を示している。
加工後の積層体10においては、加工前の積層体10Aにおける膜状の金属層14の余分となる部分が除去されて多数の極細線S1のみが金属層14として残されており、それら残された極細線S1が互いに平行をなして縞状パターンの電極14Dを形成している。
化合物層16もまた余分の部分が除去されて、極細線S1の図中上面を覆う部分のみが極細線S2となって残され、それらが極細線S1の図中上面に入射する光による極細線S1からの光の反射を抑制する働きをなしている。
尚この実施形態における図1(A)の積層体10A及び10は、何れも本発明の積層体の概念に含まれるものである。後に説明する図1(B)の積層体20A及び20,図2の積層体22A及び22,24A及び24についても同様である。
積層体10にあっては、化合物層16詳しくは極細線S2にて、化合物層16から基材12の側に向けて外部から入射する光による金属層14即ち電極14Dの極細線S1からの光の反射を抑制する。
そのため、表示装置の表示に対する視認性が多数の極細線S1からなる電極14Dからの光の反射によって実質的に損なわれることもなく、良好な視認性を確保することができる。
尚積層体10において、極細線S1の線幅は0.5μm〜20μmの範囲内としておくことが望ましい。より好ましくは1μm〜10μm、更に好ましくは1μm〜5μmである。
図3は、積層体10Aを経由して積層体10を製造する手順の工程例を示している。
同図に示しているように積層体10を製造するに当って、先ず図3(I),(II)に示すように透明の基材12の上面に非反応性スパッタリングによって金属層14を基材12全面に亘って膜状に積層形成する。
次いで(III)に示すように、金属層14の上面に化合物層16を非反応性スパッタリングによって金属層14全面に亘り膜状に積層形成する。
その後、感光性のあるレジスト18を化合物層16の上面に全面に亘って膜状に施した後、図3(IV)に示すように露光を行って化合物層16及び金属層14の非除去部分のみレジスト18を硬化により残存させて他を除去し、その後(V)に示すようにエッチングを行って金属層14及び化合物層16のレジスト18にてマスクされていない部分を部分的に除去し、続いて(VI)に示すようにレジスト18を除去することによって、積層体10を得る。
但しこれはあくまで製造方法の一例である。上記の例ではいわゆるウェットエッチング手法を用いているが、これに代えてドライエッチング手法を用いることも可能である。
図1において、20Aは本実施形態における積層体の他の形態例を示している。
積層体20Aでは、金属層14と透明の基材12との間に化合物層16が積層形成されている。
この積層体20Aにおいても、金属層14,化合物層16は何れもスパッタリングによって膜状に積層形成されている。
このうち化合物層16は、上記と同様にスパッタリングガスとしてターゲット材とは反応しないガスを用いた非反応性スパッタリングによって形成されている(この点は金属層14についても同様)。
20は、積層体20Aを実際のタッチパネルセンサの要素として用いるべく加工を加えた形態のもので、この積層体20においては、金属層14が所要部分を除いて部分的に除去されている。
そして残った部分が多数の金属の極細線S1となって互いに平行に延び、縞状パターンの電極14Dを形成している。
同様に化合物層16もまた極細線S1の部分を除いて他の余分の部分が除去され、そして残った部分の極細線S2が、金属層14、詳しくは電極14Dの極細線S1の図中下面を覆っている。
図1の積層体20にあっては、タッチパネルセンサに適用するに際して、これを図に示したのとは上下逆向きに配置して用いることができる。
このようにすることで、視認側となる図中下側から上向きに光が入射する場合、電極14Dにて入射光が図中下向きに反射されるのを、化合物層16、詳しくは細線S2にて、抑制することができる。
これにより金属製の電極14Dによって表示部に対する視認性が損なわれるのを実質的に防ぐことができる。
積層体20はまた、タッチパネルセンサに適用するに際して、これを図1に示した向きで配置し、用いることもできる。
このように配置した場合には、図中下方に位置する表示装置の表示部からの上向きの出射光が下向きに反射され、その反射光が表示装置側に戻って表示部分に映り込むことにより視認性が損なわれるのを、化合物層16にて実質的に防ぐことができる。
積層体20A及び20を製造するには、基本的に上記と同様の工程を経てその製造を行うことができる。図4(A)にその工程例が示してある。
図2において、22Aは本実施形態の積層体の更に他の形態例を示している。
この積層体22Aは、図中下側から上に向って透明の基材12,化合物層16,金属層14,化合物層16が順に積層されている。
つまりこの例の積層体22Aにおいては、金属層14の基材12とは反対側の図中上面に化合物層16が積層形成されるとともに、金属層14の下側、つまり金属層14と基材12との間においても、同様の化合物層16が積層形成されている。
尚積層体22Aにおいて、金属層14は基材12全面に亘って膜状に積層形成されており、更に化合物層16もまた、金属層14全面に亘って膜状に積層形成されている。
一方積層体22においては、金属層14は所要の部分を残して他の余分の部分が除去されており、残った多数の極細線S1が互いに平行をなして縞状パターンの電極14Dを形成しており、同様にこれに対応して化合物層16もまた、極細線S2が金属層14、詳しくは電極14Dの極細線S1の図中上面と下面とを被覆しており、電極14D(極細線S1)による図中上向き及び下向きの光の反射を抑制している。
この例の積層体22にあっては、タッチパネルセンサへの適用に際してこれを表示装置の上面側に図2に示す向きで配置したとき、図中上方の外部からの下向きの入射光、及び下方の表示装置から上向きに出射されて積層体22に入射する光の何れに対しても、図中上向き及び下向きの反射を抑制することができる。
これにより金属線から成る電極14Dを用いた場合においても、表示部に対する良好な視認性を確保することができる。
尚、図2の積層体22A及び22を製造するに際しても、上記と同様の工程を経てこれらを製造することができる。図4(B)にその工程を具体的に示している。
図2において、24Aは本実施形態の積層体の更に他の形態例を示している。
この例の積層体24Aは、透明の基材12の一面側と他面側との両方に、金属層14−1と14−2とをそれぞれ設けた例である。
積層体24は積層体24Aを加工したもので、この積層体24においては、一方の電極14−1Dを構成する極細線S1に対して、他方の電極14−2Dを構成する極細線S1が直交する方向に延びており、それらが全体として平面視で格子状パターン模様を形成している。
即ち一方の電極14−1DはX軸方向に延びるX側電極として構成され、他方の電極14−2DがY軸方向に延びるY側電極として構成されている。
従ってこの積層体24にあっては、単独で操作者による操作の2次元位置を感知し、特定することができる。
またこの積層体24にあっては、図中上から下向きの入射光に対しても、また図中下から上向きの入射光に対しても、入射光が多く反射して視認性を害するのを防ぐことができる。
図5はタッチパネルセンサの要部の積層構造例を示している。
同図(A)の例は、図中下側から上向きに透明の基材12,化合物層16,金属層から成るY側電極14−2D,化合物層16,化合物層16,金属層から成るX側電極14−1D,化合物層16,透明の基材12を積層した構造をしている。
この例の積層体26は、図2に示す積層体22を、電極14−1D,14−2Dが直角をなす状態で互いに向き合うように配置して重ね合せ、それらを光学的接着剤(OCA)27で接着することによって構成することができる。
この積層体26にあっては、電極14−1Dに向って図中上側から下向きに入射する光に対しては、電極14−1Dの図中上面の化合物層16により、電極14−1Dでの反射を抑えることができる。
また電極14−1Dに向けて図中下側から上向きに入射する光に対しては、電極14−1Dの図中下面の化合物層16により、電極14−1Dでの反射を抑えることができる。
一方電極14−2Dに向けて図中上側から下向きに入射する光に対しては、電極14−2Dの上面の化合物層16により、電極14−2Dでの上向きの反射を抑えることができる。
また電極14−2Dに向けて図中下側から上向きに入射する光に対しては、電極14−2Dの下面の化合物層16により、電極14−2Dでの下向きの反射を抑えることができる。
即ち図中下側の表示装置の上側に積層体26を配置する場合において、その積層体26の上下向きの如何に拘らず、図中上方から下向きに入射する外部の光、及び図中下側から上向きに入射する表示装置からの光の何れに対しても、金属製の電極による反射を効果的に抑制することができ、電極による光の反射により表示部の表示に対する視認性を高く確保することができる。
一方図5(B)の積層体28は、図中下側から上向きに、化合物層16,金属層から成るY側電極14−2D,化合物層16,透明の基材12,透明の基材12,化合物層16,X側電極14−1D,化合物層16を順に積層した構造のもので、この図5(B)に示す積層体28にあっても、これを図2の積層体22を貼り合せることで構成することができる。
具体的には、積層体22を、それぞれの基材12において互いに背中合せに、つまり互いの電極14−1D,14−2Dが逆向きとなるように配置して、それらを光学的接着剤27で接着することで積層体28を構成することができる。
この積層体28においても、積層体26と同様、積層体28を上下何れの向きで配置した場合においても、外部からの光或いは表示装置からの光の何れに対しても、その反射を抑えることができ、表示装置の表示部に対する視認性を高く確保することができる。
次に(C)の積層体30は、図中下から上向きに基材12,化合物層16,Y側電極14−2D,化合物層16,基材12,化合物層16,X側電極14−1D,化合物層16の順に積層した構造をなしている。
図5(C)に示す積層体30もまた、図2の積層体22を用いて簡単に構成することができる。具体的には、積層体22をそれぞれ同じ向きに、詳しくはそれぞれの電極14−2D,14−1Dが図中上向きとなる状態に同方向に配置して重ね合せ、それらを光学的接着剤27で互いに貼り合せることで、積層体30を構成することができる。
この積層体30においても、光の反射に対して基本的に積層体26,28と同様の効果を奏し得る。
上記図5(A)〜(C)で示した例は、いずれもX側電極14−1D及びY側電極14−2Dのそれぞれ図中上面と下面とに対応する化合物層16を設けたものであるが、図6(A),(B),(C)で示す積層体32,34,36ようにX側電極14−1DとY側電極14−2Dのそれぞれ上面にのみ化合物層16を設けておくことも可能である。
この場合において積層体32,34は、図1の積層体10と積層体20とを貼り合せて構成することができ、積層体36は、積層体10同士を貼り合せて構成することができる。
以上タッチパネルセンサにおける積層構造の例を幾つか示したが、タッチパネルセンサの積層構造には他にも様々なものがあり、そのような積層構造に対して、本実施形態の積層体はその組合せを変えることで良好に各種の積層構造に対して対応することが可能である。
次に本発明の実施例を以下に詳しく説明する。
(実施例1〜実施例31)
各種積層構造の積層体を以下のようにして製造し、成膜性,電気比抵抗,密着性,反射率等の特性を以下の方法で測定し、評価を行った。
(各種積層体の製造)
表1は、実施例及び比較例における金属層(ここでは金属膜)及び化合物層(ここでは化合物膜)を形成するためのスパッタリングターゲットの化学組成を示している。
尚、化合物膜に用いるターゲット材の代表例であるCuO(実施例)とCu(比較例)の消衰係数を図7に示す。
表1に示す各種組成の金属のインゴットから切り出して、φ100mm×5mmのサイズのスパッタリングターゲットを作製した。
金属膜及び化合物膜を積層形成すべき透明の基材としては50mm×50mm×2mmのシート状のPETを用い(ソーダライムガラスその他を用いても良い)、スパッタリングを行って基材上に各種の金属膜及び化合物膜を積層形成した。
スパッタリングは真空度を5×10−4Paとし、チャンバ内にArガス(不活性ガス)を導入して行った。スパッタ圧は0.1〜1.0Pa,電力は100〜500Wとして行った。
1)化合物膜/金属膜/基材の積層体の作製
スパッタリングにより透明な基材上に、厚さ300nmで、表1で示す組成のCu合金膜を金属膜(金属層)として作製した後、金属膜上に同じく表1で示す組成の化合物膜(化合物層)を作製した。
これにより、透明基材上に金属膜と、化合物膜とがその順に積層した構造の、化合物膜/金属膜/基材の積層体を得た。
2)金属膜/化合物膜/基材の積層体の作製
スパッタリングにより透明の基材上に、化合物膜を作製した後、その上に厚さ300nmでCu合金から成る金属膜を作製した。
これにより、PETシートから成る透明の基材と、その基材上に積層形成した化合物膜と、更にその上に積層形成した金属膜とを有する、金属膜/化合物膜/基材の積層構造を有する積層体を得た。
3)化合物膜/金属膜/化合物膜/基材の積層体の作製
スパッタリングにより透明な基材上に、化合物膜を作製した後、更にその上に厚さ300nmで金属膜を作製し、更にその上に化合物膜を作製した。
これにより、PETシートから成る透明の基材と、その上に積層形成された化合物膜と、更にその上に積層形成された金属膜と、更にその上に積層形成された化合物膜とを有する、化合物膜/金属膜/化合物膜/基材の積層構造の積層体を得た。
尚、上記実施例における化合物膜の厚さは、その化学組成に応じて最も反射率を低減させるのに有効と思われる厚さとした。具体的には、実施例1〜26が40〜60nm、実施例27が100nm、実施例28が100nm、実施例29が50nm、実施例30が40nm、実施例31が40nm、である。
(電気比抵抗の測定)
電気抵抗の測定は、4探針法により膜の5箇所で測定し、その平均値より電気比抵抗(μΩ・cm)を算出した。
(密着性試験)
JIS K5600−5−6に準拠して、各金属膜の密着性を評価した。
(反射率の測定)
反射率の測定はJIS K 7105に準拠して行った。詳しくは紫外可視分光光度計を用いて可視光の波長範囲(360〜830nm)で行い、波長1nm毎の反射率を測定して(反射率の合計)/(可視光の波長範囲)×100の値を反射率とした。
反射率の測定は、基材側から金属膜の側を見たときの反射率、即ち基材側から金属膜に向って光が入射したときの反射光の測定と、金属膜の側から基材側を見たときの反射光の測定、即ち金属膜の側から基材側に光が入射したときの反射光の測定との両方の測定を行った。
Figure 2016190405
Figure 2016190405
(比較例1〜比較例43)
比較例1〜40については化合物膜を積層形成せずに、実施例と同様にして透明の基材上に純Cu若しくはCu合金のターゲットを用いて金属膜を積層形成し、各種積層体を得た。
また比較例41〜43については、表1で示す組成の純Cu若しくはCu酸化物のターゲットを用いて化合物膜(比較例41については純Cuのため金属膜)を積層形成して成る積層体を作製した。
比較例において金属膜と基材との間に形成された化合物膜の厚さは、比較例41が50nm、比較例42が50nm、比較例43が50nm、である。
そして各積層体について実施例と同様の各種特性の評価を行った。
その結果が表2に示してある。
Figure 2016190405
Figure 2016190405
Figure 2016190405
Figure 2016190405
[反射率及び視認性について]
表2の結果において、比較例3〜40は化合物膜(化合物層)を有しておらず、金属膜側、基材側何れにおいても反射率の値が20%を超えており、視認性が悪い。
一方化合物膜を積層形成している実施例1〜31については、化合物膜を金属膜と基材との間に積層したものにあっては、基材側の反射率が20%以下に抑制されており、また化合物膜が金属膜の上面、つまり基材とは反対側の面に積層形成されている場合には、金属膜側の反射率が20%以下で良好であり、化合物膜を設けたことによる効果が得られている。
特に、化合物膜を、金属膜の上面(基材とは反対側の面)及び金属膜と基材との間の両方とに積層形成した実施例26にあっては、基材側から見た反射率と、金属膜側から見た反射率との何れも20%以下で、互いに反対方向の2方向において光反射が抑制されている。
尚、比較例41〜43は化合物膜(比較例41については純Cuのため金属膜)が金属膜と基材との間に積層形成されているものの、基材側で反射率は20%を超えて高くなっている。
これは、図7で示すように化合物膜の消衰係数が2.0よりも大きいため入射した光が化合物層内で吸収されてしまい化合物膜表面で反射した光との干渉作用が発揮されず、化合物膜表面で反射した光の強度を弱めることができなかったことによるものと思われる。
このように化合物膜の可視光領域(波長360〜830nm)における消衰係数を0.001〜2.0とすることで、化合物膜の側から金属膜に向かう入射光に対する反射率を20%以下に低減することができる。
[電気比抵抗について]
金属膜としてCuとB,Mg,Al,Ca,Ti,Crの群から選択した何れか1種の元素(M元素)とZnとをともに含有したCu合金を金属膜に用いた実施例1〜実施例31では、M元素を0.1〜6at%で含有し、Znを0.1〜10at%で含有していることから、これら実施例の何れにおいても電気比抵抗が8.0μΩ・cm以下となっており、何れも電極として十分な性能を備えている。
一方比較例について見ると、比較例3では電気比抵抗が8.0μΩ・cm以下で良好であるものの、比較例4〜比較例9及び比較例28〜比較例40では、電気比抵抗が8.0μΩ・cmを超えて高く、何れも抵抗値が高い。
このことは、CuにZnを単独で合金化させた場合は良いが、Znを合金化しないでM元素のみを合金化させた場合には、電気比抵抗が所定値を超えて悪化すること、またZnとともにM元素を合金元素として含有させた場合であっても、M元素の含有量が6at%を超えて過剰であると、電気比抵抗の値が所定値を超えて悪化すること、またM元素とともにZnを含有させた場合であっても、Znの添加量が10at%を超えて過剰であると、同様に電気比抵抗が所定値を超えて悪化することが分かる。
従って金属膜としてCu合金を用いる場合にあっては、M元素とZn元素ともに合金元素として含有すること、更にM元素については0.1〜6at%で含有し、またZnについては0.1〜10at%の範囲内で含有することが望ましい。
[密着性について]
比較例3〜9は、金属膜をCu合金で構成したものであるが、その組成がB,Mg,Al,Ca,Ti,Cr等のM元素とZnとの両元素を同時に含有していないため密着性が低い。
また比較例16〜21は、金属膜をCu合金で構成したもので、その組成がB,Mg,Al,Ca,Ti,Cr等のM元素とZnとの両元素を同時に含有したものであるものの、B,Mg,Al,Ca,Ti,Cr等元素の合計の含有量が0.1at%より少ないため密着性が低い。
これに対して実施例1〜31は、金属膜,化合物膜ともに密着性は良好である。
以上本発明の実施形態及び実施例について詳しく説明したが、これはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
10,10A,20,20A,22,22A,24,24A,26,28,30,32,34,36 積層体
12 基材
14,14−1,14−2 金属層
14D,14−1D,14−2D 電極
16 化合物層

Claims (4)

  1. (a)透明な基材と、
    (b)該基材に積層されて電極形成する金属層と、
    (c)非反応性のスパッタリングガスを用いたスパッタリングによって、前記金属層の前記基材とは反対側の面又は該金属層と該基材との間に積層された、波長360〜830nmにおける消衰係数が0.001〜2.0の化合物層と、
    を少なくとも有し、該化合物層の側から前記金属層に向かう入射光に対する反射率が20%以下であることを特徴とする積層体。
  2. 請求項1において、前記金属層の前記基材とは反対側の面及び該金属層と該基材との間の両方に、該基材を介することなく該金属層を挟むようにして前記化合物層が積層されていることを特徴とする積層体。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記化合物層は、Cu,Fe,Ni,Snからなる群の何れか1種の金属を含む金属酸化物で構成されていることを特徴とする積層体。
  4. 請求項3において、前記化合物層は、Cu,Fe,Ni,Snからなる群の何れか1種の金属を含む金属酸化物から成るターゲット材を用いてスパッタリングにより形成されていることを特徴とする積層体。
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