JP2007163995A - 透明導電膜付き基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガリウムを含む亜鉛の酸化物(GZO)、またはアルミニウムを含む亜鉛の酸化物(AZO)を用いた透明導電膜が形成された透明導電膜付き基板において、表示素子作成工程等で、化学的,物理的作用を受けて特性劣化を起こしにくい安定した透明導電膜付き基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】基板10の表面に透明導電膜20が形成された透明導電膜付き基板1であって、透明導電膜20は、基板10表面に直接的にまたは他の機能層23を介して間接的に形成された第1透明導電膜21と、第1透明導電膜21の表面に形成された第2透明導電膜22とを備え、第1透明導電膜21は、アルミニウムを含む亜鉛の酸化物AZOまたはガリウムを含む亜鉛の酸化物GZOで形成され、第2透明導電膜22は、スズを含むインジウム酸化物ITOで形成された。
【選択図】図1
【解決手段】基板10の表面に透明導電膜20が形成された透明導電膜付き基板1であって、透明導電膜20は、基板10表面に直接的にまたは他の機能層23を介して間接的に形成された第1透明導電膜21と、第1透明導電膜21の表面に形成された第2透明導電膜22とを備え、第1透明導電膜21は、アルミニウムを含む亜鉛の酸化物AZOまたはガリウムを含む亜鉛の酸化物GZOで形成され、第2透明導電膜22は、スズを含むインジウム酸化物ITOで形成された。
【選択図】図1
Description
本発明は、透明導電膜付き基板およびその製造方法に係り、特に液晶表示素子や有機EL素子等に用いる積層型酸化物透明導電膜を備えた透明導電膜付き基板およびその製造方法に関する。
従来、透明導電膜は、液晶装置,プラズマディスプレー,有機および無機EL,エレクトロクロミズム等の表示素子や、電磁波遮蔽、太陽電池、タッチパネル、防曇、センサー、その他電極等に用いられている。
透明導電膜の中でもITO(酸化スズ添加の酸化インジウム)膜は、導電性と透明性において優れているため最も多用されている。しかし、酸化インジウム(In2O3)の価格が高価であるため、ITO膜はコスト高であるという問題がある。このため、ITO膜の代替として酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする透明導電膜が開発されている。
酸化亜鉛は、酸化インジウムと比較して材料価格が安価である点で工業的に優れているが、酸化亜鉛で形成した透明導電膜は、電気特性においてITO膜よりもやや劣っている。すなわち、酸化亜鉛薄膜の比抵抗は、1〜2×10−2Ω・cmであり、ITO膜よりも2桁ほど高い。また、酸化亜鉛薄膜は、大気中に放置した場合には水分吸着によって薄膜粒界で化学的作用が起こったり、薄膜形成時に結晶性の欠陥等によって抵抗値が不安定となったり、その他、加湿,加熱,酸,アルカリに対する耐久性において難があるという問題がある。
このように酸化亜鉛薄膜は、ITO膜と比べてコスト的には優位であるが、電気特性および耐久性においてやや不利である。
そこで、このような不都合を回避するために酸化亜鉛系の透明導電膜では、電気的に亜鉛(Zn)置換元素である第IIIb族を主に第IVb族,第Vb族と、酸素(O)置換元素の第VIIb族の中から選択された元素を添加物として特性の改善と耐久性を向上させることが行われている。
そこで、このような不都合を回避するために酸化亜鉛系の透明導電膜では、電気的に亜鉛(Zn)置換元素である第IIIb族を主に第IVb族,第Vb族と、酸素(O)置換元素の第VIIb族の中から選択された元素を添加物として特性の改善と耐久性を向上させることが行われている。
例えば、耐久性を向上させるために、酸化亜鉛透明導電膜を、マグネシウム(Mg)添加の酸化亜鉛薄膜で被覆することにより改善を図る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。マグネシウム(Mg)添加の酸化亜鉛薄膜で酸化亜鉛透明導電膜を被覆することにより、水分浸入による劣化を防ぐことができる。
また、同様に特性改善のために、酸化亜鉛にGa2O3を0.1〜10重量%の範囲で添加したZnO膜(GZO膜)や、Al2O3を0.5〜1重量%の範囲で添加したZnO膜(AZO膜)が提案されている(特許文献2,3参照)。
ガリウム(Ga)を含む亜鉛の酸化物(GZO)またはアルミニウム(Al)を含む亜鉛の酸化物(AZO)によって形成された亜鉛を主成分とする酸化物透明導電膜は、ガリウム(Ga)またはアルミニウム(Al)の酸化物の添加により酸化亜鉛(ZnO)のみの透明導電膜と比較して各段に電気特性と安定性が向上する。
ガリウム(Ga)を含む亜鉛の酸化物(GZO)またはアルミニウム(Al)を含む亜鉛の酸化物(AZO)によって形成された亜鉛を主成分とする酸化物透明導電膜は、ガリウム(Ga)またはアルミニウム(Al)の酸化物の添加により酸化亜鉛(ZnO)のみの透明導電膜と比較して各段に電気特性と安定性が向上する。
しかしながら、液晶表示素子や有機EL素子等を作成するフォトリソグラフ工程での洗浄工程では、加熱,温水やアルカリ液浸漬等の処理が行われるが、上記透明導電膜では、これらの処理に対する信頼性が十分ではなかった。特に超音波の発信されたアルカリ液中に浸漬した場合には、膜厚が減少してしまうという問題が生じる。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、ガリウムを含む亜鉛の酸化物(GZO)、またはアルミニウムを含む亜鉛の酸化物(AZO)を用いた透明導電膜が形成された透明導電膜付き基板において、表示素子作成工程等で、化学的,物理的作用を受けて特性劣化を起こしにくい安定した透明導電膜付き基板およびその製造方法を提供することにある。
前記課題は、本発明によれば、基板の表面に透明導電膜が形成された透明導電膜付き基板であって、前記透明導電膜は、前記基板表面に直接的にまたは他の薄膜を介して間接的に形成された第1透明導電膜と、該第1透明導電膜の表面に形成された第2透明導電膜と、を備え、前記第1透明導電膜は、アルミニウムを含む亜鉛の酸化物AZOまたはガリウムを含む亜鉛の酸化物GZOで形成され、前記第2透明導電膜は、スズを含むインジウム酸化物ITOで形成されることにより解決される。
このように本発明では、基板にAZO膜またはGZO膜を形成しており、酸化亜鉛膜よりも電気的特性を改善している。さらに本発明では、これらAZO膜またはGZO膜の表面が保護膜として機能するITO膜で被覆された構成となっている。これにより、本発明の透明導電膜付き基板は、全体として耐久性が向上されAZO膜やGZO膜の性能劣化を抑制することができ、安定性および耐久性を確保することが可能となる。
また、ITO膜のみで透明導電膜を構成した場合は、ITO膜が高価であるためにコスト高となってしまうが、本発明ではAZO膜やGZO膜を主にして、ITO膜を保護膜として用いているので製造コストを低減することが可能となる。
また、ITO膜のみで透明導電膜を構成した場合は、ITO膜が高価であるためにコスト高となってしまうが、本発明ではAZO膜やGZO膜を主にして、ITO膜を保護膜として用いているので製造コストを低減することが可能となる。
また、透明導電膜付き基板全体の安定性と耐久性の確保及び材料費の低減化の観点から、前記第2透明導電膜は、膜厚10nm〜50nmの範囲に形成するとよい。
また、本発明の透明導電膜付き基板は、基板の表面に透明導電膜が形成された透明導電膜付き基板の製造方法であって、前記基板の表面に直接的にまたは他の薄膜を介して間接的に第1透明導電膜を形成する工程と、前記第1透明導電膜の表面に第2透明導電膜を形成する工程と、を備え、前記第1透明導電膜を形成する工程では、アルミニウムを含む亜鉛の酸化物AZOまたはガリウムを含む亜鉛の酸化物GZOで透明導電膜を形成し、前記第2透明導電膜を形成する工程では、スズを含むインジウム酸化物ITOで透明導電膜を形成することにより製造することができる。
このとき、前記第2透明導電膜を形成する工程では、透明導電膜を膜厚10nm〜50nmの範囲に形成するとよい。
本発明の透明導電膜付き基板によれば、ガリウムを含む亜鉛の酸化物(GZO)またはアルミニウムを含む亜鉛の酸化物(AZO)を用いた透明導電膜を、さらにスズを含むインジウム酸化物透明導電膜(ITO膜)で被覆する構成としたので、表示素子作成工程等で、ITO膜の保護機能によってAZO膜やGZO膜が化学的,物理的作用を受けて特性劣化してしまうことを防止することができ、耐久性を確保することが可能となる。
また、ITO膜と共にAZO膜またはGZO膜を導電膜として用いているので全体として安価に製造することが可能となる。
また、ITO膜と共にAZO膜またはGZO膜を導電膜として用いているので全体として安価に製造することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置、手順等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1は本発明の一実施形態に係る透明導電膜付き基板の断面図、図2は本発明の他の実施形態に係る透明導電膜付き基板の断面図、図3は本発明の比較例に係る透明導電膜付き基板の断面図である。
図1は本発明の一実施形態に係る透明導電膜付き基板の断面図、図2は本発明の他の実施形態に係る透明導電膜付き基板の断面図、図3は本発明の比較例に係る透明導電膜付き基板の断面図である。
図1に示すように、本例の透明導電膜付き基板1は、基板10の表面に透明導電膜20が形成されたものである。
基板10は、例えば、ガラス,樹脂,樹脂フィルム,結晶体,ガラス以外のセラミックス等の透明又は有色の基板、パターン化されたカラーフィルター,ブラックマトリクス,配線電極,引き出し電極や平坦化層,バリア層等の機能を有する有機又は無機の薄膜が少なくとも1層以上形成された基板等であり、薄膜形成可能なものであれば特に限定されるものではない。
基板10は、例えば、ガラス,樹脂,樹脂フィルム,結晶体,ガラス以外のセラミックス等の透明又は有色の基板、パターン化されたカラーフィルター,ブラックマトリクス,配線電極,引き出し電極や平坦化層,バリア層等の機能を有する有機又は無機の薄膜が少なくとも1層以上形成された基板等であり、薄膜形成可能なものであれば特に限定されるものではない。
透明導電膜20は、基板10表面に形成された酸化物透明導電膜(第1透明導電膜)21と、さらにこの表面に積層された酸化物透明導電膜(第2透明導電膜)22から構成されている。
また、図2に示すように、基板10と第1透明導電膜21との間に、増透過,増反射,バリア等の機能を有する透明な機能層23を形成してもよい。機能層23は、1層であってもよいし複数層であってもよい。
また、図2に示すように、基板10と第1透明導電膜21との間に、増透過,増反射,バリア等の機能を有する透明な機能層23を形成してもよい。機能層23は、1層であってもよいし複数層であってもよい。
基板10の表面に形成される導電性を有する第1透明導電膜膜21は、酸化亜鉛(ZnO)に置換材料としてIIIb族元素(本例ではAl,Ga)の酸化物を添加した酸化物透明導電膜であり、可能な限り低抵抗、且つ、透明度が高いことが望ましい。
また、これ以外にも用途と仕様によっては、上記以外のIIIb族元素や、第IVb族,第Vb族等の元素の中から選定した材料を組み合わせて添加することも可能である。
また、これ以外にも用途と仕様によっては、上記以外のIIIb族元素や、第IVb族,第Vb族等の元素の中から選定した材料を組み合わせて添加することも可能である。
第2透明導電膜22は、第1透明導電膜21とは特性が異なるものである。本例では、スズを含むインジウム酸化物(ITO)からなる酸化物透明導電膜であり、第1透明導電膜21の表面を被覆して保護機能を持たせるように形成されている。
第2透明導電膜22は、透明導電膜付き基板1全体の安定性と耐久性の確保及び材料費の低減化を考慮すると、膜厚10nm〜50nmの範囲で形成するとよい。またさらに、安定性,耐久性,材料費の低減化を図るためには、第2透明導電膜22は、より緻密な薄膜形成による30nm以下の膜厚が好ましい。
第2透明導電膜22は、透明導電膜付き基板1全体の安定性と耐久性の確保及び材料費の低減化を考慮すると、膜厚10nm〜50nmの範囲で形成するとよい。またさらに、安定性,耐久性,材料費の低減化を図るためには、第2透明導電膜22は、より緻密な薄膜形成による30nm以下の膜厚が好ましい。
これらの第1透明導電膜21,第2透明導電膜22は、蒸着法(電子ビーム,レーザー)、イオンプレーティング法(DC,RF)、スパッタリング法(DC,RFその他)やアシスト(紫外線、レーザー、プラズマ)等の組み合わせにより形成される。また、RPD法(リアクティブ・プラズマ蒸着法:高知工科大学)で形成してもよい。RPD法では、比抵抗2×10−4Ω・cm台に形成可能である。
まず、基板10表面に第1透明導電膜21を形成し、その後、第1透明導電膜21表面に第2透明導電膜22を形成することにより、透明導電膜20が形成される。なお、これらの膜厚は、必要とする抵抗値等により適宜に設定することができる。
また、図2の膜構成の場合は、基板10上に必要であれば機能層23を適宜な方法により形成し、機能層23表面に第1透明導電膜21を形成し、その後、第1透明導電膜21表面に第2透明導電膜22を形成することにより、透明導電膜20が形成される。
また、図2の膜構成の場合は、基板10上に必要であれば機能層23を適宜な方法により形成し、機能層23表面に第1透明導電膜21を形成し、その後、第1透明導電膜21表面に第2透明導電膜22を形成することにより、透明導電膜20が形成される。
このように、本例の透明導電膜20は、基板10上に直接的または機能層23を介して間接的に形成されている。そして、透明導電膜20は、基板10側から機能層23,第1透明導電膜21、さらに第1透明導電膜21上に第2透明導電膜22が積層された複数層構成である。
第1透明導電膜21は、酸化亜鉛(ZnO)にAlまたはGaの酸化物を添加した酸化物透明導電膜(AZO膜,GZO膜)であり、導電性と透明性を確保すると共に、ITO膜と比べて安価に製造することができるものである。
第1透明導電膜21は、酸化亜鉛(ZnO)にAlまたはGaの酸化物を添加した酸化物透明導電膜(AZO膜,GZO膜)であり、導電性と透明性を確保すると共に、ITO膜と比べて安価に製造することができるものである。
一方、第2透明導電膜22は、スズを含むインジウム酸化物(ITO)からなる酸化物透明導電膜であり、導電性と透明性を確保すると共に、耐久性においても優れた特性を有する。
上述のように酸化亜鉛(ZnO)にAlまたはGaの酸化物を添加した酸化物透明導電膜(AZO膜,GZO膜)のみを基板10上に形成した場合では、耐久性において十分とはいえない。しかしながら、本例のようにAZO膜,GZO膜をITO膜で被覆することにより、全体として導電性と透明性を確保すると共に、耐久性に優れたものとすることができる。
上述のように酸化亜鉛(ZnO)にAlまたはGaの酸化物を添加した酸化物透明導電膜(AZO膜,GZO膜)のみを基板10上に形成した場合では、耐久性において十分とはいえない。しかしながら、本例のようにAZO膜,GZO膜をITO膜で被覆することにより、全体として導電性と透明性を確保すると共に、耐久性に優れたものとすることができる。
すなわち、第1透明導電膜21であるAZO膜,GZO膜が、第2透明導電膜22であるITO膜で被覆されることにより、ITO膜が保護膜として機能してAZO膜,GZO膜の耐久性を向上させ特性劣化を防止することができる。また、ITO膜のみで形成した場合よりも安価に形成することができる。
以下に本発明の具体的実施例について説明する。実施例1〜6は、図1に示す基板10上に2層構造の透明導電膜20を形成した例である。
実施例の膜構成およびその測定結果等を表1に示す。
実施例の膜構成およびその測定結果等を表1に示す。
(実施例1)
本実施例では、基板10にガラス基板を用い、ガラス基板表面に第1透明導電膜21としてAZO膜を形成し、さらにこの表面に第2透明導電膜22としてITO膜を順次積層して透明導電膜20を有する透明導電膜付き基板1を複数形成した。
本実施例では、基板10にガラス基板を用い、ガラス基板表面に第1透明導電膜21としてAZO膜を形成し、さらにこの表面に第2透明導電膜22としてITO膜を順次積層して透明導電膜20を有する透明導電膜付き基板1を複数形成した。
本例では、まず、洗浄したガラス基板をスパッタリング装置にセットし、始めにアルミニウムを含む亜鉛の酸化物(AZO)ターゲット(酸化アルミニウム2%:酸化亜鉛98%)を使用して酸化物透明導電膜(AZO膜)を形成した。
このとき基板加熱温度230℃、スパッタ圧力1.0×10−1Pa、アルゴン(Ar)/酸素(O2)の混合ガス比99:1、投入パワー2.5W/cm2(DC)の形成条件の下に、膜厚120nmになるようにスパッタした。
このとき基板加熱温度230℃、スパッタ圧力1.0×10−1Pa、アルゴン(Ar)/酸素(O2)の混合ガス比99:1、投入パワー2.5W/cm2(DC)の形成条件の下に、膜厚120nmになるようにスパッタした。
さらに、ガラス基板上に形成されたAZO膜の上に、スズを含むインジウム酸化物(ITO)からなる酸化物透明導電膜(ITO膜)を形成した。
このとき基板加熱温度230℃、スパッタ圧力1.0×10−1Pa、アルゴン(Ar)/酸素(O2)の混合ガス比95:5、投入パワー4.0W/cm2(DC)の形成条件の下に、膜厚30nmになるようにスパッタした。
このとき基板加熱温度230℃、スパッタ圧力1.0×10−1Pa、アルゴン(Ar)/酸素(O2)の混合ガス比95:5、投入パワー4.0W/cm2(DC)の形成条件の下に、膜厚30nmになるようにスパッタした。
その後、成膜されたガラス基板を装置から取り出し、電気特性である面抵抗値を三菱油化(現三菱化学)製の表面抵抗計ロレスタAPによる4端子4探針法によって測定した。また、膜厚をアルバック製の触針式表面形状測定器Dectakによって測定した。さらに、光学特性である分光透過率を日立ハイテクノロジーズ製の自記分光光度計U−4000によって測定した。
測定結果は、面抵抗値が39.3Ω/□、膜厚の合計が158nm、分光透過率が波長550nmで90.7%、比抵抗が6.2×10−4Ω・cmであり、高透過率の酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜が得られたことが分かった。
次に、電気特性及び光学特性を調査したガラス基板の一部を用いて、耐久性試験を実施した。
耐久性試験は、耐アルカリ性試験と耐アルカリ・超音波洗浄性試験を行った。耐アルカリ性試験では、40℃の1%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に5分浸漬し、試験後に面抵抗値と膜厚を測定した。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、超音波(48kHz)を与えた40℃の2%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に5分浸漬し、試験後に面抵抗値と膜厚を測定した。
耐久性試験は、耐アルカリ性試験と耐アルカリ・超音波洗浄性試験を行った。耐アルカリ性試験では、40℃の1%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に5分浸漬し、試験後に面抵抗値と膜厚を測定した。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、超音波(48kHz)を与えた40℃の2%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に5分浸漬し、試験後に面抵抗値と膜厚を測定した。
耐久試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値39.29Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値38.19Ω/□であり、−2.8%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値43.98Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値43.53Ω/□であり、−1.0%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値43.98Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値43.53Ω/□であり、−1.0%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
(実施例2)
本実施例は、複数のガラス基板上にAZO膜およびITO膜を順次成膜した例であり、実施例1とこれらの膜厚のみ異ならせている。各透明導電膜は、実施例1と同条件で形成した。
本例では、AZO膜を膜厚130nm、ITO膜を膜厚20nmとなるようにスパッタして形成した。
本実施例は、複数のガラス基板上にAZO膜およびITO膜を順次成膜した例であり、実施例1とこれらの膜厚のみ異ならせている。各透明導電膜は、実施例1と同条件で形成した。
本例では、AZO膜を膜厚130nm、ITO膜を膜厚20nmとなるようにスパッタして形成した。
形成された透明導電膜の測定結果は、面抵抗値が40.1Ω/□、膜厚の合計が159nm、分光透過率が波長550nmで91.0%、比抵抗が6.4×10−4Ω・cmであり、高透過率の酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜が得られたことが分かった。
次に、電気特性及び光学特性を調査したガラス基板の一部を用いて、実施例1と同様の耐久性試験を実施した。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値42.08Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値41.2Ω/□であり、−2.1%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値41.7Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値41.2Ω/□であり、−1.2%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値42.08Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値41.2Ω/□であり、−2.1%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値41.7Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値41.2Ω/□であり、−1.2%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
(実施例3)
本実施例は、複数のガラス基板上にAZO膜およびITO膜を順次成膜した例であり、実施例1とこれらの膜厚のみ異ならせている。各透明導電膜は、実施例1と同条件で形成した。
本例では、AZO膜を膜厚140nm、ITO膜を膜厚10nmとなるようにスパッタして形成した。
本実施例は、複数のガラス基板上にAZO膜およびITO膜を順次成膜した例であり、実施例1とこれらの膜厚のみ異ならせている。各透明導電膜は、実施例1と同条件で形成した。
本例では、AZO膜を膜厚140nm、ITO膜を膜厚10nmとなるようにスパッタして形成した。
形成された透明導電膜の測定結果は、面抵抗値が44.5Ω/□、膜厚の合計が155nm、分光透過率が波長550nmで91.2%、比抵抗が6.9×10−4Ω・cmであり、高透過率の酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜が得られたことが分かった。
次に、電気特性及び光学特性を調査したガラス基板の一部を用いて、実施例1と同様の耐久性試験を実施した。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値44.61Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値44.15Ω/□であり、−1.0%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値44.83Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値45.12Ω/□であり、+0.6%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値44.61Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値44.15Ω/□であり、−1.0%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値44.83Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値45.12Ω/□であり、+0.6%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
(実施例4)
本実施例は、基板10にガラス基板を用い、ガラス基板表面に第1透明導電膜21としてGZO膜を形成し、さらにこの表面に第2透明導電膜22としてITO膜を順次積層して透明導電膜20を有する透明導電膜付き基板1を形成した。
本実施例は、基板10にガラス基板を用い、ガラス基板表面に第1透明導電膜21としてGZO膜を形成し、さらにこの表面に第2透明導電膜22としてITO膜を順次積層して透明導電膜20を有する透明導電膜付き基板1を形成した。
本例では、まず、洗浄したガラス基板をスパッタリング装置にセットし、始めにガリウムを含む亜鉛の酸化物(GZO)ターゲット(酸化ガリウム5%:酸化亜鉛95%)を使用して酸化物透明導電膜(GZO膜)を形成した。
このとき実施例1と同様に、基板加熱温度230℃、スパッタ圧力1.0×10−1Pa、アルゴン(Ar)/酸素(O2)の混合ガス比99:1、投入パワー2.5W/cm2(DC)の形成条件の下に、膜厚120nmになるようにスパッタした。
このとき実施例1と同様に、基板加熱温度230℃、スパッタ圧力1.0×10−1Pa、アルゴン(Ar)/酸素(O2)の混合ガス比99:1、投入パワー2.5W/cm2(DC)の形成条件の下に、膜厚120nmになるようにスパッタした。
さらに、ガラス基板上に形成されたGZO膜の上に、スズを含むインジウム酸化物(ITO)からなる酸化物透明導電膜(ITO膜)を形成した。
このとき実施例1と同様に、基板加熱温度230℃、スパッタ圧力1.0×10−1Pa、アルゴン(Ar)/酸素(O2)の混合ガス比95:5、投入パワー4.0W/cm2(DC)の形成条件の下に、膜厚30nmになるようにスパッタした。
このとき実施例1と同様に、基板加熱温度230℃、スパッタ圧力1.0×10−1Pa、アルゴン(Ar)/酸素(O2)の混合ガス比95:5、投入パワー4.0W/cm2(DC)の形成条件の下に、膜厚30nmになるようにスパッタした。
形成された透明導電膜を実施例1と同様に測定した。測定結果は、面抵抗値が25.8Ω/□、膜厚の合計が151nm、分光透過率が波長550nmで90.5%、比抵抗が3.89×10−4Ω・cmであり、高透過率の酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜が得られたことが分かった。
次に、電気特性及び光学特性を調査したガラス基板の一部を用いて、実施例1と同様の耐久性試験を実施した。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値26.01Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値25.74Ω/□であり、−1.0%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値27.37Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値27.87Ω/□であり、+1.8%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値26.01Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値25.74Ω/□であり、−1.0%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値27.37Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値27.87Ω/□であり、+1.8%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
(実施例5)
本実施例は、複数のガラス基板上にGZO膜およびITO膜を順次成膜した例であり、実施例4とこれらの膜厚のみ異ならせている。各透明導電膜は、実施例1と同条件で形成した。
本例では、GZO膜を膜厚130nm、ITO膜を膜厚20nmとなるようにスパッタして形成した。
本実施例は、複数のガラス基板上にGZO膜およびITO膜を順次成膜した例であり、実施例4とこれらの膜厚のみ異ならせている。各透明導電膜は、実施例1と同条件で形成した。
本例では、GZO膜を膜厚130nm、ITO膜を膜厚20nmとなるようにスパッタして形成した。
形成された透明導電膜の測定結果は、面抵抗値が27.1Ω/□、膜厚の合計が153nm、分光透過率が波長550nmで91.0%、比抵抗が4.15×10−4Ω・cmであり、高透過率の酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜が得られたことが分かった。
次に、電気特性及び光学特性を調査したガラス基板の一部を用いて、実施例1と同様の耐久性試験を実施した。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値27.24Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値27.62Ω/□であり、+1.4%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値28.46Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値28.16Ω/□であり、−1.1%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値27.24Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値27.62Ω/□であり、+1.4%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値28.46Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値28.16Ω/□であり、−1.1%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
(実施例6)
本実施例は、複数のガラス基板上にGZO膜およびITO膜を順次成膜した例であり、実施例4とこれらの膜厚のみ異ならせている。各透明導電膜は、実施例1と同条件で形成した。
本例では、GZO膜を膜厚140nm、ITO膜を膜厚10nmとなるようにスパッタして形成した。
本実施例は、複数のガラス基板上にGZO膜およびITO膜を順次成膜した例であり、実施例4とこれらの膜厚のみ異ならせている。各透明導電膜は、実施例1と同条件で形成した。
本例では、GZO膜を膜厚140nm、ITO膜を膜厚10nmとなるようにスパッタして形成した。
形成された透明導電膜の測定結果は、面抵抗値が28.0Ω/□、膜厚の合計が152nm、分光透過率が波長550nmで91.3%、比抵抗が4.26×10−4Ω・cmであり、高透過率の酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜が得られたことが分かった。
次に、電気特性及び光学特性を調査したガラス基板の一部を用いて、実施例1と同様の耐久性試験を実施した。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値27.78Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値28.41Ω/□であり、+2.3%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値28.33Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値28.75Ω/□であり、+1.5%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値27.78Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値28.41Ω/□であり、+2.3%変化していた。膜厚変動は0であり膜厚減少なしであった。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値28.33Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値28.75Ω/□であり、+1.5%変化していた。膜厚変動は0であり、耐アルカリ性試験同様に膜厚減少は確認されなかった。
次に、比較例について説明する。比較例1,2は、図3に示すように基板10上に1層の透明導電膜30を形成した例である。比較例1,2では、それぞれ透明導電膜30をAZO膜,GZO膜としており、実施例1〜6と異なりITO膜を上層に積層形成していない。比較例の膜構成およびその測定結果等を表1に示す。
(比較例1)
本比較例は、基板10にガラス基板を用い、ガラス基板表面に透明導電膜30としてAZO膜を単層形成した透明導電膜付き基板101を複数形成した。
本例では、実施例1〜3と同様の条件でガラス基板上にAZO膜を形成した。本例では、AZO膜を膜厚150nmとなるようにスパッタして形成した。
本比較例は、基板10にガラス基板を用い、ガラス基板表面に透明導電膜30としてAZO膜を単層形成した透明導電膜付き基板101を複数形成した。
本例では、実施例1〜3と同様の条件でガラス基板上にAZO膜を形成した。本例では、AZO膜を膜厚150nmとなるようにスパッタして形成した。
形成された透明導電膜の測定結果は、面抵抗値が40.6Ω/□、膜厚の合計が150nm、分光透過率が波長550nmで91.2%、比抵抗が6.09×10−4Ω・cmであり、高透過率の酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜が得られたことが分かった。
次に、電気特性及び光学特性を調査したガラス基板の一部を用いて、実施例1と同様の耐久性試験を実施した。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値41.63Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値45.47Ω/□であり、+9.2%変化していた。膜厚は150nmから142nmに変動しており、8nm減少していた。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値46.29Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値56.96Ω/□であり、+23.1%変化していた。膜厚は150nmから127nmに変動しており、23nm減少していた。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値41.63Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値45.47Ω/□であり、+9.2%変化していた。膜厚は150nmから142nmに変動しており、8nm減少していた。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値46.29Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値56.96Ω/□であり、+23.1%変化していた。膜厚は150nmから127nmに変動しており、23nm減少していた。
(比較例2)
本比較例は、基板10にガラス基板を用い、ガラス基板表面に透明導電膜30としてGZO膜を単層形成した透明導電膜付き基板101を複数形成した。
本例では、実施例4〜6と同様の条件でガラス基板上にGZO膜を形成した。本例では、GZO膜を膜厚150nmとなるようにスパッタして形成した。
本比較例は、基板10にガラス基板を用い、ガラス基板表面に透明導電膜30としてGZO膜を単層形成した透明導電膜付き基板101を複数形成した。
本例では、実施例4〜6と同様の条件でガラス基板上にGZO膜を形成した。本例では、GZO膜を膜厚150nmとなるようにスパッタして形成した。
形成された透明導電膜の測定結果は、面抵抗値が27.9Ω/□、膜厚の合計が151nm、分光透過率が波長550nmで91.1%、比抵抗が4.21×10−4Ω・cmであり、高透過率の酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜が得られたことが分かった。
次に、電気特性及び光学特性を調査したガラス基板の一部を用いて、実施例1と同様の耐久性試験を実施した。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値27.78Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値30.22Ω/□であり、+8.8%変化していた。膜厚は151nmから137nmに変動しており、14nm減少していた。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値29.32Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値36.15Ω/□であり、+23.3%変化していた。膜厚は151nmから128nmに変動しており、23nm減少していた。
耐久性試験の結果、耐アルカリ性試験では、試験前の面抵抗値27.78Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値30.22Ω/□であり、+8.8%変化していた。膜厚は151nmから137nmに変動しており、14nm減少していた。
また、耐アルカリ・超音波洗浄性試験では、試験前の面抵抗値29.32Ω/□のサンプルが、試験後には面抵抗値36.15Ω/□であり、+23.3%変化していた。膜厚は151nmから128nmに変動しており、23nm減少していた。
以上のように、比較例1,2では、AZO膜,GZO膜が露出していることから、耐アルカリ性試験の前後において面抵抗は9%程度の大幅増、耐アルカリ・超音波洗浄性試験の前後において面抵抗は20%を超える大幅増となっている。また、試験前後において膜厚は大幅に減少している。
すなわち、比較例1,2の透明導電膜付き基板101では、試験後にアルミニウムまたはガリウムの酸化物を含む酸化亜鉛透明導電膜(AZO膜,GZO膜)の電気的特性の大幅な劣化および膜厚の減少が観察されており、耐久性が低いことが検出されている。
すなわち、比較例1,2の透明導電膜付き基板101では、試験後にアルミニウムまたはガリウムの酸化物を含む酸化亜鉛透明導電膜(AZO膜,GZO膜)の電気的特性の大幅な劣化および膜厚の減少が観察されており、耐久性が低いことが検出されている。
したがって、比較例1,2の態様では、酸化亜鉛透明導電膜の特性及び耐久性に関し、アルミニウムまたはガリウムの酸化物を含む酸化亜鉛透明導電膜(AZO膜,GZO膜)により改善できるものの、その改善は、電気抵抗のみであり、液晶表示素子や有機EL表示素子作成時のパターニング行程におけるアルカリ耐性が不十分であることが分かる。
これに対し、実施例1〜6では、AZO膜,GZO膜をITO膜が被覆していることから、耐アルカリ性試験,耐アルカリ・超音波洗浄性試験の前後において面抵抗値の変動は±3%以内に抑えられており、面抵抗値に実質的な変動は観察されなかった。また、試験前後において膜厚の変動は測定されなかった。
すなわち、実施例1〜6の透明導電膜付き基板1では、AZO膜またはGZO膜をITO膜で被覆することにより、電気的特性の劣化および膜厚の減少が観察されず、耐久性が向上されていることが分かる。
すなわち、実施例1〜6の透明導電膜付き基板1では、AZO膜またはGZO膜をITO膜で被覆することにより、電気的特性の劣化および膜厚の減少が観察されず、耐久性が向上されていることが分かる。
このように、実施例1〜6の態様では、アルミニウムまたはガリウムの酸化物を含む酸化亜鉛透明導電膜(AZO膜,GZO膜)の表面上にITO透明導電膜を積層しており、AZO膜やGZO膜に対して耐アルカリのバリアが形成されるため、フォトリソグラフ行程でのアルカリ耐性が向上し、抵抗値の安定した透明導電膜を確保できる。
また、基板表面に形成されるAZO膜,GZO膜は酸化亜鉛を主成分とするため、スズを含むインジウム酸化物ITOからなる酸化物透明導電膜のみで構成するよりも、安価に形成することができ、製造コストを低減することが可能となる。
1・・透明導電膜付き基板
10・・基板
20・・透明導電膜
21・・第1透明導電膜
22・・第2透明導電膜
23・・機能層
30・・透明導電膜
101・透明導電膜付き基板
10・・基板
20・・透明導電膜
21・・第1透明導電膜
22・・第2透明導電膜
23・・機能層
30・・透明導電膜
101・透明導電膜付き基板
Claims (4)
- 基板の表面に透明導電膜が形成された透明導電膜付き基板であって、
前記透明導電膜は、前記基板表面に直接的にまたは他の薄膜を介して間接的に形成された第1透明導電膜と、該第1透明導電膜の表面に形成された第2透明導電膜と、を備え、
前記第1透明導電膜は、アルミニウムを含む亜鉛の酸化物AZOまたはガリウムを含む亜鉛の酸化物GZOで形成され、
前記第2透明導電膜は、スズを含むインジウム酸化物ITOで形成されたことを特徴とする透明導電膜付き基板。 - 前記第2透明導電膜は、膜厚10nm〜50nmの範囲に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜付き基板。
- 基板の表面に透明導電膜が形成された透明導電膜付き基板の製造方法であって、
前記基板の表面に直接的にまたは他の薄膜を介して間接的に第1透明導電膜を形成する工程と、
前記第1透明導電膜の表面に第2透明導電膜を形成する工程と、を備え、
前記第1透明導電膜を形成する工程では、アルミニウムを含む亜鉛の酸化物AZOまたはガリウムを含む亜鉛の酸化物GZOで透明導電膜を形成し、
前記第2透明導電膜を形成する工程では、スズを含むインジウム酸化物ITOで透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜付き基板の製造方法。 - 前記第2透明導電膜を形成する工程では、透明導電膜を膜厚10nm〜50nmの範囲に形成することを特徴とする請求項3に記載の透明導電膜付き基板の製造方法。
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