JP2013169712A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】経時においても黒化の色調が変化することがなく、タッチパネル下に配置されるディスプレイの視認性を低下することがない透明導電性フイルムに適用することが可能な積層体を提供すること。
【解決手段】黒化層と基材の積層体であって、
黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることを特徴とする積層体。
【選択図】図1
【解決手段】黒化層と基材の積層体であって、
黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることを特徴とする積層体。
【選択図】図1
Description
本発明は透明導電性フイルムとして好適に用いることが可能な積層体に関する。特に、1
層以上の金属層を積層した透明導電性フイルムに好適に適用が可能な積層体に関するものである。
層以上の金属層を積層した透明導電性フイルムに好適に適用が可能な積層体に関するものである。
静電容量式のタッチパネルはマルチタッチが可能であり、西日や落ち葉、埃などに影響を受け難いため屋外で利用ができることから、デジタルサイネージ用などの大型化が進んでいる。
静電容量式のタッチパネルは、特定の電極パターンを形成し電極間の静電容量値の変化を検出して、押圧した位置を特定する構造となっている。この静電容量式の1つの方式は、2面の電極をパターン化し、コントローラーにて押位置の微弱な電流を電圧に変換して検出しようとするものである。従って大型の静電容量式のタッチパネルに使用される導電性フイルムは、表面抵抗率が小さくかつ透明性の高いものが要求される。
従来、抵抗膜式または静電容量式の導電性フイルムとして、ITO(Indium Tin Oxide)を表面に形成させたフイルムが広く使用されている。このITOフイルムは、フイルムの表面に蒸着法やスパッタリング法にITO膜を形成することにより得られるが、大型化においてはITO膜の体積抵抗率が比較的高いという問題がある。体積抵抗率が高ければ大型の電極を形成した際に押位置の電流が微弱になり位置検出が困難になる。ITO膜の抵抗値を低くしようとすれば、膜厚を厚くしたり結晶性を高めればよいが、膜厚の増加は透明性の低下および屈曲性の低下を生じ、結晶性を上げるには熱エネルギーを加える必要があるため樹脂フイルムを用いる事が制限されるので、共に好ましくない。
近年、基材の表面に、導電性金属の微細線を用いて任意のパターンを描画してなる透明導電性フイルムが開発され、この透明導電性フイルムを2枚用いて、導電性金属の微細線が描画された面が互いに向い合うように透明接着剤などで貼り合わせて積層された複合透明導電フイルムを電極とする構成の静電容量式タッチパネルが提案された(特許文献1)。この静電容量式タッチパネルに用いられた透明導電性フイルムは前述の電極パターンの抵抗値が極めて低く、透明性と屈曲性を併せ持つため、タッチパネルの大型化に用いられるようになった。
しかしながら、この透明導電性フイルムは導電性金属のもつ金属光沢がゆえに、その反射光によるギラツキでタッチパネルの下に配されるディスプレイの視認性が悪くなるという課題がある。このようなギラツキを改善する方法として、導電性金属に銅を用いて、さらにその表面を黒化する方法が提案されている。例えば、銅の表面をアルカリ処理して黒化する方法(特許文献2)、真空中で反応性スパッタを用いて黒化する方法(特許文献3)がある。
黒化した銅の表面は、経時により色調が変化する問題がある。特に、タッチパネルのようにディスプレイの表面に用いた場合には画面の反射色が変化してしまい商品価値を損ねることになる。
本発明は上記のような事情を鑑みてなされたものであり、経時においても黒化した銅の色調が変化することがなく、タッチパネル下に配置されるディスプレイの視認性を低下することがない透明導電性フイルムに適用することが可能な積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の積層体は以下の構成をとる。
(1) 黒化層と基材の積層体であって、
黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることを特徴とする積層体。
(2) 黒化層側から光を入射したときの反射光について、Lab系におけるL値が19〜30、a値が−4〜3、b値が−4〜1であることを特徴とする前記(1)に記載の積層体。
(3) 金属層を有することを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の積層体。
(4) チタン、ニッケル、及びクロムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む密着層を有することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。
(5) 黒化層、金属層(以下、金属層1という)、基材、黒化層(以下、黒化層2という)、金属層を、この順に有することを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体。
(6) 金属層1と基材の間に、密着層を有し、さらに、基材と黒化層2の間に密着層を有することを特徴とする、前記(5)に記載の積層体。
(7) 全光線透過率が20%以上であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の積層体。
(8) 表面抵抗率が0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の積層体。
(1) 黒化層と基材の積層体であって、
黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることを特徴とする積層体。
(2) 黒化層側から光を入射したときの反射光について、Lab系におけるL値が19〜30、a値が−4〜3、b値が−4〜1であることを特徴とする前記(1)に記載の積層体。
(3) 金属層を有することを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の積層体。
(4) チタン、ニッケル、及びクロムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む密着層を有することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。
(5) 黒化層、金属層(以下、金属層1という)、基材、黒化層(以下、黒化層2という)、金属層を、この順に有することを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体。
(6) 金属層1と基材の間に、密着層を有し、さらに、基材と黒化層2の間に密着層を有することを特徴とする、前記(5)に記載の積層体。
(7) 全光線透過率が20%以上であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の積層体。
(8) 表面抵抗率が0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の積層体。
本発明によれば、以下に説明するとおり、配線部の金属光沢反射光によりタッチパネル下に配されるディスプレイの視認性を低下させることない透明導電性フイルムとして好適に使用可能な積層体を提供することができる。
本発明は、黒化層と基材の積層体であって、黒化層は窒化銅が主成分であり、黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることを特徴とする積層体である。
窒化銅は光学吸収があり反射色が視覚的に黒色に見えるので、金属光沢を防止するのに好適である。窒化銅は自然界では存在しないため化学的に不安定で、自然酸化により窒化銅の銅原子乃至は窒素原子に酸素が結合した窒化銅の酸化物を形成し易い。酸化の進行と共に反射色が変化するため、量産した場合や在庫を管理する場合に視覚的に色調の異なる製品が出来てしまうので工業生産品としては好ましくない。酸化による色調の変化を防止するためには酸化反応が進行しなくなる程度に酸化した状態を作りこむことを考案した。窒化銅を得る方法としては真空蒸着時に窒素ガスを吹き付ける方法、スパッタリングの放電ガスを窒素雰囲気で行う方法などがあるが、本発明ではスパッタリングで作成することを試みた。本発明の窒化銅の作成時に放電ガスである窒素に適量の酸素を加えることで予め窒化銅を酸化した状態を得た。その膜をX線電子分光法(以下、XPSと称する)で分析し、窒素原子の化学状態に注目して、酸素との結合状態と、状態ごとの原子数比率を算出した。分析方法の詳細は評価方法に後述する。本発明の発明者は、窒化銅の色調が経時で変化しない状態は、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下の状態であることを見出した。一切酸化していない窒化銅の膜を得ることは困難であるため、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数を0原子%とすることは実質不可能である。そのため、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数の下限は1原子%程度と考えられる。また、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が50原子%を超えると、窒化銅の色調が黒色から赤黒色に変化してくるため、50原子%以下であることが重要である。
本発明の積層体は、その黒化層側から光を入射した時の反射光について、Lab系におけるL値が19〜30、a値が−4〜3、b値が−4〜1であることが好ましい。本発明の調光材用電極の反射光について、L値を19〜30、a値を−4〜3、b値を−4〜1とすることで、反射光のギラツキ感が無く、視認性が良くなるために好ましい。L値が19を下回ると暗く感じ、30を超えると明るすぎて網目が目立つようになることがある。a値が−4〜3、及びb値が−4〜1の範囲であると、反射光が青緑色を呈して、パターン状の金属層を有している場合には、そのパターン状構造が目立ち難くて好ましい。a値が−4〜3の範囲から外れたり、b値が−4〜1の範囲から外れると、パターン状の金属層を有している場合には、そのパターン状構造が目立ち易くなり、視認性が悪くなることがある。なお、反射光のL値、a値、b値の測定方法は、後述する。
本発明の積層体について、各層の積層順序は特に限定されないが、本発明の積層体は、黒化層(以下、黒化層1という)、金属層(以下、金属層1という)、基材、黒化層(以下、黒化層2という)、金属層(以下、金属層2という)を、この順に有することが好ましい。本発明の積層体が、このような積層構成であることにより、本発明の積層体を透明導電性フイルム用途に用いた場合に、タッチパネル下に配置されるディスプレイの視認性を低下させることなく、また配線をメッシュ状にして断線に対する冗長性を増してもモアレを生じにくい効果を有する。
本発明の積層体は、その黒化層側から光を入射した時の反射光について、Lab系におけるL値が19〜30、a値が−4〜3、b値が−4〜1であることが好ましい。本発明の調光材用電極の反射光について、L値を19〜30、a値を−4〜3、b値を−4〜1とすることで、反射光のギラツキ感が無く、視認性が良くなるために好ましい。L値が19を下回ると暗く感じ、30を超えると明るすぎて網目が目立つようになることがある。a値が−4〜3、及びb値が−4〜1の範囲であると、反射光が青緑色を呈して、パターン状の金属層を有している場合には、そのパターン状構造が目立ち難くて好ましい。a値が−4〜3の範囲から外れたり、b値が−4〜1の範囲から外れると、パターン状の金属層を有している場合には、そのパターン状構造が目立ち易くなり、視認性が悪くなることがある。なお、反射光のL値、a値、b値の測定方法は、後述する。
本発明の積層体について、各層の積層順序は特に限定されないが、本発明の積層体は、黒化層(以下、黒化層1という)、金属層(以下、金属層1という)、基材、黒化層(以下、黒化層2という)、金属層(以下、金属層2という)を、この順に有することが好ましい。本発明の積層体が、このような積層構成であることにより、本発明の積層体を透明導電性フイルム用途に用いた場合に、タッチパネル下に配置されるディスプレイの視認性を低下させることなく、また配線をメッシュ状にして断線に対する冗長性を増してもモアレを生じにくい効果を有する。
本発明の積層体は、金属層1と基材の間に、密着層(以下、密着層1という)を有し、さらに、基材と黒化層2の間に密着層(以下、密着層2という)を有する態様がより好ましい。密着層を有することで、エッチングや保護フイルム剥離などの後工程において、金属層などが剥がれるのを防止することができる。
本発明の積層体を構成する基材は、後述するようにガラス板やフイルムが用いられる。そのため基材は、積層体を上から見た場合にベタ膜状となっている。
一方で、本発明の積層体中の黒化層、金属層、密着層は、ベタ膜状となっていてもよいし、図2のようにパターン状となっていてもよい。なお、黒化層、金属層、密着層をパターン状とする場合には、ベタ膜状の黒化層、金属層、密着層を有する積層体から、黒化層、金属層、密着層の一部を除去してパターン状とすることが可能である。
また、黒化層などがパターン状の積層体の場合には、そのパターンの形状は特に限定されないが、好ましくはメッシュ状やストライプ状を挙げることができる。
さらに、黒化層などがパターン状の積層体の場合には、それぞれの層は、同じサイズのパターンである必要はなく、各層は独立してパターンのサイズ、形状を選択することが可能である。黒化層などがパターン状の積層体であり、基材の両側に前述する何らかの層を有する積層体の場合、基材の一方の側の各層は、サイズ、形状が同一のパターンであり、基材の他の側の各層も、サイズ、形状が同一のパターンであり、基材の一方の側の各層のパターンと他の側の各層のパターンとが、形状若しくはサイズが異なることが好ましい。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
[第一実施の形態]
図1は本発明の第一実施の形態による積層体の構成を示す概略図である。つまり、本発明の第一実施の形態による積層体は、黒化層1、金属層1、密着層1、基材、密着層2、黒化層2、金属層2を、この順に有する。黒化層1、黒化層2には窒化銅を用いる。
[第一実施の形態]
図1は本発明の第一実施の形態による積層体の構成を示す概略図である。つまり、本発明の第一実施の形態による積層体は、黒化層1、金属層1、密着層1、基材、密着層2、黒化層2、金属層2を、この順に有する。黒化層1、黒化層2には窒化銅を用いる。
黒化層1、金属層1、密着層1、基材、密着層2、黒化層2、金属層2がベタ膜からなる本発明の積層体においては、黒化層、金属層、及び密着層を部分的に除去して、パターン状の黒化層、金属層、及び密着層とした本発明の積層体とすることで、タッチセンサーの電極として好適に用いることができる。なお、この場合、黒化層1側から見て使用することが好ましい(つまり、黒化層1が視認側である。)。
以下、この態様等について詳細を説明する。
以下、この態様等について詳細を説明する。
基材(3)を構成する材料は、特に限定されず、コストや入手容易性の観点からガラスや樹脂が好適である。基材を構成する材料としてガラスを選択した場合、ガラスは樹脂に比べてヘイズが低いために、タッチセンサー下のディスプレイの画像がクリアに見える特徴がある。また、基材を構成する材料として、樹脂を選択した場合、樹脂は可撓性を有し曲面に適用できるタッチセンサーを作製することができる特徴を有する。基材を構成する材料として樹脂を選択した場合、基材をフイルムと呼ぶことがある。
また、基材がフイルムの場合には、ロール状態での入手が容易であるためロールトゥロールでの加工が可能となり、生産性に優れる特徴もある。フイルムを構成する樹脂としては、特に限定されないが、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリアラミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。
また基材(3)は、透明性を有することが好ましい。基材は、好ましくは全光線透過率が20%以上であり、より好ましくは全光線透過率が50%以上である。基材の全光線透過率は、高ければ高いほどよいが、99%を超えることが困難なので、現実的な上限は99%程度である。
基材(3)は絶縁性であることが好ましい。本発明の積層体(1)は、黒化層、金属層、及び密着層を部分的に除去してパターン状の黒化層、金属層、及び密着層を有する本発明の積層体とすることで、タッチセンサーの電極とすることができるが、その場合に基材が導電性を有すると、電極間が短絡してしまう問題が生じることがある。そのため基材は絶縁性を有することが好ましい。
基材(3)の厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは1μm以上5000μm以下であり、より好ましくは10μm以上500μm以下であり、更に好ましくは20μm以上250μmである。基材が薄すぎるとハンドリングが困難となることがあり、厚すぎると透明性が損なわれてしまうことがある。
黒化層は、層の全体100原子%において、銅の合計含有量(原子数基準)が50原子%以上95原子%以下の層である。また前述の通り、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることが重要である。
黒化層は、層の全体100原子%において、銅の合計含有量(原子数基準)が50原子%以上95原子%以下の層である。また前述の通り、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることが重要である。
この原子数の確認は、Ar+イオンによる積層体のエッチング(条件:加速電圧2kV、試料傾斜角度30℃)とオージェ電子分光法(条件:加速電圧10kV、試料電流20nA、試料傾斜角30°)によって可能である。窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数の測定は、X線光電子分光法(XPS)で測定した。超高真空中においた試料表面に軟X線を照射し、表面から放出される光電子をアナライザーで検出する。光電子が物質中を進むことができる長さ(平均自由行程)が数nm であることから、本分析手法における検出深さは数nm となる。物質中の束縛電子の結合エネルギー値から表面の元素情報が、また各ピークのエネルギーシフトから価数や結合状態に関する情報が得られる。さらにピーク面積比を用いて定量することができる。本発明の場合は窒素のN1sピークに着目して、N1sピークのピーク分割において、全てのピークを100原子%としたときの、酸化を示すピークと酸化をしていないピークの割合で求めた。
黒化層1は、視認側(図1でいう上側)から見て金属層1(4a)を覆うように存在している。このようにすることで、金属層1(4a)が金属光沢を持つ場合に、金属層1(4a)の表面反射によりディスプレイに写される像のコントラストが低下するのを防ぐ効果がある。
黒化層1は、視認側(図1でいう上側)から見て金属層1(4a)を覆うように存在している。このようにすることで、金属層1(4a)が金属光沢を持つ場合に、金属層1(4a)の表面反射によりディスプレイに写される像のコントラストが低下するのを防ぐ効果がある。
黒化層の形成方法は特に限定されず、例えば、スパッタリング法やメッキ法によって形成することができる。
黒化層の厚みは特に限定されないが、5nm以上200,000nm以下が好ましく、10nm以上1,000nm以下がより好ましい。黒化層の厚みが5nm以下の場合には、黒化層を透過する光が多くなり前述の効果を十分に発揮できないことがある。黒化層の厚みが200,000nmを超えると、黒化層を部分的に除去した際にタッチパネルの視野角が制限される。
黒化層2(2b)は、視認側(図1でいう上側)から見て金属層2(4b)を覆うように存在している。黒化層2(2b)を用いる目的や好ましい様態については黒化層1(2a)と同様である。
金属層は、チタン、ニッケル、クロム以外の金属からなる層である。そのため金属層は、積層体(1)に導電機能を付与することができる。黒化層1(2a)および2(2b)や密着層1(5a)および2(5b)が導電性を有する場合には、金属層によって導電機能を付与することは必ずしも必要ではないが、導電性に優れた金属層を設ける方が、黒化層や密着層によって導電機能を兼ねるよりも、金属層と黒化層と密着層の合計の厚みを薄くすることができ、好適である。
金属層は、チタン、ニッケル、クロム以外の金属からなる層である。そのため金属層は、積層体(1)に導電機能を付与することができる。黒化層1(2a)および2(2b)や密着層1(5a)および2(5b)が導電性を有する場合には、金属層によって導電機能を付与することは必ずしも必要ではないが、導電性に優れた金属層を設ける方が、黒化層や密着層によって導電機能を兼ねるよりも、金属層と黒化層と密着層の合計の厚みを薄くすることができ、好適である。
金属層は、チタン、ニッケル、クロム以外の金属を含みさえすれば特に限定されないが、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、コバルト、亜鉛、及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の金属を含むことが好ましい。高い導電性を付与する観点から、金属層は、金、銀、銅、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属から構成されることがより好適であり、コストとのバランスを考えると金属層は銅であることがより好適である。
なお金属層は、層の全体100原子%において、チタン、ニッケル、クロム以外の金属の合計含有量(原子数基準)が50原子%以上100原子%以下の層であることがより好ましく、さらに好ましくは95原子%以上100原子%以下の層である。
また金属層は、酸素や窒素、炭素といった非金属を含有していてもよいが、層の全体100原子%における非金属の合計含有量(原子数基準)は、5原子%以下であることが好ましい。金属層中の非金属の合計含有量が5原子%を超えると、導電性が十分に得られないことがある。
これらの原子数の確認は、前述の条件によるエッチングとオージェ電子分光法によって可能である。
金属層の形成方法は特に限定されず、選択される金属層の素材に応じて適宜形成方法を選ぶことができる。例えば、金属層が銅の場合には、金属層は真空蒸着法やスパッタリング法によって形成することができる。
金属層の厚みは、10nm以上200,000nm以下が好適であり、100nm以上15,000nm以下がより好適であり、300nm以上3,000nm以下が更により好適である。金属層の厚みが10nmよりも薄いと十分な導電性が得られないことがあり、200,000nmを超えると、金属層を部分的に除去した際にタッチパネルの視野角が制限されることがある。
金属層2(4b)を用いる目的や好ましい様態については黒化層4aと同様である。
第一実施の形態の積層体(1)は、金属層1(4a)と基材(3)との間に、密着層1(5a)を有する。密着層1(5a)を設ける理由は、エッチングや保護フィルム剥離などの後工程で、金属層1と基材が剥がれるのを防止することである。
本発明でいう密着層は、チタン、ニッケル、及びクロムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む層である。密着層は、黒化層と別の層(基材など)との間に存在して、これらの層間の密着性を向上する機能を有する層である。
本発明でいう密着層は、チタン、ニッケル、及びクロムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む層である。密着層は、黒化層と別の層(基材など)との間に存在して、これらの層間の密着性を向上する機能を有する層である。
なお密着層は、チタン、ニッケル、及びクロムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む層であるため、例えば、チタン、ニッケル、又はクロムの純粋な金属を含む層でもいいし、チタン、ニッケル、又はクロムを有する化合物を含む層であってもいい。そのため密着層は、黒化層と同様に窒化ニッケルや酸化ニッケルなどを含む層となる場合がある。
なお密着層は、層の全体100原子%において、チタン、ニッケル、及びクロム元素の合計含有量(原子数基準)が、50原子%以上100原子%の層であることが好ましい。この原子数の確認は、前述の条件によるエッチングとオージェ電子分光法によって可能である。
本発明の積層体が密着層を含むことは、密着層を介して黒化層と他の層との密着性を、密着層が存在しない場合と比較して向上できるために好ましい。図1の態様の積層体では、密着層1が存在すると、金属層1と基材とが直接密着した場合と比較して、金属層1と基材との密着性を向上させることができるために好ましい。また、図1の態様の積層体において密着層2が存在すると、基材と黒化層2とが直接密着した場合と比較して、基材と黒化層2との密着層を向上させることができるために好ましい。
密着層の形成方法は特に限定されず、選択される密着層の素材に応じて適宜形成方法を選ぶことができる。なお、スパッタリング法、蒸着法、又はイオンプレーティング法は、チタン、ニッケル、クロムのいずれを含む層の形成にも適用することができるために好ましい形成方法である。
密着層の厚さは、0.5nm以上500nm以下が好適であり、1nm以上100nm以下がより好適であり、1nm以上50nm以下が更により好適である。密着層の厚さが0.5nmより小さいと、十分な密着効果が得られない事がある。また、密着層の厚さが500nmを超えても、得られる密着性が更に増すわけではないので、コストの観点から、密着層は500nm以下が好ましい。
積層体1は、黒化層1(2a)、金属層1(4a)、基材(3)、黒化層2(2b)、金属層2(4b)をこの順で有する。この順に積層することで、視認側(図1の上側)から見たときに、黒化層1(2a)と黒化層2(2b)とが、金属層1(4a)と金属層2(4b)のいずれの表面をもそれぞれ覆うこととなり、タッチセンサー下に配置されるディスプレイの像のコントラストが低下することを防止することができる効果を有する。また、2つの金属層が絶縁性の基材(3)を挟んで配置されることで、表裏の黒化層、金属層、密着層のパターニングを一括で行うことができ、従来の2枚の電極を貼り合せて成るタッチセンサーで問題となった貼り合せズレによるモアレ発生を防ぐことができる。
積層体1は、黒化層1(2a)、金属層1(4a)、基材(3)、黒化層2(2b)、金属層2(4b)をこの順で有する。この順に積層することで、視認側(図1の上側)から見たときに、黒化層1(2a)と黒化層2(2b)とが、金属層1(4a)と金属層2(4b)のいずれの表面をもそれぞれ覆うこととなり、タッチセンサー下に配置されるディスプレイの像のコントラストが低下することを防止することができる効果を有する。また、2つの金属層が絶縁性の基材(3)を挟んで配置されることで、表裏の黒化層、金属層、密着層のパターニングを一括で行うことができ、従来の2枚の電極を貼り合せて成るタッチセンサーで問題となった貼り合せズレによるモアレ発生を防ぐことができる。
本発明の積層体は、エッチングやレーザーアブレーションなどによって金属層1(4a)や金属層2(4b)を部分的に除去して、透明導電性基材に加工される。
本発明の積層体は、全光線透過率が20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。全光線透過率が高いほどタッチセンサー下に配置されるディスプレイの像のコントラストが向上するからである。積層体の全光線透過率は高ければ高いほど好ましいが、現実的に得られる上限は99%以下である。なお、積層体の全光線透過率は、少なくとも一方の面から測定して、20%以上であれば十分である。
本発明の積層体は、全光線透過率が20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。全光線透過率が高いほどタッチセンサー下に配置されるディスプレイの像のコントラストが向上するからである。積層体の全光線透過率は高ければ高いほど好ましいが、現実的に得られる上限は99%以下である。なお、積層体の全光線透過率は、少なくとも一方の面から測定して、20%以上であれば十分である。
なお、積層体の全光線透過率を20%以上とするためには、全光線透過率の高い基材を用いることが好ましいが、そのほかには、積層体を構成する黒化層、金属層、密着層を、パターン状とすることが好ましい。厚みにも依存するが、黒化層、金属層、密着層などはそれを構成する原料が理由で全光線透過率が低いが、黒化層、金属層、密着層を大幅に除去(図2)して、パターン状とすることで、金属層などが存在しない部分ができることになるので、全光線透過率の優れた積層体とすることができる。
本発明の積層体の表面抵抗率は0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下が好ましく、0.01Ω/sq.以上1,000Ω/sq.以下がより好ましい。3,000Ω/sq.を超える表面抵抗率の積層体を用いてタッチセンサーとしたときは、タッチセンサーの応答速度が遅くなってしまうことがあるため、積層体の表面抵抗率を3,000Ω/sq.よりも大きくすることは好ましくない。また、0.001Ω/sq.未満の積層体としても、電極として用いた場合の性能に問題はないが、低抵抗を得るために金属層や黒化層、密着層の厚みを大きくする必要が生じるので、コストの点で好ましくない。なお、積層体の表面抵抗率は、少なくとも一方の面において、0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下であれば十分である。
本発明の積層体の表面抵抗率は0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下が好ましく、0.01Ω/sq.以上1,000Ω/sq.以下がより好ましい。3,000Ω/sq.を超える表面抵抗率の積層体を用いてタッチセンサーとしたときは、タッチセンサーの応答速度が遅くなってしまうことがあるため、積層体の表面抵抗率を3,000Ω/sq.よりも大きくすることは好ましくない。また、0.001Ω/sq.未満の積層体としても、電極として用いた場合の性能に問題はないが、低抵抗を得るために金属層や黒化層、密着層の厚みを大きくする必要が生じるので、コストの点で好ましくない。なお、積層体の表面抵抗率は、少なくとも一方の面において、0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下であれば十分である。
なお、積層体の表面抵抗率を0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下とするためには、例えば、金属層の厚みを10nm以上200,000nm以下とする方法を挙げることができる。
上記で説明した積層体は、配線部の金属光沢反射光によりタッチセンサー下に配置されるディスプレイの視認性を低下することない透明導電性フイルムに適用することが可能である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。尚、本実施例で作製された各サンプルの評価方法を以下に示す。
(1)窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数
VG Science社製ESCALAB220iXLを用いて、励起X 線:monochromatic Al Kα1,2 線(1486.6 eV)、X 線径:1mm、光電子脱出角度:90 °(試料表面に対する検出器の傾き)で、窒素のN1sピークを測定し、N1sピークのピーク分割において、全てのピークを100原子%としたときの、酸化を示すピークと酸化をしていないピークの割合で求めた。
データ処理として、エネルギー軸の補正をC1s メインピークを284.6 eV にした
(2)Lab系におけるL値、a値、b値の測定
コニカミノルタ(株)製の分光測色計(CM-2500d)を用い、JIS Z 8722(2009年改訂)に準拠し測定した。測定は、樹脂フイルムに対して金属層の側から光を入射させて測定した。受光光学系はSCI、光源はC、測定角は2°で測定した。
VG Science社製ESCALAB220iXLを用いて、励起X 線:monochromatic Al Kα1,2 線(1486.6 eV)、X 線径:1mm、光電子脱出角度:90 °(試料表面に対する検出器の傾き)で、窒素のN1sピークを測定し、N1sピークのピーク分割において、全てのピークを100原子%としたときの、酸化を示すピークと酸化をしていないピークの割合で求めた。
データ処理として、エネルギー軸の補正をC1s メインピークを284.6 eV にした
(2)Lab系におけるL値、a値、b値の測定
コニカミノルタ(株)製の分光測色計(CM-2500d)を用い、JIS Z 8722(2009年改訂)に準拠し測定した。測定は、樹脂フイルムに対して金属層の側から光を入射させて測定した。受光光学系はSCI、光源はC、測定角は2°で測定した。
(3)表面電気抵抗値の測定
表面電気抵抗値は、三菱化学株式会社製MCP−T360を用いて、80mm×50mmサイズの試料の中央をJIS K7194(1994年制定)準拠の四探針法で測定した。なお、プローブには三菱化学株式会社製のESPプローブ(電極間隔5mm、電極直径2mm)を用い、抵抗率補正係数(RCF)は4.532とした。測定は調光用電極の表面に露出している金属層乃至は黒化層1の表面上から行なった。
表面電気抵抗値は、三菱化学株式会社製MCP−T360を用いて、80mm×50mmサイズの試料の中央をJIS K7194(1994年制定)準拠の四探針法で測定した。なお、プローブには三菱化学株式会社製のESPプローブ(電極間隔5mm、電極直径2mm)を用い、抵抗率補正係数(RCF)は4.532とした。測定は調光用電極の表面に露出している金属層乃至は黒化層1の表面上から行なった。
(4)全光線透過率の測定
(株)島津製作所製分光光度計(MPC−3100)を用いて、波長500〜550nmの範囲の透過率を測定し、最も透過率の高い波長の透過率を用いた。測定はパターン状に化加工した後の黒化層1の側から光を入射させて測定した。
[実施の形態の一例]
(実施例1)
図1を使って説明する。評価結果は表に示す。
(株)島津製作所製分光光度計(MPC−3100)を用いて、波長500〜550nmの範囲の透過率を測定し、最も透過率の高い波長の透過率を用いた。測定はパターン状に化加工した後の黒化層1の側から光を入射させて測定した。
[実施の形態の一例]
(実施例1)
図1を使って説明する。評価結果は表に示す。
基材(3)として東レ株式会社製PETフィルム(商品名:ルミラーU48)を用いた。基材の厚みは100μmであった。基材(3)の全光線透過率は92%であった。
基材の一方の面側(これを上面側とする)に、ロールトゥロールにて密着層1(5a)(ニッケル)を、厚みが10nmとなるようにDCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。この際ニッケルターゲットに印加した電圧は325Vであり、ターゲットに対する電力密度は66.7kW/m2であった。また、スパッタリングガスとしてはアルゴンを用い、圧力が0.1Paとなるように流量を調整した。
次に密着層1の上面側に、ロールトゥロールにて金属層1(4a)(銅)を、厚みが2μmとなるようにEB蒸着法で成膜した。電子銃の出力は成膜幅に対して53.5kW/mとした。
次に金属層1の上面側に、ロールトゥロールにて黒化層1(2a)(窒化銅)を、厚みが40nmとなるように、DCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。この際ニッケルターゲットに印加した電圧は500Vであり、ターゲットに対する電力密度は166.7kW/m2であった。また、スパッタリングガスとしては窒素100%ガスを用い、圧力が0.1Paとなるように流量を調整した。
次に基材の下面側に、密着層2(5b)(ニッケル)を、厚みが10nmとなるように、DCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。形成条件は、密着層1(5a)と同じとした。
次に密着層2の下面側に、黒化層2(2b)(窒化銅)を、厚みが40nmとなるように、DCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。形成条件は、黒化層1(2a)と同じとした。
次に黒化層2の下面側に、金属層2(4b)(銅)を、厚みが2μmとなるようにEB蒸着法で成膜した。形成条件は、金属層1と同じとした。
その後、積層体の両面に旭化成イーマテリアルズ製のドライフィルムレジスト(商品名:サンフォートADH−151)を貼合し、両面をフォトマスク越しに露光、現像した。
次に塩化第二鉄水溶液で両面の黒化層と金属層と密着層を部分的に除去し、透明導電性フィルムを得た。得られた積層体の金属層、黒化層、密着層のパターンは、両面とも線幅10μm、ピッチ250μmの90°メッシュ状であり、図1の上面側は下面側のメッシュパターンに対して、図3の上下方向、左右方向ともピッチの半分(125μm)だけオフセットさせたものとした。
得られた金属層、黒化層、密着層がパターン状の積層体(以下、これを透明導電性フィルムという)の全光線透過率は75%であり、上面と下面の表面抵抗率はそれぞれ0.26Ω/sq.と0.27Ω/sq.であった。
黒化層1の黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数は、18%であった。黒化層1から測定したL値は28、a値は1.0、b値は−2.3であった。
(実施例2)
実施例1の黒化層1(2a)と黒化層2(2b)を作製するときのスパッタリングガスを窒素95.0%と酸素5.0%の混合ガスを用いる以外は、実施例1と同じ条件で作製した。
(実施例2)
実施例1の黒化層1(2a)と黒化層2(2b)を作製するときのスパッタリングガスを窒素95.0%と酸素5.0%の混合ガスを用いる以外は、実施例1と同じ条件で作製した。
得られた金属層、黒化層、密着層がパターン状の積層体(以下、これを透明導電性フィルムという)の全光線透過率は75%であり、上面と下面の表面抵抗率はそれぞれ0.25Ω/sq.と0.27Ω/sq.であった。
黒化層1の黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数は、25%であった。黒化層1から測定したL値は27、a値は0.1、b値は−3.3であった。
(実施例3)
実施例1の黒化層1(2a)と黒化層2(2b)を作製するときのスパッタリングガスを窒素79.0%と酸素21.0%の混合ガスを用いる以外は、実施例1と同じ条件で作製した。
(実施例3)
実施例1の黒化層1(2a)と黒化層2(2b)を作製するときのスパッタリングガスを窒素79.0%と酸素21.0%の混合ガスを用いる以外は、実施例1と同じ条件で作製した。
得られた金属層、黒化層、密着層がパターン状の積層体(以下、これを透明導電性フィルムという)の全光線透過率は75%であり、上面と下面の表面抵抗率はそれぞれ0.26Ω/sq.と0.28Ω/sq.であった。
黒化層1の黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数は、34%であった。黒化層1から測定したL値は23、a値は1.2、b値は−2.1であった。
(比較例1)
実施例1の黒化層1(2a)と黒化層2(2b)を作製するときのスパッタリングガスを窒素50.0%と酸素50.0%の混合ガスを用いる以外は、実施例1と同じ条件で作製した。
(比較例1)
実施例1の黒化層1(2a)と黒化層2(2b)を作製するときのスパッタリングガスを窒素50.0%と酸素50.0%の混合ガスを用いる以外は、実施例1と同じ条件で作製した。
得られた金属層、黒化層、密着層がパターン状の積層体(以下、これを透明導電性フィルムという)の全光線透過率は75%であり、上面と下面の表面抵抗率はそれぞれ0.35Ω/sq.と0.27Ω/sq.であった。
黒化層1の黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数は、52%であった。黒化層1から測定したL値は31、a値は4.1、b値は1.5であった。
本発明は、静電容量式タッチパネル用の透明導電性フィルムが好ましいが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
1.積層体
2a.黒化層1
2b.黒化層2
3.基材
4a.金属層1
4b.金属層2
5a.密着層1
5b.密着層2
11.上面のパターン
12.下面のパターン
2a.黒化層1
2b.黒化層2
3.基材
4a.金属層1
4b.金属層2
5a.密着層1
5b.密着層2
11.上面のパターン
12.下面のパターン
Claims (8)
- 黒化層と基材の積層体であって、
黒化層中の窒化銅について、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数と窒化銅の非酸化物を構成する窒素原子数との合計を100原子%とした場合に、窒化銅の酸化物を構成する窒素原子数が1原子%以上50原子%以下であることを特徴とする積層体。 - 黒化層側から光を入射したときの反射光について、Lab系におけるL値が19〜30、a値が−4〜3、b値が−4〜1であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 金属層を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層体。
- チタン、ニッケル、及びクロムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む密着層を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
- 黒化層、金属層(以下、金属層1という)、基材、黒化層(以下、黒化層2という)、金属層を、この順に有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
- 金属層1と基材の間に、密着層を有し、さらに、基材と黒化層2の間に密着層を有することを特徴とする、請求項5に記載の積層体。
- 全光線透過率が20%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
- 表面抵抗率が0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
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